リプレイ・ドロップ
雨宿町白楼夢~微睡みは降る時を知り~


メイン 見学



PC1:"鴉の愛し子"可知 充希(かじ・みつき)キャラシート)PL:今日日
PC2:"リープサンドッグ"若菜 美奈人(わかな・みなと)キャラシート)PL:DT
PC3:"エフェメライラ"加茂 由香里(かも・ゆかり)キャラシート)PL:自動
PC4:"春待ち"ベル()キャラシート)PL:りっとく
GM:さささ

本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
(C) FarEast Amusement Research Co.Ltd.



目次



プリプレイ


GM:では、セッションを開始していきます。
GM:まずはPC紹介から!
GM:PC1の可知さんからお願いします。


キラキラ鱈メーカー3
キャラシート


可知 充希:はーい!
可知 充希:可知充希(かじ・みつき)!雨宿町で暮らす中学一年生です!
GM:やったー!
可知 充希:おうちはカフェ『宿り木』。パパのコーヒーとママのお料理が町の人に愛されてるよ。看板メニューはオムナポリ!
GM:おいしそう!
可知 充希:そんなお店の子だからか、それとも元々か。明るく人懐っこい性格で、いつでもニコニコの元気印です。
GM:かわいいね
可知 充希:それだけなら普通の女の子なんですが……実は、小さい頃から不思議なお友達が居るのです。
GM:ほほう
可知 充希:名前は『かーくん』と『すーちゃん』。伸縮自在でお喋り上手という不思議な二羽のカラス。
可知 充希:でもあたし以外の人は普通に鳴いてるようにしか聞こえないんだって。
GM:えーっ不思議ー
可知 充希:なんでかなぁと思ってたら、おうちに来た役所の人が二人は『遺産』なんだよって教えてくれました。
可知 充希:なんかレネゲイド?から生まれた不思議な力を持ってるものをそういうんだって。
GM:へーっ
可知 充希:そしてあたしもレネゲイドに覚醒したオーヴァードなんだって!
GM:ええーっ!
可知 充希:というのを知ったのが幼稚園の年長さんくらいのとき。それからは定期的に役所に通って検査と訓練を受けています。
GM:えらい
可知 充希:当人の認識は皆に内緒の習い事くらいな感じ。イリーガルの認定は受けてるけどあんまり任務とかはしてないです。
可知 充希:パパもママもかーくんもすーちゃんも心配するから……。
GM:愛されてる……
可知 充希:そういう感じで、小さい頃から遺産に適合しているけど自覚はそんなにない普通な元気っ子です。
可知 充希:戦いたい!とか守りたい!って感じはそんなにないけど、自分の知ってる範囲で何か起きてるなら頑張るぞ!そういう心持で臨みます。
GM:おおっ頑張ってほしい
可知 充希:性能的にはオートサポートメインのピュアノイマン。射撃特化の固定値型。
可知 充希:大体全部かーくんとすーちゃんのお陰です。とっても賢く強くえらいカラスなので。
可知 充希:長くなっちゃった。PC1として頑張ります、よろしくお願いします!
GM:えらいー
GM:よろしくお願いします! PCとしては初稼働ということで、活躍が楽しみです
GM:ではハンドアウト……共通もあるんですが、これは後で出そうと思うので

PC1
"鴉の愛し子"可知 充希
シナリオロイス:江宮詩絵(えみや・しえ。20歳くらい、まとめ髪の物静かな大学生。好意/不安)
あなたは雨宿町に住むオーヴァードだ。
あなたの知り合いの大学生、江宮詩絵はこの町の出身だが、大学入学を機に家族ごと町外に引っ越していた。
彼女の久しぶりの帰郷にたまたま行き会ったあなたは、宿泊先のホテル『往来館』のフロントで束の間の会話を楽しんでいた……はずだった。
その時、不意に空間が歪み、あなたは往来館の広間……パーティー会場の中に立っていた。


GM:知り合いのお姉さんとお話してたら……大変!


江宮 詩絵:大変なの……?
可知 充希:しえおねえちゃんが大変……じゃあお手伝いしなきゃ!
GM:お手伝いしてあげてほしい……何が起こったのかは不明ですが!

GM:ということでPC2の若菜くん!


キャラシート

若菜美奈人:はい!
若菜美奈人:若菜美奈人(わかな・みなと)。コードネームは“リープサンドッグ”。
若菜美奈人:雨宿町での事件増加を受けて応援として派遣された、チルドレン上がりのエージェントです。
GM:いつもお世話になっております!
若菜美奈人:元々戦闘要員として各地を転戦してたプロなのでブイブイ言わせるかと思ってたんですけど
若菜美奈人:今は……大体 事務とかいうやつが主要の敵のせいで 苦戦してます。
GM:すまないねえ、カヴァーがカヴァーで……
若菜美奈人:エリート意識も抜けてないしわりと人への要求も高く あたりの強いエージェントなのですが
若菜美奈人:事務やれるエージェントには尊敬の眼差しを抱いています。
GM:えらい
若菜美奈人:あと……皆さんはご存知ないかもしれませんが この世界には遺産と呼ばれるレネゲイドアイテムが存在し
若菜美奈人:その適合者でもあります。師匠の形見のコートがそう。
GM:ええっ遺産ですって
GM:すごいなー!
若菜美奈人:シンドロームはピュアブラックドッグ。架空の架空線を戦場に張る雷撃能力を扱います。
GM:かっこいい!!!
若菜美奈人:蛇王の外套でわざわざ《原初の赤:アームズリンク》を持ってきて
若菜美奈人:リミットの早期取得と混沌なる槍の効果発揮を狙っています。
若菜美奈人:あとは……死にながら攻撃すると いっぱい火力が出ます。
GM:死にながら
若菜美奈人:暴力は任せて下さい よろしくおねがいします!
GM:うおー暴力担当よろしくお願いします!
GM:ハンドアウトはこちら!

PC2
"リープサンドッグ"若菜 美奈人
シナリオロイス:高河ありさ(こうが・ありさ。20歳、ショートヘアの快活なホテル従業員。親近感/不安)
あなたは雨宿町に住む/滞在するオーヴァードだ。
あなたとホテル『往来館』従業員でUGNイリーガルのありさとは、ある程度顔見知りの仲だ。
ある日あなたがホテルの休憩時間にありさを訪ねると、彼女は父親の隠し事や謎の落書きなど、抱えている悩みをこぼす。
その時、不意に空間が歪み、あなたは往来館の広間……パーティー会場の中に立っていた。


若菜美奈人:ある程度顔を見知っています
GM:若菜くんをお招きしたのは、以前このホテルで活躍してもらったからという感じなんですけど



高河ありさ:はい、見知ってます!
若菜美奈人:そうですね このログに詳しいです(貼られているはず)
GM:そう、こちらのログです。
若菜美奈人:ほんとに貼られた たすかります
GM:ありさちゃんはここでわりとひどい目に遭いましたが、無事助かりました
若菜美奈人:助かってよかった
GM:今回も妙なことに巻き込まれそうなので、見てやってください。
若菜美奈人:しょうがないわね
GM:頼んだ!

GM:次、PC3の加茂さんー


キャラシート

加茂 由香里:はあい!
加茂 由香里:かも・ゆかり。コードは《エフェメライラ》。
加茂 由香里:UGN雨宿支部研究部に所属するエージェントであり、現役大学生です。
GM:こちらもお世話になっております!
加茂 由香里:所属の関係もあり、バイト先は古道具屋『長玄堂』。
加茂 由香里:穏やかで明朗な感じの21歳。
GM:わおわお
加茂 由香里:見た目よりはそんなに物静かってほどでもないかも
加茂 由香里:生まれつき盲目ですが、サイコメトリー能力と構造把握能力を持ち、日常生活の支障はかなり少なめ。
加茂 由香里:器物の性能と記憶を引き出す/読み取ることに長けたオーヴァードという感じです。
GM:サイコメトリー好き
加茂 由香里:サイコメトラーです
加茂 由香里:シンドロームはモルフェウス/ノイマン。
加茂 由香里:行動は支援だけで構成され、攻撃エフェクトはありません。
加茂 由香里:メジャーは基本的にメジャー放棄カバーか自己支援で攻撃します。
加茂 由香里:ミドルは《サイコメトリー》や《黄金錬成》などでがんばっていきます。
GM:強いんだよなあ
加茂 由香里:せっかくだし新しいアイテムも買いたい
GM:お買い物とかもがんばってほしい、今回はIA準拠としていきます。
加茂 由香里:わーい!楽しみです
加茂 由香里:以上!
GM:うおー、支援の要してください
GM:ハンドアウトはこちら

"エフェメライラ"加茂 由香里
シナリオロイス:高河早人(こうが・はやと。陰気なホテル支配人。ありさの義父。誠意/隔意)
あなたはUGN雨宿支部に所属するオーヴァードだ。
その日あなたは、ホテルの支配人である高河早人に何やら話があると呼び出されていた。
早人はUGNの保護下にあるオーヴァードだが、特別に従順というわけではない。
エージェントであるあなたに自ら接触を図るのは珍しいことだったが……。
その時、不意に空間が歪み、あなたは往来館の広間……パーティー会場の中に立っていた。


GM:これは話は支部経由がいいかなって感じですね。ありさのパパ。
加茂 由香里:お父さんのほうの高河さんですね!



高河 早人:……父です。
加茂 由香里:支部経由了解です
加茂 由香里:なんの用事なんだろ~
GM:何かお話があるようなので、聞いてあげてください。
GM:なんだろ……まあその前になんかあるみたいですが……
GM:がんばって!
加茂 由香里:はーい!

GM:ではトリはPC4のベルちゃん!


キャラシート

ベル:はーい!
ベル:クロッカスのお花のレネゲイドビーイング、”春待ち”ベルです!
GM:ベルちゃーん!
GM:ベルちゃんも二度目のいらっしゃい!
ベル:蒼天幕ではお世話になりました!
GM:こちらこそです
ベル:もとは園芸店に卸される予定のお花でして、生産者からの「人に愛され、喜ばれる花となれ」という願いを強く受けています。
ベル:そのため人の役に立って喜んでもらうことが大好き!
ベル:町を駆け回っては「お手伝いさん」としてあれこれ首を突っ込んでいます。
GM:えらい!
ベル:自己犠牲的という感じではなく、えらいねーって褒められたりかわいがられたりはとてもしたいタイプです。ほめてー
GM:よしよし
ベル:わあい
ベル:普段はアテナシ様のいるお山でお世話になっていますが、蒼天幕でUGNさんともつながりができまして
ベル:最近はそっちのお手伝いもしている想定です
GM:ありがたーい
GM:お山とは仲良くやっていきたいですからね
ベル:シンドロームはハヌ/オル、こう見えて射撃アタッカー
ベル:葉っぱと茎で生み出された筒から、花びらを高速射出して相手を切り裂きます。
GM:カッター!
ベル:ただ本人はあまり戦うのは好きではないです。愛される行為ではないので……
GM:もちもち
ベル:妖精の手もあるのでお手伝いいっぱいできるといいな!よろしくお願いします!
GM:お手伝いしてー! よろしくお願いします!
GM:ではハンドアウト

PC4
"春待ち"ベル
シナリオロイス:FHセル『ティアーズ』(10年前に町に存在し、現在新生して再度侵入しつつあるセル。執着/脅威)
あなたは雨宿町に住むするレネゲイドビーイングだ。
現在、あなたはFHセル『ティアーズ』の関係者が町に侵入していないか捜索する任務に就いている。
そしてその一環として、外部からの人間が来やすい宿泊施設……ホテル『往来館』を軽くパトロールしていた、のだが……。
その時、不意に空間が歪み、あなたたちは往来館の広間……パーティー会場の中に立っていた。


GM:ちょっとお話したんですけど、これはアテナシさんから依頼を受けつつ
GM:オープニングで支部長とちょっと会って、こっちからもお願いねって言われたみたいな
GM:そういう感じを考えてます。
ベル:双方から頼りにされてる……ふふん!としています わーい



八千代 路夜:よろしくね。ほんとに人手が足りなくて……。
ベル:お任せなのですよー!(おててぶんぶん)
GM:がんばえー
GM:そういう感じで、ちょっとふわっとしたロイスになりますがお願いします。
ベル:はーい!よろしくお願いします!

GM:あといつものやつ!
GM:今回は独自ステージのため、PCたちは事前に以下の情報を共有しています。
GM:なお、独自ステージといっても通常ステージと地続きのため、PCの行き来は特に制限とかありません。
GM:情報も今回の人は、最後以外は大体知ってるんじゃないかといういつものやつです。

★雨宿町とUGN雨宿支部について 自動開示
山あいに存在する小さな地方の町。面積も人口もさほどではない。
UGN雨宿支部は町役場とその周辺の業者や商店をカヴァーとし、地道な活動を行っている。
これまでFHなど他組織との交戦経験はかなり少なかったが、現在FHセル『ティアーズ』が近辺で活動中。
また、記憶処理は出来事を夢のように思わせるような、穏やかな緩和的措置が執られている。



★雨宿町のあやし=RBについて 自動開示
この町には古くからレネゲイドビーイングが発生し、時には怪異、時には隣人として共存をしてきた。
一般的なRBとやや異なる点としては『オリジンの形質に近い存在』になりがちなところ。
レネゲイドそのものとしての自覚が無ではないがやや薄く、憑依した先に同調しやすい。
そういったまとまりや行き先のない彼らを屋敷で後見しているのが、山の主を自称するアテナシという古代種RBである。



★雨宿町の土地と共振について 自動開示
この土地には、強力なレネゲイドの気配(ワーディングなど)に反応し、精神感応が起こることがある。
具体的には記憶や思念がその場の任意の人間に伝わりやすくなる。これを共振と言う。
※演出的には、主にオリジナルエフェクト使用後や衝動判定後、シーン途中に半マスターシーンが挿入されます。
※また特殊な例として、『明確な意志をもって共振を起こした場合、上記とは別の現象が起こる』ケースがあります。



GM:ここまではおさらい的なやつとして。

★FHセル『ティアーズ』について 自動開示
ここ最近(『緋連雀』参照)町に侵入を図っているFHの一勢力。
過去に町にあった同名のセルを母体としている(『蒼天幕』参照)ようだが、内実はほぼ入れ替わっているようだ。
旧セルリーダーの名は"ダスタード"。セルリーダーの名は"ファディダディ"、カヴァーは劇団『蒼涙座』、というのが判明している情報。
雨宿町を狙い、戦力を逐次投入してきているようだが、理由は不明のまま。


GM:これが若干更新された情報です。知っておいて損はないぞ。
GM:ということで、マスターシーンとトレーラーを流し開始していこうと思います。


マスターシーン1 かつて


【????】

GM:豪奢な、まださほど古びてもいない洋館の広間、ひとりの女性が立ち尽くしている。
GM:そこは、物好きな資産家が鄙びた町に作った別荘だった。
????:「……まさか、こんなことになるなんて、ね」
????:「でも、大丈夫」
????:「私、必ず戻ってきてよ」
????:「そうすれば、この家はまたいつかの賑わいを取り戻すの。そうでしょう?」
????:そっと手を伸ばす。返事は何もないことを知っているが。
????:それでも、心残りというものは、そういうものだから。
????:「ねえ、約束よ。私、きっと帰ってきて、あなたの」
????:「……を、……から。そうしたらまた」

GM:それは、何度も何度も、そこだけを繰り返し読み込まれた記憶。
GM:刻み込まれ、宿った魂が飲み込んで、そのものとした思い出。
GM:だから、忘れない。もう二度と。


某県雫原市・雨宿町。
昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。


町の片隅にある、時が止まったような小さなホテル。
それでも人は行き来して、しばしの踊り場となる、そんな場所だった。
……本当に時よ止まれと、願ったのは果たして何者か。
止まった時のあわいに埋もれた、かつての想いはどこに消えたのか。



いらっしゃいませ。こちらはホテル『往来館』……あ、いいえ。
申し訳ございません。どうしたのかしら。十六夜家主催のパーティー会場となっております。
皆さまもうお集まりで、賑やかにご歓談されていらっしゃいます。
さあさ、どうぞ広間へ!

煌めくシャンデリアの灯の下、輝く一夜限りの宴。
浮世の憂さを忘れ、ただただ賑やかに踊り続けるの。
私は、それをただ静かに、見て……?


いいえ。
これは、そう。百年前の物語。
今はとっくに終わってしまったはずの、夢。


ダブルクロス The 3rd Edition『リプレイ・ドロップ 雨宿町白楼夢~微睡みは降る時を知り~』

過去を裏切って進むことはできない。たったひとりだけでは。
だから、どうか、とお願いします。
この夢から、助けて。




オープニング1 可知 充希


GM:登場侵蝕をお願いします。
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 10)増加(34 → 44)
GM:スタートダッシュ


【数年前 雨宿町・カフェ『止まり木』】

GM:それは、ある暑い夏の日のことだった。
GM:外の日差しは強く、冷房の効いた店内にはそこそこ客が入っていたことを、あなたは覚えている。
可知 充希:目に優しい緑色のソファと同じ緑色のクッションが付いた背の高い椅子で挟んだテーブル席は満杯。
可知 充希:といっても、二人だったり一人だったりのお客さんが多かったから、ぎゅうぎゅうってほどでもない。
可知 充希:うちのお店の一番のお客さんはおしゃべりしたいお母さんたちと、長めにゆっくりしたい大学生さんだから。
可知 充希:いっぺんに3人以上入るのは、大体おやすみの日にお昼を食べにくるご家族連れくらいなのだ。
可知 充希:おひとり様でも贅沢にテーブル席を占領できちゃうところも多分この店のウリってヤツなんだろうなぁ。
可知 充希:で、それなのにカウンターを選ぶお客さんってどういう人?って言うと、パパがコーヒー淹れてるところを見たい人とか。
可知 充希:おやすみだから朝からカウンターで宿題をしてるあたしとお話ししてくれる人、ってわけ。
GM:からんからん、とドアベルの音が鳴る。
江宮 詩絵:開いたドアの向こうには、近くの高校の制服を着た少女が立っていた。
江宮 詩絵:「……こんにちは」
江宮 詩絵:髪の長い、大人しそうな少女は、あなたの方を見て少し笑う。
可知 充希:「しえおねえちゃん!」
可知 充希:ぱぁっと顔を輝かせながらブンブンと手を振る。
可知 充希:「こんにちは!いらっしゃい!」
江宮 詩絵:小さく手を振り返す。
江宮 詩絵:「ちょっと、お勉強しに来たの」
江宮 詩絵:言いながら、あなたのいるカウンターの方へ。
江宮 詩絵:受験生らしく、少し疲れた顔をしていた。
可知 充希:「おねえちゃんも宿題?」
可知 充希:自分の前に広げてる算数のノートをつんつんと鉛筆でつつく。
江宮 詩絵:「うーん、宿題よりもっと大変」
江宮 詩絵:「自分でできるだけ勉強しないといけないから……」
江宮 詩絵:あまり明るい顔はしていない。
可知 充希:「えぇっ!?宿題じゃないのに勉強するの……?」
可知 充希:そ、そんな……とショックを受けた顔をしている。年相応に勉強嫌いなので。
江宮 詩絵:「そうだよー。充希ちゃんもそのうちしないといけないかも」
可知 充希:「あたしも!?」
江宮 詩絵:「……あ、でも、そうか」
江宮 詩絵:「何か他にしたいことがあるなら、しなくてもいい、のかな?」
江宮 詩絵:少し考えている。
江宮 詩絵:「私、お母さんに言われて受験だけはしないといけないからね。大変!」
可知 充希:「したいこと……うーん……」 ちょっと考え込んで見せて。
可知 充希:「……うん? あれ? おねえちゃんはしたいことないの?」
江宮 詩絵:「えっ」少し驚く。
可知 充希:「したいことあったら勉強しなくてもいいんでしょ?」
江宮 詩絵:「わ、わからなくて……それでまず勉強してるところもあるんだけど……」
江宮 詩絵:語尾がだいぶ弱くなる。
GM:あなたは、この顔見知りの少女が家について話す時、なんとなくいつも戸惑った様子だったのを、覚えているかもしれない。
GM:いろいろと、強制をされている、そういう空気だった。後から思い返せば、かもしれないが。
可知 充希:「……そっかぁ」 なんとなくそうだったような気をしたりしつつ。
可知 充希:「わかんないのもわかるかも。あたしも思いつかなかったもん」
可知 充希:「遊びたい!とか、パフェ食べたい!とか、そういう意味のしたいこと、じゃないもんね」
江宮 詩絵:「そうそう。だから難しくて……」
江宮 詩絵:「でも充希ちゃんがわからないのは、まだ当たり前かもね」
江宮 詩絵:「たくさんいろんなことして、そのうち見つけるんだと思うな」にこりと笑う。
可知 充希:「いろんなことかぁ……」
可知 充希:「……なら、おねえちゃんもいろんなことしてみたら?」
江宮 詩絵:「……えっ?」
可知 充希:「勉強もね、大事なんだろうなぁって思うけど」 ママも先生もそう言ってるし。
可知 充希:「いろんなことしたら見つかるなら、多分勉強以外もした方が見つかるよ!」
江宮 詩絵:「……」
江宮 詩絵:少し、寂しそうに笑って、彼女は答えた。
江宮 詩絵:「うん、そう。きっとそうね」
江宮 詩絵:「ありがとう、充希ちゃん」
可知 充希:なんでだろう。ありがとうって言ってくれたから、うれしいお返事のはずなのに。
可知 充希:おねえちゃんがちょっぴり寂しそうな気がして、あんまり喜べなかったんだ。


【現在 雨宿町・路上】

GM:そんな思い出から、数年が経ち。
GM:今年も猛暑が続き、じりじりと焦げ付くような日差しが周囲を照らしていた。
GM:交通量のわりに、なぜかなかなか青にならないと不評な交差点で、あなたは信号待ちをしていた。
可知 充希:「あぁ、つぅ、いぃ…………」
可知 充希:ランドセルから持ち替えた鞄をわざと背中に背負い、まだ真新しい半袖シャツに腕を通し。
可知 充希:夏服だからネクタイしなくていいのは嬉しいんだけど、この暑さだと焼け石に水。
可知 充希:真っ黒じゃない分かーくん達よりはマシなのかなぁなんて現実逃避をしながらぼーっと信号を眺めている。
GM:ではその時。
GM:あなたの耳に、どさりと道に荷物か何かを置くような音が聞こえた。


GM:見ると、すぐ横に一人の若い女性がいて、信号待ちの間に大きな旅行カバンを地面に下ろしている。
GM:どこか儚げな風情のその人は、ハンカチで汗を拭い、大きく息を吐いた。
江宮 詩絵:「……」そのまま、視線を横にずらして、あなたに気づく。
江宮 詩絵:「……あれ」
江宮 詩絵:「も、もしかして、充希ちゃん?」
可知 充希:「……」 目の前の綺麗なお姉さんに見覚えが無くてちょっぴり首を傾げて。
可知 充希:傾げているうちにふわふわ~っと昔のしえおねえちゃんの姿が浮かんできて。
可知 充希:茹り気味の頭がゆっくりと二人を並べて、見比べて、重ねてみて……。
可知 充希:「…………あーっ!しえおねえちゃん!?」
江宮 詩絵:「ふふ、そうよ」穏やかで、どこか寂しげな笑みは昔の通り。
江宮 詩絵:大学に進学したところで引っ越して、しばらくは会っていなかった知り合いだ。
可知 充希:「ええーっ!すっごいおねえさんになってる!」
江宮 詩絵:「あはは、恥ずかしいなあ。普通よ?」
江宮 詩絵:「充希ちゃんこそ大きくなったね!」
可知 充希:「ふふん、中学生だからね!」
可知 充希:ベストの胸元に入っている校章を指さしつつ胸を張ってみせる。
江宮 詩絵:「えーっ、もうそんなに」
江宮 詩絵:「……あ、信号、青」
江宮 詩絵:鞄を持って歩き出す。
可知 充希:「おねえちゃん、いつの間に帰ってきてたの?」
可知 充希:「あ、でもカバン持ってるんだし今日?」
江宮 詩絵:「ついさっき着いたの。泊りがけでちょっと寄ろうと思って」
可知 充希:その横にならんで歩きつつどんどん話しかける。
江宮 詩絵:あなたに歩調を合わせ、応える。
可知 充希:「そうなんだ!じゃあばったり会えてラッキーだったねぇ」
江宮 詩絵:「そうね! ほら、あのホテルあるでしょ。『往来館』」
江宮 詩絵:建物の陰から覗く、瀟洒な白い洋館を指さす。
江宮 詩絵:「あそこに泊まる予定なの。……あ」
江宮 詩絵:「せっかくだし、ちょっと充希ちゃんも来て涼む? ラウンジで飲み物とか出るはずだし」
可知 充希:「えっ、良いの!?」
江宮 詩絵:「ふふ、お姉さんですから、そこは気にしないで」
可知 充希:「やったー!おねえちゃんバンザイ!」
可知 充希:言葉通りバンザイしつつ、ふっと何かに気付いたような顔をして。
可知 充希:「……あれ、そういえば。寄ろうと思ってってことはこの後もどこか行くの?」
江宮 詩絵:「ん、うーん……」
江宮 詩絵:「どうしようかな、ちょっとふらっとしようかな、とか思ったりも……するけど……」
江宮 詩絵:どこか迷っているよな口調。
江宮 詩絵:「まずは、ここでお友達に会ってから決めようかなって」
可知 充希:「そっか。じゃあ時間があったらだけど、あたしんちにも寄ってってよ!」
可知 充希:「パパがね、新しいコーヒーミル買ったんだよ。ママもクッキーのレシピリニューアルしたし」
可知 充希:「カウンターの椅子は前のままだからちょっと古くなっちゃったけど……」
江宮 詩絵:「もちろん、寄らせてもらいたいな」
江宮 詩絵:「……なんだか、もう帰ってきてよかったなあって、そういう感じがしてる」
江宮 詩絵:言いながら、あなたたちは洋館の入口へとたどり着く。
可知 充希:「ふふー。あたしも!」 ニコニコといつも以上の笑みを顔中に浮かべて。
可知 充希:「おねえちゃんが帰ってきてくれてうれしいよ!」
可知 充希:「中学の話とか色々したいし、おねえちゃんの大学の話も聞きたいなぁ」
可知 充希:時間が今から足りないよ、と気の早いことを言っている。
江宮 詩絵:「うんうん」
江宮 詩絵:古びた木の扉に手をかけ、片手で少し重たそうに開ける。
GM:中から、冷房の涼しい空気が流れだしてくる……が。
GM:その時、眩暈のような感覚があなたたちを襲う。
GM:空間が歪んで、全身がどこか違う場所へと引き込まれるような。

GM:そうして、気が付くと目の前にはシャンデリアの飾られた豪華な広間があって。
GM:周囲には古風な礼服を身にまとった人々が、楽しそうにさざめいていた。
GM:あなたは、自分がここに『招待』されたのだと、なんとなく理解をしていた。

GM:シーンカット。ロイス取得のみできます。
可知 充希:おねえちゃんに○大好き!/疑問で取ります
GM:かわいい……
可知 充希:疑問は何で寂しそうだったんだろう……?という気持ち
GM:了解です!


オープニング2 若菜 美奈人


GM:登場侵蝕をお願いします。
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 1)増加(46 → 47)
GM:おちついてる
若菜美奈人:おちつき太郎


【雨宿町・ホテル『往来館』 ロビー】

GM:雨宿町の宿泊施設のひとつであるこのホテルは、あなたたちUGNエージェントが目を光らせているポイントのひとつだった。
GM:その日もあなたは、表の仕事のついでに何か変事はないかとホテルに足を運んだ。
GM:落ち着いた、レトロな内装は清潔で、シャンデリアや柱時計、調度品の幾つかは実際に昔使われていたものを飾っているらしい。
GM:従業員とは既に顔見知りの仲だ。特に、イリーガルである高河ありさはあなたによく話しかけてきた。
高河ありさ:「こんにちは、若菜さん。お仕事お疲れ様です」

【高河ありさ・ホテル『往来館』従業員】あるいは【"クー・クー"UGNイリーガル】

高河ありさ:慣れた様子で礼をする。クラシックな制服に身を包んだ、小柄なショートカットの女性。
高河ありさ:以前の事件であなたとは縁があった。
若菜美奈人:「……定時の見回りだ」作業着のブルゾンは着ていない。スーツ姿。
若菜美奈人:上着も着ていない。暑いので。
高河ありさ:「外、暑くありませんでしたか? お水お出ししますね」
高河ありさ:目の前のテーブルに、透明な水のグラスが置かれる。
若菜美奈人:「いや……」言いかけるが。「……どうも」
高河ありさ:にこにことしている。
高河ありさ:「あ、でも特に大きなことはありませんでしたよ」
高河ありさ:「ここ、旅行のシーズンは逆に人が減りますし」
若菜美奈人:「……観光の開発は急務だな」
若菜美奈人:「だが……あまりうまくはいっていないな……」
高河ありさ:「あるのかなあ、観光資源……」首を捻っている。
高河ありさ:「お客さんがいないから従業員も休みを取っていて、今日は私と父だけなんです」
高河ありさ:「あっそう! それなのにあの人、どういうわけだか表になかなか出てこないんですよ」
高河ありさ:「UGNから何か言ってもらえたりしません? まったく」
若菜美奈人:「UGNはそういう部署ではないが……」
若菜美奈人:「だがそれは……」
若菜美奈人:「また企んでいるんじゃないのか」
高河ありさ:「えっ」
若菜美奈人:「なんらかの……搭載を……」
高河ありさ:「や、やめてくださいよう」膝を手で押さえる。
高河ありさ:「最近はそういう怪しいことしてないです!」
高河ありさ:「してないかな……してない……はずです!」
若菜美奈人:「……していたらすぐに報告してくれ」
若菜美奈人:「制圧する」
高河ありさ:「制圧」
若菜美奈人:「……対処」
高河ありさ:「あ、あのう、ホテルの外でお願いしますね……?」
GM:要するに、ホテルは表向きはやや忙しく、おおよそ平穏らしい。そういうことのようだった。
若菜美奈人:「平穏のようで何よりだ」水を一気に飲み干す。
高河ありさ:「そう何度も事件なんて起こり……結構起こってますけど……起こりません!」
高河ありさ:「平和なホテルを目指してるんですよ、本当に」
若菜美奈人:「起きる時は……立て続けに起きるからな」
若菜美奈人:「それはもう……そういうものだ」
高河ありさ:「いやああ」
高河ありさ:大げさに怖がる風をする。
若菜美奈人:「……」
若菜美奈人:「……そうさせないために」
若菜美奈人:「我々がある」
高河ありさ:「……!」
高河ありさ:「そう、そうです。とても頼りにしてますから」
高河ありさ:「私だって、そうなればできるだけご協力しますからね!」
高河ありさ:腰に手を当て、白いエプロンの胸を張る。
若菜美奈人:「宿泊客の避難だのだけしてくれ」
高河ありさ:「……はあい。でも今はほんとにオフシーズンですよ……と」
高河ありさ:「そうだ、本当に小さなことなんですけど、もう一個」
高河ありさ:「落書きを見つけたんです」
高河ありさ:なんとなく重要そうな口調をする。
若菜美奈人:「UGNはそういう部署ではないが……」
若菜美奈人:「いやに重要そうな物言いをする」
高河ありさ:「ええっ、だって、何か因縁があったら怖いでしょう」
高河ありさ:長いスカートをひらひらとさせながら、壁際へと近づく。
高河ありさ:「ここ、本当はすぐに直さないといけないんですけど、壁紙が剥がれていて」
高河ありさ:破れた下には、『私はいつか帰ってくる』と記されていた。
若菜美奈人:「……落書きを見つけたというのは」
若菜美奈人:「落書きをされた、ではないのか」
高河ありさ:「この間、間違えて壁紙を破っちゃったんです」
若菜美奈人:「壁紙の下からなら……概ねそれは、建設時の作業員の悪戯だろう」
若菜美奈人:「貼れば気づかないからな」
高河ありさ:「いたずらかあー」しげしげと壁を見ている。
高河ありさ:「ホラーみたいって思っていたんですが……」
高河ありさ:「そう、お父さん、この件を話しても上の空なんですよ!」
高河ありさ:「やっぱりUGNからなんとか言ってあげてくれませんか?」
若菜美奈人:「UGNはそういう部署ではない」
若菜美奈人:「家庭の問題は……家庭で解決しろ」
若菜美奈人:「解決しなければ……家庭裁判所などを利用することだ」
高河ありさ:「何も言い返せません……!」
若菜美奈人:「……だが」
若菜美奈人:「気になることを連絡するのは……」
若菜美奈人:「望ましい行いだとは思うが」
若菜美奈人:「得てしてそういう所に……事件の糸口はある」
高河ありさ:「やっぱりあるんですか、事件……!」
若菜美奈人:「仮定の話だが……」
高河ありさ:「何かあったら宿泊客の避難、ですね……。といっても……」
高河ありさ:宿泊客の名簿らしき帳簿をはらりとめくる。
高河ありさ:「今日到着するのは……」
GM:その時、音を立ててホテルの正面扉が開いた。
GM:すると、眩暈のような感覚があなたたちを襲う。
GM:空間が歪んで、全身がどこか違う場所へと引き込まれるような。

GM:そうして、気が付くと目の前にはシャンデリアの飾られた豪華な広間があって。
GM:周囲には古風な礼服を身にまとった人々が、楽しそうにさざめいていた。
GM:あなたは、自分がここに『招待』されたのだと、なんとなく理解をしていた。

GM:シーンカット。ロイス取得のみできます。
若菜美奈人:住民/高河ありさ/尽力:○/厭気/ロイス
GM:尽力してあげてください


オープニング3 加茂 由香里


GM:登場侵蝕をお願いします。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 8)増加(35 → 43)
加茂 由香里:アゲアゲ
GM:大きめ


【雨宿町・ホテル『往来館』 支配人室】

GM:あなたは、支部からの指示でこのホテルを訪れていた。
GM:支配人である高河早人は支部に登録されているオーヴァードだが、何やらUGNの人員に話があるのだという。
GM:わざわざ向こうから呼びつけてきた理由は不明だが、ともあれエージェントであるあなたは支配人室に通された。
GM:狭い部屋には、様々な書類の類や、PC関係、あるいは工具類が並んでいるようだった。少し、油の匂いがする。
高河 早人:「……お越しいただき、ありがとうございます」


【高河早人・ホテル『往来館』支配人】

加茂 由香里:煙り濁るような眼、物静かな印象の若い女。
加茂 由香里:「いえいえ」
高河 早人:接客業にしてはどこか陰気な雰囲気の男性が、あなたにゆっくりとお辞儀をする。
加茂 由香里:その視線は一点から動くことはない。足取りは確かで、杖も差していない。
加茂 由香里:ゆるやかに礼を返す。
高河 早人:「まずはお茶をどうぞ」上等な茶器で紅茶を出してくれる。
加茂 由香里:(油…工具、機具かしら。この匂い)
加茂 由香里:《構造看破》《成分分析》。室内を把握しながら、男のほうに頭を向ける。
加茂 由香里:「お茶まで。ありがとうございます」
加茂 由香里:「住民だと、なかなか地元のホテルに訪れる機会はないものですから」
加茂 由香里:「お仕事とはいえ、楽しみだったんです」
高河 早人:「……そうですね……」どこか奥歯に物が挟まったような喋り方。
高河 早人:「…………」
高河 早人:「……ええと」
高河 早人:「どこから話せばいいのか……」
加茂 由香里:カップに口をつけている。
高河 早人:呼び出したわりに、彼の口は重い。
加茂 由香里:あたたかな温度、馥郁たる香り。喉を伝う柔らかな水の感触。
加茂 由香里:「おいしいです」微笑み、また顔を上げる。
高河 早人:「……」しばらく気まずく沈黙した後、ややあってこんなことを言い出した。
高河 早人:「加茂さんには」
高河 早人:「………」
加茂 由香里:「はい?」
高河 早人:「何か、人に言えない秘密はありますか」
高河 早人:「……ああ、いえ。ここで話してほしいというわけではないです」
高河 早人:「聞いただけで……」
加茂 由香里:突然言われて、首を傾げる。
加茂 由香里:(……)
加茂 由香里:(……これ、世間話としてお話してくれてるのかな?)
加茂 由香里:こほん。
加茂 由香里:「まあ、そうですね。誰しも秘密はあるものでしょうし…」
加茂 由香里:「私もないではないです。それに」
加茂 由香里:「自分だけにしかない事柄なら、こういう体だと、やっぱりある気はしますね」
高河 早人:「………」
高河 早人:「失礼しました。急に。どうも、どう話せばいいものか考えあぐねていまして」
加茂 由香里:「ふふ。そうなのかもとちょっと思っていました」
加茂 由香里:「お話できると嬉しいですけれど、大丈夫ですよ」
加茂 由香里:「お茶もとても美味しくて」笑う。
高河 早人:「……茶は、ありさが選んでいまして。頼りになります」
高河 早人:「……本当に」
加茂 由香里:「あら、そうなんですか」
加茂 由香里:「お茶のお話も聞いてみたいですね。ありささんともお会いしたことはないので」
高河 早人:「ええ、私はメンテナンスと経理が主な仕事ですよ」
高河 早人:「ああ、もし良ければ話してあげてください」
高河 早人:「あの子は、友達が町の外に出ていきがちなので」
高河 早人:「………」
高河 早人:そこで、あなたに向き合う。
加茂 由香里:「ええ、ぜひ…あら?」
加茂 由香里:視線に気づく。
高河 早人:「話が……私にも秘密が、あります」
高河 早人:「迷いましたが、やはりしっかりとお伝えしなければならないと思い」
高河 早人:「こうして……」
GM:その時、表の扉が軋む音がして。
GM:眩暈のような感覚があなたたちを襲う。
GM:空間が歪んで、全身がどこか違う場所へと引き込まれるような。

