リプレイ・ドロップ
雨宿町後追~稲妻をつかまえて~
その4・やきとり かもめにて


メイン 見学



PC1:"來火=ジェイトーカー"鈴掛 喜一(すずかけ・きいち)キャラシート)PL:さささ
PC2:"橋掛り"御凪 涼(みなぎ・りょう)キャラシート)PL:自動
GM:めかぶ

目次




プリプレイ


GM:では、セッションを初めていきましょう。
GM:まずは自己紹介から!
GM:行動値順にいきましょうか。キャラシを貼るので、お名前とか所属先について教えてね。

GM:まずは鈴掛さんからどうぞ!

キャラシート
鈴掛 喜一:はーい
鈴掛 喜一:"來火=ジェイトーカー"鈴掛喜一です。UGN雨宿支部調査部所属。ガワは26歳!
GM:顔がいいな~
鈴掛 喜一:喜一のだけどね……
鈴掛 喜一:右目に眼帯、カヴァーの便利屋の作業着、普段はなんかヘラヘラしてる感じの若者です。
鈴掛 喜一:実際はDロイス:奇妙な隣人で雷獣というレネビの來火という奴が眼帯の下の義眼に住み着いており、
鈴掛 喜一:本体が休眠中なので三年ほど來火の方が勝手に記憶コピーして身体を動かしてます。中身は3歳!
鈴掛 喜一:いろいろあって石神井さんと涼さんには大変お世話になりました。
御凪 涼:お友達よ
鈴掛 喜一:今は仲良くしてます。今日もよろしくねー。
GM:気にすんなよ~
御凪 涼:よろしくね~
GM:よろしくね~
鈴掛 喜一:ブラックドッグ/ノイマンで、基本的に情報収集特化マンです。
GM:楽しそうな構成
鈴掛 喜一:セットアップでダイスと行動値支援はできるものの、普段の戦闘のメジャーは基本的に行動放棄カバーしかできない存在です。
鈴掛 喜一:今回お役に立てるんですかねー。よろしくお願いします!
GM:行動放棄カバーにもコンボ名ついてるのすごい良いですよね
鈴掛 喜一:なんかつけちゃった……
御凪 涼:わかる
GM:役に立ってもらうぞい。よろしくお願いします~
GM:今回は2人ともハンドアウト共通になるので、自己紹介を順に済ませちゃいましょう

GM:というわけで、続いて涼さん、自己紹介をお願いします~

キャラシート
御凪 涼:はーい!
御凪 涼:御凪涼(みなぎ・りょう)。コードは《橋掛り》。舞踊家。
GM:顔がいいな~
御凪 涼:長い黒髪に痩身、和服姿の男。温和でのんびり屋、浮世離れしてる感じ。
御凪 涼:來火くんとはお友達だよ!
GM:お友達!
鈴掛 喜一:へへ……
御凪 涼:お家の稼業でジャーム殺しの剣舞を学んだはずが、舞踊そのものにめちゃくちゃハマり
御凪 涼:寝食放置レベルで舞ばっかりやってます。
御凪 涼:舞もお家の流派とかけ離れたものに仕上がっており、
御凪 涼:自他の認識の境界を溶かす、いわゆるトランス状態を強制的に発生させるような舞をやります。
御凪 涼:きょうもおどるよ~
GM:寝食の放置と真摯に向き合っていることでお馴染み
GM:おどっておどって~
御凪 涼:シンドロームはハヌマーン/ソラリスの純支援型。
御凪 涼:特徴は、80%越えからは《限界突破》により《夢の雫》をラウンド2回撃てるよ。
GM:すごいよね~
御凪 涼:あとのせさくさく
鈴掛 喜一:さくさく
GM:ぱくぱく
御凪 涼:こんな感じ!
御凪 涼:ぱくぱくはしないが…
GM:はいはい!今日も楽しんでってね!
御凪 涼:はーい!

GM:では、自己紹介が済んだところで、今回のハンドアウトを確認しましょう。
GM:おふたり共通です。こちら!

【共通ハンドアウト】
シナリオロイス:雷獣
あなたたちは、UGN雨宿支部に関わるオーヴァードだ。
今日の仕事は、処理部の手伝い。
先日大発生した雷のRB、『雷獣』が町のあちこちで未だ騒動を起こしているようだ。
あなたたちに与えられた任務は、雷獣を探し出し、無事捕獲すること。
張り切ってやってみよう。


GM:というわけで、いつものやつです
御凪 涼:はりきりのりょう
GM:えらいぞ
GM:お二人とも戦闘能力ないですが、その点はどうにかなるようにシナリオを組んだので
GM:「まあどうにかなるっしょ」という気持ちでOPからいてください
御凪 涼:やった~
鈴掛 喜一:わおわお
GM:では、そんな感じで!やっていきましょい

GM:さらに、ここでミドルシーンでの行き先をチャートで決めちゃいましょうか。
GM:チャートを貼りますね

1 駅前・カラオケボックス『キャロル』
2 新市街・マンション『ピニオン雨宿』
3 駅前・焼鳥屋『やきとり かもめ』
4 旧市街・旅館『雁ヶ音』
5 町役場近辺・公共施設『雨宿わくわくホール』
6 商店街・電気店『ヒライデンキ』
7 商店街・和菓子屋『朽葉』
8 駅前・ファミリーレストラン『サエズリヤ』
9 公園『いわとび中央公園』
10 新市街・スーパー『サンワトリー』


GM:ダイスで決めてもいいし、チョイスしても大丈夫です。
御凪 涼:お世話になってるわくわくホールもあるな
鈴掛 喜一:わくわく
御凪 涼:ダイスでどうかしらんとなっています
鈴掛 喜一:います!
御凪 涼:行先決まってないのこいつらぽい
GM:ぽい
GM:じゃあそうだなあ 來火くん、地味にPCデビューですし
GM:ダイス振ってみたらいかがでしょう
鈴掛 喜一:そういえば純粋にはそうですね!
御凪 涼:振って~!
鈴掛 喜一:やりまーす
GM:どうぞ~
鈴掛 喜一:1d10
DoubleCross : (1D10) → 3

御凪 涼:やきとり!
GM:3 駅前・焼鳥屋『やきとり かもめ』
鈴掛 喜一:やきとりだ
GM:いかがかしら?
御凪 涼:呑みにいくって言ってたとこだ!
鈴掛 喜一:たまに行くとこ!
御凪 涼:ついていく
鈴掛 喜一:こちらはいいと思います
御凪 涼:どこでもついていくよ
GM:たまに行くよね
GM:じゃあここにしましょ~
鈴掛 喜一:つくねが美味いよ
御凪 涼:みちびかれる
GM:では行き先も決まりましたので、最後にトレーラーを流し、気分を盛り上げて本編に入っていきます。

GM:某県雫原市・雨宿町。
 昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
 山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
 町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。


 今回は、後始末の物語。
 大事件の後も、全てが綺麗に片付くことなどなかなかない。
そんな中で動いている、小さな、しかし大事な仕事の物語だ。

 事件の後の始末、というのが俺ら処理部の仕事です。
 全部済んだ後だから何もないはず、なんてことは全然なくて……。
 大抵は、別の小規模な事件に巻き込まれるばっかりで。はあ。
え、嫌な仕事かって言うと……そんなこともないですね。
 面倒の種を先に摘める、えーと、やりがいのある職場です。
ほら、例えばこんな風に、ちっちゃな雷を見つけたりして。
ダブルクロス The 3rd Edition『リプレイ・ドロップ 雨宿町後追〜稲妻をつかまえて〜』

あの、べ、別に言わされて言ってるわけではないですからね!
ほんとですよ!



