リプレイ・ドロップ
雨宿町鵺追物~鬼洗い来れり~
メイン 見学
PC1:"導雷身"桑原 そら(キャラシート)PL:闇猫
PC2:"光芒双閃"滝道 晶(キャラシート)PL:月見鳥
PC3:”影追い”石神井 寅彦(キャラシート)PL:めかぶ
PC4:”リープサンドッグ”若菜 美奈人(キャラシート)PL:DT
GM:さささ
目次
プリプレイ
GM:では、セッションを開始していきます。
GM:まずはPC紹介から。
GM:PC1の桑原さんからお願いします。

好きな顔メーカー
キャラシート
桑原そら:はーい!
桑原そら:「わたしは大きなそらですので!」
桑原そら:桑原そら、17歳のJKチルドレンです
桑原そら:元気で明るい腹ペコ娘(アホの子ではない)です、ご飯たくさん食べます
GM:きゃー
桑原そら:身体が機械化されており、ぱっと見は小学生くらいに見えるかもしれません
桑原そら:身長は小さいのですが心は大きくいこうと思います
GM:かわいい
桑原そら:性能としましてはブラックドッグ/バロールのクロスで完全なガード型
桑原そら:機械化兵と拒絶領域のダメージ軽減で83ダメージまでは素の状態で受けられます
GM:?
GM:なんて?
桑原そら:その代わりに飢餓の変異暴走で本当に攻撃は何も出来ません、ダイスが振れないからね
GM:これで攻撃までされたら困っちゃう
桑原そら:ミドルもそこまで強くはないですが頑張っていきたいです
桑原そら:よろしくお願いします!
GM:はーい! 忘年会だしごはんたくさんたべな
GM:会費は一律ですからね。
桑原そら:やったー!
桑原そら:美味しく食べます!
GM:では、ハンドアウトはこちらです。
PC1
"導雷身"桑原 そら
シナリオロイス:新城 ひわ(しんじょう・ひわ。小柄で元気な女子。非オーヴァード。推奨感情:親近感/不安)
あなたは雨宿町に住む学生のオーヴァードだ。
あなたのクラスメイト/先輩/後輩である新城ひわは、ある日あなたに妙な話を持ちかけてきた。
曰く、「亡くなったはずの犬のノエルとまた会えた」と言う。
普段は超常現象を信じるような素振りは見せない彼女だが、今回はやけに信じ込んでいるように見える。
支部からの任務の傍ら、調べてみてもいいかもしれない。
GM:あ、そのまんまにしてあるや
GM:クラスメイトでいいでしょうか?
桑原そら:はーい

新城 ひわ:よろしくー!
桑原そら:よろしくお願いしますね!
GM:背の順前の方友達とかだと思う
桑原そら:きっとそうですね
GM:わりにしっかりした子ですが、ちょっと大変みたい。助けてあげてね。
桑原そら:はいはい!もちろんですとも!
GM:あと、任務については後ほどちょっと書きます。
桑原そら:はーい!
GM:ではPC2の滝道くん!

お前も男にしてやろうか
キャラシート
滝道 晶:はーい
滝道 晶:UGNチルドレンの滝道晶、コードネームは”光芒双閃”。
滝道 晶:生まれも育ちも雨宿町の、わりと普通の男子高校生。
GM:ひゅー!
滝道 晶:若干ミーハー気質で、最近はギターに興味あり。なおド初心者。
GM:かわいい
滝道 晶:言動は軽く、基本的に一度会った相手は名前呼びになります。
滝道 晶:性格は若干ヘタレ気味ですが人当たりも良く、感情がすぐ顔に出るタイプ。
GM:フランクでありがたい
滝道 晶:ペン回しにハマってた頃、無意識にペンを作っていて覚醒を自覚しました。
GM:その話大好き
滝道 晶:典型的な物質作成型の能力を持ち、近接武器を作成します…が。
滝道 晶:白兵戦の才能がこれっぽちもないことが発覚。
滝道 晶:悩んだ末に、作った武器をピッチングのように投擲するようになりました。
GM:工夫!
滝道 晶:そんな経緯もあり、近接戦が出来る人はマジリスペクトしてます。
滝道 晶:データ的にはダブルクリエイトした武器を魔弾の射手で弾にする射撃型。
滝道 晶:純アタッカー気質なので戦闘では活躍…できるといいな
GM:してくれー
滝道 晶:こんな感じでしょうかね、よろしくお願いします!
GM:はーい、滝道くんはホテルが大変だった時に一度いらしてくれてますね。
GM:二度目のよろしくお願いします!
GM:では、ハンドアウト。
PC2
"光芒双閃"滝道 晶
シナリオロイス:"ヒルカクロフ"戸神 富久郎(とがみ・とみくろう。長身で気弱なUGNの処理部員。推奨感情:親近感/不安)
あなたは雨宿町に住む/滞在するオーヴァードだ。
あなたがUGN雨宿支部の一部署である『(株)ピカピカ』を訪ねると、支部員が何やら相談中の様子。
あなたの知人である戸神富久郎は、仕事の件で何かと悩みがあるらしい。
真面目で考え込みやすい彼のことだ。深みにはまる前に、相談に乗ってあげるのもいいかもしれない。
たとえば、ちょうどその日開催予定の忘年会(飛び入り歓迎)などで。
GM:わりとぼんやりしたハンドアウトですが、継続NPCの人と仲良くなってあげてほしいです。
GM:身長でかくてメカクレの人ですがこわくないよ

戸神 富久郎:……よろしくお願いします……
滝道 晶:富久郎さんだ
GM:です! 忘年会があるから行ってあげてね
滝道 晶:ぜんぜん怖くないっすよ~
滝道 晶:忘年会!どんちゃん騒ぎ!
GM:さわいじゃえ 未成年は飲酒厳禁
滝道 晶:大学生ならいいときいた
滝道 晶:なお高校生です
GM:だめじゃん
滝道 晶:ダメだった…
GM:ルールを守って楽しく宴会! よろしくお願いします!
GM:ではPC3の石神井さん。

キャラシート
石神井寅彦:はーい!
石神井寅彦:石神井寅彦(しゃくじい・とらひこ)です。コードネームは《影追い》。
石神井寅彦:25歳・男、小洒落た風貌のUGNエージェント。
GM:きゃー
石神井寅彦:エージェントをしてない時は、口八丁のインチキ占い師をしています。
石神井寅彦:とにかく人の話を聞くのが好きという馴れ馴れしい性格。
GM:好き
石神井寅彦:そ そんな…
石神井寅彦:香りと影を通じて相手の心に入り込むことができ、特に非オーヴァードに強い効果を放ちます。
石神井寅彦:こいつに近付くと無条件に「なんだか懐かしい香りがするなあ」ってなって、そのままなんとなく心を許しちゃう…みたいな。
GM:好き
石神井寅彦:そ…
石神井寅彦:その人がどんな香りを感じるか、石神井自身は基本的に分からない(意識的に能力を使えば分かるけど、基本は踏み込まない)ので、
石神井寅彦:ぜひ「○○の香りだ…」みたいな演出に活かしたりしてね。
GM:活かしてね!
石神井寅彦:本人からは香水の香りがします。ある程度慣れればそれにも気づくんじゃないかな?
石神井寅彦:自分のPCのRC能力に照らし合わせてなんかやってみると楽しいかも。
GM:楽しそうー!
石神井寅彦:シンドロームはウロボロス/ソラリスのRC単体攻撃型。
石神井寅彦:《止まらずの舌》やイージー《シャドウダイバー》といった心踏み込み系エフェクトを持つほか、
石神井寅彦:《奇跡の雫》《記憶探索者》といったロイス防御手段もあるので、パーティの生存に貢献できれば幸いです。
GM:今回守りが堅いんですよね……!
GM:がんばろ
石神井寅彦:今回は年長者なので、みなさんのお話をたくさん聞けたらいいな~!聞きたい~!と思ってます!
石神井寅彦:以上です。どうぞよろしくお願いします!
GM:石神井さんは怪事件始めたくさん参加してくれてますね。よろしくお願いします!
GM:石神井さんは招待枠なので、こちらも楽しみにしております
石神井寅彦:てれるぜ
GM:ではハンドアウトはこちら。
PC3
"影追い"石神井寅彦
シナリオロイス:夢見(ゆめみ。身元不明の少女。推奨感情:好奇心/不信感)
あなたはUGN雨宿支部のエージェントだ。
ある日あなたは町内でワーディングの気配を感じ、向かった先で和装の少女に話しかけられる。
夢見と名乗った少女はどこか曖昧な状態で、どこへ帰ればいいのかもわからないらしい。
オーヴァードとしての力も不明かつ不安定な状態の彼女は、支部の指示であなたに委ねられることとなった。
GM:いきなり謎の少女が出てきました。
石神井寅彦:なんてこと

夢見:謎らしい……
石神井寅彦:えーっ超かわいい
GM:見た目中学生くらいかな? この子も小柄っぽいですね
GM:何かとわからないことが多いので、まず保護といろいろ調査してほしいという感じです
石神井寅彦:なるほど~ うまく仲良くなれるようにがんばりたいと思います!
GM:仲良くしてあげてー
GM:では最後、PC4の若菜さん。

ぬるめーかー
キャラシート
若菜美奈人:はい。
若菜美奈人:“リープサンドッグ”若菜美奈人(わかな・みなと)。
若菜美奈人:雨宿町では皆さん御存知の通り、最近とても事件が増えており精力的……由々しき事態であるので
GM:ゆゆしい
若菜美奈人:応援として派遣されたチルドレン上がりのエージェントです。
GM:いらっしゃい!
若菜美奈人:戦闘要員としては各地を転戦してたプロですが、今の役場職員(地域振興課交通担当)のカヴァーがぜんぜんだめ。
若菜美奈人:なので事務できるエージェントには尊敬の眼差しを抱いています。
GM:なんかリスペクト精神ある人多いですね
GM:よいこと
若菜美奈人:能力は雷撃。同じく雷使いだった師匠の形見が遺産化したコートを継承してます。
若菜美奈人:架空の架空線を戦場に張り、そこに電撃を印加することで戦う。
若菜美奈人:性能的にはピュアブラックドッグながら、蛇王の外套の力で《アームズリンク》を原初の赤で取ることで
若菜美奈人:混沌槍の効果を受けつつリミットを手早く取得しています。とにかく火力で殴るだけ!
GM:戦闘要員だー!
若菜美奈人:成長でHPを増強し、《雷鳴の申し子》の威力も向上しました。全部焼きます
GM:ひえ
若菜美奈人:あと芸術:タイピングも覚えたので事務も完璧だと思います 文武両道目指します
若菜美奈人:よろしくお願いします!
GM:カタカタカタ!
GM:がんばって打鍵してください!
GM:さてハンドアウト!
PC4
"リープサンドッグ"若菜美奈人
シナリオロイス:"リーチパーチ"八千代路夜(やちよ・みちよ。落ち着いた女性の支部長。推奨感情:信頼/食傷)
あなたは雨宿町に住む/滞在するオーヴァードだ。
ここのところ、町は以前より騒がしく、事件が増えているのだという。
そんな中、支部長である八千代は、あなたにいくつかの任務を与えた。
そのうちのひとつは、以前町でRB=あやしの暴走事件を起こした少女の捜索。
ひとつは、町の墓地に咲く『割れずの桜』という木が季節外れの花をつけている。その件について調査部に向かい、調べてほしいというものだった。
GM:若菜さんもホテルの時にいらしたんですが
GM:その時のなんか不明な敵がどうやら少女だったらしいということがこないだわかりまして
GM:その捜索をお願いねっていうのと追加の小さめの依頼がひとつきます。
若菜美奈人:なんだとっ

八千代 路夜:がんばってね。よろしく。
若菜美奈人:は。全力で取り組みます
GM:ちなみに後でも書きますが、この少女についての依頼は支部全体に投げられています。
GM:若菜さん個人への任務が桜の方ですね。
GM:では、がんばってください!
GM:始まる前に、少し前提情報の共有をしたいと思います。
GM:自動開示情報が……今回は全部でみっつになってしまった
GM:さくさく出していきます。
★雨宿町のあやし=RBについて 自動開示
この町には古くからレネゲイドビーイングが発生し、時には怪異、時には隣人として共存をしてきた。
一般的なRBとやや異なる点としては『オリジンの形質に近い存在』になりがちなところ。
レネゲイドそのものとしての自覚が無ではないがやや薄く、憑依した先に同調しやすい。
そういったまとまりや行き先のない彼らを屋敷で後見しているのが、山の主を自称するアテナシという古代種RBである。
GM:一応書くと、今回このアテナシさんはおそらく出番がないかなって思います。
GM:(レネビ枠がいなかったので)
若菜美奈人:なるほどなあ
★雨宿町の土地と共振について 自動開示
この土地では、強力なレネゲイドの気配(ワーディングなど)に反応し、精神感応が起こることがある。
具体的には記憶や思念がその場の任意の人間に伝わりやすくなる。これを共振と言う。
※演出的には、主にオリジナルエフェクト使用後あるいは衝動判定時、シーン途中に半マスターシーンが挿入されます。
GM:ここまでが好き勝手やってる設定。
石神井寅彦:いつもお世話になっております
GM:そして今回、先ほど書いた支部全体への任務があります。
桑原そら:とても好き
★紗理羅について 自動開示
主にあやしの暴走事件を複数回起こしている、ジャームらしき黒いドレスとヴェールの少女。
衝動は恐怖と推定され、自分に絆を持つ相手を暴走させる能力があるようだ。
UGN雨宿支部では現在、彼女を要対処存在として調査・追跡を行っている。
あなたたちにも任務として彼女の捜索が依頼され、既に姿や特徴については知っていることだろう。
滝道 晶:ホテルの時の…!
GM:ここまでがわかってる情報で、この任務のために調査部に向かってね!というのを
GM:オープニングの後にやってもらいたいなと思っております。
GM:スムーズな合流にご協力ください。
若菜美奈人:ウス
GM:まあ、そこで忘年会に出くわすんですが……
石神井寅彦:忘年会とはね!
桑原そら:美味しいお鍋!
GM:人によっては最初から招待されててもいいです。
GM:飛び入り歓迎なので
GM:というところで、以上かな。
GM:では、トレーラーを流して開始していこうと思います。
某県雫原市・雨宿町。
昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。
年を忘れる、とそんな季節がやってきた。区切りの時もすぐそこに。
そんな夜道をうろつく獣が一匹。あるいはすぐ後ろにもうひとつ……。
ご用心。怖れを忘れることはできない。拭えない。
鳴り響く声に、耳を澄ませるかどうか。それは……あなたたち次第だ。
覚えてるっていうこと。
忘れてしまうということ。
……忘れさせてしまった、ということ。
鵺が鳴くのは、決まって夜です。
夜に紛れて、ようやく鳴ける。
声につられて、何かが忍び寄ってきても気づかないで。
狂い咲きの桜。慰めの石。死者の声。
どうして、こうなったのかな……。
ダブルクロス The 3rd Edition『リプレイ・ドロップ 雨宿町鵺追物〜鬼洗い来れり〜』
それでも俺は、俺を、裏切りたくはないです。
……伝わりますか。
マスターシーン1 混乱
GM:風の冷たい夜だった。
GM:鳥が細く鳴くような、何かが吠えるような、奇妙な声が響いた。
GM:やがて、軽い足音と、誰かのくすくす笑いと共に荒い息づかいの音。
????:「……だから、捕まってなんかあげないってば」
????:「しつっこいなあ……あれっ」
GM:近付いて来た誰かが、こちらを見た。姿は暗くてよく見えない。
GM:……女の子、のようだった。
????:「あはは、ほら。見られちゃった。僕の勝ち」
GM:彼女は、腕を、こちらに。
GM: 女は、 を、こち に。
GM: 女 、 を、 ち 。
GM: 、 、 。
GM:……………………
GM:…………
GM:……ええと、クリスマスに家にやって来たから、名前はノエル。
GM:親戚の家から、まだ子犬の時に貰われてきたらしい。
GM:私はまだ小さくて、覚えてもない頃の話。
GM:私とは、ずっと仲良しだった。
GM:散歩のリードを持たせてもらえるようになった時は、嬉しかったなあ。
GM:引っ張り回されないようになるまでには、ずいぶんかかったけど。
GM:そのうち年を取っても、ずっと元気だったし、病気も少なかった。
GM:ただ、少しずつ、ゆっくり、静かに、優しく。
GM:ノエルは体力を失っていって、そうして、ある日いなくなってしまったのだ。
GM:…………
GM:……………………
GM: 、 、 。
GM:そっか、でも、いるんだ。
GM:帰ってきたんだ。
GM:お帰り、ノエル。
GM:私、また会いに行くよ!
オープニング1 桑原そら
GM:登場侵蝕をお願いします。
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を1D10(→ 1)増加 (45 → 46)
【雨宿町・市立篠月高校 非常階段】
GM:二ヶ月ほど前のことだ。
GM:今よりもう少し風が暖かかった季節。
GM:あなたは校舎の裏手、人気の少ないあたりをたまたま歩いていた。
GM:落ち葉を風がさらっていく。暖かいといっても秋だ。長居は寒い。
GM:それなのに、小さく誰かの泣き声が聞こえた。
新城 ひわ:「…………っ、ぐすっ」

【新城ひわ・市立篠月高校二年】
GM:非常階段に腰かけて、ぽろぽろと涙をこぼしているショートヘアの女子。
GM:あなたのクラスメイト、新城ひわだ。
桑原そら:「……ひわちゃん?」
新城 ひわ:「…………」あなたの声に、顔を上げる。
新城 ひわ:「……あ、そらちゃん……」
新城 ひわ:あなたより少しだけ背が高い、小柄な女子。
新城 ひわ:普段は、しっかり者で通っている生徒だった。
桑原そら:「なにか…あったんですか?」いつも元気な彼女が泣いているなんて
新城 ひわ:「あ、うーんと、ごめんね!」
新城 ひわ:顔をぐしぐしと袖で拭く。
桑原そら:「……わたしには話せないことですか?」
新城 ひわ:「見られたくなくてこっちに来たんだけど……えっと」
桑原そら:「話したら少し楽になるかもしれないですし」
新城 ひわ:「うん。……そらちゃんなら、いっか」
桑原そら:「ふふ…、頼ってもらえて嬉しいですね」
桑原そら:「それで……、何があったんです?」
新城 ひわ:「うちね、犬を飼ってたの。もうおじいちゃんで」
新城 ひわ:「ノエルっていう……いったんだけど」
桑原そら:「ふんふん、たまにお散歩してるのを見ましたね」
新城 ひわ:「そう、まだ元気だと思ってたんだ。……でも」
桑原そら:「……ああ、なるほど」
桑原そら:「それは……寂しいですね」
新城 ひわ:「……寝たまんま静かにいなくなっちゃった、って感じだから」
新城 ひわ:「苦しくはなかったみたい。けど、うん」
新城 ひわ:「……寂しい……」
新城 ひわ:また目を拭う。
桑原そら:「思いっきり泣いちゃうといいですよ」
桑原そら:「ここにはわたしとひわちゃんしかいませんから」
新城 ひわ:「……私、風紀の副委員長なんだよ?」少し笑って。
新城 ひわ:「……いい?」
桑原そら:「もちろんですとも、そばにいますね」
新城 ひわ:「……うん。そらちゃんなら笑ったりしないって、知ってる」
新城 ひわ:言う端から、ぽろぽろと涙をこぼす。
新城 ひわ:しゃくり上げる声。
桑原そら:そっと背中に手を置いて、隣にしゃがんで一緒にいる
新城 ひわ:それだけでも、おそらく楽にはなったのだろう。
新城 ひわ:彼女はしばらくそうしていた。
新城 ひわ:それ以上、愛犬の思い出を語るようなことはなかったものの……。
新城 ひわ:次の日から、隠れて泣くようなことはなくなったようだ。
GM:そんな日常の些細な、本人にとっては大きな思い出、のはずだった。
【雨宿町・市立篠月高校 教室】
GM:そして現在。
GM:騒がしい教室の中、あなたの席に近付いてくる小柄な人影がひとつ。
新城 ひわ:「あっ、そらちゃん!」
桑原そら:「おや、ひわちゃん。どうしました?」
新城 ひわ:「ね、ね、ね、聞いてほしいんだけど……!」
新城 ひわ:先日の涙はどこへやら、すっかり元気を取り戻したように見える。
桑原そら:「はいはい、なんでしょう?」近くに顔を寄せて聞く姿勢
新城 ひわ:「あの……ノエルの話、したでしょ?」
新城 ひわ:少し声を落とす。さすがに吹っ切れてはいないようだ。
桑原そら:「ええ、そうですね…。その、ノエルさんがどうかしました?」
新城 ひわ:「うん。あの……あのね。あのね!」
新城 ひわ:「帰って来たの!」
新城 ひわ:ぱっと顔を輝かせる。
新城 ひわ:愛犬のノエルは、以前の話だと静かに亡くなった、とのことだ。
桑原そら:「……ほほう?それは……どういう意味で、と聞いても?」
新城 ひわ:「え? えっと、どういうというか……あのね」
新城 ひわ:「あ、家に帰って来たわけじゃないよ」
桑原そら:「あ、そうなんですか?」
新城 ひわ:「昨日見かけたの。絶対あれ、ノエルだよ」
新城 ひわ:「旧市街の方にお寺があって、墓地があるでしょ。あそこに入れてもらったんだけど」
新城 ひわ:「お墓参りに寄ったら、見たの!」
桑原そら:「……なるほど、ひわちゃんが言うならそうなんでしょう」
桑原そら:「お化け…とかじゃないですよね?」
新城 ひわ:「……あ、変なこと言うなーって言わないでくれてるんだ」
新城 ひわ:嬉しそうにする。
桑原そら:「わたしはノエルさんのことを知らないじゃないですか」
新城 ひわ:「わかんない。お化けかもしれないし……生き返ったのかもしれないけど」
桑原そら:「誰よりもノエルさんを知ってるひわちゃんの言うことを疑ったり否定したりしませんよ」
新城 ひわ:「でも、私にはわかった。あれはノエル。絶対!」自分でも断言する。
新城 ひわ:妙に自信がありすぎる、ようにも見える。
新城 ひわ:そもそも彼女は、あまりオカルトじみたことを言い出す方ではない。
桑原そら:「近くで見たんですか?それとも遠目で?」
新城 ひわ:「え? えーと」
新城 ひわ:「近く、だった気がするな……?」
新城 ひわ:そのくせ、細部は妙に曖昧だ。
新城 ひわ:「えっとね、お寺の桜の木がちょっと咲いてたんだよね。冬なのに」
桑原そら:「ふんふん、それはそれは…また会えてよかったですね!」
新城 ひわ:「不思議だなあって近付いたら……えっと。いた」
新城 ひわ:「……うん、うん!」
桑原そら:「桜の木…ですか、なるほどなるほど」
新城 ひわ:「また会いに行きたいな。やっぱりお墓の近くがいいのかなあ」
新城 ひわ:うきうきしている。
桑原そら:「今度のお墓参りにわたしも着いていっていいですか?」
新城 ひわ:「え? あ、そうか。そらちゃんにも会わせてあげられるね!」
桑原そら:「ノエルさんのこと、わたしに紹介してください!」
新城 ひわ:「するする! すっごい楽しみ」
桑原そら:「1人で行ったりしないでくださいよ~!」
桑原そら:「わたしも会ってみたいので!」
新城 ひわ:「オッケー、そしたら連絡するね。写真も撮ればよかったなあ……」
桑原そら:「ええ!楽しみにしていますね!」
新城 ひわ:「やったー、そらちゃんとも遊べるし」
桑原そら:なにやらおかしなことになっている、というのは分かるが彼女の笑顔を消したいわけではない
新城 ひわ:「……ノエルもいて」
新城 ひわ:「うれしい! うれしいなあ」
桑原そら:「ふふ…、また一緒にお散歩できるといいですよね」
新城 ひわ:にこにことしている。少しだけ不自然なくらいに。
新城 ひわ:「うん!」
桑原そら:冬に咲く季節外れの桜、普段からは考えられないような言動の友人に
桑原そら:少々きな臭い気配を感じながら
桑原そら:この状況をなるべく悪化させずに解決するための方策を考えて
桑原そら:とりあえず、支部長に相談を持っていくことに決めて
桑原そら:今は笑い合うことにした
GM:あなたの相談を支部は受け取り、同時にひとつの任務を課した。
GM:過去に事件を起こしたジャーム"紗理羅"という少女。その足取りを掴むこと。
GM:そのために、調査部と連携を行うこと。
GM:もしかすると、あなたの友人の件についても調べられるかもしれない。
GM:あの笑顔がどういうものだったのかを確かめるために、あなたは調査部へと向かう。
GM:ロイス取得のみできます。
桑原そら:友人/新城ひわ 友情○/心配でロイスを取得します!
GM:まっすぐ……
オープニング2 若菜美奈人
GM:登場侵蝕をお願いします。
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を1d10(→ 3)増加 (46 → 49)
GM:節約
若菜美奈人:元が高い
【雨宿町町役場・地域親交課】あるいは【UGN雨宿支部・司令室】
GM:あなたは支部のカヴァーである町役場で、いつものように『表』の仕事に従事していた。
GM:たとえば近隣の公共施設の使用に関する書類事務などだ。
若菜美奈人:高速の打鍵音。手元が見えないほどの速度。
若菜美奈人:「……チッ……」
若菜美奈人:再び高速の打鍵音。
GM:では判定をお願いします。
GM:〈芸術:タイピング〉で目標値が6
若菜美奈人:何っ
若菜美奈人:任せてください
GM:これで仕事の進行度がわかります。
若菜美奈人:2dx+2>=6
DoubleCross : (2DX10+2>=6) → 10[9,10]+10[10]+10[10]+10[10]+5[5]+2 → 47 → 成功
若菜美奈人:???
若菜美奈人:間違って……
GM:???
若菜美奈人:ないです
GM:はい
GM:では、あなたの事務仕事は相当快調です。
GM:もう、溜まっていた書類を片付けることもできるでしょう。
若菜美奈人:(公共機関狙いのクラッカーか……)
若菜美奈人:(相手が悪かったな)サイバー課に通報を済ませた。
若菜美奈人:「一端の事務員になってきたか、俺も」
八千代 路夜:「……あら、ずいぶんよくやってくれてるね」