GM:そうして、気が付くと目の前にはシャンデリアの飾られた豪華な広間があって。
GM:周囲には古風な礼服を身にまとった人々が、楽しそうにさざめいていた。
GM:あなたは、自分がここに『招待』されたのだと、なんとなく理解をしていた。

GM:シーンカット。ロイス取得のみできます。
加茂 由香里:はあい!
加茂 由香里:高河早人 〇誠意/隔意 でいこうかな。
加茂 由香里:お話があとちょっとで聞けたのに~!
GM:ざんねん


オープニング4 ベル


GM:登場侵蝕をお願いします。
ベル:1d10+39
DoubleCross : (1D10+39) → 10[10]+39 → 49

GM:あわわ
ベル:張り切っちゃった


【雨宿町・路上】

GM:ある日あなたは、一人で町中を歩いていた。パトロールをするためだ。
GM:山のRBの主は、あなたにこう告げていた。



アテナシ:「近頃は、何やら物騒なことをする連中が増えたと言うであろう」
アテナシ:「嘆かわしい。こちらに害が出ぬよう、出かけがてら、あちこち見てはきてくれぬか」
アテナシ:「安心せよ。我はここで見守っておるからの。先日の新作体験会の動画と共に」
GM:そしてあなたは今、むっとするような暑気の中を歩いている。
ベル:大きな帽子とバッグに付けたリボンがゆらゆら揺れる。
ベル:暑いのは、苦手だ。もともとクロッカスは冬を耐えたのち春に咲く花であり、夏など専門外なのである。
ベル:それでも小さな花は、今日も元気を失っていなかった。
ベル:「ふふん、アテナシおじいさまじきじきに頼られちゃったのです」
ベル:「これは張り切っちゃうのですよ!」ふすふす!
GM:では、そんなあなたに声をかけた人影がある。
八千代 路夜:「……あら」
八千代 路夜:落ち着いた雰囲気の髪の長い女性だ。
八千代 路夜:「こんにちは、お花さん。こんな暑い日にどうしたの?」


【八千代路夜・地域親交課課長】あるいは【"リーチパーチ"UGN雨宿支部・支部長】

ベル:「支部長さん! こんにちはなのです」
ベル:「お山の方で指令を受けて、パトロール強化中なのですよ」ふす!
八千代 路夜:「あらあら、日差しには気を付けてね」
八千代 路夜:それから、パトロールと聞いて少し考えるようにする。
八千代 路夜:「大丈夫な範囲でいいのだけど、何か気になることはあった?」
GM:町は、ひとまず平穏のようだ。
ベル:「今のところ問題ありません! なのです」ぴしっ
八千代 路夜:「そう、お疲れ様」あなたを微笑まし気に見て。
八千代 路夜:「もし何か変わったこと、気になることがあったら、支部の方にも教えてもらっていいかしら?」
八千代 路夜:「もちろん、お山の方に怒られないような形で大丈夫」
八千代 路夜:「この暑さで人手も少なくて、なかなか困ってるのよ」
ベル:「りょーかいなのです!」
ベル:「おじいさまは、お山が平和であってほしいって、ぼくにパトロールを頼んだのです」
ベル:「支部長さんは今、町が平和であってほしいって、ぼくにお願いをしてくれたのです」
ベル:「ぼくはどっちも平和であってほしいので、かんぺきなのですよ!」
八千代 路夜:「本当に助かるわ。働き者のお花さん」にこにこしながら。
八千代 路夜:「……そうね、この辺だと、あのホテルは見たかしら?」
ベル:褒められてぱやぱやしている。
八千代 路夜:少し離れたところにある建物を示す。
ベル:「ホテル?」ベルにはあまり縁のない場所だ
八千代 路夜:「そう。あそこは人が集まるから、重要な場所なのよ」
八千代 路夜:「……特に今、外からの人には警戒しなきゃ、だしね」
ベル:「!」ぴしっと背筋を正す
ベル:「次のパトロール先は……ホテル!」むん!
八千代 路夜:「本当はこんな話したくないんだけど……」
八千代 路夜:「でもね、ベルさんは前に会っているから。『外から来た』人と」
八千代 路夜:「岩屋戸さんは今は協力をしてくれているけど、また別の人が来るかもしれないからね」
ベル:こくこく頷く。
ベル:「ぼくは……あんまり、ふぁるすはーつ?とか、よく分からないのですけど」
ベル:「雨宿町に対してひどいことしたり、誰かを悲しませたりするようなひとは」
ベル:「ぼくとしても、めっ!てしたいのです」
八千代 路夜:「頼もしい。……よろしくね」
八千代 路夜:「それじゃあ、ホテルをお願いします。帰りに支部に来てくれれば」
八千代 路夜:「冷たい飲み物くらいはごちそうしますからね」
ベル:「わーい!」ぱやや
ベル:「行ってくるのです! 支部長さんもおつかれさまなのですよー!」
ベル:支部長に手を振り、ホテルへてってこ向かいます
八千代 路夜:「はあい」ひらひらと手を振り、職場へと帰っていく。
GM:ホテル『往来館』は歩いてすぐたどり着けた。
GM:周囲は木陰でひんやりとして、古い木の扉がある。
GM:……その前に、人影がふたつ。
GM:話しながら、扉を開けようとしているようだ。
ベル:お客さんかな、と思いながら歩いているうち、片方に見覚えがあることに気付く。
ベル:町にあるすてきなカフェの女の子で、名前は――
ベル:「充希ちゃーん!」てててっと足を速める。
GM:大きな扉が開いた。
GM:その時、眩暈のような感覚があなたを襲う。
GM:空間が歪んで、全身がどこか違う場所へと引き込まれるような。

GM:そうして、気が付くと目の前にはシャンデリアの飾られた豪華な広間があって。
GM:周囲には古風な礼服を身にまとった人々が、楽しそうにさざめいていた。
GM:あなたは、自分がここに『招待』されたのだと、なんとなく理解をしていた。

GM:シーンカット。ロイス取得のみできます。
ベル:シナリオロイスであるティアーズに 関心/〇威嚇 で取得します がおー!
GM:がおー!


ミドル1 合流


GM:全員登場。登場侵蝕をお願いします。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 7)増加(43 → 50)
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 7)増加(47 → 54)
ベル:1d10+49
DoubleCross : (1D10+49) → 2[2]+49 → 51

可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 4)増加(44 → 48)
GM:まあまあ


【????・雨宿町 十六夜邸・広間】

GM:大規模な集まりではないが、広間にはその大きさに相応しい人数と、華やかな空気があった。
GM:十六夜家の当主はこの別荘がことに気に入りで、普段の不便も気にせず休暇をここで過ごす。
GM:だけではなく、この夜のような祝宴を開くこともあった。
GM:ことに、今日は特別な夜だった。
GM:あなたたちは、その特別な夜の招待客として、広間に集まり、夢うつつのような気分で立っていた。


当主・十六夜 成恒:「ようこそ、皆様。十六夜家の婚約記念パーティーへ」
当主・十六夜 成恒:当主がグラスを掲げる。
当主・十六夜 成恒:「凪。挨拶を」


長女・十六夜 凪:大人しそうな様子の長女が進み出る。
長女・十六夜 凪:「……は、はい。本日はお越しいただき……」


次女・十六夜 奈美:「ふふ、お姉さまったらすっかり緊張して」
次女・十六夜 奈美:今少し若い次女が、いたずらっぽく笑う。
長女・十六夜 凪:「奈美!」
次女・十六夜 奈美:「胸を張っていらっしゃいよ。今日の主役なんだから」



婚約者・柱谷 邦夫:「そうだよ、凪さん」
婚約者・柱谷 邦夫:堂々とした態度で、礼服姿の若い青年が手を取った。
婚約者・柱谷 邦夫:「しっかりと皆さんにお祝いしてもらわないと」
長女・十六夜 凪:「……ええ」
GM:時計の鐘が鳴る。乾杯の音頭。
GM:飲み干されたシャンパンを、メイドが注いで回る。
GM:……華やかな屋敷の、賑やかな一夜。幸福の絶頂。
当主・十六夜 成恒:「ようこそ、皆様。十六夜家の婚約記念パーティーへ」
当主・十六夜 成恒:当主がグラスを掲げる。
当主・十六夜 成恒:「凪。挨拶を」
長女・十六夜 凪:「……は、はい。本日はお越しいただき……」
次女・十六夜 奈美:「ふふ、お姉さまったらすっかり緊張して」
長女・十六夜 凪:「奈美!」
GM:…………
GM:……………………
GM:………………………………
????:「……さん」
高河ありさ:「皆さん!」
高河ありさ:「皆さん、どうかしっかりしてください!」
GM:聞き覚えのある声がして、あなたたちはふと我に返った。
GM:目の前には髪の短いメイドがひとり立っている。
GM:瞬間、あなたたちは広間から弾かれるように、屋敷の別の一室にいた。
GM:周囲には蛍のような光が飛び、いくつかがあなたたちの中に吸い込まれる。
GM:そうして、あなたたちは気づく。自分たちが誰であるかを、「ほぼ」全て。
加茂 由香里:「……まあ。ここは……」同じ闇の視界のまま、瞼をゆるく閉じて開く。
加茂 由香里:人の気配が複数。
ベル:「ふえっ」まるい瞳をぱちぱち瞬かせて、きょろきょろとあたりを見渡す「……あれっ?」
若菜美奈人:とっさに取り出した細身の杭を仕舞う。
若菜美奈人:パチン、と静電気が弾けた。
若菜美奈人:「……どういうことだ?」
可知 充希:「え、え?」 ベルちゃんと同じく辺りを見回していると、背中に背負ったままだったカバンがもぞもぞと動き出す。
加茂 由香里:電気の音に目を細める。「あ、少し安心しました」
可知 充希:ジ、ジ、と勝手に――正確には器用にも内側からジッパーが動いていき……
かーくん:「くわぁ!」
すーちゃん:「かぁ、かー!」
加茂 由香里:「知っている声が幾らか…と、…?」鳥の声にさすがに驚く。
可知 充希:「わっ!かーくんにすーちゃん!?」
ベル:「充希ちゃん! と、由香里さん! ……と……?」知らない人もいる
可知 充希:「ダメだよぉ勝手に出てきちゃ……んえ? 異常事態?」
若菜美奈人:「チッ」舌打ちして、《ワーディング》を貼る。
加茂 由香里:「あ、やっぱりその舌打ち、若菜くんですね」
GM:周囲はあなたたちだけで、反応した非オーヴァードはいないようだ。
可知 充希:知らない場所に居るし、かーくん達は勝手に出てくるし、その上緊急事態だ!なんて騒いでるしでてんやわんやしている。
加茂 由香里:「《ワーディング》もありがとうございます」
ベル:「あ、じゃあお兄さんもUGNの人なのです?」
ベル:「……あれっ、充希ちゃんも!?」ただのカフェの女の子ではないのか!
若菜美奈人:「そこで判断するな……そいつは?」唯一の知らない相手を見る。
加茂 由香里:「ああ、ベルさんですね。あやしの子です」
可知 充希:「そういうベルちゃんこそ!」 こっちもびっくりしている。
若菜美奈人:「可知よりも小さい気配の……そうか」
加茂 由香里:「先日の魔鏡の事件でお世話になったんですよ」
加茂 由香里:「そちらの鴉の子ははじめましてかな」微笑む。
若菜美奈人:周囲を見渡して、《ワーディング》を解く。
可知 充希:「あ、はじめまして!可知 充希です!」
可知 充希:「こっちはかーくんとすーちゃんです!」
すーちゃん:「かぁ」
ベル:「はい! ぼくはあやし、お花のベルなのです。雨宿町が誇るお手伝いさんとはぼくのことなのですよ!」
かーくん:「かぁ」
若菜美奈人:「この状況に至る直前までの状況」
加茂 由香里:「……鴉だ」
若菜美奈人:「把握してるものは?」
かーくん:それぞれ左右の方に乗ってひょいとお辞儀をしている。
高河ありさ:「あ、私、イリーガルの高河ありさです」ぺこりとお辞儀。
ベル:かーくんとすーちゃんにぺこりしている。
すーちゃん:なお見分けられるような特徴は特にない。
加茂 由香里:「あ…高河さん、ということは娘さんですか」
加茂 由香里:「私、さっきまでお父さんのほうの高河さんといたんですよ」
高河ありさ:「えっ、お父さんもUGNの方を呼んでたんですか?」目を丸くする。
ベル:「ぼくはホテルの前で充希ちゃんを見つけて、声をかけようとしたらなんか……ふわーって」手をふわふわさせている
高河ありさ:「なんででしょう……普段そんなことしないのに……?」
加茂 由香里:「ええ。往来館にお呼びいただいて…」
可知 充希:「あたしはしえおねえちゃんと往来館に入ったとこだったよ」
若菜美奈人:「……入った」
可知 充希:「あ、しえおねえちゃんは昔近所に住んでたおねえちゃんで……。そっか、ベルちゃんも後ろに居たんだ」
若菜美奈人:「こちらは逆だ。誰か客が入ってきた」
ベル:「なのです」こくこく
可知 充希:「それ、あたしたちかも」
高河ありさ:「そうですね、ドアが開いた瞬間……」
加茂 由香里:「ああ。私のほうも扉が開いたんだった…ような…」
若菜美奈人:「あるいは、往来館とその敷地周辺を領域とするか、か」
加茂 由香里:《構造看破》《成分分析》。場の情報を読み取る。視界の代わり程度ではあるが。
GM:では、加茂さんはこの部屋の間取りや家具にどこか覚えがあることがわかります。
GM:家具は一部ですが、先ほど通された往来館のものによく似ているような。
加茂 由香里:「……ん。ここも、往来館ではある、のかしら」
若菜美奈人:「……その後、十六夜家の祝賀だと称する高河早人を見た」
可知 充希:「えっ、そうなの?」 中に入ったことはほぼ無いから内装をあまり知らない。
高河ありさ:「……そういう感じ、しますよね……」きょろきょろとする。
加茂 由香里:「間取りや、置いてあるものは同じなのではないかと」
若菜美奈人:「それから他にも数名。同じか?他の人物に心当たりのある者は?」
高河ありさ:「あそこのキャビネットとか、今も飾りとして使っているものです」
可知 充希:「あっ、さっきなぎさんって呼ばれてた人、しえおねえちゃんだよ!」
可知 充希:「なんでなぎさんって呼ばれてるんだろ……」 そしてなんでおかしいと思えなかったんだろう。
可知 充希:みつきがうーんと首を傾げると、横の二羽も一緒に傾げている。
加茂 由香里:「可知さんのお知り合いの方なんですね」
若菜美奈人:「名字は」
可知 充希:「えっ。……なんだっけ?」 しえおねえちゃんとしか呼んでなかった。
すーちゃん:「かぁ」
可知 充希:「あ、そっかそれそれ!江宮さん!」
若菜美奈人:「すーちゃんに頼らず覚えろ」見分けがつくらしい。
加茂 由香里:「お話している…」
若菜美奈人:「エミヤシエ……」ガラケーで調べる。通じてるのかな。
GM:通信は途絶していますね。
若菜美奈人:「……チッ」
ベル:「ぼくには鳴いてるようにしか聞こえないのです」ふしぎ鴉ちゃん
可知 充希:「だってすーちゃんの方が記憶力良いんだもん……」 しょぼん。
すーちゃん:「かぁ」 心なしか誇らしげ。
若菜美奈人:「普段からそちらに頼るようだと……お前自身の記憶能力が衰える」
若菜美奈人:「極力自分で考えろ」
加茂 由香里:「先生みたいなこと言ってますね」
高河ありさ:「あの、その件なんですが……」挙手する。
高河ありさ:「私、なんだかいろいろ、忘れているみたいなんです」
可知 充希:「いっつも頼ってるわけじゃないよぅ。テストのときとか絶対教えてくれないもん」
若菜美奈人:「忘れている?」
可知 充希:「色々?」
高河ありさ:「さっき宿泊客の名簿を見たばかりなのに、どなたがそうだったのか思い出せなくて、名前も」
高河ありさ:「皆さんは、どうですか? 大丈夫ですか?」
加茂 由香里:「記憶の欠落…あるいは認識阻害ですか」首を傾げ。
ベル:「うーん、みんなのことは覚えてたし……あれ」
ベル:かばんをごそごそ。
若菜美奈人:「……」黙って記憶を手繰っている。
ベル:「……ぼく、なんでこんなにお菓子持ってるのです?」
加茂 由香里:「あら」
加茂 由香里:「貰ったんじゃないですか?」
可知 充希:「わ、すごい! おやつ何日分だろ」
ベル:「もらった……そう、もらったのです。お手伝いのお礼にって、いつも……」
若菜美奈人:「……いや」
ベル:「いつも……??」
若菜美奈人:「レネゲイドビーイング・・・・・・・・・・の記憶なぞ信用性に足らない可能性を差し引いても……」
若菜美奈人:「こちらも抜け、の心当たりがある。この様子では……」
可知 充希:「えっ!?」
若菜美奈人:「全員に何がしかの欠落がある可能性もあるな」
可知 充希:「ベルちゃんレネゲイドビーイングだったの!?」 そっちにビックリしている。
ベル:「そうなのです! クロッカスのお花なのですよ」えっへんと謎のドヤ
加茂 由香里:「若菜くん、どうしちゃったんですか。来たばっかりの人みたいな言い方を」
若菜美奈人:「植物性の起源オリジン:プラントか……」
若菜美奈人:「……あやし」渋々言い直す。
ベル:「あやしの方がかわいいので好きなのです」
加茂 由香里:「言えなくはないんですね」ほっとしている。記憶のあれそれではなく性格の問題だったようだ。
若菜美奈人:「そんなことよりだ」
若菜美奈人:「由香里。可知。お前たちは心当たりはないのか?」
可知 充希:「そんなことじゃないよ、みなとおにいさん!ビックリなことだよ!」
加茂 由香里:「まあ、なんでしょう」
可知 充希:ぺしぺしとおにいさんの腕辺りを叩きつつ主張していたが、そう言われるとふむと考え込む。
可知 充希:「うーん……思い出せないこと、思い出せないこと……」
若菜美奈人:「普段から鴉どもに覚えさせているから……」
可知 充希:「ちがうもん!ちゃんと勉強してるもん!」
若菜美奈人:「何が思い出せないのか思い出せないのか?」
可知 充希:「……あっ」
可知 充希:「かーくんとすーちゃんにいつ会ったのか思い出せないかも」 鴉と言われて気が付いた。
加茂 由香里:「ええと、可知さん…そうだ、遺産との適合で登録されていましたっけ」
可知 充希:「うん。かーくんとすーちゃんが遺産なんだって」
若菜美奈人:「それは……」
若菜美奈人:「まだ記憶がままならない時期からの適合だからだと思うが……」
可知 充希:「え、そうなのかな?」 実際そうだが分かっていない。
可知 充希:「でも、かーくんとすーちゃんに会った日って大事な日のハズだし……」
若菜美奈人:「我々の記憶の一部が総じて欠落しているとして」
可知 充希:「というか、あたしばっかになっちゃったけど、ゆかりおねえさんは?」
加茂 由香里:「鳥ですし、空から来たのでは」と窓の外のほうへと頭を向けている。
加茂 由香里:「……」
GM:窓の外は、闇夜のように暗い。
若菜美奈人:「……思い当たらないのか?」
加茂 由香里:そこに何かあったとして、当然見える訳もない。
加茂 由香里:訳もないのに、なぜそちらを向いたのか。
加茂 由香里:「ああ……たぶん、思い当たりました」
若菜美奈人:「言いたいか?」
加茂 由香里:「でも、そんなに問題になることではなさそうです」
若菜美奈人:「そうか。問題は何が欠けているかではない。各々方向性も違うようだしな」
若菜美奈人:「問題は……先程の光景と照らし合わせた場合だ」
若菜美奈人:「可知。分かるな」
可知 充希:「あ、えっと……」
可知 充希:「……ちょっとならいいけど、全部忘れちゃうかもってこと?」
可知 充希:しえおねえちゃんが別の名前で呼ばれてたのに気づけなかったことを思い出して。
かーくん:「かぁ」
高河ありさ:「そ、そんな。じゃあお父さんは……!」
若菜美奈人:「……加えて。そこを埋めるように、別の役割が補完される可能性があることだ」
可知 充希:「あ、かーくんたちは平気だったんだ」 だから異常事態だーって騒いでたんだなぁと納得している。
ベル:「確かに、お芝居を繰り返してるみたいだったのです、さっきは」
ベル:「……無理やりやらされるお芝居はよくないのです」
高河ありさ:「お父さん、最初に声をかけても気が付いてくれなかったんですよね……」しょんぼり。
若菜美奈人:「"スキュアーズ"高河早人はオーヴァードだ」
若菜美奈人:「我々も例外ではなくああなる可能性がある」
加茂 由香里:「そうですね。呑まれる何か要因があるのかも」
加茂 由香里:「これって、この部屋から移動はできるんでしょうか?」
加茂 由香里:ありささんに尋ねる。
高河ありさ:「私もこうなったのは初めてで、わかりません。でも」
高河ありさ:「広間もここも往来館なら、間取りは同じはず。やってみる価値はあると思います」
若菜美奈人:「……その前にだ」
若菜美奈人:「……若菜美奈人」
若菜美奈人:「コードは“リープサンドッグ”。カヴァーは雨宿町役場地域振興課交通担当」
若菜美奈人:「シンドロームはブラックドッグ。前衛フロント
若菜美奈人:「……宣言しておけ」
若菜美奈人:「自己定義が崩れていないことを確認した方がいい」
加茂 由香里:「ああ、そういえば自己紹介をしてなかったですね」
加茂 由香里:「加茂由香里といいます。コードは“エフェメライラ”、研究部の所属です」
可知 充希:「研究者さんなんだ」 確かに似合いそう……という顔。
加茂 由香里:「ほとんどアルバイトみたいなものですが」笑う。「ええっと、シンドロームも言うべきかしら」
若菜美奈人:「何が出来るかを把握させておけ」
加茂 由香里:「モルフェウスとノイマン。調べ物が得意です。目があまり良くないので、なにかあれば声を掛けますね」
加茂 由香里:「ベルさんもお願いしていい?」
ベル:「はーい!」ぴょこ!
ベル:「名前はベル、コードっていうのは”春待ち”、普段はお山に住んでるのです」
高河ありさ:「まあ、それはようこそ」
ベル:「こないだからUGNさんの方にもお友達が増えて、いろいろお手伝いしてるのですよ!」
可知 充希:「お山の子だったんだねぇ」 確かに町でよく見るけど、どこに住んでるかは知らなかった。
ベル:「シンドローム?は、えーと……ハヌマーンとオルクスっておじいさまが確か言ってて」
ベル:「花びらでえいってするのと、お手伝いができるのです! よろしくお願いしますのです」ぺこっ
可知 充希:「よろしくー。……えっと、あたしも?」 みなとおにいさんにお伺いの視線。
若菜美奈人:「何故除外されると思っているんだ?」
加茂 由香里:「聞きたいです」
ベル:「充希ちゃんのお話聞きたいのです!」
可知 充希:「だって、自己紹介はもうしてたから……」 むぅと少しだけむくれて見せた後。
可知 充希:「えっと、こほん!さっきも言ったけど、あたしは可知充希!」
可知 充希:「カフェ『止まり木』の看板娘で、今は中学一年生だよ」 ほら、と夏服を見せるように一回りしてみせて。
加茂 由香里:「あっ、オムナポリの」
高河ありさ:「クッキーセットがおいしいんですよね」
ベル:「夏の桃ゼリーもおいしかったのです!」
可知 充希:「そう! 実はあれ、あたしがオムライスとナポリタンどっちも食べたい!ってワガママ言ったのが生まれた理由なんだよ」
可知 充希:おうちを次々と褒めてもらってふふんと自慢げ。
可知 充希:「で、能力はノイマン!でもあたしが何かするっていうより、かーくんとすーちゃんがいろいろお手伝いしてくれる感じ」
可知 充希:「二人ともすっごく頭いいんだよ。こないだ技術の授業聞いてからはExcelも使えるようになったし」
かーくん:「かぁ」 任せろの意。
すーちゃん:「かぁ」 あれくらい余裕の意。
若菜美奈人:「……感覚・精神補助の遺産だ」加茂さんに小さく補足する。
加茂 由香里:ありがとうございます、と礼を付け加える。
可知 充希:「それで、ええと……おねえちゃんも往来館もなんだか大変みたいだし、がんばります!」
可知 充希:ピッと片手を挙げて選手宣誓のようになりつつ自己紹介を終える。
高河ありさ:「あ、ええと。私は"クー・クー"高河ありさ。普段はこちらのホテルの従業員……なんですけど」付け加えるように。
高河ありさ:「今はこんな風なので……どうすればいいか、と悩んでいます」
高河ありさ:明らかにホテルの時よりも豪奢な館内を見回して。
若菜美奈人:「知らないうちに使い込んだものだな」
高河ありさ:「うーん、私がやるなら壁紙はやっぱり白系で……」ぶつぶつ。
高河ありさ:「それで皆さん、UGNの関係者の方みたいですし、どうか事態の解決にご協力願えませんか」
高河ありさ:「どうすればいいのかはまだわかりませんが、元のホテルに戻らないと」
若菜美奈人:「それが仕事だ……お前たちはどうする?」子供2人に聞く。
可知 充希:「さっきも言ったけど、おねえちゃんが大変になってるから」
可知 充希:「元に戻ってもらえるようにがんばる!がんばりたい!」
ベル:「ぼくも当然お手伝いするのですよ!」
ベル:「ひとりじゃないから大丈夫なのです!」えいえいお!
加茂 由香里:「心強いです。これって、ほとんど閉じ込められているようなものですしね」
若菜美奈人:「……そうか。なら……」
若菜美奈人:「我々の指示には従って動け」
ベル:「はーい!」ぴよ!
加茂 由香里:「危険がないようにと言っているのだと思います」
可知 充希:「はーい!」 ぴしっ。敬礼。
高河ありさ:「ありがたいです。もちろん、言う通りに!」
可知 充希:「かーくんたちもみなとおにいさんの言うこと聞いてね」
かーくん:ぷいとそっぽを向く。
すーちゃん:ついっと上を向く。
若菜美奈人:「おい」
可知 充希:「ご、ごめんね。こんな風だけど、多分ちゃんと聞いてくれるから……」
GM:では、ここで。
GM:共通ハンドアウトを改めてお渡しします。

【共通ハンドアウト】
あなたたちは、資産家である十六夜家の祝宴に招かれた招待客だ。
今夜は十六夜家令嬢である凪の婚約記念パーティーが執り行われている。そういう記憶を持っている。
……だが同時に、あなたたちは知っている。ここは現実の世界ではない。
あなたたちはどうやらホテル『往来館』の過去の中に紛れ込んでいる。脱出を図らねばならない。


GM:また、NPCカードがひとつあります。

NPCカード
????
シーン1回、判定前に使用。PCひとりの判定ダイスを+2個する。


GM:詳細は不明ですが、別に使用してデメリットなどがあるものではありません。
GM:正体不明の誰か/何かから助けがある、そういう感じの効果です。
加茂 由香里:やったー!
加茂 由香里:誰かさんありがとー
GM:そして最後に、あなたたちはそれぞれ『記憶の欠片』をひとつ失った状態でいます。
GM:PCとして活動するのに問題やペナルティはありませんが、今は万全な状態ではありません。
GM:後のシーンで行う判定を通して巻き込まれた全員がこれを取り戻すことで、脱出が可能になります。
加茂 由香里:おお~!
若菜美奈人:なるほどね
可知 充希:頑張って思い出して脱出するぞ~!
ベル:脱出には記憶回収が不可欠!了解です

GM:ではシーンカット。ロイス取得と購入判定ができます。
GM:購入はまあ、ホテル内でどうにかしたんでしょう。
加茂 由香里:はーい!
若菜美奈人:なるほどね
可知 充希:頑張って家探ししたんだ
加茂 由香里:ロイスは保留にしておこうかな。
ベル:充希ちゃんに 〇親愛/植物なので鳥さんがちょっとこわい でロイス取ります
加茂 由香里:購入は高性能医療キットにしておこう
ベル:ぼでまチャレンジ
若菜美奈人:-教導対象/可知充希/有為/憤懣:○/ロイス
可知 充希:ベルちゃんに○かわいい/ビックリ!、みなとおにいさんに○尊敬/ちょっとおこりんぼで取っておきます
可知 充希:ゆかりおねえさんとはもうちょっと話してから取ろう
ベル:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 9[2,8,9] → 9 → 失敗

ベル:だめ!
加茂 由香里:3DX+2+0@10>=9 調達
DoubleCross : (3DX10+2>=9) → 8[1,3,8]+2 → 10 → 成功

加茂 由香里:買えた。持ちます
GM:ナイス
可知 充希:あ、あたし支援射撃あるから欲しい人は言ってね
若菜美奈人:-同僚/加茂由香里/連帯感:○/不安/ロイス
加茂 由香里:わーい!
加茂 由香里:がんばりましょうね~
GM:そうか、買い物にも使えるんだ……
可知 充希:自分でも治療キット狙っとこ
若菜美奈人:脅してる……
可知 充希:2dx>=9
DoubleCross : (2DX10>=9) → 9[5,9] → 9 → 成功

可知 充希:あたしの支援射撃はちがうもん!
ベル:みんなお買い物上手!
可知 充希:なんか公式はそれやってるらしいけど!
GM:公式!
若菜美奈人:ボディアーマー狙うか
若菜美奈人:1dx+1>=12
DoubleCross : (1DX10+1>=12) → 9[9]+1 → 10 → 失敗

若菜美奈人:フ……
若菜美奈人:無理です
GM:ちょっとたりない
GM:以上かな
若菜美奈人:おわり!
GM:はーい


ミドル2 情報収集


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
ベル:1d10+51
DoubleCross : (1D10+51) → 9[9]+51 → 60

ベル:わあ
GM:ダイボが
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 10)増加(48 → 58)
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 3)増加(50 → 53)
可知 充希:あたしもごりっと上がった
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 1)増加(54 → 55)
GM:明暗
若菜美奈人:平常

GM:では、情報収集のシーンです。
GM:現在調べられる項目は以下の通り。

★往来館について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉6
★往来館の現状について〈知識:レネゲイド〉〈情報:UGN〉8
★高河ありさと早人について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉7 ※若菜美奈人のみ6


GM:侵蝕1d10降り足しで再チャレンジもできます。
GM:後から出る項目もあるかも?
GM:NPCカードも忘れずどうぞ。
可知 充希:あたし噂話行きたいから往来館行きたいな
可知 充希:噂話じゃなくても噂話にするけど
若菜美奈人:UGNだけとくい
加茂 由香里:どれでも~
ベル:どれでも!
若菜美奈人:まあ低いやつやるのがいいかな 下げてくれてるし
加茂 由香里:わりと得意めだから 往来館の現状についてか待機かがいいのかな
若菜美奈人:待ちがいいかもですね
加茂 由香里:まっとこ~
若菜美奈人:★高河ありさと早人について いきます コネ:UGN幹部も使用
ベル:じゃあ現状チャレンジいきますー
若菜美奈人:3dx+3>=6
DoubleCross : (3DX10+3>=6) → 6[3,6,6]+3 → 9 → 成功

可知 充希:こっちは往来館行こう
GM:ばっちり
ベル:3dx+1>=8
DoubleCross : (3DX10+1>=8) → 7[4,5,7]+1 → 8 → 成功

可知 充希:2dx+4>=6
DoubleCross : (2DX10+4>=6) → 6[2,6]+4 → 10 → 成功

GM:ぴったり
GM:どっきり
ベル:みんなえらい!
加茂 由香里:しゃっきり!
GM:ということで、全部開示ですね。

★往来館について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉6
かつて十六夜家という資産家の別荘として建てられた百年ほど前の洋風建築。
現在は綺麗に改装され、往時の面影を残したホテル『往来館』として運営されている。
権利的には高河ありさが相続しているが、養父の早人が代理人として管理を行っている。
→★十六夜家について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉8 が調査可能になりました。



★往来館の現状について〈知識:レネゲイド〉〈情報:UGN〉8
現在往来館は《Eロイス:虚実崩壊》により閉鎖され、過去の物語を繰り返している。
登場人物はあなたたちや高河父娘のような生身の人間と、単なる幻影とが入り混じっているようだ。
ホテルの外に出ることは現状不可能。また、巻き込まれた人間には総じて記憶の欠落が見られる。
正確な状況を思い出して脱出するために、周囲に漂う『記憶の欠片』を全て取り戻す必要があるだろう。
→★高河ありさの記憶の欠片〈RC〉〈情報:噂話〉8 が調査可能になりました。
→★高河早人の記憶の欠片〈RC〉〈情報:噂話〉7 が調査可能になりました。
→★任意のPCの記憶の欠片〈RC〉〈意志〉7 が調査可能になりました。


GM:上ふたつは、次以降のシーンで調査可能ですね。

★高河ありさと早人について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉7 ※若菜美奈人のみ6
ホテル『往来館』を経営する父娘。ありさは養子で、元は早人の親しい友人の娘だった。
ありさはUGNイリーガルとして積極的に町の治安維持に協力している。脚は兵器内蔵の義足。
早人は娘ほどUGNに協力的ではないが、反発しているというほどでもない。義足の保守は彼が行っている。
親子関係はほどほどに良好だが、ありさは早人が秘密主義であることに少し不満があるらしい。


GM:記憶の欠片については情報収集が終わった後にお話をするので
GM:現在、一個項目が調査可能です。

★十六夜家について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉8


加茂 由香里:じゃあそれをいこうかな。〈情報:UGN〉で。
加茂 由香里:判定前に『0146:鵞鳥と孔雀』/《サイコメトリー》。情報判定ダイス+3。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1増加(53 → 54)
加茂 由香里:6DX+3+0@10>=8 情報:UGN
DoubleCross : (6DX10+3>=8) → 7[1,3,4,4,5,7]+3 → 10 → 成功

GM:ぐっじょぶ!
GM:では開示します。

★十六夜家について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉8
百年ほど前にこの館を建てた資産家。最盛期の夏、長女の婚約パーティーが開催されていた。
当主・成恒(なりつね)、長女・凪、次女・奈美、使用人数人が一時的にこの館で暮らしていたらしい。
また、長女の婚約者である柱谷邦夫をはじめ、招待客が何組か一時的に滞在をしていた。
記録では婚約パーティーのしばらく後、館は売りに出され一家は別の場所にある本宅で暮らすことになった。
江宮詩絵は長女の子孫に当たり、離散後また雨宿町に戻ってきていたらしい。


GM:さて、ここで記憶の欠片について。
GM:NPCは次のシーンからですが、PCの記憶の欠片はここから取り戻すことが可能です。
GM:1シーンにPCひとり分だけ、登場している任意のPCの『記憶の欠片』を取り戻すことができます。
GM:これは情報収集とは別に行うことができます。
加茂 由香里:おお!
ベル:わいわい!
GM:最初にPCを指名してから〈意志〉〈RC〉で難易度は7。PC全員が挑戦可能です。
GM:振り直しは登場侵蝕振り足しで可能。
可知 充希:別枠なんだ
GM:成功で、先にお願いしてた失った記憶を取り戻すロールをやってもらおうと思います。
GM:つまり1シーンひとりずつロール機会があるよ!ということ
若菜美奈人:この人の記憶を取り戻すぞ、を
若菜美奈人:みんなで判定するんだ
GM:そうそう
GM:ということで、希望者を指名して判定をお願いします。
加茂 由香里:ふんふん!
加茂 由香里:じゃあ希望しちゃおっかな~
GM:ナイス希望者!
GM:では〈意志〉〈RC〉目標値7どうぞー
加茂 由香里:じゃあ普通に自分からやろうかな
加茂 由香里:【思い出の一品】カスタマイズ:ブランケットを使い達成値+2。
加茂 由香里:3DX+2+0@10>=7 意思
DoubleCross : (3DX10+2>=7) → 8[3,7,8]+2 → 10 → 成功

GM:あっ自ら
加茂 由香里:オッシャッ
ベル:強い意志!
若菜美奈人:つよいぜ
可知 充希:つよつよ
GM:成功です! では、これで忘れていた記憶の欠片を一つ取り戻すことができました。
GM:PCの分は残り3つ!
加茂 由香里:一足先に待ってるぜ
GM:ということで、共有とロールしていきましょう。


