リプレイ・ドロップ
雨宿町後追~稲妻をつかまえて~
その5・雨宿わくわくホールにて


メイン 見学



PC1:"橋掛り"御凪 涼(みなぎ・りょう)キャラシート)PL:自動
PC2:"影追い"石神井 寅彦(しゃくじい・とらひこ)キャラシート)PL:めかぶ
GM:さささ

目次




プリプレイ


GM:それは、セッションを開始していきます。
GM:まずPC紹介から始めていきましょう。
GM:では御凪涼さんからお願いします。

キャラシート

御凪 涼:はあいっ
御凪 涼:御凪涼(みなぎ・りょう)。コードは《橋掛り》。舞踊家だよ
御凪 涼:長い黒髪に痩身、和服姿。
御凪 涼:お家の稼業でジャーム殺しの剣舞を学んだはずが、舞踊しかしていないことでおなじみ(?)
GM:舞って~
御凪 涼:舞もお家の流派とかけ離れたものに仕上がっており、
御凪 涼:自他の認識の境界を溶かす舞をやります。音もならすぜ
GM:わおわお
御凪 涼:シンドロームはハヌマーン/ソラリスの純支援型。
御凪 涼:特徴は、80%越えからは《限界突破》により《夢の雫》をラウンド2回撃てること!
GM:つよい……
御凪 涼:こんなかんじかな!よろしくです!
GM:よろしくお願いします! ハンドアウトは共通なので後ほど。

GM:では石神井さんお次どうぞ!

キャラシート
石神井 寅彦:はーい!
石神井 寅彦:石神井寅彦(しゃくじい・とらひこ)です。コードネームは《影追い》。
石神井 寅彦:黒髪にピアス、小洒落た風貌のUGNエージェント。
石神井 寅彦:エージェントをしてない時は、持ち前の話術を活かしてインチキ占い師をしています。
GM:きゃー
石神井 寅彦:香りと影を通じて相手の心に入り込むことができ、特に非オーヴァードに強い効果を放ちます。
石神井 寅彦:こいつに近付くと無条件に「なんだか懐かしい香りがするなあ」ってなって、そのままなんとなく心を許しちゃう…みたいな。
石神井 寅彦:そんな感じで人の心に踏み込むのが得意な反面、自分が踏み込まれるのは大の苦手です。
石神井 寅彦:今回はどうなるんだろうな~
GM:どうなるんだろ……
石神井 寅彦:シンドロームはウロボロス/ソラリスのRC単体攻撃型。
石神井 寅彦:ちょっと構成を見直しまして、前回までの稼動から取得エフェクトを刷新しました~。火力自体は同じくらいかな。
GM:ニュー石神井さん!
石神井 寅彦:イエイ!
石神井 寅彦:ニュー構成をおひろめできるしワクsワクです!
石神井 寅彦:以上かな。よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします! アタッカーだぜ!
GM:では、ハンドアウトはいつものこちら

【共通ハンドアウト】
シナリオロイス:雷獣or導入NPC
あなたたちは、UGN雨宿支部に関わるオーヴァードだ。
今日の仕事は、処理部の手伝い。
先日大発生した雷のRB、『雷獣』が町のあちこちで未だ騒動を起こしているようだ。
あなたたちに与えられた任務は、雷獣を探し出し、無事捕獲すること。
張り切ってやってみよう。


御凪 涼:やるよー!
GM:ちまちまと騒ぎを起こしているので、捕まえてあげてね
石神井 寅彦:はあい
GM:今回同行NPCはなし、行き先ももう決まってますよね。
石神井 寅彦:事前相談で決めました!
御凪 涼:ました!
GM:町役場近辺・公共施設『雨宿わくわくホール』 こちらと伺っております
御凪 涼:数少ない私も知っている店
GM:ここの一室でドタバタしているようなので、向かって欲しい
石神井 寅彦:(店…?)
GM:店だろうか
石神井 寅彦:ドタバタを…さらにドタバタさせてやるぜ!
GM:やーん
御凪 涼:まかせて(?)
GM:よろしくお願いします
石神井 寅彦:よろしくお願いしま~す
GM:そういう感じで、トレーラーを流して始めていこうかと思います。
石神井 寅彦:はーい
御凪 涼:おすおす
GM:これもいつもので、友情出演:戸神富久郎くんです

某県雫原市・雨宿町。
昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。

今回は、後始末の物語。
大事件の後も、全てが綺麗に片付くことなどなかなかない。
そんな中で動いている、小さな、しかし大事な仕事の物語だ。

事件の後の始末、というのが俺ら処理部の仕事です。
全部済んだ後だから何もないはず、なんてことは全然なくて……。
大抵は、別の小規模な事件に巻き込まれるばっかりで。はあ。
え、嫌な仕事かって言うと……そんなこともないですね。
面倒の種を先に摘める、えーと、やりがいのある職場です。
ほら、例えばこんな風に、ちっちゃな雷を見つけたりして。

ダブルクロス The 3rd Edition『リプレイ・ドロップ 雨宿町後追〜稲妻をつかまえて〜』

あの、べ、別に言わされて言ってるわけではないですからね!
ほんとですよ!