GM:友情出演:戸神くん
GM:では、やっていこう!よろしくお願いします~
御凪 涼:よろしくお願いしますっ
鈴掛 喜一:よろしくお願いします!


オープニング


GM:侵蝕率を上げて登場してね。
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (33 → 36)
鈴掛 喜一:鈴掛 喜一の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (31 → 35)
GM:はいはい!
GM:じゃあちょっとはじまりのナレーションを流すので、見ていてね~。

GM:ここは某県雫原市・雨宿町。
GM:UGN雨宿支部では先日、"破多々"という名の強力なジャームとの交戦が行われていました。
GM:当該ジャームは無事対処されましたが、使役されていた『雷獣』と呼ばれるRBは町に残っています。
GM:なにかと騒ぎの中心になりやすい彼らを、支部はまとめて捕獲し、どうにか保護や指導をしていくことに決定。
GM:そのための人員として呼ばれたのが、あなたたちおふたりです。


【雨宿町・『(株)ピカピカ』・社内】

GM:ここは町の便利屋。支部の一部機能を担っている。
GM:その小さなオフィス内に、眼帯の青年と和装の青年が、ふたり。
御凪 涼:「焼き鳥」
御凪 涼:「……行ったことがないな、そういえば」
鈴掛 喜一:「焼き鳥すね」
鈴掛 喜一:「ないんだ!?」
鈴掛 喜一:眼帯の青年があからさまに驚いた顔をする。
御凪 涼:「ない。そういうのって、それこそ飲み会とかに使うらしいね」
鈴掛 喜一:「逆に涼さん、どこなら行ったことあるんすか……?」
御凪 涼:「……そこの、わくわくホールとか」
鈴掛 喜一:「飲みにはたまに行きますよ。煙いけど、駅前だと美味い方」
御凪 涼:「あと大きい方の中央公園とか」
鈴掛 喜一:「わくわくホールと公園は……店じゃない……」
御凪 涼:「でも、じゃあ余計にいいね」
御凪 涼:「來火くんに焼き鳥の作法を教えてもらえる」
鈴掛 喜一:「焼き鳥に作法、あったかな……?」
鈴掛 喜一:「あー。食べ終わった串は串立てがあるから、そこにポイってするとか」
御凪 涼:「へえ」
鈴掛 喜一:「あ、あとあれです。あそこの店はタレより塩が美味いの」
御凪 涼:「塩…私が前に見たのはどっちだったんだろう」
御凪 涼:考えている。
鈴掛 喜一:「見た?」
御凪 涼:「食べたかな…兄さんが食べているのを見たけど」
鈴掛 喜一:「こう、茶色いのがかかってたらタレじゃないかな……」
鈴掛 喜一:「涼さん全然食べないんだもんな」
御凪 涼:「……でも、それなら食べてみようかな」
鈴掛 喜一:「あ、ほんとに? ねぎまがお勧めっすよ」
鈴掛 喜一:「……ってまあ、その前に仕事しなきゃだけども」
御凪 涼:「葱がはいっているのかな。…『ま』はなんだろう…」
鈴掛 喜一:「ねぎの『間』に肉があるのかと思ってた。違うのかな」スマホで調べている。
鈴掛 喜一:「あっ、違うんだ!?」
御凪 涼:「そうなの?」
鈴掛 喜一:「昔は葱とマグロを一緒に煮てたらしい」
御凪 涼:「鳥なのに魚が出てきたね」
鈴掛 喜一:「魚から鳥に進化したっぽい」
鈴掛 喜一:「いや、そうじゃなくて」
御凪 涼:「む。ああ」
鈴掛 喜一:「仕事をしないとですってば」
御凪 涼:「うん。はい。雷獣の子たちだね」
鈴掛 喜一:「そうそう。おれはともかく、あいつらは焼き鳥は食わないんで」
鈴掛 喜一:「店の営業妨害になる前にどうにかしなきゃ」
御凪 涼:「舞につられて出てきてくれたらいいんだけどね」
御凪 涼:「蓮と小遥さんが会ったのが、音につられる子だったって聞いたし」
鈴掛 喜一:「それだったら平和でいいんすけどね-」
御凪 涼:「きみの話を聞いてくれたらいいのにな」
鈴掛 喜一:「どうだろ。ガワがこれだから、仲間扱いしてもらえるかどうかはわかんないすよ」
鈴掛 喜一:自分を見下ろす。
御凪 涼:「…家ではどうしてるの?」
鈴掛 喜一:「大体そのまんまかな……あんまり抜け出すとどうなるかわかんないし」
御凪 涼:「このあいだの、酒徳利の子なんかも家にいるんだろう」
鈴掛 喜一:「あいつらはもう、馴れてるから平気。家族家族」
御凪 涼:「家族が増えるかも」くすくすと笑う。
御凪 涼:「もう、うちの兄弟よりも多くなってしまったね」
鈴掛 喜一:「電気代、地味に上がって困ってるのにー」それほど困ってもいない顔。
御凪 涼:その表情を見て、軽やかに歩きだす。
鈴掛 喜一:「まあ、じゃあこれ以上増えるかどうかはともかく……」
鈴掛 喜一:歩き出した友人に歩を合わせる。
鈴掛 喜一:「行きますか」
御凪 涼:「うん。お役に立てるといいな」

GM:シーンを終了します。
GM:ロイスの取得ができるよ。シナリオロイスは雷獣ちゃん!
御凪 涼:來火くんに友情〇/隔意 をまず取る!
GM:なお、今シナリオ、バックトラックは通常通り行うので、ガンガンとロイスを取って全枠埋めることが推奨されています。
鈴掛 喜一:雷獣に○仲間/ご迷惑おかけするんじゃない
御凪 涼:雷獣ちゃんには 〇興味/心配
GM:話題に出た人物や、話題に出てないけど好きな人がいたりしたらガンガン取っていっていいよ~
鈴掛 喜一:あっじゃあじゃあ
鈴掛 喜一:出てない石神井さんに○友情/隔意
GM:なんで!
GM:ありがとう!
御凪 涼:わたしも~
御凪 涼:石神井さんに 〇関心/罪悪感
御凪 涼:これで~
鈴掛 喜一:あとあれですね、これは出てる
GM:罪悪感なんだ
鈴掛 喜一:(株)ピカピカに○居場所/負い目
GM:あー いいですね
鈴掛 喜一:これで6枠のはず
GM:OPにして!
GM:では、このシーンはこれで以上です。