【????・雨宿町 十六夜邸・一室】

GM:あなたたちはまず、現状について調査をすることにした。
GM:洋館の中や、元のホテルにつながるかも知れない場所など、取っ掛かりは様々だ。
高河ありさ:「皆さん、わかったこと、ありますか?」
加茂 由香里:やはり一度外の方を見て、窓際に座る。
高河ありさ:「そうだ、若菜さんに確認していただきたいんですけど」
若菜美奈人:「何だ?」
高河ありさ:「私の記憶、どこまでちゃんとしているのかって」
高河ありさ:「ええと、お父さんと私は実の親子ってわけじゃなくて……とか」
高河ありさ:特にこだわっていることはないようだ。
若菜美奈人:「脚は流石に覚えているな?」
高河ありさ:「覚えてますよう。これがないと戦えないですし」
高河ありさ:「お父さんが手入れしてくれてるの。最近はちゃんと見張ってます」
若菜美奈人:「見張っていないとあらぬ武器を仕込むからな」
加茂 由香里:「高河さん、そんなことを…?」
高河ありさ:「そんな……そう……そうかもしれないけど……」
加茂 由香里:「だからお部屋から機械用の油の香りがしたんですね」
ベル:「お父さんが脚に武器を……???」
高河ありさ:「お父さん、あんまりいろいろ話してくれないから。それだけは困ってます」
若菜美奈人:「エネルギー弾と防御機構は確認したな」
高河ありさ:「つ、強いんですよ」
高河ありさ:「にしても、若菜さんにはそんな話ばっかりしちゃってますね……」少し恥ずかしそう。
可知 充希:「エネルギー弾!?かっこいい……」 キラキラとした眼差し。
加茂 由香里:「たしか機械式の義足なんでしたね」
若菜美奈人:「チッ」しまったという顔をしている。
加茂 由香里:「足音が硬質な感じ」楽しそうにしている。
高河ありさ:「そう、これ、よく出来てていつも助かってます」くるりと回る。
高河ありさ:「ないと車椅子だから……」
ベル:「見た目は全然、機械とか武器とか分からないのです。言われても分からないのです」すごーい
高河ありさ:「ふふ、お父さんはすごいの」
可知 充希:「ね。あたしも今まで全然気づかなかった」 ちょいちょいお店で会ってたのに。
若菜美奈人:「……とにかく」
若菜美奈人:「齟齬は無いように思えるがな」
高河ありさ:「よかった! じゃあやっぱり普段の記憶は大丈夫みたいですね」
可知 充希:「じゃあさっき言ってた実の親子じゃないって話も……」
可知 充希:「あ、えっとね。かーくんやすーちゃんがよく町で噂を聞いてるんだけど」
可知 充希:「往来館について何か覚えてることある?って聞いたら、ありささんとおとうさんが義理の親子だって噂を聞いたって言ってたの」
若菜美奈人:「街のさがない噂を軽々に流す……」
加茂 由香里:「すごいお友達ですね、ほんとうに」羽搏きを感じるほうを見上げる。
高河ありさ:「全然隠してないから大丈夫ですよ!」
可知 充希:「軽々じゃないもん!かーくんもすーちゃんもイヤな噂のことは言わないようにしてくれてるもん!」
かーくん:「がぁっ!」 そうだそうだの意。
すーちゃん:「ぐあぁっ!」 なんでもケチつけに来るな!の意。
加茂 由香里:「ふふ、抗議されてますね」
ベル:「ぴゃ」鳴き声にびびって由香里さんの後ろに隠れる
加茂 由香里:「あっ。大丈夫ですよー」
若菜美奈人:「……」イライラしている。
加茂 由香里:「かーくん、すーちゃん、あまり怖がらせないであげてくださいな」笑う。
ベル:「み、充希ちゃんのお友達だから大丈夫なのです……」そろりそろり
可知 充希:「う、ごめんね。ほら、かーくんとすーちゃんも」
かーくん:「かぁ……」 ごめんね?というように小首を傾げている。
すーちゃん:「くぅ……」 小さく頭を下げている。
ベル:「あ、こちらこそお話の途中でごめんなさいなのです……充希ちゃんどうぞ」ぺここ
可知 充希:「あ、そうだった。ええっとね」
可知 充希:「往来館って、昔はいざよいさんって人の別荘だったんだって話も教えてくれたよ」
若菜美奈人:「……十六夜」
可知 充希:「百年くらいまえに建てられて、ホテルになるときに改装したんだっけ?」
若菜美奈人:「先程出ていた家だな」
かーくん:「かぁ」 そういう感じ、と頷いている。
高河ありさ:「そう、そうです。私が小さい時なんですけど」
高河ありさ:「お父さんがホテルを開く前は、もっと古かったんですよね」
加茂 由香里:「ここは、いまは高河さんの所有なんですか?」
高河ありさ:「一応、私が相続してるんですけど、管理はお父さんに任せちゃってます」
高河ありさ:「私、接客してる方が好きだから」
加茂 由香里:「お父さんのほうは、むしろ中のお仕事がお好きそうでしたものね」
すーちゃん:「かぁ」 リサーチ通りでしょと得意そう。
若菜美奈人:「……どちらも高河だろ」
若菜美奈人:「区別できるように言え」
可知 充希:「分担制なんだねぇ」 うちみたいだなぁとちょっと親近感。
加茂 由香里:「あっ。揚げ足取り」「高河さんと、ありささんで分けます」
加茂 由香里:「あと、私もそれに関係して、ちょっと見つけたものがあったんですよ」
加茂 由香里:一冊の古い本を取り出す。
加茂 由香里:「さっき本棚があったので、ちょっと調べていたんですが、いろいろ面白いことになってたんです」
加茂 由香里:「各時代の本が混在していて。こんなときでなかったらもっと楽しかったんですけれど」
加茂 由香里:十六夜家にまつわる、ここ百年程の歴史を簡単にまとめてある。きちんと装丁が施された家族史といった風情。
加茂 由香里:「ちょっと特殊な読み方をしたので、文字情報とは違うことを言うかも」ページを捲っていない。表紙に触れるだけで、すぐに本をみんなの前に置く。
若菜美奈人:「何が“見えた”?」
加茂 由香里:「やはりあの名前の方々が、過去に長女の婚約パーティーをしていたと」
加茂 由香里:「それから少し後に、離れた本宅で暮らすことになって、ここも売り払ったようですね。それから、ありささんのご家族が購入されたのかな」
加茂 由香里:「だから、さっきのパーティーは、ほんとうに過去の再演ということなのでしょう」
高河ありさ:「……私、来歴についてはあまり知らなかったです」
若菜美奈人:「実際にあった事象を、役に当てはめてなぞらせているのか」
高河ありさ:「十六夜家の名前は、そういえば聞いたかも……?」
可知 充希:「じゃああのおにいさんとなみさんは本物の昔の人なのかな?」
可知 充希:「町で見かけたことも無い人だったし……」
加茂 由香里:「婚約者の男性の方などは…どうなんでしょうね」
加茂 由香里:「ああ、ただ」
加茂 由香里:「十六夜家のご子孫の中に、江宮さんという姓がありました」
加茂 由香里:「えみやしえさん、でしたよね。可知さんが一緒にいたという人」
可知 充希:「そう! え、じゃあ」
可知 充希:「おねえちゃんがいざよいさんの子孫、ってこと?」
加茂 由香里:「可能性は高い気がします」
若菜美奈人:「それは……」
若菜美奈人:「十六夜凪の直系か?」
加茂 由香里:「そのようです」
ベル:「十六夜さんの子孫だから、十六夜凪さんの役をやらされてるってことなのです?」
ベル:「じゃあ、ありささんのお父さんも、何かそういうの……が、あるのです?」
可知 充希:「いざよい……「かぁ」そう、なりつねさんの何かが?」 すーちゃんの助け舟を借りつつ。
高河ありさ:「どうなのかしら……? お父さんは元々他所から来た人だし……」
若菜美奈人:「そちらまでは分からんが……江宮シエは、単純な巻き込まれた宿泊客と見るのは難しくなると思うが」
若菜美奈人:「事象の中心点である可能性もある」
高河ありさ:「江宮……江宮詩絵……」考え込んでいる。「うーん、覚えているような、ないような」
若菜美奈人:「あるいはそれが欠落なのだろうな」
ベル:「そうなのです、しえさんはぼくたちと同じ『今』にいるひとなのです」
可知 充希:「あっ、そういえば!」
ベル:「この『過去』でお芝居をやらされてるからには、きっと何か理由があると思うのです……」
可知 充希:「おねえちゃんね、ともだちに会いに行くつもりだって言ってたの」
若菜美奈人:「……宿泊客の中にそれが?」
可知 充希:「そうかもだし、ありさおねえちゃんに会いに行くのだったのかも」
高河ありさ:「友達……」うーんうーんと考えている。
高河ありさ:「覚えてない、ですけど、この状況だと絶対に違うとは言えないですね」
加茂 由香里:「やはりこの記憶の欠落が困りものですね」
高河ありさ:「……本当にそうなら、思い出したいなあ」
ベル:「思い出さないと、ここの出口も分からないままで困っちゃうのです」
ベル:「今ここは、いっぱい……こう……つよいレネゲイドでぎゅって閉じ込められてるから」『感じた』ことを伝えるためわやわや腕を動かす
ベル:「散らばった思い出を拾わないと、道が分かんなくなっちゃうのです」
ベル:「ぼくたちも、ありささんのお父さんやしえさんもなのです」
加茂 由香里:「ああ、やっぱりこれ、レネゲイドによる封鎖なんですね」
若菜美奈人:「……それもこの能力規模は……」
ベル:全く理論的な説明ではない。が、ベルは誰かが言ったようにレネゲイドビーイング・・・・・・・・・・だ。
可知 充希:「おねえちゃんたちにも思い出してほしいよね……」
ベル:自分が接していて、なおかつ強大な力であるレネゲイドそれならば、分かるものもある。
可知 充希なぎさんのこのままじゃ、おねえちゃんって呼べなくなっちゃう。
ベル:「そう! だからみんなに思い出してもらって、みんなで帰るのですよ!」充希ちゃんを見て
加茂 由香里:「こういうのは、あやしの方のほうが感覚が精緻ですから。助かります」
若菜美奈人:「……散らばった思い出を拾わないと、道が分からない」
若菜美奈人:「記憶の欠落の充足が、脱出の要件だと感覚的に理解している」
ベル:「『今』のひとじゃないひと……えと……ふわーってしてるひと? 夢みたいなひともいるみたいなので」
ベル:「みんながみんなじゃないみたいなのですけど……」
若菜美奈人:「役割を持たされる中には、生身の人間でなくレネゲイドで構成された似姿も含まれる」
可知 充希:「二人の言い方、なんかこう……温度差がすごいね」
加茂 由香里:「ふふ」
加茂 由香里:「吹き替え映画みたい」両方が左右から流れるモードで、たまに音を流している。
可知 充希:ふわふわとかちかちでバラバラだぁという顔。
ベル:「んむ……ぼくはあんまり説明が得意じゃないのです」
ベル:「でも一生懸命伝えようとしたら、聞いてくれるひとたちがいるって知ってるので」
ベル:にぱ、と美奈人さんを見ます。
若菜美奈人:嫌そうな顔をして。「問題は……その方策だな」
若菜美奈人:「“拾う”。具体的な手段に思い当たるか?」
加茂 由香里:「……最初にありささんが声をかけてくれたときって、何が起きてたんでしょうか?」
高河ありさ:「え、ええと。私はただ声をかけなきゃーって」
高河ありさ:「そうしたら、周りの光みたいなものがすーっと皆さんに入ってきて」
GM:ここにもいくらか、光が飛んでいる。
加茂 由香里:「まあ。それって、ここにもまだあるんでしょうか」
可知 充希:「ずっとふよふよしてるよね、ホタルみたいなやつ」
ベル:「あるのですよー」このあたりー!と声を出す
若菜美奈人:「解析できるか?」
可知 充希:実はちょっと嬉しかったりする。暗いのはかーくんもすーちゃんも自分も苦手だから。
若菜美奈人:「いや……しろ」
加茂 由香里:「ああ、なるほど」
加茂 由香里:「触れるのかな」
加茂 由香里:手をすっと前に出す。熱の無い、質量も無い光。
若菜美奈人:「光なら粒子性を持つ」
加茂 由香里:手繰るように伸ばした指が、その光のひとつに触れた。
加茂 由香里:「……あ」
加茂 由香里:熱の無い、質量も無い。
加茂 由香里:だがそれが、輝いて、やわらかに丸くて。夜だという外の闇の中で、ぼんやりと光っている、
加茂 由香里:(月みたい)
加茂 由香里:(……そう、そうだ、月は…こんな風景だ)
加茂 由香里:触れたそれ自体は、おそらく、自身の記憶ではなかった。
加茂 由香里:誰かの見た、どこかの月だった。
加茂 由香里:……それだけで十分だった。指輪のように、もうひとつ別の光が絡まる。
加茂 由香里:「うん」
加茂 由香里:「解析できました。……思い出せた」
加茂 由香里:「私、空をたまに見るんです」ぽつりと言う。
加茂 由香里:「私がというか…共振現象で、人の記憶の風景を、ときどき覗き見るといいますか…」
加茂 由香里:「それだけ、一般的な人の視覚で見られて、ちょっと面白いんですよね」
若菜美奈人:「……それを」
若菜美奈人:「忘れていた?」
加茂 由香里:「見えたものを、忘れてて」
加茂 由香里:「もともと私の視界ではないから、あれなんですけど」
加茂 由香里:「綺麗で。好き」
若菜美奈人:「元々由香里のものでなかろうが……受け取った時点で自分のものだ」
若菜美奈人:「……」言ってから、自分でそこはかとない自分自身への違和感を反芻している。
ベル:「えへへ」
ベル:「由香里さんが嬉しそうなお顔をしててぼくも嬉しいのです」
可知 充希:「分かる! ね、ね、ゆかりおねえさん」
可知 充希:「かーくんたちとも共振したら、きっとすっごいきれいな空が見られるよ!」
可知 充希:「あ、でも自由にできるものじゃないんだっけ……」
若菜美奈人:「能動的に起こそうとするな」
加茂 由香里:「……まあ。飛んで見る空は、きっとすごく、いいでしょうね」笑う。
加茂 由香里:「見てみたいですね。素敵なホテルも楽しいけれど」
加茂 由香里:「思い出したら、空の下を歩きたくなってしまいました」
高河ありさ:「そうですねえ、ホテルは、閉じこもる場所ではないですしね」
ベル:「それじゃあますます、頑張って出口を探さないとなのですね!」
若菜美奈人:「……だが、取り戻しただけでは」
若菜美奈人:「そいつが弾き出されるわけではないのか」
可知 充希:「そっか。確かにゆかりおねえさんだけ帰っちゃうかもしれなかったんだ」
若菜美奈人:「個人に依拠するものではないようだな」
加茂 由香里:「他の人のも思い出せたら、少しは変化が起きるかもしれませんが」
若菜美奈人:「取り戻すことが悪いことにはならないだろうからな」
可知 充希:「じゃああたしたちもあの光触ってみる?」
加茂 由香里:わずかに若菜くんのほうを向く。(……あまり言いたくなさそうだったけど)
加茂 由香里:(大丈夫そうなのかな、この感じ)
若菜美奈人:「……お前が加茂由香里並みに受信能力があればそうしていいがな」
加茂 由香里:「ふふ!そう言ってもらうと悪い気はしないですね」
ベル:(由香里さんと美奈人さん、仲良しなのです)
若菜美奈人:「空間自体の把握も並行するべきだろう。移動するぞ」
可知 充希:「はーい……」 かーくんとすーちゃんだって物知り度なら負けないのに……とちょっぴり不満げ。
ベル:「……充希ちゃん」こそこそ小声
可知 充希:「どしたの、ベルちゃん?」
ベル:「美奈人さん、きっと充希ちゃんたちのすごさを分かってないのです」
ベル:「このあとかっこいいところ見せて、褒めてもらうのですよ!」名案ー!!
可知 充希:「……なるほど!」 確かにかーくんとすーちゃんのすごいとこ、あんまり見せたことなかったかも!
可知 充希:「名案だよベルちゃん!」
若菜美奈人:「……聞こえているぞと」
ベル:どやふふーん!としてます。あと友達が褒められたらうれしいので。
若菜美奈人:「言ったほうがいいのか……?」隣に問いかけるように。
加茂 由香里:「そこは知らないふりをしてあげて、あとで褒めてあげるのがいいんじゃないですか?」
若菜美奈人:「それは由香里がやれ。俺の仕事ではない」
加茂 由香里:「たまにはいいと思いますけど…」

GM:シーンカット。ロイス取得と購入判定が可能です。
ベル:ロイス保留でぼでまチャレ!
ベル:(3+1)dx+1>=12
DoubleCross : (4DX10+1>=12) → 6[1,2,3,6]+1 → 7 → 失敗

ベル:エンッ
加茂 由香里:若菜美奈人 〇信頼/食傷
加茂 由香里:これでいこう 食傷は「この人またこういうこと言っとるな」の念です
若菜美奈人:なるほどね
GM:ww
可知 充希:ゆかりおねえさんにも取っちゃお ○やさしい!/心配で
若菜美奈人:RB/ベル/有為:○/厭気/ロイス
加茂 由香里:アンマテチャレを開始しとこう
加茂 由香里:???さんのカード使いたいです
GM:はーい! ダイス+2個
GM:何かふわっとした気配が、あなたの判定を助けてくれます。
加茂 由香里:ありがとう 誰か…!
可知 充希:あ、じゃあこっちも
可知 充希:お手伝いするよ!:支援射撃LV7
可知 充希:自分以外の判定のD+7、侵蝕値+2
加茂 由香里:鳥さん!
可知 充希:可知 充希の侵蝕を2増加(58 → 60)
GM:たかい
加茂 由香里:すごすぎる
若菜美奈人:つよ
加茂 由香里:12DX+2+0@10>=35 調達
DoubleCross : (12DX10+2>=35) → 10[2,2,3,3,3,4,5,5,7,7,9,10]+8[8]+2 → 20 → 失敗

可知 充希:高い!
GM:あーっ15も足りない~
ベル:回ってる!
加茂 由香里:これならいけるか
GM:なにっ
加茂 由香里:15点払って買います
GM:なんだとーーー!!!
GM:どうぞ……
ベル:おかねもちー!!
若菜美奈人:やば
加茂 由香里:加茂 由香里の財産点を15減少(31 → 16)
加茂 由香里:半分くらいになってしまったが
GM:十分多いんだよなあ
若菜美奈人:さすがは加茂様ですね
若菜美奈人:荷物お持ちしましょうか……?
加茂 由香里:急に腰が低くなったな
加茂 由香里:以上です
GM:あと判定どうぞー
若菜美奈人:ぼでまチャレ!
若菜美奈人:1dx+1>=12
DoubleCross : (1DX10+1>=12) → 2[2]+1 → 3 → 失敗

可知 充希:あたしもー
若菜美奈人:全然ダメ
可知 充希:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 7[7,7] → 7 → 失敗

可知 充希:あたしもダメ
若菜美奈人:おわりです
GM:はーい
可知 充希:おしまい!


マスターシーン2 かつてのそれから


【百年前・雨宿町 十六夜邸・書斎】

GM:ある雨の日のこと。知識の詰まった……というよりは、半分見栄で作られた書肆の間。
長女・十六夜 凪:「お父様、それ、本当なの?」
当主・十六夜 成恒:「ああ、もう決めたことだ。この館は売り払う」
当主・十六夜 成恒:「柱谷からの支援も打ち切られた。事業は縮小しなければならん」
長女・十六夜 凪:「……じゃあ」
当主・十六夜 成恒:陰鬱な顔で頷く。
当主・十六夜 成恒:「すまない、凪……。婚約の話も、なかったことに、と」
長女・十六夜 凪:「じゃあ」
長女・十六夜 凪:「私、結婚しなくていいのね」
長女・十六夜 凪:不安げだった顔に微かな光がす、と差した。
当主・十六夜 成恒:「凪?」
長女・十六夜 凪:「ここを出るのは嫌。でも、想ってもいない方と一緒にならなくて済むんだ」
長女・十六夜 凪:「うれしい」
当主・十六夜 成恒:「お前……」
GM:軋む音を立てて、扉が開いた。
次女・十六夜 奈美:「……姉さん、ずっと嫌そうだったものね」
次女・十六夜 奈美:「私は、ここを出られるのは嬉しい。いいえ、そもそも、ずっと家を出たかったの」
次女・十六夜 奈美:「ちょうど良いわ。私、仕事の当てがあるの。そちらで働くことにする」
次女・十六夜 奈美:「新しい女という感じでしょう?」
当主・十六夜 成恒:「奈美まで……」
次女・十六夜 奈美:「お父様、お認めなさいな」
次女・十六夜 奈美:「娘を縛り付けて、見栄を張って、思い通りにしようとして」
次女・十六夜 奈美:「十六夜家の幸福なんて、とうの昔にもう、バラバラになっていたのよ」
当主・十六夜 成恒:「…………」
GM:父親は、低い声で謝罪をした。
GM:ひっそりと、廊下でそれを聞いていた影がひとつ。
メイド:「…………」
メイド:「ご主人様、お嬢様方……」

GM:しばらく後に、瀟洒な別荘は売りに出され、家族は町を去った。
GM:その後、この家族の幸福がどのような形になったのかは、町の記録には記されていない。
????:(……そんなのは、嫌だ)
GM:誰かが、あるいは、何かがそう思ったことも、誰も覚えてはいない。

ミドル3 記憶の欠片


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 3)増加(54 → 57)
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 3)増加(60 → 63)
ベル:1d10+60
DoubleCross : (1D10+60) → 7[7]+60 → 67

若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 4)増加(55 → 59)
GM:一番高かった若菜くんがずっと落ち着いてる

GM:このシーンでは、『記憶の欠片』を集めて状況やNPCの事情などについて理解していきます。
GM:ほぼ情報収集ですが、技能や演出がちょっと変わるかなーという感じ。
加茂 由香里:なるほど
GM:項目は以下の通りです。

★高河ありさの記憶の欠片〈RC〉〈情報:噂話〉8
★高河早人の記憶の欠片〈RC〉〈情報:噂話〉8


GM:また、ここでもPCひとりが『記憶の欠片』を取り戻すための判定が可能です。
GM:これは情報収集とは別に行うことができます。
GM:これはまた開示した後にしましょうかね
GM:では項目を選んで判定をどうぞ!
加茂 由香里:ふんふん
可知 充希:誰がどこ行く?あたし記憶の欠片行こうかなと思ってるけど
加茂 由香里:シナリオロイスだし、自分の記憶は復活しているので、とくになければお父さんの方行こうかな?
加茂 由香里:みつきおく
ベル:父娘はベルまだあんまり知らないので
ベル:知り合いの人の方がいいかな?
可知 充希:残りのメンツの中だと割と軽そうだし
若菜美奈人:ふんふん
加茂 由香里:じゃあ私は早人パパでいこうかな~
若菜美奈人:結局ここで判定しても
若菜美奈人:PCの取り戻し判定は全員できるということ?
GM:あ、そうですね
ベル:別枠だー
GM:別枠!
加茂 由香里:はーい!
可知 充希:じゃあとりあえず大人組に情報収集してもらいますか
可知 充希:新しく情報出るかもだし
加茂 由香里:シナロやしね
ベル:おにいさんおねえさんぱわー!
若菜美奈人:見せてやりますよ 社会1の力を
GM:いけー
可知 充希:そんなみなとおにいちゃんに!
加茂 由香里:この羽搏きは!
可知 充希:お手伝いするよ!:支援射撃LV8
可知 充希:自分以外の判定のD+8、侵蝕値+2
ベル:ダイス8個!!!
若菜美奈人:クッ……お世話になります
可知 充希:勝手に宣言したけど良ければ受け取ってください
GM:あっまって
GM:LV7かな?
可知 充希:ホントだ 100%のときの使っちゃった
加茂 由香里:若菜くん七人分の社会力ってこと?
GM:すごいな
ベル:これはもう社会人ですよ
可知 充希:かーくんとすーちゃんは賢いので
若菜美奈人:侵蝕が上がればもっといけるもん
GM:あとNPCカードも忘れずにね。購入にも使えます。
可知 充希:可知 充希の侵蝕を2増加(63 → 65)
若菜美奈人:てか……普通にRCのほうがいいな
加茂 由香里:私はさっき借りたから他の子が使ってるのみたいので素でいっちゃお~
加茂 由香里:高河早人さんの記憶の欠片を〈情報:噂話〉で。
加茂 由香里:3DX+3+0@10>=8 情報:噂話
DoubleCross : (3DX10+3>=8) → 8[5,6,8]+3 → 11 → 成功

若菜美奈人:高河ありさの記憶の欠片を〈RC〉で。
若菜美奈人:9dx+1>=8
DoubleCross : (9DX10+1>=8) → 9[1,2,3,3,4,5,5,7,9]+1 → 10 → 成功

GM:二人とも成功!
加茂 由香里:やったね
GM:ではまず開示します。

★高河ありさの記憶の欠片〈RC〉〈情報:噂話〉8
彼女は宿泊客についての記憶を取り戻した。
当時ホテルの宿泊客は江宮詩絵と、「月路詠子」という次女・奈美の役を割り当てられた女性だけだった。
彼女はありさと詩絵と3人幼馴染で、久しぶりに雨宿町に帰省したところらしい。
協力してこの現象を乗り越えることができるかもしれない。
→次以降のシーンで月路詠子と会話をすることが可能です。
★月路詠子の記憶の欠片〈RC〉〈情報:UGN〉〈情報:FH〉9 が次シーンから調査可能になりました。
→★誰かの記憶の欠片をひとつ取り戻しました。


GM:誰かの記憶は、現状では「この館にいるNPCのうち誰かのものである」ということしかわかりません。
加茂 由香里:知らない人だ!

★誰かの記憶の欠片 自動開示
猫と犬は両方好き。どっち派とか決める必要はないと思っているが、なかなか言い出しづらい。



★高河早人の記憶の欠片〈RC〉〈情報:噂話〉8
彼はホテルの現状についての記憶を取り戻した。
ホテル『往来館』は現在、買収の誘いを受けており、その話し合いの直前にホテルの閉鎖が起きたようだ。
また、早人は買収について、なぜか非常に悩み迷っているようだ。
何か理由があるのかもしれないが、まだ彼の記憶は欠けたままでいる。
→★高河早人の記憶の欠片2〈RC〉〈情報:噂話〉10 が次シーンから調査可能になりました。
→誰かの記憶の欠片をひとつ取り戻しました。



★誰かの記憶の欠片 自動開示
家族はとても大事。家族も自分を大事にしてくれる。でも、時々苦しくなる。


GM:ここまでが情報です。調べられるのは次以降。
GM:ということで、PCの記憶の欠片判定をやっていきましょう。
GM:最初にPCを指名してから〈意志〉〈RC〉で難易度は7。PC全員が挑戦可能です。
可知 充希:じゃああたしが行きます!
GM:はーい! どうぞ
可知 充希:NPCカードの?さんも使ってRC判定!
可知 充希:9dx+2>=7
DoubleCross : (9DX10+2>=7) → 9[1,1,5,6,6,7,7,9,9]+2 → 11 → 成功

GM:ばっちり! 記憶の欠片を取り戻しました。
可知 充希:これがピュアノイパワーです
GM:ロールはシーンの後半でやっていきましょう
可知 充希:はーい
加茂 由香里:やったー!
若菜美奈人:ひゅう!


【???? 雨宿町・十六夜邸 一室】

GM:十六夜邸の一室、どこか覚えのある……支配人室と同じ場所の部屋。
GM:書斎のような部屋では、机の横に男性が一人立っていた。
当主・十六夜 成恒:「………」
当主・十六夜 成恒:反応は鈍い。あなたたちを認識はしているようだ。
GM:周囲には、やはり光がふわふわと浮いている。
加茂 由香里:「高河さん…?」
当主・十六夜 成恒:「ようこそ、十六夜邸へ……」
加茂 由香里:「すっかり十六夜さんになっちゃってますね」
可知 充希:「光に触ってもらったら思い出してくれないかな?」
可知 充希:「あ、でもどう触ってもらおう」 触っちゃって良いのかな。
高河 ありさ:「もう、お父さんてば……!」
加茂 由香里:「高河さんもたしか、シンドロームは私と同じだったはずですしね」
可知 充希:光の方を誘導できないかと思って手で仰いでみる。
若菜美奈人:「身体機能を麻痺させるか?」
高河 ありさ:「ええっ」
かーくん:羽ばたいて加勢している。
加茂 由香里:「攻撃では…?それは」
ベル:「お父さんが、由香里さんみたいに、光をふわーってできるかもなら」
ベル:「由香里さんがそのお手伝いをしたりとか……?」やり方はわからない
高河 ありさ:「お願いします、できればさっきみたいに……」
加茂 由香里:「…そうですね」少し考えて。
加茂 由香里:「じゃあ、ベルさん、ちょっとお花って降らせられますか?」
ベル:「わ! お任せなのです! どのあたりに降らすのです?」
加茂 由香里:「高河さんのほうに降らせてみてください」
ベル:「はーい!」よいこのおへんじ
ベル:きゅるん、と手の中に葉と茎でできたクラッカーのような筒が生まれる。
ベル:それを高河父に向け……
ベル:「えいっ」ぷわっ、とピンク色の花びらが柔らかく飛び出し、光たちと共にふわふわと彼に降り注ぐ。
加茂 由香里:『0148:水鳥と亀』/《水晶の剣》。 シナリオ間、ベルさんのストライクチップの攻撃力を+6。
GM:了解です。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を4増加(57 → 61)
加茂 由香里:その花たちは光を浴びて咲いた記憶を蘇らせる。
加茂 由香里:光を集めて、高河早人のもとへと降って、ひらりと触れた。
当主・十六夜 成恒:「………!」少しだけはっと目を見開き。
高河 早人:「……こ、これは……?」
高河 早人:目に光が戻る。
若菜美奈人:「……名前は」
高河 早人:不可解そうにあなたたちを見つめ。
若菜美奈人:「言えるか?」
高河 早人:「……高河早人です。私は一体……」
高河 早人:「UGNの方がどうして?」
加茂 由香里:「よかった……」
GM:同時に、あなたたちにも薄く彼の記憶を見て取ることができるかもしれない。
GM:あるいは、彼の悩みの一端を。
高河 早人:「……そうだ。加茂さん」
高河 早人:「私はあなたに、相談を……ホテルを、売らねばならないかもしれなくて」
高河 ありさ:「ええっ?!」
高河 早人:「しかし、なぜUGNの方に……?」
加茂 由香里:「……それは」
高河 早人:まだ記憶が万全ではないようだ。首を捻っている。
加茂 由香里:「たしかに、なぜ私になのか…記憶の一部がまだ戻っていないのかしら」
可知 充希:「というか、え、え?往来館、なくなっちゃうの?」
加茂 由香里:「それこそ、私たちよりもありささんにお話すべきことですものね」
高河 ありさ:「そ、そうよ。お父さん、思い出したらちゃんと話をして!」
高河 早人:「……いや」
若菜美奈人:「……」
高河 早人:「私は、なくさないために、あなたたちに声をかけようとしたんだ。確か……」
高河 早人:「それ以上は、わかりません」
若菜美奈人:「取り込まれる前に取り戻すのと……」
若菜美奈人:「取り込まれた後で取り戻すのだと、戻り具合が異なるんだろうな」
加茂 由香里:「なるほど」ゆるく瞬き。
高河 早人:「よくわかりませんが、助けていただいたのはわかります」
加茂 由香里:「ええ、なくさないために…頼ってもらえたことも、わかりました」微笑む。
高河 早人:「すまない、ありさ。確かに私は、後でお前に話すべきことがあるようだ。思い出せれば……」
高河 ありさ:「早く思い出してください! 私もまだ忘れてることがあるのに!」
若菜美奈人:「そもそも……そうであるのならば」
若菜美奈人:「お互い全部戻ってから話すべきだと思うが?」
若菜美奈人:「お前の欠落がそれ絡みでない保証がない」
高河 ありさ:「それはそう……」光を捕まえようとするが、上手くいかない。
高河 ありさ:「……難しいです」
可知 充希:「なにを忘れたのかも思い出せないのが一番大変だよね」
可知 充希:「思い出そうとしても何を思い出せばいいのかわかんないだもん」 自分も割とその状況なので。
ベル:「ありささんにも光がふわーってなればいいのですけど……」花を控えめに降らせている。
加茂 由香里:「引っかかりのない状況、というわけですもんね」
若菜美奈人:「由香里。お前は何をした?」
若菜美奈人:「シンドロームが同一だとそれは容易化したのか?」
加茂 由香里:「そうですね。比較的…共振。共鳴かな…そういうのは通りやすいと思います」
加茂 由香里:「必要なら、私も補助はできるかと…」
可知 充希:「シンドロームが一緒……あ、じゃああたしは!?」
可知 充希:「あたしもゆかりおねえさんと同じノイマンだよ!」 言いながら挙手。
加茂 由香里:「私とは半分一緒ですね」にこにこしている。
加茂 由香里:「ありささんは、確か」
若菜美奈人:「ノイマンに共振共鳴の要素はない」
高河 ありさ:「ブラックドッグにハヌマーン、です」義足をかちりと鳴らす。
ベル:「あ! ハヌマーンがおそろいなのです!」元気に挙手
加茂 由香里:「ブラックドッグもおそろいがいますね」
ベル:若菜さんを期待の眼差しで見つめる。
高河 ありさ:「おそろいはうれしいですね」ベルちゃんをなでなでしながら。
可知 充希:「ノイマンだと共振できないんだ……」 してみたかったのでしょんぼり。
若菜美奈人:「共振は無理だな」
ベル:撫でられたので喜んだ。えへー。
若菜美奈人:「出力が違いすぎる」
可知 充希:「みなとおにいさんが強すぎるからあぶないってこと?」
若菜美奈人:「ああ。調整しようにも……相互の周波の違いを常時観測出来なければ危険なだけだ」
若菜美奈人:「……」
若菜美奈人:「ノイマンは共振共鳴の要素はない」
若菜美奈人:「出来るとすれば……高度な分析と理解による伝達だ」
若菜美奈人:「シンドロームを問わん」
加茂 由香里:「それは」くすりと笑う。「とっても得意な人たちがいる」
若菜美奈人:「チッ」
可知 充希:「……あたしだ!」 一瞬誰だろ?の顔をしていた。
ベル:「かーくんとすーちゃんもいるのです!」
かーくん:「かぁ」 そうだそうだの意。
すーちゃん:「かぁ」 任せなさいの意。
可知 充希:「ええと、つまり……ゆかりおねえさんがどう思いだしたのかを聞いてみて」
可知 充希:「どういう感じだったのかな~っていうのを考えてまねっこする感じ?」
若菜美奈人:「真似をするではなく……」
若菜美奈人:「真似をさせるだ」
若菜美奈人:「分かるように伝わらなければ不可能だぞ」
可知 充希:「ええと……が、がんばる!」
ベル:「がんばれー!」ふれっふれっ
加茂 由香里:「頑張ってください」
加茂 由香里:「なにを思い出すかは…なにを忘れたかを知らなくては」
加茂 由香里:「忘れたことの形がわかると、ちょっと寂しくなります」
可知 充希:「さびしく」 復唱。
加茂 由香里:「自分の中の、そういう感情を思い出して。思い出してもらって。その場所を探ってみて」
可知 充希:「さびしいこと……さびしかったこと……」
可知 充希:むむ、と思考を巡らせる。あたしにとってさびしいこと。
可知 充希:夕やけの中でともだちとバイバイするとき。夏やすみに遊びに行ったおばあちゃんのおうちから帰るとき。
可知 充希:だいすきだった服がちっちゃくなって着れなかったとき。三町めのきれいな桜がぜんぶ散っちゃったとき。
可知 充希:それから、おねえちゃんがひっこしちゃったとき。
可知 充希:あのころのあたしはまだ子供用のケータイも持ってなくて、だからお手紙を書くしかなくて。
可知 充希:最初の2か月か3か月くらいは続いてたけど、そのうち送ることも届くこともなくなっちゃって。
可知 充希:ずっとさびしい訳じゃないんだけど、でもたまに思い出す度にもう会えないのかな、お話しできないのかなって。
可知 充希:会いに行けないのも、お手紙がずっと続かないのも、しかたのないことなんだと思うけど。
可知 充希:その「しかたない」でおねえちゃんが遠くの人になっちゃうのが、すごくさびしかったんだ。
可知 充希:だから、バッタリ会えたのがすごくうれしくて、絶対たくさんお話ししたくて。
可知 充希:これからもずっとお話ししたいから、そのために……。
可知 充希:「…………あーーっ!!」
可知 充希:急に大声を上げたかと思うと、背中にしょいっぱなしのカバンの外ポケットに手を突っ込む。
可知 充希:取り出したのは子供用のスマートフォン。ケースはお気に入りのアニメのコラボ商品。
可知 充希:「おねえちゃんとLINE交換してもらおうと思ってたんだった!」
可知 充希:「中学入ったときにスマホ買ってもらって、LINEならお手紙よりお手軽にいろいろ話せるんだなぁってなって」
可知 充希:「これならおねえちゃんともずっとお話しできるかなって思ってたの!」
可知 充希:「もちろんお話もしたいけど、ぜったい時間足りなくなっちゃうから、続きの分LINEで話そ!って」
可知 充希:「そう言うつもりだったの!」 一度思い出した途端、なんで忘れてのか分からなくなってビックリしている。
若菜美奈人:「……おい」
若菜美奈人:「今の流れは……」
若菜美奈人:「高河ありさのを取り戻すための流れだったろうが」
若菜美奈人:「なんでお前が取り戻してる」
可知 充希:「……あれ? なんでだろ」 そう言えばそうだった。
加茂 由香里:「ふふ。でもこれで、『思い出し方』がわかったんじゃないでしょうか」
可知 充希:「あ、うん! ええっとね」
可知 充希:「まずね、さびしい感じのすることをたくさん思い浮かべて」
可知 充希:「その中の、なんか気になるな~ってところをもっともっと考えて」
可知 充希:「そしたらなんか、急にピン!って感じで思い出せたよ!」
高河 ありさ:「な、なるほど……!」
若菜美奈人:「記憶に紐づいた感情自体が失われていないなら」
若菜美奈人:「感情側から列記して改めて紐づけして絞り込むということか?」
高河 ありさ:「なるほど……?」
可知 充希:「ええっと、多分そう!」 あまり自信はないがそれはそれとして断言。
高河 ありさ:「さびしいこと、ですか。私、ホテルのお客様のことを覚えてないのはちょっとさびしいですけど」
高河 ありさ:胸に手を当てる。
高河 ありさ:「それだけじゃなくて、さっきからずっと気になっていて……江宮詩絵さん」
高河 ありさ:「その名前もやっぱり、忘れてしまっているような気がして……とてもさみしい」
高河 ありさ:「こうですか? 若菜さん」
若菜美奈人:「……ああ。あるべき情動が分かれば……」
若菜美奈人:杭を取り出す。虚空でひゅんと振る。
若菜美奈人:ある一点の光と、高河ありさとを繋ぐ線が生まれ。
若菜美奈人:瞬間、ぱちんと両者が引き合うように接触する。
若菜美奈人:「そこに収まるのはそいつだ」
高河 ありさ:「!」
高河 ありさ:一瞬震えると、ゆっくり首を横に振る。
高河 ありさ:「……いいえ」
高河 ありさ:ふわふわと、光が集まってくる。
高河 ありさ:「詩絵ちゃんと、あとひとり、いたの」
高河 ありさ:「今年、たまたま、せっかくだから3人でまた集まろうって……」
高河 ありさ:「……忘れてた。詩絵ちゃんと……詠子ちゃん」
高河 ありさ:「あの、奈美さんをさせられている子も、私の友達なんです!」
GM:あなたたちにも、小さな子供が3人、仲良く遊んでいる風景が見えるかもしれない。
若菜美奈人:「なるほど。それが宿泊客……」
加茂 由香里:見えた。いまの、大人の顔立ちすら見えぬ三人の姿かたちが、その笑顔が。
加茂 由香里:「ああ、これは…失くしてしまったら寂しいですね」
可知 充希:「じゃあ、おねえちゃんの言ってたともだちってやっぱりありささんだったんだ!」
高河 ありさ:「そう! そうだったみたい」
可知 充希:「良かったあ……。忘れちゃうのもさびしいけど、忘れられちゃうのもきっとさびしいもん」
可知 充希:「おねえちゃんが思い出したときにありささんが忘れたままだったら、おねえちゃん泣いちゃったかも」
可知 充希:おねえちゃん、さびしそうな顔をよくするから。もっとさびしくなっちゃわなくて良かった。
高河 ありさ:「……うん。皆さんのおかげで、思い出せてよかった」
若菜美奈人:「……ある程度。失われていたことに寂寥を覚えるものに共通するのかもしれんな」
加茂 由香里:「そうですね」
加茂 由香里:「少なくとも、今のところは」見えない窓にちらりと頭を向けて言う。
可知 充希:「ベルちゃんのもさびしいもんね。せっかくもらったおかしなのに」
可知 充希:「だれがくれたのか思い出せないの、さびしい気がする」
ベル:「うん……でも、ぼく」かばんをぎゅっとして
ベル:「今、思い出せないことそのものは、あまりさびしいわけではなくて」
ベル:「さびしくないことが、なんだかさびしい……のです」
ベル:「美奈人さんのもそうなのです?」
若菜美奈人:「覚えていないな」
ベル:「じゃあ、これからもみんなでがんばるのです」
ベル:「ありささんのお友達さんにも、お話を聞きに行けるかもなのですし!」
若菜美奈人:「ふん……可知」
可知 充希:「はいっ」 元気なお返事。
若菜美奈人:「お前の手柄だ」
可知 充希:「……えっ」
可知 充希:「わ、わ!みなとおにいさんにほめられた!」
若菜美奈人:「次はその詠子とかいう女を探すぞ」
可知 充希:「かーくんすーちゃん聞いた!?みなとおにいさんがほめてくれたよ!」
若菜美奈人:ツカツカと先に行く。
かーくん:「かぁ」 聞いてたよの意。
ベル:「やったー!!」充希ちゃんのおててを取りるんるん
すーちゃん:「く、かぁ」 良かったわねぇの意。
加茂 由香里:「ちゃんと褒めてる……」こっそり笑いつつ着いていきます。
可知 充希:「やったー!」 ベルちゃんのおててをブンブンと振りつつ、かーくんとすーちゃんをもう片方の手で抱えている。
すーちゃん:嬉しいとすぐ抱き着いてくるので慣れている。
かーくん:慣れているので大人しく腕に収まっている。
高河 早人:「……私はしばらく、ここで待たせてもらっています。お気をつけて」
高河 ありさ:「お父さんも、また忘れないでくださいね! まったく」
加茂 由香里:「高河さんもお気をつけて」
高河 早人:「……ああ。早く、思い出すようにするよ」
高河 早人:深く頷き、あなたたちを見送った。
GM:そうして、あなたたちの背に、小さな星屑のような光がふたつ。
GM:だれにも吸い込まれず、ただちかちかと飛んでついていった。

