リプレイ・ドロップ
雨宿町百鬼夜~蝙蝠傘差して~


メイン 見学



PC1:"ヒガンバナ"緋乃 凍花(ひの・とうか)キャラシート)PL:かあねりあん
PC2:"ワイズマン"栗生 賢人(くりふ・けんと)キャラシート)PL:しんごろ
PC3:”コル・スコルピイ”交野 静理(かたの・しずり)キャラシート)PL:いーさにうむ
PC4:”アラモゴォド”天元 あたり(てんげん・あたり)キャラシート)PL:日向
GM:さささ

目次




プリプレイ


GM:では、セッションを開始します。
GM:まずはPC紹介。
GM:PC1の緋乃くんからお願いします。

キャラシート
緋乃凍花:ああ。
緋乃凍花:「おれが守る。もう二度と、あんなことは繰り返させない」
緋乃凍花:“ヒガンバナ”緋乃凍花(ひの・とうか)。礼儀正しく生真面目な15歳の高校1年生。
緋乃凍花:小柄で童顔の男の子です。その辺がちょっとコンプレックス。
GM:かわいいね
緋乃凍花:かわ……
緋乃凍花:ああ。二度目だな。ありがとう……
緋乃凍花:雨宿町の旧家の生まれですが、6年前、『焔の怪人』の手で家族と帰る家を失い、
緋乃凍花:その最中に覚醒して生き延びた過去を持ちます。
緋乃凍花:焔の怪人への怒りを心の奥にしまいこみ、自分のような境遇の人が二度と出ないよう
緋乃凍花:家に代々伝わる霊剣『火輪』を手にUGNの一員として日常の裏側に身を投じました。
GM:えらい子
緋乃凍花:性能は白兵。鬼切りの古太刀に《炎神の怒り》《煉獄魔神》を乗せ、
緋乃凍花:100%からは《ライトスピード》も合わせて殴るオーソドックスな剣士です。
緋乃凍花:チルドレン御用達の《バディムーヴ》も持っています。
GM:最強エンブレムだ
緋乃凍花:UGNに入った時にプッシュされたとかされなかったとか。
緋乃凍花:今回はカバーリングも持って来ました。とはいえ侵蝕きつそうなので出番があるかな?
GM:万事ぬかりなしだ……
緋乃凍花:長男だからな
緋乃凍花:今回は後輩から何やら相談されると伺っています。
GM:そうなのです
GM:聞いてあげてほしい
緋乃凍花:おれでよければいくらでも。ああ、頼ってくれ
緋乃凍花:というわけで、よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします!
GM:そんな相談ハンドアウトはこちら

PC1
緋乃凍花
シナリオロイス:"真庭悠香(まにわ・ゆうか。大人しい女子中学生)
あなたは雨宿町に住むオーヴァードだ。
あなたが任務で面倒を見ている真庭悠香は覚醒したばかりのオーヴァードで、保護役のあなたに何かと相談をしてくる。
ハロウィンの準備で賑わう町を尻目に、悠香は今日もどこか物憂げな顔でいた。
どうやら家族との関係で悩みがあるらしい。晴らしてあげられないだろうか。




真庭 悠香:真庭悠香です。
緋乃凍花:おれの後輩がかわいい
緋乃凍花:失礼。中の人が漏れました
GM:書いてあるとおり、不安なことが多い中学生女子です。
緋乃凍花:家族か……。大事なことだ。一緒に考えられるといいな
GM:家族はオーヴァードではないので、その辺で悩みがあるようですね。
GM:考えてあげてほしい!

GM:では次、PC2の栗生さん。

キャラシート
栗生 賢人:はーい!
栗生 賢人:「やっぱりね、僕にはこういう仕事の方が似合って……いやいや、もちろん給料分は働くよ?大人だからね?」
栗生 賢人:"ワイズマン"栗生賢人(くりふ・けんと)。UGN雨宿町支部資料室付きのエージェントで、一年ほど前に左遷され、なんだかんだ町に愛着が湧いたようです。
GM:三度目登板のもはやおなじみさんですね
栗生 賢人:イェア、お世話になっております。
栗生 賢人:そして平時の仕事を同僚に丸投げして、町のどこかでサボっているのもお馴染みに。
GM:同僚がおこです
栗生 賢人:たまには残業するから許して……。
栗生 賢人:とはいえなんだかんだ、きちんと仕事はやれている様子。だからこそ支部の皆も力を貸してくれるのではないかなあと思います。
GM:えらい
栗生 賢人:そんなわけで、所持Dロイスは「組織の助力」。支部の、そして町のみんなの力を借りてミドルのあれやこれやを突破します。
GM:ミドルつよつよ丸だ……
栗生 賢人:能力的にはモルフェウス/サラマンダーの白兵屋。どでかい一発は持っていませんが、安定して戦えます。
栗生 賢人:補助とかはできないので、その辺りの細やかなムーブは……3人に任せた!
栗生 賢人:ロール的には今回の(今回も)大人枠ということで、見守ったり背中を押したり、そして仲間のなんやかんやに関わっていきたいと思います。
栗生 賢人:ひとまずは……以上かな!
GM:はあい! 大人枠がんばってほしい!
GM:ハンドアウトはこちらです。

PC2
栗生賢人
シナリオロイス:"ブルームルーム"花鶏純(あとり・じゅん。伊達眼鏡のお洒落な女性)
あなたは雨宿町に住むオーヴァードだ。
商店街を中心に行われるハロウィンイベントは、今年も小規模ながら賑わっているようだ。
ブティック『アトリエ・アトリ』店主として、UGNの警備責任者として、支部員の花鶏純は大忙しの様子。
あなたにも警備の任務が与えられた。協力してつつがなくイベントを終えよう。




花鶏 純:花鶏です、よろしく!
栗生 賢人:キャーあとりさーん。
GM:同僚の、少し年上のお姉さんかな
GM:一応主任なので多少えらいです
GM:この人の下で警備をしようね、というのが目的
栗生 賢人:ですね。花鶏さん栗生くん、とか呼び合う感じの。(支部長の友人ということもあって、割と丁寧に接する相手という認識)
GM:呼び合ってしまえ
栗生 賢人:それはそれとして、ブティックにお邪魔してコーヒーをごちそうになってたりする。
GM:わりとさばけた人なんで、それくらいはやってくれるでしょう
GM:まだ何か起こってる感じではないですが、がんばって!
栗生 賢人:わーいゴチになります!ハロウィンの準備の手伝いとかもしちゃうぞ。
栗生 賢人:押忍、がんばる!よろしく…お願いします!
GM:よろしくお願いします!

GM:ではPC3の交野さん。

キャラシート
交野 静理:はい。
交野 静理:「……空を見てるとね。一人じゃない、って思えるんだ」
交野 静理:"コル・スコルピィ" 交野 静理(かたの・しずり。17歳。UGNチルドレンであり、現役女子高生でもあります。
交野 静理:物静かな性格。友達が多い方ではないですが、人当たりはよく勤勉で品行方正。優等生気質とも言うかな。趣味は読書と天体観測。
GM:雰囲気……
交野 静理:6歳までこの雨宿町で育ち、父の仕事の都合で一度町を離れましが、その後後述の事情により、高校入学と同時に生まれ故郷に帰ってきました。
交野 静理:実は5年前に大事故に遭い、心臓部に瀕死の重傷を負いました。その心臓部を、UGNエージェントである父の図らいによって遺産での代替を試み、奇跡的に成功。
GM:おかえりー
交野 静理:ただいまー
交野 静理:その影響でオーヴァードとして覚醒し、以後はチルドレンとして訓練を積んでいました。現在は状態も安定して元気なようです。
交野 静理:……ただ、融合した仮初の心臓がどれ程命を担保するかは未知数のため、「落ち着いた故郷で暮らしたい」という母の意向もあり、この町に戻ることになりました。
交野 静理:同時期に雨宿町支部に移籍し、模範的なチルドレンとして任務に励んでいます。
交野 静理:覚醒時に発現した、『蠍の尾』に似た部位を自在に操ることで戦闘行動を行います。このせいで体重が重くなっているのが密かにコンプレックスだったり……
GM:あっ体重内緒だ
交野 静理:多分+5kgとかあるので、ぐぬぬ……ってなるのです
交野 静理:補足事項として、遺産の影響で"哀"の感情が徐々に薄れていっていることが確認されています。
交野 静理:そのため、悲恋や別離の物語を好んで読むことで、「まだその感情を保てている」と認識しているのだとか。
GM:せつない
交野 静理:本人の恋愛経験はゼロ……
交野 静理:性能としては、エグザイル/ウロボロスの小技持ち白兵アタッカー。
交野 静理:みんな大好き《骨の剣》《死招きの爪》で安定した火力を出しつつ、《凍てつく刃》で火力補助、カバーリングもあります。
交野 静理:戦闘で色々出来る分、ミドル性能は控えめです。皆さんに頼っちゃいますね。
GM:適材適所!
交野 静理:今回は、どうやら小学生の男の子からひそひそ話を聞かされるのだとか……?
GM:そうなのだぞ
GM:聞いてあげてね
交野 静理:聞いちゃいます
交野 静理:力になれるといいな。頑張ります!
GM:よーし、ではハンドアウトはこちら。

PC3
交野静理
シナリオロイス:真庭常樹(まにわ・つねき。非オーヴァードの小学生男子)
あなたは雨宿町に住むオーヴァードだ。
あなたはある雨の日、真庭常樹という小学生男子と一緒に雨宿りをし、親しく話すことになった。
オンラインカードゲームに夢中の様子の彼だが、近付くハロウィンの話になるとふと顔を曇らせ内緒話をしてくれた。
「うちのお姉ちゃんには秘密がある。もしかしたら、悪い魔女なのかもしれない」と。


GM:これ、さきほどちょっと話したんですが
GM:初対面より顔見知りの方がやりやすいなと思いました
交野 静理:ご近所さんだったりするのかな。
GM:そうですね。それだといいかも
GM:見かけたら挨拶したりするくらいの仲だとよさげ


真庭 常樹:挨拶するよ!
交野 静理:いい子だね。
真庭 常樹:へへん
GM:普通に元気な小学生ですね
GM:よろしくしてあげてー
交野 静理:はーい、仲良くしたい! 宜しくおねがいします!

GM:では最後、PC4の天元さん。

キャラシート
天元あたり:はぁい。
天元あたり:生家も住処も雨宿町、外見も中身も子供のレネゲイドビーイング。天元あたりです。
GM:ジモティーだ
天元あたり:見た目相応に素直で天真爛漫。寂しがりで人懐っこい。でも大人はちょっと苦手。
天元あたり:RBとしての源流は、「かつて子供が遊び、親しみ、忘れ去ったレトロゲーム機の思い出」。
GM:いいなーー
天元あたり:最近のゲームは日進月歩で進化してるので、若いくせにどんどん力が増長してる。
GM:次世代機どんどん出てくる
天元あたり:情報処理能力や電子機器操作など、何かを"操作"する行為がはちゃめちゃ得意だったりします。あとゲームも。
GM:ほほう
天元あたり:能力的には、オリジン由来の映像(イメージ)や規則(コード)を実体化させ、攻撃や支援・エキストラとして運用します。
天元あたり:エフェクトや効果音は、どことなく懐かしさあふれるもの。
天元あたり:データとしては、社会偏重の単体白兵+支援補助盛り。
天元あたり:秘密兵器でフォールンスプライトも担ぎ、ミドルのノーダメージクリアRTAを目指します。
GM:補助が強いんですよね……
GM:ひえ
天元あたり:では登場侵蝕を振ったらタイマースタートです。よろしくお願いします!
GM:なんか始まっちゃった
GM:よろしくお願いします! ということでハンドアウトこちらです。

PC4
天元あたり
シナリオロイス:偏福(へんぷく。少年の姿の非常に若いレネゲイドビーイング)
あなたは雨宿町に住むレネゲイドビーイングだ。
ある日あなたは、町外れの天弓山の麓であやし=RBの知り合い、偏福と顔を合わせる。
あまり人里に出たことがなく、山の御殿で暮らしていた彼だが、ハロウィンに限り町に遊びに行く許可が出たらしい。
嬉しそうな偏福を見送った直後、御殿の主であるアテナシが追いかけてきた。
曰く、「偏福は勝手に抜け出した。探すのを手伝ってほしい」と。


GM:あやしっていうのはここのステージのレネビの別名なんですが
GM:山の御殿から抜けてきたらしい奴がいます。
天元あたり:なるなる
GM:そこでUGNと協力してねーって言われるので
GM:合流に向かう感じですね


偏福:がんばれー
天元あたり:任せて!ちゃちゃっとクリアしてくるよ~
GM:抜け出した奴が言うなよ、と書いてて思いましたが
GM:クリアがんばってください!

GM:では、ここでちょっと前提情報の共有を。
GM:このステージのざっとおさらいみたいな感じですね。情報項目がふたつあります。

★雨宿町のあやし=RBについて 自動開示
この町には古くからレネゲイドビーイングが発生し、時には怪異、時には隣人として共存をしてきた。
一般的なRBとやや異なる点としては『オリジンの形質に近い存在』になりがちなところ。
レネゲイドそのものとしての自覚が無ではないがやや薄く、憑依した先に同調しやすい。
そういったまとまりや行き先のない彼らを屋敷で後見しているのが、山の主を自称するアテナシというRBである。



★雨宿町の土地と共振について 自動開示
この土地には、強力なレネゲイドの気配(ワーディングなど)に反応し、精神感応が起こることがある。
具体的には記憶や思念がその場の任意の人間に伝わりやすくなる。これを共振と言う。
※演出的には、主にオリジナルエフェクト使用後あるいは衝動判定時、シーン途中に半マスターシーンが挿入されます。


GM:この辺がステージ内で特異な感じかな、と思いますので覚えておくとわかりやすいかも。
GM:では、トレーラーを貼って開始していきます。

GM:某県雫原市・雨宿町。
昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。


GM:秋も深まる頃、お化けと仮装の祭りが始まる。
町にはふらりとあやしも降りて紛れ込む、そんな時期だ。
賑やかな祭りには楽しさだけでもなくて、切なく苦しい思い出も、揺れ動く今の気持ちも。
それから、純粋な想いと裏腹の恐怖も……訪れるのかもしれない。



いらっしゃいませ。『アトリエ・アトリ』へようこそ!
町はハロウィンの仮装でなかなかの賑わい。こっちは表も裏も大忙しってところ。
でも、どちらの顔もこなしてこそのデキるエージェントってやつだものね。

表も裏も、秘密も嘘も、本当は全部その人の顔。
隠しても隠さなくても、誤魔化しても装っても、やり方次第ってこと。
……みんながみんな、そう割り切れたらいいんだけどねえ?

さあ、通りに繰り出して……蝙蝠の跡を追いましょう。

ダブルクロス The 3rd Edition『リプレイ・ドロップ 雨宿町百鬼夜〜蝙蝠傘差して〜』

いつかの誓いは裏切らない。
大切に持ち続けていれば、きっと。



マスターシーン1


GM:雨が、しとしとと降っていた。
GM:濡れるのは、そんなに好きでもない。でも、その日は結構楽しかった。
GM:お気に入りの長靴を穿いて、弟の迎えに行っていたからだ。
GM:二人でおしゃべりしながら歩くのは好きだった。仲の良い姉弟だったと思う。
GM:くるくると、赤い傘が雨粒を弾いて回る。
GM:まるで、雨の日に咲く花のように。
????:「……ねえ、おねえちゃん」
GM:まだ小さい弟が、あたしの袖を引っ張った。
GM:小さな子供用の、黒い傘を差している。
????:「なあに?」
????:「あのね、傘、とっかえっこしない?」
????:「えー?」
GM:あたしは自分の赤い傘を見上げる。
GM:弟の傘と一緒に、お姉さんだからねって買ってもらったものだ。
????:「赤がいいの?」
????:「うん。赤がいい」
GM:弟は真面目な顔でこくこくとうなずく。
GM:あたしは。
GM:あたしは……。


オープニング1 緋乃 凍花


GM:登場侵蝕をお願いします。
緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を1d10(→ 6)増加 (41 → 47)
GM:まあまあ


【雨宿町町役場・応接室】

GM:こじんまりとした、清潔な雰囲気の応接室。
GM:町役場の一室でもあり、UGN雨宿支部が使用する施設でもある。
GM:季節柄、机には小さなジャックオーランタンの置物が飾られている。
GM:そしてあなたの向かいのソファには、中学生の女子がちょこんと座っていた。
GM:髪をふたつ結びにした大人しそうな子で、しゅんと落ち込んでいる様子。
真庭 悠香:「……悩みがあるんです」

【"キキミミ"真庭悠香・市立雫石第三中学二年生】

GM:真庭悠香は覚醒したてのオーヴァードで、年齢の近いあなたがしばらく担当として相談を受けることになっていた。
GM:不安も多いのだろう。今日のように、支部を訪ねて来るのも数度目だった。
緋乃凍花:「悩みか。その様子だと……」
緋乃凍花:「だいぶ思い詰めているな。そして、おれの所に来たということは」
緋乃凍花:「こっち絡み、か?」
真庭 悠香:「そうなんです……」
緋乃凍花:そうか、と頷き
真庭 悠香:「うーんと、大きい悩みなのかはわからないんですけど」
緋乃凍花:「聞かせてくれ。ゆっくりでいいから」
真庭 悠香:「わたしにとってはちょっと、深刻なんです」
真庭 悠香:「あの、家族の……話で」
緋乃凍花:「家族……か」
真庭 悠香:「そうなんですー」
真庭 悠香:はー、とため息。
真庭 悠香:「オーヴァードの人って、みんながみんな、家族ごとオーヴァードだったりはしない、ですよね」
緋乃凍花:「そうだな。おれの家族もそうだよ」
真庭 悠香:ゆっくりと、言葉を選んではいるようだ。オーヴァード、と少し言いにくそうにしている。
真庭 悠香:「ですよね!」
真庭 悠香:「あの、そしたら、ずっと黙ってなきゃならないじゃないですか」
真庭 悠香:「あ、もちろん。黙ってるのが大事なのはわかってます」
真庭 悠香:「でも、なんか、気になっちゃって。悪いなあ、というか……」
真庭 悠香:「バレちゃってないかな、とか」
緋乃凍花:「ああ……毎日顔を合わせていると、どうしてもな」
真庭 悠香:「そうなんです……」しゅん、と下を向く。
緋乃凍花:「普段通りに過ごしていれば心配はないんだろうけど」
緋乃凍花:「いつ何時、弾みでということもあるからな」
真庭 悠香:「やだー」
真庭 悠香:「あの、なんか弟がたまにじーっとこっち見てるんです」
真庭 悠香:「あの子変に目ざといから、気が付かれてないかすごく心配……」
真庭 悠香:ソファにかけた足をばたばたする。
緋乃凍花:「弟か。確か、名前は……」彼女の担当になった時、家族構成を一通り聞いてはいたが。
真庭 悠香:「常樹です。小2」
緋乃凍花:「ああ、そうだ。それで……そうだな」
緋乃凍花:「勘付かれるようなことでもあったか? 家の中で力を使うようなことは?」
真庭 悠香:「ええっと……家の中はさすがに」
真庭 悠香:「外は、うっかり……はあったんですけど、弟はいなかった……といいなあ」
真庭 悠香:「うう、もしかしたらその時に何か……」
緋乃凍花:(うっかり……)僅かに頬が緩む。
緋乃凍花:緋乃凍花は一種の発火能力者パイロキネシストだ。
緋乃凍花:目覚めたての頃、うっかりで何度身の回りの物を燃やしたことか。
真庭 悠香:「あ、でも本当にちょっとだし、近くに人は居なかったと思うんです!」力説する。
緋乃凍花:「まあ、うっかりはしょうがない。おれも結構覚えはある」
真庭 悠香:「居なかったと……居たのかなあー」しょげる。
真庭 悠香:「緋乃さんも?」
真庭 悠香:身を乗り出す。
緋乃凍花:「そうだよ。おれなんかこうだからな」彼女の前で人差し指を立てる。
緋乃凍花:すると。
緋乃凍花:ポッと指先に小さな炎が灯った。
真庭 悠香:「わあ……」
真庭 悠香:「きれい。クリスマスみたいですね」
真庭 悠香:「今はハロウィンだけど……」カボチャの置物を見る。
緋乃凍花:「キャンドルか。ロマンティックでいいな」
緋乃凍花:つられてカボチャの置物を見る。
真庭 悠香:「いいなあ、わたしのは人にはわかってもらえないやつだから……」
真庭 悠香:「…………」
真庭 悠香:「ハロウィンのイベント、今度あるじゃないですか」
GM:近所の三砂商店街で行われるイベントのことだ。
緋乃凍花:「ああ、聞いてる。仮装もあるんだってな」
GM:仮装の他、フリマやスタンプラリーなど、小さな催しだが力は入れている。
真庭 悠香:何か、手をかざしているようだが、あなたには何が起きているのかはわからない。
真庭 悠香:彼女の能力は、超音波、人の可聴域外の音を操るものだからだ。
真庭 悠香:直接的な殺傷力はない。
緋乃凍花:その様子に気付く。何かしているか、とは読み取れる。
緋乃凍花:だが、それだけだ。人間の耳では拾えない音。動物でもなければ反応することはないだろう。
真庭 悠香:「弟と二人で行くことになってて……」
真庭 悠香:「ちょっと、えーと、憂鬱?なんです」
緋乃凍花:「憂鬱……?」
真庭 悠香:「ちゃんと話せるかなあ、とか。緊張しちゃいそうだなあ、とか」
緋乃凍花:「……弟さんとは仲が良くないのか?」
真庭 悠香:「悪くはないですよ。生意気でムカつくけど」
真庭 悠香:「だからこそ……」
真庭 悠香:「嫌われたく、ないです」
緋乃凍花:「そういう盛りの年頃か」
真庭 悠香:きゅっと手を握り締めて、下を向いている。
緋乃凍花:「……大丈夫だよ。真庭さんの能力は、目で見て分かるものじゃないし」
真庭 悠香:「だと、いいんですけど……」
緋乃凍花:「それに、おれも妹とは仲、良かったし」
真庭 悠香:「妹さん、いるんですか?」
真庭 悠香:「あ、すいません。なんか……えっと」良かった、というところを何か誤解したようだ。
真庭 悠香:「仲直り、できるといいですね……」
緋乃凍花:「……ああ」
緋乃凍花:「心配してくれてありがとう。でも、こっちも大丈夫だから」
緋乃凍花:「そう……。大丈夫なんだ」
真庭 悠香:「そう、ですか?」
緋乃凍花:まるで自分に言い聞かせるような言葉。
真庭 悠香:心配そうな顔のまま、あなたの方を見ている。
緋乃凍花:「本当に大丈夫なんだよ。ケンカもしてないし」もう、ずっと。
緋乃凍花:「それより、弟さんとのことだ」
真庭 悠香:「……はい」
緋乃凍花:「おれのコードネームは知っているよな?」
真庭 悠香:「え? はい。"ヒガンバナ"ですよね」
真庭 悠香:「かっこいいですよね! 英語もいいけど日本語もいいなって思いました」
緋乃凍花:「自分で申請して付けたんだ。かっこいいって言われたのは初めてだ」ちょっと照れているようだ。
緋乃凍花:「……彼岸花って、縁起がよくないイメージがあるだろ。墓地に咲いてるとかさ」
真庭 悠香:「すごーい、わたし、希望は聞かれたけど思いつきませんでした」
真庭 悠香:「あ、そうかも。不吉って言われてる感じ……」
真庭 悠香:「でもそこがかっこいい気がします」力説する。
緋乃凍花:「おれは君の目にどう映っているんだ……?」ちょっと困惑しているようだ。
緋乃凍花:「まあいいか。おれがわざわざこの花を選んだのは、花言葉が好きだったからだ」
真庭 悠香:「花言葉」
緋乃凍花:「情熱。再会。また会う日を楽しみに。……悲しい思い出。とまあ、いろいろある」
緋乃凍花:「もうひとつ、あきらめ、という花言葉がある」
真庭 悠香:「あきらめ、ですか」
緋乃凍花:「ギブアップかよって思うよな。でも、違うんだ」
緋乃凍花:「仏教では悟りとか真実っていう意味がある、大事な言葉なんだ」
真庭 悠香:「…………」じっと聞いている。
緋乃凍花:「相手と、何より自分と向き合って、しっかりと見つめて」
緋乃凍花:「真実を明らかにする。そういう意味の言葉なんだ」
真庭 悠香:「それが、あきらめ、なんですか」
真庭 悠香:「なんとなく普段の言葉と違うイメージ……」
緋乃凍花:「不思議だよな。でも、それがおれには必要だと思って、そう付けた」
真庭 悠香:あなたの言葉を噛み締めるようにしている。
緋乃凍花:「君もそうしてみたらいいと思って、この話をした」
真庭 悠香:「……弟と?」
真庭 悠香:「弟と、それから自分と向き合って……」
緋乃凍花:「そう。弟さんが何を思っているのか、それを取りこぼさないように」
緋乃凍花:「きょうだいでぎくしゃくするのは、よくないものな」
真庭 悠香:「……まだ、ちゃんとはわからないですけど。覚えておきます」
真庭 悠香:「緋乃さんが私と向き合ってくれているのは、あの、わかりますから……」
真庭 悠香:ふっと、ようやく少し笑う。
緋乃凍花:「今、おれに言えるのはこのくらいだ。でも、相談ならいつでも乗るから」
真庭 悠香:「……はい」
緋乃凍花:「ひとりで悩むことはない。一緒に考えよう。おれでよかったらな」
真庭 悠香:まだ、全ての曇りが晴れたという顔ではない。
真庭 悠香:それでも、来た時よりは肩の荷は楽になったようにも見えた。
真庭 悠香:「ありがとうございます!」
真庭 悠香:真庭悠香は、あなたににこりと微笑んでみせた。

GM:その相談は、和やかな空気のままに終わった。
GM:その後、あなたには支部長から、ひとつの指令が下る。
GM:『三砂商店街のハロウィンイベントの警備』。
GM:いつも通り小さな任務。
GM:ただそこは、真庭悠香も弟と向かうと言っていた場所だった。

GM:ロイス取得のみできます。
緋乃凍花:では、真庭さんに ●尽力/懐旧 にて取得します。
GM:推奨感情書いてなかった
GM:了解です!


オープニング2 天元あたり


GM:登場侵蝕をお願いします。
天元あたり:34+1d10
DoubleCross : (34+1D10) → 34+6[6] → 40

GM:RTAはじまっちゃう


【天弓山・宛無御殿近辺】

GM:雨宿町近辺には町の規模に反して、多くのレネゲイドビーイングが住まっている。
GM:しかも、それはレネゲイドウイルスの拡散よりもずっと古くから続いていることなのだという。
GM:さて、そんなレネゲイドビーイング……あやしとも言われるあなたたちが、大抵一度は訪れる場所がある。
GM:山中に隠れるようにして建つ、大きく古風な御殿。この場所で暮らすあやしたちも多い。
GM:あなたも、その日はおそらくその宛無御殿を目当てに山道を歩いていたのだろう。
天元あたり:「よっ。ほっ」
天元あたり:なだらかな山道……ではなく、樹の根が起伏を作る山道の端側をぴょんぴょんと飛び跳ねながら。
天元あたり:ふと見上げると、大きな大きなお屋敷。その主……具体的には、その主の持ち物を目当てに。
GM:では、その時。屋敷の門の方からばたばたと走ってくる人影がある。
天元あたり:「ん」
偏福:「いそげいそげいそげっ」

【偏福・宛無御殿のあやし】

偏福:「いそぐぞ……あれっ」
天元あたり:樹の幹を蹴って、飛び込む様に山道の真中へ。
偏福:目を細めてあなたの方を見る、中華風の衣装を着た少年。あなたには見覚えがあるだろう。
偏福:宛無御殿で暮らしている、生まれてからさほど経っていないあやしのひとりだ。
天元あたり:「ありゃ。誰かと思ったら……偏福か」
偏福:ただ、彼はまだ単独で町に降りる許可を貰っていない、と以前愚痴っていたのも記憶にあるかもしれない。
偏福:「……あー」
偏福:「その声はあたりだな?」
天元あたり:「うん。どうしたの、そんなに急いで」
偏福:「悪いけど、今日は遊べないよ。ぼくら、下の町に行くのでな」
偏福:自分のことをぼくらと呼ぶのも、偏福の癖だ。
天元あたり:「……え?アテナシ様が許してくれたの?」
偏福:「そう、そうそう!」
偏福:こくこくと頷く。
偏福:「ほら、下ははろいん?って祭りだから」
偏福:「多少場違いでも紛れるだろうからって」
天元あたり:「ほんとぉ……?」俄かに信じがたい。自分の知る限り、彼は"あやし"の中でも一等年若い。
偏福:「ほんとだとも!」
偏福:ちらりと門の方へ目をやる。
GM:実際、夏祭りやハロウィンなどのイベントは、外に出るあやしが多い、というのは確かだ。
天元あたり:「確かに。今、街ではハロウィン……だっけ。そういう催しの準備をしてるって聞いたことある、けど」
偏福:「それそれ。人どもがおかしな格好をしていると聞いた」
偏福:「だから、ぼくらくらいなら平気だって」
天元あたり:「そうかぁー。じゃあ、アテナシ様が良いって言ったんなら大丈夫かな」
偏福:「そういうこと!」
天元あたり:首を傾げつつも、理には適っている。
偏福:ぱたぱたと走り、あなたの横を通り過ぎる。
天元あたり:「でも、あんまりはしゃぎ過ぎるとー……って、行っちゃったや」
偏福:「えっと、じゃあな! また戻ってきたら町の話をするので……」
偏福:声が遠くから聞こえる。
偏福:そして、その後に、ざあ、と葉ずれのような音がして。
天元あたり:「わかった~~」手を振って返す。
偏福:走る足音も消えてしまった。
天元あたり:「随分楽しみだったんだなぁ。あんなに急いじゃって」
GM:さて、そうして少年が去ってすぐのこと。
GM:もうひとつの足音がばたばたと、御殿の方から聞こえてくる。
天元あたり:「でも分かる。どんなゲームも色んな人と遊ぶのが楽しい……っと」
アテナシ:「偏福! この馬鹿者が!」

【アテナシ・天弓山の主】

アテナシ:目隠しをした色の白い、並外れた長身の男?がひとり。
アテナシ:門のところまで来て何やら叫んでいる。
天元あたり:「お、アテナシ様~!」
アテナシ:「おお、天元の」
天元あたり:「またアレやりにきたよ。車に乗って競走するやつ」
アテナシ:「歓迎したいところではあるのだが……」
アテナシ:渋い顔をしている。
アテナシ:「そなた、今偏福の奴を見かけたか?」
天元あたり:両手でハンドルのジェスチャー。某レースゲームのことを言っている。
天元あたり:「町に向かって急いで走ってった」
アテナシ:「あやつ……!」
アテナシ:「良いか、天元の。あやつは勝手に屋敷を抜け出しおったのだ」
天元あたり:「えっ」
アテナシ:「もちろん、許しなぞ与えてはおらぬというのに……」
天元あたり:「……あー、やっぱり。おかしいとは思ったんだけども」
天元あたり:「私の時も、結構長いこと許してくれなかったもんね」
アテナシ:「……そなたは知らぬことゆえ、仕方なし」
天元あたり:うんうん、と頷いて。
アテナシ:「ただ、問題は、幼いあやしが町で暴れでもしたら……」
アテナシ:「祭りが潰れるかもしれぬ」
天元あたり:「潰れる」
アテナシ:「それは困る」
天元あたり:「そうなの?」
アテナシ:「ああいう場がなければ、そら……」
アテナシ:「人とあやしがゆるりと交わることも少なくなろう」
アテナシ:「あとはまあ、火消しの者どもが喧しいからの」UGNのことだ。
天元あたり:「……んー。縁が細くなるのも。わーわー言われるのも」
天元あたり:「ちょっと困っちゃうね。私のうきうきゲームライフが上手くいかなくなっちゃうかも……」
アテナシ:「そうであろう、そうであろう」
アテナシ:「我もたまには位置ゲーでもやりたいところではあるが……まあよし」
アテナシ:「そういうわけで、だな」
アテナシ:「悪いのだが、天元の。ひとっ走り下に戻り、奴を探してはくれぬか」
天元あたり:「おっ」
アテナシ:「今、人里に向いておる者はそれこそ町におっての」
天元あたり:「おつかいってやつだね。私の裁量を見込んでの」
アテナシ:「頼りになる手がそうない」
アテナシ:「その通りである。クエストと言っても良い」
アテナシ:「報酬は、そうよな。好きなだけ対戦をしてやっても良いぞ」
アテナシ:コントローラーを持つ手つき。
天元あたり:「やたっ」
アテナシ:「下では火消しどもに手を借りると良い」
アテナシ:UGNのことだ。
天元あたり:「車のやつと……あ、あとあれもやりたい。数字が増えると吹っ飛ぶやつ」
天元あたり:「火消し。それって大人……?」
アテナシ:「大人もおる、子供もおる」
天元あたり:「なら、よし!」
アテナシ:「まあ、奴ら、何かまた手伝わせようとしてくるであろうが……それもまた楽しむと良いわ」
アテナシ:ひらひらと長い手を振る。
天元あたり:「おっけー。この天元あたりが、ちゃちゃっと偏福をお持ち帰りしてくるよ」
アテナシ:「頼むぞ」
天元あたり:言い切るや否や、踵を返して今来た山道を駆けていく。
アテナシ:「おおおお、早いこと」目隠しの奥で目を細める。
天元あたり:天元あたりは、いうなれば子供の記憶が積み重なり形になったもの。
天元あたり:ゆえに、人との繋がりは大切だ。現状に綻びが生まれれば、自らの形を損ないかねない。
天元あたり:……などという、難しいことは考えておらず。単に、たまに街に居りては子供とゲームで遊べなくなるのが嫌だという、至極単純な理由で。
天元あたり:あとはほんの少しだけ、彼の事が心配なのも。
天元あたり:「……とやっ!」
天元あたり:大きく飛び跳ねて、小さな影が山を降りていった。

GM:ロイス取得のみできます。
天元あたり:偏福/○心配/しょーがないなー で。以上
GM:すごい心配してる


オープニング3 交野 静理


GM:登場侵蝕をお願いします。
交野 静理:交野 静理の侵蝕を1D10(→ 3)増加 (41 → 44)
GM:ちいさめ
交野 静理:安心


【雨宿町・新市街 バス停】

GM:この町は雨が多い、とよく言われている。
GM:正確にはこの地方は、なのだろうが、地名のイメージでそう言い習わされているようだ。
GM:あなたは今、傘もなく秋雨に降られて道を歩いている。
GM:強い雨ではないが、しばらくは降り続きそうだ。
交野 静理:(家に着くまで、小雨で耐えてくれるかなと思ってたけど……)
交野 静理:雨脚の強まる中を、小走りに駆けていく。鞄の中に入っている、借りたばかりの本が気になっていた。
交野 静理:更に都合の悪いことに、今日はエナメルの肩掛けカバンではなく、布製のリュックサックだ。
交野 静理:このまま家に帰れば、借りた本を濡らしてしまうかもしれない──そう思った矢先、目に留まるものがあった。
GM:あなたが見つけたものは、屋根付きのバス停だ。あそこなら座って雨宿りができるはずだ。
交野 静理:お誂え向きの場所に、ほんの少し笑顔を浮かべて、小走りに駆け込んでいく。
GM:この町のバスはそれほど本数もない。あまり迷惑にもならないだろう。
GM:では、そこの椅子に。
交野 静理:水滴のついた髪を手で払い、ほう、と一息ついた時。
真庭 常樹:「…………」