【八千代路夜・地域親交課課長】あるいは【"リーチパーチ"・UGN雨宿支部支部長】
若菜美奈人:立ち上がって一礼する。
若菜美奈人:「お疲れさまです」
八千代 路夜:髪をひとつ纏めにした落ち着いた女性。この町のUGN支部長、すなわちあなたの上司だ。
八千代 路夜:「お疲れ様」
八千代 路夜:「調子が良い時に悪いんだけど、ちょっとこっちのデスクに来てもらえる?」
八千代 路夜:こういう口調の時、大体は「裏」の任務がある、ということだ。
若菜美奈人:「……了解」
八千代 路夜:「若菜くんがヘルプに来てくれて、ほんとに助かる……」言いながら自分のデスクの方へ。
GM:さて、そのデスクの上には、何やら白い石の欠片がいくつか転がっている。
GM:あなたも見たことはあるかもしれない。『慰石の欠片』と呼ばれるこの町特有の岩石の破片だ。
GM:レネゲイドの侵蝕を一時的に抑える働きがあることはわかっているが、それ以上は不明。
若菜美奈人:「恐縮です……これは、例の?」
八千代 路夜:「そう、慰石、というらしいわね。調査中だけど」
八千代 路夜:「これも調べる必要はあるんだけど、長期目標かな」
八千代 路夜:「中期の目標と、短期目標がひとつずつ」
若菜美奈人:「うちは分析チームでもありませんからね」
若菜美奈人:「地域性があるなら外部に出すのも難しい……それらは?」
八千代 路夜:「さっきの勢いなら若菜くんも分析できそうだけどね……」笑って。
八千代 路夜:「以前、ホテルで暴走事件があったでしょう。あの時の犯人らしい子が、最近また似た事件を起こした」
八千代 路夜:一枚の写真をモニタに映す。黒いドレス、ヴェールで顔を隠した少女。
八千代 路夜:「この子を追って、可能であれば『対処』してほしい。これが中期の目標」
若菜美奈人:「……それがこの子供ですか」
八千代 路夜:「おそらくは、同一犯」
若菜美奈人:「しかし。こいつよりも喫緊の課題があると?」
八千代 路夜:「ああ、これはあなた一人への依頼じゃない、って意味ね」
八千代 路夜:「周りと連携をして、確実にやってほしいから、中期」
若菜美奈人:「……まともなやつをつけてほしいですがね」
若菜美奈人:「先日の連中は喧しすぎます」
八千代 路夜:「みんないい子よ?」笑う。
八千代 路夜:「で、それとは別に、あなた個人に確認をお願いしたい件が短期」
八千代 路夜:「『割れずの桜』は知ってる?」
若菜美奈人:「資料は全部入れてます」
GM:情報:噂話で判定をお願いします。
GM:達成値により、知っている内容が変わります。
若菜美奈人:噂話!
若菜美奈人:まかせてください
若菜美奈人:UGNしかできません
若菜美奈人:1dx
DoubleCross : (1DX10) → 5[5] → 5
GM:5かー、じゃあ名前は知っており、旧市街の方にある古い桜だ、ということはわかるでしょう。
若菜美奈人:「それが何か?怪物にでも化けましたか」
八千代 路夜:「そうじゃないといいんだけど」
八千代 路夜:「狂い咲きってあるでしょう。季節外れの花が咲くの」
八千代 路夜:「それが、今年は妙に多い」
八千代 路夜:「短期っていうのは、予防って意味もあるの」
八千代 路夜:「何かが起こる前に、原因を突き止めてほしい」
若菜美奈人:「レネゲイド性の何かを吸った可能性はあります。αトランスだのの薬剤やら……」
八千代 路夜:「そんなものが土壌に混ざってるなら、大事件よね」
若菜美奈人:「了解。確認を……市民の被害が見込まれる場合は、破壊しても?」
八千代 路夜:「もちろんです」
八千代 路夜:「……一応、歴史ある木ではあるんだけど」
八千代 路夜:「安全には替えられないと判断するわ」
若菜美奈人:「了解」
八千代 路夜:「ただ、それ以外の手段があるなら、模索はしてね」
若菜美奈人:「ええ。操作型ならば術者を潰します」
八千代 路夜:「うん、まあ、そうなんだけど」
若菜美奈人:「遠隔ならばパスの切断を……」
八千代 路夜:「戦闘の回避が見込まれるなら、交渉も選択肢に入れることを考えて」
若菜美奈人:「交渉。こちらに付けさせる材料があると?」
八千代 路夜:「そこを探すところも、任務の一環」
八千代 路夜:「何が起きて、誰が動いて、何をしなくちゃならないのか」
八千代 路夜:「きちんと確かめてきて。あなたならできるから」
若菜美奈人:「は。そう仰るのでしたら」
若菜美奈人:「任務を十然に果たします」
八千代 路夜:「よろしく。"リープサンドッグ"」
八千代 路夜:「ああ、そのためにはまず、調査部の方に話を聞くといいかもね」
若菜美奈人:「は、“リーチパーチ”。……調査部さんですか」
八千代 路夜:「どの件でも、幾らかは噛んでるから。わかることも多いはず」
八千代 路夜:「行ったことはあったっけ? 便利屋さん。ピカピカっていうの」
若菜美奈人:「いえ。赴いたことはありませんが」
若菜美奈人:「彼らの報告は見ています。出来る人間だと」
八千代 路夜:「そう、いつも助かってる」
八千代 路夜:「なら、ちょうどいい。行ってきなさいな」
八千代 路夜:「年末でバタバタしてるから、早い方がいいと思うわ」
若菜美奈人:「了解しました」(年末であることに何の関係が……?)
若菜美奈人:敬礼して、デスクを後にする。
若菜美奈人:自分のデスクのPCをちらりと見る。
若菜美奈人:事務に対する、手応えはある。
若菜美奈人:であれば、この調査任務も。
若菜美奈人:ホワイトボードのネームプレートを動かし、上着を着込んだ。
GM:ロイス取得のみできます。
若菜美奈人:支部長は初期ロイス!
GM:はーい、では次!
オープニング3 石神井寅彦
GM:登場侵蝕をお願いします。
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 1)増加 (31 → 32)
石神井寅彦:みんなひくい
GM:ひくい
【雨宿町・路上】
GM:冬の風は冷たいが、久しぶりに晴れた小春日和。そんな日のこと。
GM:あなたは路上を歩いていた。
石神井寅彦:黒髪にピアス、スーツ姿の軽薄そうな見た目の青年。
石神井寅彦:忘年会に来いよ、という旨のラインが来ていて、それに返信しながら歩いている。
石神井寅彦:近寄れば、甘い香水の香りがふわりと漂う。彼の能力をかいくぐり、気付くことさえできれば。
GM:師走の町は、人の行き来も多少は多い。
GM:そんな中。
GM:ふとあなたは、少し離れたところから特有の気配を感じることができる。
GM:ワーディングの気配。
石神井寅彦:「…ん」ぱっと顔を上げる。
GM:支部からそう離れたところではないが、周囲に気付いた様子の人間はいない。
石神井寅彦:(……今日、あやしの捕獲任務…あったっけ…なかったよーな)
GM:気配は少し弱まり、また強まり、を繰り返している。
GM:何か不安定だ。
GM:今日は捕獲任務の話はなかったはずだ。
石神井寅彦:(んん~?)変な気配だな、と思う。
GM:すなわち、何か新しい事態が発生している可能性が高い。
石神井寅彦:(戦闘が起こってるわけでもなさそうね)
石神井寅彦:そこまで考えながら、気配の方に向かうことにします。
GM:気配は、どうやら近くにある公園から発生しているようだった。
【雨宿町・五位公園】
GM:支部にも近い小さな公園の一画。どうやら周囲の一般人は無力化されている。
GM:そして、その中心に一人の少女がぽつんと、ぼんやりした顔で立っていた。
夢見:白っぽい色合いの少女で、服装は和装。
夢見:和の香りの残るこの町でも、やや浮いた様子の少女であることは間違いない。
夢見:「……誰か?」

【????・夢見】
石神井寅彦:状況を確認しつつ、へらっとした笑みを浮かべて彼女に近付いていく。
夢見:あなたを見て、ふわふわとした声を出す。
夢見:「みんな寝てしまったが。あなたはそうではないのか」
夢見:「……私も、寝てはいないな。何故だろうか……」
石神井寅彦:「あはは。おしゃべりできる?」
夢見:どうやら、自分が原因であることには気付いていないらしい。
夢見:「今している……」
石神井寅彦:「そうね、そうね」頷く。
石神井寅彦:「あなた、どこの子かな。学生さん…ではない、よね」
夢見:「がくせいとは?」
石神井寅彦:「そこからかー」笑う。
夢見:「すまない、わからないことだらけなのだ」
夢見:周囲を見回す。
石神井寅彦:彼女の目の前までやってきて、しゃがむ。見上げるかたちになる。
石神井寅彦:「いいよいいよ。今、気付いたらここにいたの?」
夢見:「ええと、移動はしたように思う」
夢見:ちょこんと見下ろしている。
夢見:「ふらふらと歩いて、そう、気が付いたらここにいた」
石神井寅彦:「なるほど」頷く。「で、どうしたらいいんだろって困っちゃった感じ?」
夢見:「……ああ、そうか」
夢見:「困っているのだな、私は」
夢見:首を傾げる。
夢見:「よくわかるな、あなたは」
石神井寅彦:「あはは。おれは石神井寅彦っていうの」一緒に首を傾げる。
GM:少女の口調からすると、かなり曖昧な状態にあることがわかるでしょう。
石神井寅彦:「寅彦でいいよ」
夢見:「しゃくじいとらひこ」
夢見:「……とらひこ」
石神井寅彦:「うん」頷く。「あなたは?自分に、名前はあるのかな」
夢見:「名前……は、これだろうか」
夢見:「夢見、と呼ばれたことがあったように思う」
夢見:「しゃくじいとらひこに比べると短いな?」
夢見:首を何度も傾げている。
石神井寅彦:「そこ気にすんの?」笑いつつ。
石神井寅彦:「じゃあ、ひとまず夢見ちゃんって呼ぶね。で、えーとね」
夢見:「うむ」
石神井寅彦:「その感じだとさ、あなた、自分のこと、ぜんぜん分からない…知らない…、まあ、そんな感じなのかな?」
夢見:「おお」
石神井寅彦:「どうすか」
夢見:「すごいな、まさにそれだ。よくわかる」
夢見:目を丸くしている。
夢見:「自分でもよくわかっていなかったのに」
石神井寅彦:「言い当てちゃったかー」笑っている。
夢見:「よって、これから何をすれば良いのかもわからない」
石神井寅彦:「そうだよねえ」
石神井寅彦:「アドバイスしていい?」
夢見:「む」
石神井寅彦:「おれね、寅彦は、あなたがどんな人なのか、調べられる場所知ってんの」
石神井寅彦:「一緒にそこ来てくれたら、いろんな人が、あなたのこと詳しく調べてくれるかも」
夢見:「そうなのか」
夢見:「…………」
夢見:「あの」
石神井寅彦:「ん?」
夢見:「なんだろう。自分のことがわかる、のはありがたい」
石神井寅彦:「うん」
夢見:「ありがたいと同時に、なんだか、嫌な感じもしている」
夢見:「私の中のどこかに、触れてほしくないところがあるように思う」
夢見:「そこも、調べる?」
石神井寅彦:「なるほど」首を傾げる。
石神井寅彦:「ん、じゃあ、別にいいよ。調べないままでいよっか」
石神井寅彦:「こっち的に知りたいところはあるから、そこは見させてもらうと思うけど…まあ」
石神井寅彦:「あなたが嫌にならない範囲でね」
夢見:「……そう、それならいい」
石神井寅彦:「大丈夫?」
夢見:「うん。私にはとらひこしか頼れる者はいないし」
夢見:「とらひこは親切に話をしてくれていると感じる」
夢見:「なら、きっと、大丈夫だろう」
石神井寅彦:「えー? でもおれだけなのはまずいよなー」ひとりごとのように言う。
石神井寅彦:「そっかそっか。ありがと。でさあ、夢見ちゃんさあ」
石神井寅彦:「ひとつ聞いてもいいですか?」
夢見:「うむ」
石神井寅彦:「今の正直な気持ち的に」
夢見:最初よりは少々しっかりした口調になった……ようにも思える。
石神井寅彦:「家に帰りたいって思う?」
夢見:「……家」
夢見:「家は……家と言うのだろうか?」
夢見:「何か、そういう場所もあったように思うが」
石神井寅彦:「帰る場所とか、戻る場所、とかでもいいよ」
石神井寅彦:「うん」頷いて話を聞く。
夢見:「わからない、というのが正直なところだ」
夢見:「ただ、とても寂しくなった」
夢見:きゅ、と自分の手を握る。
夢見:「もう少し、考えてみたい」
石神井寅彦:「…うん。答えてくれてありがと」
石神井寅彦:「思うことがあって、おれに話したくなったら、言ってね」
石神井寅彦:起き上がります。
夢見:「私にわかることなら」
石神井寅彦:「ん」
夢見:「……ところで、とらひこ」
石神井寅彦:「なに?」
夢見:「皆は、いつまで寝ているのだ?」
夢見:「あまり詳しくはないが、外で寝ると良くないのでは……」
石神井寅彦:「ふ」笑う。「実はこれ、あなたの力で寝かせてるんですよ」
夢見:「……えっ?」
石神井寅彦:「おれたちは《ワーディング》って呼んでるの」
夢見:「そう、そうなのか……。では、止めた方がいいな?」
石神井寅彦:「無意識に出てんのかな…。ん、止められそうなら止めてあげてね」
夢見:「んんんん」
夢見:ぎゅっと目をつぶる。
夢見:「えいっ」
夢見:ぱっと手を広げる。
石神井寅彦:「おー?」
GM:周囲のワーディングの気配は弱まっていく。
石神井寅彦:「おー」感心する。
GM:いずれ一般人も目覚めるだろう。
夢見:「できた!」
夢見:「できたぞとらひこ!」
夢見:上機嫌でいるようだ。
石神井寅彦:「そうね、できたじゃん! えらいよ」
石神井寅彦:「あなたは、他の人にない力を持ってるの。今みたいに」
石神井寅彦:「おれもなんだけど…。基本的にはみんなには内緒ね。びっくりさせちゃうから」
夢見:「内緒なのか」
石神井寅彦:「うん。で、今から、内緒の人たちでやってる場所に行きます」
夢見:「秘密の場か……」
石神井寅彦:「怖くないよ?」
夢見:「こ、怖くなどあるものか」
石神井寅彦:「あはは。どっか掴んでく?」笑いながら歩きだします。
夢見:多少警戒はしているようだが、そもそも警戒心が薄いようだ。
夢見:「ま、待てとらひこー」
夢見:袖を振りながらあなたについていく。
石神井寅彦:その様子を見てまた笑いつつ。ジャームじゃなさそうだな、とは判断する。それは良かったと思う。
GM:あなたが支部に連れて行った少女は、検査対象となった。結果は、まだ出ていない。
GM:ただ、記憶や能力が非常に曖昧であることから、ひとまずの保護はあなたに委ねられた。
GM:同時に支部全体に下された"紗理羅"の探索も含め、調査部に向かうことを勧められる。
GM:奇しくもその日は……。
GM:ロイス取得のみできます。
石神井寅彦:シナリオロイスの夢見ちゃんに 庇護:〇/不安 で取得します~
GM:庇護ってー
石神井寅彦:あっやっぱ 不安じゃなくて猜疑心にしようかな 猜疑心にします
GM:おお、どうぞ!
石神井寅彦:庇護:〇/猜疑心で! はーい
オープニング4 滝道 晶
GM:登場侵蝕をお願いします。
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 10)増加 (30 → 40)
GM:ここにきて
滝道 晶:ぎゃあ
【便利屋『(株)ピカピカ』】あるいは【UGN雨宿支部・調査部および処理部】
GM:町中にある小さなオフィスは、UGN支部の主に実動部署のカヴァーとなっている。
GM:場合によっては、関係者が立ち寄って雑談をする場としても使われていた。
GM:さて、ある日あなたが中に入ると、社員が二人で何やら会話中のようだ。
戸神 富久郎:「……なんかもう俺……どうすりゃいいんですかね……」

【戸神富久郎・『(株)ピカピカ』業務担当】あるいは【"ヒルカクロフ"・UGN雨宿支部処理部員】
GM:長身に長い前髪、とりわけ大きなサイズの社の作業服を着た青年。
GM:普段から猫背だが、今日は特にしょんぼりとしている。
鈴掛 喜一:「まあまあ、気持ち切り替えてこ! ミスくらい誰にでもあるって」

【鈴掛喜一・『(株)ピカピカ』営業担当】あるいは【"來火=ジェイトーカー"・UGN雨宿支部調査部員】
GM:眼帯に、こちらも作業着の青年。軽い口調で慰めているようだ。
滝道 晶:コンコン!と元気なノックでオフィスの扉が叩かれ。
鈴掛 喜一:「はーい、どうぞ!」
滝道 晶:「ちわーっす、滝道でーす」と、遠慮なく入ってくる。
戸神 富久郎:「……あ、滝道くん。こんにちは……」
鈴掛 喜一:「いらっしゃーい。用事? なになに?」
滝道 晶:「あ、良かった富久郎さんいたいた」「こんちわー」
鈴掛 喜一:「あ、戸神くんの方だった。よかった。おれ外回りでさ」
滝道 晶:「用事ってほどじゃないんすけど」
滝道 晶:「またコレ、教えてもらいたくて」と、肩に下げたギターケースを揺らす。
戸神 富久郎:「あ、ああ……うん。それくらい、全然」
滝道 晶:「あ、喜一さん外回りですか、お疲れ様っす」
鈴掛 喜一:「お疲れー。つうかまた夜にー」立ち上がり、あなたのいる入り口の方へ。
鈴掛 喜一:「……あのさ」小声で。
滝道 晶:「…はい?」と、小声で返事。
鈴掛 喜一:「戸神くん、ちょっとミスして落ち込んでるんだわ」
鈴掛 喜一:「話とかして、盛り上げてやって?」
滝道 晶:「ありゃ、そうなんすか」と、少し心眉を下げ。
鈴掛 喜一:ぽん、と肩を叩いて去っていく。
鈴掛 喜一:「あと忘年会よかったら来てねー」遠くから声。
滝道 晶:「喜んで~、飲めないっすけど!」と後ろ姿に返事をする。
戸神 富久郎:「……飲んじゃダメだよ。高校生が」
滝道 晶:「そこら辺はちゃんと守ってるんで!」
滝道 晶:「お酒は二十歳になってから!」とポスターで見るような事を言いつつ。
戸神 富久郎:「こっちも、飲ませたりしたら社長が雷だし……」
戸神 富久郎:いつも通り、もそもそした話し方。
滝道 晶:「社長さん、豪快だけどそういうところしっかりしてますよね~」
戸神 富久郎:「アルバイトとかイリーガルとか、未成年、よく来るから」
戸神 富久郎:「営業停止になったらどうしてくれるんだ、って」
滝道 晶:「そっちか~!」と笑って。
戸神 富久郎:「大体俺が飲めねえのにガキが楽しんでるんじゃねえ、とか……」
戸神 富久郎:「……あっ、今のは内緒で……」
戸神 富久郎:笑うと口元に牙のような犬歯が覗く。
戸神 富久郎:普段はマスクで隠している。
滝道 晶:「えっ社長、飲めないんすか、以外」と、ちょっと驚き。
戸神 富久郎:「下戸で、ずーっと烏龍茶飲んでる」
滝道 晶:「へえ~」
滝道 晶:「富久郎さんはお酒、強いんすか?」今日の忘年会も来ますよね、と。
戸神 富久郎:「俺は……強いというか」頭を掻く。
戸神 富久郎:「もう、全然、酔えない」
戸神 富久郎:「体質で、すぐ分解しちまうんだって」
戸神 富久郎:オーヴァードとして、代謝が強靱であるらしい。
滝道 晶:「それって、ザルとかワクっていうヤツですかね」
戸神 富久郎:「言っても、俺お酒の味あんまりなんだよな……」
戸神 富久郎:「水飲んでるのとあんまり変わんなくて、逆に飲まないっつうか」
滝道 晶:「あ~」
滝道 晶:「酒は酔うのが醍醐味って言いますもんね」
戸神 富久郎:「ていうか、滝道くん、ほんと飲んじゃダメだよ」
戸神 富久郎:「なんか酒の話ばっかして……美味いもん食べな」
滝道 晶:「……正直めっちゃ興味あります」真顔で。
戸神 富久郎:「今何歳だっけ?」
滝道 晶:「えーっと、17?」
戸神 富久郎:「まだまだ。三年したら」
戸神 富久郎:ふと目を細めて。
滝道 晶:「三年したら?」
戸神 富久郎:「そしたら堂々と、お祝いにでも行けばいいよ」
戸神 富久郎:「うちの飲みに混ざったっていいんだし」
滝道 晶:「そっすね、あと3年の我慢!」
戸神 富久郎:「……うん」
戸神 富久郎:「…………」
戸神 富久郎:「先輩が、なんか言ってた?」
滝道 晶:「そんときは富久郎さんも一緒に飲みましょーね」にこーっと。
滝道 晶:「え」
戸神 富久郎:「あー、えっと、その」頭を何度も掻く。
滝道 晶:「えっ、いや~」視線が宙を泳ぐ。キョドっている。
戸神 富久郎:「ごめん、な」
戸神 富久郎:「俺、話すのそんな……上手くないのに、付き合ってもらっちまってて」
滝道 晶:「えっ何が!?」謝られて逆に驚く。
滝道 晶:「いやいやいや!そんなことナイナイ!」
滝道 晶:「俺は喋るの好きだし、富久郎さんと喋るのも楽しいっすよ」
戸神 富久郎:「んならいいけど……」
戸神 富久郎:「いや、その」
戸神 富久郎:「んー……、話しづれえ」腕を組む。
戸神 富久郎:「……仕事のミスでちょっとテンション下がってて」
戸神 富久郎:「いや、こんなの滝道くんに話すことじゃないんだけど」
戸神 富久郎:「後でさ。忘年会の時とかに、もうちょい整理していろいろすっから」
戸神 富久郎:「……あ、いや、仕事の話飲み会ですんのもアレかな……」ぶつぶつ言っている。
滝道 晶:「いいっすよ、いつでもなんでも聞きますから!」
戸神 富久郎:「はは、情けないなあ。年下に……」
滝道 晶:「忘年会、楽しみっすね~」唐揚げ、枝豆、たこわさと楽しみなモノを上げる。
滝道 晶:「誰だってそういう時ありますから、年齢なんて関係ねーっす」
戸神 富久郎:「……結構渋いもん好きだなあ」
戸神 富久郎:「ありがと」
戸神 富久郎:前髪の下の目は日本人離れした金色をしていて、よく目立つ。
戸神 富久郎:普段はできるだけ隠している。
滝道 晶:「どーいたしまて!」
戸神 富久郎:「じゃあ、やろっか。それ」ギターを弾く手つき。
滝道 晶:「よっしゃ、よろしくお願いします!」とギターケースを下ろし。
滝道 晶:しゃがんでふと見上げたら。
滝道 晶:きらりと光る瞳を目にして。もったいないな、と思いつつ言葉にはしなかった。
GM:ロイス取得のみできます。
滝道 晶:戸神 富久郎 〇親近感/悩み聞くよ! でロイス取得で。
GM:いい子だな……
GM:今回、完全におまけ要素として幕間のTIPSをつけました。
GM:これは特に本編の重要情報ではないし、全シーンにつくかは全然わかりません。
GM:お楽しみ程度にご確認ください。
☆TIPS (株)ピカピカについて 自動開示
UGN雨宿支部のうち、調査部・処理部が主に所属している。
普段は町の便利屋として雑用をなんでもこなすのが売り。
部署の全員が正社員・アルバイトというわけではなく、他のカヴァーを持つ者も居る。
忘年会は、珍しく所属人員の多くが直接顔を合わせて談笑する機会らしい。
ミドル1 忘年会1
GM:全員登場推奨です。
GM:登場侵蝕をお願いします。
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を1D10(→ 10)増加 (46 → 56)
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 1)増加 (32 → 33)
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 2)増加 (40 → 42)
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を1d10(→ 2)増加 (49 → 51)
GM:なんか極端
若菜美奈人:そんなにかしこまらなくていいぞ
石神井寅彦:そらっち!
桑原そら:美味しいもの食べるからテンションが高い
若菜美奈人:ちがった
滝道 晶:なるほど
【雨宿町・旧市街 酒処『はじろ』】
GM:戦前の建物を補修して使っているという店の二階座敷は、あなたたちの貸し切りだ。
GM:冬は特に鍋料理を出しているこの店は、UGNとの繋がりがあり、こうした大きな会合にも使われている。
GM:机の上にはぐつぐつと煮立ち始めた鍋が、白い湯気とともにあなたたちの食欲を誘う。
GM:座敷内は《彼方からの声》で音声をシャットアウトされており、会話も自由にできるだろう。
鈴掛 喜一:「えー、では僭越ながら、幹事のおれがご挨拶を」
鈴掛 喜一:「今年はおれ個人にとっても転機となる年でありまして、皆様方には大変お世話に」
時田 久則:「短くしろっつたろうがよ」