GM:シーンカット。ロイス取得と購入判定が可能です。
可知 充希:ロイスは一杯!購入はボデマを狙います
可知 充希:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 10[6,8,10]+6[6] → 16 → 成功

GM:すごい
可知 充希:買えちゃった
加茂 由香里:可知 充希 〇連帯感/寂寥
可知 充希:要る人居る?
加茂 由香里:取得しときます!
若菜美奈人:ロイス埋まりんちゅ
ベル:由香里さんに 〇ぽかぽか/心配 で取ります
加茂 由香里:ボデマ、カバーする可知さん若菜くんあたりかな
GM:かわいい
加茂 由香里:若菜くんは
加茂 由香里:あれか
加茂 由香里:着てたか
若菜美奈人:外套ある
加茂 由香里:可知さんそのまま着てていいのでは~
可知 充希:じゃあ着ておこう
若菜美奈人:可知充希へのロイスを有為:○/憤懣に反転しておきます
GM:おおー
加茂 由香里:認められてる!
ベル:きゃー!
可知 充希:ポジティブだ~!
加茂 由香里:私もボデマ買っとこうかな
ベル:ぼでまちゃれで!
ベル:(3+1)dx>=12
DoubleCross : (4DX10>=12) → 7[3,6,6,7] → 7 → 失敗

加茂 由香里:2DX+0+0@10>=12 射撃
DoubleCross : (2DX10>=12) → 10[10,10]+9[8,9] → 19 → 成功

ベル:おかいものができない
GM:出目すっご
加茂 由香里:買えた~
ベル:10,10!?
若菜美奈人:すご
加茂 由香里:ふふん ほんとだ
可知 充希:8以上しか出てない
加茂 由香里:縁起がいいから着ておこう
若菜美奈人:まだ全員分は行き渡ってないか じゃあボデマねらお
若菜美奈人:1dx+1>=12
DoubleCross : (1DX10+1>=12) → 9[9]+1 → 10 → 失敗

若菜美奈人:ダメでした
GM:ざんねん
ベル:おしい
加茂 由香里:がんばってた


ミドル4 記憶の欠片2


GM:登場侵蝕の前に、説明!
GM:このシーンと次のシーンでは、以下の情報をどちらかひとつだけ調べられます。
GM:別に分岐があるわけではなく、知りたい順でいいよの感じです。

★月路詠子の記憶の欠片〈RC〉〈情報:UGN〉〈情報:FH〉9
★高河早人の記憶の欠片2〈RC〉〈情報:噂話〉10


GM:項目は以上で、シーン内では調べられる項目は増えません。
GM:あと、PCの記憶の欠片も前同様に調べられます。
GM:ので、出るかお休みするかなどは考えつつどうぞ。
GM:では、まず登場する人は登場侵蝕をお願いします。
加茂 由香里:でちゃお~。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 2)増加(61 → 63)
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 2)増加(59 → 61)
ベル:1d10+67
DoubleCross : (1D10+67) → 10[10]+67 → 77

ベル:お前!
加茂 由香里:ベルちゃん!
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 3)増加(65 → 68)
GM:ベルちゃ!
加茂 由香里:心が揺れている…!
可知 充希:出目が……
若菜美奈人:落ち着きのない奴らめ……

GM:では、まずどちらを調べるか指定してください。
加茂 由香里:月路詠子さん楽しそうかなと思うけどどうかな~?
若菜美奈人:知りたきね
可知 充希:賛成!
ベル:意義なーし!
GM:オッケー、では調べる人はどうぞ!
若菜美奈人:UGNあるしやってみちゃおかな
加茂 由香里:いっちゃえ~
若菜美奈人:コネつかってUGNします
若菜美奈人:4dx+3>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 8[4,4,7,8]+3 → 11 → 成功

GM:ばっちり!
加茂 由香里:優秀エージェント
可知 充希:流石!
GM:では、開示はロール中のいいタイミングで行おうと思います。
GM:まずは対面だ!
GM:そして危なく忘れるところでした。
GM:PCの記憶の欠片を取り戻さないとならなかった。
GM:最初にPCを指名してから〈意志〉〈RC〉で難易度は7。PC全員が挑戦可能です。
GM:誰の記憶を取り戻しますか?
ベル:はーい、ベルいきます!
若菜美奈人:がんばれ~
加茂 由香里:がんばー!
GM:いけー
ベル:思い出の一品(かわいいかばん)で意志+1
可知 充希:がんば!
加茂 由香里:あれなら???さんも使ってもいいと思うしね
可知 充希:あ、そうじゃん
GM:いいぞ
ベル:じゃあせっかくなので誰かさんも呼んじゃお
ベル:(2+1+2)dx+2>=7 意志
DoubleCross : (5DX10+2>=7) → 8[2,6,7,7,8]+2 → 10 → 成功

ベル:ぶい!
GM:おおーばっちり
若菜美奈人:ひゅう!
加茂 由香里:ばっちし
可知 充希:お見事
GM:では、PCの記憶の欠片は残り1つ! 若菜くんの分だけ!
GM:これは次シーンでやってきましょうね。
GM:ということで、改めてロールへ。


【???? 雨宿町・十六夜邸 一室】

GM:綺麗に整えられた、誰かの私室らしき部屋。
GM:その中に立っていた、ふわふわとした長い髪の女性は、あなたたちを見ると駆け寄ってきた。
月路 詠子:「……あなたたち、どうして?」
月路 詠子:「無事なの? 一体今何が起きて……」
月路 詠子:どうやら、今はある程度正気に戻っているようだった。
加茂 由香里:「……その様子だと、ご自分のことを思い出している‥‥で合っていますか?」
月路 詠子:「……全部じゃないわ。たくさん、わからないことがある……でも」
月路 詠子:「ありさ、ね?」
高河 ありさ:「! 詠子ちゃん」
月路 詠子:「あなたのことは覚えてる。他は……どうかしら」
可知 充希:「しえおねえちゃんのことは?」
可知 充希:「あ、えと、江宮詩絵さんっていうおねえちゃんなんだけど……」
月路 詠子:「詩絵もいたわね。今はどこにいるのか……」こくりと頷く。
可知 充希:「良かった……」 思い出してくれていたのでほっとしている。
月路 詠子:「私もついさっきまで、ずっとあの次女の役をしていたの」
月路 詠子:「他に無事な人がいて、よかった」ふわっと笑みをこぼす。
加茂 由香里:「良かったです。あとはあの男性だけですか…」
月路 詠子:「あの人は、知らないわ」
高河 ありさ:「詠子ちゃんもそうなの?」
月路 詠子:「ええ。ホテルのお客さんじゃないのなら、何も。思い出せないだけかもしれないけど……」
月路 詠子:眉間を押さえる。やはり、記憶に欠落があるようだ。
若菜美奈人:「……こちらもか」
加茂 由香里:「一般の方には、さっきのやり方でいいかはわからないですね」
可知 充希:「どうしよ。あたしのやり方の方が安全そう?」
若菜美奈人:(一般かどうかは怪しいがな)
加茂 由香里:「どうします?」若菜くんのほうを向く。
若菜美奈人:「それで出てくればいいが」
加茂 由香里:「余計に混乱させることにもなりかねませんか…」
ベル:「せっかくありささんとお友達なのですし、お話はいっぱいした方がいいと思うのです」
ベル:「さっき言ってた、とっかかり?が、見つかるかも」
加茂 由香里:「あ、それはいいかも」
可知 充希:「ええと、よみこさん?何か思い出せないこととかなんとなくさびしいこととかない?」
月路 詠子:「思い出せないこと……は……」
月路 詠子:「実を言うと、ここ何年かのことを全然思い出せないのよね」
若菜美奈人:「広いな……」
月路 詠子:「ありさと詩絵と、会う約束したのは思い出したけど……」
GM:よく見ると、周囲にはほかの場所よりもたくさんの光が浮いている。
GM:逆に、きっかけさえあればこれらは彼女の下に返ると推察される。
月路 詠子:「さびしいこと……は……まあ、何も思い出せないのはさびしいかな……」
月路 詠子:「……帰る場所も、あるはずなのに」
月路 詠子:「そうよ。待ってる人がいて……」
若菜美奈人:「……それは」《ワーディング》を貼る。「こちらのか?」
月路 詠子:「え?」瞬きをする。
月路 詠子:何か変化がある様子はない。
月路 詠子:「びっくりした。唐突にそんなもの」
月路 詠子:驚く様子もない。
加茂 由香里:「……」
加茂 由香里:(これは)
ベル:「あれっ」詠子さんとありささんを見比べている。オーヴァードとはありささんは言ってなかったので
月路 詠子:「まあ、こんな中で普通にしているのだから、オーヴァードだとは思ってた」
高河 ありさ:「……えっ?」
若菜美奈人:「これは把握している事実でいいんだな?」高河ありさに聞く。
高河 ありさ:「い、いえ。私……それは知らなくて」
高河 ありさ:「そうなの!?」
可知 充希:「ありささんも知らなかったんだ」
月路 詠子:「ええ、わりとずっと前からそうよ?」
若菜美奈人:「……なるほど。コードは覚えているか?」
可知 充希:(……しえおねえちゃんのおともだち、オーヴァードばっかり……) あたしも含めて。
月路 詠子:「……」首を横に振る。
加茂 由香里:「…失念していました。すみません」若菜くんに小声で言う。
月路 詠子:「聞くけど、あなたたち、どちら側?」
可知 充希:「でも、ずっと前からならお役所に名前とかのってるんじゃない?」
加茂 由香里:こうである以上、悪い方の想定もできてしまう。
月路 詠子:「黙ってたから、ないと思うな」
若菜美奈人:「……」懐の得物に構えている。
ベル:「どちら側?」きょとんとしている
若菜美奈人:「……普通は、どちらかの側である場合は」
若菜美奈人:「自分たちの側か聞くものだがな」
月路 詠子:「だって、私どちらなのか覚えてないんだもの」
月路 詠子:「……これ、お互いのためにも私がちゃんと思い出した方がいいんじゃないかしら」
若菜美奈人:「欠落している部分を強く想起しながら」
若菜美奈人:「周囲のそれに触れろ。おそらく全てお前のものだ」
若菜美奈人:言いながら、構えている。思い出したあとへの準備。
月路 詠子:「そう、簡単なのにひとりじゃ気づけないものね」
若菜美奈人:3人を目で制す。
月路 詠子:目を閉じる。
高河 ありさ:「…………」見守っている。
GM:月路詠子の記憶の欠片を開示します。
GM:少し長いので、半分ずつ。

★月路詠子の記憶の欠片〈RC〉〈情報:UGN〉〈情報:FH〉9
彼女は自分についての記憶を取り戻した。
月路詠子のまたの名は、FHセル『ティアーズ』の現セルリーダー"ファディダディ"。
そして、十六夜家の次女である奈美の子孫。子供のころは雨宿町に住んでいた。
往来館へは友人に会うため、そして洋館を自分が買い戻し、セルの拠点とするために訪れていた。
とはいえ、あくまで真っ当な取引であると認識しており、閉鎖された現状は彼女にとっても不本意であるらしい。
少なくともこの場ではあなたたちに協力的であるようだ。
※"ファディダディ"は本シナリオ内で討伐することはできません。ご了承ください。
→★誰かの記憶の欠片をひとつ取り戻しました。


GM:ぶっちゃけると、この人はこのシナリオ内では完全に味方NPCとして行動します。
GM:ホテル閉鎖に関しては、黒幕とかは疑わなくて大丈夫。
GM:逆に、詳細について調べたり、捕らえたりすることは不可能です。ご協力ください。

★誰かの記憶の欠片 自動開示
言われて進んだ大学だけど、今はゼミが楽しい。本当はこのまま進学したいと思っている。


GM:これも開示。

月路 詠子:「…………」
GM:光が吸い込まれると共に、あなたたちはその一片を見るだろう。
GM:目の前の女性は、見た目よりもずっと、強力な勢力の長であると。
GM:そして、現状あなたたちに強い敵意を持っているわけではないことも。
月路 詠子:「あらやだ」
月路 詠子:目を開けて呟く。
ベル:「!!!」ぎゅっと片手で鞄のベルトを握り、もう片手でとっさにペンダントウェポンケースを掴む。
月路 詠子:「ずいぶんとんでもないことを忘れてたものね。怖いわあ」
加茂 由香里:若菜くんの警戒を察知し、伸ばしていた手が彷徨うように止まる。
高河 ありさ:「……詠子、ちゃん?」
若菜美奈人:「わざわざ黙っていた時点で、そちらだろうとは思っていたが」
若菜美奈人:「……だろうとまでは思っていたがな」
加茂 由香里:「……これはずいぶんと…壮大ですね」
月路 詠子:「待ってね。大丈夫よ。私、別にUGNが嫌いでこっちにいるわけでもないから」手を挙げる。
可知 充希:「え、え」 どうしようとわたわた皆とよみこさんを見比べている。
月路 詠子:「むしろ好きなくらい。本当よ」
若菜美奈人:「こちらはそちらが嫌いでこちらにいるとは考えないのか?」
月路 詠子:「そんなのは、人それぞれでしょう?」
月路 詠子:「いろいろご迷惑をかけたのは本当。みんな元気にしてるかしら?」
若菜美奈人:「……知ってどうする」警戒の色を一切隠していない。
加茂 由香里:「迷惑……」迷い、口を開く。「この事態は、あなたによるものではないんですね?"ファディダディ"」
月路 詠子:「困ったなあ。そんなにバチバチしたいわけじゃないのに……」
月路 詠子:「ええ、当然。そうでなきゃ、あんな格好悪いところは見せないもの」
月路 詠子:「気を付けた方がいい。ここ、かなり奇妙なことになってるわよ」
可知 充希:「……えと、ベルちゃん?大丈夫?」
可知 充希:よみこさんとの会話は大人組に任せ、ベルちゃんにひそひそと耳打ちをしに行く。
ベル:「……ぼく……」きゅっと充希ちゃんに身を寄せて
ベル:「あんまり……大丈夫じゃないのです。だって、っていうことは、あのひとは」
ベル:「令美さんぼくのともだちに、わるいものを渡したひとだから……」
月路 詠子:「……シシィは……やっぱりあれ、ちょっとやりすぎたかな……」
月路 詠子:「でもしょうがないじゃない、会いたかったんだもの」
月路 詠子:「"ダスタード"に」
ベル:「……”シシィ”さんと”ダスタード”さんは、それでもよかったかもしれないのです」
ベル:「でも、でもっ、令美さんとおじさんは」
ベル:「『今』のふたりは、とってもとっても、たいへんだったのですよ!!」
月路 詠子:「……ごめんってば」
月路 詠子:「でも私、ちゃんと考えたんだけどなあ」
月路 詠子:「あなたたちと気が合いそうな人から行ってもらってたの」
若菜美奈人:「今も考えて話すべきだと思うがな」
若菜美奈人:「お前はその様子では……現状脱出の糸口を掴めていない」
月路 詠子:「ばれちゃった?」
若菜美奈人:「俺がそれを良しとし維持を意図するのであれば」
若菜美奈人:「お前がこの場の打開策を考えるべきだとは?」
月路 詠子:「適材適所……まあいいわ。でも、あなたたちももう掴めてるんじゃないの?」
月路 詠子:「この光……記憶の欠片とでも言うのかな。これがキーね」
月路 詠子:「でも、多分私のものは全部は揃ってないみたい」
月路 詠子:「本当に小さな欠片が、どこかにあるはずなの」
可知 充希:「かけらが……」 さっきの部屋にたくさん浮かんでいた光を思い出して。
可知 充希:「皆がぜんぶ思い出さないと帰れない、んだよね?」
月路 詠子:「きっとそうね」
月路 詠子:「それも含めて、全部が整うまで私はあなたたちに何もするつもりはない」
加茂 由香里:(……困ったな。ただでさえ特殊な状況なのに、セルリーダーだなんて)
若菜美奈人:「揃うのを阻止すれば」
若菜美奈人:「お前をここから出さずに済む」
月路 詠子:「あら、あなたは出たくないの?」
月路 詠子:「そこの子たちも、このままはあんまりかわいそうよ」
若菜美奈人:「……」
若菜美奈人:自分一人なら迷わずそうしている。だが。
加茂 由香里:(ベルさんは魔鏡の事件に直接関係してる。…あやしは外部からの感情に素直だから)
加茂 由香里:(悪感情を、暴走させる可能性もある)
ベル:「……ぼくは、」一歩前に出て
ベル:「ぼくは、あなたのこと、……怖いし、まだ怒ってるのです」
ベル:「でも、今ここで、あなたがぼくたちをやっつけるつもりがないことも」
ベル:「出るためには、みんなで頑張らないといけないことも」
ベル:「……それは、分かるのですよ。分かっていたいのです」
月路 詠子:「いい子ね」
若菜美奈人:「……お前が大人になる必要はない」
若菜美奈人:「信用するな。心を開くな。それでいい」
加茂 由香里:息を吐く。(呼び方は頑なに変えないくせに、このあたり、私よりよほどですね…)
ベル:「……ぼくには、そっちの方がむずかしいのです。あんまりやったことがないから」
ベル:「だけど、みんなと同じように、ぼくにも、ここから出なきゃいけない理由があるから」
ベル:ひらひらと、光が舞う。先ほど自身で出した花弁のように、ゆるやかに回りながら、小さなあやしの元に集っていく。
ベル:それは無力な一輪の花が、これまでに紡いできた愛。
ベル:なくしたことすら気付けなかった、そのことをこそ苦しく思った欠片。
ベル:ここからどうしても出なくてはならない――そう考えた時、根幹にあったもの。
ベル:鞄を開けて、中からひとつ、菓子を取り出す。
ベル:「これは後藤おじいちゃんが、窓拭きのお礼にくれたもの」大きめの麩菓子。
ベル:「これは高橋おばあちゃんが、お庭の植え替えのお礼にくれたもの」色とりどりの個包装のゼリー。
ベル:「これは咲ちゃんと叶ちゃんが、学校の帰りにくれたもの」少し溶けた小さなチョコレート。
ベル:「これはモカちゃんのお散歩してた多田さんご夫婦が、いつも遊んでくれてありがとうってくれたもの」棒付きのキャンディ。
ベル:「……これは令美さんが、ベルちゃんに似てるからってくれたもの」桃色と翡翠色の、金平糖の小瓶。
ベル:「ぼく、ここに来てから、すごくかばんが重たかったのですよ。なんでこんなに色々、お菓子ばっかり入ってるんだろうって思ってたのです」
ベル:「重たくて当然だったのです。ここにあるのはぼくの全部。ぼくがぼくである証」
ベル:「ぼくがみんなを大好きで、みんながぼくを大好きでいてくれる、そのことがお菓子の形にぎゅってなったもの」
ベル:「ぼくにこれをくれたみんなに、二度と会えなくなったりお手伝いできなくなるのは、とっても嫌なのです」
ベル:「だからぼくは……まだ怒ってるし、怖いし、どきどきするけど」
ベル:「頑張りたいし、頑張れるのです。咲き方を思い出したから」
ベル:「でも!」
ベル:「怒ってるのは! 怒ってるので!! よろしくお願いするのですよ!!」むん!!
月路 詠子:「うん、それは仕方がないものね。素敵なお話、ありがと」
加茂 由香里:「ああ……」苦く笑う。「余計な心配をしてしまっていました」
月路 詠子:申し訳なさそうにして、それでも心からそう言っているようだった。
加茂 由香里:「ベルさんは、セルへの悪感情に駆られてしまうのではないかと」誰にともなく呟く。
ベル:「ご心配おかけしましたのです」きゅっと由香里さんのおててを握って
ベル:「……ぼくだけだったら、がおー!ってなってたかもしれないのです」
ベル:「ぼくに、ぼくでいて大丈夫だよって、言ってくれるひとがいるから、ぼくは大丈夫なのですよ、由香里さん」
若菜美奈人:「……」そちらをちらりと見て。
加茂 由香里:「ふふ。人を愛する、強いお花でしたね、ベルさん」
ベル:にこー!になりました。
可知 充希:「えと、それで」
若菜美奈人:「……FHと交渉はしない」遮るように。
可知 充希:「うぅ……まだなんにも言ってないのに……」
若菜美奈人:「……だが」
若菜美奈人:「今仕掛ける訳では無い」聞こえるように言う。
若菜美奈人:「領域内での死者は」
若菜美奈人:「どちらの結果になるか不明瞭だ」
月路 詠子:「有能なエージェントさんがいてよかった」
月路 詠子:これも、馬鹿にしている様子でもない。
若菜美奈人:牽制の意図もある。こちらのメンバーを失わせれば……
若菜美奈人:自分の脱出が危うくなる可能性を強調している。
可知 充希:「……じゃあ、とにかくまずは帰ろう!ってことで良いんだよね?」
可知 充希:遮らないでそう言ってくれればいいのに……とちょっと拗ねている。
可知 充希:「ベルちゃんもよみこさんも、もちろんあたしたちも。皆帰りたいのはいっしょのはずだもん」
加茂 由香里:「あはは、そうですね。みんなで無事に帰るのが一番の目的」
月路 詠子:「ええ、もちろん」
ベル:こくこく強めに頷く。
若菜美奈人:(共感を覚えさせられる・・・・・・・・・・のが)
若菜美奈人:(一番危険なんだがな)
高河 ありさ:「…………」
高河 ありさ:「ねえ、詠子ちゃん」おそるおそる。
月路 詠子:「なあに? ごめんね、ちゃんと楽しくお話しできなくて」
高河 ありさ:「どっちが、本当だったの? 私たちに会いに来たのと、ホテルを買うのと」
月路 詠子:「それは……」
月路 詠子:「両方。でも、欠けている部分はきっとこの辺絡みね」
月路 詠子:「探してきてくれない? 私が、本当のところどういう人間だったのか」
高河 ありさ:「私……」
高河 ありさ:「……わかった。でも、会えてよかったとは言いたいから」
高河 ありさ:「それだけね」
高河 ありさ:くるりと、スカートを翻して後ろを向く。
GM:小さな記憶の欠片は、またあなたたちについていく。
GM:それは、月路詠子のものとはどうやら違うようだったが……。

GM:シーンカット。ロイス取得と購入判定が可能です。
GM:あと、ベルちゃんはシナリオロイスの対象を詠子に変更することも可能です。
ベル:お!じゃあ変更します
可知 充希:購入どうしようかな
加茂 由香里:ベル 〇感服/心配 で取得。これで満タン
ベル:詠子さんに お話したい/〇ぼくは怒っています  若菜さんに 〇やさしい/ちょっぴりトゲが生えてる で取得、ロイスいっぱい
ベル:購入は相変わらずぼでまチャレで
ベル:(3+1)dx>=12
DoubleCross : (4DX10>=12) → 7[2,6,7,7] → 7 → 失敗

ベル:はい
可知 充希:あたしももっぺんチャレンジしよ
可知 充希:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 9[5,6,9] → 9 → 失敗

GM:ざんねん
可知 充希:無理~
加茂 由香里:ボデマチャレよう
加茂 由香里:3DX+2+0@10>=12 調達
DoubleCross : (3DX10+2>=12) → 10[6,8,10]+3[3]+2 → 15 → 成功

加茂 由香里:オッシャ
加茂 由香里:ベルさんにあげる~
若菜美奈人:揃ったわね
ベル:わーい!ありがたくいただきます!
若菜美奈人:じゃあ強化素材でも狙おうかな~
GM:ボデマ―ズめ……
若菜美奈人:2dx+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 8[2,8]+1 → 9 → 失敗

若菜美奈人:(ヾノ・∀・`)ムリムリ
GM:かわいい


ミドル5 記憶の欠片3


GM:残ったこちらの情報を調べられます。

★高河早人の記憶の欠片2〈RC〉〈情報:噂話〉10


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 3)増加(63 → 66)
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 5)増加(61 → 66)
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 6)増加(68 → 74)
ベル:1d10+77
DoubleCross : (1D10+77) → 4[4]+77 → 81

GM:ほどほど

GM:では、まず上の項目を調べる人はどうぞー
加茂 由香里:いってみようかな?
若菜美奈人:GOGO
ベル:ぜひぜひ
可知 充希:どうぞどうぞ
加茂 由香里:『0146:鵞鳥と孔雀』/《サイコメトリー》。情報判定ダイス+3。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1増加(66 → 67)
加茂 由香里:7DX+3+0@10>=10 情報:噂話
DoubleCross : (7DX10+3>=10) → 9[3,4,5,6,6,6,9]+3 → 12 → 成功

GM:がっつり!
加茂 由香里:おしおし
ベル:さすが!
GM:ではこちらも開示します。
若菜美奈人:やった
GM:これも長いので、半分ずつ。

★高河早人の記憶の欠片2〈RC〉〈情報:噂話〉10
彼は自分の過去についての記憶を取り戻した。
10年前、ありさは実の両親と自分の脚の自由を土砂災害時の事故で失っている。
その際に覚醒したため一命は取り留めたものの、危険な状態にあった。
救助を行ったのは早人と、その場に居合わせたFHセル『ティアーズ』の当時のセルリーダー"ダスタード"。
早人はありさを救うために、FHの伝手で治療と義足の製作を行った。

ダスタードからの要求は口止めと「貸しをひとつ作った」事実のみ。
しかし、早人はその借りを重く受け止め悩み続けていた。
現『ティアーズ』からのホテルの買収提案に揺れていたのはこのためだろう。
ただし、彼は最終的にUGNに相談を持ち掛けている。FHについての情報を打ち明けようとしていたようだ。

→★何かの記憶の欠片〈意志〉〈RC〉〈知識:古道具〉〈情報:噂話〉累計15 が次シーンから調査可能になりました。
→★誰かの記憶の欠片をひとつ取り戻しました。


GM:次シーンで調べられる項目がひとつ。それからまた欠片がひとつ出てきました。

★誰かの記憶の欠片 自動開示
戻りたい。昔の、何も考えず友達と笑っていた頃に。

この記憶はふたつ……二人分のものがある。
ひとつは未だ不明。もうひとつは、月路詠子のものだろう。


GM:項目はここまでですが、最後に若菜くんの記憶の欠片も取り戻してもらいましょう。
若菜美奈人:やるぜやるぜ
GM:〈意志〉〈RC〉で難易度は7。PC全員が挑戦可能です。
加茂 由香里:がんばーーっ
若菜美奈人:まず自分でやってみよ
若菜美奈人:意志でいきます 思い出の一品+ブランケットで判定
若菜美奈人:3dx+3>=7
DoubleCross : (3DX10+3>=7) → 4[2,2,4]+3 → 7 → 成功

若菜美奈人:ギリギリだ
GM:ぴったり!
加茂 由香里:おめでとう!
GM:では、若菜くんも滞りなく抜けた記憶を取り戻すことができました!
GM:これでPC分は全部。NPCのものはまだ残っているようです。がんばって!
GM:ではロールに移っていきましょう。


【???? 雨宿町・十六夜邸 一室】

GM:あなたたちは、再び書斎に戻り、高河早人を訪ねた。
GM:彼の周囲には、先ほどとはまた別の光がふわふわと漂っている。
高河 早人:「……お疲れ様です」
高河 早人:「どうやら、私の記憶が戻ってきたようなのですが……」
高河 早人:「……」
高河 早人:「やはり、手伝いが欲しいと思い、待っていました」
加茂 由香里:「まあ」
ベル:「お手伝いならおまかせなのですよ!」ふんすふんす
若菜美奈人:「手伝い?」
高河 早人:「このままではおそらく、私はまた記憶を抱え込んでしまうから」
高河 早人:「他の方々に、証人になってほしいと……」
高河 早人:「ありさと、話さなければなりませんから」
加茂 由香里:「私を呼んでくださったことも、それについてですか?」
加茂 由香里:彼の娘が選んだという紅茶の香りと味を思い出す。
高河 早人:「そうです」
高河 早人:「気が変わらないうちに、と思いましてね」薄く笑う。
可知 充希:「せっかく思い出したのに、言いたくないようなことだったの?」
高河 早人:「……それを、最後に確かめてもらいたい」
GM:記憶の欠片は、あなたたちの下にそのまま漂っていく。
GM:……それは、ある一人の男の苦悩と後悔の記憶。
GM:豪雨に押し流された過去の記憶。
GM:そこにはあなたたちも知る、あるFHセルが関わっていた。
高河 ありさ:「……!」
加茂 由香里:「……時田さん」調査部の長。幻視した顔が現在の彼とどれだけ違うのかは分からないが。
ベル:「おじさんだ!」
可知 充希:「ピカピカの社長さん?」 UGNの人なのは知っているが、過去については知らない。
加茂 由香里:「そうです」
若菜美奈人:「チッ」舌打ちして。
若菜美奈人:「それは……絞れなかったのか」
若菜美奈人:「渡す先を」高河ありさを見て。
高河 早人:「……その時、傍には彼らしかいなかった」
高河 早人:「……助けてくれる相手は、他に誰もいなかったんだ」
加茂 由香里:「ピカピカの……時田さんは、もともとFHセルのリーダーだったんです。今は街を守ってくださってます」安心させるように言う。
高河 ありさ:「じゃ、じゃあ、私、FHに足とか……?」
可知 充希:「ええーっ!?セルのリーダー!?」 ゆかりおねえさんの言葉に驚いて。
可知 充希:「……でもちょっと似合うかも」 ときたさんの顔を思い出しつつ失礼なことを言う。
加茂 由香里:「そんな悪めの顔なんですか」
ベル:「おじさんは自分を悪く見せたがるのです。いいひとなのに」がおーのポーズ
可知 充希:「パパが前にうらやましいな~って言ってたよ。あれくらいコワモテになりたかったって」
加茂 由香里:「さっきの記憶では、けっこうかっこよくなかったですか…?」
若菜美奈人:「月路詠子はそのポジションが似合うように見えたか?」
若菜美奈人:「そうでないのならその予断は捨てろ」
高河 早人:「すまない、ありさ」
高河 早人:「お前にはこれは、伝えられなかった。だから何も言えず……」
高河 ありさ:「それでホテルの話まで秘密にしてたの!?」
加茂 由香里:「…というか、高河さん、ティアーズの上の挿げ替えの件はご存じなのかな」
高河 ありさ:「こ、このお父さん……」
若菜美奈人:「市井の技術者としてはやりすぎだと思ってはいたがな」
高河 早人:「存じています。今回も時田さんに相談しようとしたところ、不在で」
高河 早人:「代わりにエージェントの方に来ていただきました」
高河 早人:「信頼できそうな方を、と」
若菜美奈人:「だそうだが?」
加茂 由香里:「それは嬉しいですね」微笑む。
加茂 由香里:「時田さんは、現在のティアーズにはあまり良い印象がないかとは思いますね」
高河 早人:「そうかもしれませんね……」
高河 早人:「では、これで全部、お話できたと思います。ありさとはこれからですが……」
ベル:「なのです、おじさん困ってたのです」ぷんぷこ
高河 早人:「私は、やはりFHにおもねることはできなかった」
高河 早人:「買収を断ろうと、その前にエージェントの方に立ち会ってもらおうと、そう……」
若菜美奈人:「……ここに拠点としての優位性があるとも思い難いが」
若菜美奈人:「何かあるのか……?」
高河 ありさ:「……詠子ちゃん、ここが好きだったんです」
高河 ありさ:「思い当たる理由は、それくらいしかないかも」
高河 ありさ:「みんなでかくれんぼしたりして……」
可知 充希:「……おともだちなんだもんね」
可知 充希:「ね、それならやっぱり、なんとかならないかなぁ」
若菜美奈人:「……何故FHくんだりに身をやつしているかは知らんが」
可知 充希:「ありささんとゆっくりお話ししたりさ、往来館の記念パスみたいなのあげるとか」
可知 充希:「そういうのでこう……がまん?なっとく?してもらえないかなぁ」
若菜美奈人:「無理だな」
若菜美奈人:「そもそもそれは……所属を隠しても出来ていたことだ」
可知 充希:「……確かに、わざわざFHだよ~って言っちゃわない方が出来そうかも」
若菜美奈人:「セルとしてしか実行し得ないことを企図していた」
若菜美奈人:「そこに釈明の余地はない。少なくともそこには」
加茂 由香里:「…こちらからは、買収を断ろうと考えてもらえたこと。それをお話しいただいたこと、有難く思います」高河さんに。
高河 早人:「……もう、疲れていたのかもしれませんね。抱え込むのに」
高河 早人:「それに、やはりここを手放すことは……苦しい」
高河 早人:天井を見上げて、仄かな明かりを見る。
加茂 由香里:「少なくとも、あなたにとって、あの日ありささんを助けてくれたのは…UGNではなかった」
加茂 由香里:「でも、いま頼って頂けるほどには」
加茂 由香里:「そういう信頼を得ることができたということですね」
加茂 由香里:とはいえ、自分は初めて来たのだが。力になったのは彼のほうだろう。
高河 早人:「……私は、どうしても日常を捨てることはできませんからね」
高河 早人:「何度も助けていただいた。それは確かですから。あの時も」
高河 早人:目線をその相手の方へ。
若菜美奈人:「……それが仕事だ」
高河 ありさ:「いつも、お仕事お疲れ様です」
若菜美奈人:「……では、後は二人か?」
若菜美奈人:「江宮詩絵と月路詠子。奴らの記憶さえ得られれば……」
若菜美奈人:「ここを脱出することになるのか?それとも他の条件が必要なのか……」
加茂 由香里:「はい……ん?」
可知 充希:「あれ、みなとおにいさんは?」
ベル:「そうなのです、美奈人さんもちゃんと数えないとだめなのです」
若菜美奈人:「先程思い出した」
ベル:「いつのまに!?!?」
加茂 由香里:「………」
加茂 由香里:「言いたいかと先に訊いてもらって、私が訊くことはできないですね」笑う。
若菜美奈人:「……」
可知 充希:「ええ、でもあたしは聞きたいよ!」
可知 充希:「あたしもゆかりおねえさんもベルちゃんも話したもん!一人だけないしょとかズルっこだよ!」
高河 ありさ:「もうっ、みんな報告・連絡・相談! してください!」若干やけになっている。
若菜美奈人:「内容を話せとは言っていない」
可知 充希:「自己紹介のとき言ってたじゃん!ええと「かぁ!」そう、自己を定義するためにどうこうって」
可知 充希:「みなとおにいさんの自己、聞きたいな~知りたいな~」
若菜美奈人:「自分の記憶で覚えろそれくらい」
可知 充希:「ちがうの。かーくんとすーちゃんも『ちゃんと話せー!』って怒ってるの」
かーくん:「か、かぁ!」 秘密主義反対!過度の秘匿反対!の意。
すーちゃん:「かぁっ!」 自分だけだんまりなんて許さないわよ!の意。
若菜美奈人:「チッ……」
若菜美奈人:「……昔に死んだやつのことを忘れていた。今は思い出した」
若菜美奈人:「十分か?」
可知 充希:「あっ……ご、ごめんなさい……」 さっきまでの勢いが一気に消えて目に見えてシュンとなる。
かーくん:「かぁ……」 そうとは……ごめん……の意。
すーちゃん:「くぅ……」 騒いでごめん……の意。
若菜美奈人:「こうなる……」
加茂 由香里:「それは、思い出せてよかった」
加茂 由香里:「ね」近くに舞う光に触れる。なんとなくある気がしたので。
若菜美奈人:「……」沈黙。首肯している。
高河 ありさ:「……良かったのなら、良かった。私も、いろいろ知れて良かったですし」
高河 ありさ:「知らなきゃ、怒ったり悲しんだりもできないですしね」
高河 ありさ:「もちろん、喜んだりも」
高河 ありさ:「ねっ!」父親を見る。
高河 早人:肩身が狭そうでもあり、肩の荷が下りたようでもあった。