オープニング


GM:全員登場! 登場侵蝕をお願いします。
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕値を1d10(→ 8)増加 (33 → 41)
石神井 寅彦:石神井寅彦の侵蝕値を1D10(→ 2)増加 (31 → 33)

GM:UGN雨宿支部では先日、"破多々"という名の強力なジャームとの交戦が行われていた。
GM:当該ジャームは無事対処され、封印という形を取ったが、呼び出され使役されていた『雷獣』と呼ばれるRBは町に残っている。
GM:有害という程ではないが騒ぎを起こしがちな彼らを、支部は今回まとめて捕獲し、どうにか保護や指導をしていく決定を下した。
GM:そのための人員として呼ばれたのが、あなたたちだ。

【雨宿町・『(株)ピカピカ』・社内】

鈴掛 喜一:「あ、石神井くん。おつかれー」

【鈴掛喜一・『(株)ピカピカ』営業担当】あるいは【"來火=ジェイトーカー"・UGN雨宿支部調査部員】

GM:作業着に眼帯の青年が、あなたを迎えてくれる。
石神井 寅彦:「おつかれおつかれ。えー」黒髪にピアスの青年。
石神井 寅彦:近寄れば、バニラと花を混ぜたような香りの香水を身に着けていることが分かる。
石神井 寅彦:「今日はどっち?」呼び方の問題。
鈴掛 喜一:「んじゃ、來火で。涼さんも来るしねえ」
鈴掛 喜一:諸事情あって名前がふたつある。
石神井 寅彦:「ああ、そうね…」
鈴掛 喜一:「向こうもそのうち来ると思うけども……」
鈴掛 喜一:「…………」少し考えるようにする。
石神井 寅彦:「ん。待ってよっか」
石神井 寅彦:頷いて、來火くんの顔を見て、きょとんとする。
鈴掛 喜一:「あのさ、あのね。来る前にちょっと」
石神井 寅彦:「ん?」
鈴掛 喜一:少し声を落として、ドアの向こうを気にする。
石神井 寅彦:「え、なに、なに。内緒話?」
鈴掛 喜一:「そそ。おれが言ってたの内緒にしてね」
鈴掛 喜一:「あと、告げ口とかではない……と思うんだけどさあ」
石神井 寅彦:「えー? 何よ」ちょっと面白そうな顔をします。
石神井 寅彦:「うん」
鈴掛 喜一:「いやね、こないだ涼さんと焼き鳥食ったの」
鈴掛 喜一:「したら、涼さんがなんか石神井くんに苦手がられてるかもって話をしてて」
鈴掛 喜一:「嘘だろ?って思ったんだけども、なんかあんのかなって……」
石神井 寅彦:「……はぁ?」
石神井 寅彦:怪訝な顔。
石神井 寅彦:「え?逆じゃなくて?」
石神井 寅彦:「おれが涼さんのこと苦手なの?」
鈴掛 喜一:「そう思ってるって……」
石神井 寅彦:「言ってたの…?」
鈴掛 喜一:「ん」
鈴掛 喜一:「いや、だから、もし誤解とかなら話してあげてほしいしさ」
鈴掛 喜一:「ほんとなら……なんか今日の仕事も大変じゃん?的な」
石神井 寅彦:「あ、うん。そうね」頷きます。
石神井 寅彦:「今日、おれと涼さんのペアだもんね」
鈴掛 喜一:「そういうわけ」
石神井 寅彦:「うん。そっか……えーと」
石神井 寅彦:「それは…、來火くんも、教えてくれてありがとね」
石神井 寅彦:「………。苦手っぽく見えてた?」
鈴掛 喜一:「いやー、特に」
鈴掛 喜一:「飲み会とか楽しかったじゃん?」
石神井 寅彦:「あー、そうね。楽しかったね」へらっと笑う。
鈴掛 喜一:「あ、おれは楽しかったんだけど。なんか……他がそうじゃなかったらさみしい」
石神井 寅彦:「ふふ」「ほんとに楽しかったよ」
石神井 寅彦:「大丈夫です。涼さんのも、なんか、おれが変なこと言って誤解させたのかもしれねーし」
鈴掛 喜一:「なんか、上手く……いい感じにさ」
石神井 寅彦:「話してみるね」來火くんを見ます。
鈴掛 喜一:「うん。話して、まとめておいて。そんでまた遊び行こ」
石神井 寅彦:「あはは。いいよ」
御凪 涼:遠くの空気に紫檀の香りが混ざって届く。
石神井 寅彦:会話を打ち切って、そっちを見る。
御凪 涼:扉が開いて、紬の裾が揺れる。「……あれ」
御凪 涼:「來火くんも?」
鈴掛 喜一:「あ、涼さんいらっしゃーい」手を上げる。
鈴掛 喜一:「おれは今日は待機。説明だけしとけってさ」
石神井 寅彦:「いらっしゃい」へらへらと笑う。
御凪 涼:「そうか。ありがとう」そして石神井さんに。「今日はよろしく」
鈴掛 喜一:「……ということで、はい、いつものやつー」
御凪 涼:「はい」
鈴掛 喜一:捕獲道具などを示す。
石神井 寅彦:「あはは。持ってきます」それを受け取ります。
鈴掛 喜一:「毎回悪いけど、またうちのやつらが暴れてます。捕まえてやってください」
鈴掛 喜一:説明口調で。
鈴掛 喜一:「今回は、『雨宿わくわくホール』だって」
御凪 涼:「あっ」
御凪 涼:「そこはわかるよ」
石神井 寅彦:「よく舞ってるよね」
鈴掛 喜一:「うん、支部のお隣。涼さんたまにいるよね」
御凪 涼:「そう」
石神井 寅彦:「ねー。じゃあ、慣れたものじゃない」
御凪 涼:「少なくとも店よりはいいかも?」
鈴掛 喜一:「二人とももう慣れてると思うし、あとはよしなにー」
御凪 涼:「あ、でも打ち上げ?ができないか」扇を広げ、笑う。
御凪 涼:「はい。來火くんもありがとうね」
石神井 寅彦:「行ってきますねー」
鈴掛 喜一:「はーい。終わってヒマだったらどっか行こ」
石神井 寅彦:「仕事はいいのかよ」出口に向かいながら笑う。
御凪 涼:ついていく。
鈴掛 喜一:「外回り行きますって言っとけばなんとか……おっと」口を噤み、あなたたちを見送る。
御凪 涼:「ふふ、そのときは一緒に叱られるね」
石神井 寅彦:「おれも巻き込まれんの?」
御凪 涼:いつも通りの穏やかな顔と声で、いくつかの返事をする。
石神井 寅彦:それを横目に見て、とりあえず逸らした。