【真庭常樹・市立天問小学校二年生】

GM:バス停には先客が居た。小学校低学年くらいの男子だ。あなたには見覚えがあるかもしれない。
交野 静理:「……あ、常樹くん」
真庭 常樹:無心で携帯ゲームをしていたようだったが。
真庭 常樹:「え、あ、あれ?」
真庭 常樹:ゲーム画面とあなたの方を交互に見る。
真庭 常樹:「あっ、静理ねえちゃん。待って待って待って」
交野 静理:思わぬ先客に、ほんの少し間抜けな声が漏れる。近所に住む真庭さん家の男の子だ。母親同士の仲が良いようで、その流れで自然に挨拶する仲になっている。
真庭 常樹:「今待っ、あっ」
交野 静理:「あ……ごめんね。私のことは気にしないで」
真庭 常樹:「あーっ、負けた!」
真庭 常樹:大声を出す。
交野 静理:「……邪魔しちゃった?」
真庭 常樹:「ううん!」
真庭 常樹:首をぶるぶると横に振る。
交野 静理:その声音からして、本当なのだろうと推察して。胸を撫で下ろす。
真庭 常樹:「今のは完全におれのプレイミスだし、アクションとかじゃないから!」
交野 静理:「そっか、それなら良かった。……隣、いいかな?」
真庭 常樹:「いいよいいよ!」
真庭 常樹:置いていたランドセルをずらす。
真庭 常樹:「静理ねえちゃんも雨?」
交野 静理:そう狭い場所ではないが、念の為訊く。了承を得てからリュックを下ろし、ベンチに腰掛けた。
交野 静理:「そう。思ってたより、強くなってきて……」
真庭 常樹:「だよなー!」
真庭 常樹:「おれ、早めにここに避難してたの。だからあんまし濡れてない」
真庭 常樹:「あ、タオルタオル」ランドセルからぐいーっとタオルを取り出し、あなたに渡す。
交野 静理:「図書館から借りてきた本が入ってるの。濡れるといけないし……」 ぽんぽんとリュックを叩く
真庭 常樹:「ふいて!」
交野 静理:「あ……」 少し逡巡する。自分のリュックの中にも入ってはいるのだが。
交野 静理:それでも、その好意を無碍にするのも躊躇われて、手を伸ばした。「うん、ありがとう」
真庭 常樹:「うん!」にこにこしている。
真庭 常樹:「はー、やっぱ静理ねえちゃんはなんか……なんかいいなー!」語彙がない。
真庭 常樹:「うちのねえちゃんとは全然ちがうし、高校生だからかなー」
交野 静理:雫の付いたブラウスの袖や、鞄を手際よく借りたタオルで拭いていく。「なんか?」 ほんの少し笑って。
交野 静理:「悠香ちゃん、中学生だっけ」
真庭 常樹:「そうそう。まだ子供なんだよなー」
真庭 常樹:「ゲーム教えてもやってくんないし」
交野 静理:くすり、と笑みを零す。確か彼は小学校2年生だったはずだ。その彼の口から『子供』という言葉が出てくるのは、妙に面白くて笑いを誘う。
真庭 常樹:「なんか最近こっちじーっと見てくるし」
交野 静理:「好き嫌いはあるものだから、あまり押し付けても困っちゃうよ」
交野 静理:「そうなの? 常樹くんと喋りたいとか、そういうのじゃないのかな」
真庭 常樹:「わかんね!」
真庭 常樹:「……ていうか、しゃべりたいって言われても……んーと……」
交野 静理:「仲、良くないの?」
真庭 常樹:「んー……」少し迷った様子で、ややあって口を開く。
真庭 常樹:「あのさ、これすごい秘密ね」
真庭 常樹:「秘密の秘密」
交野 静理:「私なんかに喋って、いいの?」
真庭 常樹:「んー、他に話せる、というか、聞ける人がいなくて」
真庭 常樹:「あの、女子で、大人だけど、話を聞いてくれるくらいの奴がいいの」
交野 静理:「……そっか。私でいいなら、聴くよ」
真庭 常樹:「あのさあのさ、女子って、魔法使えたりする?」
真庭 常樹:しごく真面目な顔。
交野 静理:「魔法?」 思わず鸚鵡返ししてしまう。
交野 静理:「……それって、空を飛んだりとか、そういうこと?」
真庭 常樹:「空……は見たことないけど、できんのかな」
真庭 常樹:「魔女ならできんのかも」
真庭 常樹:「ねえちゃんがさ」
真庭 常樹:「猫としゃべってるとこ見たんだ」
交野 静理:「へえ」
真庭 常樹:「ほんとだって! 猫が車の道に出ようとしてたんだけど」
真庭 常樹:「あぶないよって話しかけたら戻ってったの」
交野 静理:「うーん……」 指を顎にあてて、少し考える。「猫って賢いから、悠香ちゃんの言葉、分かったのかもね」
真庭 常樹:「あと、空き地ですげーいっぱいの猫に囲まれてたりもしたし」
真庭 常樹:「……魔女っぽくない?」真面目な顔だ。
交野 静理:「……猫に好かれる体質、なのかな」 やや言葉が萎んでいく。
交野 静理:「魔女っぽくないかと言われたら……」
交野 静理:「……ぽい、かも?」 冗談ぽく笑う。
真庭 常樹:「だろー!」冗談を真面目に受け取ったようだ。
真庭 常樹:「魔女って言ったら、そんで、悪いでしょ」
真庭 常樹:ゲーム機を示す。
真庭 常樹:スクロール&ウィザードというオンラインカードゲームが映っている。
交野 静理:「魔女が敵なの?」
真庭 常樹:「そう! 悪い奴! アンデッドとか使う」
交野 静理:「し、死霊遣い……」
真庭 常樹:「本でもそうでしょ。魔女、悪でしょ」
真庭 常樹:「……だからかな、って」
真庭 常樹:「最近、そわそわしてたり、元気なかったり」
交野 静理:「うーん……」 今まで読んだことのある本に思い巡らせる。「そうとも限らないけど……そっか」
交野 静理:「常樹くん、お姉さんのことが心配なんだね」
真庭 常樹:「うえっ」
真庭 常樹:「心配ー? そうなのかな?」首をひねる。
交野 静理:「だって、気になるんでしょ。お姉さんがちょっと変になってること」
真庭 常樹:「そりゃ気になるよ……」口を尖らす。
交野 静理:心配と不安が入り混じっているのだろうか。上手く言葉にならなさそうな少年に、優しく言葉を続ける。
交野 静理:「悠香ちゃんも、常樹くんが気にしてることに気付いてるんじゃないのかな。お互いにそうだから、じーっと見合うことになってて」
交野 静理:一拍、置いて。「……常樹くんは、お姉さんが魔女になっちゃうのは、怖い?」
真庭 常樹:「……だって」
真庭 常樹:「魔女、魔女狩りしなきゃなんでしょ」
真庭 常樹:半端な知識だけを得ているのだろう。
真庭 常樹:きゅっと唇を噛んでいる。
交野 静理:「それは随分昔のことだよ。今は、そんなことない」 はっきりと、口にする。
真庭 常樹:「……そうなのかな」
交野 静理:「女の子が皆、魔女になるわけじゃないよ。だけどね──」
交野 静理:人差し指を、一本立てて。自分の唇に当てる。
交野 静理:「……男の子も女の子も。大人になっていけば、一つや二つくらい、秘密ができるものだよ」
真庭 常樹:「……おお」
真庭 常樹:「すげー、今のがすげー大人!って感じする」
交野 静理:「ふふっ、そうかな」
交野 静理:「悠香ちゃんも、どんどん大人になっていく時期なんだよ。だから、ちょっと、色々と考えたり──もしかしたら、秘密を持ってるのかもしれない」
真庭 常樹:「秘密……」
交野 静理:「……でもね、大丈夫。秘密ができても、家族は家族だよ」
真庭 常樹:「……うーん」考え込む。
真庭 常樹:「シルヴィアとレナードみたいな感じかな……」ゲームキャラのことらしい。
真庭 常樹:ゲームキャラについて何か説明をしようとしたらしいが、諦める。
交野 静理:彼なりに納得をしようとしてくれているのだろう。それが嬉しくて。
交野 静理:「だから、常樹くんには、お姉さんのこと。そういう時期なんだと思って、見ていてくれると嬉しいな」
交野 静理:「また、魔女っぽいことしてたら、私にいつでも相談してくれればいいから。ね?」
真庭 常樹:「……わかんねーけど、ちょっとわかった」
交野 静理:「流石だね」
真庭 常樹:「魔女疑惑はまだ晴れてないけど!」
真庭 常樹:「じーっと見てる。じーっと」目をまん丸く開ける。
真庭 常樹:「じー!」
交野 静理:「あんまり見つめられたら、恥ずかしいよ」 照れたように笑う。
交野 静理:「……あ、雨。上がったね」
真庭 常樹:「ほんとだ!」
交野 静理:いつの間にか、雨雲は去っている。暫くは降ることもないだろう。
真庭 常樹:「あー、でも、静理ねえちゃんと話せたから」
真庭 常樹:「雨降ってちょっとだけよかったー!」
交野 静理:「こちらこそ、楽しかったよ」
真庭 常樹:「そんじゃ! 仮装の準備しないとなんだ!」
真庭 常樹:とん、と椅子から地面に降り立つ。
交野 静理:「ハロウィン、近いもんね。気をつけて帰ってね」
真庭 常樹:「うーっす!」
真庭 常樹:ゲーム機をランドセルに乱暴に放り込んで。
真庭 常樹:大きく手を振って、少年は走って去っていった。
交野 静理:その背を見送り、ようやく歩き出したところで──手に握ったままの、畳んだタオルに気が付いた。
交野 静理:(返し忘れちゃったな……)
交野 静理:ご近所さんだし、お礼も兼ねて何かお菓子と共に持っていこう。気を取り直し、リュックを背負って帰路に着く。
交野 静理:──真庭 悠香ちゃん。支部で以前、姿を見かけたことがあった。恐らく、オーヴァードなのだろう。
交野 静理:彼の『魔女疑惑』は、あながち間違ってはいない。子供の観察眼は、時に真実を容易に見抜いてしまう。
交野 静理:(……支部の人に、相談しておこうかな)
交野 静理:真実は、時に関係性を大きく変えてしまう。だから、彼が真実を知ることが、正しいことなのか良くないことなのかは、分からない。
交野 静理:それはきっと、自分じゃない誰かが決めることで。彼の日常が、そのままで在るように手助けをすることが、今の私のすべきことなのだろうと、思いながら。
交野 静理:水溜りを避けるように、"日常"へと帰っていく。

GM:ロイス取得のみできます。
交野 静理:真庭 常樹 ◯庇護/脅威 で取得します。その直感は時に脅威なのだ。
GM:了解です


オープニング4 栗生 賢人


GM:登場侵蝕をお願いします。
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を1d10(→ 2)増加 (32 → 34)
GM:省エネ


【雨宿町・ブティック『アトリエ・アトリ』】あるいは【UGN雨宿支部・装備部】

GM:夕方。大きな窓の外では人々がのんびりと行き交っている。
GM:商店街の一角にある洋服屋。実のところ、ここはUGN支部の一部署だ。
GM:華やかな洋服が並ぶ裏手には、やや物騒な武器防具の類いが積まれている。
GM:とはいえ、見回りを終えたあなたが今いるのは表の店舗。
GM:店内に黒い蝙蝠が多く飾られているのは、ハロウィンの飾り付けでもあるが、
GM:この店のロゴマークがリボンをつけた蝙蝠だからでもある。
花鶏 純:「はーい、お疲れ様ー」


【花鶏純・『アトリエ・アトリ』店主】あるいは【"ブルームルーム"・UGN雨宿支部装備部主任】

花鶏 純:眼鏡をかけたウェーブヘアの女性。この店と装備部の責任者であり、今回あなたに直接指示を出す立場でもある。
花鶏 純:商店街で行われるハロウィンイベントの警備があなたたちの任務だった。
栗生 賢人:「どうも、お疲れ様でした。と言っても、本番は明日なわけですけどね」
花鶏 純:あなたの前に、紙コップに淹れた紅茶を出す。
栗生 賢人:ブティックに出入りするような人間ではないため、居心地が悪そうに……はしていない。妙にリラックスしてすらいて。
花鶏 純:「そうねー。でも、当日は他にもチルドレンの子が来てくれるから」
花鶏 純:「まあ、楽しく乗り切っちゃいましょ」
花鶏 純:サバサバした雰囲気で笑う。
栗生 賢人:こりゃどうも、と礼を口にして紙コップを手に取って、暖かい紅茶をひとくち。ほう、と小さく息を吐く。
栗生 賢人:「僕が子供の頃には、こんなお祭り騒ぎじゃあなかった気がするんですがね。ま、若い子らが楽しんでるなら、いい風習になったってことか」
花鶏 純:「あたしもそうねー。外国のお祭りって感じだったっけ」
花鶏 純:飾られた蝙蝠のぬいぐるみを直しながら。
花鶏 純:「楽しいのはいいんだけど、あやしさんたちもはしゃいじゃうのは大変」
栗生 賢人:「ああ……元は、あの世から悪霊が出てくるもんで、仲間のフリをするために同じ格好を……ってやつでしたっけね」
花鶏 純:「……そう。日本のお盆に近いみたいね」
花鶏 純:少しだけ首を傾げて、考え深げな顔をする。
花鶏 純:「栗生くんは、ここの幽霊の話は……知ってたよね」
栗生 賢人:──元々面識はあったが、こうして比較的長く仕事で付き合うのは今回が初めてで。彼女のそういった仕草を目にするのも、割かし新鮮ではあった。
花鶏 純:本物の幽霊ではない。夏に出てくる、この町特有のレネゲイドビーイングの話をしている。
栗生 賢人:「ええ、多分、支部の中ではよく知ってる方だと思いますよ。……報告書の供覧先にここも含めてたでしょうに」
栗生 賢人:僅かに苦味の交じった、けれども穏やかな笑みで応じる。
花鶏 純:「やだ、不真面目なのがバレちゃうじゃない」
花鶏 純:軽く笑って。
花鶏 純:「まあ、あれは大体夏だから。ハロウィンには滅多に起きないけど」
栗生 賢人:「ああもはっきりと手を引かれるのは、夏祭りの時だけってことですか。……まあ、そういう意味じゃあこの町は──」
栗生 賢人:飾り付けられた店内をぐるりと見回して、先ほどまで見回っていた町の様子をそこに重ねるように思い浮かべて。
栗生 賢人:「一年中ハロウィンみたいなものかも。イタズラ好きの子には何人か心当たりがあるもんでね」
栗生 賢人:視線は壁の一方向、天弓山がある方角へとちらりと向けられる。
花鶏 純:「あはは。うちの店内もハロウィンってよく言われる」
花鶏 純:蝙蝠のぬいぐるみの位置をきゅっと直して。
花鶏 純:「よし、美人になった!」
花鶏 純:満足そうに腰に手を当てている。
栗生 賢人:「それ、女の子だったんですか。……いやまあ、確かにここは女性の領域ですがね」
花鶏 純:「いや、これは男の子」
花鶏 純:なんとなく、断言するような言い方だ。
花鶏 純:「名前はないけど、そこだけ決めてあるの。ねー」
花鶏 純:ぬいぐるみに話しかける。
栗生 賢人:「おや。……なんとなく、花鶏さんに似てるなあなんて思ってたんですが、こりゃあ読みが外れたかな」
花鶏 純:「そう? 似てる? じゃあ美人で問題なしね」
花鶏 純:ついついと蝙蝠をつついてやる。
花鶏 純:「まあ、この子は……」
GM:その時。
GM:窓の外に、ちらちらと何か黒いものが見えた。
GM:小さな黒い何かが、宙を舞っているようだ。
栗生 賢人:「──ぅん?」
花鶏 純:「……あれ?」
栗生 賢人:少し前のめりに、話を聞く姿勢だったところに──それが、見えた。
花鶏 純:窓の方に向かい、よく見つめる。
花鶏 純:「……ああ、なんだと思ったら」
花鶏 純:「本物の蝙蝠が飛んでる」
GM:ぱたぱたと、ごく当たり前に見かける蝙蝠が羽をばたつかせ……そのまま、また去っていった。
栗生 賢人:「……案外、人家に住み着いてるのも多いって話ですが」
花鶏 純:「そうね。ハロウィンらしいっちゃらしいし、うちの店らしいけど」
花鶏 純:「……あのさ。一応気に留めておいてもらえるかな」
花鶏 純:「最近というか、ここ数日、多いんだよね。この辺で見かけるの」
栗生 賢人:どこにでもいる動物だろうし大丈夫でしょう、と。そう返すのは簡単だったけれど。
花鶏 純:暗くなりかけた窓の外を見る。よく見れば、他にも外で飛んでいる蝙蝠がいるようだ。
栗生 賢人:「……ええ、覚えときますよ。他ならぬ花鶏さんのアドバイスだ」
花鶏 純:「まあ、普通に増えただけって気もするんだけど」
栗生 賢人:「上席と先任者の言うことはよぅく聞いておくのが、心穏やかに仕事をするコツってもんです」
花鶏 純:「お、世渡り上手」
花鶏 純:「蝙蝠となると、ちょっと個人的に気になっちゃってねー」
栗生 賢人:軽口はそのままに。蝙蝠のぬいぐるみを手にしていた時の表情を思い出しながら、小さく、けれどしっかりと頷く。
花鶏 純:「何もなければないで問題ないと思うし。一応ね」
花鶏 純:「ふふ、責任者だからね。気合い入れちゃう」
花鶏 純:そう言う彼女は、なんとなく、普段よりは妙に力を入れているように見えたかもしれない。
栗生 賢人:「……僕が言えたことじゃあないですがね。気張りすぎても気を抜きすぎても、いいことってのはあんまりないモンで」
栗生 賢人:「花鶏さんがやる気満々の分、僕はのんびりやらせてもらっちゃ……駄目ですかね、やっぱり」
栗生 賢人:くしゃりと崩したような笑みを浮かべて、紅茶をもうひとくち。
花鶏 純:「それでバランス取ったつもりー?」ニヤリと笑って。
花鶏 純:「栗生くんはあれよね。なんというか……正直」
花鶏 純:「頑張ってますよってポーズくらい取ればいいのに!」
花鶏 純:自分も紅茶を飲む。
栗生 賢人:「……早出して朝から真面目に書類仕事してたら、出勤してきた小遥ちゃんが二度見してきた話とかします?」
花鶏 純:「あっはは、目に浮かぶ」
花鶏 純:「でもさ、知ってるよー」
花鶏 純:「なんだかんだ、いつもちゃんとやってくれてる、ってこと」
花鶏 純:「今回もそうでしょ?」期待してますよ、という顔。
栗生 賢人:「はは、そりゃあまあ──」
栗生 賢人:──普段なら──若い子たち相手なら、誤魔化して終わるところなのだけれど。
栗生 賢人:「……そういう生き物ですからね。僕らみたいなエージェントっていうのは。……誰かがやらなきゃいけないことを、他の誰かが押し付けられる前になんとかする」
栗生 賢人:「──そんな風に毎度丸く収められたらいいんですが、ねえ」
花鶏 純:「……ほら、やっぱり。しっかりしてる」
花鶏 純:少し目を伏せて、紅茶に息を吹きかけて。
花鶏 純:「代理人、だものね。みんなの」
花鶏 純:「丸く収めるところまで含めてお仕事! よろしく!」
栗生 賢人:窓の外、蝙蝠が飛び去った夕焼け空。夏よりも早く陽が落ちてゆくその光景を横目に。
栗生 賢人:「……ええ。こりゃあ、今回ばかりはポーズをばっちり決めなきゃならないな」
栗生 賢人:一本取られた、あるいは上手く乗せられた。そんな気持ちで、口惜しさと嬉しさが半分ずつの苦笑いを浮かべて。
栗生 賢人:──夏とは違う、もうひとつの夜。生者と死者の境が曖昧になる日が。
栗生 賢人:どうか、この人にとっても良き日となりますように、と──

GM:ロイス取得のみできます。
栗生 賢人:花鶏純:■信頼/恥辱、にて!
GM:恥辱!
栗生 賢人:掌の上で転がされてる感……!
GM:ふふふ


マスターシーン2


GM:……町にハロウィンがやって来る、その少し前のこと。
GM:飾られてそわついた夜半の道端に、人影がひとつ。宙に向けて話しかけている。
????:「それじゃあ、始めよう」
????:「僕の友情と恐怖を、君に」
GM:人影は大きく一礼。
????:《Eロイス:孤独の叫び》自分に対してロイスを取得させる。感情は○友情/恐怖
????:《Eロイス:怯えのまなざし》自分へのロイスを取得している相手を暴走させる。
GM:この暴走は、シナリオ中に解除条件が満たされるまで持続するものとします。
GM:木の葉ずれのような音が、ざあ、と響き渡った。


GM:ミドルフェイズが始まるところで説明を。
GM:今回はハロウィンイベントの警備を行う状況ですので、町に紛れるために仮装ができます。
GM:もちろん仮装しないのも自由ですが、いいこともあります。
GM:仮装をする宣言をした場合、イベントの舞台である「三砂商店街を舞台にしたシーン限定で」〈情報:噂話〉と〈交渉〉の判定達成値に+1のボーナスがつきます。
GM:また、仮装の有無に関わらず、本セッション中は〈調達〉の判定達成値に+2のボーナスがつきます。
GM:これは装備部が全面協力を行っているからですね。
GM:よろしければ忘れずご利用ください。
GM:では、仮装する方はするよって宣言をどうぞー
交野 静理:仮装します(どきどき……)
緋乃凍花:しよう(決意)
天元あたり:しまーす
栗生 賢人:はあい、しますします!
GM:やった! トリックオアトリート!
GM:ではボーナスをお受け取り下さい。描写は次のシーンででも。


ミドル1 合流


GM:全員登場推奨です。登場侵蝕をお願いします。
交野 静理:交野 静理の侵蝕を1D10(→ 2)増加 (44 → 46)
天元あたり:40+1d10
DoubleCross : (40+1D10) → 40+8[8] → 48

緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を1d10(→ 8)増加 (47 → 55)
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を1d10(→ 5)増加 (34 → 39)

【雨宿町・ブティック『アトリエ・アトリ』】あるいは【UGN雨宿支部・装備部】

GM:ハロウィン当日。あなたたちは再び商店街のブティックに集合する運びとなった。
GM:支部からは現在、花鶏純の他にもう一人。
八千代 路夜:「ちょっと私用で立ち寄ったんだけど、大丈夫そうかな」
八千代 路夜:「RBの子が一人追加になったくらい……お山も何かと大変ね」


【八千代路夜・地域親交課課長】あるいは【"リーチパーチ"・UGN雨宿支部支部長】

八千代 路夜:髪をひとつにまとめた、落ち着いた雰囲気の女性。この町の支部長だ。
八千代 路夜:「私も少しこの辺に居るから、何かあったら声をかけてね」
花鶏 純:「八千代もハロウィンするの? 結構意外なんだけど」


花鶏 純:こちらは、少々気合いの入った魔女の仮装をしている。二人は古くからの友人同士であるらしい。
八千代 路夜:「普通に歩いて、すぐ帰るつもり。まだ仕事もあるしね」
花鶏 純:「仮装すればいいのにー」
八千代 路夜:「ふふっ」少し困ったように笑う。
栗生 賢人:「まあ、何かしら緊急の連絡が入った時、対応したのが仮装した支部長だった……ってのはダメですかね、やっぱり」
八千代 路夜:「クレームが来ちゃうなあ。包帯グルグル巻きなんて、洒落にならないじゃない?」
栗生 賢人:「似合いそうではありますがね。僕なんかよりずっと絵になりそうだ」
八千代 路夜:「あら、栗生さんだってなかなか……」
栗生 賢人:などと言いつつ、用意された──いくつか並んだ中から一つ選べと提示され、袖を通した衣装の袖口を引っ張っていたりする。
花鶏 純:「うんうん、似合う似合う」
栗生 賢人:「いやいや、馬子にも衣装ってもんでしょう、これは。流石は雨宿町支部装備部だ」
栗生 賢人:実際、サイズはぴったりで。それでいて、動きを──いざという時のことも含めて──阻害するものではない。
花鶏 純:「あらお上手。他の子たちはどうかなあ。仮装してくれるかな?」
栗生 賢人:「いい子らですからね、乗ってくれるでしょうきっと。しかしまあ、子供らに加えて、御山からの助っ人もこの恰好でお迎えするのは。ちょっとばかし恥ずかしいものが──」
八千代 路夜:「無理強いはダメですからね?」
花鶏 純:「わかってるってば」
緋乃凍花:ちょうどその時だった。
緋乃凍花:カランカランとドアベルが鳴り、制服姿の少年少女が店にやってきたのは。
花鶏 純:「あ、いらっしゃーい」
緋乃凍花:「お疲れ様です。……あ、もう着ている」
交野 静理:「お邪魔します」 ぺこり、と頭を下げて入店。「あ、栗生さん。準備万端ですね」
栗生 賢人:「やあ、ようこそアトリエ・アトリ改め、UGN雨宿町支部装備部兼──臨時警備本部へ」
栗生 賢人:いらっしゃい、と道化めいてお辞儀をしたのは──
栗生 賢人:──黒い、足元まで伸びる布地。詰襟のようにきっちりと閉じられた喉元。肩にかかる、白いマフラーめいたショール。
栗生 賢人:聖職者、あるいはこの時期とそして青年の役割に合わせた言い方をするなら──


栗生 賢人:「うん、エクソシストって言うのかな、これは。"火消し"の服装としちゃあ悪くはないだろう?」
花鶏 純:「あはは、退治されないように気をつけないと」
交野 静理:「……びっくりしました。本職の人みたいです」
交野 静理:あまり大きく感情の顔に出ない少女が、目を大きく開いて瞬きを繰り返す。
緋乃凍花:「ああ……驚きました。おれたちもそういうの、着るんですよね?」
花鶏 純:「無理にはダメってさっき念押しされちゃったけど」
花鶏 純:店の一画を示す。仮装衣装類のレンタルもやっている。
花鶏 純:「もしご興味があれば、好きなのをどうぞ!」
栗生 賢人:「いい魔女を見逃すくらいの度量はありますよ。……ま、ご覧の通り、仕立ては花鶏さん監修でね。タダでここの服を着れる機会なんて、そうそうないよ?」
緋乃凍花:「着てない方が逆に浮きそうな気もするしな……」
交野 静理:その一角をまじまじと見て。「いっぱいありますね……悩んじゃいそうです」
緋乃凍花:「先輩はどうしますか?」
八千代 路夜:「まあ、楽しそうならいいことね」見守る姿勢。
交野 静理:細い指を顎に当てて考える。「うーん……実はね、あまりこういうの、経験がなくて」
緋乃凍花:「おれもです。……ううん、和装はあまりないな」
緋乃凍花:「洋装から選ぶか……」とコーナーを物色する。
栗生 賢人:「ま、ゆっくり選ぶといい。君らの他にもう一人、御山から助っ人が来る予定でね」
天元あたり:ばたん!!
八千代 路夜:「そう、まだだいぶ若い子なんだけど……と」
栗生 賢人:「……噂をすれば、だ。やあ、いらっしゃい」
天元あたり:勢いよく扉が開き、そこに子供が仁王立ちで立っている。
天元あたり:「天元あたり が ログインしました!」
交野 静理:「……ログイン?」
天元あたり:毛先の跳ねたおかっぱ頭、白のブラウスと黒のサロペットを着た矮躯の子供。少年とも、少女とも取れる。
緋乃凍花:「ログイン?」
花鶏 純:「あらかわいい」
天元あたり:「部屋に入ったらまずは挨拶だね。こんにちは~」
八千代 路夜:「こんにちは。今日はよろしくお願いしますね、天元さん」
天元あたり:「ここに来れば"火消し"の人達がいるってアテナシ様が言ってたけど、合ってるかな」
八千代 路夜:「ええ、話も通ってるし、聞いた通りの……挨拶はちょっと意外だったけど……」
交野 静理:カーテンのように幾つも吊るされた服の列から、すっと顔を覗かせる。「噂をすれば、ですね」
栗生 賢人:「ログイン……ああ、なるほど。確かアテナシ様曰く、きみは──」
栗生 賢人:不思議と、どこか懐かしさを感じさせる雰囲気の、少年とも少女とも見える「あやし」をまじまじと見る。
天元あたり:「ん。私の身体はなんというか、昔のゲーム機のあれそれから出来ていて……」
天元あたり:「うわっ……エクソシスト!!」
花鶏 純:「確か、探し人がいるんだったっけ」天元さんに。
栗生 賢人:「うん、探偵でなくて申し訳ない。……まあ、恰好はともかく、その辺りの事情も追々聴かせてもらえれば力になれると思うよ」
天元あたり:「いや、教会の人……?死んだ人を蘇らせたり、次のレベルアップまでの経験値を教えてくれるあの……」
天元あたり:「……あ、そっか。ハロウィン!」
天元あたり:「そーそー。生まれたての子が無断で街に居りてきちゃったみたいで」
八千代 路夜:「たまにあるのよねえ、そういうの」
天元あたり:「こう、キョンシーっぽい服装の、これくらいの男の子。連れ戻さないといけないんだ」両手でなぞって空間に形作る。
緋乃凍花:「人出が多くなる時期だ。一人で探すのは大変だろう。人相は分かるか?」
緋乃凍花:「……と。その前に」
天元あたり:「で、火消しの人達に協力する代わりに、こちらにも協力してほしいってワケ」
天元あたり:「うん?」
八千代 路夜:「そういう話ね」頷く。
緋乃凍花:「自己紹介した方がいいな。今回一緒に行動する“ヒガンバナ”、緋乃凍花だ。よろしく、天元さん」
天元あたり:「そう、私のうきうきゲームライフのために!!」
緋乃凍花:(うきうきゲームライフ)反芻。
天元あたり:「子供!!好きなゲームは?」
緋乃凍花:「おれ? 島に村を作るやつならやったことはあるけど……」
交野 静理:「キョンシーかあ……」「……あ、そうか、自己紹介。私は、"コル・スコルピイ" 交野静理です。よろしくね、天元さん」
緋乃凍花:「ああ、あと最近数字が増えると吹っ飛ぶやつを買った」
交野 静理:「ゲームは、牧場作ったりとか……そういうのなら、少し」
天元あたり:「……なるほどね、大体理解した!よろしく凍花」うんうん、と頷いて。
天元あたり:「ふむふむ、二人は結構似たタイプかな……?よろしく静理」
栗生 賢人:「あたりの言うゲームは、たぶん僕らの世代でやったようなやつの方が近いのかな。それほどハマった方じゃあないけどね」
花鶏 純:「あたしもゲームは……あれかな。たまご育てるやつ。あれくらい」
緋乃凍花:(レトロゲームというやつか……?)
天元あたり:「ちょっと、舐めないでよね。古き良きゲームってのは、人間の想像以上に増え続けてるんだ」
花鶏 純:「ああ、ここの責任者の"ブルームルーム"花鶏純です。今回はよろしくね」
栗生 賢人:「とまあ、そんなわけで。"ワイズマン"栗生賢人だ。よろしく、良き思い出の子」
交野 静理:「端子のところをふーってするカセットのタイプの……」 小声で、家の物置に仕舞われていたゲーム機を思い出して。
天元あたり:「これだから大人は……よろしく、純に賢人」やれやれ顔。
天元あたり:「それカセットに良くないから止めた方が良い」
八千代 路夜:「仲良くなれそうで何より」にこにことしている。
緋乃凍花:「天元さんは、ここに集まった理由はもう聞いたか?」
交野 静理:「そ、そうなんだ」 殆ど触ったことがないので初めて知った。
八千代 路夜:「"リーチパーチ"八千代路夜です。……それじゃあ、大丈夫そうね」
八千代 路夜:「私はここら辺で。何かあったら呼んでね」
天元あたり:「あ、えーっと……ハロウィンのお祭りの、見回り?」
八千代 路夜:ちりん、とドアベルを鳴らして外に出て行く。
交野 静理:「お疲れ様です」 ぺこりと綺麗に礼をして見送る。
緋乃凍花:「お疲れ様でした」同じように見送る。
天元あたり:「八千代路夜 が ログアウトしました!」
栗生 賢人:「ん、あとはお任せあれ。……うーん、言い方は今風なんだよなあ」
花鶏 純:「それ全員分やるの……?」
緋乃凍花:(ソシャゲとかいうやつか……?)
天元あたり:「だーかーらーっ!!レトロゲームは大人が思ってる以上に新しいのもあるの!!」
天元あたり:「近年、この世に幾つのオンラインゲームとソーシャルゲームが生まれて朽ちたか知らないの?」
交野 静理:「そ、その辺りは道中聞かせてもらおうかな……」
交野 静理:「……それより、天元さん。ハロウィンの仮装って、興味はあるかな?」
天元あたり:「ん。そっか。ハロウィンって、お化けの恰好をする祭りだったんだよね」移り気。そして素直。
栗生 賢人:「ははあ……そういえば最近じゃあ、どこのゲームでもハロウィンにはイベントをやるんだったか。支部で若い子から聞いた覚えがあるよ」
栗生 賢人:「あたりにとっちゃ、なじみ深いのはそっちの方かな?」
天元あたり:「タダで装備できる装備は……貰うよ!!」
花鶏 純:「ぬののふくだけどいーい?」
花鶏 純:いくらかの衣装を手に取って。
緋乃凍花:「そしてレンタルだぞ。君の背丈くらいだと……こっちの棚だな」ちょいちょいと手招きをする。
天元あたり:「防御力+1くらいあれば御の字かな」とてとてと向かう。
交野 静理:話しながら、ようやく目星を付けたらしく、服と幾つかの小物を小脇に抱える。
交野 静理:「花鶏さん、奥のフィッティングルームお借りしていいですか?」
花鶏 純:「もちろん! 好きに使ってね」
交野 静理:「ありがとうございます。それじゃあ……」 少し恥ずかしげにしながら、奥の方へと入っていく。
緋乃凍花:「おれも選ばないとな。さて、どうするか……」と視線を巡らせた先には、どうも女性用の衣装ばかりだ。
緋乃凍花:背丈が。背丈が足りないのだ。
天元あたり:「そう……期間限定イベントは今流行りだよね。いつかは忘れ去られる要素、今のうちに私も嗜んでおかないといけないね」
緋乃凍花:「花鶏さん……なんかないですか。おれ向けの」
花鶏 純:「そうねえ。子供向けだとちょっとサイズが小さいし……」
花鶏 純:「ああ、この辺レンタルが出ちゃってるんだ。ごめんねえ」
花鶏 純:「うーん、マントさえあれば、黒で揃えて吸血鬼ができるんだけど」
花鶏 純:がさがさと探している。
緋乃凍花:「……あ、この赤いやつはそれっぽいかな」
天元あたり:「あ、これはどちらかというと素早さが上がりそう。で、これと……ふむぅ……」
栗生 賢人:「仕立て直し……ってのは無理そうだけど、ちょっとしたサイズ合わせくらいはお願いできると思うよ。僕もしてもらったしね」
交野 静理:程なく奥から出てきて、天元さんの横に立ち、膝に手をやって少し視線を下げる。「選び方が独特で面白いね」
栗生 賢人:「だから、うん。こういう時は、着たいもの、気に入ったものを選ぶといい。……せっかく、楽しめる機会なわけだしね?」
花鶏 純:「まあ、試してみたら意外と面白かった、なんてこともあるでしょうけどね」
栗生 賢人:迷っているらしい少年へ、喉を鳴らすように笑いかけながら。
緋乃凍花:(うぐぐぐ……何もかも身長が伸びないのが悪い……)
交野 静理:頭に黒い三角帽子、黒づくめの衣装に三日月をあしらったペンダント。普段まとめた髪は緩く下ろしている。



花鶏 純:「……あ、似合う似合う!」交野さんを見て。
天元あたり:「何が起きるか分からないからね。新天地では常に一番いい装備を選ぶのだ」見よう見まねで、自分用の仮装を探している。
天元あたり:「おわっ、魔女が増えた!!」
交野 静理:「ちょっと、恥ずかしいというか……新鮮ですね」 花鶏さんに、微笑みかける。
緋乃凍花:「おお。おお……」
交野 静理:「やっぱり初めてだし、オーソドックスな方がいいかな、って……」
緋乃凍花:「似合ってますよ。学校の文化祭でも着たらどうですか」
花鶏 純:「せっかくのお祭りだしね。アリだと思うよー」
栗生 賢人:「ああ、こりゃあ……うん、可愛らしい魔女の姉妹だ」
天元あたり:「オーソドックスにMPとかが上がりそう」
交野 静理:「えっ、あっ、そういうのは……ちょっと……」 声が萎んでいく。
花鶏 純:「あはは、後で一緒に撮ろっか」
交野 静理:「ほ、ほら。私はいいから、二人も早く決めちゃおう?」
天元あたり:「はぁい」
緋乃凍花:「?? はい。じゃあ、おれはこれにするか……」
交野 静理:「……じゃあ、記念ですし、後ほど一枚」 花鶏さんに、小声で。ここで借りた衣装であることも手伝って、意匠がよく似ている。
緋乃凍花:「花鶏さん。これ、おれの背丈に合わせてもらえますか」ワンサイズ大きいマントを手に取って。
花鶏 純:「ふふ、ちゃんとここだけに収めておくからね」自分のスマホをとんとんと叩く。
花鶏 純:「はいはい、それくらいならお安いご用よ」
花鶏 純:マントを手に取り、さっと背丈に合わせて長さを見繕う。
緋乃凍花:「お願いします。……やたら小物が多いな……?」採寸されながら衣装とグッズをカゴに入れていく。
花鶏 純:さくさく、とその場に置いてあった針と糸で簡単に裾上げを。
花鶏 純:「こんなもんかな……今日一日だから、だいぶ粗いけどね」
緋乃凍花:「ありがとうございます。着替えるんで、奥、借りますね」
花鶏 純:「どうぞどうぞ」
緋乃凍花:そんなわけで、しばらく衣装と格闘した後、現れたのは……
緋乃凍花:「これでいいのかな……。カラーコンタクトなんて初めて入れたぞ」
花鶏 純:「やだー、ばっちりじゃないー」めちゃくちゃに嬉しそう。
交野 静理:「すごい、本格的……」
緋乃凍花:ゴシック風の衣装にマントを羽織り、小さなシルクハットを頭上に載せた、小柄な吸血鬼だった。



栗生 賢人:「うん、いいじゃないか。バッチリ決まってる」
交野 静理:「耳も、作り物?」 覗き込んで、つんつんと突く。
緋乃凍花:「そうですよ。セットのグッズみたいで」
緋乃凍花:「あとなんか歯もついてました。口に入れたんで買い取りますね」
花鶏 純:「うーん、そうだなあ……」少し考えて。
花鶏 純:「それは、サービスにしとこ」
花鶏 純:「どうせだしね。トリートトリート」
緋乃凍花:「申し訳ない。今度埋め合わせます」
交野 静理:「あとは天元さんだね。いいの、見つかった?」
花鶏 純:「今日働いてくれればそれでいいし」
緋乃凍花:これなら刀を吊っても違和感ないかな……などとごそごそしている。
交野 静理:「あ、これ、後ろ……見えてないですか? マントあるから、大丈夫だと思うんですけど……」 栗生さんに背を向けて訊く。
栗生 賢人:「んん……うん、これは……」
栗生 賢人:ほんの少しだけ、言い淀んで。
交野 静理:尾骨から伸びる、蠍の尾に似た異常骨格。覗くと良くないので、ゆとりのある生地のものにしたつもりなのだが。
天元あたり:「よーし!!装備完了!!」
天元あたり:黒い猫耳。黒い尻尾。猫特有の髭。頭に被るは、眷属たる証の魔女ハット。



花鶏 純:「栗生くん! どうしよ! 全員かわいいんだけど!」
栗生 賢人:「……うん、ちゃんと隠れてるけど、ちょっと目に毒かな。特にこう、太股のあたりが──」
栗生 賢人:などと、軽口で。言外に「大丈夫だ」、と。
交野 静理:「そ、そっちはじっくり見ないで下さい! 恥ずかしいです……!」 言いつつ、顔を赤らめて。
緋乃凍花:「栗生さん。最近はそういうの、厳しいと聞きます」
天元あたり:「今回私が重視しているのは……タイムアタック!なので素早さが上がりそうなので!!」
花鶏 純:「はあ、かわいいで世界が平和になればいいのに」ため息をついて。
緋乃凍花:「それで猫か。つけ髭もキュートだ」
栗生 賢人:「はは、こりゃあ手厳しい。……うん、あたりも可愛らしく仕上がってる。元の素材が抜群だな、これは」
天元あたり:「……これで、あってるかな」若干不安そうに。
交野 静理:「……こほん」「うん、とっても似合ってると思いますよ」
栗生 賢人:「……いやあ、大正解だと思うよ?花鶏さんの反応を見る限りね」
花鶏 純:「そうも言ってられないのが、このお仕事の厳しいとこなんだよねー」
花鶏 純:「もう完璧かわいい。大正解あげちゃう」
天元あたり:「評価S!!」
天元あたり:「でも、不思議だねぇ……こうしてみると。皆人間なのに、"あやし"みたい」
交野 静理:「"あやし"みたいって言われたの、初めての経験かも」
緋乃凍花:「おれもです。牙まで生やしたしな……」長い犬歯をのぞかせて。
栗生 賢人:「……そうだね。元々ハロウィンは、あの世とこの世が混ざる日だ」
栗生 賢人:「そんな日くらい、僕らの方が君たちに近寄って行ったってバチは当たらない。僕はそう思うよ」
花鶏 純:「……そういうものかもねえ」栗生さんの言葉に目を細める。
天元あたり:「……なるほど、ね。偏福が急いで町に降りてった理由が分かった気がする」
緋乃凍花:「天元さんの尋ね人か」
天元あたり:「わくわくする!!」
栗生 賢人:「……けど、同時に。今日はお仕事の日でもある。花鶏さんがつい今しがた言ったようにね」
交野 静理:「キョンシーに似てる、って言ってたね。仮装と見分けが付くといいな……」
栗生 賢人:「わくわくしすぎて、ついついはしゃいでしまう子もいるかもしれない。ひょっとしたらそういう場所に、あたりの探し人はいるかもね」
交野 静理:「そっか、わくわくするところ」
天元あたり:「はっ、確かに。図らずも縛りプレイになっているのか……」
緋乃凍花:「日本では祭りですからね」
天元あたり:「でも、目星は幾つか付きそうだし……見回りしつつ、色々探索してみよっと」
緋乃凍花:「人相が分かるとありがたいが。写真なんかは……ないよな?」
天元あたり:「ドット絵でいい?」
交野 静理:「分かれば、何でも……?」
栗生 賢人:「……いやあ、この流れだとSDキャラなんじゃないかなあそのドット絵……」
天元あたり:「でも、あやしを一から描写するのは中々大変そうだなぁ……ゲームキャラならこう、出せるんだけど」
緋乃凍花:(出す……?)
天元あたり:『フォールンスプライト』をエキストラとして使用。イン○ーダーのアレの形で出現させます。
花鶏 純:「さすがにこれはわかる」
緋乃凍花:(出た……)
天元あたり:「よっと」懐から、直線と単色のみで形成された"侵略者のような何か"が飛び出し、そこら辺を……あのくらいのスピードで横にゆっくり飛ぶ!
交野 静理:「わ、わわっ」
栗生 賢人:「うーん、これもある意味仮想現実ってやつなのか……?」
天元あたり:「こう……念じると、出てきて操作できる」
緋乃凍花:「ARというやつですか」当たらないように身を躱しながら。
花鶏 純:「なるほどねえ。不思議だけど、面白いじゃない」
天元あたり:「でも、偏福を描くとなると……ツクー○系の記憶を引っ張ってこないといけないから……えーっと……」
天元あたり:「やっぱ時間が掛かる!!」
花鶏 純:「まあ、警備の方を優先しましょっか」
花鶏 純:「手分けすればなんとかなるでしょ。調査部も来てるし」
花鶏 純:「というわけで、頼りにしてるよ。みんな!」
天元あたり:「とりあえず、それっぽいの見つけたら私に教えてくれたら判別するよ」
天元あたり:「がんばろー!!」
花鶏 純:「おー!」
交野 静理:(警備と人探しと……お祭りの雰囲気は守りつつ……あっ)「お、おー!」
緋乃凍花:「りょうか……お、おー」折り目正しく礼をしそうになるのをこらえて。
栗生 賢人:おー、というよりは応、と聞こえるような声で。苦笑い半分、楽しさ半分といった風に笑って。
栗生 賢人:(──さてさて。今回は何を追いかけることになるのやら、だ)
GM:……その声にかき消えて、聞こえなかった音がふたつ。
GM:かり、と窓ガラスを引っ掻く音。それから、何かが飛び去る音。
GM:『何か』が混ざったハロウィンの祭りが始まる。