GM:シーンカット。ロイス取得と購入判定が可能です。
加茂 由香里:ロイスはそのまま~
ベル:ロイスいっぱい!
若菜美奈人:ロイスいっぱいです
可知 充希:あたしもいっぱい
加茂 由香里:ブルゲチャレるか
加茂 由香里:4DX+2+0@10>=20 調達
DoubleCross : (4DX10+2>=20) → 9[3,6,7,9]+2 → 11 → 失敗

ベル:ブルゲちゃれ!
ベル:(3+2)dx>=20
DoubleCross : (5DX10>=20) → 8[4,5,7,7,8] → 8 → 失敗

ベル:おわり!
可知 充希:あたしもブルゲチャレンジ!
可知 充希:3dx>=20
DoubleCross : (3DX10>=20) → 6[1,3,6] → 6 → 失敗

可知 充希:だめ~
若菜美奈人:強化素材ねらいます
若菜美奈人:2dx+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 1[1,1]+1 → 0 (ファンブル) → 失敗

GM:あっ
若菜美奈人:ファンブルしました
GM:ざんねん
GM:ダブルクロスでよかった


マスターシーン3 十年前


【10年前・雨宿町近郊 路上】

GM:雨が、降っていた。
GM:記録的な豪雨の年だった。
GM:雨の中、他所に遊びに出かけていたある家族とその友人は、山沿いの道路で土砂崩れに巻き込まれた。
GM:運転をしていたのは、既にオーヴァードだった高河早人。助手席の幼いありさはどうやら息がある。
GM:彼らを救助したのは、偶然そこで同じく事故に遭った、旅芸人の一座だった。
高河 早人:「……後ろの二人は」



ダスタード:「…………」まだ若い座長は、ゆっくりと首を振る。
ダスタード:「そっちの子は、ショックで覚醒をしてる。まあ大丈夫だろう」
ダスタード:「……脚は、まずいかもしれんな」
ダスタード:「あんたもオーヴァードで助かったな。応急手当はしとけよ」
高河 早人:「……どうして」頭を抱え、雨の中に膝をつく。
GM:(なあ、高河。実はこの家を改装して、ホテルにしようと思ってるんだ)
GM:(自分たちだけで暮らすにはもったいないだろ。で、君も誘いたい)
GM:(なあに、接客はこっちでやるさ。技術と数字に明るい人がいてくれると助かるんだよ)
GM:(ありさも君に懐いてるし、たまに面倒を見てもらって……どうかな)
高河 早人:「どうして、こんな……。彼らがこんな目に遭わないといけない……!」
高河 早人:「私なら、何回死んだって平気なのに……」
ダスタード:「少なくとも、今あんたが死んだら、その子はどうなるともわからんぞ」
高河 早人:「……!」
ダスタード:「FHセル『ティアーズ』、リーダー"ダスタード"」
ダスタード:「普段ならうちで預かると言えるんだが、今はな。こっちも先が見えねえな」
ダスタード:事故現場で途方に暮れている部下たちを眺める。
ダスタード:幸い、巻き込まれたのは彼らだけのようだった。
高河 早人:「……助けてください。この子だけでも、助けてくれるならなんだって構わない」
高河 早人:雨と泥に濡れた道路に、額を擦りつけた。
高河 早人:「FHだっていい。今ここで助けてくれないなら、どんな聖人だって同じことだろう……!」
ダスタード:「……うちに」低い声。
ダスタード:「これ以上借りを作るってのがどういうことか、わかってるんだろうな?」
ダスタード:「あんただけじゃない、その子にとってだ」
ダスタード:「今のなら着せる恩もうちのひとつで済むが、ここからは他所に頼ることになる」
高河 早人:「それでも、生きて、できる限り幸せでいてもらわないと困るんだ!」
GM:人付き合いの苦手な彼にとって、数少ない友人とその家族。
GM:一緒に仕事をしようとまで言ってくれた恩人。物おじせずに後をついてきてくれた子供。
GM:(これがね、おとうさんで、おかあさんで、早人おじちゃんも描いたの)
GM:(あらあら、この子、高河さんのこと大好きだから)
GM:(だいすき!)
高河 早人:光の中で笑っていてほしかった人々が、どこかに消え去ってしまうのなら。
高河 早人:足掻いてでも希望をひとつ、残したかった。
高河 早人:「あなたたちの力を借ります。この子を、治してあげてください」
高河 早人:「借りは、必ず返します」
高河 早人:そう、口にしてしまった。
ダスタード:「……そうかよ。忘れんな。取りに来るぞ」
ダスタード:「お前さんがうちと繋がったことも、UGNには黙ってな」
高河 早人:何度も頷いた。
ダスタード:「おい誰か、……の病院の……を……」
高河 早人:意識が遠くなる。雨が、降り続けている。
高河 早人:倒れた子供の小さな手を握り損ねながら、彼ももう一度眠った。

GM:それから、そのセルはやがてUGNに吸収され、貸し借りの話は結局、有耶無耶になった。
GM:高河早人も、秘密と後ろめたさを抱えながらも、実直に友人の残したホテルを細々と経営し続ける。
GM:力を借りたのは、最初の義足だけ。
GM:あとは参考にして、娘の成長に合わせて新しいものを贈った。
GM:彼女を守るためなら、なんでもした。
GM:ありさには、何も知らずに光の中にいてほしかった。ずっと。
GM:UGNは、彼らをあの時救ってはくれなかった。だが、責める気持ちがあるわけでもない。
GM:ただ、逃げ隠れるようにして、この10年を生きてきた。ありさと二人で生きてこられた。
GM:穏やかで、幸せで、だから、忘れかけていたのだ。
GM:『ティアーズ』セルの名で、再び買収の誘いが来るまでは。


ミドル6 対話


GM:全員登場推奨。登場侵蝕ですが……そうだな。
GM:1d3と1d10を選べるものとします。
可知 充希:ありがたいやつ!
ベル:助かる!
可知 充希:1d3にします
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D3(→ 3)増加(74 → 77)
ベル:1d3で!
ベル:1d3+81
DoubleCross : (1D3+81) → 1[1]+81 → 82

加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 7)増加(67 → 74)
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 4)増加(66 → 70)
加茂 由香里:なんとなく1d10にしたら普通に上がった
加茂 由香里:まあいい
GM:ほどよくなってきた
若菜美奈人:水晶もあるのに!


【???? 雨宿町・十六夜邸 一室】

GM:屋敷の中の部屋は、相変わらず静かで、幻影のような人の姿も見えない。
GM:あなたたちは探索の結果、一室にたどり着いた。
加茂 由香里:杖もなく、変わらずたしかな歩みでそこに踏み入る。
加茂 由香里:「ここは…個人用のお部屋でしょうか?」
可知 充希:「みたいだねぇ」 きょろきょろと部屋の中を見渡して。
加茂 由香里:《構造看破》《成分分析》。配置された家具からそう判断している。
かーくん:「かぁ」 パタパタと飛び上がった机の上で何かを見つけたようで、充希達を呼ぶように一声鳴く。
加茂 由香里:「いまのは…かーくんとすーちゃん、どちらですか?」
可知 充希:「かーくんだよ!写真立て見つけたんだって」
加茂 由香里:「わあ、ありがとうございます」声でどちらの鳥か判断しようと試みている。
加茂 由香里:「どんな写真でしたか?」
可知 充希:「えっとね……」 かーくんが器用にくちばしで摘まみ上げたのを受け取って。
可知 充希:「……女の子かな?三人並んで立ってるんだけど」
可知 充希:「顔のとこが見えなくなっちゃってる」
加茂 由香里:「ふむ」
可知 充希:「裏は……あ、日付と名前があるよ!」
加茂 由香里:可知さんに近寄って、写真の端っこに触れながら聞く。
可知 充希:「『1918年8月18日、友人たちと。十六夜凪』だって!」
加茂 由香里:「……ああ、長女の方」
加茂 由香里:「江宮さんのご先祖の方でしたか」
可知 充希:「そうそう、おねえちゃんのご先祖さまで、今おねえちゃんがこう……」
可知 充希:「なってる?やってる?人」
加茂 由香里:「私は、見えないので。どれほど面影があるかわからないけど…」
加茂 由香里:「ちゃんと会ってみたいですね」
加茂 由香里:「江宮詩絵さん」
可知 充希:「あたしも会ってみてほしいなぁ」
可知 充希:「おねえちゃんもゆかりおねえさんもすっごく優しいし美人さんだし」
加茂 由香里:「まあ」くすくす笑う。
可知 充希:「なんだっけ?ふんいき?が似てる気がする!並んだらにあいそう!」
加茂 由香里:「そうなんですか。たぶん、年も近いですね」
加茂 由香里:「大学が同じだったりするかもしれません。人数も多いのでわかりませんが」
可知 充希:「あ、そっか!ゆかりおねえさんも大学生なんだ!」
加茂 由香里:「そうですよ。年は若菜くんと同じです。ありささんとも同じくらいかな?」
可知 充希:「みなとおにいさんも!」 頭の中でおねえちゃんとゆかりおねえさんとみなとおにいさんとありささんがイコールで結ばれていく。
加茂 由香里:「若菜くんはしっかりしてるから、もうちょっと上に感じますよね」
可知 充希:「確かに……。さいしょ会ったときね、支部長さんと同い年くらいかな~って思ったの」
加茂 由香里:「ふふ。それはちょっとわかる……」
加茂 由香里:少し考えるようにして。
加茂 由香里:「うちの街以外だと、こういう、FHとのいざこざはもっと多いらしいんですよね」
加茂 由香里:「代わりに、あやしの皆さんとのつながりが少ない」
加茂 由香里:「だから、今回みたいなことは…ほんとうに珍しいことだと思います」
可知 充希:「そうなんだってね。なんか、ぜんぜん想像できないけど」
可知 充希:この街にとって、あやしの存在はオーヴァードでなくても身近に感じうるものだから。
加茂 由香里:「実のところ、私もあんまり想像できていないんですよね」笑う。
可知 充希:「……ね、ゆかりおねえさん」
加茂 由香里:「うん?」
可知 充希:「FHって、いっこじゃなくてたくさんあって、いろんなセルがあるんだよね」
加茂 由香里:「はい」
加茂 由香里:「とはいえ、直接会ったことはないのですが」
可知 充希:「なら、すーっごくわるいとこも、逆にあんまりわるくないとこもあるのかな」
加茂 由香里:「そうですね。かなり幅があると聞きます」
加茂 由香里:「たぶん、こうして想像している以上に」
加茂 由香里:「そこがまた…難しいですよね?」
可知 充希:「うん」 ちょっぴり考え込むような顔をして。
可知 充希:「あたしね。よみこさんのこと、あんまりわるい人じゃないんじゃないかなぁって思うの」
可知 充希:「だって、おねえちゃんのおともだちだもん」
加茂 由香里:じっと聞いている。
可知 充希:「でも、それってそう思いたいだけなのかなぁ」
可知 充希:「『おねえちゃんのおともだちだからわるい人じゃないと良いな』が、『わるい人じゃないんじゃないかな』になって」
可知 充希:「『わるい人じゃないと思う』になっちゃってるだけなのかな」
加茂 由香里:目を伏せる。「……可知さんがそう思うことが、どういう結果になるかは分かりません」
加茂 由香里:「私も、こうは言ってますけど、FHとちゃんと遭遇するのなんてはじめてですし」
加茂 由香里:「ベルさんみたいに、実際に何かあったわけでもないですしね」
加茂 由香里:「ただ……」
可知 充希:小さく頷きながら聞いている。
加茂 由香里:「そう思いたいだけ、って、きっとそんなに無力じゃない気がするんですよね」
加茂 由香里:「だって、ほら、この町の共振だってそうですし」
加茂 由香里:「誰かがそう思っただけの、記憶でしょう?」
加茂 由香里:「ここの光だってそうですし」
加茂 由香里:手を伸ばして、かーくんかすーちゃんか分からない鳥に触れようとしてみる。
すーちゃん:大人しく触れられている。羽はとてもサラサラだ。
加茂 由香里:『0148:水鳥と亀』/《水晶の剣》。シナリオ間、選択武器の攻撃力を+6。
加茂 由香里:対象は可知さんの《天空の隼》。
GM:どうぞ!
加茂 由香里:この鳥の声だって、自分には鳴き声にしか聞こえない。
加茂 由香里:「この館に宿る思い出だって、きっと誰かの『そう思ったこと』ですよ」
可知 充希:「……なら」
可知 充希:「あたしがわるい人じゃないかもって思って、そのはずだよ!ってよみこさんともお話ししたら」
可知 充希:「ちょっぴりくらい、ホントにそうなってくれるかな?」
加茂 由香里:「全部叶うとはもちろん言えませんが」笑う。「…そうですね。少なくとも」
加茂 由香里:「私はそのために、力を尽くします」
可知 充希:「……うん!」 嬉しそうににっこり笑って。
可知 充希:「あたしもがんばる!」
すーちゃん:「かぁ」
かーくん:「かあぁ」
可知 充希:「かーくんたちもがんばってくれるって!」
加茂 由香里:「じゃあ、仲間ですね」羽根を撫でる。
すーちゃん:「くぅ」 悪くないわねの意。大人しく撫でられている。
かーくん:「かぁ!」 おれも!の意。ちょこちょこと由香里さんの下に寄っていく。
可知 充希:「えへへ。ゆかりおねえさんもかーくんもすーちゃんも仲間なら、なんだかだいじょぶな気がしてくるね」
可知 充希:気がしてくるなんて、ただの充希の気持ちだけで、本当に大丈夫かは分からないけど。
可知 充希:気持ちが無力じゃないのなら、きっとこの『気がする』だって立派な力になってくれる。
可知 充希:そう信じながら。そしてそうでありますようにと願いながら。また満面の笑みを浮かべて見せた。


【???? 雨宿町・十六夜邸 一室】

GM:屋敷の中の部屋は、相変わらず静かで、幻影のような人の姿も見えない。
GM:あなたたちは探索の結果、一室にたどり着いた。
ベル:「ここは……」きょろきょろ
ベル:「ごはん作るところなのです?」
若菜美奈人:いくつもの部屋を経て、厨房にたどり着いていた。
若菜美奈人:「そのようだな」
若菜美奈人:つくやいなや家探しを始める。これまでもそうだったが。
若菜美奈人:冷蔵庫や食料庫を開けている。「チッ……」
若菜美奈人:「空か」
ベル:「美奈人さんもしかして」
ベル:「おなかすいてるのです?」きゅぴぴん。名探偵顔
若菜美奈人:「補給できるならしておくべきだろう」
若菜美奈人:「ここからどれだけかかるかも分からん」
ベル:「お菓子ならあるのですよ!」
ベル:かばんをがさごそして麩菓子を取り出します。
若菜美奈人:「……なるほど。そういう話だったな……」
若菜美奈人:「なら摂っておけ。いや……」
若菜美奈人:「摂れるタイプのレネゲイドビーイングなのか……?」
ベル:「食べられるけど、えーと、ひっす?じゃないのです。ぼくはお水があれば元気でいられるので」
ベル:「でも、お菓子は好きなのです。みんなが、ぼくにお礼がしたいな、喜んでほしいな、って思ってくれたものだから」
若菜美奈人:「水で足りるのか……」信じられない物を見たかのような顔をしている。
ベル:「……思い出せてよかったのですよ」ぽつり
若菜美奈人:「……そうか」
ベル:「美奈人さんも思い出せてよかったのです」
ベル:「充希ちゃんはしょんぼりしちゃってたですけど……」
若菜美奈人:「そうなると思ってそういう言い方をしたからな」
若菜美奈人:「あれ以上余計な詮索が起きないことになる」
ベル:「お話したくないことなら仕方がないのです」
ベル:「じゃあ別のお話をするのですよ!」
ベル:「美奈人さんの好きな食べ物は何なのです?」わくわくの顔
若菜美奈人:「何でも食うが……」
若菜美奈人:「だが……そうだな」
若菜美奈人:ふわふわと思い出す。
若菜美奈人:「オムナポリ?」
ベル:「充希ちゃんちの看板メニュー!」
ベル:「どっちも食べられてお得って充希ちゃんが言ってたのです」
若菜美奈人:「ああ。オムライスとナポリタンが両方食べられるからな」
ベル:「ふふー」うれしそうに
ベル:「美奈人さんが充希ちゃんちのお店を好きなの、ぼくもうれしいです」
ベル:「あ! あとさっき充希ちゃんのこと褒めてくれたのも!」
ベル:「実はかっこいいところ見せて褒めてもらおう作戦だったのですよ!」ふふん!
若菜美奈人:「必要であればそうするだけだ」
ベル:「じゃあいっぱい褒めるといいのです」
ベル:「褒められるともっとがんばろー!ってなるのです」
若菜美奈人:「だがあまり言い過ぎれば……」
若菜美奈人:「成長が止まるだろう」
ベル:「む……」
ベル:「……お水を取りすぎると根っこが枯れちゃうことがあるのです」
ベル:「そういうこと?」
若菜美奈人:「そういうことだ。浴びせれば浴びせるほどいいというものではない」
若菜美奈人:「晴れが続いても、雨が続いても問題だろう」
若菜美奈人:「それと同じだ」
ベル:「分かってきたのですよ!」
ベル:「美奈人さんが、充希ちゃんに、おっきくきれいに咲いてほしいって思ってることが!」
若菜美奈人:「……枯れるよりはな」
ベル:「ふふー」うれしい
若菜美奈人:「……食わないのか」麩菓子を見る。
ベル:「あ、じゃあ、はんぶんこなのです」ぽしゃっと折って若菜さんに
若菜美奈人:「……いいのか」
若菜美奈人:「お前への感謝の証だろう」
ベル:「いいのです! あのね、ぼくがお菓子を好きなのは」
ベル:「そこにいつも笑顔があるからなのです」
ベル:「笑顔でぼくにくれること。ぼくに、笑顔になってほしいって思ってくれること」
ベル:「だから、一緒に食べた美奈人さんが、笑顔でうれしいなーってなってくれたら」
ベル:「ぼくもとってもうれしい! のですよ」
若菜美奈人:「……そうか」
若菜美奈人:受け取って、一口でかじる。
若菜美奈人:「旨いな」特に表情を変えずに。
ベル:ふたりぶんくらいの満面の笑みを浮かべて自分も食べます。
ベル:表情に出ないとか、言葉で距離を取るとか。
ベル:そういうひともいる。そして、そういうひとほど、とっても優しかったりするのだ。
ベル:ちいさな花が枯れるのを厭うひとが、嫌なひとのはずないのだから。


GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
若菜美奈人:ロイスはいっぱい
可知 充希:ゆかりおねえさんのロイス感情を○だいすき!/心配に変更しておきます
若菜美奈人:強化素材を狙います ファンブルにめげない
加茂 由香里:エヘヘヘ
ベル:ロイスいっぱい!ブルゲちゃれ
若菜美奈人:2dx+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 9[1,9]+1 → 10 → 失敗

ベル:だいすきかわいい
若菜美奈人:だめでした
加茂 由香里:ロイスはそのまま!
ベル:(3+2)dx>=20
DoubleCross : (5DX10>=20) → 6[1,2,3,4,6] → 6 → 失敗

ベル:はい
可知 充希:あたしも強化素材狙ってみよ
加茂 由香里:ぶるげ
加茂 由香里:4DX+2+0@10>=20 調達
DoubleCross : (4DX10+2>=20) → 7[1,4,5,7]+2 → 9 → 失敗

可知 充希:3dx>=15
DoubleCross : (3DX10>=15) → 5[2,2,5] → 5 → 失敗

可知 充希:ダメダメでした 終わり!
GM:ざんねん


ミドル7 記憶の欠片4


GM:ほぼ情報収集です。登場する人は登場侵蝕をお願いします。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 5)増加(74 → 79)
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 1)増加(77 → 78)
ベル:1d10+82
DoubleCross : (1D10+82) → 10[10]+82 → 92

ベル:ベル???
GM:ベルちゃ!
ベル:こいつしょっちゅう10出してないか
可知 充希:よりによって一番高い子が……
加茂 由香里:まもらねば
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 1)増加(70 → 71)
可知 充希:カバーするからね
若菜美奈人:フ……
GM:若菜くんは落ち着き払ってる
ベル:みつきちゃ~~(ぎゅむっ)

GM:では、現在項目はひとつ。

★何かの記憶の欠片〈意志〉〈RC〉〈知識:古道具〉〈情報:噂話〉累計15


GM:何かとか誰かとかふわふわしている件についてはすまない。
GM:これは複数人で15達成すれば大丈夫。
加茂 由香里:やったあ
加茂 由香里:私さっきの高河さんの判定したから後でいいや
可知 充希:じゃああたし行こっかな 判定してないし
GM:どぞどぞ
可知 充希:意志で判定!
若菜美奈人:GOGO
可知 充希:7dx+1>=15
DoubleCross : (7DX10+1>=15) → 10[1,4,5,6,7,9,10]+1[1]+1 → 12 → 失敗

可知 充希:あと3!
ベル:高い!
GM:あーっかなりいった
加茂 由香里:すごい!
GM:財産点使うのもできますが
GM:もちろん他の人がやってもよい
可知 充希:お小遣いでちょうど足りる
ベル:せっかくだからちっちゃいものくらぶで振ってもいいですか
GM:おっどうぞ
加茂 由香里:おお!
可知 充希:ごーごー!
加茂 由香里:ゴーゴー
ベル:意志でいきます
ベル:思い出の一品で+1
若菜美奈人:やりな~
ベル:(2+2)dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 6[1,1,6,6]+2 → 8

ベル:ぶい!
加茂 由香里:オッ
GM:合計20! ばっちり成功です
加茂 由香里:やったーー!
若菜美奈人:やったね
可知 充希:えへん
加茂 由香里:ちいさきものたち…!
GM:じゃあ開示するねー
GM:またちょっと長いので少しずつ

★何かの記憶の欠片〈意志〉〈RC〉〈知識:古道具〉〈情報:噂話〉累計15
かつて十六夜邸と呼ばれていた現往来館は、およそ百年前に幸福の極致にあった、ように見えた。
館に浮かぶ記憶の中に、「長女・凪に毎日ねじを巻いてもらえた」という喜びの記憶がある。
この現象の中心であるジャームは館そのものではなく、入り口の間に置いてあった古い柱時計だ。
凪は去る時に「必ず帰ってきて、また動かしてあげる」と告げていたらしい。

その子孫であり、面影のある江宮詩絵が長じてホテルに戻った瞬間、時計は暴走を始め、輝かしい過去を再演し始めた。
館に縁があり、「過去に強くこだわる者」を役柄に縛り付けて。
この記憶の欠片を失くした時計は現在、柱谷邦夫の姿をしている。凪を演じたままの江宮詩絵と結ばれるために。
彼は、記憶の欠片をひとつ確保している。これが最後のひとつ。取り返せば脱出が可能だ。

→★江宮詩絵について〈情報:噂話〉10 が調査可能になりました。
→★往来館のその後について〈情報:UGN〉〈情報:噂話〉9 が調査可能になりました。
→★誰かの記憶の欠片をひとつ取り戻しました。



★誰かの記憶の欠片 自動開示
私は、生まれた町に帰省した大学生。
そこには小さなホテルがあって、昔ご先祖様が住んでいたらしい。ちょっと不思議。
久しぶりに幼馴染の友達ふたりと会えるのが、とても嬉しい。相談だってできるかもしれない。


GM:ということで、2項目増えました。

★江宮詩絵について〈情報:UGN〉〈情報:噂話〉10
★往来館のその後について〈情報:UGN〉〈情報:噂話〉9


GM:調べる人どうぞー
加茂 由香里:じゃあ…ええと 往来館のその後についてやろうかな?
加茂 由香里:詩絵さんでもいいけど
若菜美奈人:数値的には詩絵さん行ってもらったほうがいいかな?
加茂 由香里:りょりょです
若菜美奈人:私がその後やりますね UGN幹部使って振ります
加茂 由香里:『0146:鵞鳥と孔雀』/《サイコメトリー》。情報判定ダイス+3。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1増加(79 → 80)
若菜美奈人:4dx+3>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 7[2,2,4,7]+3 → 10 → 成功

加茂 由香里:〈情報:噂話〉で。
加茂 由香里:7DX+3+0@10>=10 情報:噂話
DoubleCross : (7DX10+3>=10) → 8[1,2,4,7,8,8,8]+3 → 11 → 成功

GM:いい感じ!
可知 充希:お見事!
GM:あっ見落としてた。二人とも成功じゃん!
GM:ばっちりです。開示します。

★江宮詩絵について〈情報:噂話〉10
十六夜凪の子孫にあたる、ごく普通の大人しい大学生。非オーヴァード。
両親は古風な考え方の持ち主で、進学先や卒業後の就職先、結婚まで勧められ、断り切れずにいるらしい。
彼女の境遇はかつての長女・凪のものと近いため、他の者よりも強くジャームと同調をしてしまっているようだ。
記憶の欠片を全て彼女に返すことで、《Eロイス:心の爆弾》を解除することができるだろう。
→★誰かの記憶の欠片をひとつ取り戻しました。



★誰かの記憶の欠片 自動開示
私は、江宮詩絵。
→トリガーイベント発生。次のシーンで江宮詩絵との会話を行います。
 これ以降、『誰かの記憶の欠片』は全て、「江宮詩絵の記憶の欠片」となります。



★往来館のその後について〈情報:UGN〉〈情報:噂話〉9
館は何人かの手を点々としていたが、その数人目が現在まで続く所有者……高河ありさの祖母。
彼女は、かつて十六夜邸でメイドをしていた女性だった。
縁により資産と懐かしい館を手に入れた彼女は、かつての主人たちを再び雨宿町に呼んだ。
輝かしい時代は終わった、それでも、形は変わってもまた取り戻せる、と示すため。
凪と奈美はそれを機に町に戻り、それぞれの家族と平和に暮らしたようだ。
その子孫が、詩絵、ありさ、詠子。
一般人、UGN、FHと現在の道は違えていても、仲の良い幼馴染であったことは確かなようだ。




【???? 雨宿町・十六夜邸 一室】

GM:先ほど訪れた、かつての凪の私室。
GM:そこにあなたたちは再び集まっていた。
GM:窓の外は変わらず、闇夜のように塗り潰されていてよく見えない。
加茂 由香里:「二人ともお疲れ様です。ここ、長女の方のお部屋みたいなので、なにか発見があるかなと」
ベル:「お疲れ様なのですよ」おやつわけわけしたのでご機嫌
可知 充希:「あたしたちも発見したもんね!これ!」 そう言いながら写真立てを掲げて見せる。
加茂 由香里:「そうなんです」可知さんのほうを手で示す。
若菜美奈人:「十六夜凪の部屋か」
ベル:「お写真なのです?」掲げられたので見上げる
若菜美奈人:「ナギとナミ……男と女の名付けでないことは承服し難いな……」何やら独りごちている。
加茂 由香里:「その理屈だと子どもに名づけるにはハードル高すぎません?」
可知 充希:「そうなの。多分なぎさんとおともだちさんの」 ベルちゃんの目の前まで手を下ろす。
ベル:下ろされた手に合わせて首がすいーと下がる。
ベル:「……仲良しさんだったのですね」
ベル:「きっと素敵な思い出だったのです。それがこんな、誰かを閉じ込めたりすることにつながってるのは、かなしいのですよ……」
加茂 由香里:「詩絵さんも、まだありささんや…月路さん、とも会えていませんものね」
高河 ありさ:「そうなんです。心配だな……」
加茂 由香里:そして首を傾げる。「これ、私は見えていないのですが、詩絵さんと凪さんって似てるんですか?」
GM:二人はよく似ているが、瓜二つというほどでもない、という感じです。
GM:顔立ちそのものよりは面影が強く残っている、という様子。
若菜美奈人:「似ているだろう。見える見えないではなく」
若菜美奈人:「有り様が」
可知 充希:「ありよう?」 覚えのない単語にきょとんと首を傾げる。
加茂 由香里:「ああ」
加茂 由香里:「凪さんも、詩絵さんも、ご実家の意向が強いと聞きました」
加茂 由香里:「どこの学校がいいだとか、お見合いだとか、そういうお話ですね」
高河 ありさ:「……小さい頃は、そういうのわからなかったんですけどね」
可知 充希:「……」 こちらも思い返せば心当たりがあるので、少しうつむき気味に記憶を巡らせている。
可知 充希:「おねえちゃんね、あたしにしたいこと見つけてねって言ってたの」
加茂 由香里:「うん」すーちゃんの羽根を撫でさせてもらいつつ、聞く。
可知 充希:「自分は分からないけど、いろんなことしたらきっと見つかるからって」
可知 充希:「だからあたし、おねえちゃんもいろんなことしようよ!って言ったんだけど……」
若菜美奈人:「ふん」
若菜美奈人:「出来ないことを託すべきではないだろう」
可知 充希:「おねえちゃん、さびしそうに笑ってて。それって、みなとおにいさんが言うみたいに、出来ないことだったからなのかな」
若菜美奈人:「そこをジャームに掬われた、か」
加茂 由香里:「過去に対する思い入れが、関係している可能性は高そうですよね」
若菜美奈人:「囚われた連中は誰もそうというわけか」
加茂 由香里:「…おそらく。まだ、持ち主に戻っていない記憶の光もあるんですよね?」
加茂 由香里:「それはそのぶん、思い入れが強い誰かがいるということでしょう」
若菜美奈人:「……だが、宿泊客は全員のはずだろう」
若菜美奈人:「従業員も2人。それ以外の侵入者が居るとも思い難いが」
可知 充希:「なら、たくさん光をもってる人が居るんじゃない?」
可知 充希:「一人一個って決まってるわけじゃないもんね。……あれ?なかったよね?」
可知 充希:言い切った後で自信を無くして首を傾げている。
ベル:「もしかしたら、人じゃないのかもですよ」
ベル:「おうちの人のことをよく覚えてる子が、いるのかもしれないのです」
若菜美奈人:「……」
若菜美奈人:「……レネゲイドビーイングか」
加茂 由香里:(ぶれないですね…)
可知 充希:「あやしじゃなくて?」 最初の自己紹介のときのことを思い出しつつ。
若菜美奈人:「……チッ」
若菜美奈人:「ともかく、人ではないが記憶を有しうる存在・・・・・・・・・・・・・・・の可能性はある」
加茂 由香里:「……気になってるのは」
加茂 由香里:「凪さんの、婚約者の男性」
加茂 由香里:「あのパーティ以来、見かけていません」
可知 充希:「たしかに……。それに写真とかも見てないかも」
若菜美奈人:「家との関わりが薄いからだろう」
若菜美奈人:「結局婚約は流れたんだろう」
ベル:「凪さんのこんやく者さんがいて、でもこんやくはなくなって……」
ベル:「……でも、きっと、凪さんとこんやく者さんがパーティをしたその日が」
ベル:「いちばん幸せで大切な瞬間だったって、思ってる子がいるから……」
ベル:「その時・・・が……」
若菜美奈人:「その瞬間を切り取って保存している」
可知 充希:「時を、切り取って……」
かーくん:「かぁ」 ちょこんと机の上に乗り、嘴に咥えた何かを掲げて見せる。
すーちゃん:「かぁ?」 かーくんの掲げたそれを見て何かを言う。
可知 充希:「……あぁーっ!時計!」
加茂 由香里:「時計?」
可知 充希:「往来館のロビーのとこに、時計なかったっけ!?」
高河 ありさ:「あ、あります。ずいぶん古いものなんですけど」
若菜美奈人:「けどではない」
若菜美奈人:「十分古いほうが、可能性がある」
加茂 由香里:「当時からあった時計ですか。それは、確かに」
高河 ありさ:「そういえば、そう……!」
若菜美奈人:「……再現の中心も広間だったな」
若菜美奈人:「それから見える光景というわけだ」
可知 充希:「そうなの!それにね」 かーくんが咥えた小さいゼンマイを受け取って。
可知 充希:「これ!時計とかオルゴールのネジまくヤツだよね?」
加茂 由香里:「ちょっと触っても?」手を伸ばす。
可知 充希:「どうぞ!」 ゆかりおねえさんの掌の上にそっと置く。
加茂 由香里:「ゼンマイですか」感触を確かめ、《構造看破》《成分分析》。
GM:では、あなたはそれがあの広間の時計のものだということがわかります。
加茂 由香里:「……ああ、そうですね。これは、柱時計に嵌まるもの」
加茂 由香里:「そして、誰かひとりが、突出して。繰り返し使用したもの…だと思います」
若菜美奈人:「……十六夜凪か」
ベル:「ぼく、ちょっとわかるのです。誰かにいっぱい大事にされると、うれしいなってなるのですよ」
ベル:「それまでうれしいと感じる心・・・・・・・・・がなかったことを、忘れるくらい」
高河 ありさ:「……私も結構手入れをしてたつもりなんですけど」
高河 ありさ:「それよりもずっと、その思い出が大事だったのかな……」
ベル:「それは直接聞いてみないと分からないのですけど……」
ベル:「もしかすると、さびしかったのかもしれないのです」
若菜美奈人:「直截聞いても分かるとは思えんがな」
ベル:「ありささんがくれるうれしいよりも、ずっと前のさびしいの方が勝っちゃうくらいに」
若菜美奈人:「ジャームだぞ。相手は」
高河 ありさ:「……そう、そうなんですよね……!」
ベル:「めってするのはするのですけど、もしさびしかったのなら、ぼく、それは覚えておきたいのですよ」
ベル:「時計くんだけがいっぱい覚えてていっぱいさびしいだけじゃ、いやなのですよ」
ベル:「これはあやしぼくのわがままなのです」
若菜美奈人:「……」
加茂 由香里:「そう思ってくれる人がいて、心強いです」
高河 ありさ:「私も」
高河 ありさ:「私も、気づいてあげられなくてごめん、って、言ってあげたいです」
高河 ありさ:「その子だけじゃなくて、私、今まで全然周りのこと気づけてなかったから」
高河 ありさ:「ひとりで前に向かって進めてると思ってた。この足だって、誰かにもらったものなのに」
高河 ありさ:小さく笑って、爪先を鳴らす。
若菜美奈人:「進ませないようにしているものを除かねば」
若菜美奈人:「進めぬままだぞ」
加茂 由香里:硬質で重たい音が鳴るのを、心地よく思う。
若菜美奈人:「少なくとも……お前の祖母がそうしたようにな」
高河 ありさ:「……!」
可知 充希:「時計だって、止まっちゃったら直さないとだもんね」
可知 充希:「電池をかえたり、ネジとかまいたり」
可知 充希:「それにさびしくて誰かに居てほしくなるのは分かるけど……」
可知 充希:「それでおねえちゃんが居なくなっちゃったら、あたしもさびしいもん」
可知 充希:「返してもらって、いっしょに帰ろう!」
加茂 由香里:「詩絵さんも、きっと、したいことがあってここへ来たはずですしね」
加茂 由香里:「連絡先も知らなくちゃですし」と可知さんのスマホを示す。
可知 充希:うんうん!と大きく頷く。
可知 充希:「そのためにも、おねえちゃんとよみこさんに記憶を返しにいこっ!」
ベル:……詠子さんも、”ダスタード”さんに会いたくてさびしくて、あんなことをしたのかなと思ったけど。
ベル:『それでおねえちゃんが居なくなっちゃったら、あたしもさびしいもん』
ベル:「……うん!」この気持ちは、きっとそれだけでいいんだ。
若菜美奈人:「……目的は手段を正当化しない」
若菜美奈人:「……ジャームになった存在がその理性を取り戻すこともない」
若菜美奈人:「それを理解できているなら……」
若菜美奈人:「他はやりたいようにやれ」

GM:シーンカット。ロイス取得と購入判定が可能です。
GM:あ、NPCカードまだ使ってないのでそれも使っていいよ!
加茂 由香里:はーい!ロイスは満タン。
若菜美奈人:ロイスはまんたん
ベル:ロイスいっぱい!
若菜美奈人:強化素材狙おうっと
若菜美奈人:2dx+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 10[5,10]+8[8]+1 → 19 → 成功

可知 充希:ロイスはこっちも満タン
GM:すごい
若菜美奈人:買えちゃった
可知 充希:買い物上手!
若菜美奈人:自分の槍の攻撃力をあげるよ~
加茂 由香里:あ、じゃあそのすきに
可知 充希:あたし照準器狙おうかな
加茂 由香里:『0148:水鳥と亀』/《水晶の剣》。シナリオ間、選択武器の攻撃力を+6。その槍にこれもつけちゃう
GM:うわーどんどん強くなる
若菜美奈人:やったぜ
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を4増加(80 → 84)
可知 充希:3dx>=15
DoubleCross : (3DX10>=15) → 9[5,7,9] → 9 → 失敗

加茂 由香里:あーじゃあそれやろうかな
加茂 由香里:NPCカード使っていいですか?
GM:どうぞー
加茂 由香里:5DX+2+0@10>=15 調達
DoubleCross : (5DX10+2>=15) → 10[1,4,6,8,10]+9[9]+2 → 21 → 成功

加茂 由香里:すげえ!
GM:ばっちり
加茂 由香里:ありがとう 誰か!
GM:どこからかふわ~っと支援が来ました
ベル:大人たちお買い物上手
可知 充希:あたしほしいかも!固定値型だから
加茂 由香里:可知さんにあげる
可知 充希:やった~!
ベル:自分用の照準器ちゃれ!
可知 充希:かーくんとすーちゃんがスカウターを付けました
GM:ぴっ
ベル:(3+2)dx>=15
DoubleCross : (5DX10>=15) → 7[2,4,6,7,7] → 7 → 失敗

ベル:ぺそ
GM:ざんねん
GM:以上かなー 締めます


ミドル8 江宮 詩絵


【雨宿町・ホテル『往来館』廊下】

GM:奥まった一室の扉の前には、他と違い重苦しい空気が流れている。
GM:扉が、開かない。通常の鍵ともどこか違うようだ。
GM:ここではまず、判定を行ってもらいます。
GM:〈白兵〉〈射撃〉〈RC〉の達成値累計30で扉を開けることが可能です。
GM:エフェクトの使用や支援も可能です。侵蝕と相談してやってみてください。

GM:ということで、忘れてたわけでは……ないですが……
GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
GM:おぼえてたよ
若菜美奈人:記憶が……
ベル:1d10+92
DoubleCross : (1D10+92) → 5[5]+92 → 97

若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 8)増加(71 → 79)
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 1)増加(84 → 85)
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 1)増加(78 → 79)

GM:ということで、累計30になるまで判定をどうぞー
GM:順番はお好きな通りで大丈夫です。
加茂 由香里:私待ちたいかな~
可知 充希:じゃあ一番手貰っちゃおうかな
可知 充希:何故なら固定値型なので
GM:つよい
若菜美奈人:つよ
ベル:がんばえー!
可知 充希:かーくんとすーちゃんにお願いして射撃します!
可知 充希:4dx+20
DoubleCross : (4DX10+20) → 7[2,2,4,7]+20 → 27

GM:つっよ
加茂 由香里:すごすぎ
可知 充希:あと3です
GM:の、残り3です
ベル:ひゃあ
加茂 由香里:若菜くんかベルさんいっていいよー
加茂 由香里:なぜなら…ないから
若菜美奈人:そんな……
若菜美奈人:じゃあ……やりますか
ベル:応援してもらおう
ベル:師弟ぜひぜひ
若菜美奈人:白兵素振りします
可知 充希:がんばれ~!
若菜美奈人:5dx+2
DoubleCross : (5DX10+2) → 8[1,2,4,4,8]+2 → 10

加茂 由香里:おっしゃ!
ベル:優勝!
GM:合計37!
可知 充希:えへん!
若菜美奈人:フン
GM:ばっちり成功です。あなたたちの干渉で扉は開きました。
GM:では、軽くロールしてもらってからイベント!