【時田久則・『(株)ピカピカ』代表取締役社長】あるいは【UGN雨宿支部・調査部および処理部主任】
鈴掛 喜一:「はーい、社長がそう言うんで、じゃあ乾杯!」
時田 久則:「短かすぎんだよ!」
鈴掛 喜一:「あ、未成年に呑ませたら減俸だそうですんで、よろしくお願いします」
GM:わいわいと騒がしくも、和やかに忘年会は始まった。
桑原そら:「はわ~、もう美味しそうです……!」鍋を前に目がキラキラしている
滝道 晶:「あ~、やっぱこの時期は鍋っすよね!」
桑原そら:「美味しいですよね!大好きです!」
戸神 富久郎:「……煮えるのはもう少しかかるから」
滝道 晶:「じゃ、先にサラダ配っちゃいますか」と取り分けていく。
桑原そら:「わわ!ありがとうございます!」
滝道 晶:「そらちゃん苦手なモンある?」
桑原そら:「ありません!」
戸神 富久郎:「すごいなあ」
滝道 晶:「さすが~!」「富久郎さんは?」
戸神 富久郎:「え、えっと、生のピーマン……」
戸神 富久郎:「セロリとパセリと、あとパクチーと……」
戸神 富久郎:香りの強いものが苦手らしい。
滝道 晶:「ん~、入ってなさそうっすね」サラダをじーっと眺めて。
桑原そら:「香りが独特なものが苦手なんですかね?癖がありますもんね」
戸神 富久郎:「ん、そもそも野菜より肉だなあ……」
戸神 富久郎:「だから、好き嫌いないのはえらいと思う……」
滝道 晶:「そうそう、なんでも食えるはえらい」
桑原そら:「みんなで食べるとより美味しいですからね!」
桑原そら:「ふふ、こういう会は特に好きです」
石神井寅彦:そこに、夢見ちゃんを連れてやってきます。
戸神 富久郎:「じゃあ、よかった。先輩、やたら人呼ぶから……」
石神井寅彦:「何が好きって~?」
夢見:「おお、いろいろな器がある」
石神井寅彦:《虹の香り》。それぞれにとって懐かしい香りがする青年。
滝道 晶:「おっ、寅彦さん。食べ物の好き嫌いの話しっすよ~」
夢見:何かを嗅ぎ取っているようだが、不思議そうな顔をしている。
桑原そら:「あ!石神井さん…とそちらは?」
滝道 晶:「あんま見ない子っすね」
夢見:「夢見だ」ちょこんと空いているところに座る。
石神井寅彦:「いま、うちで保護してんの」
夢見:掘りごたつのところで脚をぷらぷらさせている。
桑原そら:「夢見さん、ですか。わたしは桑原そらといいます、よろしくお願いしますね!」
戸神 富久郎:「あ、話は聞いてます……」
石神井寅彦:「いろいろお勉強中でさ、若い子同士でお話してあげてほしーなーって」
滝道 晶:「保護…ってことは新しい子っすね」
桑原そら:「お勉強中、といいますと?」
石神井寅彦:「気付いたら公園にいて、なんにも覚えてなかったんだって」
夢見:箸置きをいじっている。
石神井寅彦:「だから、生活とかについてお勉強してもらってるの」
夢見:「とらひこ、これは手触りがよいぞ」
滝道 晶:「へえ~、そりゃ大変だ」
石神井寅彦:「ん~? 気に入った?」夢見ちゃんに。
桑原そら:「そうですね、それはそれは大変なことです」
夢見:「つるつるする」
若菜美奈人:ふらりと人がやってきて、開いた席にどかりと座る。
滝道 晶:「夢見ちゃんね、俺は滝道晶。サラダ食べられる?」と少量よそって差し出す。
石神井寅彦:「そうそう。大変だから、みんなで面倒見てあげて…」
石神井寅彦:「お」どかりと座った人を見る。
夢見:「食事はできるぞ。何度か試した」
桑原そら:「おや、若菜さん」
滝道 晶:「あ、美奈人さん」
戸神 富久郎:「……あ、お疲れ様、っす」
石神井寅彦:「ミナちゃんだ」
若菜美奈人:「便所に立ったら元の席が埋まっていた」
戸神 富久郎:「え、あ」そちらを見る。
戸神 富久郎:「先輩だ……すいません……」
若菜美奈人:「お疲れさまです……その呼び名は……」
若菜美奈人:「……」ムッとするがそれ以上は言わない。
石神井寅彦:「あはは」嫌がられてるのが分かって言う。
桑原そら:「それは災難でしたね、こちらで一緒にお鍋食べましょう」
滝道 晶:「そうそう、駆け付け一杯」
若菜美奈人:「ああ……」夢見をちらりと見る。
若菜美奈人:「酒は飲まないぞ」
桑原そら:「それはお酒では……?」滝道くんに
夢見:「?」
滝道 晶:「あれ、そうだっけ?じゃあ鍋はなんて言うんだ…」
若菜美奈人:「一人前になるまでは飲まないと決めている」じろじろと見る。「レネビか?」
夢見:「れねび」
石神井寅彦:「調査中ー」
桑原そら:「石神井さんが保護されているそうです」
夢見:「花火なら知っている。仲間か?」
石神井寅彦:「どうなんですか?」若菜くんに。
若菜美奈人:「この反応からして十中八九”そう”だろうが」ジンジャエールを注文しながら。
滝道 晶:「レネビはあやしのことっすよ」と言って、あやしもわかるかな?と考える
夢見:「…………」わかるようなわからないような、ぼんやりした反応。
石神井寅彦:「冷たいねー。あの人はみなとくんね」夢見ちゃんに言っている。
夢見:「みなと」
石神井寅彦:「こっちがあきらくんで、そらちゃんで、とみくろうくん」
夢見:「そら、あきら、とらひこ、みなと、とみくろう!」
夢見:「たくさんの名前がある。すごいな」
桑原そら:「石神井さんはずいぶん信頼されてますね、さすがです」
滝道 晶:「よろしくね~」とひらひら手を振る。
石神井寅彦:「そーかなー。大人の男につかせるのってどーなのって言ったんだけどねー」
夢見:手を振り返している。
石神井寅彦:「そらちゃんも学校の話とかしてあげてくださいよ」
若菜美奈人:「通わせるのか?」食事をもりもり食べている。
石神井寅彦:「興味持ったらそうなるんじゃない?」烏龍茶だけ。あまり食べない。
夢見:サラダをもしゃもしゃ食べている。学校に興味があるかどうかはわからない。
桑原そら:「学校の話ですか、いいですが……わたしもご飯を食べたいので!合間合間に!」
滝道 晶:「んじゃ、俺と変わりばんこで話しますか、学校の話」
桑原そら:「そうですね、そうしましょう」
桑原そら:そう言ったあとに手を合わせてからサラダを頬張る
GM:……では、そうして忘年会を楽しんでいるあなたたちですが。
GM:ここで情報収集判定を行ってもらいます。
GM:まず情報項目はこちらのふたつ。
★戸神富久郎の悩みについて〈情報:UGN〉〈交渉〉6
★割れずの桜について〈情報:UGN〉〈情報:噂話〉7
GM:失敗した場合は侵蝕1d5を支払うことで再度判定が可能です。
GM:また、TIPSと書かれた項目が開くこともあります。
GM:こちらは自動開示の補足情報となっています。
GM:「元々知ってた」「ついでにわかった」くらいのもので、ロールしてもしなくてもいいやつです。
GM:では、項目を選んで判定をお願いします。開示は一個ずつやります。
滝道 晶:なるほど
若菜美奈人:桜リベンジしたいです
石神井寅彦:してして
GM:やってやれー
若菜美奈人:情報UGNがあるから大丈夫のはず
桑原そら:どうぞどうぞ
石神井寅彦:滝道くんは戸神くんの悩みに迫ってほしい!
滝道 晶:富久郎さんの悩み、聞きたいですね!
若菜美奈人:じゃあやります!コネ:UGN幹部を使って判定。
若菜美奈人:3dx+3>=7
DoubleCross : (3DX10+3>=7) → 8[1,6,8]+3 → 11 → 成功
GM:さすが
若菜美奈人:UGNなら頑張れるぜ
GM:開示しますね。
石神井寅彦:すごいぜ
桑原そら:すごい
★割れずの桜について〈情報:UGN〉〈情報:噂話〉7
旧市街・川内寺の境内にある墓地の外れに立つ桜の木。
90年ほど前の過去に落雷で大きく裂け、それでも花を咲かせたことからその名がついた。
ただし近年はかなり弱っており、現在咲いている季節外れの花は、レネゲイドの影響によるものと見られる。
鈴掛喜一はどうやら、この桜の話で複雑な顔をしているようだ。
→★割れずの桜の歴史について〈情報:UGN〉〈交渉〉8 が調査可能になりました。
GM:というわけで現在また2項目。
★戸神富久郎の悩みについて〈情報:UGN〉〈交渉〉6
★割れずの桜の歴史について〈情報:UGN〉〈交渉〉8
石神井寅彦:先に滝道くん判定されたらいかがかしら
滝道 晶:富久郎さんの悩み、情報:UGNでいきます!
桑原そら:そうですね
滝道 晶:紬の魔眼を使用して判定!
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1増加 (42 → 43)
滝道 晶:5dx+1>=6
DoubleCross : (5DX10+1>=6) → 4[1,2,3,3,4]+1 → 5 → 失敗
滝道 晶:マ?
滝道 晶:えっマジ?
石神井寅彦:財産点はあるのかい!
若菜美奈人:そんな……
GM:別の人がチャレンジもできるし、侵蝕振り足しもできるし、支援もできるよ
滝道 晶:あっある!財産点1点使う!
GM:オッケー!
桑原そら:よかった
GM:では成功ですね
★戸神富久郎の悩みについて〈情報:UGN〉〈交渉〉6
戸神は少し前、紗理羅というジャームを町中で発見、追跡を行っていた。
しかしワーディングを打ち消されたことで一般人に目撃されてしまう。
その際彼は能力を行使していたため、目撃した一般人は記憶処理をされることとなった。
彼が落ち込んでいるのは、『無辜の一般人を巻き込み怖い思いをさせた』ためらしい。
巻き込んだ一般人は新城ひわという女子高生。
→★新城ひわについて〈情報:UGN〉7 が調査可能になりました。
桑原そら:ひわちゃん!
GM:残り2項目です。
石神井寅彦:おお!
★新城ひわについて〈情報:UGN〉7
★割れずの桜の歴史について〈情報:UGN〉〈交渉〉8
桑原そら:ではこちらがひわちゃんで
石神井寅彦:はいはい!歴史いきますね
GM:どぞ!
桑原そら:コネを使用してダイス+2して 情報:UGNで
桑原そら:3dx+3>=7
DoubleCross : (3DX10+3>=7) → 8[3,3,8]+3 → 11 → 成功
石神井寅彦:さすが!
桑原そら:わいわい!
滝道 晶:good!
GM:ではまず開示します
★新城ひわについて〈情報:UGN〉7
市立篠月高校1年生の女子。非オーヴァード。
旧市街にある川内寺という寺院の境内、その外れの墓地付近で戸神らの状況を目撃した。
周囲は暗く、明確にエフェクト行使の様子を認識したわけではないため、軽い記憶処理をされ即解放された。
普段はしっかり者だが、処理の影響か飼い犬に再会したという思い込みに走っており、不安定になっているようだ。
飼い犬のノエルは彼女が生まれる前から家におり、老衰で数ヶ月前に死亡。不審な点はない。
→☆TIPS 雨宿支部処理部の記憶処理について が自動開示されます。
☆TIPS 雨宿支部処理部の記憶処理について
雨宿支部の記憶処理は、全体の方針でかなり軽度な緩和措置となっている。
主に現実感のない夢や、類似の当たり前の現象に誤魔化し、自然に忘却させる方法を用いている。
ただしこの方法には難点もあり、薄れた記憶が他の強い記憶と結びつくことで、奇妙な思い込みを発生させることがある。
新城ひわのケースも、死亡した犬の記憶と目撃した状況とがリンクし、オカルト的な認識齟齬を起こしているようだ。
GM:残り1項目。
★割れずの桜の歴史について〈情報:UGN〉〈交渉〉8
石神井寅彦:では私めが!
石神井寅彦:割れずの桜の歴史について、〈情報:UGN〉。コネ使用します。
石神井寅彦:5dx>=8
DoubleCross : (5DX10>=8) → 9[2,3,4,5,9] → 9 → 成功
GM:やったね
石神井寅彦:よかった!
GM:開示します。
★割れずの桜の歴史について〈情報:UGN〉〈交渉〉8
過去に桜を裂いた落雷は、過去に破多々と呼ばれるジャームが地に落ちてきた際のもの。
『割れずの桜』は、墓地の中でも無縁仏を弔うための場所にひっそりと立っている。
落雷の際、木の周辺も同時に破壊されたが、現在は修復されている。
→★割れずの桜の周辺にあったもの〈情報:UGN〉〈情報:学問〉〈情報:噂話〉9
※この情報は次の情報収集シーンまでは調査不可能です。
→☆TIPS 破多々について が自動開示されます。
☆TIPS 破多々について 自動開示
90年ほど前・3年前・つい半年ほど前に殺人・傷害事件を起こし、現在封印中のジャーム。
雷獣と呼ばれるあやしの一種で、破壊衝動のままに行動をしていた。
鈴掛喜一はしばらく、破多々に使役されていた経験がある。
参照ログ
GM:鍋は煮え、あなたたちは存分に腹を満たしながら談笑している。
GM:そんな中、口が緩んだのか、戸神がぽつりと口を開いた。
戸神 富久郎:「……あの、さっき話してた……ミスっつうか」
戸神 富久郎:「やらかしなんだけど……」
戸神 富久郎:簡単に、ジャームを追っていたこと。逃がした上に目撃をされてしまった話をする。
戸神 富久郎:「処理部なのに処理部の仕事増やしちまって、なんか……ほんと落ち込んでて……」
滝道 晶:「なるほど…大変だったっすね」むーん、とうなる。
戸神 富久郎:「あげく人に怖い思いさせちまったし……」
戸神 富久郎:「一個だけ。写真撮れたのはよかったんですけどね……」
戸神 富久郎:あなたたちも見せられただろう紗理羅の写真のことらしい。
石神井寅彦:「…うちの記憶処理って、他と違うんだよね」
滝道 晶:「あーっ!ホテルの時の犯人!」その写真のことを聞いて。
若菜美奈人:「違う?」
桑原そら:話を聞きつつ自分の器にお鍋をおかわりして食べている
石神井寅彦:「そう。なんつーの、かなり自然にカヴァーの記憶を入れるらしくて」
戸神 富久郎:「担当の先生が得意なんですよ、そういうの」
滝道 晶:「つじつま合わせってことっすか」そこらへんは詳しくない。
石神井寅彦:「そうそう」滝道くんに頷く。
石神井寅彦:「自然なのはいいんだけど、その代わり、変な夢見たとか幽霊に在ったみたいな話にすり替えられやすいって…」
桑原そら:「んん…?」
若菜美奈人:「自然な代わりにヌルい処置ってことか。この町ならそういうのの方が合うのか?」
滝道 晶:「丸々記憶が抜け落ちるよりはいいんすかね~」
桑原そら:「お化け、ですか」
石神井寅彦:「合うんでしょうねー」若菜くんに言います。
石神井寅彦:「何、そらちゃん。なんかあった?」
桑原そら:「そういう話を先日聞いたんです」
石神井寅彦:「おー?」
若菜美奈人:「幽霊に会ったって話か?」
桑原そら:「わたしのクラスメイトで、普段はしっかりしている子なんですが」
若菜美奈人:「そういう連中には事欠かないだろうが」
桑原そら:「亡くなった愛犬が、帰ってきたと」
滝道 晶:「帰ってきた…?」
石神井寅彦:「家に帰ってきたってこと?」
桑原そら:「いえ、その子のお墓参りに行ったときに見たらしくて」
戸神 富久郎:「お墓……」
若菜美奈人:「どこの墓だ」
桑原そら:「少々気になったので1人きりで動かないように一緒に会いに行く約束を取り付けたんですが」
桑原そら:「季節外れの桜が近くに咲いていた、と」
戸神 富久郎:「あの、その子の名前聞いてもいいかな」
戸神 富久郎:そわそわした様子だ。
桑原そら:「名前は新城ひわ、といいます」
戸神 富久郎:「…………!」
戸神 富久郎:「……俺が遭った子、です」
若菜美奈人:「割れずの桜の所だな……」テーブルをコツコツと叩く。
若菜美奈人:「……なるほど」
石神井寅彦:「あららら」箸置きを手で弄んでいる。つるつるする。
桑原そら:「……なるほど」
滝道 晶:「もしかして…そういうことっすか」
石神井寅彦:「同じ反応してる」ちょっと笑う。
戸神 富久郎:「参ったな……ほんと……あー……」
桑原そら:「これは……ひわちゃんにどう説明したものですかね…」
石神井寅彦:「ひわちゃん、喜んじゃってる感じ?」
石神井寅彦:「愛犬にまた会えるんだーみたいな」
桑原そら:「ええ、そうですね」
若菜美奈人:「新城ひわが"ヒルカクロフ"の姿を目撃して、記憶処置された」
滝道 晶:「怖い記憶として残ってないのはよかったっすね」
若菜美奈人:「その処置がヌルいもんで薄まり、犬が生き返ったと誤認した」
石神井寅彦:「言葉選ばねえなー」笑っている。
桑原そら:「とっても、喜んでて……うーん…」
戸神 富久郎:「…………」頭を抱えて黙ってしまう。
桑原そら:「このままだと一人きりでもまた桜のところに行ってしまいそうですし」
若菜美奈人:「そうだ。問題はそっちだ」
若菜美奈人:「犬はどうでもいい」
桑原そら:「本当のことは明かさない方がいいですね」
滝道 晶:「あ~、どうしよ…」と富久郎さんにどう声を掛けようかと。
桑原そら:「噓だ、とムキになって動いてしまう可能性が高いので」
若菜美奈人:「普通の記憶処理を入れるのは?」
戸神 富久郎:「あっあの」
滝道 晶:「うーん、記憶処理の2重掛けって大丈夫なんすかね…あっはい」
戸神 富久郎:「俺、ちょっとあの、すぐ社に戻ります」
戸神 富久郎:「その辺も含めて、ちゃんとしとかないと」
若菜美奈人:「お疲れさまです」会釈する。
桑原そら:「あ、戸神さんは気にしすぎないでくださいね!」無理かもしれないが一応
滝道 晶:「そっすか…」と心配そうに。
戸神 富久郎:「……せっかくの会だけど。俺のことは気にしないでください」
戸神 富久郎:のそのそと立って、出入り口の方へ。
戸神 富久郎:そのまま、肩を落とした様子で出ていく。
石神井寅彦:「……気にしちゃってそうだねえ」その後ろ姿を眺める。
桑原そら:「本人のいるところでする話ではなかったですね…反省です」
滝道 晶:「あ~、なんか気の利いたこと言えれば…」と机に突っ伏す。
石神井寅彦:「あはは。あとでまたしっかり話聞いてあげれば?」
石神井寅彦:「まだ間に合うよ」
桑原そら:「滝道くん…!お互いに頑張りましょう……!」
滝道 晶:「…そっすね。言えなくても聞くことぐらいは…!」ガバっと起き上がる。テンションの上げ下げが激しい。
若菜美奈人:「んなことよりもだ。そのガキ……”導雷身”のクラスメイト」
滝道 晶:「そらちゃんのほうも大変だよな、頑張ろう!」
桑原そら:「あ、はい」
若菜美奈人:「墓に行かせないようにしろ」
桑原そら:「端的!」
石神井寅彦:「えー、ミナちゃんさー」
石神井寅彦:「なんで、さっきからそんなにその場所を警戒してんの?」
桑原そら:「いえ、まあこちらとしてもそれが理想ですが……何かあるんですか?」
若菜美奈人:「……あそこの“割れずの桜”が、レネゲイド影響を出してる」
若菜美奈人:「数十年前だかに雷でやられて、もうヨボヨボになってたのがここに来て急にだ」
桑原そら:「……それはそれは、確かに警戒すべき案件ですね」
若菜美奈人:「土壌自体が汚染されてる可能性もあるだろう」
滝道 晶:「それで記憶処理になんか影響出た可能性もありそうっすね」
石神井寅彦:「ん~~?」
若菜美奈人:「……何だ」
石神井寅彦:「あっいや。"割れずの桜"か、と思って…」
桑原そら:「なにかご存知ですか?」
若菜美奈人:「勿体つけるな。何を知ってる?」
石神井寅彦:「ご存知そうな人を知ってる」笑う。
石神井寅彦:「ちょっと待ってね。呼んできます」
石神井寅彦:席を立ちます。
桑原そら:「あ、はい!」
滝道 晶:「誰だろ…?」
石神井寅彦:鈴掛くんを連れて戻ってきます。
若菜美奈人:「そんな前から生きてる老人居たか……?」
鈴掛 喜一:「えーなになに、おれの話ー?」
桑原そら:「鈴掛さん、“割れずの桜”について何かご存知でしょうか?」
滝道 晶:「あっ喜一さん」
鈴掛 喜一:軽く酔っているが、まだちゃんとはしている。
石神井寅彦:戸神くんがいたところに座らせる。
鈴掛 喜一:「ん」
若菜美奈人:誰だ?って目で見ている。
鈴掛 喜一:桜の名前を聞いて、軽く表情が変わる
石神井寅彦:「最近、そこからレネゲイド影響が出てるんだって」
桑原そら:「わたしの友人が何か影響を受けた可能性がありまして」
滝道 晶:「富久郎さんの同僚っすよ」と美奈人さんに説明。
鈴掛 喜一:「今? だってあれじゃん、割れたのってあの……だいぶ前の」
石神井寅彦:「あっ、待って。そうだ。初対面じゃん、ここ」
石神井寅彦:若菜くんと鈴掛くんを交互に見る。
鈴掛 喜一:「ととと」
石神井寅彦:「自己紹介しとけば?」
鈴掛 喜一:「どうもー、"來火=ジェイトーカー"鈴掛喜一です」
鈴掛 喜一:コードネームごと名乗る。
若菜美奈人:「……“リープサンドッグ”若菜美奈人」
若菜美奈人:地域振興課の名刺を出して無造作に渡す。
鈴掛 喜一:「調査部の方でいろいろやってます。よろしくね」
鈴掛 喜一:こっちもピカピカの名刺。
石神井寅彦:「社会人って感じの光景だよね」学生二人に言う。
若菜美奈人:「見世物じゃない」
鈴掛 喜一:「えー、いいよ見て見て」
滝道 晶:「名刺交換、ぽいですね」と感心している。
石神井寅彦:「かっこいいよ~」
桑原そら:「そうですね、かっこいいですよ!」
滝道 晶:「寅彦さんも名刺あるんすか?」
石神井寅彦:「あるよ。振興課のやつと、副業のやつ」
桑原そら:「二種類も!」
石神井寅彦:「すげーっしょー」へらへら笑っている。
鈴掛 喜一:「……んでも、おれが桜の話知ってるのは、調査部だからじゃないんだよね」名刺をしまう。
滝道 晶:「いいなあ」とエージェントになったら貰えるのかなと考えている。
鈴掛 喜一:「ぶっ壊した相手に聞いたの。おれもすげーっしょ」ヘラヘラ笑っている。
桑原そら:「ぶっ壊した相手……?」
桑原そら:「桜を、ですか…?」
鈴掛 喜一:「そ。もう封印されてるジャーム」
鈴掛 喜一:ね、という顔で石神井さんを見る。
若菜美奈人:「……まさか」
石神井寅彦:「ん-」曖昧な返事をする。
鈴掛 喜一:「まあ、あんまし気分良い話ではなかったかな。墓地壊しちゃった話だしね」
桑原そら:「いえいえ、助かります」
石神井寅彦:「…最近、その桜にレネゲイド影響が出てるっていうことについては」
若菜美奈人:「だが、いかにそれの出力があろうとも」
石神井寅彦:「まあ、その封印されてるジャームは無関係だよね」
若菜美奈人:「ああ。影響があるのはごく最近だ。別の線がある」
鈴掛 喜一:「そうね、雷がバチバチ落ちても、そう影響は残んないでしょ」
石神井寅彦:「ね」頷きます。「さっき、トガちゃんが見せてくれた写真の子?」
桑原そら:「あの写真の」
滝道 晶:「あのジャームっすか」
桑原そら:「滝道くんは知ってそうでしたよね?」
若菜美奈人:「そいつかの確証はないがそいつには警戒しろ」
桑原そら:「おや、若菜さんもご存知ですか」
滝道 晶:「直接は会ってないんすけどね、俺と美奈人さんでね」
滝道 晶:「雷獣の記憶を見た時にちょっと…」
石神井寅彦:「危ない感じなん?」
鈴掛 喜一:「…………」先程から複雑そうな顔をしている。
若菜美奈人:「レネゲイドに外から干渉できるやつが悪意的に使ってる可能性がある」
滝道 晶:「そうそう。なんつーか…愉快犯みたいな…」
桑原そら:「それは…随分と厄介そうな相手ですね……」
鈴掛 喜一:「支部全体で探してるし、それで戸神くんも深追いしちゃったんだろな」
若菜美奈人:鍋の残りを一気に浚っている。「悪いことばかりじゃないだろうが」
若菜美奈人:「《ワーディング》が効かないと分かった」
若菜美奈人:「収穫だろう」食べながら。
石神井寅彦:「おっ、フォローしてる」
鈴掛 喜一:「そうね。それと、写真も」
石神井寅彦:「本人の前で言ってあげたらいいのに」
若菜美奈人:「事実をどこで言おうが同じだろうが」
滝道 晶:「伝えたほうがいいこともあるんすよ」
桑原そら:「気持ちで変わることもありますからね」
石神井寅彦:「はは、10代はまっすぐでいいなー」
石神井寅彦:「じゃあ、タキくんはトガちゃんに言ってあげなよ」
滝道 晶:「了解っす、あとで追っかけるつもりでしたし」
桑原そら:それはそれとして、逆に言えば非オーヴァードが近付くと危険になるということで
石神井寅彦:「おー、かっこいい」
石神井寅彦:「良いね、追っかけてあげて」目を細める。それからそらちゃんを見る。
石神井寅彦:「そらちゃんは、どうしよっか。ひわちゃんに何て言うかの話」
桑原そら:「……顔に出てましたかね?」
石神井寅彦:「さあて~?」笑う。「さっき、ちょっと話流しちゃったしね」
桑原そら:「そこはお気になさらずに、……悩ましいですね」
石神井寅彦:「タキくんも言ってたけど、記憶処理を二重にかけるのはナシっしょ?」
桑原そら:「そうですね」
若菜美奈人:「そのあたりは“影追い”のほうが詳しいだろうが」
桑原そら:「ひわちゃん……泣いていたんですその子が亡くなったときに」
若菜美奈人:「不可能なのか?」
桑原そら:「出来れば、ですが……忘れることはさせたくないんですよね」
石神井寅彦:「んー、不可能ってこたないだろうけど、おれ的にはオススメしたくねーなー」
石神井寅彦:「完成した絵の上にまた違う絵を描いたら、キャンパスもボロボロになるし、剥げやすくなるでしょ」
桑原そら:「ああ、わかりやすい例えですね」
石神井寅彦:「ありがと」笑う。「泣いてたとき、そらちゃんは一緒にいたんだ」
桑原そら:「ふふ、追いかけたりしたわけじゃないですよ?」
桑原そら:「たまたま、見かけて。……そばにいただけです」
石神井寅彦:「優しいねえ」
桑原そら:「いえいえ、きっと誰でもそうするようななんでもないことですし」
石神井寅彦:「そしたら、もう一回、そばにいてあげれる?」
桑原そら:「……ええ」
石神井寅彦:「多分、もう一回お寺行くなりなんかしないと、納得しないでしょ。ひわちゃんも」
桑原そら:「どんな状況になっても、ひわちゃんが嫌がらないのなら」
桑原そら:「わたしはそばにいます」
若菜美奈人:「民間人の護衛を追加で請け負う気はない」
若菜美奈人:「行くなら守るのはお前でどうにかしろ」
桑原そら:「んふふ、わたしは守りの専門家ですよ?」
桑原そら:「まかせてください、傷一つ負わせません」
若菜美奈人:「知ってるから言ってるんだろうが」少し忌々しげに吐き捨てる。
石神井寅彦:「あはは、認めてんじゃん」
滝道 晶:「美奈人さん素直じゃないっすねほんと」
桑原そら:「……優しいですね、若菜さんは!」楽しそうに
若菜美奈人:「……」ムスッとしてまた食べ始める。
滝道 晶:「俺も手伝うっすからね、そらちゃん」
滝道 晶:「ま~守りは下手なんでそこは期待しないでよろしく!」
桑原そら:「はい!よろしくお願いしますね!攻撃はお任せしますので!」ニコニコしながらこっちもまたご飯を食べ始める
滝道 晶:「…あっもうほとんどない!」
若菜美奈人:「食わないやつが悪い」
滝道 晶:「美奈人さんもそらちゃんもよく食うっすね…」
滝道 晶:「…追加注文いけます?」
GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
石神井寅彦:え~っどうしようかな
石神井寅彦:とりあえず応急手当を買います
石神井寅彦:3dx>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 8[5,8,8] → 8 → 成功
石神井寅彦:買えた 所持
若菜美奈人:もうこれ全員にとりたさはあるが……
桑原そら:わかりがある
石神井寅彦:わかる
滝道 晶:わかる~
石神井寅彦:とるか
若菜美奈人:アイテム悩む必要ないな 調達カスだった
若菜美奈人:応急狙います
若菜美奈人:1dx+1>=8
DoubleCross : (1DX10+1>=8) → 6[6]+1 → 7 → 失敗
若菜美奈人:はい。
石神井寅彦:ミナちゃん…
若菜美奈人:手に入っていないがそれが何か?
滝道 晶:こっちも碌にダイスないので応急狙い