GM:では、ロイス取得と購入判定が可能です。
GM:購入判定は+2のボーナスがつくよ。
天元あたり:やったー!!
交野 静理:バックアップやったー
栗生 賢人:イヤッター!
緋乃凍花:やったぜ。
栗生 賢人:ロイスはひとまず…保留で!
天元あたり:こちらもロイスは保留で
緋乃凍花:こちらもロイホ(ロイスは保留)
緋乃凍花:お買い物はアームドスーツにチャレンジ。
緋乃凍花:2dx+2+2>=15
DoubleCross : (2DX10+4>=15) → 5[2,5]+4 → 9 → 失敗

天元あたり:強化ビジネススーツ。目標19
緋乃凍花:ううん。もうちょっと出て欲しいな……失敗で。
GM:みんなチャレるなあ
栗生 賢人:では、こちらでも緋乃くん用に狙ってみましょうアームドスーツ。自分に《砂の加護》を使用。
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を3(→ 3)増加 (39 → 42)
栗生 賢人:6dx+2+2>=15
DoubleCross : (6DX10+4>=15) → 9[3,4,5,7,7,9]+4 → 13 → 失敗

交野 静理:おっこれは……!
天元あたり:《オリジン:サイバー》使用。侵蝕50、社会達成値+10
緋乃凍花:バディムーヴ。栗生さんの達成値+3。
GM:天元さんそれがあった
天元あたり:ナイスバディム
栗生 賢人:グッドバディ!
天元あたり:丁度使ったフォールンスプライトも自分に適用して……
栗生 賢人:ではこれを緋乃くんに渡しておきます。アトリエ・アトリ謹製アームドスーツ!
交野 静理:緋乃凍花 ◯連帯感/不安 で取得。購入は……あったらいいなアームドスーツ。
交野 静理:1dx+2+2>=15
DoubleCross : (1DX10+4>=15) → 10[10]+3[3]+4 → 17 → 成功

栗生 賢人:つよい
緋乃凍花:つよい
GM:つよいな
交野 静理:あ、成功しちゃった。手持ちのウェポンケースに入れます!
緋乃凍花:こちらもありがたく受け取って空のウェポンケースに放り込みます。インバネスコートみたいな形をしているに違いない
天元あたり:(5+3)dx+10+1+2>=19
DoubleCross : (8DX10+13>=19) → 9[1,5,6,6,8,9,9,9]+13 → 22 → 成功

天元あたり:装備!以上!
GM:ひえ


ミドル2 ハロウィン


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
交野 静理:交野 静理の侵蝕を1D10(→ 2)増加 (46 → 48)
緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を1d10(→ 3)増加 (55 → 58)
天元あたり:1d10+50
DoubleCross : (1D10+50) → 7[7]+50 → 57

栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を1d10(→ 1)増加 (42 → 43)
GM:なんか分かれてますね

【雨宿町・三砂商店街】

GM:アーケードの下にある商店街は、オレンジと黒と紫に飾り付けられ、人々が楽しそうに歩いている。
GM:あくまで小規模な商店街の催しだが、娯楽の少ない町だ。人出はそこそこ多い。
GM:仮装をしているのは主に子供だが、時折「なんでそんなに凝ったの?」という感じの人も歩いている。
GM:そのうちの幾らかは、おそらくあやしたちなのだろう。
GM:あなたたちはまず、商店街の入り口に向かった。
GM:そこでは……。
鈴掛 喜一:「はーい、仮装する人はここでバッジもらっていってねー」
【鈴掛喜一・『(株)ピカピカ』営業担当】あるいは【"來火=ジェイトーカー"・UGN雨宿支部調査部員】
戸神 富久郎:「あ、す、スタンプラリー受付は、こちらです……」
【戸神富久郎・『(株)ピカピカ』業務担当】あるいは【"ヒルカクロフ"・UGN雨宿支部処理部員】


GM:ミイラとフランケンシュタインの怪物の仮装をした二人組が受付をしている。
GM:彼らもUGN支部員だ。普段は便利屋をカヴァーにしているが、今日はヘルプで来ているようだ。
鈴掛 喜一:「あ、とりとりー」
GM:あなたたちを見て、声をかけてくる。多分、トリックオアトリートの略だろう。
ネヴァン:「…………」
【ネヴァン・『(株)ピカピカ』名誉営業部長】あるいは【UGN雨宿支部調査部員・アニマルオーヴァード】
ネヴァン:赤いリボンをつけたカラスが一羽、足下でちょっと首を傾げている。
栗生 賢人:「や、お疲れ様。……いやうん、喜一くんがノリにノってるのはようく分かるけど……」
緋乃凍花:「お疲れ様です。とり……ああ」察したらしく、若干間を置いて
緋乃凍花:「とりとりー」真似してみる。
交野 静理:「あ……お疲れ様です」 まだ視線が気になるのか、時折きょろきょろと辺りを見渡している。知り合いに見つからないか、気が気でないようだ
栗生 賢人:「……やたらと雰囲気があるな、富久郎くん」
天元あたり:「こんにちは~」手をひらひらしながら。
鈴掛 喜一:「やったー、ノリがいい」サムズアップ。
栗生 賢人:やあ、と手を振るのは、主に足元の烏に向けて。
戸神 富久郎:「いやその、子供に泣かれました……」
天元あたり:「(……倒すと経験値が稼げそうな感じだ)」
交野 静理:「皆さん、とても似合っていて素敵ですよ。……それはその、似合い過ぎてたん、ですかね?」
ネヴァン:ぱたぱたと羽をばたつかせる。人語は喋れるが、人前では遠慮している。
天元あたり:「あ、この人たちも火消しなの?」
緋乃凍花:「体格がいいですからね。様になっている」
戸神 富久郎:「そ、そうかな……」複雑そうな顔。
鈴掛 喜一:「そゆこと。調べ物なら任せてー」
緋乃凍花:「そうだよ」
緋乃凍花:情報面のサポートをしてくれている人たちだ、と小声で。
天元あたり:「NPCってやつだね。私は天元あたり、よろしくね~」
鈴掛 喜一:「武器と防具は装備しないとダメなんだぜ」
戸神 富久郎:「いや、そこまでNPCになんなくても……」
天元あたり:「(ノリが……いい!!)」
戸神 富久郎:「あ、今のところ、異常は……あー、えっと、蝙蝠以外は、ですね」
戸神 富久郎:宙を差す。蝙蝠がヒラヒラと飛んでいる。
交野 静理:「蝙蝠、ですか? そういえば、確かに最近良く見かけるような……」
緋乃凍花:「飛んでますね。こんな早い時間に……」
戸神 富久郎:「まだ明るいのに、ちょっと変だな、と」
天元あたり:「……ほんとだ。コウモリ」空を見上げる。猫耳がぴょこんと動く。
栗生 賢人:「……ああ、今日もか。少し前から、花鶏さんのとこの周りでもよく見かけるよ」
鈴掛 喜一:「ハロウィンだからって気が早いすよね」
交野 静理:「うーん。見てる限り、数が多いだけで普通の蝙蝠に見えますけど」
緋乃凍花:「そうですね。飛び掛かって来るわけでもない」
交野 静理:「……魔女の仮装してて蝙蝠に囲まれたら、雰囲気出そうですね」 ほんの少し冗談めかして言う。
鈴掛 喜一:「うん、たまたま明るいのが好きな奴なのかもね」
戸神 富久郎:「……使い魔っぽい、ですね」
緋乃凍花:「そう言えば、吸血鬼もコウモリ関係か」
栗生 賢人:「静理ちゃんや凍花くんじゃあ、まだまだ「可愛らしい」になるな。花鶏さんなら──」
天元あたり:「誰かがコウモリ達を操ってるってこと?」
栗生 賢人:似合いそうだ。そう言いかけて、口をつぐむ。
鈴掛 喜一:「そうだったら怖いし大変だし、見張っとくに越したことはないって」
鈴掛 喜一:「戸神くんが言ってた」
戸神 富久郎:「なんで俺に押し付けるんですか!?」
栗生 賢人:「……そうだね。妙な具合だったら教えてくれるとありがたい」
天元あたり:「わかった。見張っとく。ミッションだからね」
栗生 賢人:言われた通り、今はまだちょっと気になる、気にするといった風の軽い声色で。
緋乃凍花:「おれたちも気を付けましょうか。……あ、それともう一つ」
緋乃凍花:「天元さんの尋ね人なんですが、そっちの話はもう行ってますか?」
鈴掛 喜一:「はいはい、中華風の子ね」
天元あたり:「そだった。見掛けたら教えてね~」
鈴掛 喜一:「今のところ、直では見かけてない。人に話を聞くのもいいかも」
鈴掛 喜一:「あっ、今のNPCしぐさーって感じじゃなかった?」
戸神 富久郎:「知らないです……」
天元あたり:「ふむふむ。思ったより、隠れるのが上手いのかなぁ……?」
交野 静理:「そうですね、結構人もいるし……意外と訊いて回ればすぐ見つかったり。すると、いいね」
戸神 富久郎:「結構狭いですからね、ここ……。この辺りに普通に居るなら……」
鈴掛 喜一:「普通に居なかったら、まあ、うちを頼ってよ。働きますからね」
緋乃凍花:「助かります。その子にもお祭りを楽しんでもらえたらいいんだけど……と」
緋乃凍花:「仮装する人はバッジ付けるんですよね。四人、お願いします」
天元あたり:ふと、偏福が何を源流とする"あやし"だかを思い出そうとして……最初から知らなかった。生まれたてだからね。
鈴掛 喜一:「はーい、四人様入りまーす」
戸神 富久郎:「居酒屋ではないです」
天元あたり:「天元あたり が ログインしました!」
鈴掛 喜一:あなたたちに、紙製のバッジを手渡してくれる。
栗生 賢人:「おっと、そうだった。こういうのはきちっとしておかないとな」
栗生 賢人:受け取ったバッジを、衣装の胸元に留める。
緋乃凍花:「それ、入場する時はいつも言ってるのか……?」コートの襟先にバッジを留めながら。
天元あたり:「挨拶は大事だからね」ブラウスにバッジを留める。
交野 静理:少し悩んで、帽子のアクセントのようにバッジを留める。
鈴掛 喜一:「そんじゃ、花鶏さんにもよろしくー」
栗生 賢人:「それじゃ、ここはふたり、いや3人に任せて。僕らは僕らの仕事を続けようか」
戸神 富久郎:「け、警備も頑張ってください、ね」
ネヴァン:「カー」

GM:さて、そんな風にして商店街を歩いていると、人影の間に、あなたたちの一部は見覚えがあるだろう小さな姿が見える。
真庭 悠香:魔女の仮装をした、大人しそうな女子中学生。


真庭 常樹:その隣。すっぽりとシーツを被ってお化けに扮しているのは、多分弟だろうな……と交野さんにはわかる。


真庭 悠香:「ちょっと、常樹。あんまり先行かないで……」
真庭 常樹:「ねえちゃんが遅いの!」
真庭 悠香:「……はあ」少し疲れたような顔とため息。
交野 静理:(あ、真庭さんところの……)
GM:仲が悪いようではないがなんとなく、やはり噛み合っていない感じは受けるかもしれない。
真庭 常樹:「あーっ、静理ねえちゃんだ」
GM:ぶんぶん、とお化けが手を振る。魔女があなたたちに気づき、ぺこりとお辞儀をする。
交野 静理:「あっ……」 こっそり栗生さんの後ろに身を隠そうとしていたが、時既に遅し。
真庭 悠香:「あ、こんにちは……」
緋乃凍花:「やあ、真庭さん。……なんで隠れるんです?」交野先輩に。
天元あたり:「……この子供達も火消し?」こっそりと。
栗生 賢人:「ん、静理ちゃんの友達かい?学校の……じゃあないね」
交野 静理:「えっと……こんにちは。悠香ちゃんと、常樹くん……だよね?」「それは、その……ちょっと、恥ずかしくて……」もじもじ。
真庭 常樹:「すげー! 魔女だ! ねえちゃんとおんなじ!」とことことお化けが近付いてくる。
栗生 賢人:「……半分当たり、かな。確か女の子の方は……」
真庭 悠香:「あっ、こら……!」
交野 静理:「近所に住んでる子達なんです。それで、たまにお話したりしてて……」
栗生 賢人:天元さんの疑問に、ちらりと少女の方……と、緋乃くんに視線をやる。
天元あたり:「ふぅん……(お化けの方、偏福の声では、ないか)」
GM:少年ではあるが、声音は別だ。もっと幼いように感じるだろう。
緋乃凍花:栗生さんに小さく頷き「ああ、このシーツが常樹君ですか。おれとは初めましてだな」
真庭 常樹:「うわっ、吸血鬼だ。ライフゲインしそう」
真庭 常樹:独特の驚き方をしている。
緋乃凍花:「げいん……?」
天元あたり:「まぁいいや。ゲームは……ひょっとして、カードゲーム好き?」
真庭 常樹:「好きー!」
交野 静理:「もしかしたら、天元さんと話が合うかもね。常樹くん、ゲーム好きだし」
真庭 常樹:「マジで! やったやった! おれ今の環境だと結構強いよ!」
天元あたり:「やっぱり!ライフゲインなんて、きようびカードの効果くらいでしか見ないもんね」
真庭 悠香:「常樹ー! お話の邪魔しないのー!」
栗生 賢人:「背丈と声からして、小学生くらいかな。なるほど、あたりにとってはジャストな世代なわけだ」
天元あたり:「ふっふっふ、この私に対して"強い"などとよく吠えられるな……!!」
交野 静理:「大丈夫だよ、気にしないで」 悠香ちゃんに微笑みかける。
交野 静理:「あ……そういえば」「丁度良かった。二人は、この辺りでキョンシーの仮装をしてる子を見かけなかった?」
真庭 常樹:「キョンシー? カンフーっぽいやつ?」
真庭 常樹:きょとんとしている。
真庭 悠香:弟を連れに近付いてきて、首を横に振る。
天元あたり:「あ。そう。そんな感じの、これくらいの子。私探してるんだ」
真庭 悠香:「多分……見かけてないと思います。目立つと思うし……」
天元あたり:「ふむぅ……そっか、ありがとう」
緋乃凍花:「もし見かけたら、おれたちかあっちで受付をしていた二人組に知らせてくれるか?」
真庭 悠香:「大体みんな西洋のモンスターか、あとなんでだか和服だし……」
真庭 悠香:「あ、はい。受付ですね」
真庭 常樹:「迷子?」
交野 静理:「んー……そういう感じかな? 一人でお祭りを歩くには、まだ早いというか」
天元あたり:「大体あってる。あの子は生まれたてだからね」
真庭 常樹:「赤ちゃんなの!? 大変じゃん」
真庭 悠香:「あ、えっと、多分そういうわけじゃなくて……!」
交野 静理:「そうとも言うし、そうでもないというか……んんっ、ともかく、キョンシーみたいな仮装の子を見かけたら、教えてくれるととっても助かります」
真庭 常樹:「…………」なんとなく、姉を不審そうに見ているようだ。
天元あたり:「ん、あ……あー、言葉の綾だよ!」少し遅れて気付き、慌てて訂正
真庭 悠香:「はい、見てみますね。ね、常樹」
真庭 常樹:「……あのさあ、静理ねえちゃん」小声で。
栗生 賢人:「そうだね。きっと、賑やかなところにいるだろうから。……せっかくのお祭りの日に、頼みごとをするのは気が引けるけれど」
交野 静理:「ん、なぁに?」 膝に手をやり、視線を下げてひそひそ。
真庭 常樹:「やっぱりおれ、だいぶ疑惑なんだけど……仮装も魔女だし……」
真庭 悠香:こちらは困った顔で、緋乃くんの方をチラチラと見ている。
緋乃凍花:(……今かな)交野先輩が屈んだタイミングで。
緋乃凍花:「真庭さん。その後どうだ……と思っていたが」
交野 静理:「あら。それなら、今日は私も魔女になっちゃうね」 がおーっとわざとらしく手を鈎の形にする。魔女はそんなこと言わない。
緋乃凍花:「……この様子だと変わりなさそうかな」小声で話しかける。
真庭 悠香:「……頑張ってはいるんです、けど」弟たちの方を見ながら。
真庭 悠香:「やっぱり気まずいんです……」
真庭 常樹:「う、そう言われるとそうだけど……」
真庭 常樹:「でもなんか隠してるし!」ジタバタしている。
天元あたり:「(……なんだろう、似てるのにちぐはぐな感じがするね。この二人)」
交野 静理:シーツに覆い隠されたシルエットがうねうね動くのが面白くて、くすくすと笑いが零れる。
栗生 賢人:「……きょうだいっていうのは、多かれ少なかれこんな時期はあるけれどね。僕らのようなオーヴァードの場合は、ちょっとややこしくなる」
交野 静理:「じゃあ、今日一日でまた不思議なことがあったら、また今度教えて?」
栗生 賢人:天元さんに、ひそひそと小声で。(《シークレットトーク》)
真庭 常樹:「はあい! 教える! いっぱい見つけてやるんだー」
天元あたり:「ふぅん。ややっこしいねぇ」(《シークレットトーク》)
緋乃凍花:「そうか……。あのさ」少し顔を寄せて
真庭 悠香:「ひゃ」
天元あたり:「細かいことは抜きにして、とりあえず一緒にゲームでもすれば仲良しになれるんじゃないかな?」
緋乃凍花:「?(彼の様子からすると、何か確信がありそうだ)」
緋乃凍花:「(この間、言ってただろう。うっかりやったって)」
栗生 賢人:「あるいは……今年のハロウィンが何かのきっかけになれば……いいんだけどね」
真庭 悠香:「(あ、は、はい……)」
緋乃凍花:「(今、何をしたか話せるか? 前に聞けばよかったんだけど、おれも抜けてた)」
真庭 悠香:「(猫を……危ないところにいたから助けようとしたのと)」
真庭 悠香:「(大勢でケンカしようとしてたから、やっぱり危ないって思って、止めて……)」
真庭 悠香:「(ごめんなさいっ、あの、黙ってたんですけど)」
真庭 悠香:「(周りは確認したと思って、わ、ワーディング、するの忘れちゃってたんです……)」
緋乃凍花:「(報告は欲しかったかな……気持ちは分かるが)」苦笑い。
緋乃凍花:「(……前者はまだ言い訳もききそうだが)」
緋乃凍花:「(もし、続けて後者を見られたとしたら……)」
真庭 悠香:「…………」しょんぼりとしている。
緋乃凍花:「(……責めてるわけじゃない。そうだな……)」
緋乃凍花:「(もうしばらくしたら時間を作る。どこかで落ち合って、少し話そう)」
真庭 悠香:「(……はい。わたしも、できることはしたいです)」
真庭 悠香:楽しげにしている弟を見ながら。
真庭 悠香:「(……オーヴァードとそうじゃない人がずっとこんな風だったら、絶対、嫌だもの……)」
交野 静理:ハロウィンの出し物のあれが楽しそうだ、こsの仮装は面白かった、などと常樹くんと会話をして気を逸らしている。
緋乃凍花:「(……そうだな)」
真庭 悠香:こくり、とうなずく。
緋乃凍花:「(おれたちはまだこの辺にいる。何か変わったことがあったら知らせてくれ)」
真庭 悠香:「(わかりました。わたしたちもしばらくはこの辺を歩いてると思います)」
真庭 常樹:「ねえちゃーん」お化けが手を振ってくる。
真庭 悠香:「……そろそろ、行こっか。お邪魔しちゃダメだよ」
真庭 悠香:「ありがとうございましたっ」ぺこりとお辞儀をする。
緋乃凍花:「別にいいよ。お祭りを楽しんできてくれ」
交野 静理:「常樹くんも、またね。楽しんで」
天元あたり:「じゃーねー、今度会った時は私のカニ上陸ライブラリーアウトでデッキを根こそぎバーンしたげるよ」
GM:姉弟はどこかまだぎこちなく、あなたたちの元を去っていく。
交野 静理:「……姉弟って、難しいね。秘密があれば、尚更」
交野 静理:「栗生さんも、天元さんも、聞いてましたか? さっきの、悠香ちゃんの、猫の話……」
栗生 賢人:「……あのあたりの年頃なら、秘密のひとつやふたつあって当たり前だけどね。あの二人の場合、ちょっと事情が違うかな」
交野 静理:「実は、この間……常樹くんにこっそり相談されたんです。『お姉ちゃんが魔女かもしれない』『猫に話しかけたり、囲まれてた』って」
緋乃凍花:「………」
天元あたり:「ああ、能力を使ったところを見られちゃった、ってことか……」
緋乃凍花:「ちょうどクリティカルな所を目撃されたみたいだ」
緋乃凍花:「おれの方も、彼女からそのことで相談を受けていたんです」
交野 静理:「年頃の子なら一つや二つ秘密があるものだよ、って誤魔化してはいるんですけど……ほら、あの年頃の子って、鋭いから」
天元あたり:「彼女がそうで、彼はそうではない。だから気にしてたんだね」
栗生 賢人:「子供ゆえの、か。疑念が憧れに変わってくれれば万事丸く収まるけれど、今のままじゃ難しそうだ」
交野 静理:「あと、その……ゲームの知識で、魔女は悪いもの、って思い込んでるみたいで」
交野 静理:「それもまた、拍車をかけてるというか。難しいなって」
天元あたり:「んー……カードゲームとかの魔女、基本的に真っ黒だからね……」
緋乃凍花:「真庭さんの所はご両親も常樹君も『そうではない』ので……」
交野 静理:「そうなんだ……んん、本を読む子なら、『西の魔女が死んだ』とか、そういう名作で上書きを……」 最後の方は殆ど独り言だ
緋乃凍花:「尚更、難しい所なんです。真庭さんもああやってぎくしゃくするのはだいぶ堪えているみたいで」
栗生 賢人:「……最後は「どうしたい」かの話になるしね。こればかりは、これだという正解はたぶん、ない」
天元あたり:「洗い浚い吐ければ楽になれるんだけどね。難しいなぁ……」
緋乃凍花:「……はい。ただ答えを出せばいいわけじゃないのは、おれも分かってます。多分、彼女も」
栗生 賢人:「周りにいる凍花くんや静理ちゃんが、どこまで踏み込んでいくのかもね。……人として幸せになってほしい、という願いはみんな共通だとしても──」
栗生 賢人:「……ああうん、駄目だな。今回くらい、仕事のことを考えるのは半分くらいにしようと思ってたのに、気を抜くとすぐこれだ」
緋乃凍花:「………」そんな栗生さんを見上げ、
交野 静理:「誰の幸せも壊れないような、そういうお手伝いができれば、一番いいんですけどね」
緋乃凍花:「これ、仕事ですよね?」
緋乃凍花:小柄な吸血鬼がぼやいた。
栗生 賢人:「半分はね。考えてもみな、今日はこの世とあの世が曖昧になる日なんだから」
栗生 賢人:「仕事と趣味の境が曖昧でも、今日ばかりは偉い人も怒ったりしないさ。多分ね」
栗生 賢人:小さなヴァンパイアを見下ろして、不真面目そうな聖職者がウィンクを飛ばす。
天元あたり:「(白は強し、はっきりわかるね)」
緋乃凍花:「知りませんよ。それ、偉い人に聞かれても」吸血鬼は呆れ顔でそれを受け止め。
緋乃凍花:(それはさておき。……うちだったら、どうなってたかな)
緋乃凍花:(父さんは、母さんは、凍砂は……)
緋乃凍花:(『こう』なったおれを、どう受け止めたんだろうか)
交野 静理:「緋乃くん、どうかしましたか?」
緋乃凍花:「……いえ、ちょっと。何でもないです」
緋乃凍花:「おれたちも行きましょう。人探しも途中ですから」
緋乃凍花:と笑みを浮かべるその裏側で。
交野 静理:(家族のことに、思うことがあったりするのかな)「うん。警備の方も、気を抜かずにね」
緋乃凍花:常樹君が真庭さんを見る視線が、まるで自分にも刺さっているような。
緋乃凍花:そんな気がしてならなかった。
GM:あなたたちがそうして会話をしている、その時。
GM:ここで判定をしてください。まず知覚で目標値は7。
GM:成功した人は、次に連続して行う判定の達成値に+2のボーナスがつきます。失敗した人は何もなし。
GM:全員お願いします。
天元あたり:1dx>=7
DoubleCross : (1DX10>=7) → 8[8] → 8 → 成功

天元あたり:よし!!
交野 静理:2dx>=7 とりゃー
DoubleCross : (2DX10>=7) → 7[5,7] → 7 → 成功

交野 静理:魔女アイズ!
緋乃凍花:1dx>=7
DoubleCross : (1DX10>=7) → 6[6] → 6 → 失敗

栗生 賢人:うおー、じゃあ自分に《砂の加護》!
GM:本気だ
栗生 賢人:花鶏 純の侵蝕を3(→ 3)増加 (0 → 3)
緋乃凍花:いちたりない
栗生 賢人:6dx>=7
DoubleCross : (6DX10>=7) → 10[4,5,6,8,8,10]+6[6] → 16 → 成功

交野 静理:本気だ
GM:あ、侵蝕は栗生さんのを上げておいてください
緋乃凍花:www
栗生 賢人:ですね、すみません…!
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を3(→ 3)増加 (43 → 46)
GM:おけ! では緋乃くん以外の三人は次の判定達成値にボーナスがつきます。
GM:何が起きたかというと。
GM:成功した人は蝙蝠が何匹か、あなたたちの方に向かって急に飛んで来たことにいち早く気付きます。
GM:そうして、牙を剥いて飛びかかろうとしていることにも。
GM:さらにそれを避けるための判定です。回避で目標値9。
GM:成功した人は無事回避。失敗した人は1d10のダメージを受けてもらいます。
天元あたり:あたりぇーっ!!
栗生 賢人:あっ、やったー回避は1ある!
交野 静理:4dx+1+2>=9 とりゃーっ!
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 8[1,6,7,8]+3 → 11 → 成功

交野 静理:避けました
栗生 賢人:4dx+1+2>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 9[1,4,4,9]+3 → 12 → 成功

栗生 賢人:ひらりと。
GM:つよいな……
緋乃凍花:4dx+1>=9
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 9[2,6,9,9]+1 → 10 → 成功

天元あたり:1dx+1+2>=9
DoubleCross : (1DX10+3>=9) → 6[6]+3 → 9 → 成功

GM:ええー!
天元あたり:セーフ!!
緋乃凍花:やったぜ。
栗生 賢人:イエーイ!
GM:応急手当キットに調達ボーナス使わせてやろうと思ってたのに……
交野 静理:そういう優しさ。
GM:全員無事回避ですね
GM:では軽く描写を。
GM:では、あなたたちの視界に黒いものが入ってきたことに、気付いた人もいるだろう。
GM:それまで大人しく上を飛んでいた蝙蝠たちが、急降下して襲いかかってきた!
栗生 賢人:「……!みんな、上!」
天元あたり:「……っと、うわ!!」
交野 静理:「わ、わっ……!」 魔女帽子が落ちないように抑えながら、後方に跳躍!
緋乃凍花:「!」一歩引く。
栗生 賢人:弾丸のように急降下してきた蝙蝠を、上体を捻って回避。
天元あたり:横へ飛び込む様に跳ね、紙一重で避ける。パリィ成功!!
蝙蝠:バサバサと再度飛び上がる。大きく牙を剥いて。
緋乃凍花:肩を掠めて飛び去って行った黒い影を目で追いながら
緋乃凍花:「あれは……コウモリ?」
交野 静理:「びっくりしましたね……急に、どうしたんでしょうか」
GM:見れば、周辺の人々もどうやら蝙蝠に襲いかかられているようだ。
交野 静理:「……って、私達だけじゃない……?!」
GM:さほど大事にはなっていないようだが、「痛っ」などという声も聞こえてくる。
天元あたり:「ひぇー、危なかった。ボム抱え落ちさせられそうだった……」
GM:では、そこで。
GM:蝙蝠を追い払ったあなたたちは、ふと奇妙な声に気づきます。
GM:《シークレットトーク》によるもので、オーヴァードにしか聞こえない声。
????:「……そう。それが君らのやりたいことか」
栗生 賢人:「……花鶏さんに連絡しておくよ。念のため救護室に人を回してもらって──」
栗生 賢人:「……!?」
????:「僕とはずいぶん違うな。仲良くなれるかもと思ったのに、残念」
????:「いつもそうなんだよね。あーあ。冷めちゃう」
GM:空中に、やはり蝙蝠が一匹、飛んでいる。そして、そこに話しかけている人影。
黒いドレスの少女:黒いドレス風の服装に、顔はボンネットとヴェールで隠れてよく見えない。
黒いドレスの少女:「ちょっとだけど、楽しかったよ。君、寄せ集めってとこは僕に似てたし」
黒いドレスの少女:「……僕の友情と恐怖を、君に。それじゃあね」
黒いドレスの少女:「……っと」
黒いドレスの少女:蝙蝠から目を離したところで、あなたたちに気付いたようだ。
天元あたり:「……仮装、にしては随分と禍々しい感じがする、ね」
緋乃凍花:「コウモリと話しているように見えたが……」
天元あたり:「コウモリ達を暴れさせてたのって、ひょっとして君?」
黒いドレスの少女:くり、と首をあなたたちに向ける。
黒いドレスの少女:「こんにちは。火消しの皆さんかな」
黒いドレスの少女:「暴れたのは、彼らが自分でしてることだよ」
交野 静理:「……そうだとしたら?」
黒いドレスの少女:「うん、一度ご挨拶しなきゃって思ってたんだ」
栗生 賢人:「……その言い方。天弓山の御殿に縁のある子かな、きみは」
黒いドレスの少女:「ちょっと興味あったから!」
黒いドレスの少女:「……えー? あそこはちょっと古くさいし、やかましくてー」
黒いドレスの少女:くすくすと笑う。
黒いドレスの少女:「僕は紗理羅(しゃりら)」
紗理羅:「どうぞよろしくね」
紗理羅:スカートの裾を持ち上げ、優雅に一礼。
天元あたり:「でもあそこ、新作のゲームが湯水のように溢れてくるから一生遊べるよ」
紗理羅:「僕、非電源派なの」
天元あたり:「……相容れない!!」
交野 静理:「丁寧なご挨拶、ありがとう。……ねえ、さっき言ってたのは、どういうこと?」
紗理羅:「うん?」
交野 静理:「蝙蝠と喋ってたこと。不穏な言葉しか、聞こえてこなかった」
交野 静理:「ここで何かしようとしてるなら……見過ごすわけには、いかないから」
紗理羅:「ううん、僕の素直な気持ちなんだけどなあ」
紗理羅:「しようとしてるのは、僕じゃなくて、彼ら。それに」
紗理羅:「もう、遅いよ」
紗理羅:くき、と首を傾げる。
天元あたり:「ボスキャラしか言わない台詞ばっかり!」
交野 静理:「もう遅い、って……」
天元あたり:「私は火消しじゃないけど、あんまり人を虐めるようなら私もちょっと怒るよ!」
緋乃凍花:「待て。何かしようとしているのは確かだろう」
緋乃凍花:「やりたいことが、彼らとは違うんだろう?」
栗生 賢人:「……何かしようとしている誰かに、まあそれもありか、自分は好きじゃないけれど。そう言っているようにも聞こえたけれどね」
紗理羅:「こわいこわい」その口調だけ、少しトーンが落ちる。
紗理羅:「火消しさんてみんなそんなに鋭いの? 探偵みたい」
栗生 賢人:「そういう仕事だからね。……ともあれ。きみはこの蝙蝠たちとは無関係の誰かで、味方じゃないけど敵でもない。そういう立ち位置だと思っていいかい?」
紗理羅:「どうだろ。君たちとお友達になりたい気持ちはあるけど……」
紗理羅:「無関係、はそうでもない、という感じ」
紗理羅:「多分これ以上言ったら、君ら怒るでしょ」
緋乃凍花:「つまり……」
緋乃凍花:「そういうことを、するつもりなんだな?」
緋乃凍花:腰の刀、その柄頭に手を添える。
栗生 賢人:「……そうだね。ここから先は、きみに縄をかけてでも、という話になるかもしれない。それに──」
紗理羅:「だからやーだ!」
紗理羅:とん、と一歩下がる。
紗理羅:《瞬間退場》
黒いドレスの少女:ふい、と横道に倒れ込むように消える。
天元あたり:「あ、逃げた!!」
交野 静理:「……消えた」
黒いドレスの少女:あなたたちが見ても、そこには人影は、もうないだろう。
栗生 賢人:「どうやら、思ったより大きな騒ぎになってるようだ。……僕らも収拾にあたらなきゃね」
緋乃凍花:「……くそ。相手のペースに乗せられたな」
GM:周囲の蝙蝠は、一度退いたようだ。ただ、上空にはちらちらと飛び回っている。
天元あたり:「んん……制空権を取られているね」
緋乃凍花:(コウモリか。真庭さんの能力なら相性がいいんだが……)
交野 静理:こくりと頷く。「鈴掛さん達はもう気付いているでしょうけど……他の支部の方にも、連絡した方が良さそうですね」
天元あたり:「偏福も心配だし、早いこと見つけないとなぁー」
緋乃凍花:「ええ。手分けして連絡しましょう」
緋乃凍花:常樹君も近くにいる状況で協力を要請するのは避けたい、と思った。
栗生 賢人:「うん、頼むよみんな。……と、ああ、そうだ」
栗生 賢人:歩き出して、はたと足を止めて。
栗生 賢人:「あたり。きみの友達の名前、漢字だと「かたよる」と「ふく」、福の神の「ふく」でいいのかな」
天元あたり:「ん?うん、そうだよ~」
栗生 賢人:「うん、そうか。……いや、惜しいと思ってね」
栗生 賢人:「その名前。部首を引いたり足したりしたら、「こうもり」だから」
天元あたり:「…………」
天元あたり:「なるほどね!!!!」
栗生 賢人:「いや、ごめんごめん。ただそれだけ、気付いたらどうしても言いたくなってね」
栗生 賢人:──そう、ただそれだけ。それだけ、なのだけれど──
栗生 賢人:──アトリエ・アトリのロゴや、店主が手ずから飾り付けていたぬいぐるみを、どうしても思い出してしまって──

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
天元あたり:まだロイスは保留かな
天元あたり:ヘヴィマシンガン、目標24
栗生 賢人:同じく、ロイスはまだちょっと…保留で…!
天元あたり:《オリジン:サイバー》使用、侵蝕59で達成値+10
栗生 賢人:つっよい。
GM:全力……
GM:達成値+2ボーナスもね
天元あたり:ビジネススーツとハロウィンバフで達成値+4、フォールンスプライトも乗せて……
天元あたり:8dx+1+10+4>=24
DoubleCross : (8DX10+15>=24) → 9[1,2,3,7,8,8,8,9]+15 → 24 → 成功

GM:ひえ
交野 静理:ピタリ賞だ!
天元あたり:ピッタリ成功!!装備して以上
栗生 賢人:丁度……!
交野 静理:ロイスは保留で、強化素材を狙います
交野 静理:1dx+2+2>=15
DoubleCross : (1DX10+4>=15) → 2[2]+4 → 6 → 失敗

交野 静理:全然ダメ! 以上で!
栗生 賢人:こちらも強化素材狙い!
栗生 賢人:2dx+2+2>=15
DoubleCross : (2DX10+4>=15) → 8[4,8]+4 → 12 → 失敗

栗生 賢人:あッ
緋乃凍花:バディムーヴをくらえ~っ
栗生 賢人:ぐわーッ!(ありがとうございますの意)
GM:つよっ
緋乃凍花:ロイホ(ロイスは保留)
緋乃凍花:こちらも強化素材かな~
栗生 賢人:ここは交野さんにお渡ししておきましょう。少しでも行動が早い人に火力を盛っていく。
交野 静理:あ、こちら素手なので……!
栗生 賢人:あっ、素手不可だったか……!
栗生 賢人:では自分の槍に。
緋乃凍花:2dx+4+2>=15
DoubleCross : (2DX10+6>=15) → 3[3,3]+6 → 9 → 失敗

緋乃凍花:2dが低い!失敗しておきましょう。以上で!


ミドル3 情報収集


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
交野 静理:交野 静理の侵蝕を1D10(→ 7)増加 (48 → 55)
天元あたり:1d10+59
DoubleCross : (1D10+59) → 4[4]+59 → 63

栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を1d10(→ 10)増加 (46 → 56)
緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を1d10(→ 9)増加 (58 → 67)
栗生 賢人:一気に来た!
緋乃凍花:うおォん
GM:高め推移!