ミドルフェイズ


GM:まずは二人とも登場をお願いします~
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (36 → 38)
鈴掛 喜一:鈴掛 喜一の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (35 → 42)
GM:はーい。じゃあ、まずはちょっとした判定がありますので、それに挑戦してもらって
GM:済んでから、どんな描写にするか決めていきましょう
御凪 涼:なんだろ~
GM:まあ見てなって

GM:このシーンでは、まず雷獣を捕まえるための判定を行います。
GM:これからあなたたちは、焼鳥屋『やきとり かもめ』に向かい、雷獣を捕獲しなければなりません。
GM:しかし、あなたたちには攻撃能力が全然ない!
御凪 涼:ないのだ
GM:戦闘ができない!
御凪 涼:そうなのだ
鈴掛 喜一:うむ
GM:雷獣を説得し、納得のうえ丁重に捕獲されていただくという、平和的解決が望ましいですね。
鈴掛 喜一:説得だ!
御凪 涼:ネゴシエイト!
GM:というわけで。このシーンでは、クライマックスに挑む準備として、
GM:戦闘時に來火くんの《ドクタードリトル》にて交渉を行うための判定をしてもらいます。
鈴掛 喜一:きゃー
御凪 涼:キャー
GM:お二人とも〈知覚〉、任意の〈知識:〉、〈交渉〉、任意の〈情報〉のうちいずれかを使用して判定を行ってください。
GM:目標値は8。お二人とも判定し、成功を目指してください。
GM:失敗しても話は進みますが、その分クライマックス戦闘時に行う判定の難易度が上昇します。
GM:また、判定を行うとがんばりパワーで侵蝕率が30%上昇します。
GM:説明は以上。なにか質問ありますか?
御凪 涼:なるか がんばりのりょうに
鈴掛 喜一:だいじょぶですー
御凪 涼:特にないです!
GM:はーい。では、判定をお願いします。目標値は8だよ~
鈴掛 喜一:8なら……やるか
御凪 涼:知識:舞踊で判定しようかな~
御凪 涼:3DX+2+0@10 知識:舞踊
DoubleCross : (3DX10+2) → 10[4,6,10]+9[9]+2 → 21

鈴掛 喜一:!?
GM:ヤバ
GM:がんばりのりょうじゃん
御凪 涼:舞が…うまくて…
御凪 涼:うまいので…
GM:すごいよ~~
鈴掛 喜一:え、えーと、情報:UGNで判定をします
鈴掛 喜一:その前にー
GM:なんだ~!?
御凪 涼:テレレレッテレー
鈴掛 喜一:マイナー、コンボ『これがおれです』《オリジン:サイバー》社会判定の達成値をシーン間+8。侵蝕2上昇。
GM:うおお~~!
鈴掛 喜一:鈴掛 喜一の侵蝕率を2増加 (42 → 44)
御凪 涼:來火くんだぜ!
GM:來火!來火!
鈴掛 喜一:メジャーはいいや。アドバンスドゴーグルとコネでダイスがさらに3個増えます。
鈴掛 喜一:6dx+8>=8
DoubleCross : (6DX10+8>=8) → 9[1,5,7,8,8,9]+8 → 17 → 成功

鈴掛 喜一:涼さんの舞の方が高い!
GM:無意味に財産P使ってもいいですよ
御凪 涼:これが生きがい故…
御凪 涼:対抗するというのかねッツ
鈴掛 喜一:おかいものするかもだし……
GM:計画的にご利用できてえらいね…
御凪 涼:焼き鳥をもちかえりに
鈴掛 喜一:涼さんの舞はすごいからね
GM:えらいねえ
御凪 涼:照れちゃう
鈴掛 喜一:以上です
GM:では、二人とも判定は成功~!クライマックスの判定の難易度がすごく良い感じになりました。
鈴掛 喜一:やったー