GM:ちなみにそらちゃん、最強のエンブレム持ってますよね
GM:使う機会を逃さぬがよいぞ
桑原そら:あ!
桑原そら:そうでした
桑原そら:バディムがあります!
石神井寅彦:おお!
若菜美奈人:最強エンブレムだ
桑原そら:若菜さんにバディムしましょう
GM:達成値が+3されてしまう……
桑原そら:達成値+3してくださいな!
石神井寅彦:そら様~ッ
若菜美奈人:やった~
若菜美奈人:手に入ったが……?って顔しよう
GM:若菜くん
滝道 晶:www
桑原そら:こちらは手配師を使用してダイス+3して戦闘用着ぐるみを狙います
GM:はやくも
桑原そら:4dx+4>=14
DoubleCross : (4DX10+4>=14) → 10[1,6,9,10]+5[5]+4 → 19 → 成功
石神井寅彦:すごっ
GM:!?
若菜美奈人:すごい
滝道 晶:つよい
GM:ええ……かた……
桑原そら:わーい!買えたので装備しましょう
滝道 晶:2dx>=8 応急狙い
DoubleCross : (2DX10>=8) → 9[4,9] → 9 → 成功
桑原そら:みんな優秀だ
石神井寅彦:ではPC3人にロイスを取得したいと思います
滝道 晶:買えたので取っとく
石神井寅彦:
桑原そら/誠意:〇/心配/ロイス
滝道 晶/親近感:〇/疎外感/ロイス
若菜美奈人/信頼:〇/隔意/ロイス
石神井寅彦:これでいきます
桑原そら:こちらも全員に
桑原そら:石神井寅彦 誠意○/劣等感 若菜美奈人 優しい○/不器用 滝道晶 連帯感○/不安
桑原そら:でロイスを取得します
若菜美奈人:桑原そら/有為/脅威:○/ロイス
滝道晶/有為/食傷:○/ロイス
石神井寅彦/有為/厭気:○/ロイス
石神井寅彦:安定のN感情
GM:P有為の嵐
桑原そら:脅威!?
滝道 晶:桑原そら 〇親近感/不安
石神井寅彦 〇憧憬/掴み処がない
若菜美奈人 〇信頼/素直じゃない
滝道 晶:これでロイス取ります~
GM:みんなどばっといったね
GM:はーい
☆TIPS 酒処『はじろ』
雨宿町・旧市街の隅にある、上品な料理屋。
女将はオーヴァードであり、UGNに協力的で店を会合などに提供している。
春は天弓山の山菜を使った天ぷら、冬は鍋料理などが美味。
ミドル2 忘年会2
GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を1D10(→ 1)増加 (56 → 57)
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 9)増加 (43 → 52)
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 5)増加 (33 → 38)
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を1d10(→ 7)増加 (51 → 58)
石神井寅彦:みんなに追いつけない
GM:石神井さん落ち着いてる
【雨宿町・旧市街 酒処『はじろ』】
GM:忘年会はまだ賑やかに続いている。宴たけなわ、といったところだ。
GM:カラスのAオーヴァードが一羽、冷ましてもらった料理をぱくついていたりもする。
夢見:「……これは、おしぼり」
鈴掛 喜一:「お、そうそう。よく知ってんねー」
夢見:「さっき教えてもらった。温かだったが、今は冷たいな」
支部員A:「冷めちゃったからね。鍋も冷める前に食べちゃうといいよ。……食べれる?」
夢見:「うむ、心地よいので、美味しいのだと思う」
支部員B:「……やっぱりRBっぽい感じはするなあ……」
鈴掛 喜一:「ちょっとちょっと、今はまだいいじゃん。どっちかわかんない感じでもさ」
鈴掛 喜一:「なー」
夢見:「よくわからないが、そうなのか?」
支部員A:「ま、気にしないで。ほら、お肉取ってあげる」
GM:夢見は支部員たちにかわいがられ、わいわいと楽しげにしているようだ。
GM:あなたたちも自由に歓談する時間を取れるだろう。
石神井寅彦と若菜美奈人
若菜美奈人:その様子を遠目に見ながらジンジャーエールを呷っている。
石神井寅彦:「ほんとにお酒いらないの?」
石神井寅彦:その隣で、烏龍茶のグラスをゆらゆらと揺らしている。
若菜美奈人:「一人前になるまでは飲まねえと決めてる」
石神井寅彦:「まだ一人前じゃないんだ」
石神井寅彦:「ミナちゃん、エリートって聞いたけど」
若菜美奈人:「戦闘はな」にべもなく。
石神井寅彦:「はは。戦闘はね」
若菜美奈人:「だが、戦闘だけ出来るのはチルドレンとしての一人前だろうが」
若菜美奈人:「エージェントは事務と両立できてこそだ」
若菜美奈人:「そっちは……まあ……まあまあ極めつつあるがまだだ」
石神井寅彦:「ふ……」面白そうな顔。
若菜美奈人:「……何だ」嫌そうな顔。
石神井寅彦:「いや、真面目で良いなあと思って」
石神井寅彦:「だって、凄い修羅場もたくさん知ってんでしょ?」
若菜美奈人:「そりゃあな」ジンジャエールを飲み干す。
石神井寅彦:「それなのに地味な事務仕事やるのなんてアホくさ~とか、ならないの、超真面目じゃん」
石神井寅彦:「ジンジャーエール以外も飲めば?」メニュー表を探す。
若菜美奈人:「昔はなってたがな」店員に手を上げる。
若菜美奈人:「ジンジャーエール……それから」メニューを向ける。「飲まないのか?」
石神井寅彦:「あ、ありがと」受け取る。「じゃあ烏龍茶」
石神井寅彦:「おれも今日はノンアルです」
若菜美奈人:「体質か?車で来てるわけでもないだろう」
石神井寅彦:「いやー、今日は夢見ちゃんいるしね。未成年もいるし」
石神井寅彦:「やめとこーかなーって」
若菜美奈人:「気にする連中でもないだろう」
石神井寅彦:「おれが気にすんの」へらへら笑う。
石神井寅彦:「それともなに、酔わせたかったの?」
石神井寅彦:「やだー」
若菜美奈人:「……」舌打ちする。
石神井寅彦:「アハハハ」ウケている。
若菜美奈人:「実は飲んでるんじゃないだろうな」
石神井寅彦:「えー、それ聞くのもやらしくない?」
若菜美奈人:「やらしい?」
若菜美奈人:「精神状態からして酩酊環境にあるかもしれないと推定するのがか?」
石神井寅彦:「うわマジレスだ」
若菜美奈人:「真面目は褒める文脈じゃなかったのか」
石神井寅彦:「ん~?褒めてはいるよ」
石神井寅彦:「てかさ、そうだ。聞きたかったんだけど」
石神井寅彦:「それこそ真面目な話の方」
若菜美奈人:「何だ」
石神井寅彦:「あれ、例の子。写真の子」紗理羅ちゃん。
石神井寅彦:「エリートチルドレン、遭遇したことあんの?」
若菜美奈人:「無い」
若菜美奈人:「だが、見た……あれだ」
石神井寅彦:「共振?」
若菜美奈人:「幻覚作用……共振か」
石神井寅彦:「幻覚って」笑う。
若菜美奈人:「『往来館』での害獣駆除の時にな……幻覚ではあるだろうが」
石神井寅彦:「共振って言っておいた方が波風立たないよ…」「まあいいや、それは」
若菜美奈人:「”友情と恐れ”を受け取らせた、とほざいていたな。意図は分からんが」
石神井寅彦:「友情と恐れ、ねえ」烏龍茶のグラスを揺らす。結局、料理にはほとんど手をつけてない。
石神井寅彦:「まあ、ジャームなんでしょ」
若菜美奈人:「であるほうがマシだな」
若菜美奈人:「この手合がジャームじゃないほうが厄介だ」
石神井寅彦:「経験則?」
若菜美奈人:「ああ。より狡猾になるのもそうだが……」
若菜美奈人:「手を鈍らせるやつが出る。立ち会った時に」
若菜美奈人:「子供は特にだ」
石神井寅彦:「……」テーブルの向かい側で談笑する二人を見やる。「…そうだねえ」
若菜美奈人:ちらりと2人の子供の方を見る。
石神井寅彦:「どうなの、実際。強そうだった?」
若菜美奈人:「どうだかな。もっと近づいた連中に聞くほうが早いだろうが……」
若菜美奈人:「会ったら負ける気はない」
石神井寅彦:「おー」面白そうな顔。「エリート発言」
若菜美奈人:「あのなんだったか……雷のジャーム」
若菜美奈人:「あれより俺のほうが強い」
石神井寅彦:「え、何。破多々のこと?」
若菜美奈人:「そいつだ」
石神井寅彦:「その自信はどこから来てるんですか?」
若菜美奈人:「経験則」
石神井寅彦:「ははは」ウケる。「破多々に会ったことないでしょ」
若菜美奈人:「事件資料を見れば破壊規模が想定できる」
若菜美奈人:「“タイニーヘラルド”から借りた資料にあった」
石神井寅彦:「小遥ちゃん?」
若菜美奈人:「ああ。柘植さん」
石神井寅彦:「年齢、同じくらいじゃない? 仲良くなれ…うーん?」首を傾げる。「面白そう」
石神井寅彦:「…ちなみにさあ、ミナちゃん」
若菜美奈人:「……呼び名……何だ」
石神井寅彦:「戦うの好きなの?」
若菜美奈人:「いや?」
若菜美奈人:「負けるのが嫌いだ」
石神井寅彦:「はは」笑う。
石神井寅彦:「なんかあった?」
若菜美奈人:「さあな」注文されてきたジンジャーエールを受け取って、烏龍茶を向かいに置く。
若菜美奈人:「だが」夢見の方をちらりと見る。
石神井寅彦:「ん?」烏龍茶をもらう。
若菜美奈人:「あの手合はジャームだったほうが厄介だ。そうしたら俺がやる」
若菜美奈人:「最悪の負けはないだろう。今意識しておけば」
石神井寅彦:「………そうねえ」
若菜美奈人:「その時は”影追い”がガキ連中を離しとけ」
若菜美奈人:「気にするんだろう」
石神井寅彦:「……うん」
石神井寅彦:「おれがね。一人でね」
石神井寅彦:笑う。「あのさ、さっき、あなた言ってたじゃん」
若菜美奈人:ジンジャーエールを呷って。「何を」
石神井寅彦:「手を鈍らせる奴が出るって話」
若菜美奈人:「言ったが」
石神井寅彦:「おれ、手が鈍っちゃう側」
若菜美奈人:「ふん」鼻で笑って。「俺は鈍らない側だ」
石神井寅彦:「さすが」へらへらと笑う。「エリートはちげえなー」
石神井寅彦:「うん、じゃ。もしもの時は、よろしくね」
若菜美奈人:「ああ。その時は、鈍るやつなりの仕事をしろ」
石神井寅彦:「がんばりまーす」
桑原そらと滝道晶
滝道 晶:「いいっすね、この雰囲気。好きだな~」
桑原そら:「ふふ、わたしも好きですよ」
滝道 晶:追加で頼んだ枝豆を食べつつ、ウーロン茶をちびちび。
桑原そら:「枝豆………」すごくほしそうな顔で見ている
滝道 晶:「あ、食べる?」スッと差し出す。
滝道 晶:「遠慮しないでしないで」
桑原そら:「ほわ!いいんですか?滝道くんは優しいですね!」
桑原そら:ニコニコしながら枝豆をつまんでいく
滝道 晶:「食べ物は分けたほうが美味いし楽しいっすからね」
桑原そら:「美味しいものはみんなと食べるとさらに美味しくなりますもんね~」
滝道 晶:「それにしても、そらちゃんよく食べるね~」これは純粋に感嘆してる。
桑原そら:「えへへ、身体を維持するためにたくさん食べないといけなくて」
桑原そら:「家計を圧迫しています」
滝道 晶:「維持っすか…?」見た目は小柄な普通の女子…に見える。
桑原そら:「あ、わたしの身体は機械化してて」
滝道 晶:「あ~、食費。案外バカに出来ないっすもんね」
桑原そら:「小学生のときからこの身体ですね」
滝道 晶:「えっ…ぜんぜんそんな風に見えない!」驚きだ。
桑原そら:「重力操作で体重測定とかは誤魔化してますよ!」
桑原そら:「身長はもうずっと一番前です」
滝道 晶:「そうっすよね、学校はそういう細かいとこが大変だ」
桑原そら:「滝道くんはなにか困ったりすることあります?学校で」
滝道 晶:「身長は…俺ももうちょい欲しい…」175cmは男の夢だ。
桑原そら:「大きいのは憧れますよね…」
滝道 晶:「困ることっすか。うーん…」と少し考え。
滝道 晶:「やっぱ期末テストっすね」
桑原そら:「期末テスト、……大変だったんですか?」
滝道 晶:「ほら、時々手伝いとかで休む時もあるし…中々…」
桑原そら:「ふむ…、滝道くんの苦手科目ってなんです?」
滝道 晶:「特に…数Ⅱっすね…」
滝道 晶:「微分積分…あれは理解できた気がしねっす…」
桑原そら:「あ~…、今回は平均点がとくに低かったって先生も」
桑原そら:「難しいですよね、わたしも結構苦戦しました」
滝道 晶:「っすよね!赤点回避したし褒められてもいいと思うんだよな!」力説。
滝道 晶:「逆にそらちゃんは苦手分野あるんすか?」
桑原そら:「赤点を回避してるのはとてもえらいと思います!」
桑原そら:「苦手……苦手ですか………」
桑原そら:「歴史……です」
滝道 晶:「歴史…わかる、わかるっす」自分も得意ではない。
桑原そら:「どの時代が先かとかで混乱してしまって、世界史が特にだめです」
滝道 晶:「国ごとに出来事が前後するともう無理っすね」
滝道 晶:「時系列で整理できない…」強く頷いている。
桑原そら:「欧米諸国の歴史よりも今の情勢を知っておくほうがためになるんじゃないかなって思います」
滝道 晶:「公民はわりとわかりやすいんすよね」
滝道 晶:「世界史日本史は…うん」
桑原そら:「歴史を学ぶ重要性も分かるんですけどね、公民の方がどうしても役に立つし…」
滝道 晶:「そう言ったら、佐藤先生(世界史担当)に教科書の角で叩かれたっすよ」
桑原そら:「いえ!役に立つ、立たないで判断しちゃだめですね!知識は無駄にならないですし!」
桑原そら:「先生に言ったらそうなるでしょうね…」
滝道 晶:「あれは痛かったっすね…」
桑原そら:「角だと痛そうですよね」自分はおそらく痛みを感じないのだが
桑原そら:「滝道くんは先生にも可愛がられてそうな気がしますけどね」
滝道 晶:「あ~どうっすかね~」
桑原そら:「わたしはあんまり先生とそういう軽口みたいな会話にならないんですよね…」
滝道 晶:「わかんねーとこは聞いたら教えてもらえるっすけど」
滝道 晶:「だいたい脱線して終わるんだよな…」
桑原そら:「うーん…、まず雑談になりませんね」
桑原そら:「なんででしょう……?」
滝道 晶:「そらちゃんは真面目そうっすもんね…」
滝道 晶:「担当持ちって案外その教科に愛着あるっすから、話題伸ばしてくのがいいかも」
桑原そら:「なるほどなるほど」
滝道 晶:「歴史だったら偉人の話とか、英語だったら英語のことわざとか」
桑原そら:「そうやって話していくと先生の話もたくさん聞けそうですね!」
桑原そら:「ふふ、新学期になったら早速ためしてみましょう」
桑原そら:「ありがとうございます、滝道くん!」
滝道 晶:「聞いた話だと『the elephant in the room』とか面白かったすっよ
桑原そら:「滝道くん、いろいろと雑談や脱線した話から知識を増やしてそうですね」
滝道 晶:「参考になったなら幸いっす」ニコッと。
滝道 晶:「初対面でも話題があればなんとかなるっすからね、けっこう役立つんだ」
桑原そら:「たいへん参考になりました!滝道くんとお話するのは確かにすごく楽しいですね」
桑原そら:「日々の積み重ねの賜物ですね、いいことです!」
滝道 晶:「ま、大半は仕舞って終わりの雑学っすけど!」カラカラと笑いながら。
桑原そら:「ふふ、……あ、そういえばなんですが」
滝道 晶:「むっ。枝豆もこれで終わりっすか」ポーンと最後の一粒を放り込み。
滝道 晶:「んー?」もぐもぐと。
桑原そら:「ええと、さっきの」
桑原そら:「戸神さんの件なんですけど」
桑原そら:「あの、今度お会いしたらひわちゃんのことはわたしが一緒にいますから」
桑原そら:「怪我1つ負わせないので、お任せくださいと」
桑原そら:「そう伝えてもらってもいいですか?」
滝道 晶:「…さすがそらちゃんっすね」こういう気遣いは見習いたい所だ。
桑原そら:「戸神さんの心配事も一緒に抱えて守りますよ、わたしは大きなそらですのでね!」
滝道 晶:「うっす、かならず伝えるっすよ」
桑原そら:「よろしくお願いします!滝道くんなら信頼してお任せできますから」
滝道 晶:「あー…うん」信頼、という言葉にちょっと頭をぽりぽり掻いて。
滝道 晶:「その信頼、答えない訳にはいかないじゃないっすか」
滝道 晶:「任せてください、そらちゃんが守る必要もないくらい、頑張るっすから!」
夢見:「とらひこ!」
石神井寅彦:「ん」声の方を見る。
夢見:あなたたちの会話は聞いていなかったのだろう。近寄ってくる。
夢見:「見て、おしぼりを小鳥に変える術をらいかに習った」
夢見:手には、小さな鳥の形をした白いタオルがある。
夢見:「鳥なら少しだけわかるぞ」
石神井寅彦:「あはは、夢見ちゃんが作ったの?」へらっとした表情になる。
石神井寅彦:「上手じゃん」
夢見:「やった」嬉しそうにしている。
夢見:「……それで、ええと」
夢見:「とらひこ。ここで少しだけ思い出したことがあるのだ」
石神井寅彦:「おお」瞬き。「ん?ここで話せること?」
石神井寅彦:「どっか行って、内緒話する?」
夢見:「いや、多分大丈夫だ」
夢見:少し考えてから答える。
石神井寅彦:「そっか」頷きます。
夢見:「とらひこ。ここはすごく賑やかで、人もたくさんいる」
夢見:きょろきょろと周りを見ながら。
夢見:「私がいたところは、そうではなかった。それを思い出した」
石神井寅彦:「そっか。すごいじゃん。大進歩だね」
夢見:「……多分、あなたの言っていた、家みたいなものなのだと思うが……」
夢見:「それから」うーん、と考える顔。
夢見:「ただ、別の誰かがひとりだけ一緒にいた、そのような感じがする」
夢見:「終わりだ。大進歩であろう」えへん、とやはり嬉しそうに。
石神井寅彦:「すごく静かな場所で、だれかひとりと一緒にいたのね」
夢見:「そう」
石神井寅彦:「いや、ほんとに大進歩じゃん!えらいよー」へらへら笑う。
夢見:「ふふふー」
夢見:「でも、そうだな。ここは好き」
夢見:「たくさん、話してもらえた。いろんなものもある」
石神井寅彦:「……思い出した場所は?」
夢見:「……まだ、わからない。あの嫌な感じがして」
夢見:「……思い出したいのかどうかも、よく……」下を向く。
石神井寅彦:「……」その様子を見る。
石神井寅彦:「がおっ」小鳥のおしぼりで驚かせる。
夢見:「ぴゃっ」
石神井寅彦:「ほら、そんな顔しないの!せっかく楽しいところにいるんだから」
夢見:「何をする! 鳥はがおーとは鳴かないのだぞ」
夢見:「それくらいは知っているぞ。がおーは獣だ」
石神井寅彦:「あはは、じゃあなんて鳴くの」
夢見:「ええと、そう……」
夢見:「ホーホケキョ、と鳴く鳥がいたな」
夢見:「あれは知っている。かわいいやつだ」
石神井寅彦:「え~?」笑う。「そんなピンポイントな思い出し方することある?」
夢見:「他にも知っているがーー」
石神井寅彦:「ね、夢見ちゃん」
夢見:「なんだろう」
石神井寅彦:「思い出したこと、話してくれてありがとね。んで」
石神井寅彦:「思い出しても、言いたくなかったら、言わなくていいからね」
夢見:「……そうなのか」
夢見:「でも、今のは言いたかった」
石神井寅彦:「ふふふ」
夢見:「だって、今、すごく楽しくて、嬉しくて」
夢見:「それで思い出したことだからだ!」
石神井寅彦:「そっか!すげー良いね」こっちも笑う。
石神井寅彦:「じゃ、もっと楽しくなれば、また良い事思い出すかもじゃん」立ち上がります。
石神井寅彦:「盛り上がってるとこ混ざりに行こっか」
夢見:「それは良い考えだな」釣られて立ち上がる。
夢見:「行く!」
石神井寅彦:「あはは。良い返事!」
GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
桑原そら:ロイスはなんともうとれない!
滝道 晶:おなじくいっぱい!
石神井寅彦:こっちも満杯!
GM:なんで?
若菜美奈人:あと1枠あるけど保留しよ
石神井寅彦:ボディーアーマー購入に挑戦してみよう
石神井寅彦:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 10[3,8,10]+3[3] → 13 → 成功
若菜美奈人:おお
GM:すごい
桑原そら:おお
石神井寅彦:かえちゃった!
若菜美奈人:応急狙います
桑原そら:さてと……手配師を使用してクリスタルシールドを狙います
若菜美奈人:1DX+1>=8
DoubleCross : (1DX10+1>=8) → 10[10]+5[5]+1 → 16 → 成功
GM:早い
若菜美奈人:なんか買えた
GM:すごいな
石神井寅彦:高級応急手当だ
若菜美奈人:タイピングのおかげかな……
桑原そら:4dx+4>=25
DoubleCross : (4DX10+4>=25) → 9[2,3,9,9]+4 → 13 → 失敗
石神井寅彦:そらちゃんボディーアーマー入ります?
桑原そら:だめ!以上で
若菜美奈人:着ぐるみ着てるはず
桑原そら:あ、戦闘用着ぐるみを
滝道 晶:セットアップ余り気味だしブルゲねらうか、紬の魔眼を使用
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1増加 (52 → 53)
桑原そら:着ています
石神井寅彦:あっ了解!じゃあこっちで装備します
滝道 晶:つよい、かわいい
GM:かたい
滝道 晶:5dx>=20
DoubleCross : (5DX10>=20) → 9[1,1,2,9,9] → 9 → 失敗
滝道 晶:だめ!おわり~
☆TIPS "アンケイジド"金谷 律について
かなや・りつ。雨宿町出身。30歳男性。
UGN雨宿支部処理部所属だが、カヴァーは(株)ピカピカ社員ではなく、地域の保健師。
主に記憶処理を担当しており、ここしばらくは表裏両方で多忙を極めている。
忘年会も欠席。「酒はどうでもいいですけど、酔ってる人たちを見たかった」らしい。
マスターシーン2 来訪
【????】
????:「……やあ、こんばんは」
????:暗い夜道に、ふわりとしたドレスのシルエット。
????:「また会いに来ちゃった」
????:ヴェールの下で、にこやかに微笑んでいるようだ。
????:《Eロイス:孤独の叫び》????に自分に対してロイスを取得させる。感情は○友情/恐怖
????:《Eロイス:怯えのまなざし》自分へのロイスを取得している相手を暴走させる。
GM:この暴走は、シナリオ中に解除条件が満たされるまで継続するものとします。
GM:また、暴走に伴い????の所持するエフェクト《????》の効果が同じくシーンをまたいで継続します。
????:「会いたかったよ、鵺くん」
????:「僕ら、きっと気が合うと思うんだよね」
????:「さあ」
????:「僕の友情と恐怖を、君に」
GM:夜空に、細く恐ろしげな声が響く。
GM:鵺のうろつく夜が、来る。
ミドル3 鵺
GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を1D10(→ 3)増加 (57 → 60)
GM:一応全員登場推奨です。
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 10)増加 (38 → 48)
石神井寅彦:おお
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 5)増加 (53 → 58)
GM:一気に
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を1d10(→ 8)増加 (58 → 66)
GM:段階的
【雨宿町・旧市街 路上】
GM:夜。さほど遅い時間でもないが、あなたたちは二次会には参加せずに店を出て歩いていた。
GM:店の外は旧市街と呼ばれる古い建物の多い地域で、ネオンや街灯はあまり多くはない。
GM:中でも年末で整備が行き届いていないのか、ちらちらと消えかけているものもある。
石神井寅彦:「ふたりとも」高校生に言います。
桑原そら:「はい、なんでしょうか?」
滝道 晶:「うー…さむっ!」手をすりすりしてる。
石神井寅彦:「親とか迎え来てんの?」
桑原そら:「来てません!」
滝道 晶:「あー、うちも来てないっすね、たぶんまた残業かな」
石神井寅彦:「そっかー」笑う。「じゃあ送ってくよ」
石神井寅彦:「おれとミナちゃんが。ね」
若菜美奈人:モッズコートを羽織って後ろを歩いている。「……勝手に決めるな」
夢見:あなたたちと一緒に、とことこと歩いている。
桑原そら:「そこまで遅くもないですし、大丈夫ですよ」
滝道 晶:「子供じゃないって言いたいっすけど」
桑原そら:「任務終わりでこういう時間に帰ることもありますし」
滝道 晶:「でも最近なにかと事件多いからな、安心は安心っすね」
若菜美奈人:「……勝手に決めるな」
若菜美奈人:「必要かどうか判断するのはこっちだ」
石神井寅彦:「そうなんですよ」若菜くんに笑う。
桑原そら:「ええと、では…お言葉に甘えて……?」そういうことでいいのだろうか
滝道 晶:「そういうことっすよね」と、意味に気付いて笑ってしまう。
石神井寅彦:「ふふふ。じゃあ甘えてもらってー」
若菜美奈人:「お前ら家どこだ。近いやつから……」ポケット地図を開いてガラケーのライトで照らしている。
GM:では、そうしてあなたたちが夜道を行くさなか。
GM:冬の風の中、静まり返った暗い道、中でも一際闇の深い辺りに差し掛かった時。
GM:全員知覚で判定をお願いします。目標値はなし。一番高かった人が最初に気付きます。
桑原そら:はーい
滝道 晶:知覚~!
桑原そら:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 8[8,8,8] → 8
石神井寅彦:1dx+1
DoubleCross : (1DX10+1) → 5[5]+1 → 6
桑原そら:ゾロ目!
若菜美奈人:3DX+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 7[2,6,7]+1 → 8
滝道 晶:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 4[1,1,3,4] → 4
若菜美奈人:電磁波ビリビリ来たのかな
GM:おっ、じゃあ桑原さんと若菜さんが気が付きます。
石神井寅彦:雷組だ
桑原そら:わいわい!
滝道 晶:高体力組だ
GM:あなたたちがまず気付いたのは、何か妙な気配。
GM:少し離れた暗がりに、大きな影のようなものが見える。
GM:獣の息づかいのようなものも感じるかもしれない。
GM:影は進みも退きもせず、じっと様子を伺っているようだ。
桑原そら:「……、止まってください」
桑原そら:「なにかいます」
若菜美奈人:その声を聞く前に構えている。
滝道 晶:「道間違えたっすか…?…なにか?」
若菜美奈人:「“導雷身”は前」
桑原そら:「ええ、わかっています」す、とみんなよりも一歩前に出る
GM:やがて。これは全員の耳に届くだろう。
GM:細い遠吠えのような、鳥の鳴き声のような、奇妙な声。
GM:それから……。
オリジナルステージ限定エフェクト《産土の共振》。
タイミング:オート
対象:シーン(選択) 射程:視界
対象に目標値8の意志判定を行わせる。失敗した者は侵蝕率+1d10。
また、判定の結果に関わらず、対象にはそのシーンに登場済みの人物の精神に共振を受ける。
GM:具体的にはシーン切り替わりなしにマスターシーンが挿入されます。対象になったキャラクターは内容を認識します。
GM:これは便宜上使用者を定めていますが、土地の影響による現象のようなものとお考えください。
GM:このエフェクトを使用……直後に。
????:《レネゲイドディゾルバー》。《産土の共振》を打ち消すよ。
GM:打ち消されました。意志判定とマスターシーンは発生しません。