GM:このシーンは情報収集がメインです。
GM:情報項目は以下の通り。

★真庭悠香について〈情報:UGN〉〈交渉〉7 緋乃凍花のみ6
★花鶏純について〈情報:UGN〉〈交渉〉7 栗生賢人のみ6
★真庭常樹について〈交渉〉6 交野静理のみ5
★偏福について〈情報:UGN〉7 天元あたりのみ6
★蝙蝠の群れについて〈情報:噂話〉8


GM:失敗した場合や再度判定を行いたい場合は、侵蝕1d5振り足しで再判定が可能です。
GM:要は通常の2~3シーンをこのシーン内で行うような形です。
GM:情報開示後、それぞれの担当NPCと判定に成功したPCとが会話をするシーンを行ったりとかします。
GM:では、項目を選んでいただいてそれぞれ判定をどうぞ。
GM:情報:噂話と交渉には+1のボーナスがつきます。
GM:あ、情報を開けたらまた新しい項目が出ることももちろんあります。
天元あたり:ここは安定を取ってオリジンを使用するチャートとしています。シーン継続するため、事故を極力避けることができるんですね。
栗生 賢人:はーい。そこらは随時やっていく…ぜ!という塩梅で。
天元あたり:>★偏福について〈情報:UGN〉7 天元あたりのみ6
天元あたり:《オリジン:サイバー》使用。侵蝕65、達成値+10
栗生 賢人:こちら、情報:UGNで花鶏さんについて判定!目標6、コネ:UGN幹部も使用します。
栗生 賢人:4dx+1>=6
DoubleCross : (4DX10+1>=6) → 5[1,1,4,5]+1 → 6 → 成功

天元あたり:(5+2)dx+2+10>=6 コネ付きUGN
DoubleCross : (7DX10+12>=6) → 8[1,1,4,7,7,8,8]+12 → 20 → 成功

栗生 賢人:あぶなッ
GM:ピタリ賞とホームラン賞だ
緋乃凍花:では、指名のある真庭悠香について行きます。ボーナス込みでもUGNの方が高くなるかな。
緋乃凍花:(3+2)dx+2>=6
DoubleCross : (5DX10+2>=6) → 8[3,3,6,8,8]+2 → 10 → 成功

GM:ばっちり
緋乃凍花:よくわかった
交野 静理:★真庭常樹について。ハロウィンボーナスで達成値+1で……
交野 静理:1dx+1>=5
DoubleCross : (1DX10+1>=5) → 4[4]+1 → 5 → 成功

交野 静理:ぎ、ぎりぎり!
GM:ピタリ!
GM:全員成功ですね。では一度開示をします。

★真庭悠香について〈情報:UGN〉〈交渉〉7 緋乃凍花のみ6 担当:真庭悠香
数ヶ月前に覚醒したばかりのオーヴァード。中学生で14歳の女子。
ハヌマーン/オルクス。外見や普段の行動には覚醒後も特異性は見られない。
《Dロイス:動物使い》を持つ。超音波による行動の誘導で、動物をある程度操ることができる。
臆病で、家族に嘘がばれて嫌われてしまうこと、記憶処理をされてしまうことを恐れている。
同時に、「家族に何かあれば自分が守らないといけない」とも考えているらしい。



★花鶏純について〈情報:UGN〉〈交渉〉7 栗生賢人のみ6 担当:花鶏純
雨宿支部装備部主任。ブラックドッグ/ノイマン。カヴァーはブティック経営。
当人の戦力はさほどではないが、様々な兵器を活用して戦闘することも可能。
過去、町に来る前に同じくオーヴァードである弟・修吾を亡くしており、今でもこだわりはあるようだ。
《Dロイス:秘密兵器》を持つ。アイテムの使用・調達を得意とする。
→★花鶏純とその弟について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉9が調査可能になりました。



★真庭常樹について〈交渉〉6 交野静理のみ5 担当:真庭常樹
非オーヴァードの一般人。小学生男子。真庭悠香というオーヴァードの姉が居るが正体は知らない。
姉が動物と会話をしているように見える場面を複数回目撃しており、能力に疑念を抱いている。
そして、「自分が姉を魔女狩りから守らないといけない」とも考えているらしい。
その信念は堅く、姉を慕っていることだけは間違いがない。
→トリガーイベントに繋がるマスターシーンが発生します。



★偏福について〈情報:UGN〉7 天元あたりのみ6 担当:調査部
生まれて間もないレネゲイドビーイング=あやし。オリジンは山に住む蝙蝠の群れでコロニー。
吸血衝動を抑えるのが苦手なため山で暮らしていたが、「直接礼を言いたい人」がいるらしく抜け出した。
目撃情報はひとつだけ、『黒いドレスの少女と一緒に歩いていた』というものがある。
また、町で蝙蝠が町で多く見られるようになったのは、彼が失踪をした直後からのようだ。
→★黒いドレスの少女について〈情報:噂話〉8 が調査可能になりました。


GM:現在残っている項目は以下です。

★蝙蝠の群れについて〈情報:噂話〉8
★黒いドレスの少女について〈情報:噂話〉8
★花鶏純とその弟について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉9


GM:3項目あります。侵蝕1d5を振り直して判定をどうぞ。
栗生 賢人:ヤー、では自分、侵蝕上げて花鶏さんとその弟について…!
栗生 賢人:1d5
DoubleCross : (1D5) → 1

栗生 賢人:やすい。
GM:ちま
栗生 賢人:判定前、オートで《砂の加護》を自分に。
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を3(→ 3)増加 (57 → 60)
栗生 賢人:ぴったしボーナスに乗ったので、再びコネ込みの……
栗生 賢人:9dx+1>=9
DoubleCross : (9DX10+1>=9) → 10[3,5,5,7,7,8,8,9,10]+4[4]+1 → 15 → 成功

栗生 賢人:なんかめっちゃわかった。
GM:ばっちりだ……
天元あたり:私も再登場~
緋乃凍花:もう口説き落とす勢いだ
GM:どうぞー
天元あたり:1d5+65
DoubleCross : (1D5+65) → 3[3]+65 → 68

天元あたり:>★黒いドレスの少女について〈情報:噂話〉8
天元あたり:5dx+10+1>=8 コネなしの噂話
DoubleCross : (5DX10+11>=8) → 10[1,2,3,4,10]+9[9]+11 → 30 → 成功

GM:!?
GM:ええーすごいわかった
緋乃凍花:もう口説き落とす勢いだ
栗生 賢人:強者……!
緋乃凍花:ではこちらも再登場して。
緋乃凍花:67+1d5
DoubleCross : (67+1D5) → 67+5[5] → 72

緋乃凍花:きりが良くなりましたね
交野 静理:そうかな……そうかも……
栗生 賢人:めっちゃ綺麗な数字だ……
緋乃凍花:蝙蝠の群れについて、情報:噂話に友人とハロウィンバフを添えて。
緋乃凍花:(3+2)dx+1+1>=8
DoubleCross : (5DX10+2>=8) → 9[3,6,6,7,9]+2 → 11 → 成功

GM:ばっちりー
緋乃凍花:よしよし。友人で素振りした甲斐があったな
GM:では現状の3項目を開示しますね

★蝙蝠の群れについて〈情報:噂話〉8 担当:調査部
昼夜を問わず、町中で飛行しているところが目撃されている。
初めは飛び回るだけだったが、徐々に人間への接触がエスカレート。『噛まれた』ケースも出てきた。
噛まれた人間は現状無事のようだが、噛み跡や流血の跡にはレネゲイドの痕跡がある。
オーヴァード覚醒やその他の悪影響が起こらないとも限らない。対処が必要だろう。



★花鶏純とその弟について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉9 担当:花鶏純
花鶏修吾は蝙蝠のキュマイラであり、十年ほど前に町の外で暴走・ジャーム化して討伐されている。
花鶏純が店を始めたのはデザイナー志望だった弟の影響。店のマークも弟が由来。
この経験から彼女は、周囲の存在がジャーム化することを非常に警戒している。
それは対象が人間でも、レネゲイドビーイングでも同じであるようだ。



★黒いドレスの少女について〈情報:噂話〉8 担当:調査部
ハロウィンの仮装なのかどうか、黒いボンネットとヴェールをかぶった黒ずくめの少女。
紗理羅と名乗り、偏福と同行しているところや、蝙蝠に話しかけているところが目撃されている。
『僕の友情と恐怖を君に』という言葉をよく口にしているようだった。
どういう関わりであれ、現状の混乱に関わっているのは間違いないだろう。
→黒いドレスの少女と蝙蝠について〈情報:UGN〉9が調査可能になりました。


GM:残り項目がひとつ。

★黒いドレスの少女と蝙蝠について〈情報:UGN〉9


交野 静理:では、やりましょう。再登場を
交野 静理:1d5+55
DoubleCross : (1D5+55) → 2[2]+55 → 57

交野 静理:コネ:UGN幹部を使って……
交野 静理:(1+2)dx+3>=9
DoubleCross : (3DX10+3>=9) → 10[1,10,10]+6[1,6]+3 → 19 → 成功

交野 静理:あらゆることを"理解"しました
GM:すごいわかった……
GM:では開示。
天元あたり:ノーミスだ
栗生 賢人:フルコンボだドン!

★黒いドレスの少女と蝙蝠について〈情報:UGN〉9 担当:八千代路夜
紗理羅の言動や偏福と見られる蝙蝠の挙動には、しばらく前に起きた雷獣というRBの暴走事件との類似がある。
特に紗理羅については、支部に記録されている詳細不明の『雷獣を暴走させた人物』と近い部分があるようだ。
その力(《Eロイス:孤独の叫び》《Eロイス:怯えのまなざし》)からジャームであると見られる。警戒が必要だろう。
蝙蝠=偏福の方はジャーム化しているのか否かは不明。確認を待つ必要がある。
※少女をこのセッション中に退治等することはできません。ご了承ください。




【雨宿町・三砂商店街 『カフェ・ニオ』】

GM:ハロウィンの飾り付けに彩られた店内の奥まった座席。
GM:そこにあなたと真庭悠香は居る。
真庭 悠香:「…………」少し緊張した様子で、コップの水を飲んでいる。
緋乃凍花:「好きな物を頼んでくれ。ここはおれが持つから」
真庭 悠香:「はい……でもコーヒー、苦くてわかんないんです」
真庭 悠香:「前にお父さんの貰ったけど、全然ダメで。アイスティーにします」
真庭 悠香:家族の話をする時、彼女は不安そうだが、どこか微笑んでいるようにも見える。
緋乃凍花:「はは。お父さんは残念だったな」
緋乃凍花:「おれはブラックでいいか……」店員を呼んで注文する。
真庭 悠香:「なんで苦いのがいいのかなあ……」首を傾げている。
真庭 悠香:「わ、緋乃さんは大人なんですね!」
緋乃凍花:「ああ……これは、いや。そんなロマンのある話じゃないよ」
緋乃凍花:「この後も巡回があるから、苦みとカフェインが欲しいだけだ」
緋乃凍花:「うちにいる時はコップの半分くらい牛乳入れるぞ」
真庭 悠香:「えーっ、今の発言が大人ですよ!」
真庭 悠香:「かっこいいー」妙に憧れに満ちた目をしている。
緋乃凍花:(そういうものなのか……?)
真庭 悠香:「……私も大人だったら、いろいろ解決するのかな?」
真庭 悠香:「家族のこととか……」
真庭 悠香:じっと自分の手を見ている。
緋乃凍花:「おれも近い歳だし、あまり偉そうなことは言えないんだけど」
緋乃凍花:「時間が解決することはあると思う。でも……」
緋乃凍花:「『大人だから』解決することって、そんなに多くない気もするんだよな」
真庭 悠香:「そう……なんですか」
緋乃凍花:「大人が持っているものって、お金とか、社会的な信用とか、あと……経験とか」
緋乃凍花:「そういうものだ。特に、おれたちになくて大人が持っているものって言えば、経験だろうな」
真庭 悠香:「わたし、覚醒、するまでは、魔法が使えたらなんでもできるのにって思ってました」
真庭 悠香:「でも、そんなことなくて。ちょっと動物を動かせるくらいで……困ったことも多くて」
真庭 悠香:「その、経験があったら、もっと上手くやれるんじゃないかって、思ったんですけど……」
緋乃凍花:「『上手くやる』ことに関しては、そうだな。それは経験がものを言う分野だ」
真庭 悠香:「ですよねっ」
真庭 悠香:ぱっと顔を輝かせて、両手を揃える。
緋乃凍花:「でも、君の悩みはそういうことだったか?」
真庭 悠香:「……う」
真庭 悠香:「うーん……」また頭を抱えてしまう。
緋乃凍花:「前にも言ったけど、起こったことはしょうがない。誰もそこは責めないよ」
真庭 悠香:「……はい」
緋乃凍花:「常樹君のこと、ご両親のこと、どうするのが一番いいのかは、おれにも分からない」
緋乃凍花:「大人も言ってたよ。正解はないって」
真庭 悠香:「…………」噛み締めるように、あなたの言葉を聞く。
真庭 悠香:「緋乃さん、あの」
緋乃凍花:「ん?」
真庭 悠香:「わたし、考えてみたんです。言われたこと、思い出して」
緋乃凍花:「……ああ、あれか。うん、聞かせてくれ」
真庭 悠香:「わたし、一番怖いのはなんだろうって。えっと、自分と向き合って、ですよね」
真庭 悠香:うん、と頷いて。
緋乃凍花:同じように頷いて。
真庭 悠香:「嘘がばれるのは、怖いです。嫌われちゃうのも。それで、記憶が消されちゃうのも嫌」
真庭 悠香:「でも、やっぱり一番は」
真庭 悠香:「家族に何かあって、危険だったり、日常ですか。日常に戻れなくなったり」
真庭 悠香:「本当はそっちが怖いなって思ったの」
緋乃凍花:「……そうだな」絞り出すような声。
真庭 悠香:「……緋乃さん?」
緋乃凍花:「家族に……何かあって。それまで当たり前にそこにあったものがなくなって」
緋乃凍花:「変わってしまうんだ。そして、戻れなくなる。それは怖いな」
真庭 悠香:「…………」
真庭 悠香:「……はい」小さく首を縦に振る。
真庭 悠香:「それに気が付いたら、少しだけ楽になった気がするんです」
緋乃凍花:「そうか……」
緋乃凍花:今度は、安堵を色を含んだ声。
真庭 悠香:「多分、大事なんです。家族。だから怖かったの」
真庭 悠香:「緋乃さんのおかげで、ちょっとだけわかったと思う」
緋乃凍花:「なら、あの話をして良かった。おれがあの花を選んだことにも意味があったな」
真庭 悠香:「かっこいい花と、素敵な花言葉、ですよね」
真庭 悠香:「……緋乃さん、あの……」
緋乃凍花:「なんだ?」
真庭 悠香:つい、と手を伸ばす。あなたの肩の辺りに。
真庭 悠香:「いたいのいたいの、とんでけっ」
真庭 悠香:「あっ」やってからぱっと顔を赤くする。
緋乃凍花:「な、なに?」
真庭 悠香:「ご、ごめんなさい。常樹がしょげてるとよくやってたの、あの」
真庭 悠香:「魔女のおまじないだよ、って言ったら、喜んでくれて……」
真庭 悠香:「ちょっと元気がないみたいに、見えたんです」
緋乃凍花:「そうだったのか。うん、まあ……」
緋乃凍花:「しょげてる……って言うのはちょっと違うけど。思い出してた」
緋乃凍花:「おれの……家族のこと」
真庭 悠香:「緋乃さんの」
緋乃凍花:「君が話すのを聞いていて、おれも同じだなって」
緋乃凍花:「……この話すると、大体の人は同情するから、あまりしてないんだけどな」
真庭 悠香:「……?」不思議そうな顔をする。
緋乃凍花:「旧市街の外れに、広い空き地がある。そこに、六年前まで一軒の屋敷が建ってた」
緋乃凍花:「おれの家だ。今はもう、ない」
真庭 悠香:「…………」
緋乃凍花:ぬるくなったコーヒーに口をつける。
真庭 悠香:少し意味を考えるような様子。
真庭 悠香:「えっ、ない、って……」
緋乃凍花:「六年前の冬に、大きな火事があったんだ。新聞にも載ってる」そういうカバーストーリーで。
真庭 悠香:「火事……あっ、少しだけ聞いたことがあるかも……」
真庭 悠香:まだ幼かったため、直接覚えてはいないようだ。
緋乃凍花:「……おれだけが助かった。この力に目覚めて」
真庭 悠香:「……えっ?」
緋乃凍花:「おれだけが燃えなかったんだ。あの日、何もかもが燃えて灰になったのに」
真庭 悠香:さっ、と顔色が青くなる。
真庭 悠香:「わ、わたし」
真庭 悠香:「知らなくて……なんにも……ご、ごめんなさい……」
緋乃凍花:「……いや。言えばそうなると思って、言わなかったんだ。おれの方こそ悪い」
緋乃凍花:「きつい話、もうちょっと続くけど、いいか?」
真庭 悠香:「…………」下を向いて、じっと何かを考えている。
真庭 悠香:「……はい」
真庭 悠香:それでも、唇を噛んで頷く。
緋乃凍花:「悪いな。今度何か埋め合わせるよ。……さて」
緋乃凍花:「どこまで話したかな。ええと……ああ、そうだ。おれは見ていた」
緋乃凍花:「焼かれながら。自分の家族が、父さんが、母さんが、……妹が」
緋乃凍花:「生きながら焼かれていくのを、ずっと見ていた」
緋乃凍花:「助け出された後、何度も思った。どうしてなんだって」
緋乃凍花:「どうしておれだけなんだって。……どうしてあの時、おれは何も出来なかったんだって」
緋乃凍花:「おれには今、力があるのに。どうして、あの時……」
緋乃凍花:最後の方は消え入りそうで、もう言葉になっていない。
緋乃凍花:「たくさん恨んだし、たくさん怒ったよ。多分、一生分な」
真庭 悠香:「…………」
緋乃凍花:「でも、戻らないんだ。もう、おれの家族が戻ってくることはない」
緋乃凍花:「だからさ。おれが『こちら側』でやっていくことを選んだのは」
緋乃凍花:「おれのような思いを、もう誰にもしてほしくなくて」
緋乃凍花:「真庭さん。君にもだ」
真庭 悠香:いつの間にかぼろぼろと、座ったまま涙を流している。
緋乃凍花:「君が今、大切に思っているものを、なくしてほしくないと思う」
真庭 悠香:「ひぐっ」
真庭 悠香:手の甲で涙を拭う。
真庭 悠香:「わ、わたしは」
真庭 悠香:「……それがわたしが、緋乃さんにできることですか」
真庭 悠香:「他にないんですか、わたし」
真庭 悠香:「助けられてばっかで、なんにも見てなくて」
真庭 悠香:「悔しい、ですっ」
緋乃凍花:「そうだな。悔しいな……」実感のこもった声。
真庭 悠香:「そうですよ!」
緋乃凍花:「じゃあ、君はどうしたい?」
真庭 悠香:机をパーで叩きかけて、さすがにやめて。
真庭 悠香:「……緋乃さんに安心してもらえるようになります」
真庭 悠香:「家族とちゃんと話して、自分のことも見て」
真庭 悠香:「秘密があってもちゃんと仲良しでやってけるんだっていう、そういう風になって」
真庭 悠香:「それで、緋乃さんがもっと幸せになれる方法、考えます」
真庭 悠香:「一緒に話すの。もっと、いっぱい」
緋乃凍花:「何で最終的におれなんだよ……」思わず吹き出して。
真庭 悠香:「だって悔しいって言ったじゃないですかあっ」ティッシュで鼻を軽くかんで。
緋乃凍花:「そうだな。悔しいな……」今度は幾分笑みを含んだ声。
緋乃凍花:「じゃあ、一緒に考えるか。一人じゃないっていうのは、そこがいい」
真庭 悠香:「! はいっ」
緋乃凍花:「……おれの妹な。その日、誕生日だったんだ。なのに、おれがケーキのチョコプレートを食べちゃって」
緋乃凍花:「今にして思えば、まったく長男らしからぬ行動だった。不覚の極みだ」
真庭 悠香:「えっ、でもうち、プレートはわたしが食べるって決まりになってますよ」
真庭 悠香:「長女だけど……」
真庭 悠香:言いながら、目を伏せる。
緋乃凍花:「そうなのか? ……常樹君も実は食べたがってるかもしれないぞ。今度、聞いてみるといい」
真庭 悠香:「……はい」
緋乃凍花:「おれは、それでケンカして、それっきりになった。でも」
緋乃凍花:「真庭。君はちゃんと仲直りしろよ」
真庭 悠香:またいろいろと思い出したのだろう。く、と唇を噛んで。
真庭 悠香:「はいっ、きっと!」
真庭 悠香:「きっと、ちゃんと仲良しになりますねっ」
緋乃凍花:「きっとじゃ困る。絶対だ」と、コーヒーを一口。
緋乃凍花:……すっかり冷めたコーヒーが、やけに甘く感じた。


【雨宿町・ブティック『アトリエ・アトリ』】あるいは【UGN雨宿支部・装備部】

GM:外の騒動は店内にも伝わっていたらしく、花鶏純は心配そうにしている。
花鶏 純:「……蝙蝠、多いとは思ってたけど。そんなことまで……」
花鶏 純:足下に大きめのトランクを置いて、自分もいつでも外に出られるようにしているようだ。
栗生 賢人:「幸い、大怪我までは出てませんがね。可愛らしい……と言うには、ちょっとばかり洒落になっちゃいませんが」
栗生 賢人:姿は仮装のまま、けれど視線には僅かに剣呑なものを滲ませて。それでも、努めて軽い声色で。
花鶏 純:「手当てがいるくらいだもんね。調査部が動くかな、これは」
花鶏 純:「……よりによって、蝙蝠かー……」少し憂鬱そうにしている。
栗生 賢人:「もう調べてもらってますよ。今頃、僕らに分かりやすいように話を整理してくれてる頃かもしれない」
栗生 賢人:目の前、卓上の紙コップ。相変わらず良い香りを立てる紅茶を、ゆっくりと一口啜って。
花鶏 純:「ありがたいこと。連携は大事だもんね」
栗生 賢人:「……やっぱり、花鶏さんとしちゃ気になりますか」
花鶏 純:「え? 蝙蝠のこと?」
栗生 賢人:店内を飛び交う──ように見える、壁に飾り付けられた蝙蝠のぬいぐるみや紙細工を眺めるように視線を巡らせる。
花鶏 純:その視線を追いかけながら。
花鶏 純:「まあね。うちのトレードマークだし……」
花鶏 純:「これで悪印象ついて売り上げ下がったら、たまったもんじゃないよね」苦笑する。
花鶏 純:「……悪いもんじゃないのよ。蝙蝠。あたしはずっとそう思ってる」
栗生 賢人:「国によっちゃあ、幸福のシンボルでもあるらしいですからね。……けれど、それにしたって──」
花鶏 純:「栗生くん。前に、この子があたしに似てる、って言ってたよね」
花鶏 純:「まあ、言葉の綾だとは思うけど。この子にはモデルがいるんだ」
栗生 賢人:──蝙蝠がモチーフとは、女性向けのブティックには珍しい。そんな疑問を飲み込んで。
栗生 賢人:「……それが誰なのか、伺っても?」
花鶏 純:「言いたくなったから話したんだってば」少しだけ笑って。
花鶏 純:「……あたしの、弟。オーヴァードで、蝙蝠のキュマイラ。もう居ない」
花鶏 純:「居ないから、懐かしくなって、マークにまでしちゃった」
栗生 賢人:「その言いぶり。どうやら、穏当な別れ方じゃあなかったと見えますが」
栗生 賢人:「……僕の想像してる通りと思って、いいのかな」
栗生 賢人:瞳に宿る剣呑さが、エージェントとしての色を増す。
花鶏 純:「……この町に来る前にね。UGNの手を煩わせちゃって」
花鶏 純:その通り、というニュアンスで語る。
花鶏 純:「まあでも、ほら。あたし、幽霊見たことないのよ」
花鶏 純:「少なくとも、そこまでぐじぐじしてはいない、と思われたんじゃないかな」
花鶏 純:心残りを映すという、夏の幽霊の話をする。
花鶏 純:「……最近は、さすがに思い出すけどね。蝙蝠」
栗生 賢人:「……もう居ない誰かのことをどう想うのが正しいのかは分かりませんよ。少なくとも僕にとっちゃ、夏祭りの幽霊も──良い、縁だった」
花鶏 純:「……うん。それはいいこと」
花鶏 純:「……栗生くん。ついでなんだけど」
栗生 賢人:「何かな、花鶏さん」
花鶏 純:「ちょっと、かるーい思い出話に付き合ってもらってもいい?」
花鶏 純:「思い出しちゃったら、ほら、供養したいというか」
栗生 賢人:「僕でよけりゃあ、聞き役になりましょう。ちょっとばかり首を突っ込みすぎる、良くないお客かもしれませんが」
花鶏 純:「……ありがと」
花鶏 純:「変わった子、って言われてたんだよね」
花鶏 純:「かわいい服が好きでね。リボンとかフリルとか。そういうの作りたいっていうから服飾やってて」
花鶏 純:「……昔ね。傘差して歩いてたの。あたしが赤で、あの子が黒ね」
花鶏 純:見えない雨を見るように、軽く見上げる。
花鶏 純:「そしたら、赤い傘がいい、って弟が言い出して」
花鶏 純:「女の子の色でしょ、って母なんかは言ってたけど」
花鶏 純:「……思い出せないんだよね。それで、どうしたのか」
花鶏 純:そこまで言って、口を閉ざす。
栗生 賢人:「……仲のいいきょうだいだったんだろう。だからきっと、花鶏さんは。弟の頼みを叶えてあげたんだと思う」
花鶏 純:「そうだったらいいよねえ」
花鶏 純:「……そんなことばっかり。大事な話、ちゃんとできなかったし、覚えてない気がするの」
花鶏 純:「できてたら、あの子は……」
栗生 賢人:「──記憶になくても、どこかで覚えてるんだよ、きっと。だってほら──」
栗生 賢人:視線は、花鶏さんの足元。トランクに立てかけられた──
栗生 賢人:「黒い蝙蝠傘が、今もそこにある」
花鶏 純:ふ、と少し曇っていた顔に笑みが差す。
花鶏 純:「……うん」
花鶏 純:「大事に持ってるのよ、これ。あたしの秘密兵器」冗談めかして。
栗生 賢人:「実際、助かってるんですよ僕らは。ずっと雨宿りはしていられない。ざぁざぁ降りの中、飛び出していかなきゃならない時もある」
栗生 賢人:「そんな時、差し出される蝙蝠傘が、どれほど助けになることか。……調査部と並んで、そりゃあ派手な仕事じゃあないけれど」
花鶏 純:「……嬉しいな」
花鶏 純:「そうね。表ほど派手な仕事じゃない。だからこそ」
花鶏 純:「役に立てた時、きっと、何よりも嬉しい」
花鶏 純:「……ね」
花鶏 純:「蝙蝠、その……ジャームなのかどうかはまだ、わかんないんだよね」妙に真剣な口調で言う。
栗生 賢人:「……例の女の子の方はともかくね。そもそもこの町じゃあ、ジャームとオーヴァードの境はひどく曖昧だ。あやしとなれば、特に」
栗生 賢人:だから、と。一声、そして一呼吸挟んで。
栗生 賢人:「……僕が、僕らがこの町で戦うのは、他所でやるそれとはちょっと意味が違う。……うん、そうだな」
栗生 賢人:「人として、隣人ときちんと向き合うために武器を取る。……矛盾してるけど、花鶏さんたちが用意してくれるのは、そのための道具だと思う」
花鶏 純:「……ふふっ」
栗生 賢人:「──もちろん、きちんと日常に戻るところまで含めてね。報告書を提出するまでがエージェントの仕事なんだよ」
花鶏 純:「あたしねえ、そのために用意できるものはなんでもするから、だから」
花鶏 純:「もし戻れるなら、どうか戻してあげてって、そう言おうとしてたのよ」
花鶏 純:「先に言われちゃ仕方ないよねえ」
花鶏 純:くすくすと笑っている。先ほどの湿った様子はない。
栗生 賢人:「ありゃ。やっぱり突っ込み過ぎちゃったか。話し手のお株を奪っちゃあ元も子もない」
花鶏 純:「お買い上げ、ありがとうございます?」
栗生 賢人:釣られるように、苦味の薄いしかめっ面で笑って。
栗生 賢人:「……花鶏さんのその顔が見れたんだから、安い買い物だったのかもね」
花鶏 純:「ちょうどタイムセールってとこかな……栗生くんも」
花鶏 純:「何かあったら、交換で聞くからね?」
栗生 賢人:「──ああ、なら──」
栗生 賢人:──なんとなく、だけれど。
栗生 賢人:「支部長にも内緒にしてる昔話を、今回のことが落ち着いたら、ひとつ」
栗生 賢人:この人には、聞いてもらいたい。聞かせたい。そんな気がして──


【雨宿町・三砂商店街 フリーマーケット会場】

GM:商店街の端の方では、各々の店や個人がスペースに陣取り、フリーマーケットを行っている。
GM:手作り品や中古品、様々なものが安く売り交わされる会場の片隅にあなたたちはいた。
真庭 常樹:「静理ねえちゃん、なんかほしいものあるの?」
交野 静理:「色々あるね、目移りしちゃうな……」
交野 静理:(あんまり荷物になると、何かあった時に困っちゃうし……あっ)
真庭 常樹:「おれね、ちょっとならおこづかいあるよ!」本当にちょっとだと推測される。
交野 静理:視線の先に止まったのは、『スイートポテト』の看板。ダンボールにマジックで装飾されていて、いかにもフリーマーケットらしい。
真庭 常樹:「ポテト!」
交野 静理:「ちょっと小腹空いちゃったし、お菓子でも食べようかなって。常樹くんは、どう? スイートポテト、好き?」
真庭 常樹:「すげー好き! 食べたい!」おばけがぴょんぴょんと跳ねている。
交野 静理:「じゃあ、ここは私が奢ってあげましょう」
真庭 常樹:「お……おごり!」
真庭 常樹:「大人だー!!」
真庭 常樹:「あっ、そうだ。えっとね」
真庭 常樹:「ありがとうございます!」
交野 静理:「ふふ、どういたしまして」 1個100円。手作りゆえに不揃いだが、卵黄の照りもきちんと入っていて美味しそうだ。
真庭 常樹:すごい勢いで頭を下げたので、白い布がめくれかけ、直す。
交野 静理:ラッピングされたスイートポテトを二つ、手に抱えてイートインスペースに腰掛ける。
真庭 常樹:どすんと座る。
交野 静理:「……あ、もしかしてそのままだと、食べられない?」
真庭 常樹:「あーっ」
真庭 常樹:「こうぞうてきけっかん!」
真庭 常樹:「下から取るから、渡して!」
真庭 常樹:布の下のところから小さい手が覗く。
交野 静理:「はいはい」 その姿に思わず笑みを零しながら、しっかりと手に握らせる。
真庭 常樹:「キャッチ!」
真庭 常樹:そのまま、もしゃもしゃと食べる音が聞こえてくる。
真庭 常樹:「あまー、美味しいー。食物トークンってこんな味かなー!」
交野 静理:自分も包みを開き、少し齧る。サツマイモの風味が損なわれない程度に足された甘みが、口の中に広がる。
真庭 常樹:またカードゲームの話をしている。
交野 静理:「常樹くんは、本当にカードゲームが好きなんだね」
真庭 常樹:「スクウィズしかやってないけどー」例のタイトルだ。
交野 静理:「それだけ夢中になれるものがあるって、良いことだと思うよ」
真庭 常樹:「ねえちゃんとか、ゲームばっかしてないのーって言うよ」
真庭 常樹:「でも、ゲームしたら足し算とかかけ算とか勉強できるし、いいじゃんね」
交野 静理:「そうだね、ゲームから学べることも多いと思う。悠香ちゃんは、普段は何してるの?」
真庭 常樹:「ねえちゃん、最近部屋にいてわかんないんだよな」首を傾げる。
真庭 常樹:「まじゅつしょとか読んでるのかな……」
真庭 常樹:少し声を落とす。
交野 静理:「魔術書かあ。魔女仕草だね」
真庭 常樹:「あ、今の内緒ね」きょろきょろと周りを見る。
交野 静理:「うん、内緒内緒」 幸いにも、時間的にピークを過ぎているのか、会話が聞こえる範囲に人はいない。
真庭 常樹:「人に聞かれてたらー、捕まって狩りになっちゃうかもだし」ひそひそ。
交野 静理:(魔女狩りのこと……随分、気にしてるみたいだったな)
真庭 常樹:「おれ、ちゃんと調べたんだよ。魔女狩りって、ふつうの人がやるからこわいんだって」
交野 静理:「……そうだね。史実にあった魔女狩りは、人々が疑心暗鬼になって──その結果、罪もない人がたくさん、犠牲になった」
真庭 常樹:「ぎしん……」神妙に聞いている。
交野 静理:「不安になったり、怖くなったり。そうやって、人のことを信じられなくなること、だよ」
真庭 常樹:「スクウィズのカリーナもさ、ふつうの人に捕まっちゃって、悪い魔女になったってストーリーに書いてあった」
交野 静理:「悪い魔女に……」
真庭 常樹:「でも、だからってゾンビあんなに出すことないと思うんだよな」ぶつぶつ言っている。
真庭 常樹:「……おれも、ぎしんあんきになってる?」
交野 静理:「うーん、常樹くんは、違うと思うな」
交野 静理:「ちゃんと、自分で考えて。悠香ちゃんのこと、見ようとしてるでしょう?」
真庭 常樹:「……静理ねえちゃんと話したし」
真庭 常樹:「そんで、本も読んだし。だから……」
交野 静理:「人に聞いちゃいけない、ってことじゃないよ」
交野 静理:「私の話とか、本の内容とか。その上で、常樹くんがどう思ってるのか、っていうのが大事」
交野 静理:「……あのね、一つ、聞いてもいいかな?」
真庭 常樹:「ん」こくりと頷く。
交野 静理:「……常樹くんは、悠香ちゃんが『悪い魔女』かもしれないことが、怖いの?」
真庭 常樹:「んー……」しばし考える。
真庭 常樹:「こわいのは、こわいよ。悪だし」
交野 静理:「そっか、やっぱり、人と違うのは怖いよね」
真庭 常樹:「でも、ねえちゃんはねえちゃんなのかなって、調べてて思った」
交野 静理:「うん、うん……そっか」
真庭 常樹:「でも、なんか……悪いことがあったら、もっとこわくなっちゃうかもしれないし」
真庭 常樹:「それは絶対やだ。阻止する」
真庭 常樹:断固とした口調だ。
交野 静理:「……『ふつうの人』がいっぱい、悠香ちゃんのこと。苛めようとしても?」
真庭 常樹:「うん」
真庭 常樹:「戦うし、無理だったら、引っ張って逃げる!」
真庭 常樹:「そしたら、ほんとのほんとに悪くはならないと思う!」
真庭 常樹:「黒だって、別に悪の奴らだけじゃないもんな」カードゲームの話をしている。
交野 静理:「……ふふ。常樹くんは、優しいね」
真庭 常樹:「えー?」
交野 静理:「みんなが悪い魔女だって言っても、悠香ちゃんの味方、するんでしょ?」
交野 静理:「それが出来る子は、中々いないと思うな」
真庭 常樹:白い布がごちゃごちゃと動く。照れているらしい。
真庭 常樹:「これ、もっと秘密! ちょー秘密! ハイパー!」
交野 静理:「うん、うん。秘密ね」
交野 静理:「……そっか。でも、それを聞けて嬉しかったよ」
真庭 常樹:「そうなん? なんで?」
交野 静理:「んー? なんでだろうね」
真庭 常樹:「わかんねー」
交野 静理:「一つや二つ。私にも、秘密があるのです」 少し茶化したように。
真庭 常樹:「ええー、大人だから? 女子だから?」
交野 静理:「ふふ、まだ大人には遠いよ。女子じゃなくても、いつか──常樹くんにも、こっそり。持っておきたい秘密ができるかもしれない」
交野 静理:「でもね、そういう時に。秘密があっても、それを話さなくても」
交野 静理:「それでいい、って思ってくれるのが、家族のいいところなんじゃないかなって……私は、そう思うよ」
真庭 常樹:「ほわー……」
真庭 常樹:おばけの布の下で、少年がどういう顔をしているのかは、あなたからはよく見えない。
真庭 常樹:ただ、なんとなく。
真庭 常樹:「すげー! 今の覚えてく!」
真庭 常樹:「静理ねえちゃんって、なんか……なんかかっけー!」
真庭 常樹:見えなくても、やけに憧れられてしまったことは、わかるかもしれない。
交野 静理:「あ、あんまり褒められる程のことじゃ、ないかもだけど……」
真庭 常樹:「賞賛カウンターいっこ置いとくね!」カードゲームの話をしている。
交野 静理:「う、うん。ありがと……」
交野 静理:イートインスペースの外、会場の空にはまだちらほらと蝙蝠の姿がある。
交野 静理:「……さっき、大丈夫だった? 蝙蝠、びっくりしたよね」
真庭 常樹:「びびった! でもおばけだから平気!」
真庭 常樹:布がちょうどガードになったらしい。
交野 静理:「あ、そっか。無敵だ」 くすくす笑う。
交野 静理:「まだ飛んでるみたいだし、気を付けてね。……この後は、どうするの?」
真庭 常樹:「んー、ねえちゃんと会ったら……ちょっと歩いて、あとは帰るかも」
交野 静理:「そっか、じゃあ、家に帰るまでがハロウィンだ」
真庭 常樹:「あんまし遅くなったらダメって言われてるし」
真庭 常樹:「うん!」
交野 静理:「じゃあ、はい。お土産」 すっとシーツの中に手を滑らせる。
真庭 常樹:「わ、なになに?」
交野 静理:ジャック・オー・ランタンを模った棒付き飴が2本。差し入れられる。
真庭 常樹:「飴だー!」
交野 静理:「ちょっと子供っぽすぎるかな。悠香ちゃんと、一緒に食べて」
真庭 常樹:「おれ子供だもん!」
交野 静理:「ハッピーハロウィン。お祭り、楽しんでね」
真庭 常樹:「ありがと、静理ねえちゃん!」
交野 静理:「こちらこそ、またね」
交野 静理:ぱたぱたと元気な足音を立てて消えていくお化けの背中が、角を曲がって見えなくなるまで、手を振っていた。
交野 静理:胸のつかえが下りたような心地で、残りのスイートポテトを齧る。
交野 静理:(──私は、お父さんに命を救われた。だけど、心を救ってくれたのは、『ふつうの人』であるお母さんや、友達だったから)
交野 静理:(常樹くんにも……そうあってほしいな。秘密を知ってても、知らなくても)
交野 静理:(悠香ちゃんの一番身近な味方で、いてくれたら)
交野 静理:(……そして、常樹くんの日常が、平和に。続きますように)