GM:ロイスの取得が可能です。
GM:どんどん取っておくと安心との
GM:噂
石神井 寅彦:雷獣と來火くんにとりあえず取ろう
御凪 涼:來火くんに 〇友情/隔意
御凪 涼:雷獣に 〇誠意/心配
御凪 涼:じゃあ合わせてわたしもこれで保留にしとこ!
石神井 寅彦:雷獣/庇護:〇/いっぱいいる/ロイス
御凪 涼:いっぱいいる
石神井 寅彦:來火くん/友情:〇/心配/ロイス
石神井 寅彦:こうかな これで!
GM:はーい いっぱいいます


ミドル


GM:まずは登場侵蝕をお願いします。
石神井 寅彦:石神井寅彦の侵蝕値を1D10(→ 6)増加 (33 → 39)
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕値を1d10(→ 5)増加 (41 → 46)

GM:このシーンではまず判定を行います。
GM:チャートで決定した場所に到着したあなたたちは、雷獣がどこに隠れているかを探さなければなりません。
GM:全員〈知覚〉、任意の〈知識〉、〈交渉〉、任意の〈情報〉のうちいずれかを使用して判定を行ってください。
GM:目標値は8です。
GM:失敗しても話は進みますが、その分クライマックスの際に雷獣が《加速する刻》を使用して先制攻撃を行ってきます。
GM:また、判定を行うとがんばったので侵蝕が40上昇します。
石神井 寅彦:ヒエー
御凪 涼:がんばりぱわ
GM:今回は同行NPCによるボーナスはなし
御凪 涼:じりき!
GM:技能を選んで判定をお願いします。
石神井 寅彦:無難に〈情報:噂話〉でやりますね
石神井 寅彦:コネ使用します
石神井 寅彦:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 8[4,5,6,7,8]+1 → 9 → 成功

石神井 寅彦:ヨッシャ!
GM:ばっちり
御凪 涼:芸術:舞踊にしてみよう
御凪 涼:1DX+3+0@10 芸術:舞踊
DoubleCross : (1DX10+3) → 2[2]+3 → 5

御凪 涼:あわてずさわがず
御凪 涼:《夢の雫》。達成値+10
石神井 寅彦:すごいぜ
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕値を3増加 (46 → 49)
GM:やるな……
御凪 涼:フー
石神井 寅彦:かっこいいな
石神井 寅彦:いま40上げちゃいますね
御凪 涼:知識のが高い
GM:そうですね。上げてください
御凪 涼:あ、あげあげ!
石神井 寅彦:石神井寅彦の侵蝕値を40増加 (39 → 79)
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕値を40増加 (49 → 89)
GM:涼さんが高いな
御凪 涼:緊張かn
石神井 寅彦:緊張してるのかしら
石神井 寅彦:してるな
御凪 涼:タイピングにもあらわれる
GM:では、ロールの方は、捕まえるとこでもいいし、目的地まででもいいですが
石神井 寅彦:目的地までにします?
御凪 涼:そうですね
GM:お話していきましょうか
御凪 涼:なんかわくホで待機てきな
GM:あ、場所的には到着してから?
御凪 涼:ああ、まででもいいか
石神井 寅彦:距離が近いからな
石神井 寅彦:人が完全に出るまで待つとかにします?
御凪 涼:いいですね
御凪 涼:そーしよ
石神井 寅彦:一応避難してもらうことになったみたいな
GM:よさそう。別室待機!
石神井 寅彦:はあい
御凪 涼:ウス