紗理羅:「そういうことしちゃダメだよ、鵺くん。せっかく仲良くなれそうなんだから」
GM:あなたたちに流れ込みかけた何かが、ふつりと途絶える。あるいは、薄い恐怖と懇願の響きだけを感じたかもしれない。
GM:闇に紛れ、やはりよく見えないが、黒いドレスを纏った少女が一人。
GM:ヴェールに隠れた顔。支部からの資料で、あなたたちは姿を知っているだろう。
GM:あるいは、滝道くんと若菜さんは、その存在そのものの感覚を感じたことがあるかもしれない。
若菜美奈人:「……お出ましか」
GM:過去にホテル『往来館』やハロウィンイベントなどで騒動を起こした要対処存在のジャーム、紗理羅と見て間違いないだろう。
桑原そら:「あなたは……!」
滝道 晶:「この感じ…!」
石神井寅彦:「…写真の子だね」夢見ちゃんを後ろに隠す。
紗理羅:「あれ、僕有名人なの?」
紗理羅:くきり、と首を傾げる。
紗理羅:「最近なんだかうるさい人たちがいっぱいいると思ったら」
紗理羅:「せっかくできそうだった友達も、連れて行っちゃうし」
夢見:「…………」
夢見:そっと後ろに隠れるが、何か妙な顔をしている。
紗理羅:「ね、ね、鵺くん。どうせだし、一緒にやっちゃお。怖がらせちゃおうよ!」
石神井寅彦:夢見ちゃんの様子に気づく。眉をひそめる。
鵺:「…………」やはり動かない。
紗理羅:こちらは妙にはしゃいだ声で、あなたたちに敵意を向けているようだ。
紗理羅:「君がやんなくても、僕がやっちゃうよ」
若菜美奈人:「話が早くていいな……」伊達眼鏡を外して戦闘準備をして、動かぬ鵺に幾ばくかの違和感を覚える。
紗理羅:「だって、最近つまんないんだもん。失敗続きで」
若菜美奈人:「最後にしてやる。失敗を」
紗理羅:「あれ、それってー」
紗理羅:「今回は成功、ってこと!」
紗理羅:くりん、と首が妙な動きをする。
桑原そら:「さてどうでしょう?」
石神井寅彦:「タキくん。いける?」
滝道 晶:「…ホテルの時みたいにはさせないっす」いつでも戦えるよう警戒してる。
桑原そら:「みなさんのことはわたしが守ります」
桑原そら:「攻撃は、よろしくお願いしますね!」
紗理羅:じゃきん、と白っぽい剣が袖口から飛び出す。
若菜美奈人:「……直接やるのか」呟く。
紗理羅:「そういう気分の時はね」
紗理羅:「たとえば」
紗理羅:「目の前で怖がってくれそうな人がいる、とか!」
GM:簡易戦闘を行います。
GM:エンゲージは考えなくていいですが、イメージはこう。
[紗理羅(8)鵺(5)]
|
5m
|
[滝道(10)桑原(6)石神井(6)若菜(6)]
GM:また、簡易戦闘のためセットアップはなしとします。
桑原そら:え、暴走できない
GM:戦闘終了条件についてですが、イニシアチブに少しイベントを挟んだ後にしたいと思います。
GM:そうなのだ、ごめんね
■イニシアチブ■
GM:行動値順では滝道くんですが
GM:割り込みが発生します。
紗理羅:《原初の虚:鼓舞の雷》
紗理羅:鵺くんに行動してもらいたいなあ
鵺:…………
鵺:待機します
滝道 晶:なんだって…
若菜美奈人:一体……?
石神井寅彦:一体何が…
紗理羅:「ほら、せっかくそんな強そうなんだから、一緒に楽しもうよ」
GM:鵺と呼ばれた獣に抱きつくが、反応はない。
鵺:ぶるぶると大きく震えて、その場にただ留まっている。
紗理羅:「ええー……あれ、もしかして、君も怖いの?」
紗理羅:「ふふ、おんなじだ! やっぱり僕ら、友達になれるよ!」
GM:ということで、説明です。
GM:あなたたちは紗理羅を発見しました。戦闘を考慮に入れた対処の必要があります。
GM:同時に、詳細不明の鵺と呼ばれた獣の行動について不審を覚えていることでしょう。
GM:あなたたちにはメジャーアクションとして以下の判定の選択肢があり、成功で情報が開示されます。
★鵺について調べる 〈知覚〉〈情報:UGN〉5/7
★紗理羅について調べる 〈知覚〉〈意志〉〈情報:UGN〉8
GM:ただし場所が暗がりで臨戦状態のため、攻撃・回避を含めて現状で出ている判定を行う際は達成値に-2のペナルティがつきます。
GM:もし何か解決できるようなイージーエフェクト・アイテム・技能を持っていた場合、申請次第でボーナスが入ります。
GM:また、使用法によっては1PCにつき1ラウンド1回まで、自分の手番以外にも他のPCへの支援として行うことも可能です。
GM:戦闘終了条件は「このシーン内の全ての情報項目を開示する」ことです。
GM:なお、条件を満たさずに攻撃を行った場合、紗理羅と鵺は逃亡し、再度同様の判定を行うシーンが入ります。ご注意ください。
若菜美奈人:ほえ~
桑原そら:なるほどなるほど
GM:ということで、一気にやっちゃいましたが
GM:質問などあればどうぞ!
石神井寅彦:大丈夫です~
滝道 晶:問題ないです!
若菜美奈人:OK!
桑原そら:大丈夫です
GM:行動時にどういうことをするか宣言してもらって
GM:その際に申請があればボーナスがつきますよ、なしだと-2!とだけ
GM:はーい
GM:では、再度行動値順に戻りましょう。
GM:10の滝道くんから。
滝道 晶:はーい
滝道 晶:これは…情報収集かな!
GM:では項目を選んで、イージーの申請があれば言ってください。
GM:わりと……なんでも聞くとの噂もあります
GM:他の人が支援してもいいですよ。これも申請次第。
滝道 晶:えーっと、じゃあ《万能器具》で光源を創りたいです。
GM:おっいいですね
GM:そしたら暗闇ペナルティがそもそも打ち消しかな
GM:プラマイ0で判定を行えます
滝道 晶:やったー!
滝道 晶:業務用のバカ明るい照明を作ります。
GM:ひえ
GM:どちらの項目を調べますか?
滝道 晶:えーっと、とりあえず脅威の紗理羅かな
GM:了解です。判定をどうぞ!
滝道 晶:情報:UGNで判定!紬の魔眼も使用!
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1増加 (58 → 59)
滝道 晶:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 9[3,5,7,7,9]+1 → 10 → 成功
GM:成功!
GM:では情報が開示されます
滝道 晶:よし!
石神井寅彦:さすがよ~
★紗理羅について調べる 8
紗理羅は黒い長いスカートを穿き、袖で手も隠れている。
しかし、動きの合間に隠されているものを見ることができるだろう。
普通の手や脚はそこにはない。白い骨が覗いている。
紗理羅のオリジンは骨に纏わるものであると推測ができる。
GM:以上です。
滝道 晶:ほ、骨…!
若菜美奈人:そうとは……
GM:演出はまとめてにしましょうか。
滝道 晶:はーい
GM:8の紗理羅が動きます。
GM:PC全員に攻撃を行うので、回避で判定を行ってください。目標値は7(-2ペナルティあり)。
GM:これも申請をどうぞ……なんですが
GM:さっきなんかすごいライトつくられちゃったんだよな
石神井寅彦:うちのタキは万能なんだぞ!
GM:ペナルティを一律-1とします。
滝道 晶:あっやったー!
GM:他に何か申請があれば受け付けます。
石神井寅彦:うれしい~!
桑原そら:滝道くん偉い~
若菜美奈人:さすが!
GM:失敗した場合、2d10のダメージ。データ的には範囲ではなく4体への攻撃。装甲有効で、カバーリングも可能です。
桑原そら:ふんふん
桑原そら:《偏差把握》を使用したいです
GM:あっいいものもってる
GM:そうですね……ダイス+1個しようかな
石神井寅彦:そら様~!
桑原そら:ありがとうございます!
石神井寅彦:ありがとうございます~やった~
GM:あ、これはでも見えるのはそらちゃんだけかな
若菜美奈人:なるほどね
桑原そら:カバーも出来るらしいので
GM:できます
桑原そら:失敗したらカバーします
GM:了解です
石神井寅彦:かっこいい~
GM:他はありますかー
若菜美奈人:回避してみようかな
石神井寅彦:なし!
滝道 晶:回避!
石神井寅彦:回避してみるぜ
GM:大丈夫な人は回避をどうぞ
若菜美奈人:5DX-1>=7
DoubleCross : (5DX10-1>=7) → 5[1,3,3,4,5]-1 → 4 → 失敗
若菜美奈人:うわすごい低い
桑原そら:回避しましょうか
石神井寅彦:1dx-1>=7
DoubleCross : (1DX10-1>=7) → 7[7]-1 → 6 → 失敗
滝道 晶:1dx-1>=7
DoubleCross : (1DX10-1>=7) → 5[5]-1 → 4 → 失敗
石神井寅彦:ペナルティが~
滝道 晶:だめか~
桑原そら:5dx-1>=7
DoubleCross : (5DX10-1>=7) → 9[3,4,7,7,9]-1 → 8 → 成功
若菜美奈人:すごい
石神井寅彦:おお!
GM:エフェクトとか諸々は使えるよ
滝道 晶:やる~!
桑原そら:さて、誰をカバーしましょうかね?
石神井寅彦:侵蝕率的には若菜くんがいいのかな?
若菜美奈人:HPいっぱいあるから平気だぜ
石神井寅彦:あっそうじゃん
GM:なんで……
桑原そら:HP的には滝道くんかな?
若菜美奈人:かな~?
石神井寅彦:ですね!こっち防具あるし 侵蝕率ひくいし
滝道 晶:貧弱…!
石神井寅彦:滝道くん守ってあげて!
桑原そら:コンボ「雷避け」 《マグネットフォース》で滝道くんをカバーします
GM:了解です。
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を2増加 (60 → 62)
GM:では、石神井さん若菜さんは2d10ダメージ
GM:そらちゃんは4d10ダメージかな
GM:失礼!
GM:回避してましたね。三人とも2d10ダメージ!
桑原そら:はーい
滝道 晶:そらちゃんありがと…!
桑原そら:いえいえ
若菜美奈人:来いやっ
桑原そら:ダメージどうぞ
石神井寅彦:受けるぜ!
紗理羅:2d10
DoubleCross : (2D10) → 17[10,7] → 17
紗理羅:たっか
若菜美奈人:たか!
石神井寅彦:たか!
紗理羅:僕つよいから……
GM:装甲有効です
桑原そら:良い出目ですね、装甲と機械化兵の効果で無傷です
GM:マジ?
若菜美奈人:???
滝道 晶:うそ…!?
石神井寅彦:かた~~~!!
若菜美奈人:装甲で7点軽減して10点ダメージ。
石神井寅彦:装甲8ひいて9ダメージ受けます HP17で生存!
若菜美奈人:若菜 美奈人のHPを10(→ 10)減少 (50 → 40)
桑原そら:22ダメージ以上じゃないと受けない
GM:こわ……
GM:では、紗理羅の手番は終わり。
滝道 晶:既に陽は落ち、夜の帳が下りている。
滝道 晶:いくら街灯があるとはいえ、その光源は頼りなく、相手の姿も碌に見えない。
滝道 晶:「こうも暗くっちゃ…!」
滝道 晶:と、地面に手を置き《万能器具》。相手の姿を捕えるため、設置型の照明を作り始める。
滝道 晶:しかし、いくらモルフェウス能力と言えど、それなりに時間はかかる。
滝道 晶:こと戦闘中に置いて、その時間は隙と同義だ。
紗理羅:「あっはは」
紗理羅:じゃきん、と袖口から剣のようなものが飛び出す。全部で四本。
紗理羅:「ダメだよー。暗いから怖いんじゃない!」
紗理羅:ざ、とそれは長さを増し、あなたたちに突き刺さらんと襲いかかる!
滝道 晶:「げっ…!速っ…!?」
桑原そら:《偏差把握》によってこの状況における重力偏差を把握、剣が四本向かってくる。
桑原そら:「攻撃が来ます!わたしは滝道くんのフォローに回りますので!」
桑原そら:自身に伸びる剣を躱し、滝道くんの前へ
桑原そら:「滝道くんは器具の生成に集中を!」
桑原そら:そう告げてから向かってきた剣を電磁力と重力で捻じ曲げ、止める
若菜美奈人:「“影追い”」正面を見たまま。「避けるな」
石神井寅彦:「マジかよ」
若菜美奈人:”導雷身”はやれすぎてしまう。完全に止めきるだろう。
若菜美奈人:その攻撃手管を観察するために、無防備で攻撃を受ける必要がある。
石神井寅彦:後ろの少女を庇いたいなら、動かないのが一番楽だし。
石神井寅彦:ただ、痛そうだなと顔をしかめる。
紗理羅:伸びたもう二本の剣は、真っ直ぐにあなたたちに向かう。
若菜美奈人:剣がその身を裂く。特に表情も変えずそれを受けて。
紗理羅:あまりに直接的な一撃。
紗理羅:「当たったー!」無邪気に喜ぶ声。
石神井寅彦:「いっ……つぅぅぅ」身を裂かれて、こちらは当然顔を歪ませる。
若菜美奈人:その表情が、強烈な逆光にかき消される。「”光芒双閃”!見えたか!」
桑原そら:「滝道くん、対象の観察を!」
夢見:「……とらひこ!」
滝道 晶:「お待たせ…しましたあっ!」完成した照明が、暗がりの少女を光の元へ照らし出す。
紗理羅:「……っ! まぶしい!」
紗理羅:かざす手、翻ったスカートの下の脚。
紗理羅:剣に見えたもの。
紗理羅:白く、すべすべとした骨だ。
紗理羅:くるりと一回回って、スカートがふわりと浮き上がる。
紗理羅:「失礼しちゃうなあ、もう。礼儀知らずすぎない?」
滝道 晶:「その脚…いや身体!まさか骨…!?」
桑原そら:「骨を起源にするあやし、ですか」
紗理羅:「あーやだやだ、そうやって全部明かりを当てちゃうんだ」
滝道 晶:「たぶん…!その剣も…!」おそらく骨の形状を変えたモノ。
紗理羅:「無粋ー。ねえ、鵺くん!」
鵺:まだ暗がりの中にいて、ただ奇妙な吠え声だけを上げている。
鵺:動く気配は、やはりないようだ。
若菜美奈人:「……成程」
GM:では行動値6組、お好きな順番でどうぞ。
GM:現状項目はひとつ。
★鵺について調べる 〈知覚〉〈情報:UGN〉5/7
GM:7以上が出れば両方開く形式です。
石神井寅彦:UGN得意な人にお任せしたいですね
GM:また、いろいろあってペナルティは-1となっています
若菜美奈人:じゃあ行ってみようかな
桑原そら:攻撃が出来ないので
桑原そら:こっちがいく方がいいのかなと思っていました
若菜美奈人:情報開いたら戦闘終わるんじゃないっけ
石神井寅彦:終わるとの噂
桑原そら:あ、そっか
GM:全部抜いたらね
石神井寅彦:全部ね!
若菜美奈人:新しい項目は出るかもだけど
桑原そら:じゃあ若菜さんにお任せしよう
若菜美奈人:途中で殴って倒しちゃうと困る気がする
滝道 晶:おまかせ!
若菜美奈人:やります!
GM:どうぞ! なんか申請があればそれもどうぞ
若菜美奈人:《人間発電機》で電力供給して、作られた照明の光量を上げようと思います
GM:ひえ
GM:それはもうペナルティゼロですね
若菜美奈人:実質昼!
桑原そら:わーいやったー
GM:あかるいよー
石神井寅彦:実質昼w
若菜美奈人:★鵺について調べる 〈知覚〉〈情報:UGN〉5/7 これに挑戦します。
GM:どうぞ!
若菜美奈人:コネ:UGN幹部を使用して〈情報:UGN〉。
若菜美奈人:4dx+3>=7
DoubleCross : (4DX10+3>=7) → 9[3,3,7,9]+3 → 12 → 成功
GM:たっかい
石神井寅彦:すご~
桑原そら:お見事です!
若菜美奈人:やりました
GM:それは両方抜けますね……!
GM:二件開示します。
★鵺について調べる 5
獣の姿は奇妙な、それこそキメラや鵺のような形をしているようだ。
片方だけに羽が生えていたり、尾が二本あったり。
胴体や顔も様々な獣の寄せ集めに見える。
★鵺について調べる 7
よく見ると獣は人間の衣服を着ているように見える。
あなたたちにはよく見覚えがあるだろう。(株)ピカピカの作業着だ。
かなり大きなサイズで、社内には戸神富久郎以外にこの体格の持ち主はいない。
→★鵺に話しかける〈芸術:話術〉〈交渉〉8 が可能になりました。
※これには暗がりは関係ないため、ペナルティは発生しません。
GM:以上です。
GM:では、続いて行動値6組のどちらかどうぞ
桑原そら:交渉はお任せします!
石神井寅彦:ありがとうございます!
GM:現状はこちら1点
★鵺に話しかける〈芸術:話術〉〈交渉〉8
石神井寅彦:《シャドウダイバー》使用して、鵺の感情を読み取りながら会話を試みたいです。
GM:おっぴったりのがある!
GM:そしたらそうですね……ダイス+2個しましょう
石神井寅彦:わ~ありがたすぎる
石神井寅彦:うーん 〈交渉〉でいこうかな。交渉で判定します。
石神井寅彦:5dx+1>=8
DoubleCross : (5DX10+1>=8) → 8[1,3,3,7,8]+1 → 9 → 成功
GM:ばっちりだ
石神井寅彦:ホッ
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を2増加 (48 → 50)
桑原そら:お見事です!
滝道 晶:さすが!
GM:では、開示というか状況をお伝えします。
★鵺に話しかける 8
あなたが獣に声をかけると、何やら吠え声で応えているようだ。
少なくとも戦意はないように思える。
疑いの出た名を問えば、一際大きな声で鳴き、しきりに頷くような動きをする。
人語は発せないようだが、どうやらこの獣が戸神富久郎で間違いないことがわかる。
GM:以上です。
GM:これでこのシーンの情報項目は全てです。条件を満たしたため、戦闘終了。
GM:ただ、次の手番は放棄してここで終了しても構いませんし、攻撃を行っても構いません。
GM:どちらを選んでも紗理羅は鵺を連れて逃亡しますが、クライマックス戦闘に多少の変化が出る場合があります。
桑原そら:攻撃せずに行動を放棄します
GM:了解です。
GM:では戦闘終了。逃亡は演出時に行います。
若菜美奈人:暗がりの中の鵺を睨みつけるように見据える。
若菜美奈人:「寄越せ」後ろに手を出す。
石神井寅彦:「わかんねーって」傷ついた腹部を撫でながらぼやく。
滝道 晶:「……なるほど!」ホテルでの一幕を思い出しピーンと来る。
石神井寅彦:「…あっ、分かるの」
石神井寅彦:「みんな有能だこと…」
滝道 晶:「へへ、付き合い長いっすから!」
若菜美奈人:「早く寄越せ」
滝道 晶:「あっはい、美奈人さんこれっすね!」照明のコードを投げて手渡す。
桑原そら:「…なるほど」それを見てようやく理解
若菜美奈人:それを引っ掴むと、光がとみに強まる。
若菜美奈人:《人間発電機》による物の耐電流を超えるほどの過供給。
石神井寅彦:「うおわっ…やっば」
鵺:低い声で唸りを上げ、あなたたちのやり取りをじっと見守っていたが。
若菜美奈人:さらに、その電流と、コードがコイルのように巻かれたことによって展開された磁力が、
若菜美奈人:外力となり、ぐりんと照明の向きを変える。
若菜美奈人:紗理羅から、鵺へ。
若菜美奈人:強烈な露光が、それを顕にし、長い影を落とさせる。
石神井寅彦:「……あらどうも?」笑って言う。
鵺:その姿が、光の中に浮かび上がる。
鵺:ずっと動かずにいた獣は、光からも逃げはしなかった。
若菜美奈人:「……」それには応えず。「……あの格好……」
鵺:……奇妙な姿。かなり大きな犬に似てはいるが、鳥の羽が片方。色の違う脚。尾は二本。
鵺:それに加えて目立つのは……なぜか無理やり着ている衣服。
鵺:先ほどの忘年会会場でもよく見かけた色の、作業着だ。
鵺:背中には社名が入っている。
鵺:『(株)ピカピカ』と。
若菜美奈人:「あそこの元社員にダブルクロスがいるとは聞いてないぞ」
若菜美奈人:「どういうことだ、“影追い”」
石神井寅彦:「……元社員じゃないかも」
若菜美奈人:「あ?」
石神井寅彦:「ひときわでっけーから、作業着わざわざ発注かけたって」
若菜美奈人:「……」
若菜美奈人:「……"ヒルカクロフ"か」
石神井寅彦:「…タキくんっ!」
石神井寅彦:「話したいこといっぱいあるでしょ!声かけて!」
石神井寅彦:そう、言いながら。
滝道 晶:「えっ…ええーっ!富久郎さんっすか!?」
石神井寅彦:照明を浴びて伸びる自身の影が、影絵芝居のようにぐにゃりと歪んで、鵺に向かって一気に伸びる。
鵺:その名を聞いてか、初めてびく、と動きが見えた。
鵺:影も、避けない。そのまま受け入れる。
石神井寅彦:「そう、あなたの友達…」鵺を見る。「…トガちゃん!」
石神井寅彦:「悪いけど、読ませてもらうよっ」
鵺:細い、遠吠えのような声。
石神井寅彦:《シャドウダイバー》。影を繋げ、同化して、彼の感情を読み取る。
鵺:それから、こくり、と頷くような動き。
鵺:……あなたが読み取ったのは。
鵺:恐怖。恐怖。恐怖。
鵺:その下にある、懐かしい気持ち、暖かい気持ち、懇願、そういったものが。
鵺:全て恐怖に塗り込められている。
鵺:いわゆる暴走状態にある、ということはわかるだろう。
石神井寅彦:「…あのゴスロリちゃんになんかされてるっぽいな」
滝道 晶:「富久郎さーん!富久郎さんなら返事してくださーい!」ブンブンと手を振る。
滝道 晶:「えーっ、やっぱり!?」ホテルの雷獣を思い出す。
鵺:大きく尻尾を振り、首を縦に振る。
鵺:何か懸命に声を上げようとしてもいるようだが、こちらは人語にはならないようだ。
石神井寅彦:「…だから、今のうちに、伝えたいこと伝えなきゃだよっ」
鵺:がりがりとアスファルトの地面を引っ掻き、悲しげにまた鳴く。
滝道 晶:「つ、伝えること…!?えーっとえーっと」
滝道 晶:「だ、誰も富久郎さんのこと怒ってないっすよ、むしろみんな心配してる!」大声で。
滝道 晶:「どうしてそうなっちゃったのかわかんねーっすけど!」
鵺:金色の目が、悲しげにあなたを見ている。
滝道 晶:「絶対俺達どうにかしますからー!待っててくださいっす!」
鵺:再度、尾を振り頷く動き。
滝道 晶:「だから辛かったら辛いって言っていいんすよ!もっと俺達を頼ってくださーい!」
紗理羅:「……なあに、あれ」ぽつりと、腹立たしげに。
紗理羅:懸命に吠え声を上げる獣を見ている。
滝道 晶:「えーっとあとは、あとは…!?」だいぶテンパっている。
石神井寅彦:「はは、良いよ。その調子で…」
紗理羅:「……ん?」
紗理羅:くりん、と首を動かす。
紗理羅:石神井さんを……いや。その後ろの少女を見ている。
夢見:「……とみくろう……?」
紗理羅:「あら、あら、あら?」
紗理羅:「うわ、気が付かなかった。もしかして君、夢見?」
夢見:「!」
紗理羅:「そっかそっかー、出てきたんだ。まあいいけど」
石神井寅彦:「…夢見ちゃん?」後ろの少女を庇う。
紗理羅:しゃきん、とまた白い骨が手から覗く。
紗理羅:「もう、バイバイしたもんね」
紗理羅:ざ、と腕が伸びる。骨が伸びる。
紗理羅:夢見と、その前にいる石神井さん。二人をまとめて貫こうと、骨の剣が高速で飛ぶ!
石神井寅彦:「…今度は」呟く。「観察する必要ないでしょ」
桑原そら:斥力と電磁力の反発を利用し、ダンッ という音とともに跳躍
桑原そら:石神井さんたちの前に瞬間的に躍り出て
夢見:「……とらひこ!」ぎゅ、とあなたの袖を掴む。
若菜美奈人:「無い」「手を出す必要もな」
桑原そら:骨の剣を重力で地面にめり込ませる
紗理羅:「!」
紗理羅:「何、これっ、重っ!」
石神井寅彦:「はは」「本当、みんな有能なことで…」
石神井寅彦:袖にしがみつかせたまま、目の前のそらちゃんに任せる。
滝道 晶:「さっすがそらちゃん…!」
紗理羅:こきん、と音を立てて骨が折れる。構わず後ろに退く。
桑原そら:「そう簡単には攻撃なんてさせません、わたしがいます」
若菜美奈人:反撃の雷撃を浴びせようと構えて準備している。
紗理羅:「そういうの、大っ嫌い!」
紗理羅:「全然怖くない! つまんない!」
紗理羅:「ばーか!」
紗理羅:そのまま、鵺の傍へと飛び去り。
紗理羅:そして《Eロイス:囚人の鳥籠》鵺を連れて退場します。
紗理羅:「行こ、鵺くん。君がいればいいや!」
鵺:ばたばたと反抗するように暴れる。が。
GM:周囲に無色の気配が立ちこめる。
GM:あなたたちにほんの一瞬、怯むような感情を掻き立てる、レネゲイドの霧。
GM:その隙をついて、少女と獣はいつの間にか闇に溶けて、去ったようだった。
若菜美奈人:「チッ……」舌打ちする。
滝道 晶:「…富久郎さんっ!」一瞬の出来事に声は追いつかず。
石神井寅彦:「…逃げられちゃったね」
若菜美奈人:未知の攻撃を警戒した逡巡を突かれた。
桑原そら:「…逃がしましたね、これは困りました」
石神井寅彦:「そらちゃん、ありがとね。守ってくれて」
夢見:「…………」
滝道 晶:「もう何が何だか…」
夢見:小さく震えて、顔色は悪い。
桑原そら:「いえいえ、それがわたしの仕事ですので」
石神井寅彦:「ふふ。でも助かりました。ね…」夢見ちゃんを振り返り、彼女の様子を見る。
夢見:「……とらひこ……」
夢見:微かに目に涙を浮かべている。
夢見:「痛かった?」
石神井寅彦:「……え? あ、さっきの?」
夢見:こくりと頷く。
夢見:「みなとも、そらも」
若菜美奈人:「かすり傷だ」
桑原そら:「わたしは怪我一つありませんよ、大丈夫です」
石神井寅彦:「おれも平気です」笑う。「ごめんね、びっくりさせちゃった」
滝道 晶:「みんな強いっすから、大丈夫大丈夫」
夢見:「でも、人をああやって傷つけるのは、よくないこと、だって」
夢見:「私は……あの時……」
夢見:「…………?」
夢見:首を傾げている。
石神井寅彦:「……」その様子を見てから、若菜くんに振り向く。
石神井寅彦:「とりあえず、どうしよっか」
若菜美奈人:「支部に連絡して対策立案」
石神井寅彦:「はい」
滝道 晶:「富久郎さんの後を追っかけたい所…だけど難しいか」
若菜美奈人:「そう言うときのためにバックアップさんたちが居るだろうが」
若菜美奈人:「本職に任せろ。捜索は」
滝道 晶:「その通りっすね…」
石神井寅彦:「未成年は一旦帰っていいよ、もう遅いし」
石神井寅彦:「……トガちゃんに伝わってたよ、タキくんの声」
石神井寅彦:「だから大丈夫!」ばしっと腕をはたく。
滝道 晶:「そうっすかね…いてっ」元気づけてくれてるのはわかる。
石神井寅彦:「ハハ」
滝道 晶:「…ありがとうございます。俺、絶対富久郎さん見つけます」
石神井寅彦:「ん。バックアップさん達と協力しつつね」目を細めます。
滝道 晶:「それで、あー。俺も支部に戻りたいんすけど…だめっすか」
若菜美奈人:「却下」
石神井寅彦:「ハハハ。未成年はダメ」
滝道 晶:「えー。……了解っす」しぶしぶ。
桑原そら:「あの…、少しだけでいいんですが夢見さんとお話しても大丈夫でしょうか?」
夢見:「……私と?」
夢見:「私はいい。そらとお話はしたい」
石神井寅彦:「いいよ、いいよ」二人を見る。「てかこっちに許可とんなくていいし」
桑原そら:「ありがとうございます!保護者は石神井さんですしね、そこはしっかりしませんと」
桑原そら:「あの…夢見さん、先ほどああやって人を傷つけるのはいけないことだとおっしゃいましたが」
夢見:「……言った」こくりと頷く。
桑原そら:「どこかで、そう思ったことがあるんですよね?」
夢見:「そう……なのだと思う」
夢見:「しっかりは覚えていない。でも、確かに、どこかで」
夢見:「……家? 家ではないが、あそこで?」考え込んでいる。
桑原そら:「今は、その記憶がわからなくても大丈夫です」
桑原そら:「あなたが、人を傷つけるのが嫌だ、と思ったその気持ちを」
桑原そら:「そのまま、大切にしてください」
夢見:「……そら」