【雨宿町・ブティック『アトリエ・アトリ』】あるいは【UGN雨宿支部・装備部】

GM:あなたたちは調査を終え、再び店内へと戻ってきた。
GM:中には店主の花鶏と、調査部の鈴掛、その肩にはカラスのネヴァン。
鈴掛 喜一:「お疲れさんです。こっちでもいろいろ調べたんだけど……」
鈴掛 喜一:「まず最初に、そっちの……天元さん? くん?に伝言があってさ」
天元あたり:「どっちでもいーよ。伝言って?」
鈴掛 喜一:「さっき、妙に出来のいいのっぺらぼうのコスの人が来てさ。まあ、あやしなんでしょうけども」
天元あたり:「(多分、アテナシ様かなぁ。というか、それ以外に思い当たらない)」
鈴掛 喜一:「山の方から、いろいろ急がせたから伝え忘れたーって話を聞かせてくれたわけ」
天元あたり:「スタートダッシュ決めちゃったからね」
GM:そうして、いくつかの情報があなたにもたらされる。
GM:偏福のオリジンが、まさに蝙蝠の群れであるということ。
GM:吸血衝動を持っているということ。探し人がいること。
GM:先の少女との関係や、町の蝙蝠との関わり、など。
天元あたり:「んん……そうすると、あのコウモリ達が蝙蝠だったんだね」
鈴掛 喜一:「そういうことみたいだねえ」
ネヴァン:「あのね」突然口を開く。
天元あたり:「ハロウィンが目当て、というのも方便。でもって」
天元あたり:「しゃべった!?!?!?」
ネヴァン:「その辺いっぱいいっぱい飛んでたの! あたし見たの!」ばさばさと羽を動かす。
ネヴァン:「しゃべりますー!」
鈴掛 喜一:「はいはい、その辺は順番でね」
鈴掛 喜一:「資料いろいろまとめましたんで、見といて」データをあなたたちに送ってくれる。
天元あたり:「ありがと。今度一緒にゲームしようね」
天元あたり:「……でも、状況は芳しくないね。見つければ終わり、とはいかなくなった」
鈴掛 喜一:「最近ソシャゲ周回しかやってねーな……」言いながら下がる。
天元あたり:「ID教えてくれたらフレンド申請するよ~」
栗生 賢人:「趣味は程々にね、っと。……とまあ、僕が言えた義理じゃあないけれど」 などと苦笑いしながら、バックヤードから戻ってくる。
天元あたり:「お、来た来た。皆集まって~~」
栗生 賢人:「こっちでやってた諸々の手配はひとまず終わり。……一応、端末に流れてきた話は目を通したけれど──」
交野 静理:「資料もばっちり届いてますよ。ありがとうございます」
緋乃凍花:「量がありますね。整理した方がいい」
天元あたり:「うん。早急に暴走化したコウモリ達……もとい、偏福を何とかしないといけなそう」
緋乃凍花:「さっきも通行人が噛まれたと連絡があった。穏便に済ます方法を考えないといけないな……」
天元あたり:「さっき賢人が言ってた通り、あやしの名は体を現す……必ず、ではないけれど」
天元あたり:「偏福の元ネタは蝙蝠の群れ。吸血衝動持ち。黒いドレスの少女と接触していた」
天元あたり:「さっきスマホで調べたんだけど、"偏福"自体が中華圏でそもそも蝙蝠を指すらしいねぇ」
栗生 賢人:「……吸血。ヴァンパイアが変身するとか使い魔とかで、怖いイメージのある蝙蝠だけど──」
栗生 賢人:「むやみやたらに人を襲う動物じゃあない。あたりの言う中華圏じゃあ、幸運の象徴でもあるしね。それがああも暴れたとなると」
栗生 賢人:「何かの影響を受けた、と見るのが妥当だと思う」
天元あたり:「うん。私達やほかの人間を襲って噛みつくなんて。たとえ衝動があったって、普段の偏福はそんなことしない」
緋乃凍花:「影響か……。思い当たるのは……やっぱりあの子だな」
交野 静理:「普段の姿を知ってる天元さんが言うなら、きっとそうなんだろうね……うん、あの黒いドレスの──」
緋乃凍花:「ええ。あそこで取り押さえられなかったのは痛いですね……」
交野 静理:「足取りが追えてない以上、すぐに対処するのは難しそうだね……」
八千代 路夜:「……そのことなんだけど」後ろで聞いていたところ、挙手をする。
栗生 賢人:「……あそこで荒事に出るわけにもいかないからね。ここは静理ちゃんの言うとおり、集中すべきところを……おおっと」
緋乃凍花:「お疲れ様です」会釈をする。
八千代 路夜:「目撃情報やあなたたちの話を聞いて、おそらく、という話がひとつ。思い当たったの」
八千代 路夜:会釈を軽く返して。
八千代 路夜:「少し前にね、ホテル『往来館』というところで、奇妙な暴走の様子を見せたRBがいた」
栗生 賢人:「……というと?」
天元あたり:「RB……あやしのことだね。それで?」
八千代 路夜:「『暴走させられていた』という形ね」
八千代 路夜:「その時裏に居た人物がどういう相手なのかはほとんどわかっていないけど」
交野 静理:「近い部分は、ある……ということ、ですか?」
八千代 路夜:「そう。『僕の友情と恐怖を君に』これはその時の報告にあった言葉とよく似ている」
天元あたり:「常習犯ってこと?」
八千代 路夜:「おそらくは。それも……普通のオーヴァードではない相手だと思う」
緋乃凍花:「……ジャーム」
天元あたり:「…………」少し、考え込む様にして。
八千代 路夜:「と、判断できる」
緋乃凍花:ぎり。鞘に添えた指に力が入る。
天元あたり:「その、暴走したRBはどうなったの?」
八千代 路夜:「捕獲されて、無事保護したわ。今は元気に山にいるはず」
天元あたり:小さく息を吐く。
八千代 路夜:「今回も可能ならそうできればいいし、ジャームを無理に追うことはない」
八千代 路夜:「足取りはこちらで追います。目の前に集中をお願い」
交野 静理:「保護されたんですね……ちょっとだけ、安心しました。」
緋乃凍花:「了解です」
栗生 賢人:「……ああ。支部の方針としてそう定まるなら、有難い」
天元あたり:「分担だね。私達は偏福を追って、何とか暴走を止めるよ」
天元あたり:「でも、二度同じことを繰り返したら三度目もあると思う」
交野 静理:「そうだね……意図的にそういうことをしてる、ということは、何かしらの目的があるはず」
八千代 路夜:「その通りね。早急に対処する必要があるのは確か」
栗生 賢人:「その時はその時、だ。……僕らUGNの──"火消し"のいい所はね」
栗生 賢人:「頼れる仲間が沢山いること、だ。……あたり、君の友達と同じようにね。僕らはひとりじゃあ、ない」
天元あたり:「賢人……」
緋乃凍花:「……はやく、偏福も戻してやらないとな」
緋乃凍花:「きっと今、一人でいる。それは心細いだろうから」
花鶏 純:「……本当にね」
天元あたり:「ありがとう。どんなに強い勇者が居ても、一人じゃパーティは成り立たないものね」
八千代 路夜:「……花鶏。大丈夫?」
交野 静理:「うん。彼を元に戻すことが、この町を平和なままに──守る手段でも、あるでしょうし」
花鶏 純:「大丈夫。むしろやる気。そう、ちゃんと元通りにしなきゃ」
花鶏 純:「あたしは、そのためにずっとやってきたんだから。ね」笑う。
天元あたり:「そう、だね。私も出来る限り、今の町を守りたいと思う」
緋乃凍花:「たち、が抜けてますよ」と微笑む。
天元あたり:「うきうきゲームライフできなくなっちゃうし。遊び相手も居なくなったら張り合いがない」
花鶏 純:「そうだねえ。あたしたちみんなで、町のハロウィンを守ろっか」
栗生 賢人:「ほんとだよ。……荷物なんてのは、ひとりで背負い込むもんじゃあない」
栗生 賢人:「どうせ背負うなら、みんなで楽しくにぎやかに、だ」
交野 静理:「折角のお祭りですし、ね」

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
GM:調達達成値には+2ボーナス!
栗生 賢人:何か欲しいものがある人…いますか!緋乃くんの強化素材かな?
緋乃凍花:強化素材チャレンジですね!まずは自前で。
緋乃凍花:3dx+4+2>=15 なんとかなれーッ
DoubleCross : (3DX10+6>=15) → 7[1,4,7]+6 → 13 → 失敗

緋乃凍花:おっ。財産2点使って成功に。鬼切りがパワーアップしました。
緋乃凍花:なんとかなったぜ
GM:なった……
交野 静理:なっちゃった
栗生 賢人:お金の…力!
天元あたり:なったぜ
交野 静理:じゃあ、ワンチャンでブルゲを。
交野 静理:1dx+2+2>=20 とりゃーっ
DoubleCross : (1DX10+4>=20) → 8[8]+4 → 12 → 失敗

交野 静理:流石に無理! おしまいです
天元あたり:アンチマテリアルライフル。目標35
GM:ひえ
交野 静理:調達内容が物騒
天元あたり:オリジン継続。ボーナスとスーツで+14になるから……
栗生 賢人:ぷらすじゅうよん。(真顔)
天元あたり:スプライトも使用します
天元あたり:(6+3)dx+1+14>=35
DoubleCross : (9DX10+15>=35) → 10[1,2,7,7,8,9,9,10,10]+8[8,8]+15 → 33 → 失敗

天元あたり:これは……!
交野 静理:フラグが立ってますね
GM:失敗のようですねー?
緋乃凍花:バディのムーヴ!
GM:グワーッ
栗生 賢人:バディーーーーーー!!
天元あたり:やったー!!
交野 静理:ナイスバディ!
栗生 賢人:ではこちらはブルーゲイル狙い。組織の助力を使います。これにもボーナスは乗ると…見て…!
GM:これでアトリエ・アトリの倉庫にアンチマテリアルライフルがあることが確定してしまった
栗生 賢人:11dx+5+2>=20
DoubleCross : (11DX10+7>=20) → 10[1,1,2,2,3,5,7,7,8,9,10]+2[2]+7 → 19 → 失敗

GM:そうですね、乗ります!
天元あたり:ありがとう!ウェポンケースにヘヴィマシンガンをしまいつつ、ライフルを装備して以上。
栗生 賢人:ヤッター!財産点1を入れて成功!
緋乃凍花:そしきの ちからって すげー!
GM:こわー
交野 静理:アトリエ・アトリの倉庫が大変なことになっていく!!!
栗生 賢人:おくすりもあった。
交野 静理:お薬もアンマテも、ある。
天元あたり:暴力は全てを解決する
緋乃凍花:やはり暴力……
天元あたり:ヤクザの事務所かな?
栗生 賢人:交野さんどうですか。(ちょっとでも行動値の速い人にという意志)<ブルゲ
GM:以上かな
緋乃凍花:あっ、ロイホ(ロイスは保留)で以上です
交野 静理:じゃあ頂いておこう……かな?
交野 静理:侵蝕調整が必要な方がいればそっちでも!
栗生 賢人:こちらは大丈夫そう!(どの侵蝕でも戦えるスタイルなので)
交野 静理:交野も特に侵蝕制限はないので、調整が必要ならそちらにお譲り~
緋乃凍花:後でこちらも狙ってみて、ダメそうなら受領する感じで……?
交野 静理:了解です、では一旦ないないしときます。ロイスは保留で、以上!
栗生 賢人:ではひとまずこちらで持ちましょう。二つ買えたら…女子高生に渡す!
GM:こわいよう
交野 静理:あ、了解です。栗生さんに!
栗生 賢人:ロイスは自分も保留で。PC会話を見て決めましょう。
GM:はいよー


マスターシーン3


【過去・町外 花鶏純・修吾宅】

エージェント:「残念ですが」
GM:花鶏修吾の対処に同行していたというエージェントは、そう切り出した。
花鶏 純:「……はい。覚悟はしてました」
花鶏 純:「多分、もう駄目だろうって」
エージェント:「……最後。せめて、人の姿に戻してあげられれば、と」
エージェント:「そう思っていたのですが……」
花鶏 純:(ああ、そっか)
花鶏 純:(もうあたし、修吾と話ができないし)
花鶏 純:(修吾は好きだった服を着ることもできない)
花鶏 純:(そういうものなんだな、ジャームって)
花鶏 純:思い出す。
花鶏 純:目の前で弟は、黒い蝙蝠の群れに変じて、飛び去ってしまった。
花鶏 純:……人を、傷つけたらしいとも聞いている。
花鶏 純:(……最後、どんな顔してたっけ)
花鶏 純:(笑ってはなかったな)
花鶏 純:(辛かったね)
花鶏 純:(ごめんね)
花鶏 純:(この人にもきっと、しんどい思いをさせたんだろうな)
花鶏 純:(…………)
エージェント:「UGNは,ご家族に補償を……」
花鶏 純:「あのっ」
花鶏 純:思いつきは一瞬で、そうして、すぐに口をついて出た。
花鶏 純:「あの、あたし、エージェントになることってできません」
花鶏 純:「か?」
花鶏 純:自分でも唐突すぎて、語気が少し弱まる。
エージェント:「正規人員に、ですか。……気を悪くしないでほしいのだけど」
エージェント:「こんなことがあったのに、ですか?」
花鶏 純:「だからこそ、です」
花鶏 純:どうしてだろう。悲しくて悲しくて仕方がないはずなのに。
花鶏 純:もしかするとそのせいで、余計に気が昂ぶっていたのかもしれない。
花鶏 純:「あたし、あたしがやらなきゃならなかったんです。弟を」
花鶏 純:「バラバラになった弟を全部捕まえて、かき集めて、何バカなことやってるのって」
花鶏 純:「言わなきゃならなかった……]
花鶏 純:「それを代わりにやってもらったことには、すごく感謝してます。本当に」
花鶏 純:「弟はもう遅いけど、でも、それをまた言ってやれる相手がいるなら、今度はあたしがやりたい」
花鶏 純:「もし、どうにか止められるような件なら、なおさらです」
花鶏 純:「言えないでいる人の代わりになりたい。エージェントって代理人のことでしょ」
花鶏 純:「正直、あたし、強くはないです。イリーガルじゃ無理」
花鶏 純:「ちゃんと訓練と装備を貰わないとやってけないと思うんです」
花鶏 純:「お願いします」
エージェント:「……顔を上げて」
エージェント:彼女とそう変わらない年頃のそのエージェントは、優しく言った。
エージェント:「支部に報告をしておきます。受理されれば、呼び出しが来ると思う」
エージェント:「……こういう状況下ですから、あなたのその気持ちが継続的なものなのかどうかはわかりませんが」
エージェント:「何かを言えない人、自力で立ち向かえない人の代理人がエージェント」
エージェント:「……それは、とても素敵な言い方ね」
エージェント:ふと、眩しいものを見るような顔で笑った。
GM:"リーチパーチ"八千代路夜がそのエージェントの名だった。
GM:"ブルームルーム"花鶏純はその後訓練を受けた後にエージェントとして採用され、彼女の同僚となる。
GM:紆余曲折を経て、現在の二人は小さな町の支部長と装備部の主任に。
GM:ひと昔以上前の……花鶏純にとっては、昨日のことのような思い出だ。


ミドル4 それぞれの会話


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
交野 静理:交野 静理の侵蝕を1D10(→ 8)増加 (57 → 65)
交野 静理:ぐぐっと来た
緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を1d10(→ 10)増加 (72 → 82)
緋乃凍花:ぐぐっ
GM:緋乃くん!
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を1d10(→ 1)増加 (60 → 61)
栗生 賢人:(さむずあっぷ)
GM:格差ー
天元あたり:1d10+68
DoubleCross : (1D10+68) → 1[1]+68 → 69

交野 静理:く、組分け格差


【雨宿町・ブティック『アトリエ・アトリ』 バックヤード】

GM:あなたたちは、円滑な警備のために装備部の倉庫から物資を調達していた。
GM:表とは違ってしんと静まり返った、休憩所も兼ねたスペース。
GM:ここでならゆっくりと会話ができそうだ。
天元あたり:「お。これとか良さげかな」
天元あたり:倉庫の奥底から、身の丈の倍ほどもある巨大ライフルを抱えて現れる。
栗生 賢人:「これはまた、とんでもないものを……。いざって時は花鶏さんもこれを使うつもりなのかな」
栗生 賢人:持ち出してきた、まさにとてつもない得物に苦笑いを零す。
天元あたり:「何が起こるか分からないのと、こんな時しか表立って使えないものね」
栗生 賢人:「そうだね。……それをきちんと理解した上で僕らは、そして装備部のみんなは」
栗生 賢人:「どうかこれが役に立ちませんように、って願いながら、闘う準備をしている」
天元あたり:「そりゃそうだ。タイ○ントやネメ○スすら討ち取れそうな武器、使い時なんか来ない方が良い」
天元あたり:「人類の危機とか、ゲームの中だけになればいいね」
栗生 賢人:「そうなるといいんだけどね。……残念ながら、世界はそう優しくはない。だから、起きてしまった火事を何とか消し止めようと走る羽目になる」
天元あたり:何度か手でライフルを擦ると、銃身がみるみるドット化し。天元あたりの懐に仕舞われる。
天元あたり:「だからこそ、賢人たちが必要になるんだね」
栗生 賢人:その、手品のような光景を。一瞬目を丸くして、そして楽しそうに頷きながら見て。
天元あたり:「……それ、人類の危機が無くなったら、無職になっちゃうんじゃない?」
栗生 賢人:「お、いいところに気付いたねあたり。その通り、そうなってしまったら僕らは晴れてお役御免、というわけだ」
天元あたり:「暇じゃん。ゲームやろう、ゲーム」
天元あたり:「子供の遊びと侮るなかれ。現代ではむしろ大人を楽しませるために作られた作品も多いんだ」
栗生 賢人:「ゲームかあ……さすがに支部から支給された端末に入れるわけにはなあ……」
栗生 賢人:「……いや、ひとつくらいならバレないか……?」
栗生 賢人:※バレます
天元あたり:「私用のスマホとかないの?」
栗生 賢人:「ちょっと古い型だけど、いけるかな。最近のは要求スペックもそれなりだって聞いたけど」
栗生 賢人:手にしていた、物資の使用申請を作成していた端末とは別の。口にした通り、やや古い型番の端末を懐から取り出す。
天元あたり:「そうだねぇ。ソシャゲでも演出に力が入ってフルスペック要求されるものもある」
天元あたり:「それなら、古参パズルゲームとかを入れてみるとか。或いは、昔のゲームをエミュってスマホで出来たりもするんだぜ」
栗生 賢人:「ああ、なるほど。パズルなら、僕みたいな流行に疎い奴でも楽しめそうだ。……たとえば、これかな?」
天元あたり:懐からドットで形どられたスマホの様な何かを取り出す。何度か擦ると、解像度が跳ね上がって最新スマホになる。
栗生 賢人:私用の端末でストアを検索、結果の一番上に出てきた大手パズルゲームの照会画面を示す。
栗生 賢人:「……ううん。今更ながらなんでもありだな、あやし……レネゲイドビーイングっていうのは」
栗生 賢人:再び零す苦笑いは、呆れ5分の感心9割5分といったところ。
天元あたり:「おっ、単純明快で連鎖が気持ちよい老舗ソシャゲ、パズル&トカゲタチ。でもそれ、課金要求が中々しつこいんだよねぇ……」
天元あたり:「そりゃあ、私はほとんどゲームそのものだもの」
栗生 賢人:「……僕は子供の頃、そんなにゲームをやる子供じゃあなかったけどね。それでも──」
栗生 賢人:検索結果はひとまず保留、とばかりに。ストアをいったん閉じて。
栗生 賢人:「友達の家に集まって、みんなでわいわい騒いでゲームをやるのは楽しかった、っていうのは覚えてるよ」
天元あたり:「そうでしょう、そうでしょう。それなら、私と貴方は"初めまして"じゃないね」
栗生 賢人:「……そうだね。うん、きっとそうだ。きみと会ったなら、誰もがきっと」
栗生 賢人:「懐かしくて、ちょっと優しい気持ちになる。楽しかった思い出っていうのは、そういうものだ」
天元あたり:「その想いが積み重なって、私が生まれた。で、私はその楽しさを追体験し続けている」
天元あたり:「なぜ、私が生まれたかは、正直よく分からないけれど」
天元あたり:「私と一緒に遊んで、人間が楽しいと思ってくれるなら。私は、そのために居るんじゃないかなぁって思うんだ」
天元あたり:「そして、そのために必要な機能だけが私に備わっている。あながち、埒外で無神経で際限なき能力ってわけじゃあないんだ」
栗生 賢人:「……うん。楽しませるため、じゃなくて。一緒に楽しむためにと思ってくれるなら、きっときみは、そのままで大丈夫」
栗生 賢人:「どんな力があって、何ができるかはもちろん大事だけどね。……何をしたいかが見えているなら──」
栗生 賢人:「それを支えてくれる人が、きっといる」
天元あたり:「……そうだね。私だけじゃあ、偏福を助けるのはちょっと難しそう」
栗生 賢人:「うん、まずはそれだ。きみの友達を、僕らが力を合わせて助ける。……そうだな、もしそれを恩に感じてくれるなら……」
栗生 賢人:僅かに、思案するように目を伏せて。
栗生 賢人:「……僕らUGNにはね。きみのような、良き思い出をくれる友達が必要な子供(チルドレン)たちがいる」
天元あたり:「子供。って言うには、随分と責任感を背負っている様に見える」
天元あたり:「必要に駆られたか、止む無く身を置いているか。いずれにせよ、普通からは随分と乖離しているね」
栗生 賢人:「そうだね。凍花くんや静理ちゃんのようなタイプの子は、まさにその通り。……だから、もしきみがそうしたいと望んでくれるなら──」
栗生 賢人:「……あの子らがいつか大人になった時。自分が子供だった頃は、色々あったけれど楽しかった、と思い出せるような」
栗生 賢人:「そんな友達になってやってくれると、嬉しい」
天元あたり:「ふふふ、楽勝だよそんなん。私は子供と遊ぶスペシャリストだぜ?」
栗生 賢人:「そりゃあ頼もしい。……ああ、僕がこんなことを頼んだってことは、皆には内緒にしておいてほしいな」
天元あたり:「何ゆえ?」
栗生 賢人:「一応、仕事も気遣いもできない昼行燈で通ってるんだよ、僕は。こんなことを頼んだと知られちゃあ、雨どころか槍衾が降りかねない」
天元あたり:「……体裁を守るってヤツ?大人にありがちだよね、そういうの」
栗生 賢人:「……それに、まあ。僕が頼むまでもなく──」
栗生 賢人:「──きみは、子供の。かつて子供だった誰かの。これから生まれてくる子供たちの」
栗生 賢人:「みんなの友達になる、だろ?」
天元あたり:「ああ、勿論だとも」
天元あたり:「それどころか、最近はむしろ大人向けのキャンペーンを開催中なんだ」
天元あたり:「一度体験してみれば分かると思うけど。昔友達とわいわいやったゲームを、大人になってからもう一度やると」
天元あたり:「泣きそうになるくらい楽しいんだ」
栗生 賢人:「……なるほどな。じゃあ、やっぱり僕もちょっとやってみよう」
栗生 賢人:「思い出の君のお墨付きとあっちゃ、やらないわけにはいかないからね」
栗生 賢人:──楽しかったと感じる、そんな思い出があることに。感謝と──
栗生 賢人:──やっぱり、ほんの少しだけ。後ろめたさを感じながら。ちょっとだけ、子供っぽく笑って──


【雨宿町・三砂商店街 路上】

GM:あなたたちは引き続き、警備の仕事を続けている。
GM:先ほど人々を襲ってきた蝙蝠は、今はかなり数が減って見える。
GM:そして、再度襲撃をする様子はまだ見えないようだ。
GM:一時的な騒ぎはあったものの、イベントはそのまま和やかに継続をしているようだった。
緋乃凍花:「怪我人の続報はないですね。ひとまずは落ち着いたのか……」
交野 静理:「うん、まだ気は抜けないけど……一旦収まったみたいだね」
交野 静理:『アトリエ・アトリ』へ物品の調達に向かった栗生さんと天元さんと分かれ、こちらは警備を続けている。
緋乃凍花:「朗報ですね。被害が増えたら増えただけ、偏福って子も大変だから」
交野 静理:襲撃から暫く経ったからか、子供のはしゃぐ声もよく聞こえてくるようになった。お祭りの雰囲気を取り戻したことに、ほっと一息つく。
交野 静理:「そうだね。きっと、傷付けるのは本意じゃないだろうし」
交野 静理:「……うん、やっぱりお祭りはいいね。楽しい雰囲気が壊れなくて、よかった」
緋乃凍花:「ええ。……先輩は、こういう祭りは誰かと誘い合って行ったりするんですか?」
緋乃凍花:「それともご両親と?」
交野 静理:「うーん、雰囲気は好きだけど。あんまり、人と一緒に……っていうのは、なかったかな」
交野 静理:「言ったかな。私、小さい頃にこの町に住んでて……一度、お父さんの仕事の都合で、離れたの。それからは引っ越しばっかりで」
緋乃凍花:「高校に入る年から戻ってきたんですよね」
交野 静理:「うん、そうそう。それまでは、あんまり仲良くなれない内に転校、みたいなことも良くあったから」
交野 静理:「お祭りは……そうだね。お母さんとは、たまに行ったかな。お父さんは、仕事人間だからね」
緋乃凍花:「ああ、確か……そうか。じゃあ、お母さんも大変ですね」
交野 静理:「お世話を焼くのが生き甲斐みたいな人だから」 ほんの少しだけ呆れたように笑う。
交野 静理:「そういう緋乃くんは? 誰かと、一緒にお祭り。行ったりするの?」
緋乃凍花:「おれは……」
緋乃凍花:「プライベートでは、あまり。今日みたいに警備の仕事は回ってくるんで、そのついでにってのが多かったかな」
緋乃凍花:「古い知り合いは声を掛けてくれるんですよ。だから、そういう時だけ……かな」
交野 静理:その言葉の端には、躊躇いが見て取れて。少しだけ足早に歩いて、振り返る。
緋乃凍花:「?」立ち止まる。
交野 静理:「……あんまり、聞き返してほしくなかった?」
緋乃凍花:「どうしてそう思うんです?」
交野 静理:「うーん……」 指を一本、顎に寄せて。「なんとなく。そう思ったの」
交野 静理:「……なんとなくだけど。家族の話。したくないのかなあ、って」
緋乃凍花:「………」
交野 静理:「余計なこと言ってるなら、ごめんね。……その、ここじゃ、そう多くはないけど」
交野 静理:「……他の支部じゃ、割とあることだから。あんまり、家族の話とか……するべきじゃない、みたいな雰囲気があって」
緋乃凍花:「……いえ。嬉しいです。気にかけてもらえて」
交野 静理:「ううん。余計なこと聞いちゃったなら、悪いな、って」
緋乃凍花:「気にしないでいいのに」と笑い。
緋乃凍花:「昔は、祭りが来るのを首を長くして待ってたもんです。妹と一緒に」
緋乃凍花:「いつも家族揃って出掛けてました。……ああ、ほら。あんな感じで」
緋乃凍花:父親と、母親と、子供が二人。なにかのゲームに挑戦している。
交野 静理:(型抜きか、懐かしいな……)
交野 静理:「昔は、ってことは……」
緋乃凍花:「……今は、もう。ああいうのは六年も経験がないですね」
交野 静理:「…………」
緋乃凍花:「でも、一番つらかったのは……」
緋乃凍花:「落ち着いた後だったかも知れません。みんながおれに同情してくれて」
緋乃凍花:「それは嬉しかったけど、その度に、もう戻れないんだって何度も思い知った気がして」
交野 静理:「……戻れない、か」
交野 静理:「その……間違ってたら、ごめん。6年前、っていうと──もしかして」
交野 静理:「旧市街の外れのところにあった、広いお家の……火事の……?」
緋乃凍花:「……ええ」肯定する言葉をどこか懐かしむように噛み締める。
緋乃凍花:「R案件です。犯人はまだ、捕まっていません」
交野 静理:「……そう。嫌なこと、話させちゃったね」
緋乃凍花:「嫌じゃありませんってば」苦笑いする。
緋乃凍花:「おれにとっては大事なことです。悔しいし、悲しいけど、だからおれは戦う」
交野 静理:魔女帽をほんの少し目深に被り直して、視線を逸らしてしまった。──とても、"哀"しい出来事だ。それを、私は。
交野 静理:──心の底から、憂うことが出来ているだろうか。上辺だけの、同情になってはいまいか。
緋乃凍花:「もう二度と、あんな…………先輩?」
交野 静理:「……ん、なんでもないよ。緋乃くんは強いな、って、思って」
交野 静理:つば広の帽子の下から、僅かに色素の薄い栗色の瞳が覗き、微笑む。
緋乃凍花:「……そうだといいんですけど」と零して顔を上げると、視線が合う。
緋乃凍花:妙に気恥ずかしくなって、慌てて視線を外しながら。
緋乃凍花:(そうじゃない……)それは自分が一番よく知っている。
緋乃凍花:体の内に残るあの日の熱の感覚が、じわりと心臓を蝕んだ気がした。
緋乃凍花:それを振り払うかのように、
緋乃凍花:「……あの。常樹君のことなんですが」
交野 静理:深淵を視た瞳が逸れていく。少年の本当の瞳は、今は偽物に覆い隠されていて、どういう色をしているのか分からない。
交野 静理:その視線の先を追うように、視線を前に戻して。一歩、また歩き出しながら、
交野 静理:「ん、どうしたの?」
交野 静理:努めて明るく答える。
緋乃凍花:「お姉さん……真庭が魔女かも知れないっていう、あれ」
緋乃凍花:「あの後、真庭が言ってたんです。昔はよく『魔女のおまじない』をしていたって」
緋乃凍花:「そうすると常樹君は喜んでくれたって。なんで、それが引っ掛かって……」
交野 静理:「……多分、常樹くんは。悠香ちゃんが『魔女』であることが怖いわけじゃないんだと、思う」
緋乃凍花:「え。そうなんですか?」
交野 静理:「人と違う力を持っていて、それに気付かれてしまったら、誰かに傷付けられてしまうかもしれない」
交野 静理:「……そういうことを、恐れてるんだと思う。まだ小学生なのにね、とても敏いというか──ううん、むしろ、あの年頃だからなのかな」
交野 静理:「お互いに心配し合ってて。ただちょっと、ボタンを掛け違えてしまってるだけのように、私は思うな」
緋乃凍花:「なんだ……そういうことか……」いくらか力が抜けたように。
緋乃凍花:「正解です、それ」
交野 静理:「……うん。だからきっと、二人は大丈夫」
交野 静理:「あとは時間と、平和な日常が。解決してくれるんじゃないかな」
緋乃凍花:「そうですね……これなら、こっちはひと段落つきそうかな」
緋乃凍花:「魔女のお墨付きもありますし……ね」
緋乃凍花:隣を歩くその人を見上げる。
交野 静理:目深に被った帽子を、浅く被り直して。少年の視線に、微笑みで応えた。

GM:そうして歩くあなたたちの視界の端に、仮装を解いた小さな人影がふたつ。
GM:ゆっくりと、少しぎこちなく……それでも、手を繋いで。
GM:先ほどよりは少しだけ、柔らかな空気を漂わせるようにして、姉弟は商店街から家路を辿ろうとしていた。

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
GM:+2ボーナスもあるよ
栗生 賢人:ロイス!天元さんに「■憧憬/隔意」にて!
交野 静理:緋乃凍花 ◯連帯感/不安 → ◯連帯感/罪悪感 に変更。
栗生 賢人:購入はブルーゲイル狙い。組織の助力、3回中の2回目を使います。自分に《砂の加護》もして……
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を3(→ 3)増加 (61 → 64)
天元あたり:栗生賢人/○友情/沼に落としたら意外と景気よく沈みそう
GM:ずぶずぶ
栗生 賢人:グワーッ!
栗生 賢人:ともあれ判定!
栗生 賢人:15dx+5+2>=20
DoubleCross : (15DX10+7>=20) → 10[1,2,2,3,3,3,5,6,6,8,8,8,9,9,10]+9[9]+7 → 26 → 成功

交野 静理:すっご!
栗生 賢人:メチャ・買えた……
GM:ひええ
天元あたり:ほらお金持ってる!
緋乃凍花:次々とクスリが飛び出す
交野 静理:ブルゲもう一個狙います!(どれだけお薬を発掘するつもりだ)
交野 静理:2dx+2+2>=20
DoubleCross : (2DX10+4>=20) → 5[5,5]+4 → 9 → 失敗

栗生 賢人:交野さんか緋乃くんにお渡しする所存。おふたりの判定を見てからで!
交野 静理:流石になかった!
緋乃凍花:ロイスは交野先輩に ●誠意/不安 にて。
緋乃凍花:お買い物はみんな大好きブルーゲイル
緋乃凍花:4dx+4+2>=20
DoubleCross : (4DX10+6>=20) → 5[1,1,2,5]+6 → 11 → 失敗

緋乃凍花:本当にダイスが振るわないな……w
天元あたり:じゃあ私もブルゲ狙ってみようかな
天元あたり:オリジン使用して侵蝕71。
天元あたり:9dx+14+1>=20 スプライト込み
DoubleCross : (9DX10+15>=20) → 9[3,4,4,6,6,7,7,8,9]+15 → 24 → 成功

GM:こわいよー
交野 静理:はわわ……
栗生 賢人:ほんとにどんどん出てくる!
緋乃凍花:アトリエ・アトリ・ファーマシーだ
栗生 賢人:侵蝕調整手段があった方がいいのは緋乃くんかな。こちらからは緋乃くんにお渡ししておきましょう。
GM:理論上買えたらなんでもあることになる……
緋乃凍花:わーい、おクスリいっこいただきますね。
天元あたり:単純に一番イニシアチブ早い静理さんに渡します
交野 静理:では有難くいただきますね。


マスターシーン4


【雨宿町・新市街 バス停近く】

GM:夕日を背景に、手を繋いで歩く小さな影がふたつ。
GM:休日のバス停は、駅や商店街から帰宅する人々が案外多い。
GM:背の高い人の流れに紛れるようにして、歩いていた。
真庭 悠香:「常樹。あのね、わたし……」
真庭 悠香:悩んだ様子で、口を開く。
真庭 悠香:「常樹とか、お父さんとお母さんには言えないことがあるの」
真庭 悠香:「悪いことじゃないけど、うーんと、言った方が大変な事になっちゃうの」
真庭 悠香:「信じてくれる?」
真庭 常樹:「…………ん」
真庭 常樹:少し考えて、頷く。
真庭 常樹:「大人になったら秘密のひとつやふたつ、なんだぜ!」
真庭 悠香:「……それ、誰かから聞いた話でしょ?」
真庭 常樹:「静理ねえちゃん!」
真庭 悠香:「やっぱり」
真庭 悠香:呆れた言い方をしながら、ふふ、と笑う。
真庭 常樹:「すげー聞きたいけど、めっちゃ我慢する」
真庭 常樹:「でも、おれが大人になったら、教えてくれる?」
真庭 悠香:「それもわかんないな……でもね」
真庭 悠香:「わたしね。みんなのこと大事なの。これは、ほんとだよ」
真庭 常樹:「うん」
真庭 悠香:「常樹もね、ちゃんと守るからね」
真庭 悠香:弟の小さな手をきゅっと握った。
真庭 悠香:その時。
GM:ざあ、と空に葉ずれのような音が鳴った。
GM:黒い点が視界いっぱいに広がり、急降下して大きくなる。
GM:蝙蝠だ。
真庭 悠香:「……危ないっ!」
真庭 悠香:姉は、守ろうとした。反射で、思わず手をかざそうとした。
真庭 悠香:蝙蝠はオーヴァードらしいと聞いた。ワーディングでは止められない、と判断。
真庭 悠香:なら、自分の力で弟を助けないと、と思ったのだ。
真庭 常樹:「…………!」
真庭 常樹:弟は、何も知らない。
真庭 常樹:だが、姉が以前と同じ『何か』をしようとしているのはわかった。
真庭 常樹:周囲には人が居る。もし『何か』が見られてしまったら。
真庭 常樹:疑心暗鬼、と覚えたばかりの言葉が頭をよぎった。
真庭 常樹:「ねえちゃんっ、だめ!」
真庭 常樹:姉の手を振りほどいて、ぱしりと叩いた。そうして。
真庭 常樹:「こっちに来いっ!」
真庭 悠香:「常樹っ!」
真庭 常樹:一心不乱に駆け出す。
GM:……中で一番小さく、弱そうな個体が目立つ動きを見せ、単独で離脱した。
GM:それは、獲物として狙うのに十分な理由だった。
蝙蝠:他を諦め、群れ全体が真庭常樹を狙って飛び去っていく。
蝙蝠:……やがて全てが、人に隠れて視界からすぐに消え失せた。
真庭 悠香:「や……やだ。常樹……」
真庭 悠香:周囲が騒ぎになる中、カタカタと震え、そうして、携帯端末に急いでメッセージを打ち込む。
真庭 悠香:(……『助けてください』!)
真庭 悠香:(『常樹が、いなくなっちゃった。蝙蝠が』)
真庭 悠香:(『助けて、緋乃さん!』)

GM:…………
GM:黒い霧のような蝙蝠の群れの中。叫びを上げるような小さな思考がひとつ、ふたつ。
偏福:(……だめだよ。そんなことしちゃ)
偏福:(ぼくら、人にひどいことしたいわけじゃなかったろ)
偏福:(……ああ、でも、届かない……)
偏福:(誰か、誰か、どうか)
偏福:(助けて……)


ミドル5 捜索


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
交野 静理:交野 静理の侵蝕を1D10(→ 9)増加 (65 → 74)
緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を1d10(→ 8)増加 (82 → 90)
GM:緋乃くん行くなあ
天元あたり:1d10+71
DoubleCross : (1D10+71) → 3[3]+71 → 74

緋乃凍花:ぐおー
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を1d10(→ 8)増加 (64 → 72)
栗生 賢人:おっ乗って来た。
GM:他は揃ってますね

GM:ここでは、知らせを受け、真庭常樹を探すための情報収集判定を行います。
GM:項目はひとつですが、難易度が4段階あります。
栗生 賢人:ほうほう。

★真庭常樹の行方について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉7/9/11/13


GM:これは難易度ごとに別の情報として扱います。
GM:つまり、全部で4回成功する必要があるわけですね。
天元あたり:なるほど
GM:失敗した場合や再度判定したい場合は、侵蝕1d5を振り直して再挑戦ができます。
GM:全ての情報を開ければ、次のシーンで真庭常樹に追いつくことができるでしょう。
GM:ということで、誰がどの難易度を開けるか相談の上判定をお願いします。
栗生 賢人:理解……!
緋乃凍花:理解を得ました
交野 静理:了解です!
栗生 賢人:みんなが他の項目をいけそうなら、こちらで13のをいただきましょうか。
緋乃凍花:それなら先輩が7、凍花が9、天元さんが11かな
天元あたり:はーい
交野 静理:どれでも"根性"見せて開けるつもりですが、であれば一番槍行きましょう
栗生 賢人:御願い…しやす!
交野 静理:コネの併用はOKですか?
GM:OKです。財産点もいいよ!
GM:ハロウィンボーナスも乗ります
交野 静理:では、コネ:UGN幹部併用で、情報:UGNで振ります。難易度は7。
交野 静理:(1+1+2)dx+3>=7
DoubleCross : (4DX10+3>=7) → 10[4,5,9,10]+8[8]+3 → 21 → 成功

交野 静理:気合が入っている
緋乃凍花:根性だ
GM:13も開けられるじゃん
GM:じゃあ順番に開示しましょうか。

★真庭常樹の行方について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉7
商店街の外を飛び出して行った常樹は、町の東側へと走っていったようだ。


GM:方角がわかりました。
GM:続いてどうぞー
緋乃凍花:次鋒長男行きます。情報:UGNに幹部を添えて。
緋乃凍花:(4+2)dx+2>=9
DoubleCross : (6DX10+2>=9) → 9[2,6,7,7,8,9]+2 → 11 → 成功

緋乃凍花:よしよし。
GM:シェフの気まぐれ開示いきます

★真庭常樹の行方について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉9
調査部のネヴァンが追ったところ、蝙蝠の群れは東側の山の方へと向かっていたらしい。


GM:次どうぞ!
天元あたり:情報:UGNで判定。コネとスプライト付き
天元あたり:11dx+2>=11
DoubleCross : (11DX10+2>=11) → 10[1,3,4,4,5,6,7,8,9,10,10]+4[2,4]+2 → 16 → 成功

GM:大成功してる……
GM:開示します
天元あたり:おっし

★真庭常樹の行方について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉11
山道で、迷子になった様子の常樹が目撃されている。
声をかける間もなく走り去ってしまったようだ。


GM:最後どうぞ!
栗生 賢人:ヤー!組織の助力ラスト1回!コネも乗せて!
栗生 賢人:13dx+5>=13
DoubleCross : (13DX10+5>=13) → 10[1,1,1,1,3,4,4,4,6,7,8,8,10]+6[6]+5 → 21 → 成功

GM:組織こわい
栗生 賢人:これがUGNの…力だ…!
GM:ではラスト情報!