【雨宿町・公共施設『雨宿わくわくホール』・和風レクリエーションルーム】

GM:雷獣が見られた部屋から人を隔離している間、あなたたちはここで待機することとなった。
GM:畳の匂いのする、広めの和室だ。
石神井 寅彦:「外部の人が入っちゃってたんだって」涼さんに言います。
石神井 寅彦:「ちょっと時間かかるかも」
御凪 涼:ここへ来て舞うか倒れるかしかした覚えがないので、どう座るか迷っている。
御凪 涼:「ん、わかった」
石神井 寅彦:「…」その様子を見てる。「正座は?」
御凪 涼:「なるほど」
御凪 涼:窓辺のスペースで正座。
石神井 寅彦:「涼さんってさ」
御凪 涼:「うん?」
石神井 寅彦:「結構協力的だよね。こっちの仕事」
石神井 寅彦:「これも初めてじゃないんでしょ?」
御凪 涼:「そうだね。まえは來火くんとだったかな」
御凪 涼:「こっちの事件は共振現象があるし」
御凪 涼:「雷獣たちは」
御凪 涼:「……なんだろう。事件があったからか、なんとなく気になる」
御凪 涼:正座をしてからは人形のようにじっとして座っている。
石神井 寅彦:聞きながら、涼さんの向かいの壁、正面を少しずらして、もたれて座る。
石神井 寅彦:「そっか」
御凪 涼:「あの時のは…なんだか、すごく目まぐるしくて」
御凪 涼:「感じていたこととか、考えようとしたことも、手つかずのところが多いな」
石神井 寅彦:「…倒れるまで舞ってたのにね」ちょっと笑います。
石神井 寅彦:「まだ足りませんか」
御凪 涼:「それは、べつにね。だいたいそうだから」笑う。
御凪 涼:「うん」
御凪 涼:「でも、寅彦くんに聞いてもらったり、占ってもらったり…」
御凪 涼:「いろんな言葉を貰ったの、嬉しかったよ。とても」
石神井 寅彦:「ん」瞬きします。
御凪 涼:「ん?」
石神井 寅彦:「いや、突然お礼言われたから」
御凪 涼:「……突然だっけ?」
石神井 寅彦:「えー?」笑います。
御凪 涼:「あれ、じゃあすまなかったな。前からそう思っていたんだけど…」きょとんとする。
御凪 涼:「ほんとうに嬉しかったんだ」
石神井 寅彦:「…そんなに、何かしたっけ?」
御凪 涼:「言葉にするといい、踏み込んでみるといいって」
御凪 涼:「たくさん話を聞いて、手伝ってくれたじゃないか」
石神井 寅彦:「……」
石神井 寅彦:「……良い方向に繋がってる?」
御凪 涼:「当然、そうだったよ…?」
御凪 涼:「そうだよ」
石神井 寅彦:「そう?」
石神井 寅彦:困ったように笑う。
御凪 涼:大きく瞬きをする。
石神井 寅彦:「じゃあ良かったです」
御凪 涼:「……私は、てっきり」
石神井 寅彦:「ん」
御凪 涼:「きみにとって、そうやって…人を笑って手伝って、よくしてくれるなんて、当然のことで」
御凪 涼:「あたりまえで、…なんというか、ふつうのことなんだと思っていた」
石神井 寅彦:「んー?」
石神井 寅彦:「なになに」涼さんを見る。
御凪 涼:「なんだろう…」
御凪 涼:「良い方になったって、私に聞いて、嬉しいことなんだって」
御凪 涼:「思ってなかった…のかな…たぶん」
石神井 寅彦:「なになに」また言って笑う。
御凪 涼:「なに、って」
石神井 寅彦:「…あの時はね」
石神井 寅彦:「あの時は、涼さん、なんだかずっと途方に暮れてたから」
石神井 寅彦:「まあ、だから、どうしたのかなって思って…」
御凪 涼:「ふふ」困ったように笑う。
御凪 涼:「それが嬉しかったんだよ」
石神井 寅彦:「……ん」
御凪 涼:「……誰かを助けられるなんて、思ってなかったから」
石神井 寅彦:「………」
石神井 寅彦:「そんなことねーって」
石神井 寅彦:瞬きした後、あっさり言う。
御凪 涼:「うん」
石神井 寅彦:「涼さんがさ、誰かのこと助けてみたいなって思って、動いてる限りさ」
石神井 寅彦:「自分で思ってる以上に、できてるよ。きっとさ、ずっと前から」
御凪 涼:「きみにも?」
石神井 寅彦:「ん?おれ?」
御凪 涼:目の前の男を見る。
御凪 涼:「いつかきみを助けられることがあったら、私はそうしたいよ」
石神井 寅彦:「別におれじゃなくても良くない?」
石神井 寅彦:「そりゃ、助けてもらえるなら、助けてもらいたいけど」
御凪 涼:「だれが良いから、だれを助けたいとか……」
御凪 涼:「そういうものではない、気がする…?」
石神井 寅彦:「んん?」笑って首を傾げる。
石神井 寅彦:「じゃあ、おれじゃなくても良いんじゃないの?」
御凪 涼:「……?良し悪しではなくて…」
御凪 涼:考える。「……なんでか、少し後で考えるけど」
御凪 涼:「でも、きみでなくていいとか悪いとかではなく」
御凪 涼:「きみが困っていたら助けられたら嬉しい」
御凪 涼:「……そうできたらいいと思う」
御凪 涼:途方に暮れたように言う。
石神井 寅彦:「そっか」笑う。
石神井 寅彦:「おればっか、いっぱいお世話したみたいになってる?」
御凪 涼:軽く目を見開く。「うん」
石神井 寅彦:「別にそんなことないって」
石神井 寅彦:「気にしなくていいよ。ほんとに」
御凪 涼:「好きでやっているから?」
御凪 涼:「……気にしなくていいって言われたのに」気づいて、薄く笑う。
石神井 寅彦:「気にしちゃうのね」困ったように笑う。
御凪 涼:「ああ」
石神井 寅彦:「……さっきね」
石神井 寅彦:「あなたの話聞いて、おれが『それは嬉しいな』って思ったのは」
石神井 寅彦:「おれが何か言ったことが、あなたにとって良い影響になったってことで…」
石神井 寅彦:「別にそれで、おれに何かすげー感謝してほしいっていうよりはさ」
石神井 寅彦:「そのまま、どんどん良くなってほしいって思うよ」
石神井 寅彦:「だから、なんだろ。感謝の気持ちは、他の人に分けてあげてください」
御凪 涼:じっと聞いている。自分のことを話すのは、好きではないと聞いた。
石神井 寅彦:言葉を探りながらになって、いつもよりゆっくり喋る。
石神井 寅彦:「でも、踏み込み過ぎると嫌われるからね」
御凪 涼:それで語られた言葉を、まるで自分みたいなその迷いを、無碍になどしたくはない。
石神井 寅彦:あはは、と笑う。
御凪 涼:「……ん。ありがとう」
御凪 涼:したくはないのにな、と思う。
石神井 寅彦:「ううん、なんか説教くさくなっちゃった。ごめんね」
御凪 涼:「いいよ。それも、いい影響だ」
石神井 寅彦:「そうかな?」困ったように笑う。
御凪 涼:(…たぶん私は)
御凪 涼:(また間違えるんだろうな。今でなくても、またどこかで)
御凪 涼:笑い返す。
御凪 涼:「そうだよ」
御凪 涼:「でも、分けても余るくらい、私、きっとあるから」
御凪 涼:「……困ったときだけ、聞いて」
石神井 寅彦:「………」
石神井 寅彦:面食らったような顔をする。
石神井 寅彦:「……いま困った」
御凪 涼:「む」
御凪 涼:またどこか、ではなかった。

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
御凪 涼:はあい 寅彦くんにとろう
石神井 寅彦:涼さんにとるか
石神井 寅彦:涼さんに 困惑:〇/食傷/ロイス
石神井 寅彦:これで取ります
GM:困惑してる
石神井 寅彦:あと1枠なんか 取っておきましょう
御凪 涼:〇信頼/罪悪感 かな…?
GM:罪悪感……
石神井 寅彦:影響すること/誠意:〇/恐怖/ロイス
石神井 寅彦:こうです
GM:ほわあ
御凪 涼:じゃあ
御凪 涼:影響されること 〇幸福感/無関心
御凪 涼:これで
GM:ひえ
GM:購入判定もどうぞー
石神井 寅彦:ボディーアーマー…
石神井 寅彦:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 9[2,6,9] → 9 → 失敗

石神井 寅彦:だめのとら
御凪 涼:じゃあ私がやるか
御凪 涼:6DX+0+0@10>=12 調達
DoubleCross : (6DX10>=12) → 10[2,5,6,6,7,10]+9[9] → 19 → 成功