桑原そら:「そうすれば、きっとみんな力になります」
桑原そら:「絶対に、お約束します」
夢見:「うん」小さく頷いて。
夢見:「……でも、もうひとつ思い出した」
夢見:「私は、傷つけるのは嫌、と思っている。でも、時々そうでない時もあって」
夢見:「じっと我慢をしなければならない」
夢見:「……一緒にいた誰かは、そんなのはおかしい、と笑っていた」
夢見:「……そんな、気がして……」
桑原そら:「…なるほど、教えてくれてありがとうございます」
夢見:「……うん」
桑原そら:「うん、きっとあなたは大丈夫ですね!石神井さんもいますし」
夢見:「そらは、格好良かった」
桑原そら:「えへ、褒められると照れますね」
夢見:「とらひこは、守ってくれたし、あきらはたくさん話しかけて、みなとはすごく眩しくて」
夢見:「みんな、凄かった」
夢見:そらちゃんの手をきゅっと握って。
夢見:「ありがとう」
桑原そら:「そうですね、みなさんそれぞれすごくかっこいいんですよ」
桑原そら:「はい、どういたしまして!」
桑原そら:「こちらこそ、守らせてくれてありがとうございます」
石神井寅彦:(傷つけるのが嫌だけど、そうでない時もある…)(…暴走時の衝動パターンかな)
石神井寅彦:「…眩しいって。良かったね」ミナちゃんに言う。
桑原そら:「さてと…、あんまり長くなると若菜さんの眉間のシワが深くなってしまいますし」
若菜美奈人:「どこに良さが……?」
若菜美奈人:「あ?」
石神井寅彦:「ほらほら怒らないのー」
滝道 晶:「輝いてるってことっすかね」
桑原そら:「ふふ、心配をかけてしまいますのでいい子に帰りましょうか滝道くん」
滝道 晶:「そうっすね、残念っすけど…」
滝道 晶:「なんかあったら呼んでくださいよ!すっとんで来ますから!」
若菜美奈人:「寝ろ」
石神井寅彦:「アハハ。頼りにしてますよ」
石神井寅彦:手を振る。「送っていけなくなっちゃってごめんね。気をつけて」
桑原そら:「まだ身長も伸びるかもしれませんしね、素直に帰って寝ましょうか」
滝道 晶:「寝たら伸びるってほんとかね~…?」富久郎さんの身長を思いながら、夜の闇の中をゆっくりと歩きだした。
石神井寅彦:それを見送る。「……夢見ちゃん。話せて良かったね」
石神井寅彦:「行こっか」少女を呼んで、支部への道を戻る。
GM:桑原さんの携帯端末にメッセージが届いたのは、帰宅後のことだった。
新城 ひわ:『聞いて! もう一度ノエルに会えたよ!』
新城 ひわ:『今度は普通の道だったのに、会えたんだ』
新城 ひわ:『やっぱり帰って来てるんだ』
新城 ひわ:『また会いに行かなきゃ』
新城 ひわ:『今度一緒にお墓に行こ!』
GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
桑原そら:ロイスは満杯!
若菜美奈人:ロイス保留で~
若菜美奈人:応急使います
滝道 晶:ロイスいっぱい!
石神井寅彦:ロイスは満杯~!
若菜美奈人:若菜美奈人のHPを2d10(→ 8)増加 (40 → 48)
石神井寅彦:応急手当つかいます
桑原そら:手配師使わずにクリスタルシールド狙ってみましょうかね
石神井寅彦:17+2d10
DoubleCross : (17+2D10) → 17+11[6,5] → 28
滝道 晶:ボデマねらうか~
石神井寅彦:全快!HP26です
桑原そら:2dx+4>=25
DoubleCross : (2DX10+4>=25) → 2[1,2]+4 → 6 → 失敗
桑原そら:これはひどい
桑原そら:以上です
滝道 晶:紬の魔眼も使って判定~!
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1増加 (59 → 60)
滝道 晶:6dx>=12
DoubleCross : (6DX10>=12) → 10[3,6,7,8,10,10]+7[6,7] → 17 → 成功
GM:つよい
若菜美奈人:すご
滝道 晶:買えた~!
桑原そら:おお!すごい
石神井寅彦:さすが
石神井寅彦:じゃあ私も狙ってみよう クリスタルシールド
石神井寅彦:3dx>=25
DoubleCross : (3DX10>=25) → 10[7,7,10]+5[5] → 15 → 失敗
石神井寅彦:おっ おお…………
若菜美奈人:すごい
石神井寅彦:夢の雫があれば… 無い 終わりです
若菜美奈人:強化素材でもワンチャン狙お
GM:ないね……
若菜美奈人:2DX+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 8[2,8]+1 → 9 → 失敗
若菜美奈人:ダメ~ おわり
GM:うす! 全員かな
☆TIPS 川内寺
大きい寺ではないが、敷地自体は広く、多くは墓地に使用されている。
近年、一部の土地はペット用の墓地としても用いられていた。
夜に通るには暗い辺りだが、新城ひわは塾が近く、帰りに時々墓参りに通っていたようだ。
ミドル4 情報収集
GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 9)増加 (60 → 69)
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 10)増加 (50 → 60)
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を1D10(→ 6)増加 (62 → 68)
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を1d10(→ 6)増加 (66 → 72)
GM:上がってきたな
GM:このシーンでは情報収集を行っていきます。
GM:現在調べられる情報項目は以下の通りです。
★戸神富久郎について〈情報:UGN〉7
★割れずの桜の周辺にあったもの〈情報:UGN〉〈情報:学問〉〈情報:噂話〉9
★新城ひわが本当に目撃したもの〈情報:UGN〉8
GM:侵蝕1d5を支払うことで再判定も可能。
GM:またTIPSも出たりします。
石神井寅彦:シナリオロイスの関連的に様子見しようかな
桑原そら:ひわちゃんいってもいいでしょうかね?
石神井寅彦:どうぞどうぞ
桑原そら:ありがとうございます!ではコネを使用してダイス+2 情報:UGNで
GM:どうぞー
桑原そら:4dx+3>=8
DoubleCross : (4DX10+3>=8) → 8[2,2,7,8]+3 → 11 → 成功
GM:ばっちり!
桑原そら:よしよし
GM:まとめて開示しますので、次もどうぞー
滝道 晶:ないす~!
若菜美奈人:桜周辺のやついってみようかな
滝道 晶:んじゃあ俺は富久郎さんですね
石神井寅彦:お願いします~
若菜美奈人:UGN幹部使用して情報UGNします
若菜美奈人:4dx+3>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 8[2,2,3,8]+3 → 11 → 成功
若菜美奈人:よしよし
GM:さすが……
桑原そら:お見事です!
石神井寅彦:エリート~
滝道 晶:紬の魔眼を使用して判定~
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1増加 (69 → 70)
滝道 晶:6dx+1>=7
DoubleCross : (6DX10+1>=7) → 6[2,2,5,5,5,6]+1 → 7 → 成功
GM:ばっちり
滝道 晶:あ、あぶな
桑原そら:よかった
石神井寅彦:よかったぜ
GM:では、3項目開示します。
若菜美奈人:よきよき
★戸神富久郎について〈情報:UGN〉7
雨宿支部処理部に所属する支部員。キュマイラ/ハヌマーン。
所持エフェクトは《完全獣化》《マシラのごとく》などだが、侵蝕効率は非常に悪く、全力での活動は止められている。
現状は恐怖衝動の暴走中で完全獣化が解けず、人語も話せずにいる。この状況が続いた場合、やがて侵蝕危険域に入ると見られる。
なお、獣化状態の彼らしき姿が、川内寺の墓地、『割れずの桜』付近で目撃されている。
→☆TIPS 戸神富久郎の能力について が自動開示されます
→滝道くんにトリガーイベントが発生します。
☆TIPS 戸神富久郎の能力について
彼のキュマイラ因子は特定されていない。非常に不安定な状態で、姿は常に移り変わる。
あえて言えば「夜行性のキュマイラ」であり、周囲では『鵺』と呼び慣わされていた。
コードネーム"昼隠居=ヒルカクロフ"の由来はここから。
自分の奇妙な形態や力を十全に使えないこと、覚醒後の外見変化などにはコンプレックスがあったようだ。
★新城ひわが本当に目撃したもの〈情報:UGN〉8
新城ひわが目撃したものは、獣化状態の戸神富久郎で間違いない。
また、その際に紗理羅の姿も同様に目にしているはずだ。
現在彼女は再度二人の姿を目撃した様子で、やはり「ノエル」と混同して認識しているようだ。
このままでは混乱により彼女の精神には負担がかかり、再度適切に記憶処理をするのも難しくなるだろう。
折良くか悪くか、桑原さんに彼女から『一緒にお墓参りに行こう』との誘いが届いたようだ。
→☆TIPS ノエルについて が自動開示されます。
→桑原さんにトリガーイベントが発生します。
☆TIPS ノエルについて
新城家で以前から飼っていた犬。享年13歳
品種はウェルシュ・コーギーであり、当然あなたたちが遭遇した獣とは似ても似つかない。
新城ひわが戸神富久郎をノエルと混同したのには、何か理由があるのかもしれない。
★割れずの桜の周辺にあったもの〈情報:UGN〉〈情報:学問〉〈情報:噂話〉9
古い記録では、桜の傍には無縁仏のための碑として、『慰石』と呼ばれる白い大きな石があったという。
恐らくEXレネゲイドと見られ、周辺の、当時は微少だったレネゲイドウイルスを吸収する力を持っていたらしい。
落雷により砕け、現在はあちこちに飛散、欠片に僅かな力のみを残しているようだ。
吸収されたレネゲイドの力がどのようになったかはさらなる調査が必要。
石の件については、任務の一環として支部長に報告する必要があるだろう。
→★慰石の力の行方〈情報:UGN〉〈知識:レネゲイド〉10 が調査可能になりました。
→☆TIPS 慰石について が自動開示されます。
→若菜さんにトリガーイベントが発生します。
☆TIPS 慰石について
あくまで意志なきEXレネゲイド。ただ『侵蝕を吸収する』という、現在の欠片よりもさらに強力な性質を持つだけだった。
おそらく、砕けずにレネゲイド拡散後の時代を迎えていた場合、高確率で悪質なジャームと化していただろう。
破多々による破壊は偶然の出来事だが、ある意味では未来の町の平穏に寄与したとも言える。
また、現在欠片が町の広範囲で発見される件については詳細不明(本シナリオではこれ以上の言及はありません)。
石神井寅彦:あっ残ったやつ
石神井寅彦:いま調べられるかな
GM:そうでした
★慰石の力の行方〈情報:UGN〉〈知識:レネゲイド〉10
GM:失礼! これは今調べられます
石神井寅彦:調べる~ 情報:UGNでコネ使います
石神井寅彦:6dx>=10
DoubleCross : (6DX10>=10) → 10[1,2,3,4,4,10]+5[5] → 15 → 成功
GM:あぶなげねえー
桑原そら:すごい!
石神井寅彦:ヤッタネ
滝道 晶:さすが!
GM:ではこちらも開示します。
★慰石の力の行方〈情報:UGN〉〈知識:レネゲイド〉10
慰石本体のレネゲイドの一部は『割れずの桜』に、吸収されていたレネゲイドの一部は地下に眠る無縁仏の骨に感染したと見られる。
両者共に、ごく最近までは活動の兆候を示してはいなかった。
しかし、無縁仏の墓には何度か掘り返された形跡があり、その後、桜は季節外れの花をつけている。
きっかけは定かではないが、恐らく町に存在するEXレネゲイド『化生岩』の活動の活発化がRB化を誘発したのだろう。
前者の時期からは紗理羅、後者の時期からは夢見が近辺で目撃されている。
また、これを知った夢見は、石神井さんに何か話があるようだ。
→石神井さんにトリガーイベントが発生します。
→☆TIPS 化生岩について が自動開示されます。
※『化生岩』については本シナリオではこれ以上の言及はありません。
☆TIPS 化生岩について
町の外れ、山との境にある大きな古い奇岩。
大拡散よりもずっと古くからレネゲイドウイルスに感染しており、雨宿町のあやしを生んできた、というところまでは確か。
詳細は不明のまま、調査や破壊で異常が起こることを恐れられ、静かに観測だけが行われている。
周期的にレネゲイドの活動が活発化し周囲に影響を与える様子で、現在が活動期に当たるようだ。
GM:これで項目は以上です。
GM:さて、先に説明をさせていただきます。
GM:次のシーンは1シーン内でPCそれぞれがシナリオロイスと会ってもらうシーンとなります。四分割。
GM:これは同時進行のイベントとお考えください。
【雨宿町・ファミリーレストラン『サエズリヤ』】
GM:翌日、あなたたちは駅前にあるファミリーレストランに再集合していた。
GM:安価なわりに料理は美味く、ドリンクバーも完備。
GM:夕方は学生も多いが、朝は比較的空いており、好きに話すことができるだろう。
GM:また、調査部の鈴掛喜一からはやはり、『戸神くんとは連絡がつかないし、家にもいないみたい』との連絡が来ていた。
石神井寅彦:「朝から」テーブルに並んだ食事を眺める。
石神井寅彦:「食べるねえ」
若菜美奈人:ホットドッグの二本目に手を付けている。残り二本ある。
桑原そら:「食事は大切ですよ!」明太子スパゲッティの大盛りを前にしながら
若菜美奈人:「逆になんで食わねえんだか」
夢見:むぐむぐ、と唐揚げを食べている。
滝道 晶:「朝しっかり食べないと元気でないっすからね~」
夢見:「そうなのか。では食べねば」むぐむぐ。
夢見:少し、元気はない。
石神井寅彦:「見てるだけで満足かも…」ドリンクバーのコーヒーだけ。砂糖をいれたやつ。
滝道 晶:「そっすよ~」焼き魚定食を食べている、箸使いは意外と丁寧。
桑原そら:スパゲッティを美味しく食べつつ、ピザやミネストローネなどにも手をつけていく
若菜美奈人:もう片手で端末を操作しながら。「“ヒルカクロフ”だが」
若菜美奈人:「音信が取れてない。見たのが”そう”で間違いないだろうな」
桑原そら:「んむ……、やっぱりそうなりますか」
石神井寅彦:「タキくんは、知ってた?」
石神井寅彦:「トガちゃんがあの姿に変化するって」
滝道 晶:「正直、ぜんっぜん知らなかったっす」
若菜美奈人:「不定の獣化能力か」端末のデータベースを見ながら。
滝道 晶:「富久郎さん、能力がだいぶ燃費悪いらしくて、普段は抑えめなんすよ」
桑原そら:「では……あの状態のままなのは危ないんじゃないですか?」
石神井寅彦:「そうね。燃費悪いままでいるってことだから…」
若菜美奈人:「そもそも一般的にも獣化自体がそうだ」
滝道 晶:「まずいっすね、時間の余裕はないと思ったほうが」
若菜美奈人:「常にずっと展開してるオーヴァードなんざまずいねえ」
桑原そら:「あ、時間の余裕がないと言うとみなさんにご報告が」
若菜美奈人:「何だ?」
石神井寅彦:「また時間の余裕がない話?」
若菜美奈人:二本目を食べきり、なみなみに注いだコーヒーを飲む。ブラック。
桑原そら:「ええと、もう見てもらう方が早いのでこちらを」みんなに見えるようにひわちゃんからのメッセージ画面を出した携帯を
滝道 晶:「えーっと何々…?」
石神井寅彦:「この子…、ひわちゃん?」
桑原そら:「ええ、おそらくまた戸神さんのことを目撃したんだと思うんですが」
滝道 晶:「記憶が確信に変わったような感じっすね…」
石神井寅彦:「…これ、昨日の夜?」
桑原そら:「はい、わたしが家に帰ってからこのメッセージが」
若菜美奈人:「返事は?」したのかと聞いている。
桑原そら:「しています、返事がないだけでも勝手に動きそうでしたので」
桑原そら:「この後に、お墓参りに行こうという話になっています」
滝道 晶:「えっ…まずいかも…」
滝道 晶:「丁度その墓地、っていうか割れずの桜のとこで富久郎さんの目撃情報が…」
石神井寅彦:「んんん」「ゴスロ…紗理羅ちゃんと変身したトガちゃんに会うって、まったく同じ状況に遭って」
石神井寅彦:「ノエルちゃんがいるってますます認識を深めちゃってるのは、ちょっとマズそう」
若菜美奈人:「……川内寺か。あそこはよくよく厄介なのかもな」
石神井寅彦:「なんですか、珍しくもったい付けて」
若菜美奈人:「石」
若菜美奈人:「あそこだろうが、あれも」
石神井寅彦:「石じゃわかんねー……ああ、慰石?」
若菜美奈人:「そいつだ。雷で割れたっていう」
若菜美奈人:「ある意味では大拡散だろ。ここにとっちゃ」
石神井寅彦:「そうね。レネゲイドが籠ってる石が割れて、町中に散らばって…」
滝道 晶:「色んなとこで見るっすね、あの石」
石神井寅彦:「…石つったらもうひとつあるでしょ」
石神井寅彦:「化生岩。知ってる?」みんなを見る。
桑原そら:「化生岩、もちろん知っていますが」
滝道 晶:「もちろんっす」うん、と頷く。
若菜美奈人:「本物は見たこと無いがな」
石神井寅彦:「おれもない」笑う。「でも、それの活性化で、このところあやしも増えてるってのはマジらしいね」
石神井寅彦:「川内寺に、レネゲイドパワーがこもってる慰石がごろごろ転がってて」
石神井寅彦:「そのパワーが、化生岩の影響を受けて、お寺の無縁仏と、割れずの桜に移ったんだって」
滝道 晶:「無縁仏…ってつまり…骨?」
石神井寅彦:「そ」頷く。
夢見:「…………」オレンジジュースを飲んでいたが、ぴたりと止めて首を傾げる。
桑原そら:「……待ってください、あのあやしも骨が起源のようでしたが?」
桑原そら:「まさか…そういうことですか?」
石神井寅彦:「そういうこと」頷く。「紗理羅ちゃんの正体は、川内寺の無縁仏を起源とするあやし」
若菜美奈人:「……舎利(しゃり)か」
石神井寅彦:「シャリ?」
滝道 晶:「舎利…?」
若菜美奈人:「仏の遺骨だ。神聖が宿るとほざくやつもいる」
桑原そら:「ふむ、名前は重要なものですからね」
石神井寅彦:「……それがなんで友情と恐怖を振りまいてるのかね」
石神井寅彦:首を傾げる。
滝道 晶:「うーん、わかんねー…」頭を捻る。
夢見:「……こわい、から」ぽつりと。
石神井寅彦:「ん」
若菜美奈人:「あ?」
夢見:「こわいから、友達が欲しい。こわいから、一緒に思ってほしい」
夢見:「……そう、ではないかと、思った……」
桑原そら:「一人きりはこわい、ということでしょうか?」
夢見:こくり、と頷く。
夢見:「皆が怖くなれば、自分だけが怖いわけではなくなる」
夢見:「……わからない。私も、あの子のことをちゃんとは……」
夢見:「…………」
夢見:不思議そうにまた首を傾げる。
桑原そら:「無縁仏だから、彼女は一人きりで…それを嫌がっている、という感じですかね」
若菜美奈人:「んで低きに流そうってか。阿呆だな」
桑原そら:「友情、というのがおそらく厄介です」
滝道 晶:「一人は寂しいってのは、わかるけど…」
若菜美奈人:三本目に口をつける。
石神井寅彦:「んんー」甘いコーヒーを口に運んでいる。
石神井寅彦:「おお、そらちゃん。どう思うの?」
桑原そら:「もしかしたら、それがひわちゃんの混乱の原因になっているのかもしれません」
桑原そら:「ノエルさんはおそらく人懐っこかったんじゃないかな、と思うんです」
桑原そら:「写真を見せて貰ったんですが、コーギーの可愛らしい子で」
石神井寅彦:「小型犬かあ」
桑原そら:「ええ、戸神さんとは似ても似つかないはずなんですが」
桑原そら:「吠えたり、嫌がったりせずに人のそばにいるところが…勘違いに拍車をかけているのかも」
石神井寅彦:「見た目は似てなくても、雰囲気…つーか、抱いてる感情が似てるってことか」
若菜美奈人:「もし墓地に奴が出てきても、迂闊に手を出すな」
若菜美奈人:「奴の言葉を鵜呑みにするのは癪だが。”友情を受け取らせた”との豪語が正しいなら」
若菜美奈人:「奴を狙った瞬間に飛んで庇いに来る可能性もある」
桑原そら:「わたしは攻撃手段を持ちませんので…、その一点だけは問題がありませんね」
滝道 晶:「その可能性を忘れてたっすね…」
石神井寅彦:「…タキくんも行くでしょ?」
石神井寅彦:「お寺」
滝道 晶:「もちろんっす。富久郎さんをほっとける訳ない」
石神井寅彦:「はは。ぜってえそう言うと思った。止めても行きそう」
滝道 晶:「止められたら…」
滝道 晶:「こっそり行きます」小声で。
若菜美奈人:「言ったら意味ないだろうが」
石神井寅彦:「こっそり行かせないように、いま話してるの」笑う。
滝道 晶:「あ、なるほど」笑ってポンと手を打つ。
桑原そら:「それにこっそり行っててもわたしが絶対に行きますからね」
桑原そら:「バレますよ」
石神井寅彦:「アハハ。だめだこりゃ」
若菜美奈人:「行くのはいいが勝手に暴れるな」
若菜美奈人:「俺が行ってからやれ」
石神井寅彦:「あれ。ミナちゃん、ついてくんじゃないの?」
若菜美奈人:「役所に戻る。いくつか確認したいことがあってな」
桑原そら:「ワーディングが効かない可能性を考慮してくださいね、ひわちゃんもいますので」
滝道 晶:「ワーディングが効かないのはたしかに厄介っすね…」
石神井寅彦:「気を付けてね。危なかったら無理せず逃げるんだよ」
桑原そら:「傷一つ負わせるつもりはありませんが、今の状態だと記憶の操作も難しいはずですので」
桑原そら:「そちらにも、十分注意します」
石神井寅彦:「おれもちょっと、ついていけないので」
滝道 晶:「一人で挑むような無茶はしないっすよ、大丈夫っす」
若菜美奈人:「どこへ行く」
石神井寅彦:「かっこいいねえ、そらちゃんは」そらちゃんに呟いてから。
石神井寅彦:「残る」
若菜美奈人:「残る?」
石神井寅彦:笑う。「ここに残って、夢見ちゃんとちょっとお話するの」
夢見:「……私と」
夢見:「私も、とらひこと話がしたかった」
若菜美奈人:「そうか」ホットドッグの最後の一欠片を口に入れて。「なら」
若菜美奈人:「お前の仕事をしろ」
石神井寅彦:「はは。がんばります」
石神井寅彦:コーヒーを飲み干す。
GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
桑原そら:ロイスはいっぱい!
石神井寅彦:いっぱいだぜ!
若菜美奈人:みんなのロイスP有為にしよ
石神井寅彦:ミナちゃん!
桑原そら:若菜さん!
滝道 晶:やった美奈人さん!
桑原そら:購入は最後の手配師を使用してクリスタルシールド狙いましょうかね
桑原そら:5dx+4>=25
DoubleCross : (5DX10+4>=25) → 9[2,3,8,9,9]+4 → 13 → 失敗
桑原そら:ダメ!以上です
GM:ざんねん
石神井寅彦:私もクリスタルシールドに挑もう
石神井寅彦:4dx=25
若菜美奈人:ロイスは保留
石神井寅彦:4dx>=25
DoubleCross : (4DX10>=25) → 9[2,6,9,9] → 9 → 失敗
石神井寅彦:だめw
滝道 晶:ロイスはいっぱい、クリスタルシールドわんちゃん!
石神井寅彦:以上です
若菜美奈人:強化素材狙います
若菜美奈人:2DX+1>=15
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 8[3,8]+1 → 9 → 失敗
若菜美奈人:ダメ
滝道 晶:3dx>=25
DoubleCross : (3DX10>=25) → 6[3,5,6] → 6 → 失敗
滝道 晶:むずかしい!以上!
☆TIPS ファミリーレストラン『サエズリヤ』 自動開示
雨宿駅前に存在する、新しい方のファミリーレストラン。全国展開ではない。
なんと駅前にはファミリーレストランが2軒も存在する。
人気メニューは明太子スパゲッティ。
学生の溜まり場でもあり、混んでいる時間帯はドリンクバーの補充が遅いことが難点。
ミドル5 それぞれの物語
GM:会話+イベントシーンです。
GM:全員登場推奨です。登場侵蝕をお願いします。
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 2)増加 (70 → 72)
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を1d10(→ 4)増加 (72 → 76)
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 10)増加 (60 → 70)
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を1D10(→ 4)増加 (68 → 72)
石神井寅彦:オイオイ
GM:石神井さん
若菜美奈人:ヤバくなってきてる
GM:他は落ち着いてるのに
石神井寅彦:帳尻を合わせようとするな
桑原そら:3連続……?
石神井寅彦:ヒッ
滝道 晶:やばー
桑原そらと石神井寅彦
【雨宿町・ファミリーレストラン『サエズリヤ』】
石神井寅彦:二人を先に行かせて、こちらは残ることにした二人と、待ち合わせ時間まで待つことになった一人。
石神井寅彦:「そらちゃんってさあ」
桑原そら:「はい、なんでしょうか?」
石神井寅彦:「お姉ちゃんだったりする?」
桑原そら:「おや、わかりますか?」
石神井寅彦:「なんとなく」笑う。「やっぱそうなんだ」
桑原そら:「下に妹と弟が一人ずついます」
石神井寅彦:「面倒見良さそーだなあ。仲良いの?」
桑原そら:「家族仲も兄弟仲もいい方だと思いますね」
桑原そら:「たまに喧嘩はしますけれど」
石神井寅彦:「兄弟喧嘩が無い方が不健全でしょ」
石神井寅彦:「…いや、なんかね」
桑原そら:「どうしました?」
石神井寅彦:入れ直した紅茶から湯気が漂う。それに目を落とす。
石神井寅彦:「そらちゃんて、頼られてるの慣れてそうだなあって…」
桑原そら:「そうなんでしょうかね……?あまり自分ではわからないんですが」
石神井寅彦:「ふふ。戦闘でも守ってもらってるからかな」
桑原そら:「どこか気になることでもありました?」
石神井寅彦:「んー?」
石神井寅彦:「お姉ちゃんの面倒見てくれるのは誰なのかなと思って」
桑原そら:「……なるほど、わたしも頼れるときには頼っているつもりなんですが」
桑原そら:「石神井さんは、優しいですね」
石神井寅彦:「そうかなー。余計なお世話したがりなの」
桑原そら:「うーん…、お世話になるのも悪くない気がするんですけれど」
桑原そら:「ここだけの話、にしてくださいますか?」
石神井寅彦:「しますとも」笑う。
石神井寅彦:「うん、何? 内緒話ね」
桑原そら:「では…そうですね、内緒の話です」
石神井寅彦:「うん」少し姿勢を変えて、そらちゃんを見る。
桑原そら:「本当は、わたしだっていつも戦うことも事件も、怖いなと感じています」
桑原そら:「この怖さは、誰かが傷ついてしまう…ということに関してが大きくて」
桑原そら:「出来れば……みんなが幸せでいてほしいんです」
石神井寅彦:「……そっか」