★真庭常樹の行方について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉13
山の宛無御殿から通信が届いた。どうやら真庭常樹は、山中で無事発見されたらしい。


GM:ここまでがわかりました。
GM:つまり、この地点に向かえば大丈夫そう、ということですね。
GM:次のシーンでは、実際に向かってもらおうと思います。


【雨宿町・路上 夕方】

GM:真庭悠香の知らせを受け、あなたたちは商店街の警備から移動を始めていた。
GM:情報は方角程度だが、道々調査をしていくしかない。
GM:さあ、と羽音がして、一羽のカラスがあなたたちに近付いて来た。
ネヴァン:「あのねあのね! 少しだけ追っかけてきたの!」
緋乃凍花:「見つけたのか!?」
天元あたり:「あっ!NPCばりに喋るカラス!」
ネヴァン:「んっと、男の子はわかんない。でも」
交野 静理:「東の方へ向かった、という目撃情報は得られましたけど、その先は……あ、行動が迅速……!」
ネヴァン:「蝙蝠は山の方に行ってたみたい。だから、その子もそっちじゃないかなあ」
栗生 賢人:「そうか……でかした!」
ネヴァン:ばさばさ、と羽を振る。
ネヴァン:「えへん!」
ネヴァン:「またわかったら教えるねー!」
天元あたり:「山?随分と走って逃げていったんだね……!」
緋乃凍花:「助かる……! 東なら天弓山だな!」
交野 静理:「ありがとう……!」
ネヴァン:つい、とそのまままた夕焼けの空へと舞い上がる。
花鶏 純:「とにかく、このまま進むしかないね」
天元あたり:「とにかく、ありがとう!追っかけてみるね」
花鶏 純:大きなトランクを抱えている。
栗生 賢人:「それじゃ、ひとっ走りしようか。……うん、着慣れない衣装だけど、この仮装。動くのにもなかなか悪くはない」
栗生 賢人:花鶏さんのそれよりは小ぶりなものの、得物──組み立て式の斧槍──を納めた筒を背負って、軽くステップなど踏む。
緋乃凍花:「もし町中にいれば、調査部の誰かが見つけてくれます」
緋乃凍花:「おれたちは山の方を探しましょう」カチリ。腰の鞘に手を添えて。
交野 静理:「……もうじき、日も暮れます。そうなったら、尚更見つけにくくなりますし」 落ちないように、帽子を深く被り直して。
緋乃凍花:「ああ、そうだ。真庭にも連絡しておかないと……」と端末を取り出した矢先。
真庭 悠香:「あーっ、い、いた!」
緋乃凍花:「あっ、いた」
真庭 悠香:真庭悠香が息せき切って走ってくる。
天元あたり:「お、姉の方!」
真庭 悠香:「はあ……常樹……わかりましたかっ」
真庭 悠香:「わ、わたしがちゃんとしっかりしてなかったから……」ぐす、と目を擦る。
栗生 賢人:「大雑把に、だけどね。……僕らはこれからそちらに向かうけれど──」
真庭 悠香:「行きます!」
真庭 悠香:遮るように、大声で。
栗生 賢人:ゆっくりと頷きながら、視線は小柄な少年──緋乃くんへと。
緋乃凍花:「……分かってる。止めないよ。一緒に来てくれ」
緋乃凍花:「常樹君は天弓山に入ったかも知れない。コウモリの群れがそっちに行ったようだ」
真庭 悠香:「ほんとですか……! よかった……」
真庭 悠香:「山……探すのは大変そう」
花鶏 純:「何かあったら、悠香ちゃんはあたしが保護するから。安心して」
緋乃凍花:「お願いします。天元さん、山に入ったら案内を頼めるか」
天元あたり:「でも、あの山は私達のテリトリーだから。運が良ければ」
交野 静理:「だからこそ、人手は多い方が助かります。来てくれて、ありがとう」
交野 静理:「絶対、見付けてみせるから」
天元あたり:「"私達の誰か"が見つけてくれるかもしれないしね。慌てず騒がず、私達も急ごう」
真庭 悠香:「はいっ、わたしも、やります!」
緋乃凍花:「よし、行こう。日が落ちる前に見つけるぞ」


【天弓山・麓の山道】

GM:夕方になり、薄暗くなり始めた山道は、どこか恐ろしげだ。
GM:あなたたちはこの入り口に辿り着いた。
GM:そこで、天元さんの携帯端末に通知が送られてくる。
GM:送り主は……天弓山の主・アテナシ。
天元あたり:「あ」スマホを取り出す。
GM:蝙蝠に追われた迷子をひとり保護した由が、妙に古風な文体で送られてきている。
緋乃凍花:「どうした?」
天元あたり:「アテナシ様から……えーっと」
天元あたり:「コウモリに追われた迷子を保護したって!」
交野 静理:「アテナシ様って、あの……えっ、本当ですか!」
栗生 賢人:「ああ、なるほど。……確かに、この山はあの御仁の城だからね。それにしたって、もう少し書き方もあるだろうに」
天元あたり:「うん。だからもう大丈夫」
緋乃凍花:「真庭。よかったな……」
真庭 悠香:「よ」
真庭 悠香:「よかったあ……」へなへなとしている。
緋乃凍花:「だ、大丈夫か……?」
真庭 悠香:「大丈夫です! 早く会いに行かないと」
栗生 賢人:「……とはいえ、この書きぶりだと、こちらで迎えに行かなきゃいけないみたいだな。すまないけれど、その場所までもうひと踏ん張り……いけるかい?」
交野 静理:こちらも胸を抑え、安堵のため息を吐く。
花鶏 純:「……そうね。蝙蝠の件もまだあるし。油断はできないかも」
真庭 悠香:「行きます!」
天元あたり:「ええっと、ちょっと行き方にコツがいるけど、私についてくれば大丈夫」
真庭 悠香:「山くらいどんどん登りますからっ」
緋乃凍花:「頼む。もう道もだいぶ暗いからな」
栗生 賢人:「うん、頼むよ。……そういえば、御殿以外に足を踏み入れるのは初めてだな、僕も」
天元あたり:《猫の道》を使用。いつも使ってる山の近道を進めるようにします
天元あたり:「こっちこっち。いっくよ~」
交野 静理:「あ……はい!」
緋乃凍花:(こんな道があるのか……)

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
GM:購入はここが最後かな。ボーナスはつきます。
栗生 賢人:必要なものは特になさげ…かな。自分用にシルバーハンマー(マイナーで白兵攻撃力を上げるおくすり)を狙ってみます。己に《砂の加護》!
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を3(→ 3)増加 (72 → 75)
天元あたり:オリジン節約したし、ここは素でホローポイント弾、目標値10
栗生 賢人:7dx+2+2>=20
DoubleCross : (7DX10+4>=20) → 10[1,3,4,5,5,9,10]+1[1]+4 → 15 → 失敗

緋乃凍花:バディムーヴしておきましょう。栗生さんの達成値+3。
栗生 賢人:ありがたい…!財産点2を入れて成功に!
天元あたり:嘘、私最初はオリジン使わないといけなかった
緋乃凍花:やはりアトリエ・アトリ・ファーマシーだった!
天元あたり:最初のマイナーで
GM:そうだった
交野 静理:ブルゲもう一個おかわりで。
交野 静理:2dx+2+2>=20
DoubleCross : (2DX10+4>=20) → 10[10,10]+10[6,10]+7[7]+4 → 31 → 成功

交野 静理:なんで?
栗生 賢人:!?
交野 静理:買えました……何でも出てくる……
天元あたり:回しよる
緋乃凍花:やはりアトリエ・アトリ・ファーマシーだった!(2回目)
栗生 賢人:装備部ってすげー……
GM:すごいな……
交野 静理:じゃあえっと、天元さんにパスしようかな。
GM:たまたま潤沢だった在庫
天元あたり:あざます!!
栗生 賢人:ブルーゲイルがみんなに行き渡った。
天元あたり:どうしようかな、そしたらボディマでも買っとくかなぁ……
GM:なんでボデマよりブルゲの方が行き渡るのが早いんだ
天元あたり:6dx+2+2>=12
DoubleCross : (6DX10+4>=12) → 10[3,4,5,6,8,10]+6[6]+4 → 20 → 成功

栗生 賢人:ロイスは……チルドレン組のうち、PC番号逆順で緋乃くんに取らせてもらいましょう。「■仲間意識/悔悟」で!
緋乃凍花:栗生さんにボデマを渡したいかなという気持ちがありますね。
栗生 賢人:頂けるなら…ありがたい…!
緋乃凍花:通常の2.5倍のボデマだ
天元あたり:今までお世話になった強化ビジネススーツを脱ぎ捨てて、ボデマ装備。以上!
GM:強化ビジネススーツー!
栗生 賢人:スーツゥ!!
交野 静理:栗生さんに ◯信頼/隔意 で取得します。
緋乃凍花:山歩きにスーツはダメだったか……
緋乃凍花:ロイスは天元さんに ●感服/隔意 にて。
天元あたり:うそ、私ディストーション使いだった!!
交野 静理:それを 捨てるなんて とんでもない!
GM:そうだ
栗生 賢人:お帰りスーツ!
天元あたり:凄い二転三転する スーツ再着用
GM:もう離さないよ
天元あたり:ボディマ誰か要ります……?
緋乃凍花:栗生さんにシューッ!するといい気がします
緋乃凍花:行動値落ちないしね
交野 静理:ですねえ。
天元あたり:ではパス!
栗生 賢人:押忍、頂けるなら!ガード値もそれなりに…ある!(4だけ)
緋乃凍花:ではお買い物はシルバーハンマーセカンド。
栗生 賢人:いそいそと着込みます。(神父服)
GM:どんどん硬くなる
緋乃凍花:4dx+4+2>=20
DoubleCross : (4DX10+6>=20) → 9[2,3,6,9]+6 → 15 → 失敗

緋乃凍花:う~ん
天元あたり:ロイスは……あえて保留にしとこう
緋乃凍花:5点出して栗生さんに投げよう。
栗生 賢人:あっ、天元さんから頂いております、すみません…!
緋乃凍花:あ。そうですね、自分で持っておこう
栗生 賢人:じゃない頂いたのはボディマだ!
緋乃凍花:ハンマーは自前でしたねw
栗生 賢人:ごっちゃになってた、申し訳ない。自前でひとつ持ってるので、二つ目は緋乃くんに持っててもらって大丈夫かと!
緋乃凍花:はい、ではそのようにして以上です。
GM:今回アイテム多いですからね
栗生 賢人:こちらも完了で!
GM:おけ!


マスターシーン5


真庭 常樹:「……ここ、どこだろ……」
真庭 常樹:走って、走って、いつの間にか山の方にまで来ていた。
真庭 常樹:蝙蝠は一旦姿を消したが、代わりに道に迷ってしまったようだった。
真庭 常樹:「ねえちゃん……」
GM:呟いたその時、かさかさと足音がして、何かがぬっと姿を現した。
アテナシ:「……おや」
アテナシ:並外れて背の高い、真っ白な人影。顔のところには、奇妙な一つ目の目隠し。
真庭 常樹:「わ、わっ」
真庭 常樹:「サイクロプス? ほんとにいんの!?」
真庭 常樹:思わずゲームのモンスターの名前を口にしてしまった。
アテナシ:少しだけむっとした様子を見せる。
アテナシ:「……確かに一つ目ではあるがの。久方ぶりに外に出てみればまあ、怪物扱いよ」
アテナシ:「あんな脳筋と一緒にせんでもらえるかの。これでも我、高INTを自負しておるがゆえに」
真庭 常樹:「……え」
真庭 常樹:「あの、ゲームの話とか、わかんの?」
アテナシ:「お? おお。そこそこにはの」
真庭 常樹:「じゃあじゃあじゃあ、スクウィズ知ってる?」
真庭 常樹:身を乗り出す。話が通じる、と思った瞬間に恐怖が吹っ飛んでしまった。
アテナシ:「ん? 最近の環境は知らぬぞ。長いこと放置しておるのでな……さておき」
アテナシ:「ここらでも町でも良いが、そなたより少々上くらいの、三つ編みの男の子供を見はしなかったか」
アテナシ:「服装は、あれよ。大陸風と言おうか……ああ、僵尸のような」
真庭 常樹:「キョンシーぽい子、さっき聞いたかも……? あ、アンデッドデッキにも入れてるよ」
アテナシ:「デッキは良いから問いには答えよ。あるいは、蝙蝠の群れでも良いぞ」
真庭 常樹:「! コウモリは見た。めちゃくちゃ襲ってきてた」
真庭 常樹:「そんでここまで来ちゃった」
真庭 常樹:「……ねえちゃん、大丈夫だったかな……」
アテナシ:「言わぬことではない……」ため息をつく。
アテナシ:「その様子では火消しも動いておるであろうが、さて……」
アテナシ:じっと目の前の、迷子らしき子供を見つめている。
アテナシ:「仕様がないの。我を見られたまま帰したのでは、また火消しの長どもにぶつくさ言われるわ」
アテナシ:長い指で器用に携帯端末をいじり、何か通信を送ったようだった。
アテナシ:「誰ぞ迎えが来るまで、我が屋敷でしばし遊ぶか、子供。ゲーム機の類いは完備しておるぞ」
真庭 常樹:「ええっ、マジで! えっじゃあさっきのやつ、スクウィズできる?」
アテナシ:「放置しておると言ったろうが。アプデに時間がかかるのが面倒で」
真庭 常樹:「いいじゃん、待つし。やろうやろう!」
アテナシ:「全く……まあ良い」
アテナシ:「……どうせ忘れてしまうのだしの」
アテナシ:ふ、とほんの一瞬寂しげに笑った。そこに。
GM:がさ、と音がする。
GM:上空を見上げると、枝々の間を埋めるように、黒い蝙蝠の群れ、群れ。
GM:唸りを上げるように、無数の蝙蝠が飛んでいる。
アテナシ:「偏福! 全く、この痴れ者がッ!」
アテナシ:子供をぐいと引き寄せると、ぎり、と牙を見せて咆えた。

ミドル6 遭遇


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
天元あたり:1d10+74
DoubleCross : (1D10+74) → 10[10]+74 → 84

栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を1d10(→ 1)増加 (75 → 76)
交野 静理:交野 静理の侵蝕を1D10(→ 8)増加 (74 → 82)
緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を1d10(→ 7)増加 (90 → 97)
緋乃凍花:ぐぇー
GM:おお……
栗生 賢人:ワオ……
交野 静理:先頭の景色は譲らない……


【天弓山・山中】

GM:あなたたちがその地点に到着した時。空は黒い蝙蝠の群れでいっぱいになっていた。
GM:ざわざわと羽ばたきの音が鼓膜を揺らす。
GM:山の主が真庭常樹を連れて保護している様子なのもわかった。無事でいるようだ。
GM:だが、このままではいつ蝙蝠が襲いかかってくるとも知れない。
GM:そうして、群れはその瞬間。一斉に強力なワーディングを放った。
GM:それは、土地のレネゲイドと感応をし、あなたたちの心を揺さぶってくる。

オリジナルステージ限定エフェクト《産土の共振》。
タイミング:オート
対象:シーン(選択) 射程:視界
対象に目標値8の意志判定を行わせる。失敗した者は侵蝕率+1d10。
また、判定の結果に関わらず、対象にはそのシーンに登場済みの人物の精神に共振を受ける。
具体的にはシーン切り替わりなしにマスターシーンが挿入されます。対象になったキャラクターは内容を認識します。
これは便宜上使用者を定めていますが、土地の影響による現象のようなものとお考えください。


GM:こちらを使用します。意志で判定をお願いします。
栗生 賢人:うおー、素振り!
交野 静理:(2+2)dx+4>=8 思い出の一品/ストーン使用。
DoubleCross : (4DX10+4>=8) → 9[3,6,8,9]+4 → 13 → 成功

栗生 賢人:2dx>=8
DoubleCross : (2DX10>=8) → 8[3,8] → 8 → 成功

栗生 賢人:成功してしまった。
天元あたり:4dx+2>=8
DoubleCross : (4DX10+2>=8) → 9[1,4,5,9]+2 → 11 → 成功

緋乃凍花:4dx+4+2>=8
DoubleCross : (4DX10+6>=8) → 10[5,5,10,10]+4[1,4]+6 → 20 → 成功

GM:たっか
交野 静理:意志が固い
緋乃凍花:決意……
GM:では全員成功、侵蝕の上昇はなし。
GM:半マスターシーンだけが挿入されます。

GM:あなたたちに見えた風景は……いや。聴覚を通して把握した光景は、このようなものだった。

GM:ごく当たり前の、町並み。
GM:夕暮れのざわつく音と匂い。
GM:少し眩しい光。
GM:いつもの通りに飛んでいたはずのその蝙蝠は、一匹群れからはぐれてフラフラと彷徨っていた。
GM:まだ明るい時間というのに、張り切って知らない場所まで飛びすぎたのだ。
GM:群体の一部であるそれは、オーヴァードとはいえ、単体ではただの弱い獣に過ぎない。
GM:光に目を眩ませ、あちこちに身体をぶつける。最後に、ひとつの大きな窓に体当たりをしてしまった。
蝙蝠:(このまま力尽きても、まあ、"偏福"が死ぬわけではないし)
蝙蝠:(そういう話だった、で終わりなんだろうなあ)
GM:そんな思考が脳裏によぎった時のことだ。
????:「やだ、何かと思ったら蝙蝠じゃない」
GM:声がした。この店の主のものなのだろう。
????:「え? うん、助けるつもり。だってうちで蝙蝠を見捨てたら、ねえ?」
GM:苦笑するような声。どこか苦しそうな感じも受けた。
????:「大丈夫? 怪我はしてないのかな。疲れちゃった?」
GM:優しい声。その裏にずっと潜んでいる、何か揺れる気持ち。
GM:それの目には、姿を見分けられるほどの視力はないが、それ以上に声のことはよくわかった。
????:「……あなた、弟によーく、似てる」
GM:その声を、覚えた。

GM:蝙蝠はしばしその店の中で休み、暗くなり力を取り戻したところで去った。
GM:ほんの僅かな逗留で、何を話したというわけでもない。
GM:そもそも、相手はそれに意志があるかどうかも知らない。きっと忘れてしまったろう。
GM:だが、蝙蝠は確かに覚えていた。覚えて、帰って群れ全体に伝えた。
GM:ある、小さな店の心優しい店主の気まぐれへの感謝。
GM:いつか、礼をしに行こうとそう決めた。
GM:全員で決めたのだ。

GM:誘いの声があったのは、町に降りた後。
GM:黒いドレスの少女が、道に迷った偏福に親しく話しかけてきた。
GM:その手を、取ってしまった。瞬間、その魂は、衝動に染め上げられた。

偏福:(覚えている。この身を駆け巡る衝動と同じように)
偏福:(さっき、遠くで聞こえた。ここにいる。あの声の主が、ここに)
偏福:(傷つけたいわけじゃない。でも、止まらない)
偏福:(……たすけて)
偏福:(ぼくらが全て染まってしまう前に、助けて)

GM:……いささか騒々しい共振は、ゆっくりと収まっていく。
GM:あなたたちにわかったのは、まだ偏福には正気の余地がある、ということ。
GM:暴走する蝙蝠の群れを、どうにか対処できれば。
GM:少なくとも大規模な被害を招くことはないはずだ。
GM:そのためには……。
GM:…………。

GM:あなたたちは再び、現実の風景の中に戻っていた。
GM:夕暮れ時の山道。ワーディングを受けた真庭常樹は無力化されているが、無事でいる。
花鶏 純:「……そっか。あなた、うちの……」
花鶏 純:共振の中で聞こえたのと、同じ声で呟く。
花鶏 純:「……だとしたら余計に、助けてあげなくっちゃ、ね」
真庭 悠香:「……今のは、蝙蝠さんの……。そうだ、常樹!」
真庭 悠香:ぱっと弟を見て安堵する。
真庭 悠香:「……きっと、今日のことはほとんど忘れさせられちゃうんだろうな」
真庭 悠香:「でも、わたし、何回だって常樹と話すよ」
真庭 悠香:「また、聞いてね」
栗生 賢人:「……なるほど。花鶏さんとこのお客さんだったわけか。なら、ますます無事に連れて帰らなきゃね」
栗生 賢人:「知ってるかい?アトリエ・アトリの紅茶は、そこらの喫茶店より美味しいんだよ。──蝙蝠の姿じゃあ無理だけど──」
栗生 賢人:「今度、表から入ってきたなら。一緒にご馳走になろうじゃないか、なあ?」
栗生 賢人:──共振で見た幻の向こう側。現実に在る蝙蝠の群れに、朗らかに語りかけて。
天元あたり:「……ん。まったく、偏福のやつ。それならそうと言ってくれればいいのに」
天元あたり:「先輩として、ちょっと色々教えたいことができちゃったけど、まずは」
天元あたり:「目を覚ましてやるところから始めようか。大丈夫、無双ゲーは得意だよ」
天元あたり:空を飛び交う蝙蝠の群れ。その全てを受け止める覚悟を以って、顔を上げて彼らを見据える。
交野 静理:きゅう、と胸を締め付けられるような、"哀"愁と──それを上書きするような、安堵と憐憫が去来する。
交野 静理:「傷付けたくないって気持ち。ちゃんと、伝わってきたよ」
交野 静理:「……家に帰るまでがハロウィンだって言った手前。きちんと"皆"で、家に帰れるようにしないと、ね」
交野 静理:「お祭りは──平和で、楽しく終わらなきゃ。勿体ないでしょう?」
緋乃凍花:「……そうですね。大丈夫、間に合いますよ」
緋乃凍花:真庭と常樹君の様子を安堵の溜息と共に見送り、空を埋め尽くすコウモリの群れに視線を移す。
緋乃凍花:「まだ最悪じゃない。戻る道は、ちゃんと繋がってる」
緋乃凍花:「だから、最悪は来ない。この手で起こさせない」
緋乃凍花:誰がの悪意が、誰かの願いをどれだけ歪めようとも。
緋乃凍花:その歪みを祓う者たちが、この町にはいるのだから。
緋乃凍花:「おれたちが止めて見せる。待っていろよ、もう少しの辛抱だぞ……!」
緋乃凍花:刀の柄に手を添える。この刃は、奪うために振るうものではない。
緋乃凍花:鞘の中に納められた霊剣が、わずかに熱を帯びた。
GM:ではまず判定を。
GM:まずは全員知覚で判定をお願いします。目標値はなし。
GM:一番達成値が高かった人が先にあることに気付くことができます。
天元あたり:3dx 知覚
DoubleCross : (3DX10) → 7[2,6,7] → 7

栗生 賢人:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 10[4,6,10]+4[4] → 14

栗生 賢人:おっ
緋乃凍花:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 2[1,1,2] → 2

交野 静理:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 8[5,5,6,8] → 8

GM:おお
緋乃凍花:ファンブル寸前だぜ
GM:厄落としと思おう
GM:では栗生さんが最初に気付きますね。
GM:あなたは飛び回る蝙蝠の群れを見ていて気付きます。
GM:勢い良く飛び回る群れの中、戸惑ったようにふらふらとしている個体がいくらか存在するということに。
GM:暴走に巻き込まれずにいる、正気の偏福の一部ではないかと想像がつくでしょう。
GM:正気の個体を上手く群れから引き離すことができれば、偏福の核の部分は保護できるだろう、とも推測できます。
GM:そのために必要なものは……。
栗生 賢人:「……さて、唐突だけど。ちょっとだけ勉強の時間としよう。お題は、レネゲイドビーイングの分類について」
栗生 賢人:上空、旋回する蝙蝠の群れ。そのうち何匹かに視線をやりながら。
栗生 賢人:「いくつかる分類のうち、コロニーと呼ばれるものたち。群体でひとつの存在を為すもの。……偏福もそのひとりだ。なら──」
栗生 賢人:「──そのうちの誰かが、思い出を全員に持ち帰ったのとは逆に。そのうちの誰か、何人かを助けることができるなら」
栗生 賢人:「──まだ戦っている誰かを、僕らが救うことができるなら。おそらくは──」
花鶏 純:「……つまり、正気の子を上手くひとところに集めてやれば……」
花鶏 純:「偏福くんの一部を助けてあげられるかもしれない、ってことね?」
花鶏 純:「今は群れの中でバラバラになってるけど……」
花鶏 純:見上げながら、トランクを開ける。
花鶏 純:中には傘を始め、たくさんの道具類が。中には、網もいくつか収められている。
栗生 賢人:「そういうこと。……そこからもう一度カタチを為すのが、元の偏福と同じかどうかは分からない。けれど──」
栗生 賢人:「やってみる価値は、あるだろう?」
花鶏 純:「オッケー、これ使って」
花鶏 純:虫採り網のようなもの、投網のようなもの、様々な形の網が出てくる。
花鶏 純:「あたしが振ってもいいな。ただ、上手く捕まえられるかというと……」
真庭 悠香:「……あの」小さく手を上げる。
真庭 悠香:「さっきからちょっと試してて、わたし……群れを動かすのはさすがに無理そう、なんですけど」
真庭 悠香:「フラフラしてる子を捕まえやすいようにうごかすくらいなら、できるかも」
真庭 悠香:うん、と強く頷く。
緋乃凍花:「呼びかけられるのか?」
真庭 悠香:「やってみます!」
真庭 悠香:「わたし、だって、これくらいしか……ううん」
真庭 悠香:「これがわたしの力だから……!」
交野 静理:「悠香ちゃんなら、きっとできる」
真庭 悠香:弟を見て、こくんと頷く。
天元あたり:「頼んだよ。でも、あんまり虐めないであげてね」
交野 静理:「大丈夫だよ。ちゃんと、"実績"があるんだもの」
アテナシ:「……ふむ。我も何やらできれば良いのだが……」顎に手を当てる。
アテナシ:「我が動いた場合、偏福はともかく下の町も壊しかねぬでのう……」
天元あたり:「何それ怖い」
アテナシ:「代わりと言ってはなんだが、こちらの少年のことは任せよ。護って進ぜよう。それと」
アテナシ:天元さんに、白い石の欠片を手渡す。

ステージ限定アイテム『慰石の欠片』
種別:アイテム(使い捨て)
バックトラック時に使用。PC全員のダイスを+1d10する。


天元あたり:「何これ。課金石?」
アテナシ:「詫び石ではないわ」
アテナシ:「帰ってこれなければ元も子もないであろ。これを大事に持っておるが良い」
アテナシ:「そなたも偏福も、我が屋敷の大事な一員であるが故にな」
天元あたり:「ん~、よく分かんないけど、分かった」ドット化して懐に仕舞う。
アテナシ:「気張ってこよ、ということよ」
アテナシ:からからと笑う。
交野 静理:「……貴方が、アテナシ様」 畏敬を籠めた、ほんの少し掠れた声で。
アテナシ:「ふむ。火消しの娘か」
アテナシ:「済まぬが、偏福を頼むぞ」
交野 静理:「……はい。常樹くんのこと、どうか、宜しくお願いします」 しっかりと頭を下げる。
天元あたり:「大丈夫、こんな見た目だけどかなりのゲームジャンキーだから信頼できるよ」
交野 静理:「い、意外と馴染んでおられる……」
アテナシ:「そう堅苦しゅうする必要もないぞ。急ぎ故にな」
天元あたり:「だからまぁ、私達は安心して偏福引き戻しRTAに挑めるってワケ」
栗生 賢人:「そうだね。ちゃんとした挨拶は……今度、この子たちを御殿に連れて行くよ。構わないかな、アテナシさま」
アテナシ:「良いぞ良いぞ。今度はまた面白き話を持ってくるがよい、栗生の」
アテナシ:ひらひらと手を振る。
緋乃凍花:「……お世話になります。きちんとしたお礼はその時に、改めて」小さく礼をする。
栗生 賢人:「承ろう。……さて、それじゃあまずは捕り物の時間かな」
交野 静理:「ええ、偏福くんがちゃんと帰れるように。頑張りましょう」

GM:判定を行います。悠香が蝙蝠を誘導し、あなたたちが追い込んだところを、花鶏が捕獲網で正気でいる個体を捕獲していきます。
GM:(この辺は、ロールでは適宜いい感じにしていきましょう)
GM:技能は白兵・射撃・RC・交渉のいずれかを使用、達成値累計が40になったところで成功となります。
GM:行動値順で一巡して40に満たなかった場合は、侵蝕1d10を振り直して再度判定が可能です。
GM:この判定には、エフェクトを利用することもできます。
GM:質問はありますでしょうか。
交野 静理:大丈夫です!
栗生 賢人:押忍、OKで!
天元あたり:理解~
緋乃凍花:OKです!
GM:はーい。では、行動値順で交野さんから!
GM:あ、待機もできます。
交野 静理:では、"掩蔽" 《C:ウロボロス》《シャドーテンタクルス》 のコンボで、白兵の判定!
GM:本気だ
交野 静理:(6+2)dx7+4
DoubleCross : (8DX7+4) → 10[1,2,4,5,6,6,7,7]+10[1,7]+3[3]+4 → 27

交野 静理:ぶんっ
交野 静理:交野 静理の侵蝕を3増加 (82 → 85)
GM:わお、一気に27! あと13ですね
GM:次は栗生さん!
栗生 賢人:おっ、じゃあこっちもエフェクト搦めていきましょう。《C:サラマンダー/炎神の怒り》!
GM:本気の人たちだ
栗生 賢人:9dx7+4
DoubleCross : (9DX7+4) → 10[1,3,4,4,5,8,8,8,9]+10[2,4,6,7]+10[8]+6[6]+4 → 40

GM:ひとりでクリアしてる!!!
天元あたり:ぴったり
栗生 賢人:うそやろ
GM:まじかー
緋乃凍花:これで昼行灯は通らないでしょ!
交野 静理:すご……!
GM:はい、では53でここで成功ですが、判定自体は続けられます。
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を5増加 (76 → 81)
GM:参加したい人は振ってもいいです。
天元あたり:交渉素振りだけしとこっかな
天元あたり:7dx
DoubleCross : (7DX10) → 10[2,4,5,5,8,9,10]+2[2] → 12

緋乃凍花:こちらも白兵素振りだけやっておきます。
GM:累計65!
GM:はーい
緋乃凍花:6dx+4
DoubleCross : (6DX10+4) → 8[2,2,6,6,8,8]+4 → 12

GM:77!
GM:総合計77で、ばっちり成功してますね。
交野 静理:いいことありそう
GM:では、上手く偏福の一部を救助することに成功しました!

真庭 悠香:手をかざす。
真庭 悠香:人には聞こえない音。感覚を惑わす音。
真庭 悠香:「動物と会話をしていた」のではない。「動いてもらっていた」のだと、自分は知っている。
真庭 悠香:それが宙を広がり、蝙蝠に伝わるよう、念じる。
真庭 悠香:《空の楽器》
真庭 悠香:周辺の蝙蝠が軽く動き、フラフラとしていた個体が、どうにか抜け出そうとしているのがわかる。
交野 静理:柔らかなサテン生地で形度られた魔女服の隙間から、骨ばった尾が這い出でる。
交野 静理:その先端が、炎を纏った。轟々と燃え盛るものではない──行灯のように、道標となるような橙色の焔。
交野 静理:長い尾がゆらり、と揺れる。暗み始めた空に光の残像が灯り、行方を示す。
交野 静理:在るべき場所へ誘うように、ゆらり、ゆらり。炎は揺れる。
交野 静理:(貴方の想いに、応えるよ。だからどうか、少しだけ。私達の"声"を、聴いて──)
栗生 賢人:──その炎を、正気を失って暴れ飛ぶ蝙蝠から守るように。もうひとつの熱量が、幾度も幾度も。散発的に発火する。
栗生 賢人:つまるところ、自分に出来ることはいつも通り。刃を交えること以外で戦う誰かの代わりに、鉄と炎を振るうことだ。
栗生 賢人:それでも、今回ばかりは。黒い小さな生き物を、断ち斬るのではなくそうっと押しのけるように。
栗生 賢人:──いつもよりも、少しだけ。斧槍を握る手に、繊細さを注いで。
天元あたり:そこかしこから上がる火の合間をすり抜けて、直線と単色で構成された飛行物体が群れへ飛び込んでいく。
天元あたり:『フォールンスプライト』をエキストラとして使用。ドットで形成された数台の航空機を飛ばします。
天元あたり:「大丈夫、私はFSGも得意なんだ。マルチプレイも何のその、ってね」
天元あたり:各機がそれぞれ巧みに旋回を繰り返し、蝙蝠達の方向を誘導するように飛行。
天元あたり:されど、荒々しく急き立てる様子はない。操縦は至って丁寧。
天元あたり:優しく手を添えて、エスコートするように。
天元あたり:先立として、辿るべき道筋を指し示すように。
緋乃凍花:そうやって群れを抜け出たコウモリを後押しするかのように、
緋乃凍花:あるいは、それに追い縋ろうとする群れの動きを押し留めるように、
緋乃凍花:ごうと音を上げて風が巻き起こった。
緋乃凍花:──強い炎は風を起こす。
緋乃凍花:振り抜かれた太刀、その剣閃から解き放たれた炎の渦が、気流を乱して壁を作った。
緋乃凍花:「なんか雷獣探しを思い出すな、これ」カチリと鞘に納め、
緋乃凍花:「……花鶏さん、これで全部です。頼みます」
GM:炎に、槍に導かれ。機体に連れられ。壁のところへと幾つかの蝙蝠がたどり着く。
GM:やや弱った様子ではあるが、それでも賢明に羽ばたき……。
花鶏 純:「はあい。せー」
花鶏 純:「の!」
GM:ばさり。
GM:大きな網の届く範囲にまで降りてきた蝙蝠は、まとめて捕獲をされた。
花鶏 純:「……って、これどうしようかな。このまま閉じ込めとくのも……」
花鶏 純:「わわっ!?」
GM:もごもごと動いていた蝙蝠たちがぱっと飛び出す。逃げはしない。
GM:ただ、地面に舞い降りて、人の形を取った。《ヒューマンズネイバー》
偏福:「はー!!!」
緋乃凍花:「大丈夫ですか?」
花鶏 純:「だ、大丈夫……」
天元あたり:「────偏福!」
偏福:中華風の服装の少年は、立とうとして尻餅をつく。
偏福:「あたりー!」
偏福:「ど、どうしようかと思ったー!」
天元あたり:「もー、心配したんだよこちとら!」
偏福:まだ力は非常に弱い状態であるようだ。
偏福:「悪かったって……あと、その、悪いのだが」
偏福:「もうちょっと心配をしてもらえると、ありがたい……」
GM:蝙蝠のうち、幾らかは偏福の元に戻ってきている。幾らかは飛び去ったようだ。
GM:だが、一部はまだ暴走したままあなたたちに牙を剥いている!
天元あたり:「……そうだね、全ての蝙蝠が帰ってきたわけじゃない」
栗生 賢人:「ああ。……そして、ここから先は、また僕らの仕事だ」
天元あたり:「どうすりゃいいのさ、倒しちゃっていいの?」
偏福:「えーと、それでもぼくらが死ぬわけではない、が」
花鶏 純:「でも、捕まえて済むならその方がいい、かな?」
偏福:「……あ」
交野 静理:「暴走してるだけなら、捕まえて落ち着けば……それで済みますし、ね」
花鶏 純:「話は後でね。この網、使って」

アイテム『捕獲網』
タイミング:オート
攻撃の命中判定直前に使用することで、対象を「範囲(選択)」に変更可能。
1PCにつきシナリオ1回ずつのみ使用可。


栗生 賢人:投網!!
GM:こちらのアイテムをクライマックス戦闘で使用することができます。
緋乃凍花:そういうのもあるのか……
交野 静理:すごい・便利
GM:形状は虫採り網でも投網でも大丈夫。
天元あたり:コウモリげっちゅ!
GM:演出もご自由にどうぞ
花鶏 純:「レネゲイドを伝えやすい素材だから、多分馴染むと思う」
天元あたり:「おっけー。一網打尽にすればいいんだね」
栗生 賢人:「了解、こいつはありがたい。……まあ、そういうわけでね。あたりの友達なら、僕らにとっても大事な仲間だ」
交野 静理:「捕まえたり、集めたり。臨機応変に、やります」
緋乃凍花:(網だけにか……?)
栗生 賢人:「火消しだって、たまには壊す以外の解決法もあるんだ、ってところ見せてあげよう」
偏福:「打尽は怖いのだが」
緋乃凍花:「はい。偏福、君は少し休んでいろ」
偏福:「だが……よろしく頼む!」ぺこり、と。
緋乃凍花:「……よく頑張ったな。後は任せろ」
偏福:「……っ」
天元あたり:「大丈夫、私は虫の図鑑埋めも得意だよ」
偏福:「虫ではないのだがー!」
交野 静理:「あとでゆっくり。お話しましょうね」
偏福:ご迷惑をおかけします、と頭を下げ、アテナシの元へ。
GM:空の蝙蝠は数を減らす。だが、まだ脅威には違いない。
GM:燻った黒い炎をどうにかするのは……火消しの役目だ。

GM:ロイス取得のみできます。
天元あたり:保留!
栗生 賢人:残り1枠で…保留!
交野 静理:ロイス保留!
緋乃凍花:ロイホ(ロイスは保留)


クライマックス 対・偏福


GM:全員登場!
GM:登場侵蝕をお願いします。
緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を1d10(→ 3)増加 (97 → 100)
天元あたり:1d10+84
DoubleCross : (1D10+84) → 2[2]+84 → 86

栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を1d10(→ 8)増加 (81 → 89)
緋乃凍花:うおー
交野 静理:交野 静理の侵蝕を1D10(→ 1)増加 (85 → 86)
GM:格差
交野 静理:緋乃くん……!
GM:がんばって……!

GM:では、空に残った蝙蝠たちから、さらなるワーディングの気配。
GM:衝動判定です。意志で目標値9。
交野 静理:4dx+4>=9
DoubleCross : (4DX10+4>=9) → 9[1,1,8,9]+4 → 13 → 成功

緋乃凍花:5dx+4+2>=9
DoubleCross : (5DX10+6>=9) → 8[2,3,3,5,8]+6 → 14 → 成功

交野 静理:2d10+86
DoubleCross : (2D10+86) → 14[7,7]+86 → 100

天元あたり:4dx+2>=9
DoubleCross : (4DX10+2>=9) → 5[1,3,3,5]+2 → 7 → 失敗

交野 静理:あう
栗生 賢人:3dx>=9
DoubleCross : (3DX10>=9) → 7[3,7,7] → 7 → 失敗

緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を2d10(→ 11)増加 (100 → 111)
GM:緋乃くん……!
緋乃凍花:ぐぇ~
栗生 賢人:ぬぅーッ!
天元あたり:バディム貰えるとうれしい……!
緋乃凍花:あっ!バディム!
緋乃凍花:成功しな!
栗生 賢人:わーいありがたい!
天元あたり:あざます!!成功!!
緋乃凍花:どっちだ!
栗生 賢人:おっとあたりさんだった!
栗生 賢人:こちらは暴走しておきます!
天元あたり:そっか二人か、じゃあどうしようかな
天元あたり:あ、じゃあ貰います~
栗生 賢人:2d10
DoubleCross : (2D10) → 14[9,5] → 14

栗生 賢人:侵蝕は103へ!
天元あたり:86+2d10
DoubleCross : (86+2D10) → 86+8[6,2] → 94

GM:意外といくものだな
GM:では、戦闘を開始していきます。
GM:@PerituneMaterial_Undertaker
栗生 賢人:あっそれとですね、プリプレイ(自己紹介)の時点でスーペリアルネットワークのシンドロームを指定するのを忘れておりまして…!
栗生 賢人:ブラム=ストーカーを指定していたものとしたく……。
GM:おーっと! 了解です
栗生 賢人:押忍、ありがとうございます!