【雨宿町・町中・路上】

GM:そろそろ冬の訪れを感じさせる、ぴんと冷たい空気のなかを、あなたたちは歩いています。
GM:日が暮れるのも早くなってきた。開店前のお店に向かう都合で、時刻はちょうど夕方。
鈴掛 喜一:「はー、結構寒いな」
御凪 涼:「このあたり、雪は多いのかな」
御凪 涼:「まだここの冬を知らない」
鈴掛 喜一:「めちゃくちゃ降るわけじゃないけど、時々積もりますねえ」
鈴掛 喜一:「ダウンとかあった方が風邪引かなくて済むと思う」
鈴掛 喜一:じっと隣の人を見て。
鈴掛 喜一:「……涼さんにダウン……」首を傾げる。
御凪 涼:寒いという様子はなく、いつも通りの羽織をひっかけただけ。
御凪 涼:「ダウン?」
御凪 涼:「ああ、あの」
鈴掛 喜一:「ダウンコート。中に羽詰まってるやつ」
御凪 涼:「動きにくそうだな…」
鈴掛 喜一:「それはそうかも」
鈴掛 喜一:「おれ、喜一が前にだいぶいいやつ買ってたから、ずっとそれ使ってるんすよね」
御凪 涼:「へえ。いいと、暖かいとかなのかな」
鈴掛 喜一:「あったかいし、へたらないし、汚れにくい」指を折る。
御凪 涼:「ふんふん」
鈴掛 喜一:「あと、上がわりかし地味でまともな感じだと」
鈴掛 喜一:「下に多少妙なのを着てても喜一が許してくれる」
御凪 涼:「ふふ。喜一くんから注意されるんだ」
鈴掛 喜一:「たまに起きると服が仕分けされてるんだけど」
鈴掛 喜一:「最近ちょっと疲れてきたみたいで」
鈴掛 喜一:「アリナシの間に『もういいや』的なゾーンができてきた」
御凪 涼:「諦められている」
鈴掛 喜一:「歩み寄り!」
御凪 涼:「そうかも…?」
御凪 涼:「私は、服を選ぶのは任せてしまうなあ」
鈴掛 喜一:「あ、そうなんだ」
鈴掛 喜一:「和服はわかんないけど、わりと綺麗な感じーって思ってた」
御凪 涼:「蓮に適当に頼んでもらって…ツツリくんの家とかなのかな、おそらく」
御凪 涼:「あ、あと」
御凪 涼:「最近、洋服を着た」
鈴掛 喜一:「ああー、あそこも老舗すから……」
鈴掛 喜一:「えっ」
鈴掛 喜一:「ヤバいレアじゃないすか。写真とかないんですか」
御凪 涼:「着たんだ」なぜか自慢げ。
御凪 涼:「…ないかな?純さんが持っているかもしれない」
鈴掛 喜一:「ああー。花鶏さんとこかあ」
鈴掛 喜一:「うわ、今度用事見つけて行こ。見たいわ」
御凪 涼:「あのひとに選んでもらったんだ。この間の件のあとに」
御凪 涼:「髪も編んでもらった」
鈴掛 喜一:「はー!」
御凪 涼:「む」
鈴掛 喜一:「終わったら送ってもらお……」
御凪 涼:「そんなに違うのかな…?」
鈴掛 喜一:「違うかどうかを確かめるの、これから」
御凪 涼:「なるほど」
御凪 涼:「……なるほど」感慨深げに二回言う。
鈴掛 喜一:「そうすよ。おれだって着物着たら多分違うだろうしー」
鈴掛 喜一:「着たことないな。喜一も……七五三くらい?」
御凪 涼:「今度家のを取り寄せようか?」
御凪 涼:「喜一くんが歩み寄ってくれたらかな」笑う。
御凪 涼:「和服はどうか聞いておいて」
鈴掛 喜一:「『そっちのオレンジのロンTよりはマシ』って言われると思う」
鈴掛 喜一:「って、涼さんのとこのってだいぶいいやつなんじゃ……」
御凪 涼:「いいって。私、このあいだも雨でだめにしちゃったし」
鈴掛 喜一:「いいのかなあ!?」
御凪 涼:「それに、私も」
御凪 涼:「違ったきみが、違うかどうかを確かめるの、してみたいな」
鈴掛 喜一:「うわ」
御凪 涼:「……うわ、とは」
鈴掛 喜一:「ずるいずるい。ずるい涼さんが出たー」
鈴掛 喜一:「そういう言い方をされたら断れないでしょうが」
御凪 涼:「きみの真似をしただけだと思う」
御凪 涼:「……む。それはそうかも…」
鈴掛 喜一:「真似をするところがずるいんですー」
御凪 涼:「そうなのか…」
鈴掛 喜一:「あれじゃん、合気道みたいな」
鈴掛 喜一:「こっちのパワー使ってぶん投げてくるやつ」
鈴掛 喜一:投げる動作の振りをする。
御凪 涼:「……重力を使った跳躍のような」
鈴掛 喜一:「涼さんはそっちの方が合うかなあ」
鈴掛 喜一:「おれも全然、武術ーとかわっかんないし!」
鈴掛 喜一:ヘラヘラ笑っている。
御凪 涼:それなのに、破多々に抗ったんだな、と時折思う。
鈴掛 喜一:「……喜一はさ、少しは訓練受けてるんだけど、まあ、運動神経はあんましで」
鈴掛 喜一:「得意なことやれって言われて、なんだかんだでこっち来て」
鈴掛 喜一:「……んで、こんなんなっちゃって」
御凪 涼:そのたびに、よかったな、とも。へらへら話す言葉に耳を傾ける。
鈴掛 喜一:「おれも……戦ったりとかは全然できないすよ」
御凪 涼:「私もできないよ」笑う。
鈴掛 喜一:「でも、助けてくれたでしょ」
鈴掛 喜一:「おれのこと。おれたちのこと」
御凪 涼:「……それを言うなら」
御凪 涼:「私たちが、きみたちを、なのかな。きっと、その中身はよく入れ替わる、かたちの」
御凪 涼:「私だけではできないことで…それを為した集合があるのなら」
御凪 涼:「そこに含まれるのは。なんというか……誰でもよくはないけれど、誰でも成りうる…ような」
鈴掛 喜一:「…………」じっと聞いている。
御凪 涼:急に詰まって、途切れ途切れに答える。
鈴掛 喜一:「おれも、入れますか」
御凪 涼:「入れるでしょう」
鈴掛 喜一:「そこに、おれも、なんかの形で……」
鈴掛 喜一:「……そっかあ」
御凪 涼:きょとんとする。
鈴掛 喜一:ふ、と片目を細める。
御凪 涼:(……あ、そうか)ふとひとつ理解をして、それをまだ言葉にかたちづくれない。
御凪 涼:「えっと、これは言いたいことのすべてではないんだけど」
鈴掛 喜一:「うん」
御凪 涼:「私はきみと喜一くんが、いまこうしてて、洋服の話をしてくれてるみたいなのが」
御凪 涼:「それに、助けられたみたいな気持ちになって……」
御凪 涼:「たぶん、それは」
御凪 涼:「私も、奪っているような気分に、ときどきなるからなのかもしれない」
鈴掛 喜一:「…………」片目で瞬きをする。
鈴掛 喜一:「えっと、おれもですね。今の半分とかしかわかってないんだけど」
鈴掛 喜一:「半分かな……もっとわかんないかもですけど」少し考える。
御凪 涼:「ふふ。考えてくれて、嬉しい」
鈴掛 喜一:「わかる部分、涼さんが助かったみたいな感じってところ、そこはすげー嬉しいすよ」
御凪 涼:「ん」
鈴掛 喜一:「おれ、喋るのだけはできるから」
鈴掛 喜一:「また、いろいろやりましょ。こういう話」
御凪 涼:「うん。……あのね、きみがいまそう言ってくれたことも、とても」
御凪 涼:「とても嬉しい」
御凪 涼:「喋るのだけ、でなくて、もしそうだったとしても、私が嬉しくなった」
鈴掛 喜一:「うん」
鈴掛 喜一:「うんうん」
鈴掛 喜一:にこにこと、子供のように笑う。
御凪 涼:友人が笑っているので、嬉しくなる。
GM:笑いあうあなたたち二人の横を、学校帰りの学生達が通り過ぎていく。
GM:彼らも、あなたたちときっと同じように、彼らにしか分からない話をしている。