石神井寅彦:昨日の深夜、夢見ちゃんと話していたときの、真剣なまなざしを思い出す。
桑原そら:「それに、わたしは誰かのために騒動を止める術を持ちません」
桑原そら:「抑えることは出来たとしても、解決するために倒すとなると誰かの力が必ず必要になりますので」
石神井寅彦:「そうねえ」
石神井寅彦:「見てるだけ、って気になっちゃう?」
桑原そら:「いいえ、見ているだけではいたくないから、前に立つことを選んでいるというか」
石神井寅彦:「…一番前にいてくれるもんね。そらちゃん」
桑原そら:「他のことを心配しなくていいように、守りたいといいますか……」
桑原そら:「ですので、そうですね……わたしが内緒にしてほしいのは」
石神井寅彦:「ん」
桑原そら:「本当は怖がりだっていう部分だけで」
桑原そら:「他のことはそこまで隠すつもりも無いんですけれど」
石神井寅彦:「…でもさ」
石神井寅彦:「いつも、怖いなって思ってんでしょ?」
桑原そら:「…ええ、そこに噓はありません」
石神井寅彦:「うん。…隠さなくてもいいと思うけどね」
石神井寅彦:「隠しときたいんだ」
桑原そら:「そうですね、それはきっとわたしの意地で」
桑原そら:「わたしがいれば、心配ないとそう思って欲しいんです」
石神井寅彦:「そっか」目を細める。
石神井寅彦:「大きなそらちゃんだ」
桑原そら:「ふふ、そうなんです」
石神井寅彦:「ふふ。…あのミナちゃんだって、あなたのこと認めてる」
桑原そら:「ふふ、嬉しいことですね」
石神井寅彦:「うん。だから、胸張っていいよ。あなたの意地は、みんなに通ってる」
桑原そら:「…はい、ありがとうございます」
石神井寅彦:「……攻撃できないって、気にしなくていいよ。そんなにさ」
石神井寅彦:「攻撃しかできないやつらのが多いんだから」
桑原そら:「んふふふ、それはたしかにそうですね」つい吹き出すように笑って
石神井寅彦:「でしょ? ひわちゃんのこと守りきってやるって、堂々としてて」
石神井寅彦:「あとは、タキくんがなんとかしてくれるよ」
桑原そら:「そうですね、滝道くんは頼りになりますし」
石神井寅彦:「そりゃよかった。あっちも頼られて、嬉しいと思うよ」
石神井寅彦:「おれもだし」「ミナちゃんもね」
桑原そら:「勿論、若菜さんや石神井さんのこともしっかり信頼しています」
石神井寅彦:「はは。恐縮です」
桑原そら:「本当にありがとうございます、お世話になれて気分が楽になりました」
石神井寅彦:「なんもしてねーって」笑う。
石神井寅彦:「がんばろうね」
桑原そら:「感謝の気持ちくらいは受け取っていただけると助かります」
桑原そら:「ええ、頑張りましょうね」
石神井寅彦:「あら」困ったように笑う。
石神井寅彦:「それは失礼しました」
桑原そら:「一方通行だと寂しくなるじゃないですか」
石神井寅彦:「……そうだね」
桑原そら:「だから、感謝していることは素直に受け取ってくださいね?」
石神井寅彦:「はい」へらっと笑う。「…じゃあ、どういたしまして」
石神井寅彦:「お姉ちゃんには敵わねえなあ」
桑原そら:「うふふ、わたしは大きなそらですのでね!」
滝道晶と若菜美奈人
【雨宿町・傘崎橋】
GM:町中を流れる小川にかかる、小さな橋。
GM:あなたたちは冬の空気の中、その近辺を歩いていた。
若菜美奈人:コートを着込んで、その橋のたもとを歩く。
滝道 晶:「冬の朝、好きなんすよね~」ダウンコートと手袋で防寒はばっちり。
若菜美奈人:「寒いのにか?」
滝道 晶:「なんかこう…シンと静まって澄んだ感じがして」
滝道 晶:「良くないっすか?」深呼吸。
若菜美奈人:「煩くないのが好きなのか?」
若菜美奈人:「普段はそうしてねえだろ」
滝道 晶:「騒がしいのももちろん好きっすよ」
滝道 晶:「って、地味に煩いって言われてるような!」ケラケラ笑う。
若菜美奈人:「言った。今もだろうが」
滝道 晶:「え~、ひど!」
滝道 晶:「美奈人さんは騒がしいの嫌い?」
若菜美奈人:「好き好むやつがいるのが理解し難い」
滝道 晶:「そこまで…!?」
若菜美奈人:「乱雑に向かったらもとには戻らないだろ」
若菜美奈人:「エントロピーとしてはそっちのが上等だろうが」
滝道 晶:「エントロ…何…?」
滝道 晶:「美奈人さん、時々めっちゃ頭良さそうっすよね…」
若菜美奈人:「時々とそうは余計じゃないのか」
滝道 晶:「同じ元チルドレンのはずなのに…」
若菜美奈人:「チルドレン時代はそれでいい」
若菜美奈人:「荒事さえやれてりゃ万々歳だ」
若菜美奈人:「エージェントは違う。求められるのは士官だ」
滝道 晶:「士官…」軍人とか将校…みたいな意味だったかと思う。
若菜美奈人:「ゆくゆくは将校になる方ってことだ。いずれ命令を下す側になる」
滝道 晶:「色々出来なきゃダメってことっすかね」ざっくりと。
若菜美奈人:「ああ。それができて初めて一人前だ」
滝道 晶:「うーん…」
滝道 晶:「出来っかなァ…想像できないっす」
若菜美奈人:「俺もそうだった」
滝道 晶:「美奈人さんも?そういえば、元々ここじゃないっすよね」
若菜美奈人:「事件が増えたからな。エージェントともなれば転属は当たり前だ」
若菜美奈人:「むしろ雨宿のほうがレアだろう。ここまで地元の連中が多いのは」
若菜美奈人:「町の特殊性かもしれないがな」
滝道 晶:「うちはFHもあんまいないし、事件もあやし絡みが多いから」
滝道 晶:「町に慣れてる人のほうが対処しやすいんすよ」
若菜美奈人:「だろうな……」
若菜美奈人:「ということはだ」不意に振り向く。
滝道 晶:「うお」立ち止まる。
若菜美奈人:「町に慣れてる人間の方に頼らざるを得ないこともある」
若菜美奈人:「俺はその寺も墓も行ったことはない」
若菜美奈人:「"ヒルカクロフ"もろくには知らん」
若菜美奈人:「お前のほうが、そう言う意味では適した人材配置だ」
滝道 晶:「おお…なんか美奈人さんに期待されてるような…」
若菜美奈人:「している」
滝道 晶:「えっ」
若菜美奈人:「癪だが」付け加える。
滝道 晶:「そこは思っても言わないで!」
若菜美奈人:「“導雷身”をお前がカバーしろ」
若菜美奈人:「"ネレイド"をそうできたなら出来るだろう」
滝道 晶:「…了解っす!」グッと手を握りしめて。
滝道 晶:「美奈人さんの期待、裏切れないっすね!」にこーっと。
若菜美奈人:「……チッ」舌打ちをする。
滝道 晶:「どうして!?」
若菜美奈人:「煩いからだ」
滝道 晶:「煩いのは元々の性格なので…」
若菜美奈人:「……だが」
若菜美奈人:「なぜ彼女をカバーするのか、と聞かなかった所はよしとする」
若菜美奈人:「ああいう手合が一番危うい」
滝道 晶:「それはなんとなくわかるっす」
若菜美奈人:「分かったら行け」そのまま向き直って橋を横切る。
若菜美奈人:「お前は向こうだろ」橋の方を指す。
滝道 晶:「そうっすね、先に寺の様子見て来ます」
滝道 晶:「なんかあったらすぐ連絡します」
滝道 晶:「美奈人さんも気をつけて!」橋のほうへ歩きながら手を振る。
若菜美奈人と八千代路夜
【雨宿町町役場・地域親交課】あるいは【UGN雨宿支部・司令室】
GM:当たり前の小さな町役場の事務室。
GM:その『課長』と書かれた大きめのデスクの前にあなたはいた。
八千代 路夜:「お疲れ様。若菜くん」
若菜美奈人:「お疲れ様です」敬礼する。
八千代 路夜:「そんな丁重にしなくてもいいのに」
八千代 路夜:机の上には、山積みの書類と白い石の欠片。
八千代 路夜:「どう? 進捗は。……戸神くんの件は、ある程度は伝わっているけど」
若菜美奈人:「“敵”についての情報も、お伝えした通りです……それから」
若菜美奈人:「その”石”ですが」机に視線を落として。
八千代 路夜:「あら。長期の方も見てくれてたんだ」
八千代 路夜:「優秀ね」
若菜美奈人:「どうにも短期も中期も長期も一繋がりかもと思っているところです」
八千代 路夜:「……なるほど」
若菜美奈人:「『慰石』でしたか。そいつが砕けた末の顛末の可能性があると」
八千代 路夜:「それは……それがあの"敵"に繋がってるということ?」
若菜美奈人:首肯して。「無縁仏を起源とする、覚醒類型:感染のジャーム」
若菜美奈人:「その可能性が一番あるかと」
八千代 路夜:「なるほど、侵蝕を吸う石」
八千代 路夜:「それが砕けて……感染った」
八千代 路夜:「その残滓みたいなものが、この欠片なのかしら」
八千代 路夜:小さな欠片をひとつ、手にする。こうしていれば、何の変哲もない石だ。
若菜美奈人:「外にもあります。この手の事件が」
若菜美奈人:「レネゲイドビーイング大量発生の原因も、どこぞの島の、巨大な神体の石であったと」
八千代 路夜:「……ええ」
八千代 路夜:「ここの化生岩もね、結構な問題物なのだけどね……」軽く笑う。
八千代 路夜:「それはいいわ。ともかく、石の件とジャームの件の繋がりがわかったわけね」
八千代 路夜:「……若菜くん」
若菜美奈人:「……はい」
八千代 路夜:「その件がわかった今。……これは、答えのない問いなのだけど」
八千代 路夜:「この石の欠片を、あなたは使う気はある?」
八千代 路夜:白い石を差し出す。
八千代 路夜:「正直ね、これは支部で管理も観測もできるものじゃない」
若菜美奈人:「使えと言われれば」
八千代 路夜:「そんな不明瞭なものは恐ろしい、なんて声もあったの」
八千代 路夜:「……そう。なるほど。命令遵守ね」穏やかに笑う。
若菜美奈人:「危険であろうが使うも、危険だから使わないも。妥当な判断でしょう」
若菜美奈人:「……ただ」
若菜美奈人:「レネゲイドを不明瞭で恐ろしいから使わない、と抜かす連中はもう見かけません」
若菜美奈人:「明瞭にすることが先決かと」
八千代 路夜:「それがあなたの答えね」
八千代 路夜:「そうして、あなたはひとつ、謎を明らかにした」
八千代 路夜:「恐怖は、不明から生まれる」
八千代 路夜:「今の私たちの敵は、恐怖を用いるジャーム。対抗するには、明かりを当ててあげないと」
八千代 路夜:あなたの手に、白い石の欠片を手渡す。
GM:アイテムをひとつ入手します。
ステージ限定アイテム『慰石の欠片』
種別:アイテム(使い捨て)
バックトラック時に使用。PC全員のダイスを+1d10する。
八千代 路夜:「これは、まだ力を残している石。必要があれば使って」
八千代 路夜:「私があなたにこれを渡すのは……きちんと帰って来てほしいから」
若菜美奈人:「は」受け取って。
若菜美奈人:「“リープサンドッグ”は荒天ですが」
若菜美奈人:「照らせることに変わりはありません」
若菜美奈人:「明瞭にします」
八千代 路夜:「よろしい。……あら」
八千代 路夜:あなたを信頼に満ちた目で見てから、デスクのPCに目を落とす。
八千代 路夜:「……調査部から、連絡が来てる。あなたにも渡しておいた方がいいわね」
若菜美奈人:「何でしょう」
GM:情報をひとつ、自動開示します。
★紗理羅について 自動開示
目撃情報からおそらくウロボロス/エグザイル。同じ恐怖衝動を持つ友人として戸神を求めているようだ。
対象のレネゲイドに干渉し感情を操る力、オリジンである骨を使用した力を併せ持つ。
現在は調査によるとやはり川内寺境内、割れずの桜を中心に動いている。
その辺りから高濃度のレネゲイドを検知。紗理羅にまつわる結界のようなものがあるようだ。
支部に戦闘要員は少ないが、陽動で紗理羅の行動をコントロールし、一時的に寺から引き離すことは可能だ。
※イベントカード:UGN雨宿支部 『陽動作戦開始』を入手。
イベントカード:UGN雨宿支部 『陽動作戦開始』
シーン冒頭で使用。シナリオ1回。
雨宿支部の人員により、紗理羅に対して陽動と追跡が行われる。
使用したシーン内には紗理羅は登場せず、妨害や制限は発生しない。
若菜美奈人:は~ 面白いカード
八千代 路夜:「あのジャームの詳細は、遭遇したあなたたちもおおよそわかっているでしょうけど」
八千代 路夜:「墓地に何か不審があるみたい。調べる必要があるわ」
若菜美奈人:「しかし、大規模な調査部隊は出せないでしょう」
若菜美奈人:「奴は“ワーディング”を無効化します」
八千代 路夜:「だから、小規模な……あなたたち精鋭に向かってもらいたい」
八千代 路夜:「その間、他の人員がどうにか陽動を行い、あのジャームを隔離します」
若菜美奈人:「……成程」
八千代 路夜:「正直ね、時田さんがいろいろ言ってくるのよ。うちにも何かやらせろって」
八千代 路夜:「……させてあげたい、というのもある」
若菜美奈人:「調査部さんの?」
八千代 路夜:「あちらは今、戸神くんの件でだいぶ参ってるから。何か動きたくてしかたがないの」
八千代 路夜:「だから、連携をお願いします」
若菜美奈人:「はい」
若菜美奈人:「すぐに終わらせて」机の上をふたたび見る。
若菜美奈人:「そちらを手伝います」
八千代 路夜:「ふふ、期待してる」
八千代 路夜:「"リープサンドッグ”」
八千代 路夜:「無事帰還し、その後日常の業務に戻りなさい」
若菜美奈人:「は。ご命令のままに」
八千代 路夜:「これは、あなただけじゃなくて、みんなにね」
八千代 路夜:「よろしくお願いする。以上」
若菜美奈人:「それも承知しています」
八千代 路夜:"リーチパーチ"は穏やかに微笑む。あなたのその返答に、心から満足したように。
石神井寅彦と夢見
【雨宿町・ファミリーレストラン『サエズリヤ』】
GM:あなたと夢見は、そのままファミリーレストランの席に座っている。
GM:机の上は片付けられ、がらんとした席。
石神井寅彦:そらちゃんも見送って、二人きり。
石神井寅彦:「あのさ、夢見ちゃん」
夢見:「……うむ」
石神井寅彦:「忘年会のときにね、鳥の鳴き声教えてくれたでしょ」
夢見:「ああ、おしぼりの……」こくこくと頷く。
石神井寅彦:「うん」「鳥には詳しいんだって…、なにかあなたの生まれと関係あるのかなって思ってたんだけど」
石神井寅彦:「当然だったね」
夢見:「…………」
石神井寅彦:「あなた、止まり木だったんだ」
夢見:「……多分、そう、なのだろうな」ゆっくりと。
石神井寅彦:「うん」
夢見:「ほぼ、思い出したように思う。でも、まだ少し足りない」
夢見:「とらひこ。最初に、私はなんだか嫌な感じがする、という話をした」
夢見:「だから、全部思い出すのは何かいけないことなのかもしれない、と思っていた」
夢見:「けど、多分、違うのだ」
石神井寅彦:「ちがう?」
夢見:「私は、きっと、自分で思い出を消してしまった」
夢見:「あの、しゃりらとの思い出だ」
石神井寅彦:「……」
夢見:「あの子のことをちゃんと思い出せば、全部揃う、と思う」
夢見:「とらひこ、私は……」
夢見:「今は、きちんと思い出したい、と思うようになった」
石神井寅彦:「…紗理羅ちゃんと、ずっと一緒にいたんだ」
夢見:「そう、ずっと」目を伏せる。
石神井寅彦:「だから、その思い出を消したら、ほんとにたくさん忘れちゃったんだね」
石神井寅彦:「…なんで、思い出したいって思うようになったの?」
夢見:「……皆と一緒に居て」
石神井寅彦:「うん」
夢見:「皆は、それぞれ、ちゃんと立っていた」
夢見:「あるべき力を持って、きちんとやるべきことをやっていた」
石神井寅彦:「…そう見えた?」
夢見:「見えたとも」
石神井寅彦:「ふふ」笑う。「夢見ちゃんも、そうなりたいって?」
夢見:「私は……力がどのようなものかはまだぼんやりとしているが」
夢見:「少なくとも私が誰なのか、それを、知れるだけは知りたい」
夢見:「今の私は、ただの幼子のようなものだから」
GM:さて、夢見は現在、紗理羅に対するタイタス化したロイスをひとつ所持しています。
GM:これをロイスに戻すことができれば、夢見の僅かに欠けた記憶と能力は本来のものに戻ります。
GM:また、夢見は現在記憶を取り戻すことを望んでいるようです。
石神井寅彦:「……ん」頷く。
石神井寅彦:「全部思い出しちゃったら、なに、幼子じゃなくなるかもなの」冗談めかして言って笑う。
夢見:「どうだろう……」考えている。
夢見:「何せ覚えていないから」
石神井寅彦:「はは。そうね」
石神井寅彦:「覚えてないなりにさ」
石神井寅彦:「紗理羅ちゃんのことをどう思ってたかって、言える?」
夢見:「…………」
夢見:「とらひこは、止まり木の話をしたな」
石神井寅彦:「うん」
夢見:「私は、でも、空を見ていたことは本当に少なかった」
夢見:「ずっと地面の下、冷たい土の中を見ていた」
夢見:「……多分、あの子がいたから、だ」
石神井寅彦:「…そっか」
夢見:「全て忘れてしまうくらいには、一緒だった、けど」
夢見:「怖かった、とも思い出している」
石神井寅彦:「全て忘れてしまうことを、選ぶくらいには」
石神井寅彦:「…怖かったんだね」
石神井寅彦:「……紗理羅ちゃんは」
石神井寅彦:「もう、取り戻せないところにいる」
夢見:きゅ、と縮こまる。
石神井寅彦:「それは、あなたが怖い記憶を取り戻しても、変わらない」
石神井寅彦:「現状、おれたちができることは、彼女を眠りにつかせてあげることだけ」
夢見:「……傷つけるのは、悪いことだって、言った」
夢見:「でも」
夢見:「でも、あの子は、聞かなくて」
夢見:「私がずっと我慢しているのに、笑うの」
夢見:「……本当はずっと」
夢見:「私は、何か恐ろしいものと一緒に居るのではないかと……でも」
夢見:「…………」思い出せたのは、そこまでだったらしい。
石神井寅彦:「……でも」
石神井寅彦:「違うかもしれないって、思ったから」
石神井寅彦:「知りたくなった?」
夢見:「……そう、かも」
夢見:「とらひこ、でも」
石神井寅彦:「んー?」困ったように笑う。
夢見:「私は一緒に、いろいろなところに連れて行ってもらった」
石神井寅彦:「連れまわしましたねえ」
夢見:「皆が居るところで、お喋りをした」
石神井寅彦:「いろいろ教わってたねえ」
夢見:「きらきらして、明るくて……皆、優しかった」
夢見:「……怖くなかった」
石神井寅彦:「うん」
夢見:「私は、そうか。あの子がもう取り返しがつかないのだと、それを」
夢見:「それが悲しくて、ずっと……」
夢見:「もう、大丈夫」
夢見:決意に満ちた顔をする。
石神井寅彦:「…いいのね」
夢見:「うん」
石神井寅彦:「そのままの、怖くもないし、誰からも傷つけられない日々だけ知ることだって、できる」
夢見:「とらひこ」
石神井寅彦:「ん」
夢見:「多分、あの子は、私の全部だった。今は違う」
夢見:「だけど、私の一部であることには、きっと変わりないのだ」
夢見:「取り戻させて」
石神井寅彦:「……」「……うん」
石神井寅彦:「…痛くても怖くても」
石神井寅彦:「自分の一部なら、あった方が安心するよね」
夢見:「うん」
夢見:こくりと頷く。
石神井寅彦:「よし。じゃあ、がんばってみましょうか」
夢見:「!」
夢見:緊張しながらも、顔が輝く。
石神井寅彦:「はは。まあ別に、派手なこと起こらないけどね」
石神井寅彦:「手、かざして。机に…影つくるから」
夢見:「そうなのか」言われた通りに手をかざす。
夢見:紅葉のような影が落ちる。
石神井寅彦:ちいさな手の影を覆うように、自らの手を重ねる。
石神井寅彦:影が重なって、繋がる。同化を進める。
石神井寅彦:Dロイス:記憶探索者の効果を使用します。
GM:了解です。
GM:侵蝕1d10上昇し、ロイスに戻すタイタスの宣言をお願いします。
石神井寅彦:はい!
石神井寅彦:夢見ちゃんの、紗理羅ちゃんに対するタイタスをロイスに変更してもらいます。
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 7)増加 (70 → 77)
GM:承りました。
GM:では、夢見の紗理羅に対するタイタスはロイスに戻り、感情は懐旧/○覚悟となります。
GM:同時に、以下の情報が開示されます。
★夢見と紗理羅の正体について 自動開示
『割れずの桜』をオリジンとするRBが夢見、無縁仏の骨をオリジンとするRBが紗理羅。
夢見がヒューマンズネイバーを取得する以前には、地下で共に二人きりで居た。
しかし、紗理羅は既にジャーム化、夢見のことも暴走をさせようと試みる。
その際、夢見の紗理羅に対する○友情/恐怖のロイスはタイタス化。その影響で記憶が定かでない状態になっていた。
現在、彼女は石神井さんをはじめとする周囲の人間にロイスを結び、現状を受け入れようとしている。
RBとしての記憶と、慰石から受け継いだ、侵蝕を吸収する能力の把握は安定したようだ。
※イベントカード:夢見 『夢見の桜』を入手。
イベントカード:夢見 『夢見の桜』
シーン冒頭で使用。夢見が以下の効果を発動する。シナリオ1回。
『忘れ花』
オート 対象:単体
対象がエフェクトを使う直前に使用。夢見がその侵蝕上昇を肩代わりする。シナリオ1回。
※夢見の侵蝕率はクライマックスフェイズまで100%で固定とする。
夢見:「…………」
夢見:「……寅彦?」
夢見:「今のは……?」
石神井寅彦:彼女が手放してしまった記憶を手繰る。香りがする。
石神井寅彦:《虹の香り》。ファミレスには似つかわしくない、自然の香り。
石神井寅彦:「ん?」笑う。
石神井寅彦:「派手なこと起きないって言ったでしょ」
夢見:「……だが」
夢見:「今なんだか、しっくりときた、ような気がする」
石神井寅彦:「ふふふ」
石神井寅彦:「幼子じゃなくなりました?」
夢見:「……どう見える?」
夢見:見た目は特に変わらない。
石神井寅彦:「んー、ぜんぜん変わんない」
夢見:だが、目に少し力が宿ったようにも見える。
石神井寅彦:へらっと笑って言う。
石神井寅彦:「おれから見ちゃ、夢見ちゃんは、夢見ちゃんだよ」
夢見:「そういうものか」ふ、と笑って。
夢見:「……私は、外に出て、良かったな」
夢見:「最初に出会ったのが、あなたで良かった」
夢見:「私は、夢見」
夢見:「今、確かにそうなった!」
石神井寅彦:「……うん。良かった」
石神井寅彦:「別に、最初に出会ったのがおれじゃなくても、って。いつもなら言うんだけどなあ」
石神井寅彦:困ったように笑う。「言われたばっかだしね」
夢見:「ふふ」
夢見:「力も、少しは使えるようになったと思う」手を見る。
夢見:「そう何度も使えるものではないが……多少は力になれる」
石神井寅彦:「うん。…がんばろうね」
夢見:「うむ!」
夢見:「……ああ、嬉しいな」
石神井寅彦:「…ね、夢見ちゃん」
夢見:「うん?」
石神井寅彦:「もしかしてさあ」
石神井寅彦:「人が好き?」
夢見:「…………」少し考える。
夢見:「好きなのだろうな。今、こうして話しているのも楽しい」
石神井寅彦:「そりゃ良かった。じゃあ、大丈夫」
石神井寅彦:「はやく終わらせて、怖くない日々を、もっと楽しもうね」
夢見:「……うん」
夢見:恐ろしくて、でも大切だった思い出を抱き締めるようにして。
夢見:それでも、どこか大人びた顔であなたの方をじっと見つめている。
夢見:『割れずの桜』である少女は、今、確かに己を取り戻していた。
滝道晶と戸神富久郎
【雨宿町・川内寺境内 割れずの桜前】
GM:墓地の土地のさらに外れには、大きく裂け、それでも季節外れの五分咲きほどにまで花開いた桜の木がある。
GM:あなたはそこを訪れ、戸神富久郎を探していた。
滝道 晶:「確か…ここら辺で見かけたって…」
滝道 晶:あまり足音を立てないよう、ゆっくり歩きながら墓地を歩いている。
GM:その時だ。
GM:低い唸り声がして、大きな獣がぬっと木の陰から顔だけを見せた。
鵺:「…………」
鵺:あなたたちと遭遇した時とは、さらに姿が変わっているようだ。今は虎に近い。
滝道 晶:「あっ…!」と声を上げ。
滝道 晶:「……紗理羅はいない…よな?」キョロキョロと当たりを見回す。
GM:彼女の姿はない。急ぐ必要はあるが、今はまだ問題なさそうだ。
滝道 晶:「よし、ひとまず安心か」
GM:周囲には変わった物は何もない。鵺も大人しくしている……が。
GM:奇妙な気分があなたを襲う。恐怖に近い感情が、鵺に近寄る度に募っていく。
GM:やがて、見えない壁のようなものがあなたを阻む。
GM:どうやら、心理的な隔壁がそこにあるようだ。
GM:戸神にはそういった力はない。紗理羅によるものだろう。
鵺:ゆっくりと、首を横に振っている。
滝道 晶:「何…これ」一歩踏み出す度に、心が恐怖で軋む。
滝道 晶:「もしかしなくても、紗理羅がなんかしてる感じか…?」
鵺:首を縦に振る。
鵺:鵺はどうやらその隔壁のせいで、動けずにいるようだ。
滝道 晶:「もうすぐなのに…足が動かね…」
滝道 晶:足を踏み出そうとしても、体が拒絶しているように固まる。
滝道 晶:「物理的な壁だったら…ぶっ壊せんのに!」
滝道 晶:「富久郎さん、これどうすればいいかわかります!?」
鵺:「…………」
鵺:がりがりと地面を爪で引っ掻いて。
鵺:それから、またあの奇妙な高い声を上げる。
オリジナルステージ限定エフェクト《産土の共振》。
タイミング:オート
対象:シーン(選択) 射程:視界
対象に目標値8の意志判定を行わせる。失敗した者は侵蝕率+1d10。
また、判定の結果に関わらず、対象はそのシーンに登場済みの人物の精神に共振を受ける。
GM:対象は滝道くん。
滝道 晶:どんどこい!
GM:打ち消しはありません。意志判定をどうぞ。
滝道 晶:3dx>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 9[6,6,9] → 9 → 成功
滝道 晶:よっし!
GM:成功! 侵蝕上昇はありません。ただし、マスターシーン的なイベントが起きます。
GM:あなたの周囲のレネゲイドが、揺らぎ出す。
GM:土地の力を借りて、鵺の鳴き声が、共振を呼び覚ます。
GM:そうして、世界がぐらりと歪んだ。
戸神 富久郎:「……そんなに、駄目なんですか。その、俺の能力」
戸神 富久郎:「使い物に、なりませんか」
戸神 富久郎:「見た目こんなになって、怖がられて、それでも」
戸神 富久郎:「それでも戦えるならいいやって、思って……」
戸神 富久郎:「……でも、何かやりたいです。俺にも、できることをください」
戸神 富久郎:「なんだってやります。俺は、だって、ずっと、ずっと」
戸神 富久郎:「誰かを守れるくらいに強く、なりたかったんだ……!」
GM:それは、実際に発された声の記憶ではなかったのかもしれない。
GM:彼がずっと、ずっと、心の中で繰り返し叫び、噛み殺していたこと。
GM:通常の共振とはどこか異なるのは、人が起こしたからか、意志をもって起きたものだからか。
GM:情報もノイズも多く、洪水のようにあなたをすり抜けていってしまう。
GM:ただ、いくつかの叫びだけが時折聞こえるだろう。
GM:怖い、怖い、怖い、それでも、と。
GM:獣の咆哮のように。あるいは、鵺の細い鳴き声のように。
GM:そして。
GM:……あなたは狭いアパートの一室にいて、見覚えのあるひとりの青年と向かい合っている。
GM:ギターの立てかけられた窓の外は、やけに星が美しい、町明かりの消えた夜空。現実ではないのだろう。
戸神 富久郎:「……ああ、こういうの、できるんだ……」
戸神 富久郎:短い前髪、当たり前の目と口元、背も今よりも低く、恐らくは覚醒前の姿。
戸神 富久郎:「やっと喋れた」