GM:エンゲージは以下の通り。

[蝙蝠(10)×2]-2m-[蝙蝠(10)×2]-2m-[蝙蝠(10)×2]
             |
            5m
             |
      [蝙蝠(10)×2]-2m-[蝙蝠(10)×2]
             |
            5m
             |
    [緋乃(4)交野(6)栗生(5)天元(4)]


GM:蝙蝠は同じデータのユニットが全部で10体、全て暴走・飛行状態で、5つのエンゲージに分かれています。
GM:全てを戦闘不能にする=捕獲することで戦闘終了、暴走も解除されます。
GM:また、アイテム『捕獲網』を命中判定前に使用することで、一人シナリオ一回、攻撃対象を「範囲(選択)」とすることができます。
GM:ご購入のアイテム共々ご活用ください。


■セットアップ■

蝙蝠:こちらは何もなし!
天元あたり:ブルゲ使っても先手が取れない!何もなし!
緋乃凍花:行動値が足りない!なし!
栗生 賢人:ブルーゲイル使用、行動値10に!
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を5増加 (103 → 108)
交野 静理:ブルーゲイルを使用! 侵蝕+5、行動値11へ。
交野 静理:交野 静理の侵蝕を5増加 (100 → 105)


■イニシアチブ■

GM:行動値順では11の交野さん。
GM:割り込みはありません。行動どうぞ。
交野 静理:では、マイナーで"七月流火" 《骨の剣》《死招きの爪》 素手データ変更。攻撃力[+37]/ガード値6へ。 侵蝕[+6]
交野 静理:交野 静理の侵蝕を6増加 (105 → 111)
交野 静理:メジャーで"掩蔽" 《C:ウロボロス》《シャドーテンタクルス》 射程:10m 侵蝕[+3]
交野 静理:命中判定直前に『捕獲網』を使用します。対象を範囲(選択)へ。
GM:命中判定どうぞ
交野 静理:5m先の片方のエンゲージを狙います。
GM:了解!
交野 静理:(4+2+3)dx7+3
DoubleCross : (9DX7+3) → 10[3,4,5,5,7,8,8,10,10]+10[4,5,8,8,10]+10[2,5,10]+2[2]+3 → 35

蝙蝠:暴走中、リアクションできません。
蝙蝠:ダメージどうぞ
交野 静理:4D10+37
DoubleCross : (4D10+37) → 31[7,9,6,9]+37 → 68

蝙蝠:?
交野 静理:?
栗生 賢人:殺意。
交野 静理:交野 静理の侵蝕を3増加 (111 → 114)
蝙蝠:ええと、エンゲージ内二体にそのダメージは……その……
蝙蝠:だめです。落ちます。復活もなし!
交野 静理:まずは2体!
GM:1エンゲージ分捕獲!

交野 静理:「もうすぐ、日が暮れる。むしろ今からが君たちの時間なんだろうけど……一旦、家に帰ろう、ね?」
交野 静理:預かった縄を尾の先端に引っ掛けるように絡め、ゆるりと身体を捻る。
交野 静理:先端から伝播する炎は、黄昏時に在って尚、明るい。強い光に弱いモノであれば、眩さを感じるであろう程の。
交野 静理:追い立てるように尾を操り、群れから離れた幾体かの蝙蝠に狙いを定める。
蝙蝠:ばたばたと羽ばたき、光に戸惑っている。
交野 静理:「──そこっ」
交野 静理:撓る尾が、風圧を伴って地面に墜ちる。
交野 静理:それに連なった捕獲縄が引かれ、疎らに飛んでいた個体の一部を捉えた。
蝙蝠:「!」
交野 静理:「うん、よし。傷付いてないね……よかった」「大人しくしててね。大丈夫、だから」
蝙蝠:そのまま絡め取られ、目を回しながら捕らえられていた。
蝙蝠:反抗する気力はなさそうだ。

GM:では次、10はなんかいっぱいいますが……PC優先で栗生さん!
栗生 賢人:は!マイナーで戦闘移動、交野さんが攻撃した方ではない手前の群れにエンゲージ!
栗生 賢人:メジャーで《コンセントレイト/ペネトレイト/炎神の怒り/煉獄魔神》による攻撃、判定前に捕獲網を使って範囲化!
GM:命中判定どうぞ!
栗生 賢人:「(命中)判定前」だと《砂の加護》とタイミングが被るので、併用できないと見ていいでしょうか。(砂の加護は他キャラにも使えるので大丈夫です)
GM:ああ、そうですね、お待ちを
GM:裁定ですが、オートアクションということで併用可とします!
栗生 賢人:ヤッター!では自分に《砂の加護》!
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を3(→ 3)増加 (108 → 111)
栗生 賢人:そして判定!
GM:どぞ!
栗生 賢人:17dx7+2
DoubleCross : (17DX7+2) → 10[1,2,2,3,3,4,4,4,6,7,7,8,9,9,10,10,10]+10[1,3,3,3,6,8,9,10]+10[1,5,7]+6[6]+2 → 38

蝙蝠:暴走! ダメージどうぞ
栗生 賢人:では強化素材も込みの…!
栗生 賢人:4d10+25
DoubleCross : (4D10+25) → 18[1,5,8,4]+25 → 43

蝙蝠:ひえ
栗生 賢人:装甲無視の43点、ダイスは跳ねず…!
蝙蝠:それでも……だめです。二匹とも落ちます。復活なし。
GM:演出をどうぞ!

栗生 賢人:「──さて。なるべく優しくはしてやりたいけど、悪いね。僕はこの支部のエージェントには珍しく、荒事向きなんだ」
栗生 賢人:「だから──ちょっとばかり、手荒にいくよ!」
栗生 賢人:炎を纏う斧槍の刃が、掬い上げるように振るわれ、地面を掠める。空振り──いや、違う。
栗生 賢人:切っ先、刺突武器として振るわれるべきところに。先の捕り物で使われた、投網型の捕獲網が引っかかって──
栗生 賢人:──宵闇迫る空に舞い上がり広がったそれが、瞬間的に発火。高熱のショックで意識を刈り取られた蝙蝠たちが、ぽたりぽたりと落ちてゆく。
蝙蝠:「――!!」
花鶏 純:「……はい。回収は任せて!」
花鶏 純:落ちた蝙蝠たちをさっと拾い上げていく。

GM:では同じく10の蝙蝠たちですね。
GM:6体は全て同じデータですので、命中判定とダメージはまとめて一回とします。
蝙蝠:マイナーはなし。暴走は解けないので……
蝙蝠:メジャー、《魔獣の本能》《魔獣の衝撃》《紅の刃》《コンセントレイト:キュマイラ》《天を統べるもの》《封印の呪》
蝙蝠:命中で対象の次の攻撃のC値が+1、ダメージで飛行状態が解除されます。
蝙蝠:対象はPC全員に一回ずつ攻撃。それから……そうだなあ。天元さんと交野さんに+1回!
蝙蝠:命中判定します。
蝙蝠:10dx7+1
DoubleCross : (10DX7+1) → 10[1,1,4,4,6,6,8,8,9,10]+10[1,5,5,10]+10[7]+1[1]+1 → 32

蝙蝠:そこそこ
蝙蝠:リアクションどうぞ
栗生 賢人:暴走中につき…リア不!
天元あたり:んーっと、とりあえず1回目のドッジ
天元あたり:3dx>=32
DoubleCross : (3DX10>=32) → 6[6,6,6] → 6 → 失敗

GM:666
交野 静理:(4+3)dx+1>=32 1回目:ドッジ
DoubleCross : (7DX10+1>=32) → 10[1,2,3,4,7,10,10]+2[2,2]+1 → 13 → 失敗

天元あたり:3dx>=32 2回目
DoubleCross : (3DX10>=32) → 9[1,4,9] → 9 → 失敗

交野 静理:(4+3)dx+1>=32 2回目
DoubleCross : (7DX10+1>=32) → 10[1,2,5,6,8,8,10]+1[1]+1 → 12 → 失敗

緋乃凍花:う~ん。ドッジ!
緋乃凍花:7dx+1>=32
DoubleCross : (7DX10+1>=32) → 9[1,2,6,8,9,9,9]+1 → 10 → 失敗

緋乃凍花:だめ~
天元あたり:これ、攻撃順番はどうなります?
GM:あ、そうか
GM:じゃあですね、これも行動値早い方が先に食らう→一巡後さらにまた行動値順、としましょうか
交野 静理:はーい
天元あたり:りょかいです。カバー宣言は都度攻撃のタイミングに割り込む形でいいですか?
天元あたり:リザレクトの侵蝕上昇値見てから判断したい、的な……
GM:ああー
GM:そうですね、順番だとそうなるな
GM:わかりました。ではこちらから順番にやっていくので
GM:カバーがあったら割り込む形で宣言願います
天元あたり:あざます……!!
交野 静理:あとすみません、ダメージ直前に防具って着込めましたかね……?
交野 静理:ドッジ前じゃないとダメだったかな
GM:今回はよし!
交野 静理:やったー
GM:では、まず交野さんへのダメージを算出します。
GM:何かあればどうぞ
交野 静理:直前にオートアクションでアームドスーツを着用します。
交野 静理:ダメージください!
GM:はーい。なお、ダメージはまとめてと言ってたので、以後も同じダメージとします。
GM:ただ、適用は順次!
蝙蝠:4d10+14
DoubleCross : (4D10+14) → 24[6,4,4,10]+14 → 38

蝙蝠:装甲有効!
交野 静理:そこそこ結構上振れてる! でも、装甲10点差し引いてダメージ28。此方のHPは30! 2点残ります。
GM:残った!
交野 静理:交野 静理のHPを28減少 (30 → 2)
GM:では次、栗生さんは暴走中なので、なにもなければそのまま38ダメージですね。
栗生 賢人:ぬわーッ、絶妙な数字!装甲で8止めて30点、HPは26!
栗生 賢人:偏福に「■尽力/不快感」でロイスを取得、タイタス化して昇華…復活!
GM:では次、天元さんの一度目!
栗生 賢人:あとすみません、メジャー分の侵蝕を上げ忘れてたので上げました(122に)
GM:どぞ!
天元あたり:当然即死のリザレクト!!
GM:こ、こいつリザ圏内!
天元あたり:1d10+94
DoubleCross : (1D10+94) → 5[5]+94 → 99

天元あたり:うまい!!
GM:うっわ
交野 静理:上手!!!!
GM:そういうことあるんだ……
天元あたり:HP5で蘇生して以上!
緋乃凍花:上手く生きてる
GM:ではさらに緋乃くん!
緋乃凍花:はーい。オートでアームドスーツを着用して行動値-2、装甲10に。
緋乃凍花:で、HP30なので2残って生存です。C値+1はいただいた
GM:いただかれた!
GM:み、みんな硬いな……
GM:では二巡目!
GM:交野さん再びどうぞ
交野 静理:今度は装甲込みでも足りないので、落ちます……
GM:かなしい
交野 静理:偏福 ◯誠意/憐憫 でロイスを取得し、即時昇華。HP14で復活します。
GM:最後、天元さんの二回目どうぞ。
天元あたり:当然即死の……リザレクト!!
天元あたり:1d10+99
DoubleCross : (1D10+99) → 4[4]+99 → 103

GM:上手……
天元あたり:HP4!以上!!
GM:長かったですが、判定は以上! 当たった人はC値-1を覚えておいてね
GM:軽く演出!

蝙蝠:未だ残る蝙蝠たちは、暴走し縦横無尽に飛び回る。
蝙蝠:そうして……商店街の時と同じだ。急降下し、あなたたちに噛みつこうと試みる。
蝙蝠:ただし、あの時よりもずっと勢いは強く
蝙蝠:容赦をする様子はまるでないようだ!
天元あたり:「……わ、ちゃ!!」咄嗟にパリィを試みるが、容赦ない突撃に為すすべなく噛みつかれる。
交野 静理:幾体かの突撃を強靭な尾で捌き切る。しかし──数が多い。
天元あたり:傷からは血ではなく、ノイズがかったドットが溢れ出す。
栗生 賢人:「ッ……あっちは容赦なし、か!わかっちゃいたがキツいなこれは……!」
栗生 賢人:「悪い花鶏さん、こいつは買い取りになりそうだ!」
緋乃凍花:「ち……!」マントを翻して受け流そうとする、が
天元あたり:「もーっ、暴れてるからって!ちょっときつーくいかないとダメだね!」
緋乃凍花:その上から幾重にも抉るように攻撃を受ける。
緋乃凍花:「こちらもです……!」
栗生 賢人:形は保っているものの、血染めになった──どす黒いものが染みた神父服に、申し訳なさそうに視線を落とす。
緋乃凍花:(それに、飛んで行ったコウモリもこうだったら……)
花鶏 純:「オッケーオッケー、活用してもらえて何より!」こちらは木陰でなんとか避けながら。
緋乃凍花:(ますます時間は掛けられないぞ……!)
交野 静理:「……ぅ、くっ……結構、激しい、ですね……!」 借りた衣装が破れ、細い肢体を僅かに晒す。内側に生まれた傷痕は、炎とともに消えて無くなった。
偏福:「ああああ、もう、違うって言ってるのに!」
偏福:「後でただじゃおかないからなっ、ぼくら!」
偏福:「見て……はないから、聞いてろよー!」
偏福:へたり込みながら、ハラハラと戦況を見守っている。

GM:では次は4の天元さんかな。
天元あたり:はいさーい。手番いただきます
天元あたり:マイナー《オリジン:サイバー》。社会の達成値+12、侵蝕105
天元あたり:メジャー▼【↑↑↓↓←→←→BA】《C:オル》《ディストーション》
天元あたり:捕獲網を使用して範囲化、対象は10m先のエンゲージの一つ!
GM:了解。命中判定どうぞ。
天元あたり:8dx7+16
DoubleCross : (8DX7+16) → 10[1,5,6,6,8,8,9,9]+10[1,3,5,8]+10[9]+3[3]+16 → 49

天元あたり:《妖精の手》
蝙蝠:暴走……
蝙蝠:うわっ
天元あたり:侵蝕109になって、振りたし~
天元あたり:1dx7+56
DoubleCross : (1DX7+56) → 10[10]+4[4]+56 → 70

GM:こわ
天元あたり:乗った!これで
蝙蝠:暴走中です。ダメージどうぞ
天元あたり:ダメージ!アンチマテリアルライフルをくらえ~~
蝙蝠:こわい
天元あたり:(8+1)d10+20
DoubleCross : (9D10+20) → 60[6,4,4,9,7,7,6,9,8]+20 → 80

天元あたり:諸々有効、80点!
蝙蝠:無理無理~復活もなし……
蝙蝠:ばたんきゅーします
天元あたり:やったね!
GM:演出どうぞ。

天元あたり:傷口から溢れ出たドットを手繰り寄せたかと思うと、いつの間にか巨大な銃が握られている。
天元あたり:「倉庫の奥底から見つけてきた、めっちゃデカいライフルを装備!!」
天元あたり:軽々と持ち上げ、標的たる蝙蝠の群れに狙いを定め。淀みなき所作で弾を装填する。
天元あたり:「私は当然、FPSも上手いんだから!!くらえー、偏福!!」
天元あたり:がおぉん、と。けたましいながらも若干電子音めいた銃声と共に、ライフルが火を吹く。
天元あたり:反応する暇も与えず、蝙蝠達の眼前に迫った弾丸が、ぱぁんと勢いよく弾ける!
天元あたり:放たれたのは、先ほど貰った捕獲網!
蝙蝠:「!!」
蝙蝠:逃げ惑う暇もなく、ぱっと広がった網に絡め取られる!
天元あたり:文字通り一網打尽に彼らを捕まえて、羽を絡めつつ勢いのまま地に落とす!
天元あたり:「よぉーし!今日もエイム絶好調!!」
偏福:「……しゃ! ナイス!って言うんだっけ!」
偏福:近くに落ちてきた網を回収する。
偏福:「このままがんばれー!」
天元あたり:「おう!応援コメあり!!」まるでゲームをクリアした子供の様に満面の笑みで、ライフルを収納しながら返す。

GM:では緋乃くんどうぞ!
緋乃凍花:はーい。
緋乃凍花:コンボ『青蓮灼灼・網』
緋乃凍花:マイナーで《氷の回廊》。飛行状態で戦闘移動し、10m先のエンゲージに接敵。
緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を1(→ 1)増加 (111 → 112)
緋乃凍花:メジャーで『焔舞』《コンセントレイト》《炎神の怒り》《煉獄魔神》
緋乃凍花:判定前に『捕獲網』を使用して対象を範囲(選択)化。
GM:了解です。命中判定どうぞ
緋乃凍花:コンセントレイトLv4とC値+1が相殺してC値は7のまま(ということになった)
GM:そうなのだ……
緋乃凍花:(7+5)dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[2,2,2,3,3,4,4,6,7,7,7,10]+10[1,4,5,10]+5[5]+4 → 29

天元あたり:《妖精の手》2回目。先ほどのメジャーも併せて、侵蝕117。
緋乃凍花:あっ、助かります。
蝙蝠:ギエー
緋乃凍花:34から再回転。
緋乃凍花:1dx7+34
DoubleCross : (1DX7+34) → 5[5]+34 → 39

緋乃凍花:9!
蝙蝠:どちらにせよぼくら暴走なので……
蝙蝠:ダメージをお出しいただけると……
緋乃凍花:交野先輩、凍てつく刃もらえますか?
蝙蝠:お、お前らー!
交野 静理:はーい
交野 静理:"伴星B" 《凍てつく刃》 DR直前に使用 ダメージ+[1D+18] 侵蝕[+3]
交野 静理:交野 静理の侵蝕を3増加 (114 → 117)
緋乃凍花:ではありがたく……
緋乃凍花:4d10+10+12+1d10+18 装甲ガード有効
DoubleCross : (4D10+10+12+1D10+18) → 24[3,2,9,10]+10+12+3[3]+18 → 67

蝙蝠:いやいや
蝙蝠:いやいやいや
蝙蝠:むり、です……復活エフェクトなし。
緋乃凍花:おれだって10を出せるんだ!
緋乃凍花:緋乃凍花の侵蝕を8(→ 8)増加 (112 → 120)
栗生 賢人:優しくする…優しくするが、出目が走らないとは言っていない…!
GM:演出をどうぞ!

天元あたり:「でもって、凍花!」ライフルの残骸から、『P』と書かれた四角いブロックを形成し。
緋乃凍花:「ん?」
天元あたり:「受け取れ~~」投げる!当たる!痛くない!何かステータスが上昇する電子音と共に、身体の周囲に青いオーラが纏っていく。
緋乃凍花:「うおっ!?」なんか体が青く光っている!
緋乃凍花:あとなんか体が軽くなっている!
交野 静理:その青く光る身体に近付き、指をくるりと回し。
交野 静理:「いたいのいたいのとんでけ」「……なんてね」
緋乃凍花:「………」
交野 静理:橙色ではなく、緑色の炎が。緩やかにその身体に近付き、剣の傍に控えるように浮かぶ。
交野 静理:黄昏に浮かぶ赤色巨星の傍を回る、緑色の星のように、付かず離れず。
緋乃凍花:「その……どうも……」おまじないをかけられたようだ。
交野 静理:「ふふ。魔女っぽかった?」「……さ、行ってきて!」
緋乃凍花:「はい。花鶏さん、こいつを借ります」
緋乃凍花:大きな虫取り網のような形状の捕獲網を指す。
花鶏 純:「うん。持ってって」
緋乃凍花:「よし、やるぞ、『火輪』。もうひと働きだ」
緋乃凍花:「──見せてやれっ!」
緋乃凍花:抜刀と同時、青白い輝きを纏った緑炎が噴き出して走り、コウモリの一群の傍を通り過ぎる。
緋乃凍花:そう、通り過ぎた。
緋乃凍花:その時。
緋乃凍花:小柄な吸血鬼は、空にいた。
緋乃凍花:「変形」
緋乃凍花:「改題、青蓮灼灼・網」
緋乃凍花:宙を慌て舞うコウモリを、より高空より振り下ろされた網が絡め取る。
蝙蝠:「――!」
緋乃凍花:勢いを円の動きで殺しながら着地。網の口を縛るのも忘れない。
緋乃凍花:「……ざっと、こんなもんかな」
緋乃凍花:網の中でばたばたともがくコウモリを見つめる。
緋乃凍花:(あいつ、しゃりら、とか言ったか)
緋乃凍花:(何をやろうとしているかは知らないが、またこんなことが起こるって言うなら)
緋乃凍花:(おれは……)
緋乃凍花:紗理羅に 憤懣/●脅威 でロイスを取得。
真庭 悠香:「……やった!」
真庭 悠香:こちらは降りてきた蝙蝠たちを世話しながら、小さくガッツポーズをする。
真庭 悠香:「頑張ってくださいっ、緋乃さん! もうちょっと!」


■クリンナップ■

GM:多分何もないはずだ!
GM:行動値くらいかな
栗生 賢人:は、行動値5に戻るのみで!
交野 静理:行動値6に戻ります(アームドスーツ着用したので、実値は4)
天元あたり:なし!
緋乃凍花:なし!
蝙蝠:こちらもなし!


GM:2ラウンド目!


■セットアップ■

蝙蝠:こちらはなし
天元あたり:なし!
栗生 賢人:おくすりは…もうない!セットアップありません。
交野 静理:こちらもないです。
緋乃凍花:なしで……いいかな!
GM:あい!


■イニシアチブ■

GM:では行動値順に蝙蝠二匹。まとめて行動します。
蝙蝠:マイナーなし。
蝙蝠:メジャー、《魔獣の本能》《魔獣の衝撃》《紅の刃》《コンセントレイト:キュマイラ》《天を統べるもの》《封印の呪》
蝙蝠:命中で対象の次の攻撃のC値が+1、ダメージで飛行状態が解除されます。
蝙蝠:対象は……さっきなんかピンピンしてた緋乃くんと天元さんにそれぞれ。
蝙蝠:判定はまとめてやっちゃいます。
天元あたり:ぎえぇーっ!!
蝙蝠:10dx7+1
DoubleCross : (10DX7+1) → 10[1,4,4,5,5,5,6,8,8,9]+10[5,7,10]+10[7,9]+3[3,3]+1 → 34

蝙蝠:結構回すな。リアクションどうぞ
緋乃凍花:おのれ~
天元あたり:4dx+1>=34 ドッジ
DoubleCross : (4DX10+1>=34) → 5[2,3,5,5]+1 → 6 → 失敗

緋乃凍花:ドッジしよう
緋乃凍花:7dx+1>=34
DoubleCross : (7DX10+1>=34) → 10[1,1,3,4,8,9,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗

緋乃凍花:がんばりました
蝙蝠:回した
蝙蝠:ダメージいきます。これもまとめて!
蝙蝠:4d10+14
DoubleCross : (4D10+14) → 23[6,2,5,10]+14 → 37

蝙蝠:安定してる
蝙蝠:装甲有効!
天元あたり:私は死ぬ!!だが差し込みだ!!
蝙蝠:ぬっ
天元あたり:《奇跡の雫》侵蝕123
蝙蝠:なんだとーーー
天元あたり:凍花をHP10で蘇生!
緋乃凍花:死!……をキャンセル!
緋乃凍花:はしてない。復活!
蝙蝠:友情パワーを見せやがって……
蝙蝠:いいだろう……かかってこいよ……
天元あたり:私は緋乃凍花/○友情/沼に染めがいがありそう で取って昇華!
緋乃凍花:ひっ 貯金が……
天元あたり:HP11!これで以上!
GM:では演出さくっといきます。

蝙蝠:仲間の多くを捕らえられ、数少ない蝙蝠はパニック状態になっている。
蝙蝠:だが、それでも吸血衝動は止めがたい。あなたたち目がけて飛びかかってくる!
緋乃凍花:「くそ、一手足りないか……!」鞘で払い除けようとするが、数の暴力に飲み込まれる。
天元あたり:「まだ抵抗するか、おのれーっ!」強襲、弾け飛ぶドット。だがその最中に、新たなブロックを取り出す。
天元あたり:1UPと書いてあります。凍花に投げます。痛くありません。
天元あたり:何か残機が増えそうな電子音と共に、身体が新しく生えるような感覚が襲います。
緋乃凍花:ピロリロリロ♪
緋乃凍花:……とどこからともなく電子音が響き、
緋乃凍花:自分が二人いるような、自分が自分を見ているような、変な感覚に襲われる。
天元あたり:緋乃凍花 × 2
天元あたり:緋乃凍花 × 1
緋乃凍花:凍花のうち一人が倒れて。
緋乃凍花:その場に、もう一人の凍花が降り立つ。
緋乃凍花:倒れた方の凍花は無数のドットになって空に消えて行った。こんなことある?
緋乃凍花:「……あの……」
緋乃凍花:「なにこれ……?」
交野 静理:「一瞬、二人に……なった……?」
天元あたり:「大丈夫、私はアクションゲームも得意だからね!」
栗生 賢人:「……概念の他人への付与、か。可愛い顔をして、えらいことをする」
天元あたり:「それより、残りもさっさと捕まえちゃおう!」
緋乃凍花:「あ、ああ」

GM:では次は栗生さんどうぞ。
栗生 賢人:そうか、装備で行動順が変わってる!では、マイナーで5m前方に移動。残る蝙蝠にエンゲージ。
栗生 賢人:※すみません、一旦行動取り下げで!
GM:りょ!
交野 静理:栗生さんの前に割り込んで、イニシアチブでアーマーパージ! 行動値6に戻ります。
GM:では交野さんが先手ですね
交野 静理:はい、ではマイナーはなし。
交野 静理:メジャーで"掩蔽" 《C:ウロボロス》《シャドーテンタクルス》 対象:単体 射程:10m 侵蝕[+3]
交野 静理:対象は残った蝙蝠の右側!
GM:命中判定どうぞ!
交野 静理:(4+2+3)dx7+3
DoubleCross : (9DX7+3) → 10[2,3,4,5,6,6,7,7,10]+10[7,7,8]+10[5,7,7]+3[1,3]+3 → 36

蝙蝠:暴走です……
交野 静理:4D10+37
DoubleCross : (4D10+37) → 27[4,8,9,6]+37 → 64

蝙蝠:高いってば!
交野 静理:交野 静理の侵蝕を3増加 (117 → 120)
交野 静理:ぶんっ
蝙蝠:耐えきれるはずもなく落ちます。復活エフェクトなし。
GM:残り一体!
GM:演出をどうぞ。

交野 静理:幾体かを捕まえた縄を切り離し、炎を纏わせた尾で残った数体を追い立てる。
交野 静理:「怖がらないで、大丈夫だから……!」
交野 静理:ぐるり、ぐるりと円を描くように一箇所へ集わせていく。
蝙蝠:ばたばたと飛び回り、知らず誘導をされていく。
蝙蝠:あなたのその声に、少しだけ飛翔の勢いが弱くなったようにも見える。
交野 静理:「手荒にしたくはないから……えいっ!」
交野 静理:燃え尽きる最期の瞬間、炎が一段と輝きを増すように。
交野 静理:灯った炎の輝きが増す。目の前で起こるスパーク、気を失わせるには十分だろう。
蝙蝠:蝙蝠は光に弱い。突然の輝きに目を回す。
蝙蝠:「…………きゅう」
蝙蝠:ぱたぱたと地面に落ち、静かに気を失っているようだ。

交野 静理:「よし……栗生さん、残り、お願いします!」
GM:では次は再度5の栗生さん。
栗生 賢人:ヤー!マイナーで戦闘移動、残る蝙蝠にエンゲージ!
蝙蝠:ぴーっ
栗生 賢人:メジャーで《コンセントレイト/ペネトレイト/炎神の怒り/煉獄魔神》による白兵攻撃!今回はオート支援は…無しで!
蝙蝠:命中判定どうぞ
栗生 賢人:16dx7+2
DoubleCross : (16DX7+2) → 10[2,3,3,3,3,3,5,5,5,7,7,8,9,9,9,10]+10[3,5,6,9,9,9,10]+10[7,7,9,10]+10[3,7,7,9]+10[4,7,9]+10[6,10]+10[10]+6[6]+2 → 78

蝙蝠:!?
栗生 賢人:????
蝙蝠:??
蝙蝠:暴走してるんだが?
緋乃凍花:バディムーヴ。達成値+3どうぞ。
蝙蝠:まって
天元あたり:圧が凄い
栗生 賢人:ヤッター達成値81!
蝙蝠:だ、ダメージを……
栗生 賢人:9d10+25
DoubleCross : (9D10+25) → 48[4,10,6,4,7,4,2,9,2]+25 → 73

蝙蝠:ひえええい
栗生 賢人:ダメージは…走らず!73点装甲無視!
蝙蝠:実はこいつらは、一般のオーヴァード並の体力なんだ
蝙蝠:装甲とか……あるわけないし……
蝙蝠:落ちます。復活エフェクトなし。
GM:蝙蝠を全て捕獲することに成功しました。
GM:戦闘終了。暴走も解除されます。
GM:あなたたちの勝利です!
天元あたり:やった~~
栗生 賢人:イヤッター!!
交野 静理:やったー!
栗生 賢人:栗生賢人の侵蝕を11(→ 11)増加 (122 → 133)
GM:ではフィニッシュムーブどうぞ。

栗生 賢人:「……なるほど。うん、今の僕に足りないものは、あれだったか」
栗生 賢人:焦がすのではなく、導く炎。少女の操るそれの優しさはもちろんだけれど、何より──。
栗生 賢人:「そうだよな。これは、殺し合いでも戦いでもなくて──」
栗生 賢人:「きみらと僕らとの、追いかけっこ。ハロウィンの夜の、楽しい遊びだ」
蝙蝠:その声をわかっているのかいないのか、ぱたぱたと飛び回る。
栗生 賢人:手にする斧槍。使用者のレネゲイドの励起と共に形を変えるというその穂先が。
栗生 賢人:──青年が発した、楽しそうな──子供のような声と共に。捕虫網に変わる。
栗生 賢人:もちろん、技の冴えは戦闘訓練を受けたエージェントのそれなのだけれど。
栗生 賢人:「よっ……ほっ、と!」
栗生 賢人:飛び回る蝙蝠を次々と捉えるその姿は、本当に、楽しそうで。
蝙蝠:残り少ない蝙蝠は、追いかけっこでもしているかのように逃げ惑い、次々と捕獲されていく。
栗生 賢人:「……っと、悪い凍花くん、一匹そっちに行った!」
栗生 賢人:かける言葉も、友人へのそれのようだった。
緋乃凍花:「大丈夫です、ほら」
緋乃凍花:いつの間に持ち替えたのか、新しい捕獲網がその一匹をキャッチしていた。
蝙蝠:「ぴぎ」
蝙蝠:最後の一匹が小さく鳴き声を上げる。
緋乃凍花:「これで全部……かな?」
緋乃凍花:「コンプリートというやつか」
蝙蝠:その様子には既に暴走の色はなく、大人しく網にぶら下がっているようだった。
栗生 賢人:「……うん、どうやらそのようだ。これにて一件落着……と言うには、ちょっと早いけれど」
栗生 賢人:穂先から捕虫網を切り離して、絡まった蝙蝠たちをそうっと包んで。
栗生 賢人:「──みんな、お疲れ様」
蝙蝠:「ぷいー」「ぴっ」「ぴぎぎ」
GM:……ちょっとした騒動、というにはやや人騒がせな蝙蝠たちは、あなたたちのおかげでひとまず捕らえられた。
GM:日が沈む。
GM:百鬼が集うハロウィンの夜は、ようやく始まろうとしていた。


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GM:今回のEロイスはふたつ。
GM:紗理羅の《Eロイス:孤独の叫び》《Eロイス:怯えのまなざし》
GM:加えて慰石の欠片が1個
GM:計3d10振ることができます。
天元あたり:ふりま~す!
栗生 賢人:イエス、振ります!
天元あたり:123-3d10
DoubleCross : (123-3D10) → 123-15[8,4,3] → 108

栗生 賢人:133-3d10
DoubleCross : (133-3D10) → 133-11[6,2,3] → 122

緋乃凍花:振るんちゅ。
交野 静理:振りましょう。
栗生 賢人:メジャー分下がった。
交野 静理:120-3d10
DoubleCross : (120-3D10) → 120-13[8,4,1] → 107

緋乃凍花:120-3d10
DoubleCross : (120-3D10) → 120-17[2,8,7] → 103

GM:あとはロイス分どうぞ!
交野 静理:107-5d10 等倍
DoubleCross : (107-5D10) → 107-38[9,7,9,4,9] → 69

栗生 賢人:ロイスは5つ!期待値で戻って来れるけど、怖いので2倍振りで…!
天元あたり:交野静理/○友情/安心して、沈むときはみんな一緒だよ で取得して
栗生 賢人:122-10d10
DoubleCross : (122-10D10) → 122-58[1,10,10,7,1,9,1,3,7,9] → 64

交野 静理:ぎりぎり4点!
緋乃凍花:ロイスは天元さんのおかげで6個フル。等倍!
緋乃凍花:103-6d10
DoubleCross : (103-6D10) → 103-22[2,4,3,8,4,1] → 81

栗生 賢人:出目が!極端!!
栗生 賢人:3点で帰還です。
緋乃凍花:5点!
天元あたり:108-5d10 等倍
DoubleCross : (108-5D10) → 108-26[1,9,4,10,2] → 82

天元あたり:5点!
GM:全員帰還ですね!
GM:おめでとうございます! おかえりなさい!
天元あたり:わいわい!!
GM:経験点配布はさくっとやりますが、後でほめタイムは設けたいなーという気持ちです。
交野 静理:やったー
栗生 賢人:わーい!
緋乃凍花:ワオワオ!
GM:いつもの5点、シナリオ5点、Eロイス2点で計12点かな。
天元あたり:17点!
GM:侵蝕分を足してくださいませ!
緋乃凍花:17点。もぐもぐ……
交野 静理:16点ぱくぱく
栗生 賢人:15点!ウマーイ
GM:えーと、では
GM:GMは22点もらえるのかな?
GM:そういうことにします。みなさんどうぞー
緋乃凍花:イエース。
栗生 賢人:(もぐー)
GM:ではお疲れ様でした!
天元あたり:あ、忘れてた。帰還が確定したらタイマーストップとなります。
GM:大切なこと
緋乃凍花:GABAさ……
天元あたり:完走した感想!楽しかった~~
栗生 賢人:チャート完遂!
GM:お疲れ様でしたーー エンディングもね!
交野 静理:完走~
GM:歓送しましょうね
GM:あっ誰かなんか言って
GM:これで締めるのすごいなんか つらい
交野 静理:ふふふ GMもお疲れ様でした!
天元あたり:お後がよろしいようで
GM:いえーい、お疲れ様でしたー!
栗生 賢人:どっとはらい


マスターシーン6


GM:あなたたちの捕獲作戦が無事終わった直後。
偏福:「……はー、一時はどうなることかと……」
偏福:まだふらついているが、蝙蝠たちを取り戻して、だいぶ顔色が良くなってきている。
偏福:休養は必要だが、いずれ調子を取り戻すことはできるだろう。
GM:そこに、足音がひとつ。
偏福:「……ん」
花鶏 純:「もう、大丈夫?」
偏福:あの時の声だ、と思った。
偏福:「……ぼくら」
偏福:「あなたに、お礼を言わなきゃならなかったんだ」
偏福:「覚えてないかもしれないが。以前、助けられた」
偏福:「今回もか。ぼくらをかき集めてくれて、本当に……」
花鶏 純:しゃがみ込んで、少年の頬を両手で挟む。
偏福:「ぷえ」
花鶏 純:「バカなことして。本当に、本当に……」
花鶏 純:「……良かった」
花鶏 純:「あなたは何も知らないと思うけど、お礼を言うのはこっちもなの」
花鶏 純:「今度こそ、助けさせてくれて、ありがとう」
花鶏 純:「あなた、弟に似てる。それだけ」
偏福:「…………」
偏福:声に、湿っぽい何かが滲んでいるのは、なんとなくわかった。
偏福:「……もう、しません」
花鶏 純:「うん。でも、いつか許しが出たらまた遊びにおいで」
花鶏 純:「紅茶くらいは出すからさ」
花鶏 純:「弟の話、すると思うから。その時は弟じゃないあなたの話も、聞かせてね」
偏福:「ぼくらの話。時間が足りるかな」
偏福:「いっぱいいるから……」
花鶏 純:「大変。長い長い雨宿りになりそう!」
花鶏 純:朗らかに笑って、立ち上がる。
花鶏 純:「おかえり」
花鶏 純:それは、今はもう居ない人に向けた言葉ではなく。
花鶏 純:目の前に確かに存在する、奇妙な群体の少年に投げかけられたもので。
花鶏 純:(……うん)
花鶏 純:(……それでも、あたしは、ずっとずっと、これを言いたかったんだ)
花鶏 純:(あたし自身の言葉として)
偏福:「……えと、ただいま?」
偏福:まだ様子が覚束ない少年は、首を傾げてそう言う。
GM:夕日は沈みかけ、西の空に燃えるような色を残すのみ。
GM:物は輪郭を失い、ゆっくりと影に溶けていく時間。
GM:光ではなく、音で物を見る少年には、人の表情を図るほどの繊細な視力は備わっていないが……。
GM:大事な恩人が、晴れ晴れと笑ってくれたことだけは、よくわかった。