GM:シーンを終了します。
GM:ロイスの取得&購入判定ができるよ~
御凪 涼:ロイスは…このままで。 〇友情/隔意(サビ)
鈴掛 喜一:今のこの時間 ○好き/さみしい
鈴掛 喜一:これで全部です
御凪 涼:えーー
御凪 涼:わーー
御凪 涼:サビ変わったわ
GM:えーーー
GM:わーーー
GM:りょ 涼さん一枠空いてなかった?大丈夫?
御凪 涼:取っていい?
GM:いいよいいよ
GM:あと購入判定もするんだよ
鈴掛 喜一:うおーオリジン:サイバー効果はまだ続いているぜ
御凪 涼:じゃあ 今のこの時間 〇幸福感/届かない にします。取得。
GM:うわ~~
GM:きみたち
鈴掛 喜一:うおー
御凪 涼:何買おうかな、交渉用になんか買いますか?
鈴掛 喜一:自前で……すごい服買っちゃおうかな……
御凪 涼:おおっ
GM:おお~
鈴掛 喜一:強化ビジネススーツもあるけど、こいつはすごい服では?
GM:そう思う
御凪 涼:家にあるしな
鈴掛 喜一:えーと、オリジン:サイバーで+8、アドバンスドゴーグルでダイス+1個
鈴掛 喜一:4dx+10>=10
DoubleCross : (4DX10+10>=10) → 10[3,6,8,10]+2[2]+10 → 22 → 成功

御凪 涼:ふつうにボデマ(純さんの見立てたセーター)にするか
御凪 涼:おお!
GM:すご~~!
鈴掛 喜一:固定値で買えてる説。装備!
鈴掛 喜一:以上です
GM:はーい
御凪 涼:4DX+0+0@10>=12 調達
DoubleCross : (4DX10>=12) → 7[5,5,6,7] → 7 → 失敗

御凪 涼:《夢の雫》。達成値+10
GM:涼さんの舞だ!
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を3増加 (38 → 41)
御凪 涼:舞で金をなんとかした
鈴掛 喜一:やったー
御凪 涼:買って着るよー
GM:は~い
GM:ではしっかり着込んで防寒対策をしていただいて
GM:シーンを終了するよ!


クライマックス


GM:クライマックス!
GM:侵蝕率を上げて登場してね。
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (41 → 50)
鈴掛 喜一:鈴掛 喜一の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (44 → 52)
GM:ここにきて!なんで!
GM:もこもこしすぎたのか
御凪 涼:はしゃいだ
鈴掛 喜一:もこもこ
GM:なるほどね
GM:ではちょっと場所のナレーションなどしますので、見ていてね~

【駅前・焼鳥屋『やきとり かもめ』】

GM:駅前に立ち並ぶ、年季を感じさせる小さな雑居ビルのひとつ。その1階にある焼き鳥屋。
GM:開店すれば、会社帰りのサラリーマンで賑わう店内には、いまはあなたたち二人しかいない。
GM:薄汚れた壁には手書きのお品書きがずらりと貼られ、ところ狭しとテーブルが並べられている。
GM:そして今。一匹の雷獣があなたたちの前に飛び出してきた。
雷獣:「キュゥーーッ」
雷獣:あなたたちを警戒するように、びりびりと小さな雷を弾けさせている。
御凪 涼:「あ、いたね」
鈴掛 喜一:「あーあー、だいぶビリビリきてるな、これ」
鈴掛 喜一:「一応お仲間だよー」
雷獣:「ギュギュ…!」不審そうにしている。
御凪 涼:「怖くないよ」
雷獣:「…ギュ…ギューー!」しかしあばれだした!
GM:衝動判定です。難易度は9。
鈴掛 喜一:4dx+1>=9 思い出の一品
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 6[3,4,5,6]+1 → 7 → 失敗

鈴掛 喜一:まじか
御凪 涼:3DX+2+0@10 意思
DoubleCross : (3DX10+2) → 10[4,10,10]+10[9,10]+7[7]+2 → 29

GM:差ww
鈴掛 喜一:涼さん2分けて
御凪 涼:…?
GM:笑ってしまった
GM:そういえばふたりとも
GM:さっきのミドルで侵蝕率30上げるのをお願いするのをすっかり忘れてました
鈴掛 喜一:あっそうだった
御凪 涼:あっ!
GM:2d10+30で上げてちょうだい!
鈴掛 喜一:鈴掛 喜一の侵蝕率を2d10(→ 13)増加 (52 → 65)
鈴掛 喜一:鈴掛 喜一の侵蝕率を30増加 (65 → 95)
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を2d10(→ 12)増加 (50 → 62)
鈴掛 喜一:一気だぜ
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を30増加 (62 → 92)
GM:ウィ!
GM:では、これから戦闘を開始していきます。いくつか説明しますね。
GM:まずはエネミーは雷獣1体。行動値は6。
GM:エンゲージはこちら。

 [雷獣(6)]
   |
  5m
   |
[鈴掛(6)、涼(5)]


GM:5m離れてます。ふたりは同じエンゲージ。

GM:また、今回は特殊戦闘になります。ルールを説明します。
GM:エネミーの雷獣について、通常どおり攻撃して戦闘不能にすることができるほか、
GM:特別ルールとして、メインプロセスで〈交渉〉判定を行い、累計で一定の目標値に到達すれば、
GM:説得に成功したこととなり、その時点で戦闘を終了させることができます。
GM:通常であれば目標値は50でしたが、ミドルでの判定にお二人とも成功したので、30まで下がります。
鈴掛 喜一:やったー
GM:戦闘に関する説明は以上!
GM:なにか質問はありますか?
御凪 涼:ない!やった!
鈴掛 喜一:なしです
GM:はーい。では、クライマックス戦闘を開始していきましょう!

GM:1ラウンド目。
GM:セットアップ!
雷獣:《加速装置》。行動値10になります。
鈴掛 喜一:あっおまえ!
御凪 涼:はや
雷獣:ぴゅい~ん
鈴掛 喜一:コンボ『それでも高く高く』《オーバーウォッチ》《クロックフィールド》
鈴掛 喜一:全員の行動値+5、メジャーアクションダイス3個増加。侵蝕8上昇。
鈴掛 喜一:鈴掛 喜一の侵蝕率を8増加 (95 → 103)
鈴掛 喜一:行動値11になりました
御凪 涼:私も10になったよ~
御凪 涼:あと自分のぶん
雷獣:ぴゃー!
御凪 涼:《限界突破》。対象は《夢の雫》、これをラウンド二回使用可にします。
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を3増加 (92 → 95)
GM:気合を感じる
GM:では、セットアップ終了。

GM:イニシアチブ!
GM:何もなければ行動値11の鈴掛くんの手番ですが…
GM:なにかしたい人はいらっしゃる?
御凪 涼:はーい!
GM:はいはい!
御凪 涼:《スピードフォース》。メインプロセスを行います!
GM:来たか!どうぞ!
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を4増加 (95 → 99)
御凪 涼:ではしまーす
御凪 涼:マイナーでジェネシフト
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (99 → 103)
御凪 涼:よしよし
GM:あら上手
御凪 涼:メジャーでコンボ『逃げ水』《ポイズンフォッグ》《戦乙女の導き》《狂戦士》
御凪 涼:PC全員の次のメジャーアクションダイス+10、C値-1、攻撃力+5。
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を11増加 (103 → 114)
GM:すごいのだ
鈴掛 喜一:じゃらじゃらだ……
御凪 涼:たくさんダイスふれるぜ