石神井 寅彦:すご!
御凪 涼:おお
石神井 寅彦:いや涼さん装備していいよ!
御凪 涼:あ、マジ?じゃあ着こみます
御凪 涼:モコモコ
石神井 寅彦:よしよし
GM:やったね


クライマックス


GM:全員登場。登場侵蝕をお願いします。
石神井 寅彦:石神井寅彦の侵蝕値を1D10(→ 7)増加 (79 → 86)
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕値を1d10(→ 10)増加 (89 → 99)
GM:ひえ
石神井 寅彦:アヤヤッ
御凪 涼:こわばり


【雨宿町・公共施設『雨宿わくわくホール』 映像ホール】

GM:広めのホールの中には座席が並び、前面には舞台とスクリーン。
GM:無事に一般人の避難は完了し、そして舞台上には小さな白い雷獣が一匹。
雷獣:「ぴー!」
雷獣:ぱちぱちと火花を散らしながら、スクリーンにじゃれついていたが。
雷獣:あなたたちの方を見て威嚇の声を上げる。
雷獣:威嚇の声に混ざり、ワーディングの気配をあなたたちに伝える。
GM:衝動判定。意志で目標値9。
御凪 涼:5DX+2+0@10>=9 意思
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 10[3,7,9,9,10]+9[9]+2 → 21 → 成功

石神井 寅彦:6dx+1>=9
DoubleCross : (6DX10+1>=9) → 10[3,5,7,7,8,10]+1[1]+1 → 12 → 成功

GM:たっか
GM:君らつよいですね
石神井 寅彦:ヤバ
御凪 涼:これだから退かねえんじゃん
石神井 寅彦:石神井寅彦の侵蝕値を2d10(→ 15)増加 (86 → 101)
石神井 寅彦:15!ヤバ!
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕値を1d10(→ 10)増加 (99 → 109)
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕値を1d10(→ 6)増加 (109 → 115)
GM:あっいい感じの……
御凪 涼:…
GM:!
御凪 涼:アホ
GM:がんばっていこう!
石神井 寅彦:退かないから…

GM:では、戦闘を開始します。
GM:エンゲージは以下の通り。

 [雷獣(10)]
    |
   5m
    |
[石神井(6)涼(5)]


GM:雷獣は一匹、距離は5mです。


■セットアップ■

GM:何かあれば宣言どうぞ。
雷獣:ないです
御凪 涼:しないぜ
石神井 寅彦:なしだぜ


■イニシアチブ■

GM:行動値順で10の雷獣が最初に動きます。
石神井 寅彦:キー!
御凪 涼:きき
雷獣:うごくよー
雷獣:マイナー、《雷の加護》ブラックドッグエフェクトを組み合わせた判定のダイス増。
雷獣:メジャー、《雷の槍》《光の手》《コンセントレイト:ブラックドッグ》
雷獣:対象は……石神井さんで。
石神井 寅彦:おお!
雷獣:命中判定します。
雷獣:10dx7+1
DoubleCross : (10DX7+1) → 10[1,1,1,2,3,4,5,8,9,10]+10[4,5,10]+3[3]+1 → 24

雷獣:ふつうの雷獣だった
石神井 寅彦:ウオオドッジ
石神井 寅彦:4dx>=24
DoubleCross : (4DX10>=24) → 9[3,3,3,9] → 9 → 失敗

石神井 寅彦:ダメですね
御凪 涼:うむ
雷獣:ダメージ!
雷獣:3d10+10
DoubleCross : (3D10+10) → 14[9,2,3]+10 → 24

雷獣:あっ
雷獣:そ、装甲有効
御凪 涼:お
石神井 寅彦:装甲…ない!けど!
石神井 寅彦:HP2点残るので生存します!
雷獣:なんだとー
石神井 寅彦:肉体1なのに頑張った
御凪 涼:えらい

GM:次は6の石神井さん
石神井 寅彦:待機します!
GM:りょ! では涼さんに。
御凪 涼:わーい
御凪 涼:はーい
御凪 涼:マイナーは無し
御凪 涼:メジャーでコンボ『逃げ水』《ポイズンフォッグ》《戦乙女の導き》《狂戦士》
御凪 涼:PC全員の次のメジャーアクションダイス+10、C値-1、攻撃力+5。
GM:ひえー
御凪 涼:御凪 涼の侵蝕値を11増加 (115 → 126)
石神井 寅彦:いつもお世話になっております
GM:ではそのまま待機をしていた石神井さん。
石神井 寅彦:あっ待って
石神井 寅彦:すみませんGM
GM:おっと
石神井 寅彦:ポイズンフォッグ必要ないかも?ということに気付きました
GM:ほんとうだ
御凪 涼:あっ
GM:外しても……いいよ!
御凪 涼:ありがたい やさしさ
御凪 涼:《戦乙女の導き》《狂戦士》 で…
御凪 涼:侵蝕も124になった
石神井 寅彦:節約!
GM:ちょっとお得。気付いてよかったね
御凪 涼:ありがとー!
石神井 寅彦:ではこのままこちらの手番に!

GM:では改めまして石神井さんどうぞー
石神井 寅彦:はーい。マイナーなし。
石神井 寅彦:メジャー、コンボ:『後ろ髪にめくばせ』《コンセントレイト:ウロボロス》《飢えし影》《増加の触媒》《原初の白:イエーガーマイスター》。
石神井 寅彦:雷獣ちゃんに攻撃します
雷獣:ぴっ 命中判定どうぞ
石神井 寅彦:(4+3+10)dx6+4
DoubleCross : (17DX6+4) → 10[1,2,2,3,3,4,5,5,5,5,7,9,9,9,10,10,10]+10[4,5,5,6,7,8,9]+10[1,4,5,10]+1[1]+4 → 35

雷獣:イベイジョン12! 当たります。
雷獣:ダメージどうぞ
石神井 寅彦:はい!
石神井 寅彦:4d10+25+5 装甲有効
DoubleCross : (4D10+25+5) → 24[8,1,8,7]+25+5 → 54