GM:見た目以上に重量感のある扉は、レネゲイドの力で封鎖されているのだろう。
GM:何らかの方法で干渉を行うことで、打開できそうではあるが……。
若菜美奈人:「よりにもよって単純な手段だな……」
加茂 由香里:後ろに下がっている。
若菜美奈人:「可知」
若菜美奈人:「破れ」
可知 充希:「えっ、あたし名指し!?」
可知 充希:自分を指さしつつ驚いている。
若菜美奈人:「由香里は攻撃型の能力者ではない」
若菜美奈人:「そこなレネ……あやしは能力展開となれば少なくとも侵蝕負荷が生じる」
若菜美奈人:「お前なら最小限で行けるだろう」
可知 充希:「な、なるほど……」
可知 充希:「ならがんばる!行くよ、かーくん、すーちゃん!」
かーくん:「かぁ!」 任せなさい!と宙へ舞い上がる。
すーちゃん:「かぁ!」 任せろ!と宙へ飛び出す。
可知 充希:ドアの前に充希が立ち、その左右へかーくんとすーちゃんが滑るように飛んでいく。
可知 充希:「さーん、にーぃ、いち」 カウントダウンに合わせて振る指を一つずつ折っていき。
可知 充希:「ぜろっ!」 サイドの一本になった人差し指でそのまま扉を指し示す。
かーくん:「かぁっ!」 その掛け声に合わせるように翼を強く羽搏かせる。
すーちゃん:「かぁあっ!」 羽搏きと共にその翼から幾つもの羽が飛び出すと、扉へと突き立っていく。
可知 充希:羽の弾丸は全てが綺麗に扉の隙間へと突き刺さり、厳重だった封鎖に罅を穿った。
可知 充希:後は、強く押し開く力さえあれば十分に開くだろう。
若菜美奈人:その二羽が飛び離れた刹那。
若菜美奈人:一瞬遅れて閃光が奔る。
若菜美奈人:罅を伝わるように光が通り過ぎて、扉を砕く。
若菜美奈人:周囲には微かにオゾン臭が漂う。
若菜美奈人:「……ご苦労」
加茂 由香里:音と衝撃で開いたことがわかる。
ベル:「かーくんとすーちゃんの羽がびゅわーってなって」
ベル:「そこに美奈人さんの雷がぎゅわーってなって、扉がばーんってなったのですよ!」由香里さんに説明
可知 充希:「ふふーん。カッコいいでしょー!」 誇らしげ。
加茂 由香里:「かっこいいです」にこにこしている。
かーくん:「かあぁ」 充希の隣で自慢げに胸を張る。
すーちゃん:「かぁ」 これくらいは当然だけどねという澄まし顔。
若菜美奈人:「……一つ説明に抜けがあるだろう」
若菜美奈人:「可知の指示がなければ成立していない」
若菜美奈人:「状況は正確に伝達しろ」
可知 充希:「みなとおにいさん……!」 感激した顔で見上げている。
加茂 由香里:「まあ。それは大事な情報です」
ベル:えへへの顔になっちゃった。
ベル:「充希ちゃんがこう、指ですいすいってやって」
ベル:「かっこよかったのですよ!」
GM:では。砕かれた扉の向こうに、立ち尽くす人影が見える。
GM:部屋の中には……。
長女・十六夜 凪:「……」
長女・十六夜 凪:「……は、はい。本日はお越しいただき……」
長女・十六夜 凪:「……ええ」
長女・十六夜 凪:「……」
長女・十六夜 凪:まるでぜんまい仕掛けの人形のように、ぼんやりと同じ言葉を繰り返している人影がひとつ。
長女・十六夜 凪:あなたたちの方を見て、他人行儀に笑いかける。
長女・十六夜 凪:「いらっしゃいませ。楽しんでおられますか……?」
加茂 由香里:「充希ちゃんのお友達の詩絵さんにお会いしたかったんですが」
加茂 由香里:「…これは、まだもう少しでしょうか」
長女・十六夜 凪:「ええと……?」
長女・十六夜 凪:不思議そうな顔をしている。
ベル:「まだ『凪さん』のままなのです……?」
若菜美奈人:「《ワーディング》の最中に記憶を強制的に詰め込むのは出来るか……?」
若菜美奈人:「だが覚醒状態を維持しなければ戻ったことの確信が持てないな」
加茂 由香里:「…本人の意識も必要…では…いえ、そういうことではなくて…」
可知 充希:「……おねえちゃん」 話し合っている三人を置いて一歩前に踏み出して。
可知 充希:「おむかえに来たよ。いっしょに帰ろ!」
可知 充希:当然のように手を差し出す。
長女・十六夜 凪:「……? 私、この家の者です」
可知 充希:「ううん。おねえちゃんはいざよいさんじゃないよ」
可知 充希:「おねえちゃんは、江宮詩絵さん。今はちがうけど元あたしのご近所さん」
長女・十六夜 凪:「……待って。知りません、そんな人……」少しだけ後ずさる。
可知 充希:「大学生のおねえさんで、おともだちに会いに帰ってきてて」
長女・十六夜 凪:「私は……十六夜 凪……」
可知 充希:「ぐうぜんあたしと会って、ジュースをごちそうしてくれるはずだったの」
可知 充希:言葉も歩みも止めはしない。一歩ずつ、一言ずつ。"おねえちゃん"へと近づいていく。
長女・十六夜 凪:「そんなお話、知りません……」
長女・十六夜 凪:「やめて」
長女・十六夜 凪:「やめて」
可知 充希:「……ごめんね、おねえちゃん」
可知 充希:「おねえちゃんもイヤかもだけど、あたしもイヤなんだ」
可知 充希:「おねえちゃんがこのままなのも、いっしょに帰れないのも」
可知 充希:「またお話しできなくなっちゃうのも!」
可知 充希:「だから、帰ろ!いざよいさんのおうちじゃなくて」
可知 充希:「あたしといっしょに、ありささんやよみこさんが待ってる」
可知 充希:「『往来館』あたしたちの時代へ!」
GM:では、ここでもう一度判定です。
GM:これは、あなたたちが手に入れた記憶の欠片を江宮詩絵に戻し、《Eロイス:心の爆弾》を解除するためのものです。
GM:判定が可能なのは、江宮詩絵にロイスを取得している充希ちゃんのみ。
GM:判定は〈RC〉で目標値は18。
GM:ただし、江宮詩絵の記憶の欠片ひとつにつき目標値は1ずつ下がります。
GM:つまり全て集めた現状は、12で成功ということになります。
加茂 由香里:すごい
GM:支援可能。登場侵蝕振り足しでさらに振り足すことも可能。
ベル:すごいぜ!
若菜美奈人:イエーイ
GM:NPCカードの使用もご検討ください。
可知 充希:いつの間にか6個も……
加茂 由香里:NPCカードつかっちゃってほしい
若菜美奈人:ワオワオ
可知 充希:じゃあ遠慮なく使わせてもらっちゃおう
可知 充希:あと判定の前に一個分だけジェネシフトしたいな
GM:おっどうぞ
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 6)増加(79 → 85)
加茂 由香里:《砂の加護》もそういえば渡せるよ
可知 充希:あっ、あるとすごく嬉しい!
加茂 由香里:おしおし!《砂の加護》。ダイス+4してね~
GM:ひえー
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を3増加(85 → 88)
ベル:いざとなったら妖精もあるからね
GM:てあつい
若菜美奈人:いざとなったら……
可知 充希:じゃあ砂の加護とダイスボーナスとNPCカードを入れて……
若菜美奈人:いざとなったらワーディングもあるからね
加茂 由香里:wwww
GM:そっちかー
ベル:wwwwww
加茂 由香里:オススメすな!
可知 充希:おねえちゃんのこと気絶させようとしないで
若菜美奈人:じゃあお前がなんとかしろ
可知 充希:するもん!
可知 充希:14dx+1>=12
DoubleCross : (14DX10+1>=12) → 10[1,1,1,3,4,5,6,7,7,7,9,9,10,10]+7[6,7]+1 → 18 → 成功

可知 充希:したもん!
GM:うおー、ばっちり成功
GM:これにより、《Eロイス:心の爆弾》は解除。
GM:江宮詩絵は本来の記憶と自我を取り戻します。
加茂 由香里:やったーーー
ベル:よかったーーー
GM:脱出までに必要なものは、あとは時計が持っている何者かの記憶の欠片ひとつだけ
GM:つまり、クライマックスに突入が可能です。
可知 充希:いぇいいぇい
ベル:うおー
加茂 由香里:やったぜ
若菜美奈人:フン……

長女・十六夜 凪:「………!」
長女・十六夜 凪:頭を押さえて、あなたの呼びかけを拒もうとするが。
GM:ふわりと、一瞬だけ周囲が仄かに明るくなる。あなたたちの力ではない。
GM:前にも力を貸してくれた何者かが、今もまたここで何かをしたらしい、それだけがわかる。
長女・十六夜 凪:「帰る……?」
長女・十六夜 凪:「ここじゃない、本当にいるはずだったところ」
長女・十六夜 凪:「……往来館。でも、こわくて……」
長女・十六夜 凪:顔を上げて、あなたたちと目が合う。
長女・十六夜 凪:微かに目の光が戻っている。
可知 充希:「……こわくてもだいじょぶだよ、おねえちゃん」
可知 充希:「あたしと手、つなご。絶対はなさないから」
可知 充希:「いっしょに帰れるまで、はなさないから!」
可知 充希:差し出していた手をおねえちゃんの目の前まで運ぶ。
長女・十六夜 凪:「……私。私は……手を取ってくれる方が」
長女・十六夜 凪:「そうよ。見つかったの。あの後。だから」
長女・十六夜 凪:「『あなた』も、大丈夫」自分に言い聞かせるように。
長女・十六夜 凪:「きっと、上手くやっていけるはずだから……」
長女・十六夜 凪:そっと、手を伸ばす。あなたの手を取る。
長女・十六夜 凪:「………」
江宮 詩絵:「………」
江宮 詩絵:「え?」
江宮 詩絵:「充希ちゃん……?」
可知 充希:「……おねえちゃん?」
江宮 詩絵:「わ、私……なんでこんなお屋敷に……待ってね。ちょっと……」
江宮 詩絵:「私……私は」
江宮 詩絵:「江宮 詩絵」
江宮 詩絵:「うん。大丈夫……なんで忘れていたのかな」ほっと息を吐く。
江宮 詩絵:「充希ちゃんの声がして」
江宮 詩絵:「戻ってこなきゃ、って今急に……」
可知 充希:「……うん。うん!」 噛み締めるような表情でそれを聞いて。
可知 充希:「おかえり!」 満面の笑みで笑うと、おねえちゃんに抱き着く。
江宮 詩絵:「きゃ」
江宮 詩絵:「ええと……ただいま」
江宮 詩絵:「なの、かな?」困ったような顔で笑う。
可知 充希:「そうだよ!そういう感じ!」
可知 充希:「あ、えっとね、紹介したい人がたくさん居てね」
可知 充希:そう言いながらいそいそと離れて、三人の方を手で指し示す。
可知 充希:「みなとおにいさんとー、ゆかりおねえさんとー、ベルちゃん!」
江宮 詩絵:「あら、えっと、お知り合い……?」
加茂 由香里:にこにこ見ていた。軽く頭を下げる。
可知 充希:「知り合いっていうか……仲間?」 おともだちはちょっと違うので。
ベル:「よかった……!!!」ぱやぱやになっている
可知 充希:「みなとおにいさんは先生って感じかも」
江宮 詩絵:「そうなの……?」目をぱちぱちさせている。
江宮 詩絵:「江宮詩絵です。ええと、充希ちゃんがお世話に……」頭を下げる。
加茂 由香里:「ですって」
若菜美奈人:「……」
加茂 由香里:「こちらこそお世話に…なんかこれも変ですか」言いながら笑っている。
江宮 詩絵:「私がいない間にいろんな人と、知り合いになったんだね」
可知 充希:「うん!だからね、おねえちゃんに聞いてほしいの!」
可知 充希:「こんなにいろんな人と会って、いろんなことしたよ!って」
江宮 詩絵:「うん……うん」
江宮 詩絵:「そう、ラウンジで飲み物でも、って思ってたんだった」
江宮 詩絵:「充希ちゃんのお話を聞いて、私……私は」
江宮 詩絵:「私の話は、充希ちゃんに聞かせるようなものじゃないかもしれないけど……」
可知 充希:「ううん、聞きたいよ。おねえちゃんのいろんな話」
可知 充希:「それでね、もしあればだけど」
可知 充希:「おねえちゃんのしたいことも聞きたいな」
江宮 詩絵:「……うん。あのね、やっと見つかったの」
江宮 詩絵:「ずっと流されてて、でも流されてるうちに、したいことがあって」
江宮 詩絵:「今は……それをなんとか守れないかなって、思ってるところ」
江宮 詩絵:「……おかしいな。ずっとそれで落ち込んでたのに」
江宮 詩絵:「お話してたら、なんだかできるような気がしてきちゃった」
江宮 詩絵:くすくすと笑う。
可知 充希:「きっと出来るよ!だってね」
可知 充希:「『そう思う』んだもん!おねえちゃんが!」
可知 充希:気持ちは万能じゃない。でもきっと無力ではない。
可知 充希:いっしょに帰りたい。帰って来てほしい。その思いがおねえちゃんに届いたみたいに。
可知 充希:「あたしもだいじょぶな気がしてるんだ。おねえちゃんとあたしの二人分合わせたら、きっと」
可知 充希:「したいこと、なんだって出来ちゃうよ!」
可知 充希:そう『思う』し、そう信じる。そしてそう願っている。
可知 充希:だからまた、満面の笑みで笑った。

GM:シーンカット。ロイス取得と購入判定が可能です。最後!
加茂 由香里:ロイスは満タン!ブルゲチャレでもしとこう。
加茂 由香里:5DX+2+0@10>=20 調達
DoubleCross : (5DX10+2>=20) → 10[1,2,5,10,10]+7[4,7]+2 → 19 → 失敗

加茂 由香里:お、いける
若菜美奈人:ロイスはMAX
加茂 由香里:加茂 由香里の財産点を1減少(16 → 15)
可知 充希:買い物が上手すぎる
ベル:ロイスいっぱい!照準器ちゃれします
GM:すごいー
ベル:(3+2)dx>=15
DoubleCross : (5DX10>=15) → 10[2,5,9,9,10]+5[5] → 15 → 成功

加茂 由香里:払って買います 何気にお金まだあったな
ベル:買えた!
GM:すごい!
若菜美奈人:すご
GM:ストライクチップに装着することで命中+1だってー!?
可知 充希:おねえちゃんへのロイス感情を○大好き!!/心配にしておきます
GM:かわいい
加茂 由香里:かわいすぎる
ベル:やったー!永続なんですかこれ
GM:そうですね、装着しますって宣言すればそのままシナリオ間持続
加茂 由香里:ブルゲ誰かいる?自分が持っててもいいけど
若菜美奈人:私食らってから攻撃したいかも
加茂 由香里:あーそうか ペインが
加茂 由香里:エディを
GM:ター
ベル:装着します!しゅぱっ
GM:りょ!
可知 充希:じゃあベルちゃんかあたし?
加茂 由香里:充希ちゃんに渡しとこうかな
加茂 由香里:行動値速いし…
可知 充希:じゃあもらっちゃおう
ベル:神速のみつき
可知 充希:あたしはシューターズジャケットチャレンジで
可知 充希:4dx>=13
DoubleCross : (4DX10>=13) → 6[1,3,5,6] → 6 → 失敗

可知 充希:ダメ~ 以上!
若菜美奈人:じゃあジャケ狙うか
若菜美奈人:2dx+1>=13
DoubleCross : (2DX10+1>=13) → 5[5,5]+1 → 6 → 失敗

GM:おそろい
若菜美奈人:ダメ おわりです
GM:はーい


マスターシーン4 今の三人


【???? 雨宿町・十六夜邸 一室】

GM:十六夜凪の私室。あなたたちは一旦ここで集合をすることにした。
GM:その、片隅でのこと。
高河 ありさ:「詩絵ちゃん、助かって本当に本当に良かった」
高河 ありさ:「今は多分よくわからないと思うけど……ええと、夢みたいな感じになるから」
高河 ありさ:「だから大丈夫!」
江宮 詩絵:「うん……」
江宮 詩絵:「ぜ、全然わからないけど、そうなんだ……?」
月路 詠子:「そうね、UGNはその辺しっかりしてるから、任せて平気よ」
月路 詠子:ふわりと髪を揺らして現れる。
高河 ありさ:「!」
江宮 詩絵:「詠子ちゃん?」
月路 詠子:「別に、こっちは何もしないから大丈夫。この人数差でどうにかなるとも思わないし」
月路 詠子:「みんなでちゃんと帰りたいとは思ってるの。本当に」
月路 詠子:「……ホテルの件を別にすれば、ちゃんと楽しくお話するつもりで来たし」
月路 詠子:「ホテルだって、許されるならあなたたちにはそのまま働いていてもらいたかったし」
高河 ありさ:「そんなこと言われたって……」
月路 詠子:「うん。また失敗ね。残念だなあ」
月路 詠子:「私、ここで遊ぶのが好きだった」
月路 詠子:豪奢な周囲の様子を見回す。
月路 詠子:「今も綺麗だけど、私が帰りたい時じゃない」
高河 ありさ:「……詠子ちゃん、『昔はうちのものだったんだからね』ってよく言ってたものね」
月路 詠子:「そうよ。でもちゃんと今はわかってるから、公正な取引を……まあいいや」
月路 詠子:「だから、お父さんの件は悪かったと思ってる。こっちは知らなかったの」
月路 詠子:「変な圧力をかけるつもりはなかった。信じてね」
高河 ありさ:「……正直、わからない。けど、そこは若菜さんたちに任せるから」
高河 ありさ:ちらりと、少し離れたところを見る。何かあれば駆け付けられる距離だ。
高河 ありさ:「前みたいに話せたらなあって思うのも本当」
江宮 詩絵:「あの、私……状況がやっぱりわからないんだけど」
江宮 詩絵:「普通に話すのって、難しいの……?」
江宮 詩絵:「できないってことはないと思うんだけど……ケンカしちゃったの?」
月路 詠子:「……」
高河 ありさ:「……」
月路 詠子:「……詩絵も変わんないなあ。ふわふわしてるのに、何かあると意地っ張りだったでしょう」
高河 ありさ:「今日はお絵かきするの……って譲らなかったりね」
GM:くすくすと笑い声が起きる。空気が緩んだ。
GM:それからしばらく、三人の幼馴染は他愛ない話を続ける。
GM:子供の頃に帰ったように。
月路 詠子:「ええーっ、詩絵の家にはやっぱりガツンと言った方がいいよ」
高河 ありさ:「本当に! お家が困ってるとかではないんでしょ。せめてアピールはしなきゃ」
月路 詠子:「詩絵、ずっと黙ってたんでしょ、どうせ」
高河 ありさ:「言わなきゃ伝わらないの! 本当に! これはね、本当だから!」
江宮 詩絵:「……うん。うん」
江宮 詩絵:「……そうする」
江宮 詩絵:「そうしたいの。私、ちゃんと自分のこと話さなきゃ」
江宮 詩絵:「……あのね」おずおずと。
江宮 詩絵:「小さい頃、犬と猫どっちがかわいいって話になったでしょう」
月路 詠子:「ああ、あった気もする。私は猫が好きだけど」
高河 ありさ:「私はずっと犬派」
江宮 詩絵:「あれね、あれ……」少し躊躇うようにして、それでも続きを口にする。
江宮 詩絵:「……両方好きだし、両方かわいいでしょうって、そう言いたかったの」
江宮 詩絵:「ケンカしなくていいのにって」
高河 ありさ:「…………」
月路 詠子:「…………」
江宮 詩絵:「ねえ、ほら」
江宮 詩絵:「ちゃんと言えた!」
江宮 詩絵:ぱっと花開いた笑顔は、確かに江宮詩絵のものだった。

クライマックス vs時白楼


GM:全員登場。登場侵蝕をお願いします。
ベル:1d10+97
DoubleCross : (1D10+97) → 8[8]+97 → 105

ベル:たけーのよ
GM:ベルちゃ
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を1D10(→ 6)増加(88 → 94)
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を1D10(→ 6)増加(79 → 85)
可知 充希:可知 充希の侵蝕を1D10(→ 10)増加(85 → 95)
ベル:みんな盛り上がってる
可知 充希:みんな高め
GM:どかーん


【???? 雨宿町・十六夜邸 広間】

GM:広間には、変わらずに人々がさざめいていた。
GM:豪奢なシャンデリアが、きらきらと淡い光でその光景を照らす。
GM:しかし、今のあなたたちにはその全てがただの幻影であるとわかるだろう。
GM:あなたたちが足を踏み入れると、一斉に振り返り、敵意に満ちた視線を送ってくる。
婚約者・柱谷 邦夫:「……やあ、どうも」



時白楼:「余計なことをたくさんしてくれたお客様たち」
時白楼:礼服姿の青年が進み出る。様子がおかしい。
時白楼:どこか禍々しい空気が立ち上っているのがわかる。
時白楼:「僕がせっかく忘れていたことも、思い出してしまった」
時白楼:じっと江宮詩絵を見つめる。
若菜美奈人:「余計なこと?」
若菜美奈人:「時を刻む以外に余計なことをして、何を言っている」
可知 充希:む、という顔をしつつおねえちゃんの前に出る。背が足りなくて隠せないけども。
時白楼:「何かを想うことは、余計なことかい?」
加茂 由香里:「いえ、いえ……私はそうは思いませんが」
若菜美奈人:「思うだけならな」
加茂 由香里:「でも…いまのあなたは、あなたが大切にしたものの想いを阻んでしまっている」
ベル:「うれしい気持ちも、さびしい気持ちも、だいじなものなのです」
ベル:「あなたのそれも、あなた以外のみんなのそれも、だいじなのです」
ベル:「さびしくても……みんなのこと、えいってしたら、ほかのさびしいが生まれちゃうのですよ」
時白楼:「僕には力がある。この男にはなかった力が」
時白楼:「……振るわせてくれたって、いいじゃないか」
時白楼:「取り戻したいと思ったとしても、許されるはずだ」
可知 充希:「『取り戻したい』がわるいとは思わないよ」
可知 充希:「でも、それであたしたちからおねえちゃんを『うばう』のはちがうでしょ?」
可知 充希:「あたしたちだって無くしたくないもん。イヤだって思うのは許されるはずだよ」
時白楼:「……君たちを巻き込んだのは、間違いだったな。加減ができず済まなかったね」
時白楼:「彼女だけを連れ去れれば、それでよかったんだ。そうだろう?」
江宮 詩絵:「……わ、私……」
江宮 詩絵:「嫌、です。元のところに返して……」
江宮 詩絵:怯えた様子で、それでもそう口にする。
時白楼:「…………」
時白楼:「彼女もこう言っていることだし」
時白楼:「申し訳ないが、ここで永遠を過ごしてほしいな」
若菜美奈人:「どいつもこいつも……」
時白楼:「過去は過去のままに」
GM:青年の背後には、ぼんやりと光るものがひとつ。最後の記憶の欠片だ。
若菜美奈人:「申し訳なくすれば許されると思い上がっているのか」
時白楼:「別に君に許されたいわけではないからね」
ベル:「じゃあ許さないのです」
ベル:「やめて!って言ってるのにやめてくれないなら、めっ!てするしかなくなっちゃうのです」
ベル:「……どうしてもやめてくれないのです?」少し声のトーンが落ちる
時白楼:「ここでやめたら、僕のこれまでの想いはどうなる?」
時白楼:「始まってしまったものは、もう止められないよ」
時白楼:「残念だけど、僕を罰するなら、こちらもやりようがある」
時白楼:「十六夜邸は過去の栄光のままに、閉じたままで続くんだ」
GM:招待客の幻影が、じりじりとあなたたちに近づきつつある。
月路 詠子:「……あなたたち、あまり人数が多いと不得手な方と見たけど」
月路 詠子:「私ならあれを食い止められると思う」
月路 詠子:「利害の一致というやつじゃない?」
月路 詠子:人の輪を見ながら。
月路 詠子:「そうね、ありさとお父様。こちらを手伝ってくれないかしら」
高河 ありさ:「えっ?」
高河 早人:「…………」
高河 ありさ:「……今回だけだからね?」
高河 ありさ:「詠子ちゃん、いつもそう。わがままばっかりなんだもの……」
高河 ありさ:それでもくす、と懐かしげに笑って、人並みの前へ進み出る。
高河 早人:「……これで、借りを返したと、そういうことにしてもらえれば」
月路 詠子:「それ、私は別に気にしてないんだって」
月路 詠子:「じゃ、時計と詩絵は頼んだわよ。UGNさんたち」
月路 詠子:「行って、私たちがいずれやり合うに値する、いいところを見せてちょうだい」
若菜美奈人:「チッ」小さく舌打ちする。
加茂 由香里:「助けられたのは事実ですね」苦笑する。
加茂 由香里:「こちらはこちらのお仕事をしなくては、です」
ベル:「充希ちゃん、一緒にがんばるのですよ」
ベル:「充希ちゃんのこれまでの想いはどうなるんだー!って、怒ってやるのですよ!」
可知 充希:「うん!実際おこだからね!」
可知 充希:「おねえちゃんはおねえちゃんだから!いざよいさんにはさせないし」
可知 充希:「かえしてもらうよ!あたしたちみんな!」
GM:カチ。
GM:カチ、カチと、針の音がして。
GM:進んだ時間を無理に巻き戻そうとするような、強い抵抗感、レネゲイドの圧を感じる。
江宮 詩絵:「……!?」背後でワーディングの気配に崩れ落ちる。
GM:衝動判定です。〈意志〉で目標値は9。
加茂 由香里:【思い出の一品】カスタマイズ:ブランケットを使い達成値+2。
加茂 由香里:5DX+2+0@10>=9
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 7[1,3,7,7,7]+2 → 9 → 成功

若菜美奈人:4dx+3>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 9[1,4,8,9]+3 → 12 → 成功

若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を2D10(→ 19)増加(85 → 104)
GM:若菜くん
若菜美奈人:めっちゃ上がった
可知 充希:8dx+1>=9
DoubleCross : (8DX10+1>=9) → 10[1,1,3,3,5,5,8,10]+6[6]+1 → 17 → 成功

ベル:思い出の一品で+1
可知 充希:可知 充希の侵蝕を2D10(→ 9)増加(95 → 104)
ベル:(2+3)dx+2>=9
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 8[4,6,6,8,8]+2 → 10 → 成功

加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を2D10(→ 13)増加(94 → 107)
ベル:2d10+105
DoubleCross : (2D10+105) → 13[8,5]+105 → 118

ベル:ひい
GM:ベルちゃ!

GM:ワーディングと同時に、あなたたちは時計の記憶を共振により読み取ることになる。
GM:特異な空間のためだろう。遠い記憶も、鮮明に見て取ることができた。

GM:豪奢な、まださほど古びてもいない洋館の広間、ひとりの女性が立ち尽くしている。
GM:そこは、物好きな資産家が鄙びた町に作った別荘だった。
GM:彼女の名前は、十六夜 凪。
GM:望まぬ結婚から逃れ、代わりに愛した館から去ることになった人物だった。
長女・十六夜 凪:「……まさか、こんなことになるなんて、ね」
長女・十六夜 凪:「でも、大丈夫」
長女・十六夜 凪:「私、必ず戻ってきてよ」
長女・十六夜 凪:「そうすれば、この家はまたいつかの賑わいを取り戻すの。そうでしょう?」
長女・十六夜 凪:そっと手を伸ばす。返事は何もないことを知っているが。
長女・十六夜 凪:それでも、心残りというものは、そういうものだから。
長女・十六夜 凪:「ねえ、約束よ。私、きっと帰ってきて、あなたの」
長女・十六夜 凪:「ねじを、巻いてあげるから。そうしたらまた」
GM:当時はまだ新しかった時計を几帳面に管理していたのは、長女である凪だった。
GM:時々は、ピカピカに磨き上げて。
GM:その後の持ち主が手入れをしなかったわけではない。時計はずっと動いていた。
GM:……だが、心は既に止まっていたのだ。
GM:館がホテル『往来館』と名前を変え、手入れをする者が従業員の娘になっても。
GM:時計の中には既に、過去の思い出しかなかった。静かに歪んでしまっていた。
GM:そうしてあの時、扉が開いた瞬間に、弾けた。

GM:それは、何度も何度も、そこだけを繰り返し読み込まれた記憶。
GM:刻み込まれ、宿った魂が飲み込んで、そのものとした思い出。
GM:だから、忘れない。忘れられないのだ。もう二度と。
GM:時計の針は、後にも先にも進まない。

GM:あなたたちは記憶を読む。
GM:そうして、相手が既に取り返しがつかないことを知る。
GM:不自然に遡り止まった針を前に進めるには、あなたたちが力を尽くすほかない。
GM:ただ。
GM:最後に残った『何か』もまた、ここにいることがわかる。
GM:見えずとも、それはあなたたちに力を貸そうと懸命にもがいているようだった。

加茂 由香里:その眩い記憶は、『見えた』。
加茂 由香里:鮮やかに輝くのは、それが彼…かつての時計にとって、そうであれと願われ、想われた記憶だからなのだろう。
加茂 由香里:(こういう景色を、覚えていて、取っておいて、繰り返し見たくなるのは)
加茂 由香里:(ええ、よく分かってしまう…)
加茂 由香里:記憶でしかない空を、月を、風景を思い返しながら、記憶と同一化せずに抜け出す。
ベル:話す言葉も、話したいと思う心も持たない。自分もそういうものだったから、分かる。
ベル:だからこそ、一度得てしまうと――手放せない。一緒にいてほしいと伝えたくなる。伝えてしまう。
ベル:それが悪いとは思いたくないけれど、ひとの心というのは、ひとつきりの世界ではなくて。
ベル:だれかの心が、だれかの心を、傷つけてしまうこともある。
ベル:……だから、止めなくちゃ。
ベル:ひとを愛していて、ひとに愛されていたはずの、あの子が。
ベル:自分で愛をずたずたにしてしまう、その前に。
可知 充希:きゅっとポケットに入れていたゼンマイを握る。
可知 充希:大事な人に会えなくなる。その寂しさはあたしも知っている。きっと全部ではないけど、ちょっぴりくらいは。
可知 充希:あたしがさびしさだけでいっぱいにならずに済んだのは、他にもそばに居てくれる人たちが居たから。
可知 充希:パパが居て、ママが居て、かーくんとすーちゃんが居て、学校のともだちが居て。
可知 充希:ご近所さんが居て、役所の人たちが居て、お店に来てくれるお客さんたちが居て。
可知 充希:そうやってたくさんの人たちが居たから、さびしいだけでいっぱいにならずに済んだんだって。
可知 充希:……とけいさんは、なぎさんしか居なくて。ひょっとしたら、なぎさんしか要らないって思っちゃってて。
可知 充希:そう思ってしまうことは、ただなぎさんが居なくなってしまったことより、もっともっとさびしいことだったんじゃないかな。
可知 充希:そのさびしさを終わらせるには、もう止めるしかないんだろう。そう分かってしまうのもさびしくて。
可知 充希:(……ごめんね)
可知 充希:もっと早く、そのさびしさを見つけてあげられてたら良かったのに。
可知 充希:それでも、止めるしかもう出来ないから。せめて絶対に止めなくちゃ。
若菜美奈人:周囲を見渡すようにして。
若菜美奈人:「感傷の時間は終わりだ」
若菜美奈人:「出るぞ」

GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:エンゲージは以下の通り。

     [時白楼(8)]
       |
       5m
       |
[可知(12)ベル(8)加茂(7)若菜(6)]

     ????(12)



GM:勝利条件として、まずボスの時白楼を戦闘不能にする必要があります。
GM:《Eロイス:虚実崩壊》を解除し脱出するためには、その後メジャーアクションを使用して判定を行います。
GM:これは最後の記憶の欠片について調べるものですが、詳細はその時にまたお伝えします。
GM:また、NPCカードに変更があり、ダイス増加の効果はクライマックスでは使用不能となります。
GM:代わりに、????が自分の意志で戦闘に参加します。
GM:とはいえ、このキャラクターは最初から特別な隠密状態となっており、セットアップの行動のみを行うことになります。
GM:場所は不明。味方もエネミーも、????をアクションの対象とすることはできません。
GM:この状態は上記の記憶の欠片について調べることで解除されます。
加茂 由香里:誰ーー!
可知 充希:誰なの……?
ベル:自分の意志!!
GM:質問はありますか?
加茂 由香里:とにかくまずは、時計さんを倒すこと!
若菜美奈人:大丈夫!
GM:そういうこと!
ベル:ぶい!
加茂 由香里:了解っス
GM:????さんは基本的にセットアップだけ自動で動いてくれるNPCカードと思ってください
可知 充希:なるほどね
GM:では、1ラウンド目


■セットアップ■

GM:まず、GM側の処理を先にさせてください。
時白楼:《エネミーエフェクト:爆裂重力》ラウンド間、攻撃ダメージを増加。HPダメージを受けた場合効果は失われる。
時白楼:加えてオートで《Eロイス:マジカル☆リクエスト》でブラム=ストーカーのユニークアイテム『貴人の礼装』をシーン間取得、装備。装甲10に。
時白楼:さらに《Eロイス:マジカル☆リクエスト》使用。Rコントローラーをシーン間取得。
????:NPC効果:『照らす未来路』《ショウタイム》自分を対象に含まない攻撃のダイス数を-4個。
GM:こちらはここまで。
加茂 由香里:自分は無いです!
若菜美奈人:なし
ベル:なし!
可知 充希:なしです
GM:OK!