GM:では、続いて行動値11の鈴掛くんの手番に移ります。
鈴掛 喜一:うす!
鈴掛 喜一:マイナー、コンボ『これがおれです』《オリジン:サイバー》社会判定の達成値をシーン間+8。侵蝕2上昇。
鈴掛 喜一:鈴掛 喜一の侵蝕率を2増加 (103 → 105)
GM:どんどん上がるよ~
鈴掛 喜一:で、交渉判定を試みます。
鈴掛 喜一:支援がたくさん!
GM:すごいのだぞ
御凪 涼:ささえ!
鈴掛 喜一:19dx9+2+8+2>=30
DoubleCross : (19DX9+12>=30) → 10[1,2,3,4,5,5,5,6,6,6,6,6,7,8,8,9,9,9,10]+10[3,4,8,9]+6[6]+12 → 38 → 成功

鈴掛 喜一:うし
御凪 涼:おおー!
御凪 涼:さすが!
GM:ほほ~!
GM:無意味になんかしてもいいですが
御凪 涼:無意味にじゃあ
御凪 涼:《夢の雫》。達成値+12
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕率を3増加 (114 → 117)
鈴掛 喜一:やったー桁が上がったー
御凪 涼:きりもいいぜ!
GM:ぴったり50!
GM:当初の目標値にも到達し、たいへんよろしいことになりました。
御凪 涼:ふふん
GM:では、目標値に到達したことで、雷獣はすっかりあなたたちにメロメロになります!
GM:戦闘を回避し、無事に捕獲することができる!
GM:見事!
GM:戦闘終了です!
GM:では、演出に移っていきましょう。

雷獣:「ギッ……」
雷獣:小さな火花を散らしながら、今にもあなたたちに襲い掛からんとしている。
御凪 涼:《空の楽器》。小さな音を鳴らす。
御凪 涼:それはきらきらと、星のしずくが零れるような、オルゴールの音。
雷獣:「……?」突然鳴り出した綺麗な音に、不意を突かれる。
御凪 涼:「怖くない」扇を広げる。紫檀の香り。甘く柔らかな。
雷獣:星のことは、よく知っている。
雷獣:「ギ…」香りも感じ取って、戸惑うような声を上げる。
御凪 涼:遠く届かない空から落っこちてきたような、それでも楽し気な音色。
御凪 涼:くるりと回り、オルゴールの人形のようにはいかないけれど。
御凪 涼:人の身の、しなやかな動き。視線の所作。
御凪 涼:それらすべてを使い切って、くるくると舞う。
雷獣:「キュ……」
御凪 涼:「だいじょうぶ、きっと」
御凪 涼:それは雷獣にも。
御凪 涼:そして同じく、届かない空から落ちてきた、友人にも。
御凪 涼:「届かなくても、きっと楽しいよ」笑う。
御凪 涼:だって舞うことは、語ることは。
御凪 涼:届かないのに、こんなに楽しい。
鈴掛 喜一:「涼さんはほんとさあ……」
鈴掛 喜一:少し呆れたように笑う。
鈴掛 喜一:自分はこんなにも届かなくて、焦がれて、見上げて。
鈴掛 喜一:それでも。
鈴掛 喜一:「ま、いいか。楽しいのはほんとだ」しゃがみ込む。
鈴掛 喜一:「たとえば……そうだな」
鈴掛 喜一:《小さき密偵》
鈴掛 喜一:「おいで、彪」
鈴掛 喜一:携帯端末から、ぱちぱちと稲妻。小さな虎模様の雷獣が一匹。
鈴掛 喜一:《ドクタードリトル》
鈴掛 喜一:「うちにはこういう家族がいる。うちじゃなくても、ちゃんとお前らを守って暮らせるとこに連れてってあげられる」
鈴掛 喜一:眼帯を外す。
鈴掛 喜一:「おれもそうやって、守られて、今ここにいる」
鈴掛 喜一:義眼の中で、電気が走る。
雷獣:「ギュ……」驚いたように、あなたを見つめている。
鈴掛 喜一:「一応、お仲間って言ったでしょ?」
鈴掛 喜一:「……ひとりは、寂しいだろ」
鈴掛 喜一:「おいで」
雷獣:「………」そうなのか。と、あなたの言葉が届いたから、理解できた。
雷獣:なんだ、ひとりじゃないのだ。
雷獣:おずおずと、前足を伸ばして、あなたのもとに歩み寄る。
雷獣:「キュー……」手のひらにすり寄ります。
御凪 涼:ふたりの『言葉』はわからないけれど、それを見ている。
御凪 涼:伝わったことは、わかったので。微笑む。
鈴掛 喜一:応えるように微笑んでから。
鈴掛 喜一:「じゃ、とりあえずちゃんとしたとこに連れてくから」腕に嵌めたスマートウォッチを差し出す。
鈴掛 喜一:「ここならほら、一緒だろ?」
雷獣:「…キー!」せまくて暖かそうな場所なので、嬉しい。
雷獣:スマートウォッチの中にするんと入り込んでいきます。
雷獣:甘えっこみたいです。
鈴掛 喜一:「よーしよーし」とん、と指で時計を弾いて。
鈴掛 喜一:「彪もサンキュ」こちらもスマホにするんと戻る。
御凪 涼:「おお、入っていった」
鈴掛 喜一:「涼さん、ありがと!」
鈴掛 喜一:「最初のでだいぶ警戒解いてたから、すんなり聞いてくれたわ」
御凪 涼:「ん…良かった。」そして、彼を見る。
御凪 涼:義眼。スマートフォン。腕時計。
御凪 涼:きっと暖かくて、居心地が良くて、さらに深くで眠っている人もいて。
御凪 涼:「きっと、今」
御凪 涼:「きみは、入っていたんだと思うな」
鈴掛 喜一:「え」
鈴掛 喜一:「ああ、さっきの……」
御凪 涼:「助けるほうの…そう、そういうものに」
鈴掛 喜一:「…………」きゅ、と口を一文字にして。
鈴掛 喜一:「へへ」
鈴掛 喜一:「なんだ。意外と……いけるもんすね」
御凪 涼:「ね。意外と…不思議と。知らないうちに」
鈴掛 喜一:「……あー、なんか、こう、あれだ」
鈴掛 喜一:「嬉しい、すね」
御凪 涼:「うん」笑う。「嬉しい」
鈴掛 喜一:「はは、あんましそういうの、人前で言わねーけど」
鈴掛 喜一:「よかった」
鈴掛 喜一:「よかったなあ、お前ら」電気機器を軽く揺らして。
鈴掛 喜一:今はしんとして、火花が走ることもないけれど。
鈴掛 喜一:焦がれるほどに届かないものもあって、時には届かなくても楽しくて。
鈴掛 喜一:でも、ほんの少し届いた、それも、また、幸せなことだと思う。
御凪 涼:彼らがなにを語ったか、聞くことはない。それはただの音にしか聞こえない。それでも。
御凪 涼:語り、届いた、その瞬間に、ほんのすこしでも力を添えられた。
御凪 涼:それもまたかたちの違う、幸せなことのもうひとつ。