雷獣:たっか
石神井 寅彦:54ダメージ
御凪 涼:やったー!
雷獣:それはもうだめです。落ちて復活もなし!
GM:戦闘終了。あなたたちの勝利です。
石神井 寅彦:石神井寅彦の侵蝕値を13増加 (101 → 114)
御凪 涼:やったーー!
石神井 寅彦:うれしいぜ
GM:では演出をやっていきましょう。

雷獣:「ぴー! ぴー!」背中の毛を逆立て、ばちばちと稲妻が走る。
雷獣:……その様子は、どこか苦しそうに見える、かもしれない。咳き込んでいるようだ。
石神井 寅彦:「んん…?」首を傾げる。
御凪 涼:「…咳?」
雷獣:そうして、飛んだ稲妻はジグザグと石神井さんの元へ。
石神井 寅彦:「そうみた……ギャ」当たります。
御凪 涼:「んっ」
石神井 寅彦:「うわわわわわ」痺れる。
御凪 涼:「痺れている…」
雷獣:「びゃーっ!」威嚇!
御凪 涼:「ということは…普段の個体より弱めの電撃なのかな?」
御凪 涼:「弱っているのか」
雷獣:「……けほ」また小さな咳。
石神井 寅彦:「…咳した途端に出ちゃったって感じだったね」痺れた手を振りながら言います。
石神井 寅彦:「風邪だったりして」
御凪 涼:《空の楽器》でしゃらしゃら、と音を鳴らします。
御凪 涼:「そうかも」
雷獣:音を気にして視線をうろうろさせている。
御凪 涼:《虹の香り》で暖かな雨の香りも。
雷獣:すんすんと鼻を動かし、くるくると回っている。
御凪 涼:「気を張らないで、早くきみの仲間のところへ行こう」
御凪 涼:それを真似るように、いつもより不器用なほどの仕草で旋回。
御凪 涼:「きっとすぐ治してくれる、優しい人ばかりだから」
雷獣:「ぴー……」軽く迷うように声を上げる。
石神井 寅彦:その目の前に、雷獣と同じ形をした影法師が地からぬるりと現れる。
石神井 寅彦:「……って言ってる人もさ」
石神井 寅彦:「優しいんだよね」
雷獣:「ぴょっ」驚いて見つめる。
石神井 寅彦:ぱくり、と抱き着いて。繋がった影が、こちらの感情を伝える。
石神井 寅彦:誠意と庇護。
雷獣:「…………」けほけほ、と小さく咳をしながら、それを受け止める。
石神井 寅彦:雷獣が感情を受け止めたなら、その身体に溶けるようにして影法師が消滅する。
雷獣:驚きと、安堵とで目をまんまるにしながら。
雷獣:「……けほ。けほけほっ」
石神井 寅彦:雷獣の前に寄って、しゃがみます。
石神井 寅彦:「ほら、おいで」
御凪 涼:しゃらんと音が止み、近くに来ます。
雷獣:少し強く咳をして。何かが喉に詰まっている様子だ。
御凪 涼:じっと見ている。
雷獣:「けほっ!」
石神井 寅彦:「ん?」
雷獣:白い小さな石が、口から飛び出した。
御凪 涼:「あれ」
石神井 寅彦:「これって…」

ステージ限定アイテム『慰石の欠片』
種別:アイテム(使い捨て)
バックトラック時に使用。PC全員のダイスを+1d10する。


石神井 寅彦:石をつまみあげます。涼さんと目を合わせる。
御凪 涼:「アテナシさんの配ってくれる石だ」
雷獣:喉にこの石が詰まって、苦しんでいたようだ。
雷獣:「……ぴー!」
雷獣:とことこと、あなたたちの方に近付く。
石神井 寅彦:「そうだね。良い物持ってたねえ」
石神井 寅彦:言ってから、また雷獣を見る。「おいでおいで」
御凪 涼:「風邪でなくてよかった」
雷獣:すっかり大人しくなった様子で、頭を垂れる。
御凪 涼:その頭を撫でます。
御凪 涼:「ん、えらいね」
石神井 寅彦:「じゃ、來火くんとこ連れて帰りますか」
御凪 涼:「うん。お疲れさまでした」
石神井 寅彦:「うん。お疲れ様でした……あ」
石神井 寅彦:「そうだ。その前に、聞いとかなきゃいけないことが」
御凪 涼:「ん?」
石神井 寅彦:困ったような顔で涼さんを見る。
石神井 寅彦:「涼さんって」
御凪 涼:「はい」
石神井 寅彦:「おれが、あなたのこと苦手だと思ってるの?」
御凪 涼:きょとんとする。
御凪 涼:「……違った?」
石神井 寅彦:「違うよ?」
御凪 涼:「そうなんだ……?」
石神井 寅彦:「うん。じゃ、ほら。行きましょ」
御凪 涼:きょとんと開いていた目をわずかに細めて。
御凪 涼:「そう」
御凪 涼:とだけ返し、ついていきます。


バックトラック


GM:Eロイスはありませんが、慰石の欠片が1個!
GM:まず1d10下げられます。
石神井 寅彦:わーーい
御凪 涼:最高
石神井 寅彦:114-1d10
DoubleCross : (114-1D10) → 114-7[7] → 107

石神井 寅彦:がっつりとね
御凪 涼:124-1d10
DoubleCross : (124-1D10) → 124-6[6] → 118

GM:あとはロイス数に応じてダイスを振ってください。
石神井 寅彦:107-6d10 一倍振り
DoubleCross : (107-6D10) → 107-33[5,6,7,4,5,6] → 74

御凪 涼:残り6 一倍
御凪 涼:118-6d10
DoubleCross : (118-6D10) → 118-38[8,4,8,9,4,5] → 80

石神井 寅彦:5点帰還!
GM:いい感じ!
御凪 涼:ふー
GM:お帰りなさい!
石神井 寅彦:やった~ただいまです!
GM:経験点ざっくり配布!
御凪 涼:ただいまー
GM:いつもの5点、シナリオ3点、その他はなし。
GM:あとは侵蝕分をプラスしてください。
御凪 涼:13かな?
石神井 寅彦:8+5で13ですね!
GM:オッケー! お疲れ様でした!