■イニシアチブ■

GM:行動値通りだとみつきちゃんですが、割り込みがあります。
可知 充希:なにっ
時白楼:《時間凍結》HPを20失い、ただちにメインプロセスを行う。
加茂 由香里:なにーっ
時白楼:マイナーはなし。
時白楼:『進まない短針』《拡散する世界》《黒の鉄槌》《コンセントレイト:バロール》《Dロイス:亜純血:黒星の門》《Rコントローラー》
時白楼:射程視界のRC攻撃でシーン(選択)対象、対象はPC全員。
若菜美奈人:メチャクチャ身を削ってる
時白楼:命中判定いきます
時白楼:11dx7+3
DoubleCross : (11DX7+3) → 10[1,2,2,5,5,6,7,8,8,9,9]+10[1,3,3,6,8]+10[9]+10[10]+4[4]+3 → 47

時白楼:リアクションどうぞ
可知 充希:大きい……
ベル:つよいー
加茂 由香里:ドッジしておくか
ベル:ドッジちゃれ
加茂 由香里:4DX+0@10 回避
DoubleCross : (4DX10) → 10[1,5,10,10]+9[8,9] → 19

若菜美奈人:ガード。
ベル:(1+4)dx>=47
DoubleCross : (5DX10>=47) → 9[5,5,6,7,9] → 9 → 失敗

GM:たかい
可知 充希:一応避けとこ
加茂 由香里:がんばった
可知 充希:4dx>=47
DoubleCross : (4DX10>=47) → 10[5,6,8,10]+6[6] → 16 → 失敗

GM:たかい!
可知 充希:頑張った
可知 充希:カバー欲しい人~
若菜美奈人:いや……2人ともをします
GM:なんだと~
加茂 由香里:なんてこった
可知 充希:そうじゃん 師弟カバーできるんだった
ベル:師弟~~!!
加茂 由香里:じゃあベルちゃんと二人でもらっちゃうか
ベル:ありがたく……
可知 充希:へっちゃらだよ!:カバーディフェンスLV3
可知 充希:カバーリングを行う、1シナリオ3回、侵蝕値+2
可知 充希:可知 充希の侵蝕を2増加(104 → 106)
可知 充希:じゃああたしがベルちゃんカバーで!
若菜美奈人:OK では……
若菜美奈人:《マグネットフォース》。加茂由香里をカバーリング。
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を2増加(104 → 106)
加茂 由香里:ありがとー!
ベル:ありがとー!
GM:ぬー!
時白楼:ダメージ出します
時白楼:5d10+14+20 装甲有効
DoubleCross : (5D10+14+20) → 17[6,2,2,3,4]+14+20 → 51

時白楼:出目は普通
若菜美奈人:ガード装甲で11点引いて41点
若菜美奈人:2倍で82なので死にます
可知 充希:装甲で8削るけど倍にしなくても無理!
可知 充希:ベルちゃんのロイスで復活!
若菜美奈人:死にます。高河ありさのロイスを昇華して復活。
GM:おけ!
若菜美奈人:若菜美奈人の昇華を1増加(0 → 1)
GM:では、次のイニシアチブ。行動値通りみつきちゃん!
可知 充希:マイナー無し!かーくんすーちゃんと一緒に射撃攻撃します!
可知 充希:6dx+20 対象はとけいさん!
DoubleCross : (6DX10+20) → 9[3,3,3,5,5,9]+20 → 29

可知 充希:回んなかった……
加茂 由香里:勝利の女神いる?
可知 充希:どうだろ なくても当たりそうな気がするけど貰ったら繰り上がるし
可知 充希:結論あったら嬉しい!
加茂 由香里:使えるうちに使っとくか
加茂 由香里:『0149:狼と狐』/《勝利の女神》。
ベル:妖精もあるよ
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を4増加(107 → 111)
加茂 由香里:達成値+18!
可知 充希:でっか
可知 充希:じゃあ47です!
ベル:つっよ
時白楼:くっ
時白楼:では……『空回る秒針』《迎撃する魔眼》リアクションを放棄。
時白楼:《黒の鉄槌》を使用して反撃を行います。リアクション不可。
時白楼:ただ……今ダイスがな……
可知 充希:おいくつ?
時白楼:じゃあ、まずこちらの命中判定やります
時白楼:2dx7+3 Rコントローラー不使用
DoubleCross : (2DX7+3) → 10[1,10]+3[3]+3 → 16

時白楼:で、お互いダメージを出し合いましょう
可知 充希:はーい じゃあ加えて
可知 充希:はりきっちゃうよ!:フェイタルヒットLV3
可知 充希:ダメージロールのD+4D、1ラウンド1回、侵蝕値+4
時白楼:どうぞ!
可知 充希:7+8+5d10+4d10
DoubleCross : (7+8+5D10+4D10) → 7+8+23[1,3,3,9,7]+19[2,7,4,6] → 57

時白楼:ヒッ
時白楼:2d10+14+20 装甲有効
DoubleCross : (2D10+14+20) → 7[6,1]+14+20 → 41

若菜美奈人:フン……
時白楼:こちらはまだ大丈夫
可知 充希:こっちは耐えられないので……みなとおにいさんのロイスで復活!
可知 充希:可知 充希の侵蝕を4増加(106 → 110)
GM:OK!
GM:では、次はベルさんの手番
GM:あ、追記
GM:ダメージを受けたので、《爆裂重力》の効果は消えています。次からダメージが下がる!
ベル:はーい!
ベル:マイナー【寒風の備え】マルチアクション+ストライクチップ+オリジン:プラント
ベル:ストライクチップを起動しつつプラントで達成固定値を上げます
ベル:メジャー【春風の踊り】疾風の弾丸+コンセ:ハヌ+クロックアップ+サイドリール
ベル:時白楼くんに射撃攻撃!
時白楼:くっどうぞ
ベル:ここでダイス指さし確認タイム
GM:えらい
可知 充希:あ、ダイス増やす?
可知 充希:支援射撃あるよ
ベル:ひゃー
ベル:現時点で3+5+3の11個あるはずなんですよ
ベル:温存してもらっててもいいかなって思ったけど温存してると使いどころなくなったりします?
可知 充希:どうだろう ゆかりおねえちゃんとみなとおにいさん次第だけど
可知 充希:二人はダイスほしい?
若菜美奈人:ベルちゃんはオリジンプラントもあるから
若菜美奈人:しっかり当たるとは思う
可知 充希:じゃあ一回温存しようかな 引っ込みます
ベル:ありがとうございます!
ベル:固定値が、えー、レベル上がってるから1+12+3で16だな
ベル:(3+5+3)dx7+16 射撃命中
DoubleCross : (11DX7+16) → 10[1,1,1,2,3,3,6,6,7,9,10]+4[1,3,4]+16 → 30

時白楼:『空回る秒針』《迎撃する魔眼》リアクションを放棄。
時白楼:また《黒の鉄槌》を使用して反撃を行います。リアクション不可。
ベル:きゃー
時白楼:先に命中判定するね
時白楼:2dx7+3
DoubleCross : (2DX7+3) → 10[4,10]+2[2]+3 → 15

時白楼:ダメージどうぞ
ベル:4d+1d+24+8 ダメージ 水晶の剣込み
DoubleCross : (4D10+1D10+24+8) → 18[1,6,5,6]+6[6]+24+8 → 56

時白楼:げっ こっちもダメージ!
時白楼:2d10+14 装甲有効
DoubleCross : (2D10+14) → 12[9,3]+14 → 26

ベル:装甲8引いて18、生きてます!
時白楼:こちらもまだ立ってる!
加茂 由香里:すごい!
時白楼:おのれーー
ベル:あってよかったぼでま!
GM:では次、7のPC優先で加茂さん
加茂 由香里:はーい
加茂 由香里:マイナーなし。メジャー前にオートで
加茂 由香里:『0147:羊飼いと乙女』/《砂の加護》《砂塵霊》。
加茂 由香里:対象は自分で、ダイス+5、攻撃力+16。
加茂 由香里:加茂 由香里の侵蝕を6増加(111 → 117)
加茂 由香里:で、メジャーでアンチマテリアルライフルの素撃ちをし、時白楼さんを攻撃します。
時白楼:どうぞ!
加茂 由香里:10DX+0+0@10 射撃
DoubleCross : (10DX10) → 8[2,4,4,4,5,6,6,7,7,8] → 8

加茂 由香里:酷い!が…
時白楼:……こちらは
時白楼:『空回る秒針』《迎撃する魔眼》リアクションを放棄するぞ。
加茂 由香里:ウス!
時白楼:で、命中判定なんですが、ちょっとだけがんばります。
時白楼:《黒の鉄槌》を使用して反撃を行います。リアクション不可。《Rコントローラー》使用。
加茂 由香里:がんばってる!
時白楼:7dx7+3
DoubleCross : (7DX7+3) → 10[1,2,3,4,7,10,10]+10[4,5,8]+1[1]+3 → 24

時白楼:ここに!
加茂 由香里:リクエストしてたやつだ…
時白楼:《貴人の礼装》使用。達成値に+5。使用回数はあと2回。
時白楼:あっまちがい
時白楼:《貴人の礼装》二回使用。達成値に+10。使用回数はあと1回。
時白楼:34になりました
加茂 由香里:洋服スゲー!
時白楼:ダメージをどうぞ
加茂 由香里:1d10+20
DoubleCross : (1D10+20) → 4[4]+20 → 24

加茂 由香里:削っとけ削っとけ
時白楼:こちらも
時白楼:4d10+14 装甲有効
DoubleCross : (4D10+14) → 29[6,8,9,6]+14 → 43

時白楼:おっいい出目
加茂 由香里:あ、そうじゃん砂塵いれてない!足します
GM:おっと、どうぞ!
加茂 由香里:24+16
加茂 由香里:40だ
加茂 由香里:手動計算
時白楼:まだ……なんとか
GM:加茂さんもダメージ受けてね
加茂 由香里:そうだ 43
加茂 由香里:ボデマの8ひいても …むり!
加茂 由香里:高河早人 〇誠意/隔意 これをタイタスにして昇華。もう大丈夫そうだから!
GM:OK!
GM:では次は時白楼の本来の手番ですね
時白楼:マイナーなし
時白楼:『戻らない長針』《黒の鉄槌》《コンセントレイト:バロール》《Dロイス:亜純血:黒星の門》《Rコントローラー》
時白楼:射程視界のRC攻撃で対象は若菜くん。
時白楼:命中判定!
時白楼:11dx7+3
DoubleCross : (11DX7+3) → 10[1,2,3,4,4,7,7,8,8,9,10]+10[2,3,5,5,8,9]+10[8,9]+10[4,9]+2[2]+3 → 45

時白楼:回すなあ
若菜美奈人:ドッジ
若菜美奈人:7dx>=45
DoubleCross : (7DX10>=45) → 8[1,1,2,6,7,7,8] → 8 → 失敗

時白楼:ダメージ
時白楼:5d10+14 装甲有効
DoubleCross : (5D10+14) → 26[5,5,3,10,3]+14 → 40

時白楼:ちなみにこれでRコントローラーは尽きました……
若菜美奈人:無理!HP0なります
若菜美奈人:支部長のロイスを切って復活します。
若菜美奈人:若菜美奈人の昇華を1増加(1 → 2)
GM:OK!
GM:では若菜くんの手番どうぞ
若菜美奈人:はーい
若菜美奈人:マイナーで時白楼にエンゲージ
時白楼:うっ
若菜美奈人:メジャー『綾綾はやぶさ』:《コンセントレイト:ブラックドッグ》《原初の赤:アームズリンク》《ライトニングリンク》《雷鳴の申し子》。
可知 充希:お手伝いするよ!:支援射撃LV7
可知 充希:自分以外の判定のD+7、侵蝕値+2
若菜美奈人:やった~
可知 充希:可知 充希の侵蝕を2増加(110 → 112)
若菜美奈人:判定行きます
時白楼:どうぞ!
若菜美奈人:21dx7
DoubleCross : (21DX7) → 10[1,1,3,3,3,4,4,4,5,6,6,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10]+10[3,4,5,6,6,6,6,8]+4[4] → 24

若菜美奈人:いまいち
時白楼:何もないかな? ドッジします
時白楼:反撃できないから……
時白楼:4dx>=24
DoubleCross : (4DX10>=24) → 6[2,3,4,6] → 6 → 失敗

時白楼:命中!
時白楼:ダメージどうぞ
若菜美奈人:3d10+36+9+50-14 装甲有効
DoubleCross : (3D10+36+9+50-14) → 11[7,2,2]+36+9+50-14 → 92

加茂 由香里:ヤバいわよ
時白楼:!?
ベル:デッカ
可知 充希:デカすぎ
時白楼:これまで書き忘れてましたが、装甲10がありましたが
時白楼:それにしても……これは……無理
時白楼:倒れます
時白楼:復活エフェクトは……なし
加茂 由香里:うおおおお
GM:まず条件である時白楼の戦闘不能を達成しました。
可知 充希:やったか!?
若菜美奈人:こちらも反動で倒れます
若菜美奈人:“ファロ・デ・ラーゴ”のロイスを昇華して復活。
若菜美奈人:若菜美奈人の昇華を1増加(2 → 3)
GM:そしてこの後に記憶の欠片について調べる必要があります。がんばろう。
加茂 由香里:がんばる!
若菜美奈人:若菜美奈人の侵蝕を14増加(106 → 120)
GM:クリンナップ、多分特にないと思うので省略

GM:2ラウンド目


■セットアップ■

????:エネミーがいなくなったので、今回はなし
GM:宣言ある人がいればどうぞ。多分ないかな?
若菜美奈人:ないです
加茂 由香里:ナイヨー
可知 充希:なし!
ベル:なし!
GM:おけ!

GM:おっと説明だ。
GM:現在、ひとつだけ記憶の欠片が残っており、これについて判定を行うことで《虚実崩壊》の効果を解除、戦闘を終了することができます。

★????の記憶の欠片〈RC〉〈意志〉〈知識:レネゲイド〉〈情報:UGN〉11


GM:メジャーアクションを使用して自分の手番で順番に判定していきましょう。


■イニシアチブ■

GM:では順番に、みつきちゃんからどうぞ。
可知 充希:じゃあ意志で!
可知 充希:9dx+1>=11
DoubleCross : (9DX10+1>=11) → 7[1,1,1,1,2,3,6,6,7]+1 → 8 → 失敗

GM:何かしますか? 次の人に回す?
可知 充希:ま、回らない
可知 充希:うーん 支援もあるし他の人に回そうかなぁ
GM:OK!
GM:ではベルちゃんどうぞ
ベル:はーい!情報はコネ使えますか?
GM:使えます!
ベル:では情報:UGNで!
ベル:コネでUGN幹部使用してダイス+2 きっと支部長の絆
GM:きゅっ
ベル:ぎゅっ
ベル:そしてダイスボナが4個ある
ベル:(3+4+2)dx+1>=11
DoubleCross : (9DX10+1>=11) → 9[2,4,4,6,6,6,8,8,9]+1 → 10 → 失敗

ベル:いちたりない!
GM:おっと!
加茂 由香里:これはっ
GM:財産点使えます
可知 充希:もうちょっと!:リバーサルショットLV3
加茂 由香里:チラッ
可知 充希:自分以外の判定の達成値+10、1シナリオ3回、侵蝕値+6
GM:あっそっちでもいいぞ!
加茂 由香里:来たー!
ベル:きゃー!
可知 充希:可知 充希の侵蝕を6増加(112 → 118)
GM:つよいな……
ベル:みつきちゃんに助けられっぱなし ちょー頼れるフレンズ
可知 充希:えっへん
GM:では達成値20!
若菜美奈人:やったね
GM:成功となります。
ベル:ちっちゃいものくらぶ~!
GM:開示

★????の記憶の欠片〈RC〉〈意志〉〈知識:レネゲイド〉〈情報:UGN〉11
私は、『往来館に灯る明かり』。正確にはそこに憑いたレネゲイド。
古くから館を見守っていたが、思わぬ状況に巻き込まれて己を見失い、何もできずにいた。
あなたたちに力を貸したおかげで、どうにか全てを前に進めることが出来そうだ。
あなたたちと、私をずっと灯し続けてくれた人々……今は高河父娘に、心から感謝をしている。


GM:具体的には、広間のシャンデリアとかですね
GM:おめでとうございます。これで《Eロイス:虚実崩壊》は解除。
GM:あなたたちは現実へと戻ることができます。


GM:広間の中ほど、人々が踊るように戦う中、ひとりの青年が立つ。
時白楼:「彼女と結ばれるべきなのは、柱谷邦夫だった」
時白楼:「彼がもういないのなら、僕が代わりになればいい」
時白楼:借りものの姿を身にまとい、本来の姿の持ち主は決して持ち得なかった力を振るう。
時白楼:彼の周辺で、何か大きなものが歪んでいる、そういう気配がある。
時白楼:「改めまして、僕は時白楼」
時白楼:「ようこそ、僕の永遠の住処」
時白楼:「僕のものになるはずだった、十六夜邸へ」
GM:深く、深く礼をしたその瞬間。
GM:ちかちかと、周囲の光が途切れたようになり、また戻る。
時白楼:「……? なんだ。暗いな」
時白楼:周囲を見回す。あなたたちの目には、さほど違いがわからないが。
時白楼:「まあいい。ここで時は止まっている」
時白楼:「光だって、追いつけはしないだろう?」
時白楼:手を差し上げる。あなたたちの頭上に、大きな大きな時計の針の幻が浮かび上がる。
時白楼:「時のあわいに、挟まれてしまえ」
加茂 由香里:それを視認できず、故に逃れることはできない。「何が…」
ベル:「由香里さん!」慌てて注意を引こうとするが間に合わない……!
若菜美奈人:「カバー左!」それだけ怒鳴り、右に身を翻す。
若菜美奈人:誰に、という指示はない。必要のない指示はしない。
可知 充希:「はーいっ!かーくん、すーちゃん!」
かーくん:充希が続くように呼ぶよりも早く。指示通り左へ身を翻している。
すーちゃん:飛び出すのはベルの目の前。彼女の視界と敵の攻撃とをそれぞれ遮るように。
加茂 由香里:そして音と動きで理解した。「私は私の仕事を」礼はいまさら聞きもしないだろう。
若菜美奈人:バチリ、と小さく残電が鳴る。フルの放電防御ではない。それは周囲を巻き込む。
若菜美奈人:最小限の威力低減。例えば2人殺せるものをを1人にするような。
ベル:「ぴゃいっ」一拍遅れて、庇われた、と理解する。
ベル:「ありがとうなのですよ!」こちらは素直に礼を口にして、体勢を立て直す。
加茂 由香里:遠くの羽根に軽く触れたときの手触り、そこから想起して、無機の翼が推進する力を強める。
時白楼:「くっ、全員巻き込んだはずだったが……!」
時白楼:広げた力を巻き戻そうとするが、間に合わない。
かーくん:それが隙であることを当然把握している。
すーちゃん:「かぁ」 一声鳴くことで充希へとそれを伝える。
可知 充希:「うん!今のうちだよね」
可知 充希:「二人とも、はりきっちゃおう!」
かーくん:バサリ。その声に合わせて翼を大きく広げる。
すーちゃん:普通の鳥であれば滞空を保てないような姿勢だが、遺産である彼女達であれば問題はない。
かーくん:広げられ逆立てられた羽は、その一本一本が全て、突きつけられた銃口のような物。
すーちゃん:引鉄一つで敵へと向けて発射され、正確無比に突き立てられる。
可知 充希:そしてその引鉄とは――。
可知 充希:「ごー!」
かーくん充希の一声と共に無数の羽を時白楼へと撃ちだす。
すーちゃん:艶やかに黒い弾丸は由香里の助力によって更に加速しながら敵を打ち据えた。
時白楼:「……!」白い礼服に、黒い羽が突き刺さる。
時白楼:血は流れない。体は幻だ。
時白楼:代わりに、今ようやく吸い込んだ滞留する力の欠片、それが流れ出す。
時白楼:実体無き時計の針が、反射のように少女目掛けて突き進んでいく!
可知 充希:「っ、二人とも、だいじょぶだから!」
可知 充希:それだけ叫んで、針を真っ向から受け止める。
かーくん:咄嗟に庇おうとしたものの、充希の言葉を受けて急停止する。
すーちゃん:「くぅ……」 不満げに鳴くものの、すぐに時白楼へと向き直った。
可知 充希:(二人には、この後もたくさんいろいろしてほしいから)
可知 充希:二人のどっちかに針が刺さってしまうより、自分が受ける方が良い。再生なら自分にだって出来るから。
若菜美奈人:(……ようやくその判断ができるようになったか)
時白楼:「……厄介だな……! 凪さんは渡さない!」
時白楼:だが、宙に浮いた時計から放たれる圧は、今の一撃でぐんと小さくなっている。
可知 充希:「あたしたち、『なぎさんがほしい』なんて言ってないよ」
可知 充希:「『しえおねえちゃん』を返してほしいの!」
時白楼:「……彼女は、凪さんだ……!」
ベル:話し合いができない。言葉が届かない。彼はそういうものジャームだ。
ベル:――それがどうした。自分たちあやしに、もともと言葉なんてなかった。
ベル:ただ己の在り様をぶつけるだけ。彼が今そうしているように。
ベル:きゅぽん、とペンダントの蓋を開ける。水晶のようなきらめきを纏った花弁が宙を舞う。
ベル:くるくると回転した花弁と葉は、ぽってりとした拳銃のようなシルエットを構成する。
ベル:「貴方が何者であっても、そこに愛があったのなら」
ベル:「それだけは、ぼくが守るから」怒るのは、みんながやってくれるから。ちょっぴり頼っても、いいよね。
ベル:どう、と球体が発射される。花弁の塊であるそれは、空中でほどけ、舞い散り、細かな刃となって、止まった時計へと降り注いだ。
時白楼:「……そこに、愛が?」
時白楼:花びらの刃に、何度も何度も斬り裂かれながら。
時白楼:「それしかない、それしかなかったんだ。ここには」
時白楼:再び、黒い針が放たれる。先程ほどの力はない。
ベル:針に花弁が千切られ、風圧で帽子が飛んでいく。
ベル:「……ちょっぴりわかるのですよ。それだけで良いって、思えなくなっちゃったこと」
ベル:「だけど、こんなことは止めなきゃいけないのです」
ベル:「ここの花瓶に飾られたお花はみんなつやつやして綺麗だったのです」
ベル:「いっぱいお世話されて、いっぱい愛されて、そうして愛を振りまいていたって、それだけでぼくはわかるのです」
ベル:「だから、」「ぼくが成っていたかもしれない貴方だから、」
ベル:「ぼくたちで、止めるのですよ!」ほんの少しだけ声は震えていたけれど、視線はそらさず、膝もつかない。
加茂 由香里:「…ええ。ここのお花。見えなかったけど、いい香りがしました」笑う。
加茂 由香里:「ここにあるものはみんな、大切にされてきたものばかりだとわかって」
加茂 由香里:「どれを『見て』も、人の手があって……」
加茂 由香里:「眩しいくらい」
加茂 由香里:加茂由香里は、時間を操るオーヴァードではない。
加茂 由香里:記憶を読むこと。それを物質的に再現すること。そういう能力であり。
加茂 由香里:それは時白楼とよく似て、しかし決定的に違う力だった。
加茂 由香里:「……少しだけ、お借りします。あなたの未来の家族を助けてあげて」
加茂 由香里:手にするのは小さな砂時計。十六夜凪の部屋で、写真立ての隣に置かれていたもの。
加茂 由香里:それを真空に預けるように、放る。
加茂 由香里:「さあ、思い出して。語って」
加茂 由香里:それは遠い土地、どこかの砂漠の砂を詰めた砂時計。
加茂 由香里:記憶をたどれば、乾いた熱風の音と手触りを感じられる。それを引き出してあげる。
加茂 由香里:この時計は語らない。この経歴を誰も知ることはない。そんな、声を持たない物語を。
加茂 由香里:想起され、一時的に再現された砂の渦が、小さな砂嵐となって時白楼へと迫りくる。
時白楼:穿たれ、斬り裂かれた存在の傷に、嵐が忍び込む。
時白楼:さらに傷ついていく。悲鳴を上げながら。
時白楼:「僕だって」
時白楼:「僕だって愛していた! でも、僕の愛は」
時白楼:砂時計の記憶に、微かにそれを十六夜凪に贈った、過去の青年の記憶が入り混じる。
時白楼:「一番いてほしい人を引き留めるのには、足りなかった……!」
時白楼:十六夜凪は、結婚を厭っていた。だが、柱谷邦夫は。
時白楼:家の都合で引き裂かれ、去りたくない館を去ることになったのは、彼も同じだったのだと。
時白楼:その記憶が、あなたに振りかかる。
加茂 由香里:突き刺さるような、他者の記憶。
加茂 由香里:「……ああ、この砂時計は…」
加茂 由香里:「そう、彼が」
加茂 由香里:「ほんとうに、ここの館のものは、眩しいです」
加茂 由香里:「苦しいほど、記憶で光っている」
時白楼:もはや満身創痍となりながら、それでも力を振り絞る。
時白楼:「足りなかったのなら、埋めればいい」
時白楼:「今! 僕はその力を手に入れた! 凪さんも!」
時白楼:ぐるり、と時計の針が一回転。再び若菜美奈人を挟んで傷つけようと試みる。
若菜美奈人:それを止めるもう一つの針がある。
若菜美奈人:それは彼自身の手に握られていたもの。
若菜美奈人:細身の針――楔。
若菜美奈人:「時計が動くのは時が進んでいるからではない」
若菜美奈人:「ゼンマイ式であれば巻かれた反作用による金属性質だ」
若菜美奈人:ギリギリと押さえ込みながら、淡々と告げる。
時白楼:「……どうだっていい、僕の意志で時は止まる」
時白楼:「僕の意志で、全ては叶う!」
若菜美奈人:耐え忍んでいる。だがそれだけではない。
若菜美奈人:その形こそが、適切な攻撃角になる。
可知 充希:「今だよ!二人とも!」
かーくん:美奈人が抑え込まれているということは、押し込んでいる時白楼の意識がそこに集中しているということ。
すーちゃん:ならばその間に後ろへと回り込むのは容易いこと。まして、小柄で機動力に長ける彼女達であれば猶更。
可知 充希:「思いっきりやっちゃって!」 合図に合わせて再び羽の集中砲火が時白楼を襲う。
可知 充希:もちろん、みなとおにいさんに当たったりしないようにちょっと上から角度をつけるのも忘れずに。
時白楼:「うぐ……あ……っ!」予想外の場所からの攻撃に痙攣する。
時白楼:代わりに、さらに針の力を強める。ぎりぎりと。
若菜美奈人:その針に込められた力は、込めた以上に強く伝わった。
若菜美奈人:2本の針は空を切るように一気に通り過ぎて、カツン!と硬いものにぶち当たる。
若菜美奈人:地に突き立てられた針のみが、そこにある。
時白楼:「な……!?」
時白楼:込めた力の分、行き場をなくして意識が空回る。
若菜美奈人:「由香里」
若菜美奈人:「あれた時」
若菜美奈人:「人が視えたか」
加茂 由香里:虚を衝かれる。……それは。
加茂 由香里:『訊かなければ、なかったも同然』のことだったからだ。
加茂 由香里:「はい」
加茂 由香里:それだけ答える。
若菜美奈人:「そうか」
加茂 由香里:なにか言うべきか思案し、思いつかない。すべては他者の記憶だ。
加茂 由香里:だから、すべきことだけを返す。その物質的な記憶を、推進する。わずかな支援能力を、見た人影にでなく、その杭に送る。
若菜美奈人:「なら……そう堕したことの責任は」ベルを一瞬見て。
若菜美奈人:「あれ自身にある」
ベル:「……!」
若菜美奈人:点と点。中空に線を結ぶ。本来はあるはずのない架空のものではあっても。
若菜美奈人:「投入アクティベート
若菜美奈人:彼がそう発してから、起きる事象の順番は決まっていた。
若菜美奈人:光。周囲の色が白飛びするかのような、一直線の閃電。
若菜美奈人:衝撃。杭に向けて放たれた膨大なエネルギーが、その間にある敵にぶち当たるときのもの。
若菜美奈人:熱。そのエネルギーが反応し、分子の強烈な振動を生む。
若菜美奈人:音。まるで銃声のようなそれは、遅れて発生した。
若菜美奈人:匂い。それらが全て終わった後に。大気が分解されたことにより発生した、酸味のようなオゾン臭が漂う。
若菜美奈人:「今」
若菜美奈人:「時をコントロールしてのはこっち・・・の仕組みだ」
若菜美奈人:「お前じゃない」
時白楼:目の前には、半身をほぼ吹き飛ばされた状態の青年がいる。
時白楼:青年が……いや。血も流さず、代わりに歯車を床にこぼしていく、そういう姿のものが。
時白楼:「……僕は」
時白楼:「僕の愛は……凪さん……」膝をつく。
GM:変事はない。
GM:彼女は意識を失って倒れていたし。
GM:そもそも、江宮詩絵は、十六夜凪ではなかったから。
時白楼:「僕の十六夜邸は……」周囲を見回す。
GM:広間には、あなたたちとあと幾人かしか残っていない。パーティーは終わったようだ。
加茂 由香里:「……いまは、“往来館”と」
加茂 由香里:視界以外でも届くすべてが、その終わりを知覚できる。「往くだけでなく、来たる場です」
時白楼:「往来館……」
時白楼:「そこは、眩しいですか」
時白楼:「花は、咲いていますか」
時白楼:「僕と同じように、皆、大事にされて……」
時白楼:記憶にないわけはないだろう。だが。
時白楼:彼にはもう、見えていない。
ベル:「お花はいつだって咲くのです」
ベル:「春も、夏も、秋も、冬も」
ベル:「いつだって、咲かせようとしてくれるひとが、いるのですよ」
ベル:「いつか枯れるとしても、いつか終わるとしても」
ベル:「それまではずっと、胸を張って輝いていられるようにと」
ベル:「……そう思ってくれるひとは、『今』も、たくさん、いるのです」
時白楼:「……僕はそこには、たどり着けない。でも」
時白楼:「『もうひとり』は返すよ」
時白楼:背後にあった、小さな光の欠片がふわふわと、あなたたちの方へと漂う。
時白楼:「では、パーティーはここまでだ」
時白楼:「皆さま、無事のお帰りを心から」
時白楼:ざらざらと、歯車が零れ落ち、姿が消えていく。
時白楼:「お祈りしております。……ここ、永遠たる十六夜邸で」
GM:時計の鳴る音がした。
GM:きっかり十二回、日の変わる回数。
GM:そうして、あなたたちの目の前には柱時計がひとつ。青年はもういない。
GM:……あとは、残された光の欠片のみ。
ベル:「『もうひとり』……」光とみんなを見比べる
かーくん:「かぁ」 ぱたぱたと緩く羽ばたきながら光を見つめている。
すーちゃん:「かぁ」 こちらは地面に降りて光を見上げている。
若菜美奈人:「字義通り『ひとり』とは限らない」反芻するように。
若菜美奈人:そいつらのようにな、とカラスどもを指して。
加茂 由香里:「そういえば、何度かこの館で気配を感じましたね」
加茂 由香里:「かーくん、すーちゃんは見つけたりしてるのかしら」笑う。
加茂 由香里:「写真立てだって、見つけてくれましたものね」
可知 充希:「えっと……かーくんたちが言うには、だけど」
可知 充希:「まだなりかけのあやしかも、だって」
可知 充希:「おんなじあやしのベルちゃんならお話しできるんじゃない?」
ベル:「……」おずおずと光に近寄る。
ベル:「きみは……」
ベル:ふわりと光がベルの周りで踊る。
ベル:「…………ああ」見上げて。
ベル:「そうなのですね。きみは本当に『光』なのですね」
ベル:眼差しの先は、きらめくシャンデリア。
GM:ぱちん、と光の粒が弾けて、シャンデリアのガラスのそれぞれに宿る。
GM:虹色の反射光が、いっそう強くなったようにも思えた。
GM:……いや、強くなっている。
GM:柔らかいが弱い、かつての白熱灯から、現代の蛍光灯へと、眩しく。
GM:正しく、あるべき形、あるべき光に。
GM:代を経て、ずっと手入れをされていた、そのままの姿へと。
GM:それは、名乗りはしなかった。ただ、ずっと見守っていたそのままに。
GM:『ありがとう』と気配であなたたちに伝えた。
GM:やがて、室内の風景は重なってだぶり、移り変わる。現代のホテルのロビーへと。
GM:ホテル『往来館』。
GM:あなたたちは、帰ってきた。


バックトラック


GM:今回のEロイスは4つ。《虚実崩壊》《心の爆弾》《マジカル☆リクエスト》×2
GM:振る人はどうぞー
加茂 由香里:ふっとこ
ベル:ふるふる
可知 充希:振っておこうかな
加茂 由香里:117-4d10
DoubleCross : (117-4D10) → 117-19[2,8,8,1] → 98

ベル:132-4d10
DoubleCross : (132-4D10) → 132-15[3,1,9,2] → 117

可知 充希:118-4d10
DoubleCross : (118-4D10) → 118-25[9,8,6,2] → 93

ベル:帰ってこれない!
若菜美奈人:ここか
可知 充希:残り4つなので素振りで
加茂 由香里:ロイスは残り6か
可知 充希:93-4d10
DoubleCross : (93-4D10) → 93-31[7,10,8,6] → 62

可知 充希:さ、下がり過ぎた
加茂 由香里:93-6d10
DoubleCross : (93-6D10) → 93-39[2,10,7,2,10,8] → 54

ベル:ロイスはいっぱいあるから素振りで、いいかな……
GM:だいじょぶ?
加茂 由香里:この出目を…
若菜美奈人:120-4d10
DoubleCross : (120-4D10) → 120-16[7,1,2,6] → 104

ベル:いやこわいな倍振りします
ベル:ファンブルは出るんだよ!!!!
若菜美奈人:1倍振りします。
若菜美奈人:104-3d10
DoubleCross : (104-3D10) → 104-9[2,6,1] → 95

若菜美奈人:ひく
ベル:117-12d10
DoubleCross : (117-12D10) → 117-76[10,7,1,10,8,10,5,9,4,2,7,3] → 41

GM:いっぱい下がってる
GM:でも帰れるのが何より
可知 充希:めちゃくちゃ下がってる
ベル:帰宅第一
GM:若菜くんはこわ
GM:でもおかえりなさい!
可知 充希:ただいま~
ベル:ただいまー!
GM:よかったよかった
GM:えー、いつもの5点、シナリオ5点、Eロイス4個、Dロイスが《亜純血》1個
GM:15点に侵蝕分をプラスしてください
加茂 由香里:19かな
ベル:18!
若菜美奈人:20!
GM:みつきちゃんも19かな
可知 充希:そうでした
GM:では私は27かな
GM:いただきます! めしあがれ!
ベル:もぐむしゃー
加茂 由香里:めしあがれー
可知 充希:むぐむぐ
若菜美奈人:ムシャバク
GM:おつかれさまでしたー!
加茂 由香里:パクパク


エンディング1 止まり木


GM:あなたたちは全員無事でホテル『往来館』へと帰還した。
GM:……ただし、月路詠子はその瞬間に行方をくらませる。
GM:諸々の報告は必要だが、ひとまず事態は解決。
GM:まずは休息と回復を図らねばならない。
GM:場所は、もちろんこの店だった。