バックトラック


GM:バックトラック。
GM:Eロイスはなし。絆の力で帰ってきてね!
御凪 涼:うおーっ
鈴掛 喜一:ロイス6個、一倍!
御凪 涼:117-6d10
DoubleCross : (117-6D10) → 117-27[3,3,7,1,4,9] → 90

鈴掛 喜一:105-6d10
DoubleCross : (105-6D10) → 105-26[6,5,3,6,4,2] → 79

鈴掛 喜一:よしよし
御凪 涼:ただいまだぜ
GM:おかえりなさ~い。
GM:二人とも5点帰還ですね。
GM:さくっと経験点も配布するよ~
御凪 涼:焼き鳥だ
GM:いつもの5点、シナリオ3点、その他なし。プラス最終侵蝕の点数で…
GM:13点!
御凪 涼:13本食べるか…
御凪 涼:いただきまーす!
鈴掛 喜一:結構多いよ
鈴掛 喜一:いただきます!
GM:おたべ~


エンディング


【駅前・焼鳥屋『やきとり かもめ』】

GM:大きな戦闘にも発展せず、雷獣も懐いていたため、事後処理はとても簡単に済み。
GM:あなたたちは早々と解放され、開店したこの店に改めて立ち寄る時間もできました。
GM:会社帰りのサラリーマンで賑わう、狭い店内。
GM:そこに混じって座るあなた達の前には、頼んだ香ばしい焼き鳥が並んでいます。
鈴掛 喜一:作業着に眼帯の青年。
御凪 涼:不似合いなまでに生活のにおいがしない、和装の男。
鈴掛 喜一:「とりあえずこっちでちゃちゃっと頼んじゃったけど、追加でなんか欲しかったらどうぞー」
御凪 涼:「頼んでくれる方が助かるから、よかった」
鈴掛 喜一:「涼さんはそっかなーって」
御凪 涼:じっと見ている。こっちがタレ。こっちが塩。
御凪 涼:「うん」
鈴掛 喜一:目の前にはサワーのグラス。
GM:大きなグラスに注がれたレモンサワーが、氷の中で炭酸の泡を弾けさせている。
御凪 涼:グラスを手に取る。
鈴掛 喜一:「はい、じゃあ、乾杯ー」
御凪 涼:「はい」グラスのふちを触れ合わせる。
鈴掛 喜一:「お仕事お疲れ様でしたっと」
御凪 涼:口をつける。「炭酸だ」と言って、そのままちびちび飲む。
鈴掛 喜一:「今日は酒はほどほどにね。こないだは酷かったから」
鈴掛 喜一:こちらも軽く一口。
御凪 涼:「ふふ、あんなになったことは他にない。大丈夫」
御凪 涼:箸で串から身を外す。周囲を見る限り、そちらのほうが食べやすそう。
鈴掛 喜一:「あの徳利、三年くらいしたらまた湧くのかな……勘弁してほしい」
御凪 涼:「そのときは人数を増やそう」
鈴掛 喜一:「あ、いいアイデア。大体持ち回り制とか言ってるのがヌルいんで」
鈴掛 喜一:「手の空いてる奴全員来たらもっと楽!」
御凪 涼:「それこそ、今度あるという…年忘れ会を兼ねればいいのにね」
鈴掛 喜一:もぐもぐと、こちらも箸で外したねぎまを食べている。塩味であっさり。
鈴掛 喜一:「あーあれ、おれ幹事なんすよね」
鈴掛 喜一:「去年も幹事だったんすけど」
御凪 涼:見覚えがあったのはタレのほうとわかったので、そちらからまず食べる。
御凪 涼:「……続けて?」
鈴掛 喜一:「なんかお前得意だろみたいなムードが……」
鈴掛 喜一:「ていうか戸神くんがスゲー苦手なの、ああいうの」
御凪 涼:「そうなのかな…?」
御凪 涼:「それはわかるかも」
鈴掛 喜一:「そうすよ。だから後輩の代わりにーやってあげてー」もぐもぐ。
鈴掛 喜一:「ま、嫌いじゃないんですけど」
御凪 涼:タレはタレと鶏肉の味。芳ばしい香り。
御凪 涼:「なら、よかった」
御凪 涼:塩を食べます。
鈴掛 喜一:おすすめのつくねに手を出す。
御凪 涼:塩と鶏肉の味。燻した香り。
御凪 涼:「塩のほうが食べやすい気がする」
鈴掛 喜一:卵がとろりとかかって、香ばしいタレと混じり合う。
鈴掛 喜一:「あっさりだから、肉の味がよくわかるでしょ」
鈴掛 喜一:「つくねはねー、でも、タレ!」
鈴掛 喜一:細かくした軟骨が混じって、コリコリと歯ごたえがする。
御凪 涼:つくねを真似して食べます。
御凪 涼:味と触感が多重に混じっている。そのぶん焼いた香りが少ない。
鈴掛 喜一:「おれ、まあ、あの……こうなる前までは食べ物食べる生き物じゃなかったじゃないすか」
鈴掛 喜一:《シークレットトーク》
鈴掛 喜一:内緒話のように話す。
御凪 涼:「うん」
鈴掛 喜一:「電気もまあ、食ってるっていうか、また違う感じで……」
鈴掛 喜一:「今、食べるのも、服着るのも、寝て起きるのも、楽しいです」
御凪 涼:目を細める。「よかった」
鈴掛 喜一:「涼さんは、あんましその辺こだわんないでしょ」
御凪 涼:「うん。食べるのも…味の違いはわかるけど」
御凪 涼:「なんというか…情報というのかな。そういうのがたくさんあって、美味しいとかに行けていない」
御凪 涼:「でも、選んでもらうのとか、誘われるのが好き」
鈴掛 喜一:「あー、おれ情報好きだからな」意味合いが同じなのかどうかは知らないが。
鈴掛 喜一:「そか」
御凪 涼:「さっき適当に頼んでくれたのとか」
御凪 涼:「これが好き、って話を聞けたのとか」
御凪 涼:「そういうのを…そうだな。確かめる、なのかも。そういうのは楽しいです」
鈴掛 喜一:「ふんふん」
鈴掛 喜一:「楽しい、があるのはやっぱり安心する」
鈴掛 喜一:「おんなじとこじゃなくてもね」
御凪 涼:「うん。人が楽しくて、安心していると、私も嬉しいし…」
御凪 涼:「ああ」
御凪 涼:思いついた、というふうに、大きく瞬きをする。
鈴掛 喜一:「ん?」
御凪 涼:「なにかを奪っているような気持ち」