エンディング1 天元あたり


【天弓山・宛無御殿】

GM:山中にある、大きな御殿は今日もあやしたちで賑わっている。
GM:中でも、使い切れないくらいに広い座敷の片隅では、主と若いあやしたちが遊戯に興じていた。
天元あたり:「うぉーっ!よし決まった、画面端吸い込みからの道連れ!!」
アテナシ:「ぐぬぬ、リカバーは効かぬか……!」
天元あたり:そこには、ガチャガチャとコントローラーを鳴らしながら画面に熱い視線を送る天元あたりの姿。
アテナシ:横には、やはりコントローラーを握って熱中をしている主がいる。
天元あたり:無事に任務を果たしたということで、約束通り対戦をやらせてもらっている。数字が増えると吹っ飛ぶやつ。
偏福:「ほんとだ、数字が増えると吹っ飛ぶのだな」
偏福:後ろで見学をしている。画面はなんとなく見える。
偏福:まだ本調子ではないものの、娯楽を楽しめる程度には元気を取り戻した。
天元あたり:「ふふん、これでまた勝ち越しだ。次は何やろっかなぁ~~」
天元あたり:「そうそう。SKRIさん御墨付きのみんなで楽しめるパーティーゲームなんだぜ」
偏福:「おおー、お墨付きとは」
天元あたり:「偏福も調子戻ったらやろうね」
偏福:「うん、画面に近付けばちゃんと見えそうだ」
天元あたり:「離れた方がいいんだけど、まぁしょうがないか……」
アテナシ:「……眼鏡でも作ってやろうから、画面からは離れよ」
アテナシ:「本来であれば一日一時間と言われておるが」
アテナシ:「我が特別に許そうぞ。もう少々遊んでゆくがよい」
天元あたり:「(……あやしの視力って落ちるのかなぁ?)」
天元あたり:「あ、それと偏福。今度町に降りる時はちゃんと事情を言ってからだよ」
偏福:「眼鏡かあ……花鶏さんがかけてたのも……」
偏福:「うっ」
偏福:「それは……本当にそう」
偏福:「ちゃんと言わずに出かけて、ぼくらがご迷惑をお掛けしました……」
天元あたり:「そこはしっかり反省するんだよ~。ちゃんと、信頼できる人を見分けられる様になったら、漸く許しが出るんだから」
天元あたり:先輩面して宣っているが、自身も生まれた時に一悶着あったのは内緒だ。
アテナシ:「そなたもいっぱしのあやしらしくなったのう」にっと笑いながら天元さんに。
天元あたり:「えへへ~~」
天元あたり:恥ずかし気にはにかむ。だが、その後少し思うところがあってか。
天元あたり:「……アテナシ様」
アテナシ:「何かな」
天元あたり:「偏福を暴走させた者。あいつは過去にも似たような事件を引き起こしてる」
アテナシ:「……町での話か」
アテナシ:ふむ、と長い指を顎に当てる。
天元あたり:「紗理羅といったかな。黒いドレスの女。放っておくには、ちょっと不安過ぎるんだけど」
アテナシ:「うむ。野良の者ならばともかく……」
天元あたり:「なんせ、狙っているのは明確に"私達"みたいだからね」
アテナシ:「我が庇護下のあやしにまで手を出そうとは、の」
アテナシ:「……こちらからも、何やら探る必要も出てきたかもしれぬな」
天元あたり:「うん。私も何とかして、追い払うなり捕まえたりしたいなぁと思ってる」
アテナシ:目隠しの下で、微かに目を細めるような気配。
天元あたり:「見ての通り、私は若いなりに能力も結構身に付いてきてるしね」
アテナシ:「……全く。いっぱしのあやしになりおって」
アテナシ:「そなたの心意気、認めようぞ」
天元あたり:右手から、緑と白のぶちもようの傘をしたキノコを取り出す。
天元あたり:「おっ」
アテナシ:「よくぞがんばっ……毒々しいの、そのくさびらは……」
天元あたり:「巷では緑の悪魔って呼ばれてるらしいよ」
偏福:「おいしそう……?」鼻をひくひくさせている。
天元あたり:「1UPするよ」
アテナシ:「土管にでも潜る気か?」
天元あたり:「あれ、上手く呼び出せばワープとかできそうだよね」
アテナシ:「これ、天元の。せっかく人の目から隠しておる屋敷ぞ」
アテナシ:「悪用でもされればまた面倒なことになりかねん。止せ止せ」
天元あたり:「そっか、そだね」キノコはしまう。
アテナシ:「そなた、心意気は認めるが……まだまだ子供よ」にっと牙を見せて笑う。
アテナシ:「子供はゲームででも遊んでおくがよい」
アテナシ:「いざという時は……何かと頼むこともあるかも知れぬからのう」
天元あたり:「ん~~」子ども扱いされ、ちょっとばかりむくれる。
アテナシ:「それまでは。楽しく笑って過ごせ」
天元あたり:「分かった。でも、また件の女が出たら呼んでね」
アテナシ:「うむ、気をやっておこうぞ」
天元あたり:「奴は私のうきうきゲームライフを阻害しようとする輩だからね!」
アテナシ:「では、そのうきうきとやらを再開するか?」
天元あたり:一旦、その約束で満足したのだろうか。再びコントローラーを握る。
アテナシ:こちらもコントローラーを手に。
天元あたり:「うん。今度はねむるバーストやってみるよ」
アテナシ:「……ふむ。ではこのやたらと剣の長い者を……」
天元あたり:キャラクターとステージを選び終え、掛け声と共に再び対戦が始まる。
天元あたり:天元あたりは、かつて子供だった者達が遊び、親しみ、忘れ去ったレトロゲーム機の思い出。その残留記憶をオリジンとする。
天元あたり:日進月歩の勢いのもと、ゲームの歴史は目まぐるしく移り変わり。その奔流がまるごとあたりへ注がれ、力を増長させていく。
天元あたり:だが、力の根源となるのはやはり人間だ。
天元あたり:人間とあやしの関係性が崩れ、紡いだ絆が途切れてしまえば、忽ち力を失うだろう。
天元あたり:年若きあたりは、まだそれを感覚でしか理解していない。
天元あたり:だが、少なくとも道を違えることはないだろう。人間にとっての良き"隣人"として、彼、または彼女は。少しずつ成長していくのだが……
天元あたり:それはまた別のお話。今は、ただただゲームに興ずるだけで満足する天元あたりだった。
天元あたり:「当たり判定届かないんだけど!!剣士ずるい!!」


エンディング2 交野 静理


【雨宿町・新市街 バス停】

GM:雨の多いこの町だ。
GM:ハロウィンの期間の晴天はどこへやら、今日もしとしとと秋雨が降る。
GM:徐々に冬の匂いと冷たさを漂わせるようになったその雨の中。
GM:一生懸命に走る小さな影がひとつ。
真庭 常樹:「うわーっ、濡れる濡れる!」
真庭 常樹:やがて、屋根のあるバス停を見つけて、ほっとした顔で滑り込む。
真庭 常樹:「はー、よかった。ちょっと一休み……」
交野 静理:ベンチに座っていた少女が、本から視線を上げる。栞を挟んで、ぱたんと閉じて。
交野 静理:「あ、常樹くん。奇遇だね」
真庭 常樹:「あれっ」
真庭 常樹:「静理ねえちゃんだ!」
交野 静理:「また降られちゃったね」
真庭 常樹:「なんか前と逆みたい!」
真庭 常樹:「前はさ、おれがこっちに座ってたよな」どすん、と遠慮なく腰かける。
真庭 常樹:「そんで、えーと……なんか話した。なんだっけ」
交野 静理:「そうだね、逆になっちゃった」 ほんの少し座っている位置をずらして、ランドセルを置けるスペースを作って。
真庭 常樹:「あのさ、ハロウィンの時も、静理ねえちゃんに会った……よな」
真庭 常樹:少し不安げな口調。
交野 静理:「うん、会ったね」
真庭 常樹:「そう! あん時おれ、熱が39度とかあったんだって!」
交野 静理:彼は──色々と、"見てはいけない"ものを見てしまった。だから、当然、記憶処理は行われているのだろう。
真庭 常樹:「帰ってからめっちゃ寝て、だからあの辺、ちょっとぼーっとしてんの」
交野 静理:……それを、確かに見せ付けられるようで。ほんの少し、胸がきゅうと痛む。
真庭 常樹:「静理ねえちゃんとか、あとうちのねえちゃんにいろいろ話してもらったのは覚えてるけど」
交野 静理:「もしかして、こないだ雨に遭っちゃったからかな。それで、身体冷えちゃったのかも」
交野 静理:「うんうん」
真庭 常樹:「雨めー!」空中にパンチを繰り出す。
真庭 常樹:「もったいないじゃんね。ちゃんと覚えてないの!」
交野 静理:「そうだね……」
真庭 常樹:「あ、あのさ、でも、ちょこちょこっとは覚えてるよ」
交野 静理:「へえ、どんなこと?」
真庭 常樹:「ポテト一緒に食った! 食物トークンの話してー」
交野 静理:「うんうん、あれ、美味しかったもんね」
交野 静理:「ゲームの話、元気いっぱいしてくれるから。熱出てるの、全然気付かなかったよ」
真庭 常樹:「《灼熱の業火》みたいな感じ!」カードゲームの話をしている。
真庭 常樹:「静理ねえちゃんと一緒で楽しかったから、ごー!ってなってた」
交野 静理:「ふふ、良かった」
交野 静理:「そういえば。悠香ちゃんとは、あれから、どう?」
真庭 常樹:「ん? んー……普通かなあ」
真庭 常樹:「あ、でもねえちゃん、なんかよく喋るようになった」
真庭 常樹:「元気そう」
交野 静理:「そっかそっか。部屋に閉じこもったりも、してない?」
真庭 常樹:「たまにしてるけど、入れてーって言ったら入れてくれる」
真庭 常樹:「したらさあ、なんかアイドルのポスター貼ってんの」
交野 静理:「わ。年頃だ」
真庭 常樹:「あれ見られたくなかったのかな……」
交野 静理:「そうかもね。誰かを好きって気持ち、ちょっと恥ずかしかったりするのかも」
交野 静理:「でも、良かった。二人が仲良しなの聞けて」
真庭 常樹:「…………」
真庭 常樹:「あのね」
交野 静理:「ん、なあに?」
真庭 常樹:あなたにそっと耳打ちする。
真庭 常樹:「秘密の秘密」
交野 静理:「うんうん」 小声で返す。
真庭 常樹:「んーと、夢でね。ねえちゃんが誰かに酷いことされるのを見たんだ」
真庭 常樹:「お前は悪だからだめ!って」
交野 静理:「……そっか。それで、どうなったの?」
真庭 常樹:「うん、おれね、突っ込んでって、伝説のアーティファクトでそいつらボコボコにして」
真庭 常樹:「ねえちゃんの手、引っ張って逃げた!」
交野 静理:「わ、すごい」
交野 静理:「常樹くん、ヒーローみたいだね」
真庭 常樹:「えへん」
真庭 常樹:「だってさ、悪でもねえちゃんだし」
真庭 常樹:「ねえちゃんが悪なのも、やっぱりおかしい!」
交野 静理:「……うん、そうだね」
交野 静理:「常樹くんが味方になってくれて、悠香ちゃんもきっと、心強いよ」
真庭 常樹:「ほんとにそんなことあったら、もしかしたらすげー怖いのかもだけど」
真庭 常樹:「でも、できたらいいな」
真庭 常樹:「静理ねえちゃんも!」
真庭 常樹:「いじめられたら言うんだぞ」
真庭 常樹:小さな肩をいからせて、胸を張っている。
交野 静理:「ふふ。私の味方にもなってくれるの?」
真庭 常樹:「なる!」
交野 静理:膝に置いた本に添えた手に、きゅ、と力が籠もる。
交野 静理:「……ありがとう。とっても、嬉しいよ」
真庭 常樹:「へへー」にっ、と無邪気に笑う。
真庭 常樹:「おれ、いいもん……というか、んーと」
真庭 常樹:「おれが大事!って思った奴の味方するの」
交野 静理:眩しそうに、目を細める。
真庭 常樹:「そうする! 正義の騎士団なんだよ」
交野 静理:「そうだね……自分の中の、正義」
交野 静理:「みんながどういう風に言っても、自分が大事だって思う人を、守れる。そんな人は」
交野 静理:「……ものすごく、格好いいと思うな」
真庭 常樹:「ほんと? やったあ!」
交野 静理:ひたむきに、純粋にそうはっきりと言える少年の瞳は、とても綺麗だった。
交野 静理:雨上がりの空のように、澄んでいて、美しい。
交野 静理:──そんな彼が、日常と非日常の狭間にいる少女の味方をする、と声高く宣言してくれることは。何よりも、嬉しいことだった。
交野 静理:「……あ、そうだ」
真庭 常樹:「んー?」
真庭 常樹:脚をぷらぷらさせている。
交野 静理:リュックを開き、中から包を取り出す。「長いこと借りたままになってて、ごめんね」
真庭 常樹:「あーっ!」
真庭 常樹:「おれも忘れてた!」
交野 静理:「ありがとう。お陰で、本も濡れずに済んだし、助かっちゃいました」
真庭 常樹:「どういたしました!」
真庭 常樹:包みを受け取る。
交野 静理:「中に、お礼のお菓子を一緒に入れてるから。良かったら、悠香ちゃんと一緒にどうぞ」
真庭 常樹:「すげー、大人だ!」
交野 静理:「そうかな」 くすくす笑う。
交野 静理:「……ねえ、常樹くん」
真庭 常樹:「ん?」
交野 静理:「悠香ちゃんが大人になっても。それから、常樹くんが大人になっても」
交野 静理:「ずっと、味方でいてあげてね」
真庭 常樹:「…………」
真庭 常樹:その、遠い未来のことを思うように、少し上を向く。
真庭 常樹:ひっくり返りそうなくらいに見上げて、そうして。
真庭 常樹:「うん!」
交野 静理:「いいお返事」
真庭 常樹:「あのさ、今お菓子もらっちゃったじゃん」
交野 静理:「うん」
真庭 常樹:「トリートのやつ! ハロウィンの!」
真庭 常樹:「だから、いたずらはなしなんだよ」
真庭 常樹:「本気の本気で、おれ、味方するから」
真庭 常樹:「絶対!」
交野 静理:「…………」
真庭 常樹:その言葉の重みを、少年は本当には知らない。
交野 静理:少年の真剣な声に、微笑みも忘れて、数瞬。瞬きを繰り返して。
真庭 常樹:だからこそ、すぐに口に出せた。
交野 静理:「……うん、うん」
交野 静理:「ありがとう。じゃあ──はい」
交野 静理:細い小指を差し出す。
交野 静理:「『約束のおまじない』」
真庭 常樹:「わ、《小さな誓い》だ」カードゲームの話をしている。
真庭 常樹:「……おれ、すげー好きなカード」
真庭 常樹:小指を差し出す。
交野 静理:細い指と、ところどころ擦り傷の残る小さな指が、絡み合う。
真庭 常樹:「シルヴィアとレナードは、種族は違うけど、家族なの」
真庭 常樹:「そんで、小さいときに約束したの。そういうカード」
交野 静理:「……いいお話だね」
交野 静理:指切りの形だけ。針千本呑ます罰の話は、しない。
真庭 常樹:「うん。いろいろあって離ればなれになっちゃうけど……」
真庭 常樹:「『きっと助けに来る』って約束がね、えーと、3シリーズ越しくらいにね」
交野 静理:「やきもきしちゃうね」
真庭 常樹:楽しげに、大好きなゲームの話をしながら、指切りを。
交野 静理:少しだけ体温の高い指越しに、彼の優しさが伝わって。それだけで、十分だった。
交野 静理:幾度か指が絡んだまま上下に揺れて、どちらともなく離れていく。
交野 静理:「……今度ね、良かったら。良い魔女が出てくる本を教えるよ」
真庭 常樹:「あ、読みたい!」
交野 静理:「人間の傍にいて、良き隣人として。正体を隠しながらも、一緒に町で生きてる」
交野 静理:「そういうお話があるの」
真庭 常樹:魔女の話もなんとなくおぼろげで、今日はしていなかったのだけれど。
真庭 常樹:それでも、いいな、と思った。
真庭 常樹:それは、覚えていた。
交野 静理:きっと、朧気なのだろう、と思いながら。
交野 静理:忘れてしまっていても、伝わるものがあると信じて。
交野 静理:「……あ、雨。上がったね」
真庭 常樹:「ほんとだ!」
真庭 常樹:とん、とベンチから飛び降りる。
交野 静理:「ばいばい。まだ水溜りいっぱいあるし、気を付けて帰ってね」
真庭 常樹:「全部ジャンプするゲームするー!」
真庭 常樹:ランドセルを背負って、渡された包みを持って。
交野 静理:こちらも、本をリュックにしまって、立ち上がる。
真庭 常樹:去ろうとして、振り返る。
真庭 常樹:「でも、雨降ってよかった!」
交野 静理:「私も、良かった」
真庭 常樹:「静理ねえちゃんと話せたもんね」
交野 静理:「常樹くんと話せたからね」
真庭 常樹:ひひ、と歯を見せて笑う。
交野 静理:重なるように、言って。唇が弧を描く。
交野 静理:雨上がりの空の下、少年が元気よく駆けていく。その背を、感慨深そうに、小さくなるまで見送っていた。
交野 静理:あの背中は、どんどん大きくなるのだろう。いずれ、姉や、私の背をも追い越して。
交野 静理:その頃には、幼い頃に交わした約束など、忘れてしまっているかもしれない。
交野 静理:それでもいい、と思った。
交野 静理:きっと、彼は素敵な青年に、そして大人になっていくのだろう。
交野 静理:約束は忘れても。その、真っ直ぐな気持ちは、そのまま彼の中に在り続けるだろうから。
交野 静理:「常樹くんはきっと、ヒーローになれるね」
交野 静理:「……ううん。もう、なってるか」
交野 静理:小さな体に残った、まだ癒えきらない傷痕は、彼がヒーローであったことの、何よりの証だから。
交野 静理:そして、そんな彼を、『良き隣人』が護ってくれたことも、また確かなのだから。
交野 静理:(……帰ろう)
交野 静理:私の、"日常"へ。

エンディング3 栗生 賢人


【雨宿町・ブティック『アトリエ・アトリ』】あるいは【UGN雨宿支部・装備部】

GM:ハロウィンの飾り付けは片付けられた店内だが、相変わらず蝙蝠の装飾はちらほら置いてある。
GM:あなたの前には、いつも通り、紙コップに淹れられた紅茶。
花鶏 純:「はい、お疲れ様でした」
栗生 賢人:「お疲れ様でした。これはお礼の気持ち……って言うにはお手軽すぎるけれど」
栗生 賢人:そして、紙コップの隣。互いに一つずつ、皿の上にはチョコレートケーキ。
花鶏 純:「おやつの時間にはちょうどって感じね。ありがとう」
栗生 賢人:「よく行く喫茶店のやつでね。ほんとはカフェオレが一番合うんだけど」
栗生 賢人:そう言ってケーキをひとくち。そして、砂糖もミルクも入れない紅茶を──
花鶏 純:「そうなの? うちだとあんまりコーヒー淹れないけど、試してみよっかな」
栗生 賢人:「……いいや、その必要はないかな。思ったとおり、この組み合わせもいい」
花鶏 純:フォークでケーキをさくりと一口。
花鶏 純:「ん、美味しいー。昔ながらの味だ」
栗生 賢人:「この町らしい……って言ってしまっていいのかな。なんというか……うん」
栗生 賢人:「帰ってくる場所。いつか落ち着くべき場所。そんな場所の味、か」
花鶏 純:「いい言い方をすれば、レトロだよねえ」紅茶を飲んで笑う。
花鶏 純:「……昔、弟とこういうの、食べたな」
栗生 賢人:「若い子らにとっちゃ、ちょっと退屈かもしれませんがね」
花鶏 純:「まあねえ。この辺、高校があるからまだ若い子たちも居るけど」
花鶏 純:「大体みんな、服買いには市内に行っちゃうしね」
花鶏 純:「うちも頑張んないと」
花鶏 純:「あ、ていうか、そういうの良くないよ。栗生くん。若いでしょ!」
花鶏 純:「君が若くないとあたしも自動的に年寄りよ。気をつけて!」
花鶏 純:冗談めかして言う。
栗生 賢人:「こりゃあ失礼。……まあ、その通りだ。お互い、まだまだ年寄りには程遠い」
栗生 賢人:「……いない誰かのことを綺麗さっぱり忘れるには、もうちょいと年を重ねなきゃならない」
栗生 賢人:──ふと零れた思い出話の一端。それをそうっと拾い上げるような声。
花鶏 純:「反対に……いない誰かのことばっかり考えてるのにも、早すぎるのよ」
花鶏 純:「今回はね、ちょっと、だいぶ……いろいろ思い出しちゃったけど」
花鶏 純:店のマークの蝙蝠を見る。リボンをつけた、男の子という蝙蝠。
栗生 賢人:「うん。だからね、子供らの前じゃあ僕らは大人でいなきゃならないけれど──」
栗生 賢人:「──いいんじゃないですか。たまには、大人でも子供でもない、半端な人間になったって」
花鶏 純:「まあね……」
花鶏 純:紙コップのお茶。飾られた店内。甘いチョコレートケーキ。
栗生 賢人:「ハロウィンってのは、そういうお祭りでしょう。あの世とこの世が曖昧になるんだ、人ひとりがちょっとくらい揺れたって」
栗生 賢人:「誰も。きっと、神様だって何も言いやしません」
花鶏 純:店は一応開いているが、こうして、こっそりとお茶をしている。
花鶏 純:授業中に、友達と笑いながら飴でも舐めていた時のように。
花鶏 純:「……うん」
花鶏 純:あの頃は、弟がいて、オーヴァードでもなくて、悩みなんてなかったような……。
花鶏 純:「……大人でも子供でもなくたって、悩みはあるもんだけどね」
花鶏 純:「だけど、今回、みんなが居てくれたでしょう」
花鶏 純:「栗生くんも、あたしの話を聞いてくれた」
花鶏 純:「おかげであたしは、人生で一番の後悔を、もう一度繰り返さなくて済んだの」
花鶏 純:「そこはやっぱり、お礼を言わなきゃね。ありがと」
栗生 賢人:「……人生で一番の心残り、か」
栗生 賢人:礼の言葉に応える前に、微かな声でそう零して。
栗生 賢人:「──どういたしまして。その後悔が、花鶏さんの──そして、花鶏さんの周りの誰かが前に進むことに繋がっているなら」
栗生 賢人:「……それは、やっぱり。忘れてはいけないものだ。さっき、綺麗さっぱりって言ったばかりだけどね」
栗生 賢人:ばつが悪そうに、苦味の強い笑みを浮かべる。
花鶏 純:「ちょっとくらい揺れたっていいんでしょ?」
花鶏 純:ケーキを軽く崩して、また一口。
栗生 賢人:「……ううん。聞き手としちゃあ、やっぱりまだまだ花鶏さんの方が上か」
栗生 賢人:参った、とばかりに息を吐いて。まだ暖かい紅茶を、ひとくち。
花鶏 純:「なあに、オリンピックでも開くわけでもなし」笑う。
花鶏 純:「あたしは、栗生くんに聞いてもらえて良かったって思ってるって」
栗生 賢人:「身に余る光栄ですよ、そりゃあ」
栗生 賢人:ありがとう、と彼女のように正面から伝えることは、少し恥ずかしくて。もう一口、紅茶を口にしてごまかす。
花鶏 純:「……エージェントは、みんなの代理人、って話をしたよね」
花鶏 純:「あの時、あたしもあたしのために動いてたけど」
花鶏 純:「栗生くんたちも、やっぱりあたしや、町の人たちのために戦ってくれてた」
花鶏 純:「だから、君はあたしのエージェント。他のみんなもだけどね」
花鶏 純:少し照れくさそうに笑って、あなたの反応を待つ。
栗生 賢人:「……エージェント。誰かの代わりに戦う人、か」
栗生 賢人:「──そういやあ、ハロウィンの日に言ったかな。今度は僕の昔話に付き合ってもらう、とかなんとか」
花鶏 純:「ん、そうだった。聞き手の腕を見せなきゃ」
栗生 賢人:「……ちょっと、思い出したことがあってね。とある新人エージェントの失敗談、ってやつだ」
栗生 賢人:──そうして、どこかの誰かの話として語り出すのは、本当によくある失敗談。
栗生 賢人:今から数年前。その時点で、過去に行われた事業の、予算執行状況の監査。それを命じられた、ひとりの新人の話。
栗生 賢人:遺族への補償に充てられるべき予算の、目的外流用。その新人は、添えられた資料を見て、それは良きこと、誰かのためになることとして見逃した。
栗生 賢人:──事の善悪は別として。それは、見逃すべきではなかった。理由を問い、事実を確認し、はっきりと「是」という結論を付するべきだった。
栗生 賢人:結果、それを見逃した新人は上司に叱責され、何が正しいのかわからなくなって、不貞腐れて──
栗生 賢人:「……その事業が何処で行われたものなのかは、監査人には分からない。公平性のため、そういう仕組みになっててね」
花鶏 純:フォークを置いて、じっと耳を傾けている。
栗生 賢人:「だからせめて、関わった人が幸福であって欲しい。その新人は、とある地方に左遷されるまでの数年間、それだけを想っていたんだそうだ」
栗生 賢人:──語り自体はそう長いものではない。紙コップの中の紅茶が、まだ温もりを保てているくらいのもの。
花鶏 純:「……なるほど、ねえ」
花鶏 純:とある、の詳細を問いただすような真似は当然、する気はない。
栗生 賢人:──語った方も、何かの答えを期待したわけではない。本当に、ただ聞いてもらうだけの話。そのつもり、だった。
花鶏 純:どこかで心当たりのあるような話も、実際のところはわからない。
花鶏 純:「今は違うの?」
花鶏 純:「今はそれだけ、じゃなくなったなら、少しはいいなって思う」
花鶏 純:「ひとつのことを想い続けるのは、どんな想いでも、苦しいもの」
栗生 賢人:「今は……そうだな。少しだけ肩の荷が下りた気分になれたのと──」
栗生 賢人:「……何かを想うなら、今までのこととこれから先のこと。半分ずつがいい」
栗生 賢人:「そうすれば、悲しいことは半分。楽しいことは……これから先、どれくらい起こるか分からないからね。実質的に、無限大だ」
花鶏 純:「いいな、それ。あたしもそうしよっかな」
花鶏 純:くすりと笑って。
花鶏 純:「何が正しいとかってねー、全然わかんないし」
花鶏 純:「何がどうなるかもわかんないし」
花鶏 純:「でもあたし、今、あたしの周りの世界が好きだから。それは」
花鶏 純:「多分、あたしも、あたしの周りも、それ以外の一見関係ないような人たちも」
花鶏 純:「みんながいいようにしようってしてくれたからだと思ってるよ」
栗生 賢人:「……あの姉弟たちもね。これから先、どうしていくのかは本人たち次第だけれど──」
花鶏 純:「……うん」
栗生 賢人:「あの子らの周りには、世界がある。僕らがいる。何より……互いが、互いを大事に想っている」
花鶏 純:「うん」
栗生 賢人:──そんな二人に。蝙蝠になって消えたという少年と、彼の思いを受け継いだ女性を。認識(こころ)の中で重ねて。
栗生 賢人:「だから、大丈夫だ。……なぁに、なんともならなさそうなら、それこそ僕らの出番ってわけだ」
栗生 賢人:「それが、エージェントのお仕事でしょう」
花鶏 純:「その通り」
花鶏 純:最後のケーキを一口。弟はショートケーキの方が好きだったことを思い出し。
花鶏 純:それももう、ただただ辛いだけの記憶ではなくなっていることにも気付く。
栗生 賢人:──こちらも最後のひとくち。穏やかな時間が終わるのを惜しむように、ゆっくりと口の中で甘味を溶かしてゆく。
栗生 賢人:舌の上に残った甘味を、少しぬるくなった紅茶で流して。それじゃあこれで、と立ち上がりかけて──
栗生 賢人:かつん、かつん、と。小さな何かが窓を小突く音に気付く。
栗生 賢人:対面の女性と首肯を交わし、窓に歩み寄って、そうっと開く。風が吹き込むよりも素早く店内に飛び込んできたのは──
栗生 賢人:「──蝙蝠だ」
栗生 賢人:せわし気に店内を飛び回ったそれは、同じ姿のぬいぐるみの横にぶら下がったり、あちこちさ迷った末に。
栗生 賢人:ちょこん、と。空になった皿の横、店主が座る前に降り立つ。
花鶏 純:「……あらま」
栗生 賢人:──歓迎の意を示す言葉が、口を突いて出そうになったけれど。少年少女の来訪に自分が言葉を返したのは、ここが臨時警備本部でもあったからで。
栗生 賢人:今は違う。UGN雨宿支部の整備部でもあるここは、それ以前に──
花鶏 純:お、で始まる挨拶を出しかけて、止める。
花鶏 純:「……いらっしゃい」
花鶏 純:今までのこととこれから先のこと。半分ずつ。ならば、きっとこうだろう。
花鶏 純:「『アトリエ・アトリ』へ、ようこそ!」
GM:窓の外は、ぽつぽつと小雨が降っているようだった。
GM:それでも、雨宿りの屋根と、蝙蝠傘を差して。
GM:あなたたちの暖かなひとときは、守られる。


エンディング4 緋乃 凍花


【雨宿町・並木道】

GM:今回、真庭常樹は記憶処理の処分となり、真庭悠香は能力の使用について注意を受ける、そういう結果となった。
GM:とはいえ、事態を未然に防いだこともあり、そう厳重な処分というわけでもない。
GM:様々な手続きを終え、あなたと真庭悠香は帰路を辿っていた。
真庭 悠香:「……本当に、お世話になりました……」
真庭 悠香:いろいろと難しい話などをされ、少々萎んでいるようだが、いずれ回復するだろう。
緋乃凍花:「改まって礼を言われることじゃない。おれはそんな大したこと、してないしな」
緋乃凍花:したことと言えば、彼女の話を聞いて、自分の身の上を話した。
緋乃凍花:それくらいだ。
真庭 悠香:「そんなことないですよ!」
真庭 悠香:「皆さんでいっぱい頑張ってくれたし」
真庭 悠香:「……やっぱり、話をちゃんとできたのが一番、嬉しかったです」
緋乃凍花:「そうか。……常樹君は何か言っていたか?」
真庭 悠香:「『なんか闇の魔王が空にバーッてなる夢見た!』って」
真庭 悠香:「そういうことになったみたいです。……あと」
真庭 悠香:「あれからこっちのことやたらと見てくるの、やめちゃった」
真庭 悠香:安堵が8割、寂しさが2割、という表情。
緋乃凍花:「彼の中で整理はついた……って所か」
緋乃凍花:もしかすると、交野先輩が彼に何か話をしたのかもしれない。
緋乃凍花:……それは、他の誰にも与り知らぬことではある。
緋乃凍花:「……まだちょっと気にしている感じかな」
真庭 悠香:「うーん、そうですね……。忘れちゃったのは、少しさみしい、気もします」
真庭 悠香:「あの、仕方ないのはわかってるし、多分、慣れなくちゃいけないし」
真庭 悠香:「そもそも、わたしがぼんやりしてたせいだし……とも思います」
緋乃凍花:「それはどうかな……」
緋乃凍花:「おれは、こうなって良かったんじゃないかって思ってるよ」
真庭 悠香:「よかった、ですか」
緋乃凍花:「もし、今回のことがなかったら」
緋乃凍花:「今もきっと延々と誤魔化して、疲れ果ててしまっていそうだったろう」
真庭 悠香:「……そう、かも」
真庭 悠香:さくさくと、黄色い落ち葉を踏んで歩く。
緋乃凍花:「まあ、そうならないためにおれがいるんだが」
真庭 悠香:「いつも、いっぱいありがとうございます……」
真庭 悠香:「あの、ほんとに、いっぱいお話聞いてもらえて、お話もしてもらえて」
真庭 悠香:「わたし、緋乃さんがいなかったら、ほんとにダメになってたかも」
緋乃凍花:「だと、いいんだが」
真庭 悠香:「……もしかしたら、緋乃さんには辛いこと言っちゃったかもしれないな、とも思うんです」
緋乃凍花:「? なぜだ?」
真庭 悠香:「あの、お家の話とか、いっぱい大変だったのに」
真庭 悠香:「わたし、自分のことに甘えちゃってて」
緋乃凍花:「それでいいんだ。おれのはもう、六年も前に一度終わったことだよ」
緋乃凍花:「今回大変だったのは真庭の方だろ。だから、それでいいんだ」
緋乃凍花:「おれのした後悔が誰かの後悔を止められたなら、おれがそういう思いをしたことも無駄じゃない」
真庭 悠香:「…………」
緋乃凍花:「……ちゃんと、意味のあることになってる。おれは、嬉しかったよ」
真庭 悠香:「すごいなあ」
真庭 悠香:さく、と落ち葉を軽く蹴る。
真庭 悠香:「わたし、他の人も大変な思いをしてるかもとか、そういうの、これまで想像してなかったんです」
緋乃凍花:「それが普通だよ。誰だって世界の中心は自分だ」
真庭 悠香:「でも、そうじゃない人たちがいて、助けてくれたの」
真庭 悠香:「すごいです。緋乃さんも、交野さんも、栗生さんも、天元さんも」
真庭 悠香:「支部の皆さん、全員」
真庭 悠香:落ち込んでいた顔が、少し力を取り戻している。
緋乃凍花:「何を言っているんだ」
緋乃凍花:「君もその一員だろ」
緋乃凍花:さく。さく。足音が並ぶ。
真庭 悠香:「……っ」軽く目元を拭う。
真庭 悠香:「わたしも、そうなりたい!」
真庭 悠香:「わたしは、忘れたくない!」
真庭 悠香:「一員なら、ずっとそうでいたいです」
真庭 悠香:軽く鼻をぐすぐすとさせているが、泣き出すほどではない。
緋乃凍花:「なら、やっぱりこうなって良かったんだな」
緋乃凍花:「君はもう、そのための一歩を踏み出してる」
真庭 悠香:「……そう、だったらいいな」
真庭 悠香:少し重たい色の空を見上げる。
緋乃凍花:「真庭」
緋乃凍花:さく。落ち葉を踏み締める音が止まる。
真庭 悠香:「……はい」
緋乃凍花:「済まなかった」
真庭 悠香:「えっ?」
真庭 悠香:きょとんとした顔をする。
緋乃凍花:「常樹君に怪我をさせてしまった。もう少しで取り返しがつかなくなる所だった」
真庭 悠香:「そんなの! 一緒にいたのはわたしだし」
真庭 悠香:「怪我も大したことなかったし。あの子よく転ぶんですよ。走るから」
緋乃凍花:「いいや」首を横に振り、
緋乃凍花:「コウモリ騒ぎはこちらの預かりだ。やりようはもっとあった」
緋乃凍花:「穏便に解決しようとして、あの結果になった。だからだ」
真庭 悠香:「…………」
真庭 悠香:「じゃあ、はんぶんこ」
真庭 悠香:「多分、どっちもこっちが!ってなると思うんですよ」
真庭 悠香:「両方、おんなじくらい責任があって、おんなじくらい、良かったね、なの」
緋乃凍花:「それは……そうだな。確かにそうだ」
真庭 悠香:「常樹とも、ケンカになりそうになったらよくそうしてるの」
真庭 悠香:「……無事に帰ってきてくれたから、またはんぶんこができるんです」
真庭 悠香:「何回でも」
緋乃凍花:「ああ、何回でも。いい言葉だ」
緋乃凍花:「そういうことは今度、おれの方から君に相談してもいいかもな」
真庭 悠香:「わたしにですか!」
真庭 悠香:「が、頑張ります……!」
緋乃凍花:「そう構えなくていい。一緒に考えてくれればいい」
緋乃凍花:「なんなら、お茶でも飲みながらだらっと話すくらいでもいい」
緋乃凍花:今回そうしたように。
真庭 悠香:「それならできます!」
緋乃凍花:「心強いな」
真庭 悠香:「……一緒に話すって言いましたからね」
真庭 悠香:「いっぱい考えます! わたしのことも、わたしの周りの人たちのことも」
真庭 悠香:「緋乃さんのことも!」
緋乃凍花:「名前が出て来るとなんかこそばゆいな……」
緋乃凍花:「いや、嬉しいよ。そうしてくれるのも嬉しい」
緋乃凍花:「その上でな、真庭。ありがとう」
緋乃凍花:「今日さっそく、君は一人、救ったよ」
真庭 悠香:「……え」
緋乃凍花:「はんぶんこ、してくれるんだろう?」
真庭 悠香:「は、はい。します!」こくこくと頷く。
緋乃凍花:「それで楽になった人間が一人いる、ということだ」
真庭 悠香:はんぶんこ。いいことも、悪いことも。
真庭 悠香:チョコのプレートを食べるのが自分なら、いちごは弟のもの。
真庭 悠香:そうやって、なんとなくやってきていた。それだけだったのだけど。
真庭 悠香:「……そう、なんだ」
真庭 悠香:「緋乃さんっ、これくらいなら、何回でもです」
真庭 悠香:「わたしにできること、何回でも。何回でも」
真庭 悠香:魔女のおまじないよりもささやかで、オーヴァードの力ほど確かでもなく。
真庭 悠香:でも、僅かにでもできることを見つけた気がしたのだ。
緋乃凍花:「まったく、心強いな。おれも見習おう」
緋乃凍花:分け合えば、楽しいことは倍になり、つらいことは半分になるという。
緋乃凍花:確かにそうかもしれない、と思った。
緋乃凍花:……六年前に一度終わった。
緋乃凍花:それは事実であり、今も心に巣食って時に苛む、そういう過去であった。
緋乃凍花:そんな『つらいこと』を見せた時。彼女は泣いてくれた。
緋乃凍花:申し訳ないと思った。……でも、同時に。
緋乃凍花:それをただ、悲惨な過去のままにせずに、決意に変えてくれた。
緋乃凍花:(まあ、ほいほいと話題に上げるようなことじゃない。それは変わらない)
緋乃凍花:でも。
緋乃凍花:間違いなく、楽になったのだ。
緋乃凍花:(魔法使いか。おまじないもかけてもらったな。……成程、そうかも知れない)
緋乃凍花:善き姉で、善きリトル・ウィッチが、確かにここには居たのだ。
緋乃凍花:そんなことを考えていた時。
緋乃凍花:──ぽつ。
緋乃凍花:──ぽつり。ぽつり。
緋乃凍花:冷たいものが、顔に当たった。
緋乃凍花:「ん?」
真庭 悠香:「……あ」
真庭 悠香:葉が落ちて、広くなった空を見上げる。
緋乃凍花:「降ってきたな……。予報だと夜からだったと思うが」
緋乃凍花:「真庭。傘は持っているか?」
真庭 悠香:「えっと……あっ、置いてきちゃった……!」
真庭 悠香:鞄を見るが、折り畳み傘はない。
緋乃凍花:「じゃあ、これを使うといい」鞄に差していた傘を差し出す。
緋乃凍花:そうして、自分は鞄を頭に載せる。
真庭 悠香:「え、緋乃さんはどうする……」
真庭 悠香:「だ、ダメですよ!」
真庭 悠香:傘を大きく開いて、差し出す。
緋乃凍花:「おれはちょっとくらい濡れたって平気だ。すぐに乾……」
緋乃凍花:「………」
真庭 悠香:「濡れていい人なんていませんー!」
真庭 悠香:「…………」
緋乃凍花:「はんぶんこ、だな」
真庭 悠香:「はんぶんこ、ですね」
真庭 悠香:傘を手渡し、自分も軽く下に入る。
緋乃凍花:一本の蝙蝠傘の下。
緋乃凍花:いよいよ降り始めた雨を弾く音の下、二人分の足音が家路につく。
緋乃凍花:いわゆる相合傘であり、後日このことを級友からからかわれることになるのだが、
緋乃凍花:そのことをまだ、二人は知らない。
緋乃凍花:そんなささやかな雨音も、雨上がりの日差しも、きっとはんぶんこにして子供たちは歩いていく。


GM:某県雫原市・雨宿町。
GM:昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
GM:この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
GM:山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
GM:町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。

GM:お化けと仮装の祭りは終わり、百鬼集う夜も明けた。
GM:人とあやしの入り交じる時は終わり……というわけでもなく。
GM:緩やかに、日常の中にまた紛れ込んでいく。そういうものだ。
GM:秋が更け、冬が近付き、冷たい空気が差し込んでも。
GM:きっと、ひとときの暖かな時間は、消え去ることは、ない。


リプレイ・ドロップ『雨宿町百鬼夜~蝙蝠傘差して~』了