【雨宿町・カフェ『止まり木』】

可知 充希:「えへへー、おまちどうさまでーす!」
可知 充希:両手にひとつずつおぼんを持ってカウンターの奥から出てくる。のっているのは看板メニューのオムナポリが四人前。
可知 充希:壁にそって置かれたソファーと二つの椅子が机を挟んだボックス席。四人席の中でも窓ぎわの特等席だ。
可知 充希:ひょいひょいと三人の前に一皿ずつ置いたら、のこりは空いたイスの前に。そこにあたしが座って、これで準備おっけー。
加茂 由香里:「美味しそうな匂い」ドリンクはアイスティーを頼んだ。
ベル:「ありがとうなのですよー」ドリンクはリンゴジュース。
若菜美奈人:水。元々結構あるが大盛りにしている。
可知 充希:「ふふー。わが家の看板メニューだからね!ママの自信作だよ!」
可知 充希:「もちろんおかわりもあるからね!」 これはみなとおにいさんに向けて。
加茂 由香里:「デザート系も美味しそうでしたし」
加茂 由香里:「楽しみです。…入るかな」いいつつ、手を合わせます。
若菜美奈人:「入らなければ俺が受ける」
加茂 由香里:「助かります」
可知 充希:「デザートもおススメたくさんあるからねぇ。あたしのイチオシはチョコサンデー!」
ベル:「よく新しいメニューも追加されるから迷っちゃうのですよ……」
加茂 由香里:いただきます、と先の割れたスプーンで卵の部分をそっと割る。
若菜美奈人:手を合わせ、食事を始める。
ベル:「いただきまーす」元気よくもぐー
加茂 由香里:「トマトソースと卵、合いますね」
可知 充希:「いただきまーす!」 ぺちんと音を立てて両手を合わせて。
若菜美奈人:フォークを使っている。一口の入れる量が多い。
加茂 由香里:「おいしい」
可知 充希:「トマトとタマゴも合うし、トマトとパスタも合うし、タマゴとパスタも合うんだよ」
可知 充希:「つまり、オムナポリは最強!」
ベル:もむ……もむ……と食べている。一口がちっちゃい。
ベル:「さいきょう!」いぇい
若菜美奈人:「自分が発明したかのように……」
可知 充希:「だって発案あたしだもん」
若菜美奈人:「全国的に存在するメニューだぞ」
加茂 由香里:「えっ……?」
可知 充希:「えっ」
ベル:「えっ」
若菜美奈人:「……」
若菜美奈人:「……知らなかったのか」
加茂 由香里:「だって……生まれ育ちが雨宿ですし……」
加茂 由香里:同意を求めます。
可知 充希:「そ、そうだよ!それにあたし、提案したときオムナポリのこと知らなかったもん!」
可知 充希:「えと……いつだっけ……?5才とかのとき……?」
かーくん:「かぁ」 目立たないようキーホルダーくらいのサイズになっている。
すーちゃん:「か、かぁ」 ちょこんと充希の左手の上に乗っかっている。
若菜美奈人:「そもそも」食事の手は止めていない。
可知 充希:「うん、だよね?5才だよね」
若菜美奈人:「ただ相性がいい組み合わせをすればそれだけで完成するわけではない」
若菜美奈人:「組み合わせただけのやつは雑魚だ」
若菜美奈人:「組み合わせを成立させるに足る料理人の腕が揃って初めて意味がある」
加茂 由香里:(急に語りますね……)
可知 充希:「……つまり、ママが最強ってこと?」
若菜美奈人:「……そういうことになる」
ベル:「そういうことだったのです……!?」
可知 充希:「ママー!すごいよ、みなとおにいさんがママのことほめてる!」
可知 充希:「ママが最強だってー!」 ママをほめてもらえてうれしいのでぱたぱたと報告に行く。
若菜美奈人:店の奥に会釈する。
加茂 由香里:「おいしいです」ついでに頭を下げる。
ベル:「んふふ」リンゴジュースを飲みながら
加茂 由香里:「あっ、コーヒーも食後にいただこうかな」
ベル:「美奈人さんは実はけっこうほめてくれるひとだってぼくは気付いたのです」ふんす
若菜美奈人:「褒めない」
加茂 由香里:「正当な評価というやつですか?」
若菜美奈人:「そうだ」また一口。もりもり減っている。
ベル:「んふふふふーーー」うれしくなっちゃった。
可知 充希:「ごはんの最中に立つんじゃありませんっておこられちゃった……」 コーヒーをおぼんにのせて帰ってくる。
加茂 由香里:「まあ、コーヒーまで」これもいい香りでわかる。
加茂 由香里:「充希ちゃんのお父さんが淹れてくれてるんですよね」
若菜美奈人:「当然だな」何故か腕組みしている。
可知 充希:「うん!パパがね、『充希がおせわになってる人たちだからサービスだ』って」
可知 充希:「みなとおにいさんとベルちゃんも、飲みたいものがあったら言ってね!」
加茂 由香里:「いいんですか。ありがとうございます」そちらに声をかける。
ベル:「ありがとうなのですよ!」
若菜美奈人:「俺は……」言いかけて。「俺も同じものを」
可知 充希:「はーい!」 またぱたぱたとかけていこうとして、すぐ戻ってくる。
可知 充希:「パパがもうみなとおにいさんの分いれてくれてた!『みなと君の好みはおみとおしだ』って!」
若菜美奈人:「……」机の上のガムシロップに伸ばしていた手を止める。
加茂 由香里:何も入れない深煎りのコーヒーをいただいている。「ふふ」
ベル:「仲良しなのです」にこにこ
若菜美奈人:「世話になっているだけだ」
可知 充希:「ふふー。それに、パパはすごうでバリスタだからね!」
加茂 由香里:「こちらもとってもおいしいです」深みのある味わいと香り。
加茂 由香里:「このお店も、往来館に負けないくらい」
加茂 由香里:「大事にされているものばかりですね」
若菜美奈人:「物よりも余程のものがあるがな」食べ終えている。コーヒーを一口。
可知 充希:「? 物よりよほどのもの?」
すーちゃん:「かぁ」 分かってるじゃないの意。
かーくん:「かぁ」 当然だけどな!の意。
ベル:やっぱり美奈人さんはいいひとだなあの認識をさらに更新しました。言うと否定されるのを学んだのでニコニコだけしている。
若菜美奈人:「何をニヤニヤしてる」
ベル:「美奈人さんが充希ちゃんの先生でよかったなーと思っただけなのですよー?」
ベル:「ね、充希ちゃん」
可知 充希:「? うん!」 話の流れは何も分かっていないが確かに良かったなーと思っているので頷く。
若菜美奈人:「そう判断するのは」コーヒーをすでに飲み干している。立ち上がる。
若菜美奈人:「この後にしてみせろ。これから……」
若菜美奈人:「先のお前の成績をご両親に伝えるからな」
可知 充希:「えっ!?」
若菜美奈人:「えっではないが」
加茂 由香里:「じゃあ、私とベルさんは飲みながら見守っています」
ベル:「ふぁいとなのです」まったりの姿勢
可知 充希:「だ、だって急に……え、先のって往来館での話だよね!?」
若菜美奈人:「?以前からこれまでだが?」
若菜美奈人:「どうして往来館より前はしないと思っている」
可知 充希:「ひえぇ……」 今までのいろいろを思い返して。
可知 充希:「あれ、あたし怒られるようなことしてない、よね……?」 かーくんとすーちゃんに助けを求める視線。
すーちゃん:「……」 そっと目を逸らす。
かーくん:「か、かぁ!」 励ますようにぱさぱさ羽を広げて何か言っている。
可知 充希:「わあぁーーーん!おねがいみなとおにいさん、アレとアレとアレはだまっててー!」
若菜美奈人:「2つしか心当たりがないが……」
可知 充希:「あっ」
若菜美奈人:3つ目を思い返そうとしている。
可知 充希:「じゃあその二つをだまっててくれたらいいからー!思い出さないでー!」
可知 充希:立ち上がったみなとおにいさんの前に立って手を掴み、ゆらゆらと揺らしている。
GM:コーヒーの香りが漂う、いつものカフェ『止まり木』。
GM:いつものごとく、賑やかな声が辺りに響いている。
GM:それは、帰ってきたということ、なのかもしれなかった。


エンディング2 ベル


【天弓山・宛無御殿】

GM:山の中のやや面倒な……あなたにとっては馴染みの深い道を登っていけば、そこには幽玄の御殿がある。
GM:門番に通してもらい、あなたは再びよく知った建物の広間の中にいた。
アテナシ:「……ぬ、無事帰ってきたか……そうかそうか。しかし」
アテナシ:「すまぬ、この面をクリアしてから話は……」
アテナシ:「あっ」
アテナシ:「ああーっ!」
GM:何か墜落したような効果音と共に、肩を落としている主がいる。
ベル:「ただいまなのです、おじいさま」いつものことなので気にしてない
アテナシ:「うむ、よくぞ戻った」ゲーム機をスリープモードに。
ベル:「今回もいろいろあったのですよ。支部長さんに会って、ホテルに行って、そしたら……」
アテナシ:「ふむふむ」身を乗り出して、聞く姿勢。
ベル:わちわちと手を動かしながら、今回の件について語る。
アテナシ:「ほうほう」
ベル:友達がかっこよかったこと、優しいお姉さんとお兄さんがいてくれたこと、それから――
アテナシ:「それはそれは」相槌を打ちながら、熱心に聞いている。
ベル:「それで……今回、わるいことをしちゃったのは」
ベル:「時計の、いっぱい愛されてたはずの、あやしだったのです」弾んでいた声が落ちる
アテナシ:「……なるほどのう」
アテナシ:「良い気分ではなかろうな、同胞を止めるというのは」
アテナシ:「我にもたんと覚えがある」うん、と頷く。
ベル:「……おじいさまも?」
アテナシ:「それはそうよ。そなたの何倍長生きをしておると思っておる」
ベル:「ぼく、あのこを止めたかったのです。でも、なかったことにはしたくなくて、覚えてようとも思ったのです」
ベル:「それはちゃんと、出来たのですよ。それでも……」
ベル:「きゅうーって、なるのです、ここが」ネックレスが下がる、胸のあたりを指す。
アテナシ:「……辛かろうな。だが」
アテナシ:「それを、覚えておくがいい」
アテナシ:「その気持ちを失くしては、そなたも鬼に成り果てるのと同じことゆえ」
ベル:「……うん」
ベル:自分の何倍も生きているおじいさまは、自分の何倍もこの痛みを知っているのだろう。
ベル:それがさびしいような、それでも今を楽しむおじいさまがまぶしいような、不思議な気持ちになって。
ベル:「……おじいさま」
ベル:「ぼく、がんばってきましたのですよ!」胸を張って、ちゃんとそれを報告した。
アテナシ:「うむ! 実に良き話を聞かせてもらった」
アテナシ:「……現実はの。ゲームとは違って、何かを倒せばレベルが上がるということもないが」
アテナシ:「そなた、またひとつ大きくなって帰ってきたと、そう思うておるぞ」
アテナシ:目隠しの後ろで、目を細めているような気配がある。
ベル:「えへへへ」
ベル:「そのうちおじいさまよりおっきくなるのですよ!」むん!
アテナシ:「ほう! それは楽しみよのう。負けぬぞ?」くつくつ笑う。
ベル:「ひとのごはんも前より食べるようになったし、きっとぼくはぐんぐん伸びるのですよ」
ベル:「おじいさまも今度オムナポリ食べに行くのですよ! あ、鳥さんだとお店入れないのです……?」
アテナシ:「む、それは一度口にしたかったものだが……いかんせん鳥ではな」
アテナシ:「土産物として包んでもらうわけにはいかぬか……?」
ベル:「ぼく知ってるのですよ、『ていくあうと』ってやつなのです」
ベル:「充希ちゃんに聞いてみるので、楽しみにしててほしいのですよ」
アテナシ:「そうしておくか。そなた、友もずいぶんと増えたようよの」
アテナシ:「良い良い、そのまま、多くの者と繋がっていくがよい」
アテナシ:「それが、そなたを守ろうゆえに、な」
ベル:聞いたことがある。オーヴァードは、他者とのつながりがとても重要だと。
ベル:難しいことは分からないけれど、仲良くするのは得意な方だと思っているので。
ベル:「はいっ!」
ベル:――楽しいだけじゃない、嬉しいだけじゃない。
ベル:悲しいことも、怒らなきゃいけないことも、終わってなお傷が残ることも、この世界にはあって。
ベル:だからみんな、守りたくて、がんばってる。
ベル:ぼくは、何を守りたいんだろう? ……少し前まで、そんなこと考えもしなかったのに。
ベル:「おじいさま、これからもぼくのこと見ててほしいのですよ」
ベル:「ぼくが町いっぱいに笑顔を咲かせられる、おっきなお花になるところを」
ベル:名もなき花だったころから変わらない存在意義は、多くの関りを経てなお大きな夢となる。
ベル:これが今のぼくだと言えることが、なんだか誇らしかった。


エンディング3 加茂 由香里


GM:ホテル『往来館』にまつわるジャームについては、UGN側で処理を行った。
GM:また、従業員や未だホテルに住まうらしいレネゲイドビーイング……あやしの件については、
GM:今後UGNの方で監督し、ホテル側からも報告を行うこと、などを条件に無事通常営業へと戻った。
GM:あなたはその事後処理と、ホテル側からの礼も兼ねて再び往来館へと呼ばれていた。


【雨宿町・ホテル『往来館』 支配人室】

GM:あなたが通された、少し油の匂いのする部屋は、以前よりは空気が軽くなったようだった。
高河 早人:「……このたびは、どうもありがとうございました」
高河 ありさ:「本当に、いてもらえてよかったです!」
加茂 由香里:「いえいえ。ちょうど、支部の関係の人が何人もいましたし」
加茂 由香里:「支部としても、ティアーズの件は優先していた事項だったので…」
加茂 由香里:「今頃、若菜くんが支部に上げてくれてると思います」
高河 ありさ:「若菜さんにもお世話になって……お礼を伝えておいてくださいね」
加茂 由香里:ありささんのほうへ顔を向ける。「はい」
加茂 由香里:「おふたりもいろいろと大変だったかと思いますし」
加茂 由香里:「……あの時計があったところは、今はどうしてるんでしょうか?」
高河 ありさ:「今は一旦隠してます。壁紙の色が変わっちゃってて」
高河 ありさ:「いつかは、新しいものを置いたりもするんでしょうけど……ちょっと迷ってますね」
高河 早人:「長年手入れをしていましたから……寂しくなります」
加茂 由香里:「そうですよね」
加茂 由香里:微笑む。変わってしまった壁紙の色はわからないけれど。
加茂 由香里:(……なんだか、嬉しいような気分になっちゃうな)
加茂 由香里:「おふたりにも」
加茂 由香里:「いろいろと、支部のほうで…情報を提供していただくことが、あるかとは思いますが」
加茂 由香里:「今回の件しかり、月路さんの件しかり」
加茂 由香里:「思い出に、無遠慮に踏み入ることにならないようにと」
加茂 由香里:「…そういうつもりなので、なんと言うのかな…あまり気負わず、いて頂ければありがたいです」
高河 ありさ:「私の方は大丈夫です。……詠子ちゃんのことは、むしろわからないことだらけだけど」
高河 早人:「……ご配慮、感謝します」
加茂 由香里:「私も、町のひとりとして」
加茂 由香里:「このホテルが、変わらずにあってくれて嬉しいんですよね」
加茂 由香里:「モーニングが美味しいって聞いてるのに、まだ行けてませんし」笑う。
高河 ありさ:「あら、それはぜひ来ていただかないと。宿泊していなくてもお出ししてますからね」
加茂 由香里:「そう、住んでいるのにそこを知らなくって」
加茂 由香里:「前にここで頂いた紅茶も美味しかったから、絶対行かないとって決意を固めてました」
高河 早人:「……いらしてください。何度でも。割引券もお渡ししますし」
高河 早人:「先ほど、思い出に無遠慮に踏み入ることにならないように、とおっしゃっていただけましたが」
高河 早人:「私はむしろ、暴いてもらえてありがたかったので、お礼を」
高河 ありさ:「お父さん、そういう重い話をいきなり言うの良くないと思う」
加茂 由香里:「ふふ」
加茂 由香里:「貰えるなら貰っちゃいます。…あ、そうだ」
加茂 由香里:「高河さん、お酒は嗜まれますか」
高河 早人:「え? ああ、軽くですが」
高河 早人:「晩酌程度に」
加茂 由香里:ふむふむ、とありささんを呼ぶ。
加茂 由香里:小声で。「調査部うちの早川さんと、時田さんが飲み友達なんですよ」
高河 ありさ:「あっ、渋いコンビですね」ひそひそ。
加茂 由香里:「今の時田さんと、どこかでお話できたらいいのかなんて、勝手に考えていたんですが」
加茂 由香里:「……正直、そこだけだと口下手そうだと思って」
加茂 由香里:「早川さんを置いて、ちょっとお話できたら素敵かもしれない、なんて」
加茂 由香里:「思ってたんですよね。早川さんにも時田さんにも言ってませんけど」
高河 ありさ:「えーっ、すごく助かります」
高河 ありさ:「そうですよ、お父さん、普段お友達とかいないし……」
加茂 由香里:「あら、じゃあ呼んじゃおうかな…言ってないんですけどね」また笑う。
加茂 由香里:「でも、どうせ調査部の人はみんな気になると思います」
加茂 由香里:「これだけ愛されて大事にされた器物たちのこと」
加茂 由香里:「知りたいに決まってます」
高河 ありさ:上を見上げる。照明器具はレトロに見えるが、明かりは最新のものだ。
高河 ありさ:「いるんですよね。嬉しいのと、少し緊張するのと」
高河 ありさ:回りも見回して。
高河 ありさ:「私も、皆さんに知ってもらえたら嬉しいです」
加茂 由香里:彼女の所作に気づいて、顔を上に向ける。
加茂 由香里:その光は、見えない。あの時聞こえた声のようなものも、今は分からない。
加茂 由香里:けれど、それでいいなと思う。在ってくれれば。それを、知っていれば。
加茂 由香里:(やっぱり、眩しい)
加茂 由香里:見えないものに、そう思う。
高河 早人:「あの時、加茂さんには、人に言えない秘密はありますか、とお聞きしました」
高河 ありさ:「そんなこと聞いてたの!?」
加茂 由香里:「あはは、聞かれましたね」
高河 早人:「話のきっかけにと……」
高河 早人:「……今は、どうか」
高河 早人:「もしあるのなら、それを大事にしていてほしいと」
高河 早人:「記憶の欠片など、普通は見えないものですから」
加茂 由香里:「ああ」瞬きする。「そうですね……」
加茂 由香里:自分の秘密より先に、見てしまう、人の記憶のほうが浮かぶ。
加茂 由香里:……そして、それを思うと、彼と同じ結論に行きつくのだ。
加茂 由香里:「うん」
加茂 由香里:「大事にします」「そして」
加茂 由香里:「重たくなる前に、お手伝いできたらと」
加茂 由香里:「そう思います」
高河 早人:「ええ、次は必ず。重たくなる前に」
高河 早人:「十年は、寝かせすぎました」
高河 ありさ:「……私も。もし何かあったらよろしくお願いしますね」
高河 ありさ:「頼りになるエージェントの方に!」
GM:支配人室の照明が、一瞬ふと明るく瞬いたような気もしたが。
GM:あるいは、気のせいであったのかもしれない。


エンディング4 若菜 美奈人


GM:FHセル『ティアーズ』の件については支部に報告がなされた。
GM:そのリーダーの情報についても、急ぎ共有がされていくことだろう。
GM:あなたはやはり報告と事後処理のために、いつもの職場でもある支部、その支部長のデスクの前にいた。


【雨宿町役場・地域親交課】あるいは【UGN雨宿支部・司令室】

GM:大きなデスクは、いつ見ても書類とPC類で埋め尽くされている。
八千代 路夜:「……お疲れ様、"リープサンドッグ"」
若菜美奈人:「お疲れ様です」深く礼。
八千代 路夜:「おおまかな報告はもらっているけれど、あなたの視点で重要なところがあれば」
八千代 路夜:「ぜひきちんと聞かせてもらいたいわ」
若菜美奈人:「は。ティアーズ……新ティアーズですか?の首魁と遭遇しました」
八千代 路夜:「……最重要ね」頷く。
八千代 路夜:「これまでは、手勢が散発的に襲撃してきただけだったから」
若菜美奈人:「"ファディダディ"月路詠子。今回の事件については被害者側であるとの主張をしていましたが」
若菜美奈人:「……真実の可能性が高いでしょう。本人が巻き込まれる理由がない」
若菜美奈人:「そう思わせるためのブラフの可能性がないでもないですが……」
若菜美奈人:「顔を知られるデメリットと釣り合わない」
八千代 路夜:「確かにそうね。偶発的な事故だったと考えるのが筋が通る……」
八千代 路夜:「反対に、その事故でこちらはセルの重要な機密を知ることができた」
八千代 路夜:「これは、かなりの前進だと思うわ」
若菜美奈人:「はい」
若菜美奈人:「"春待ち"は敵対的でした。敵対的になりきれないでいる様子ではありますが」
若菜美奈人:「取り込まれる、という様子とは思い難いかと」
八千代 路夜:「それは良かった。以前の縁もありますからね」
若菜美奈人:「"エフェメライラ"は逆に……敵対的な様子が薄い」
若菜美奈人:「……とはいえ、これも協調の様子とは思いませんが」
若菜美奈人:「純粋な“慣れ”の問題かと」
八千代 路夜:「あの人は、性格的なものでしょうね。そこは安心よ」
若菜美奈人:「“鴉の”についても問題なしです。遺産の経過も同様」
若菜美奈人:「問題があれば俺がなんとかします」
八千代 路夜:「よく見ていてくれているようで何より。助かるわ」
八千代 路夜:「遺産に関しては、どうしても持つものとそうでないもので理解が違ってくるから」
八千代 路夜:「あなたをつけて良かったと思っています」
若菜美奈人:「は。貢献できているなら何よりです」
若菜美奈人:「……月路詠子の足取りは掴めていませんが」
若菜美奈人:「良くも悪くも……この街を気に入っているようでした」
若菜美奈人:「捕獲難易度と事件の懸念の面で良くもあり、悪くもあります」
八千代 路夜:「……気に入って、またこっち側に投降してくれるならいいのにねえ……」
八千代 路夜:「先の話を元に、あなたの視点で」
八千代 路夜:「今の『ティアーズ』の脅威についてはどれほどのものだと思う?」
八千代 路夜:「私はそのリーダーに会っていないから、わからないのよ。狙いも、恐ろしさも」
若菜美奈人:「不明としか。ただ……」
若菜美奈人:「ジャームではないでしょう」
若菜美奈人:「経験上、そうでないほうがその脅威度に“幅”があります」
若菜美奈人:「上に見積もって問題ないかと」
八千代 路夜:「理解しました。幸いと言えば幸い……」
八千代 路夜:「でも、リーダーまで現れたとなれば、また向こうの動きは活発になるのでしょうね」
八千代 路夜:「忙しくなるわ。また何かとお願いすることも増えると思う」
若菜美奈人:「そのための準備をしていた節があります。はい。お任せください」
若菜美奈人:「むしろ元々、俺はそちらのために呼ばれたと認識しています」
八千代 路夜:「頼もしい。普段ならもっと肩の力を抜いてとも言うんだけど……」
八千代 路夜:「そうも言っていられないわね。本当に」ため息をつく。
若菜美奈人:「……逆に。今回のような事件であれば」
若菜美奈人:「必ずしも俺は必要ではなかったと思っています」
若菜美奈人:「おそらく彼女らでもやれたでしょう。居た事で幾分は楽に進めてやれたとは思いますが」
若菜美奈人:「ですので……そうですね」
若菜美奈人:「あながち悲観のみに浸らずともよいのでは、とは」
八千代 路夜:「……そうね。こちらは無勢ではない。頼れる人たちがいる。もちろんあなたも」
八千代 路夜:「それと、あなたは今回の事件で、何か考えること、感じることは少しもなかった?」
八千代 路夜:「『彼女らでもやれた』って思えたのではない?」
八千代 路夜:「なら、あなたがいたことも必要だったのだと、そう思います。私はね」
若菜美奈人:「……失礼しました」
八千代 路夜:「無事で行って帰ってきてくれるなら、それに越したことはないしね」
八千代 路夜:「一番大事な任務を、ありがとう」
若菜美奈人:「は。任務は完了しました」
八千代 路夜:「お疲れ様でした。"リープサンドッグ"。今回の事件に関しては完了」
八千代 路夜:「ただ、引き続き日常の警戒は怠らず、お願いします」
八千代 路夜:「お願いね、私たちの町のエージェント」
若菜美奈人:「はい、“リーチパーチ”。我々の街の支部長」
若菜美奈人:「貴女が育む雛どもは……存外」
若菜美奈人:「しなやかなものだと思いますよ」
若菜美奈人:雛ではありますが、と続けて。一礼。身を翻した。


エンディング5 可知 充希


GM:事件に巻き込まれた純然たる被害者である江宮詩絵は、無事UGNに保護された。
GM:結果、記憶処理が施され、十六夜邸での出来事はどこか遠い夢か何かのように、半分忘れた状態でいる。
GM:月路詠子については、「今回は残念ながら会えなかった」ということになっているようだった。
GM:そうして、無事に日常に帰った彼女と、あなたはいつもの場所で話をする。


【雨宿町・カフェ『止まり木』】

可知 充希:ちょっぴり古ぼけた目に優しい緑色のソファと、同じ色のクッションが付いた背の高い椅子。
可知 充希:その二つで挟んだテーブル席は、今は半分くらいうまってる。夏ももうすぐ終わりそうなおやすみの日の昼さがり。
可知 充希:みんなで集まって宿題を広げてる高校生のおにいさんたちに、楽しそうにお話ししてるおばあさん2人組。
可知 充希:ゆっくりしたい人が多いから自然とテーブル席の方がうまり気味で、カウンターにはあたしたち2人だけ。
可知 充希:こぽこぽって音を立ててるサイフォンの前。パパのうでまえが見られる特等席。
可知 充希:昔ほど高くしなくて良くなったけど、まだ足はプラプラしちゃう丸椅子にこしかけて。
可知 充希:となりには、昔より髪が伸びてオシャレさんになったおねえちゃんが、しっかり足をつけてすわってる。
江宮 詩絵:にこにこと微笑みながら、アイスコーヒーを口にしている。
江宮 詩絵:「うん、美味しい。昔はカフェオレじゃないと飲めなかったの」
可知 充希:「いいなぁ。あたしまだブラックのめないや」
可知 充希:手元にはパパ特製の充希スペシャル。ミルクの代わりの生クリームと蜂蜜を入れたとびっきり甘いカフェオレ。
可知 充希:「あたしもいつかのめるようになるかなぁ」 ペタンとつくえにつっぷしておねえちゃんを見上げる。
江宮 詩絵:「うーん、どうなのかな。人によるし……でも」
江宮 詩絵:「そのカフェオレ、すごく美味しそうだから」
江宮 詩絵:「それもそれで、羨ましいな」
可知 充希:「えへへー、でしょ!パパがいろいろためしてたどり着いたスペシャルブレンドだからね!」
可知 充希:「おねえちゃんも一口のむ?」
江宮 詩絵:「いいの? じゃあいただきます」
可知 充希:「どうぞ!」 両手でカップを差しだす。
江宮 詩絵:受け取って、小さめの一口。
江宮 詩絵:「……わあ、美味しい!」
江宮 詩絵:「さすが充希ちゃんのお父さん」
江宮 詩絵:カップを返しながら。
可知 充希:「ふふー。パパ!さすがって言われてるよー!」
可知 充希:ちょうど厨房の方に入ってたパパへと呼びかける。ぐっとサムズアップした右手が厨房の奥から覗く。
江宮 詩絵:「ふふっ」おかしそうに微笑んでから、少し何かを思い出すような顔に。
江宮 詩絵:「うん、昔もよくここに来て……勉強してたっけ」
江宮 詩絵:「充希ちゃんともこうして話して……ね。受験の時とか、大変だったなあ」
可知 充希:「受験の……ひっこしってちゃうちょっと前のときの?」
江宮 詩絵:「そうそう」
江宮 詩絵:「覚えてるかな? したいことがあるとかないとか、そういう話をしたような気がする」
可知 充希:「おぼえてるよ!したいことを見つけるためにいろんなことしよう、って」
可知 充希:「……あたしね、いろんなことたくさんしてきたけど」
可知 充希:「やっぱりやりたいことはまだ見つかんないや」
可知 充希:「おねえちゃんは?やりたいこと、見つかった?いろんなことできた?」
江宮 詩絵:「私はね……あんまりいろんなことはできなかったけど、やってみようとはして」
江宮 詩絵:「そしたら、結局勉強が一番楽しいのかも、って戻ってきちゃったの」
江宮 詩絵:「言われてやったことだけど、大学って楽しいよ」
江宮 詩絵:表情は、どこか落ち着いて幸せそうだ。
可知 充希:「そっか」 自分のことのようにうれしそうに、そして安心したように笑って。
可知 充希:「よかったぁ!むかしのおねえちゃん、大変そうだったし……なんかさびしそうに見えたから」
可知 充希:「楽しくなれて、したいって思えてて、よかった!」
江宮 詩絵:「……」少し考えて。
江宮 詩絵:「本当はね、その後もあって……また、別のことしなさいって言われちゃって」
江宮 詩絵:「それが辛かったんだけど、でも、言えなくて……」
江宮 詩絵:「だから、背中を押して貰えないかなっておもって、ここに友達に会いに来たの」
江宮 詩絵:「みんなとは会えなかったけど、お話をした。充希ちゃんにも合えたし」
江宮 詩絵:「それで……うんと……」夢を見ているような顔になってから。
江宮 詩絵:「わからないけど、ちゃんとお父さんお母さんと話そうって、それだけは決めたの」
可知 充希:「うん!ぜったいその方がいいよ!」
可知 充希:「せっかく楽しくなれたんだもん。すぐやめちゃうのもったいないし、さびしいし」
可知 充希:「あたしになにか出来るわけじゃないけど……おねえちゃんがしたいこと、応援するよ!」
江宮 詩絵:「ほんと? ありがとう。時間はかかるかもしれないけど、頑張ってみるね」
江宮 詩絵:「……いろいろ、形になったら、充希ちゃんにも知らせていい?」
可知 充希:「もっちろん!いつでもLINEしてね」 パッとスマホを出して見せて。
可知 充希:「あたしもお話ししたいこと出来たらすぐLINEするから」
江宮 詩絵:「うん、待ってる!」
江宮 詩絵:「なんだか……話せて気持ちが楽になったかも」
江宮 詩絵:「だから私、ここのお店が好きだった気がする」
江宮 詩絵:周囲の席をぐるりと見回す。
可知 充希:「ふふ。うちは『止まり木』だからね」
可知 充希:「お話ししたり、おやすみしたり、それぞれしたいことをして」
可知 充希:「来たときよりちょっぴり元気になってから帰れる、そういう場所なんだよ」
可知 充希:「そういう場所にしたいって気持ちをこめた名前なんだ、ってパパとママが教えてくれたの」
可知 充希:「だからおねえちゃんのことも元気にできちゃうの」 ふふーと自慢げに。
江宮 詩絵:「できちゃった」
江宮 詩絵:ぱっと華やかな笑みは、あの時のものとはだいぶ違っていて。
江宮 詩絵:「ありがとう、充希ちゃん!」
江宮 詩絵:声も、弾んでいた。
可知 充希:「どういたしまして!」
可知 充希:おねえちゃんが心から笑ってくれたことがうれしくて、おそろいのように満面の笑みを浮かべる。
かーくん:そうやって笑い合う充希のすぐ傍。椅子に掛けられたバッグの中。
すーちゃん:ストラップほどの小ささまで体を縮めて、二羽揃って潜んでいる。
かーくん:『充希、笑ってるな』
すーちゃん:『ええ。詩絵も笑ってるもの』
かーくん:ひそひそと言葉を交わし合う。その意味を聞き取れる充希にも聞こえない程度の囁き声。
すーちゃん:『急に結界に巻き込まれたときはどうなるかと思ったけど。丸く収まって良かったわ』
かーくん:『だなぁ。随分懐かしい頃のことも思い出せたし』
すーちゃん:『ああ、あの子の力の話?』
かーくん:『そうそう。由香里の話』
すーちゃん:あたし達は遺産。古来より伝わる、力と意思を持ったレネゲイド。
かーくん:『まだおれがかーくんじゃなくて、お前がすーちゃんが無かった頃』
すーちゃん:『あたし達が"我々"で、『叡智の双翼』だった頃』
かーくん:『懐かしいな』
すーちゃん:『懐かしいわね』
かーくん:おれ達は契約者に知を齎す。この瞳で見つけ、この頭脳で捉えた全ての知啓を契約者に。
すーちゃん:あたし達は契約者に知を齎す。この翼で飛び回り、この瞳に収めた全ての知識を契約者に。
かーくん:「なにを知りたいか」。契約者に尋ねることなどそれだけだった。
すーちゃん:だって尋ねるべきは契約者の方だから。あたし達はただそれに答えるだけ。
かーくん:でも、充希は。まだひどく幼かったあの子は。
すーちゃん:でも、充希は。まだひどく幼気だったあの子は。
可知 充希:「かーくんもすーちゃんも、ものしりなんだねぇ」
可知 充希:「あたし、もっとふたりとおはなししたい!」
かーくん:契約を成すための言葉としては、本当は不十分だったけど。
すーちゃん:契約を成すには、あの子はあまりにもか弱く幼かったけれど。
かーくん:あのたった数十秒で、おれ達は変えられてしまったから。
すーちゃん:あのたった一言で、あたし達は「かーくんとすーちゃん」になってしまったから。
かーくん:「懐かしいけど、な」
すーちゃん:「ええ。懐かしいだけ、ね」
かーくん:思い出はたまに見返すだけで良い。
すーちゃん:だって、"今"がこんなにも楽しく眩しいものなんだから。
かーくん:充希の鞄の中、お互い以外だれにも知られないように。
すーちゃん:二羽はひっそりと笑い合った。

マスターシーン5 それから


【雨宿町・ホテル『往来館』 ロビー】

GM:柱時計は撤去され、照明は定期的にUGNの点検を受けることとなった。
GM:ホテルは紆余曲折がありながらも、これまでの通りに営業を続けている。
GM:ただ……。
高河 ありさ:「お父さん、これ見て!」
高河 ありさ:義足の足音を鳴らして、早足でやって来る影。今日も調子は良いようだ。
高河 早人:「どうした、ありさ」
高河 早人:父親は、壁紙を眺めていた。いつか新しい時計が来るまでは、残った跡はそのままだ。
高河 早人:今は別の家具を置いてごまかしているが、いずれは張替えが必要だろう。
高河 ありさ:「アルバムを探してたら、見つかったの。これ、おばあちゃんたちじゃないかしら」
GM:手にした古いセピア色の写真には、三人の初老の婦人が移っている。
GM:『再会を祝して。凪様、奈美様と。高河ふく江』
高河 早人:「ああ、本当だ。……仲が良さそうだな。良かった」
高河 ありさ:「そう。あとね。それだけではなくて」
高河 ありさ:「この筆跡。これ! この落書きと同じなんじゃないかなって」
高河 ありさ:破れた壁紙の下、小さな跡を示す。
GM:『私はいつか帰ってくる』
高河 ありさ:「おばあちゃん、このお願いを叶えたんだと思うの」
高河 ありさ:「すごくすごく、ここが好きだったのね」
高河 ありさ:「……どんな人だったのかな。私、会ったことがなくて」
高河 ありさ:「いなくなったらもう会えないって、当たり前だと思って」
高河 ありさ:「……そう、思うことにしてて。だから私、失くしたもののことは振り返らないことにしてて」
高河 ありさ:「でもそれは……」
高河 早人:「ありさ」
高河 ありさ:「うん。わかってる。わかってるし、まだ怒ってるんだからね、お父さん」
高河 早人:「………」
高河 ありさ:「まあ、お話はちゃんとしたことだし」
高河 ありさ:くるりと一回回る。長いスカートがふわりと揺れた。
高河 ありさ:「しっかりとこき使ってあげますからねえ」
【高河ありさ・ホテル『往来館』支配人】あるいは【"クー・クー"UGNイリーガル】
高河 早人:「……本当なら、お前が成人した時にでもそうしておくべきだったんだよ」
高河 早人:「適性の面でもな。ただし」
高河 早人:「引継ぎは面倒だぞ。この十年分の蓄積があるんだ」
【高河早人・ホテル『往来館』主任技師】あるいは【"スキュアーズ"UGNイリーガル】
高河 ありさ:「お父さん、几帳面だから全部残してるでしょ? 面倒でも安心です」
高河 ありさ:色の変わって破れた壁紙を見つめる。
高河 ありさ:「まずはここの修理の手配が、私の最初の仕事」
高河 ありさ:「この館がどうなっていくのかは、まだわからないけど……」
高河 ありさ:時を止めた時計と、今も見守っているという明かりとを想う。
高河 ありさ:ここであったことを忘れてしまった友達と、ここから消え去ってしまった友達のことも。
高河 ありさ:「でも、ここは往来館。きっとまた人は往って来るはずだから」
高河 ありさ:そっと壁に触れる。かつて祖母がそうしたであろうように。
高河 ありさ:「また、よろしくね」
GM:返事はない。それが日常で、幸せというものだから。
GM:ただ、天井の光は、上からずっと見守っている。今日も、明日も。

GM:某県雫原市・雨宿町。
GM:昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
GM:この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
GM:山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
GM:町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。

GM:町の片隅にある、時が止まったような小さなホテル。
GM:それでも人は行き来して、しばしの踊り場となる、そんな場所であり続けている。
GM:時を刻めぬ時計は姿を消して、再び全ては動き出す。
GM:愛された物の記憶は、きっとまた、いつか誰かの背中を押すだろう。


『リプレイ・ドロップ 雨宿町白楼夢~微睡みは降る時を知り~』了