鈴掛 喜一:「あ、さっきの」
御凪 涼:「少しわかった、かもしれない」
鈴掛 喜一:自分が、噛み砕こうとしてどうにも難しかったところだ。
御凪 涼:「……私は、だいたいいつも安心しているし、舞いたいだけ舞えて」
御凪 涼:「それで…いろいろ私ができないこととか、抜けているところを助けてもらっている」
御凪 涼:「助けられるという意味なら、私はひとりで命を維持できるか自信がないし…」
鈴掛 喜一:こりこりと、軟骨を噛みながら聞いている。
御凪 涼:「ただ、ときどきそのために」
御凪 涼:「人が折れたり、心を砕いたり、それで本当は言いたいし、言葉を持っているのに」
御凪 涼:「そうできないことを見る」
鈴掛 喜一:「…………」
御凪 涼:「家のこともそうだし…それ以外にも、うん」
御凪 涼:「それでだいたい、相手は気にされるのを嫌がる」
御凪 涼:「そういうことをしなくて、自由にしていたらいいと。そしてそれは嘘ではない」
御凪 涼:「私はそれがわかる」
鈴掛 喜一:(……この人は)
鈴掛 喜一:(ずうっと考えて、感じて、そういうことを)
鈴掛 喜一:(なんだろう。やっぱり、わかったり、わからなかったり)
鈴掛 喜一:ごくん、と噛んでいた軟骨を飲み込む。少し大きな欠片を。
鈴掛 喜一:「おれも」
鈴掛 喜一:「支部のみんな、優しいんすよね」
御凪 涼:「うん」
鈴掛 喜一:「あー、やっぱり、おんなじかわかんない。わかんないけど」
鈴掛 喜一:「わかんないけど、おれは」
鈴掛 喜一:「みんなのこと、すげー好きなんです」
鈴掛 喜一:「だから悪くて、でも」
鈴掛 喜一:少し顔が赤くなっている。
御凪 涼:「うん」
鈴掛 喜一:「だから、助けるんです。今度はおれが」
鈴掛 喜一:「今日、できたなら、多分、またできるはず」
鈴掛 喜一:「涼さんがおれのこと、助けてくれたみたいに、すよ」
鈴掛 喜一:顔を上げて、向かいの相手を片目で見る。
御凪 涼:「うん」頷く。微笑んでいるようでもあるし、なんとなく眩しいようでもある。
御凪 涼:「……不思議だな」
御凪 涼:「きっと、助けられているのは私も、私たちもいつもだって…」
御凪 涼:「そう思いもするし、私がきみにいうとしたら、そうだと思ったんだけど、」
御凪 涼:「不思議だ」もういちど言ってから。
御凪 涼:「そういうことをしなくて、自由にしていたらいいと、今度は私も思うようで、でも、」
御凪 涼:「助けられたらいいと…たぶん私も、自分だったらそう思うし、きっと思っている」
鈴掛 喜一:くい、とサワーを呷る。氷が溶けて、少し水っぽい。
御凪 涼:「……もっと簡単に言える気がするんだけどな。難しい」
鈴掛 喜一:「なんつうか、そういうの全部含めてですよ」
御凪 涼:「ん」
鈴掛 喜一:「助けるとか助けないとか、そういうのも含めて、涼さんはしたいこと、してくれりゃいいです」
鈴掛 喜一:「もうおれは勝手に、恩人だと思っちゃってるんだから」
鈴掛 喜一:「ねー」ヘラヘラと笑っている。
御凪 涼:「…………うん」笑っているような息を吐く。
御凪 涼:「うん」
御凪 涼:「來火くんも、したいようでいて」
鈴掛 喜一:「石神井くんにも似たこと言われたかも」
御凪 涼:「えっ」
鈴掛 喜一:「古着屋でねー、ちょっとねー」
御凪 涼:「えっ。古着屋」
鈴掛 喜一:「そこに驚く?」
御凪 涼:「なんでかな…」自分で言う。
御凪 涼:少し考える。「なんだか…ううん」
御凪 涼:「…?」
鈴掛 喜一:「?」首を傾げている。
御凪 涼:「いや、たぶん、私は寅彦くんから苦手がられていると思っているんだけど、」
鈴掛 喜一:「えー?」
御凪 涼:「で……そう思われている、まで来て、なんでかなと思うんだけど」
鈴掛 喜一:「ええー?」
御凪 涼:「行きたかったなと思って…」
鈴掛 喜一:「わー、ごめんごめん涼さん」
鈴掛 喜一:「寂しくなっちゃったね!」
御凪 涼:「あ、えっと、そこまでではないんだけれど」
御凪 涼:「次は私も呼んでほしいなという、気持ち。それは確か」
鈴掛 喜一:「苦手かどうかとかは……おれもわかんないな。なんつうか」
鈴掛 喜一:「ほら、おれもその辺探り探りだからさあ」
御凪 涼:「……そっちは、なんというか、なんだろう。たぶんそれでいいんだと思うから」
鈴掛 喜一:「ん、でも、次あったらそうする」
御凪 涼:「ええと……そう。次は私もついていく、お酒の時と同じで」
鈴掛 喜一:「やろうやろうー」
御凪 涼:「あと…話し方もそっちでいいよ」笑う。
鈴掛 喜一:「ん」少し考えて。
鈴掛 喜一:「あっれ、普通に話してたわ」
鈴掛 喜一:照れくさそうに笑う。
御凪 涼:「そっちのほうが嬉しい」
鈴掛 喜一:「そ? したら普通……つうか、タメで」
鈴掛 喜一:「嬉しいのはいいことー」楽しげに笑っている。
御凪 涼:「うん」
御凪 涼:「とても嬉しいから、とてもいいことをされた」
鈴掛 喜一:「じゃ、今日はいい日!」
鈴掛 喜一:「乾杯!」
御凪 涼:グラスを持ち上げる。
御凪 涼:話して聞くのに夢中で、中身はぜんぜん減っていない。
鈴掛 喜一:こちらは飲みながら喋りながら食べて、数杯目のグラスだ。
鈴掛 喜一:それも、ほとんど氷。
鈴掛 喜一:そのグラスをそっと目の前の相手に近づけて。
鈴掛 喜一:涼やかな音と共に、ほんの一瞬。
鈴掛 喜一:届いた。
GM:騒々しい店内。人が行き交い。違うように食べて、抱える思いも違うのかもしれないが。
GM:それでも、今日はいい日。

リプレイ・ドロップ 雨宿町後追〜稲妻をつかまえて〜 その4・やきとり かもめにて 了