エンディング


【雨宿町・五位公園】

GM:ホールの近くにある、さほど大きくはない公園。遊具はある。
GM:あなたたちは任務を終え、この公園へと足を運んでいた。
御凪 涼:いつものようにひとしきり舞っていた。
石神井 寅彦:色々済まして、そこにやって来る。しばらくぼうっと見ていた。
石神井 寅彦:「てかさ」
御凪 涼:「……ん」扇をぱちんと閉じる。
石神井 寅彦:「なんで苦手に思ってるって、思われてたの?」
御凪 涼:「ああ…」少し思案するように木々を見る。
御凪 涼:「なんだろう。具体的にこう、というよりは」
御凪 涼:「私、きみと話すと置いていかれがちで、つい言葉を焦って」
御凪 涼:「こう……傷つけるような言い方をしている気がしたのと」
石神井 寅彦:「うん」鉄棒に寄りかかっている。
御凪 涼:「きみに譲ってもらってばかりだな、というのと…」
石神井 寅彦:「うんー?」
石神井 寅彦:あんまり分かってない顔。
御凪 涼:「あと、なんだろう」
石神井 寅彦:「えー、待って待って」
御凪 涼:「ん」
石神井 寅彦:「おれ、話すの早い? ごめんね」
御凪 涼:「早い…わけではないと思う」
御凪 涼:「えっと。たまに。私が考えているときに」
石神井 寅彦:「ん」
御凪 涼:「言葉を探しているときに、話題を変えたり、人に視点を逸らされている」
御凪 涼:「ような……?」
御凪 涼:考えている。
石神井 寅彦:「そうかなあ」
石神井 寅彦:へらへらと笑う。
御凪 涼:「違ったらすまないね。そう思っていて…」《真偽感知》を使わない。
御凪 涼:考えて、探している。
石神井 寅彦:「おれがさ」
御凪 涼:「うん?」
石神井 寅彦:「あなたに傷つけられたり、あなたに譲ったりしてるって」
石神井 寅彦:「そういうの感じてたの?」
御凪 涼:「うん」
御凪 涼:いつもの調子で。
石神井 寅彦:「やだね、それ」苦笑する。
御凪 涼:「……ん」わずかに首を傾げる。
石神井 寅彦:「涼さんがしんどいじゃん、それは」
御凪 涼:「そうかな…」
御凪 涼:「なんというか」
石神井 寅彦:「うん」
御凪 涼:「大小の差、とかは、あるかもしれないけれど」
御凪 涼:「珍しいことではないし」
御凪 涼:「いつも……」
御凪 涼:「少しずつ、私はよく、そうさせて」
御凪 涼:「ええと、そう、大仰なことではなく…」
石神井 寅彦:「ふふ。とりあえず全部言っちゃいなよ」
石神井 寅彦:「言ってから整えよ」
御凪 涼:「こういうことを言って、気にされるのは嫌なんだけどな…なんで言ってしまうんだろう、私は」
御凪 涼:息を吐く。
石神井 寅彦:「……そうねえ」
御凪 涼:ちいさな白い獣みたいに、喉が苦しくて、でもそこにはなにもない。
御凪 涼:なにもないのに苦しい。
石神井 寅彦:「聞くの好きだけど」
石神井 寅彦:「あなたが、言えるようになったことでしょ」
石神井 寅彦:涼さんを見る。笑う。「だったら聞きたいよ」
御凪 涼:「困らせるかもしれないよ」笑う。
石神井 寅彦:「いいよ、それは。おれの問題だし」
御凪 涼:「……よくないよ、っていうのが困らせそう」
石神井 寅彦:「ふふふ」
御凪 涼:「こういうのも……」
石神井 寅彦:へらっと笑う。
御凪 涼:「ひとを傷つけたくないし、心を切り分けてほしくなんかないのに」
御凪 涼:「だから、もっと…」
石神井 寅彦:「うん」
御凪 涼:「もっと、私は」
御凪 涼:「……この先がわからない」
石神井 寅彦:「分かんなくなっちゃった?」
御凪 涼:「ずっと分からないんだ」笑う。
御凪 涼:「わからないことばっかり得意だ」
石神井 寅彦:「そっか」
石神井 寅彦:「いま、誰のこと思い浮かべたの?」
石神井 寅彦:「おれだけじゃないでしょ」
御凪 涼:「そうだよ」
御凪 涼:「誰のこともだよ」
石神井 寅彦:「うん」
御凪 涼:秋の風の感触、虫の鳴き声、鉄錆と花とバニラの匂い、ゆるい光、
御凪 涼:そこに目の前で返される相槌、その意味、
御凪 涼:雪崩れ込んで、拾い上げて、考えて、言葉にして。
御凪 涼:分からないまま、言っている。
石神井 寅彦:「……別に」
石神井 寅彦:「分かってほしいと思ってないよ」
御凪 涼:「……そうなの?」
石神井 寅彦:「うん。おれはね」
石神井 寅彦:「つかさ、勝手に決めなくていいって」
御凪 涼:「む」
石神井 寅彦:「そんな、傷つくとか…譲るとか…」
石神井 寅彦:「深く考えてねーし」
御凪 涼:「……そうなのか」
石神井 寅彦:「うん。いや、まあ」
石神井 寅彦:「どっちかっていうと…」
石神井 寅彦:「…きみはこうだよねって言われるのが……、えっと」
石神井 寅彦:「……。…決めないで的な」
御凪 涼:静かにその言葉を拾い上げる。無数の五感の中から。
御凪 涼:「……ん」
石神井 寅彦:「適当にほっといて」
御凪 涼:「じゃあ、私は、傷つくとか譲るとか考えずに」
御凪 涼:「いま、こう言う」
石神井 寅彦:「……ん」
御凪 涼:「聞かせてくれてありがとう。とても、聞いてくれたのとおなじだけ、」
御凪 涼:「とても、嬉しかった」
石神井 寅彦:「ん」目を細める。
石神井 寅彦:「ちなみにさ」
御凪 涼:「はい」
石神井 寅彦:「涼さんがさ、そうやって、人に対して…やっちゃったかなーみたいに思った時って」
石神井 寅彦:「相手にはどうしてほしいの?」
御凪 涼:「む」
御凪 涼:「……相手には……?」
石神井 寅彦:「なんかあるでしょ」笑う。
御凪 涼:「あるのか…」
石神井 寅彦:「正直に言ってほしいなー、とかさ」
御凪 涼:「あ、そうだね。言ってほしい」
御凪 涼:「あと…どこだったか」
石神井 寅彦:「んん?」
御凪 涼:「傷つけたかな、とかは思うけれど、どこかまでは分からないこともあるから」
御凪 涼:「それを…教えてほしい、ではないな…知りたいとは」
御凪 涼:「そうすれば次はしないようにできる…」
石神井 寅彦:「あはは。優しいね。確かに、そうだね」
御凪 涼:「…ただ」
御凪 涼:「それを言わせる…こと自体が。違う気がする…?」
石神井 寅彦:「……そうかも」
御凪 涼:「だよね」まじめに頷く。
石神井 寅彦:「うん」こっちもまじめに頷く。「難しいよね」
御凪 涼:「無理なく知りたいという気持ちです」
石神井 寅彦:「涼さん、ぐいっと踏み込むからなあ」
御凪 涼:「そう、みたい?……これも、まだあまりよくわかってない」
石神井 寅彦:「そう? じゃ、思ってるより、ずっと人のこと見てるんだね」
御凪 涼:「……ん?どうして?」
石神井 寅彦:「だって、ちゃんとその人と向かい合ってないと、そもそも痛い所もつけないでしょ」
御凪 涼:「そうなのか…」
石神井 寅彦:「思ってるより、分かってんじゃない?」
御凪 涼:「ふむ……」
御凪 涼:「あ、じゃあ、もしかして」
石神井 寅彦:「ん?」
御凪 涼:「きみが私を苦手だと思っていたのは」
御凪 涼:「……えっと、私、わかろうとしすぎたのかな?」
石神井 寅彦:「………」
石神井 寅彦:曖昧な笑みを浮かべる。
石神井 寅彦:「おれもさ、思ったのは」
石神井 寅彦:「涼さん、人のことがわからないんじゃなくて」
石神井 寅彦:「はっきり言っていいかどうかの判断が苦手なんじゃないかな…」
御凪 涼:「……なるほど」
石神井 寅彦:「………そういうのさ」
石神井 寅彦:「助けたいなって思っちゃうのは」
石神井 寅彦:「普通に、あなたの友達として言ってんだけど」
石神井 寅彦:「これも一方的?」
御凪 涼:「えっ」
石神井 寅彦:「なによ」
御凪 涼:「いや……きみに」
御凪 涼:「友達だと思ってもらえていたんだなって」
御凪 涼:「良かった」
石神井 寅彦:「人のこと、なんだと思ってんの」笑う。
御凪 涼:「……」
御凪 涼:「……良かった」
御凪 涼:「ふふ」
御凪 涼:目を閉じる。
石神井 寅彦:「……」
石神井 寅彦:「………あなたに」
石神井 寅彦:「最初に会った時に、今思えば、見当違いなこと言ったんだよね」
御凪 涼:「……言ったっけ?」
石神井 寅彦:「うん」
石神井 寅彦:「思ってるの話すの苦手でしょ、って、そう思ってたし、言った気がする」
御凪 涼:「……いまは違う?」
石神井 寅彦:「苦手ではないでしょ」
石神井 寅彦:「下手だけど」
石神井 寅彦:へらへらと笑う。
御凪 涼:「ああ…」
御凪 涼:「たしかに、そうだ」
御凪 涼:くすくすと笑う。
石神井 寅彦:「あなたに比べりゃ、おれのがよっぽど話すの苦手だって思うよ」
御凪 涼:「寅彦くんは……」
御凪 涼:「そうかも…?…あ、決めてしまう……」
御凪 涼:「下手だな…」
石神井 寅彦:「あはは。決めないでー」笑う。
御凪 涼:「下手なのにね、好きだよ」
石神井 寅彦:「話すこと?」
御凪 涼:「うん」
御凪 涼:「好きになった」
石神井 寅彦:「そりゃ良い事だ」目を細める。
石神井 寅彦:「舞うのは?」
御凪 涼:「もっと好き、好きというよりも…」
御凪 涼:「もっと不可分だ」
石神井 寅彦:「そっか」
石神井 寅彦:鉄棒に寄りかかり直す。
石神井 寅彦:「じゃあ、したい方をしよ」
御凪 涼:そうすれば、微笑んで。ひらりと扇を開く。
御凪 涼:紫檀の香りがふわりと広がる。
石神井 寅彦:話を聞くのは好きだ。
御凪 涼:すべてに身を任せ、倒れるような所作から、ふわりと回って。
石神井 寅彦:この人の舞を見るのも、まあ、この人にとっては、同じようなものなんだろう。
石神井 寅彦:言葉ほどは、分からないけど。
御凪 涼:指先ひとつ、視線ひとつが、わからないすべてと溶け合う。わからないまま。
御凪 涼:風が吹くこと。声がすること。土が香ること。空が見下ろすこと。
御凪 涼:すべてを共に奏でるように、すべてをかわりに動くように、
御凪 涼:(舞うのが好き、ということは)
御凪 涼:(……だって)
御凪 涼:(ここにある、すべてが好きだということだ)
御凪 涼:(生きているのが好きだということだ)
御凪 涼:舞いつづける。
石神井 寅彦:舞う人の影を追う。
石神井 寅彦:「…楽しそうなことで」
石神井 寅彦:それだけは、分かった。

リプレイ・ドロップ 雨宿町後追〜稲妻をつかまえて〜 その5・雨宿わくわくホールにて 了