GM:戸神富久郎が、人の姿で苦笑をしている。
滝道 晶:「…富久郎さんだ」目をパチパチさせて、確認するように。
戸神 富久郎:「……どうも、そうみたいだな」
戸神 富久郎:「というか、自分で喋らなきゃだめなんだな……。先輩、そういうの教えてくれなかったし」
戸神 富久郎:「……簡単に全部伝わるなら、楽なのになあ」
滝道 晶:「そうっすねえ、言葉って難しいっす」
GM:敵意はない。穏やかですらある。
戸神 富久郎:「ズルすんな、ってことかな。でも、話せたし」
戸神 富久郎:「……いろいろ、ごめんな」
滝道 晶:「伝えたいことは全部伝わないし、逆に傷つけたりするし」
滝道 晶:「…それはなんのごめんなさいっすか」
戸神 富久郎:「……ずっと、ビビってて」
戸神 富久郎:「もっといろいろ、上手くやれたんじゃないかって思うし」
戸神 富久郎:「あげく、ジャームに閉じ込められて、心配かけて……」
滝道 晶:「迷惑かけたーとかならそれは違うっすよ」
戸神 富久郎:「……違うのか」
滝道 晶:「失敗することなんて俺なんてしょっちゅうだし」
滝道 晶:「みんなが心配するのなんか、当たり前っす」
戸神 富久郎:「優しいな」
滝道 晶:「だから、謝んないでほしいっすね」
戸神 富久郎:「む、難しい……」もそもそ言う。
滝道 晶:「手伝ってくれとか、助けてくれとか。そういう言葉のほうが」
滝道 晶:「俺は嬉しいです、富久郎さんに頼って欲しいっす」
戸神 富久郎:「…………っ」
戸神 富久郎:一瞬下を向いて。
戸神 富久郎:「俺は今、紗理羅の支配下にいて」
戸神 富久郎:「頭ではわかってるけど、上手く……勇気が出ない」
滝道 晶:「はい」と、真剣に向き合う。
戸神 富久郎:「感情を書き換える、って、話には聞いてたけど、こういう風になるんだと思った」
戸神 富久郎:「幸い、今君らを攻撃したりとか、そういうのは、したくないし、止められてる」
戸神 富久郎:「えっと、それで……」頭を少し掻いて。
戸神 富久郎:「わかってること、これから言うから」
GM:情報を開示します。
滝道 晶:おっ
★紗理羅の隔壁について 自動開示
隔壁は紗理羅の《Eロイス:囚人の鳥籠》によるもの。
また、紗理羅はエフェクト《Eロイス:不滅の妄執》を所持しており、戦闘不能としても次のシーンで復活をする。
それを止めるためには、現在彼女が力を注いでいるこの隔壁を破壊する必要がある。
内側の戸神富久郎が全力で攻撃をし、それに合わせて外からも干渉をしなければならない。
しかし戸神は恐怖衝動の暴走で、行動に踏み切れずにいるようだ。
※イベントカード:戸神富久郎 『ひとかけらの勇気』を入手。
イベントカード:戸神富久郎 『ひとかけらの勇気』○Lock
シーン冒頭で使用。戸神富久郎が以下の効果を発動する。
『鵺の爪痕』
エフェクトを使用し、紗理羅による隔壁を砕くことができる。シナリオ1回。
ただし、使用により戸神富久郎の侵蝕値が26上昇。
危険域へと上がり、クライマックス戦闘の進行次第ではエネミーとして登場する。
※現時点ではロックがかかっており、使用不可能。
戸神 富久郎:「……多分、内と外と、両方から攻撃すれば……なんとかなる」
戸神 富久郎:「なるんだけど……怖いんだ」
戸神 富久郎:「多分、今力を使ったら、俺は……もう、俺じゃなくなっちまって」
戸神 富久郎:「…………もっと、恐ろしい何かになってしまう」
滝道 晶:「それだけは」
滝道 晶:「それだけは絶対にさせないっす」ハッキリと言い切る。
戸神 富久郎:「……そう、したいもんだよな」
戸神 富久郎:「人数、集めておいてほしい」
戸神 富久郎:「何をするにしても。俺がどうなるにしても」
戸神 富久郎:「きっと必要だと思う」
滝道 晶:「そこは安心してください」
滝道 晶:「そらちゃんも、寅彦さんも、美奈人さんも。みんな、動いてくれてるっす」
戸神 富久郎:「……そっか」
戸神 富久郎:「俺さ」
戸神 富久郎:「家の押し入れのとこに、スコアとかいっぱい入れてて」
戸神 富久郎:「あんまし使ってないエフェクターもあって」
戸神 富久郎:「全部やるよって、言おうと思ってたんだ、さっきまで」
滝道 晶:「富久郎さん、弾くのも教えるのも上手かったっすもんね」それなりに長くやっていたのは聞いていた。
戸神 富久郎:「絶対にさせない、って。信じてもいいかな」
戸神 富久郎:「少しでも……いや。ずっと」
戸神 富久郎:「君を、信じててもいいかな……」
滝道 晶:「はい!」と力強く頷いて。
滝道 晶:「ドーンと任せてくださいっす」ニッと笑顔を作る。
戸神 富久郎:「……うん」
戸神 富久郎:「俺、ずっと怖くて……情けなくて」
戸神 富久郎:「新城さんも、怖がらせて。あんなにしちゃって」
戸神 富久郎:「君らも、驚かせて」
戸神 富久郎:「これ以上は、嫌なんだ……」
戸神 富久郎:軽く目を拭う。
滝道 晶:「俺なんかあやし相手にいっつもビビってるし」
滝道 晶:「美奈人さんにも『しっかりしろ』って言われっぱなし」
滝道 晶:「…それでも」
滝道 晶:「えーっと…その」
滝道 晶:「仲間…が!いれば、怖くても、一歩進めます」
戸神 富久郎:「仲間……」
滝道 晶:「もし富久郎さんが怖くなったら、一緒に歩きます」
滝道 晶:「それでも怖かったら、手を繋いで引っ張って行くっす」
戸神 富久郎:「はは」
戸神 富久郎:「幼稚園児じゃねえんだから……」
戸神 富久郎:「ははは」
戸神 富久郎:どこかスッとしたような顔で、笑みを浮かべる。
滝道 晶:「ぷっ…ハハハ」と、つられて笑う。
戸神 富久郎:「……もう少し、待っててくれ」
戸神 富久郎:「君が次また来るくらいには、もう少し……」
戸神 富久郎:「俺、どうにか、歩き出せるように、やってみるから」
滝道 晶:「了解っす…!」
滝道 晶:「俺も、富久郎さんを連れ戻す方法、探して必ず戻ってきます」
戸神 富久郎:「うん」
戸神 富久郎:「あと……それでも無理だったら」
戸神 富久郎:「あの」
戸神 富久郎:「助けてくれ、な」
戸神 富久郎:手を差し出す。
滝道 晶:「必ず、約束します!」その手を握り返して。
戸神 富久郎:ぎゅっ、と握るその手は、やはり現実のものより少し小さくて。
戸神 富久郎:それでも、力と熱とが篭もっていた。
GM:その辺りで、ゆらゆらとまた世界は揺らぐ。
GM:戸神富久郎はあなたを見て、確かに笑っていた。
GM:それから、周囲はまた冬の墓地へ。
GM:目の前には鵺と呼ばれる獣が居る。
GM:遠くに、黒いドレスの少女らしき人影が見える。長居は難しいだろう。
滝道 晶:「……戻った」と、周囲を確かめて。
滝道 晶:「それじゃ、富久郎さん!」と一言声をかける。
鵺:ふさ、と長い尻尾を大きく揺らす。
滝道 晶:その応答を見て、元来た道を駆け足で去っていく。
鵺:押し殺した遠吠えのような音が、あなたを見送った。
桑原そらと新城ひわ
【雨宿町・川内寺境内 墓地】
GM:同じ頃。やはり墓地の、入り口付近にて。
GM:あなたは新城ひわと二人で歩いていた。
新城 ひわ:「また会えたらいいなあー。楽しみ!」
新城 ひわ:「そらちゃんにもぜひ紹介したいんだ。いい子なんだよ」
新城 ひわ:「子供の頃はね、いじめっ子から助けてくれたこともあったしー」
新城 ひわ:やけにウキウキと話を続けている。
桑原そら:「いてくれますかね~、もしかしたら怖がって逃げてしまうかもしれません」
新城 ひわ:「うーん、確かに、ついてきてはくれないんだよね……」
新城 ひわ:「でも、大丈夫! 会えるだけでもうれしいし!」
桑原そら:「そこを不思議には思わなかったんですか?」
新城 ひわ:「え?」首を傾げる。
新城 ひわ:「うーん、なんか、ノエルだよなあって思ったらあとは別に……」
桑原そら:「また会えて嬉しいのに?ですか?」
新城 ひわ:「うん……?」
新城 ひわ:「え、でも会えたら嬉しくない?」
新城 ひわ:「ほら、小学校の時の同級生とか。ちょっと道で会うだけでも」
桑原そら:「それはそうですよね、わたしもそう思います」
新城 ひわ:「そうでしょそうでしょ!」
桑原そら:「それでも、家に帰ってこないというのはなんだかやっぱり不思議だなあ、と思うんですよね」
GM:あなたが思うとおり、新城ひわの認知はどこか歪んでいるようだ。
桑原そら:「ノエルさんは、お友達じゃなくてひわちゃんの家族でしょう?」
GM:記憶処理の影響ではあるのだろうが、何か他に引っかかる感情があるのかもしれない。
新城 ひわ:「それはそうだよお」
新城 ひわ:「でも、あっちにも事情があるのかもだし」
新城 ひわ:「私は待てるよ。ノエルがちゃんと帰って来るの」
桑原そら:「なにか事情に心当たりでもあるんですか?」
新城 ひわ:「ええと……」考え込む。
桑原そら:「そう思うってことは……理由がないと難しい気がします」
新城 ひわ:「正式にこっちに来るのには許可がいる、とか……?」
新城 ひわ:自信はあまりなさそうだ。
桑原そら:「ひわちゃん、わたしはあなたから見たノエルさんを知りません」
桑原そら:「だから……わたしに教えてくれますか?帰ってこない理由があるなら」
新城 ひわ:「ま、待って待って」
桑原そら:「はい」
新城 ひわ:「えっと……なんでって言われても……」
新城 ひわ:それでも、真面目にうんうんと考えているようだ。
桑原そら:「ゆっくりでいいですよ、わたしも一気に言われると困ってしまいますし」
新城 ひわ:「うん……ノエル……」
GM:その時だ。
GM:かさ、と枯れ草を踏んだ足音。
紗理羅:「……また来たー」
紗理羅:黒いドレスの少女が、あなたたちから少し離れたところに立っている。
紗理羅:「君、全然こわがらないんだもんな」
新城 ひわ:「……え?」
桑原そら:「ひわちゃん、わたしの隣りに」
新城 ひわ:「あの子……? え?」
紗理羅:「あ、そっか」
紗理羅:「じゃあ、ちょうどいいや。そっちの子にすればいいんだ!」
紗理羅:じゃき、と袖口から白い骨が覗く。
紗理羅:その骨が、真っ直ぐに新城ひわに向けて伸びていく!
桑原そら:「ひわちゃん、何が起こっても……わたしのことを信じてください」
新城 ひわ:「……う、うん……?」
GM:では、ここで。
GM:紗理羅の攻撃はひわに対して向けられています。
GM:このままでは2d10のダメージが与えられ、重傷は免れないでしょう。
桑原そら:はい
GM:カバーリングやエフェクトの使用は可能ですが、その場合ひわにあなたの常人と異なるところを目撃されてしまいます。
GM:状況的にワーディングを行う隙はないと思ってください。
GM:どうしますか?
桑原そら:コンボ「雷避け」 《マグネットフォース》でひわちゃんを守ります
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を2増加 (72 → 74)
GM:了解です。では、ダメージはあなたに向けられます。
紗理羅:2d10
DoubleCross : (2D10) → 14[6,8] → 14
紗理羅:そこそこ
桑原そら:装甲と機械化兵の効果で無傷です
紗理羅:ほんと君さあ!
紗理羅:伸びた骨が、新城ひわに届きかける。
桑原そら:隠す暇はなく、それでも守らないという選択肢などない
新城 ひわ:「……!」
桑原そら:それゆえに、彼女の前に立ち骨の剣をそのまま身体で受け止める
新城 ひわ:「そらちゃん……!」
GM:がちん、と硬い音。
紗理羅:「ああーっ、もう、また欠けちゃったあ!」
桑原そら:「そう簡単に攻撃なんてさせません、と言っておきました」
紗理羅:「ちぇっ、僕が甘かったわけね。……でも」
紗理羅:「その子は、怖がったんじゃない?」
紗理羅:それだけ言い残して。
紗理羅:《神出鬼没》シーンから退場します。
新城 ひわ:「…………」あなたを見ている。
新城 ひわ:鋭い骨の刺突を受けて、傷一つつかないあなたを。
桑原そら:「…………」後ろを、振り向くのが怖い、と思う
新城 ひわ:「……そら、ちゃん……」
新城 ひわ:「……え」
新城 ひわ:ふと、声が怪訝な響きを帯びる。
新城 ひわ:「ノエル……?」
桑原そら:「…………ひわちゃん?」
新城 ひわ:「いや、違う、違うよね。さすがにわかるよ」
新城 ひわ:「そらちゃんだもん……でも」
新城 ひわ:「待って、待ってね。なんで」
新城 ひわ:「なんでノエルの顔が浮かぶの……?」
GM:情報項目を開示します。
★新城ひわの記憶について 自動開示
新城ひわが戸神富久郎をノエルと誤認したのは「守ってもらった」ことがキー。
幼い頃、愛犬にいじめっ子から守ってもらった時の記憶と、現在の紗理羅から守られた記憶。
そのふたつが結びつき、「ノエルが帰って来た」という思い込みを起こした。
現在、桑原さんに再度守られた彼女は正常な記憶状態に戻っている。
また何らかの記憶処理を行う必要はあるが、負担は消え、これ以上混乱を起こすことはないだろう。
※イベントカード:新城ひわ 『消えない想い』を入手。
イベントカード:新城ひわ 『消えない想い』
シーン冒頭で使用。シナリオ1回。
新城ひわからの感謝と『怖くない』という気持ちを伝える。
イベントカードひとつのロックを外すことができる。
また、クライマックス戦闘の勝利後、新城ひわは無事にエンディングを迎えることができる。
新城 ひわ:「……思い出した」
新城 ひわ:「今とおんなじだ」
新城 ひわ:「私、助けてもらったの」
新城 ひわ:しばらく呆然として。
桑原そら:「…そう、だったんですか」
新城 ひわ:「……て、ていうか! そうじゃない!」
新城 ひわ:「そらちゃん、大丈夫なの!?」
桑原そら:「…ええ、わたしには……傷一つ、ありません…」
新城 ひわ:「そういう話じゃないの!」
新城 ひわ:「あんな怖いことされて、やだったでしょ!」
桑原そら:「…え?」
新城 ひわ:「私だったら、もう、全然だめだよ。動けないもん」
新城 ひわ:「……えっと」
桑原そら:「そ、そんな……ことは」
新城 ひわ:「そらちゃんが……どういう子なのかは、わかんないけど」
桑原そら:なんでだろう、いつもなら隠せるのに
桑原そら:上手く、笑えなくて
新城 ひわ:「思い出したよ。私、前に大きな犬みたいな子に、あの子から助けてもらって」
新城 ひわ:「その後、忘れなさいって言われて、気が付いたら、よくわかんなくなってて」
新城 ひわ:「……ノエルのことばっかり、考えてた。あの子、いじめっ子から庇ってくれたの。よく」
桑原そら:「その大きな犬みたいな子は……わたしの知り合いで」
桑原そら:「ひわちゃんを怖がらせてしまったって」
桑原そら:「そう…、心配していました」
新城 ひわ:「怖がる……」
新城 ひわ:目を丸くする。
新城 ひわ:「あの、あのね。全然怖くなかったわけじゃないよ」
新城 ひわ:「今だって、よくわかんないって思ってるし……でも」
新城 ひわ:「でも、ノエルの背中とおんなじだったの」
桑原そら:「…うん」
新城 ひわ:「その子も、そらちゃんも、全然ノエルとは違うけど」
新城 ひわ:「小さいのに、頑張って吠えてくれたあの子と一緒だった」
桑原そら:「守れて…ましたか?」
新城 ひわ:ぎゅっ、とあなたの手を握る。
新城 ひわ:「だって、私今、元気でここにいるじゃん!」
桑原そら:「ひわちゃん……、ありがとうございます」
新城 ひわ:「……その子、知り合い……なんだよね」
新城 ひわ:「えっと、そしたらお願い。あの時言えなかったから、代わりに伝えてほしいな」
桑原そら:「はい、どんなことでも」
桑原そら:「必ず伝えます」
新城 ひわ:「『どうもありがとう』『怖くなかったから、大丈夫』」
新城 ひわ:「ほんとは、もっと、もっとお礼、言いたいの。でも」
新城 ひわ:「なんか、何言っても嘘っぽくなりそうで」笑う。
桑原そら:「それだけで、きっと十分です」
新城 ひわ:「……うん」
桑原そら:「信じて貰えて、そう言って貰えるなら……わたしたちはきっと」
新城 ひわ:「……前に、説明を少し聞いたんだ。これも、忘れちゃう?」
桑原そら:「……そうですね、たぶん」
新城 ひわ:「残念だなあ。ちゃんと話せたのに」
桑原そら:「……ひわちゃんはわたしのこともその大きな子のことも怖くないんですよね?」
新城 ひわ:「ちょっとだけは怖いよ。これはほんと」
新城 ひわ:「でも、そんなの、好きって気持ちで上書きできちゃう」
新城 ひわ:「私、そらちゃんと教室でお喋りするのが好き」
桑原そら:「ふふ、……そっか」
新城 ひわ:「……また話せるかな」
桑原そら:「わたしもひわちゃんが大好きですよ!」
新城 ひわ:「やった! 両想い!」
新城 ひわ:とても嬉しそうに、晴れ晴れと笑う。
桑原そら:「勿論です、この記憶が消えてしまっても、わたし自身が消えるわけじゃありません」
新城 ひわ:「うん」
桑原そら:「また……、わたしと一緒に学校で」
桑原そら:「仲良くお話してくださいね?」
新城 ひわ:「もちろんだよ」
新城 ひわ:「あのね、また……ノエルの話も聞いて」
新城 ひわ:「今度は、ちゃんと話すから」
新城 ひわ:「ちゃんと、本当のあの子のこと」
桑原そら:「ええ、また教えてください」
桑原そら:「どんなに優しくて、素敵な家族だったのか」
桑原そら:「……ひわちゃん、お墓参りに行きましょう」
新城 ひわ:「……うん」
桑原そら:「今日は、そういう約束でしたからね」
新城 ひわ:「うん。そうしよ。あのね、あっちの方!」
桑原そら:「あちらの方、桜が見えるんですね」
新城 ひわ:「うん。桜からちょっとのところ」
桑原そら:「ノエルさんも、見てるといいですね」
新城 ひわ:「……うん」
新城 ひわ:季節外れの桜を、微かに北風に舞う花びらを見て。
新城 ひわ:「ふふ、あの子だったらきっと、飛び出して花びらを追っかけちゃうかも」
新城 ひわ:「……飛び出してはこなかったけど」
新城 ひわ:「もし、巡り巡って、こうしてそらちゃんとお墓参りできてるなら」
新城 ひわ:「全部のことは、繋がってるのかも、って思うな」
桑原そら:「わたしとひわちゃんを繋いでくれたんですね」
新城 ひわ:「いいなあ、それ」
新城 ひわ:「じゃあ、お墓でノエルにもお礼を言わなきゃね」
桑原そら:「ふふ、…素敵なお話をしましょうか」
桑原そら:「きっと、喜んでくれますよね」
新城 ひわ:「ね!」
桑原そら:「ありがとう、ひわちゃん」笑いながら、聞こえないくらいの大きさで桜が舞う風に感謝の言の葉をのせた
GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
桑原そら:ひわちゃんのロイスのP感情を大好きですに変更します
石神井寅彦:夢見ちゃんへのロイス感情を変更します。庇護:〇/猜疑心 ⇒ 尽力:〇/悔悟
石神井寅彦:N感情はなんか 昔ちょっとあったのを思い出しました(フンワリ)
滝道 晶:富久郎さんのロイスを 〇信頼/憤懣 でロイス変更します
GM:なるほどね
石神井寅彦:クリシーに挑もう そら様に貢ぐのは…この私!
石神井寅彦:4dx>=25
DoubleCross : (4DX10>=25) → 8[1,4,5,8] → 8 → 失敗
石神井寅彦:私じゃありませんでした 以上です
桑原そら:自分でもクリスタルシールドを狙います
桑原そら:2dx+4>=25
DoubleCross : (2DX10+4>=25) → 5[5,5]+4 → 9 → 失敗
桑原そら:これはひどい
桑原そら:以上です
滝道 晶:私にはこの魔眼がある…!寵愛を受けるのは私!
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1増加 (72 → 73)
滝道 晶:7dx>=25
DoubleCross : (7DX10>=25) → 9[4,6,7,7,8,8,9] → 9 → 失敗
若菜美奈人:みんな……
滝道 晶:ダメだ…
GM:oh
若菜美奈人:私こそにおまかせを
石神井寅彦:どんぐりの背比べ!
若菜美奈人:2DX+1>=25
DoubleCross : (2DX10+1>=25) → 8[4,8]+1 → 9 → 失敗
GM:?
石神井寅彦:同じじゃねーか!
若菜美奈人:みんなこう
GM:8やら9やら
桑原そら:同じだねえ
滝道 晶:仲良しすぎる
GM:ガラガラガラ(閉店)
ミドル6 作戦会議
GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 5)増加 (73 → 78)
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 8)増加 (77 → 85)
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を1D10(→ 9)増加 (74 → 83)
GM:おおう
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を1d10(→ 2)増加 (76 → 78)
GM:二極化
【雨宿町町役場・食堂】
GM:各々のすべきことを済ませたあなたたちは、食堂に集合していた。
GM:現在はあなたたちの貸し切りだ。
石神井寅彦:「昼も」テーブルに並んだ食事を眺める。
石神井寅彦:「食べるねえ」
若菜美奈人:「昼もろくに食べないのか……?」
滝道 晶:「だからそんなに細いんすかね」
若菜美奈人:唐揚げ定食を2食分盛ってもらっている。
桑原そら:「ご飯はしっかり食べたほうがいいですよ?」
石神井寅彦:「いやあなた達が異常なんだって……」
夢見:「…………」もくもくと、白米を口に運んでいる。
夢見:「美味しいのにもったいないぞ。寅彦」
石神井寅彦:そば。
桑原そら:目の前にはうどんと天丼のセットがある(どちらも一人前サイズ)
滝道 晶:「そうそう、旨いっすよ」かつ丼の大盛りを食べ進めている。
石神井寅彦:「食べないわけじゃないもん…」
桑原そら:「食堂のご飯も美味しいですもんね」うどんから手を付ける
若菜美奈人:唐揚げにかぶり付きながら。「ここからは本格的に荒事だぞ」
若菜美奈人:「食わねえでどうする」
夢見:「その通りだ、美奈人」うんうん、と頷いている。
石神井寅彦:「あら、お姉さんぶっちゃって」
石神井寅彦:夢見ちゃんに言う。
夢見:「もう幼子ではないのでな」ふふ、とどことなく大人びて笑う。
若菜美奈人:「何があった?」怪訝そうな顔で。
滝道 晶:「そういえば夢見ちゃん、ちょっと変わった?」食べながら。
桑原そら:「そうですね、なにか雰囲気が」
夢見:「変わったろうか? そうだな……そう見えるとしたら」
夢見:「ちゃんと取り戻したのだ。自分というものを」
夢見:味噌汁を一口すすり、満足げに。
桑原そら:「それはそれは…とても素敵なことですね」
夢見:ね、という顔で石神井さんを見る。
石神井寅彦:「ねー」笑う。
滝道 晶:「記憶が戻ったってことかな、それは良かった!」
石神井寅彦:「ごめんね。お寺の方行けなくて」
若菜美奈人:「で?こいつはジャームじゃねえってことでいいんだな」
石神井寅彦:「じゃねえってことでいいです」
夢見:「良いぞ」
石神井寅彦:「割れずの桜のあやし。夢見ちゃん」
石神井寅彦:「…仕事しましたよ」
若菜美奈人:「……」
若菜美奈人:自分の唐揚げを一個そばに勝手に放り込む。
滝道 晶:「いいんすよ、こっちもちゃんとやることやれたんで」
滝道 晶:「結果オーライっす」二ッと笑って。
桑原そら:「わたしの方も、いろいろありはしましたが解決しました」
石神井寅彦:「あらら」へらっと笑って唐揚げをもらう。「精がついちゃう」
石神井寅彦:「うん。だいたいの報告はもらってます」高校生二人を見る。
石神井寅彦:「二人とも、ちゃんとお話できたっぽいね」
桑原そら:「ふふ、そうですね。……戸神さんにお伝えしたいこともあります」
滝道 晶:「ばっちりっす!」
滝道 晶:「寅彦さんのアドバイスの通り、言いたいこと全部言ってきました」
石神井寅彦:「よかったです」目を細める。
石神井寅彦:「でも、そうねえ。トガちゃんが引き籠ってるっていう、その…壁?」
滝道 晶:「壁…壁なんすかね?」自分でもよくわかってない。
石神井寅彦:「どういう原理なのか分かんないんだけど、それがあると紗理羅ちゃんにも手出しできないんでしょ」
若菜美奈人:「ジャームの中にはそういう異能を使うやつがいる」
滝道 晶:「竦んで進めなくなる、目に見えない現象みたいな」
若菜美奈人:「シンドロームによらない、衝動発露の発展……らしい」
石神井寅彦:「おー、エリート解説」
若菜美奈人:「逆に言えば、だ」味噌汁を飲みながら。
若菜美奈人:「ジャームであること確定だな」
滝道 晶:「おおー」良くわからないので拍手。
桑原そら:「そうなりますよね」うんうんと頷きながら天丼を口に頬張る
石神井寅彦:「十中八九”そう”だろうって感じだったけどねえ」唐揚げを箸でつつく。
若菜美奈人:「とにかく、だが、奴に邪魔はさせねえ」
若菜美奈人:肉を噛みちぎりながら。「八千代さんが部隊を回してくれる」
桑原そら:「邪魔させない、というとなにか策でも?」
石神井寅彦:「え、人員いるの?」
若菜美奈人:「引き付けるくらいならな。実働は俺らだ」
滝道 晶:「なるほど、めっちゃ助かりますね」
桑原そら:「陽動作戦、という感じですかね」
若菜美奈人:「処理部さんが動きたいんだと」
桑原そら:「ああ、戸神さんのことがありますもんね」
石神井寅彦:「あー、はは」笑う。「ピカピカ部隊だ」
滝道 晶:「あそこはみんな優しいっすから」
桑原そら:「そうですね……戸神さんに、ですがひわちゃんからの感謝も受け取ってます」
桑原そら:「それを、お渡ししないと」
石神井寅彦:「ん、なになに」そらちゃんを見る。
滝道 晶:「マジっすか!」目を輝かせる。
若菜美奈人:「どういうことだ」
石神井寅彦:「ひわちゃん、トガちゃんにお礼言いたいことあるの?」
桑原そら:「ええ、戸神さんが最初にひわちゃんを守ってくださっていたということが分かりまして」
桑原そら:「それで、お礼を伝えてほしいと預かりました」
滝道 晶:「じゃあ…怖がってなかったってこと?」
桑原そら:「ふふ、ほんの少しの怖さは好きって気持ちに負けるんだそうです」
桑原そら:「だから、戸神さんの姿にも恐怖はないと」
石神井寅彦:「良い事言うなあ」そばを食べる。
滝道 晶:「良かった~!富久郎さんに早く聞かせてあげたいっすね!」
桑原そら:「大きな犬みたいな子に助けて貰った、と言っていましたよ」笑いながら
若菜美奈人:「……それだけじゃない。完全に記憶が戻ってるな、それは」
若菜美奈人:「”外”式の処理を改めて掛けられる」
桑原そら:「記憶の混濁はなくなりましたのでそうなりますね」
石神井寅彦:「いやあ」
石神井寅彦:「また、同じ”ウチ”式の処理だと思うよ」
若菜美奈人:「……フン」鼻を鳴らす。「また問題が起きなきゃどっちでもいい」
石神井寅彦:「ハハハ。そうね」
滝道 晶:「出来れば負担がないほうがいいっすよね」
石神井寅彦:「負担がない方がいい、といえばさあ」
桑原そら:「はい?なんでしょうか」
石神井寅彦:「整理すっと、ジャーム壁を壊すには、内側と外側から一気に攻撃しかけなきゃいけないんでしょ?」
石神井寅彦:そばの丼を両側からつつく。
滝道 晶:「富久郎さんが言うにはそうらしいです」
石神井寅彦:「でも、いまの時点だと、トガちゃんがどうにもビビッちゃってる感じだと」
若菜美奈人:「じゃあビビらせなきゃいいだろうが」
石神井寅彦:「エリート、ビビッたことなさそう」
若菜美奈人:「あるが」
滝道 晶:「あるんだ」驚き。
桑原そら:「あるんですね」
石神井寅彦:「アハハ。じゃあ、ビビらせない方法知ってる?」
若菜美奈人:「原因の排除」
石神井寅彦:「今回の原因は?」
若菜美奈人:「新城ひわに対する罪悪感」
石神井寅彦:「罪悪感を打ち消すには?」そらちゃんを見る。
桑原そら:「それなら、感謝を伝えればいいですね?」
石神井寅彦:「かな? タキくんはどう思う?」
滝道 晶:「共振…の中で会って来ましたけど」
滝道 晶:「あと少し、あと一歩なんです」
石神井寅彦:「うん。じゃあ、説得だ」
滝道 晶:「ひわちゃんの言葉が富久郎さんの背中を押してくれるはず」
桑原そら:「きっとお手伝いができますね」
若菜美奈人:「問題はそれだけじゃないがな」
桑原そら:「戸神さんの侵蝕の問題…ですね」
若菜美奈人:「ああ。元々劣悪な効率のやつが、ここまで獣化かましてるんだ」
若菜美奈人:「このまま殴らせようものなら堕ちるぞ」
滝道 晶:「そうっすね、そこをどうにかしないと…」
石神井寅彦:「じゃあ、侵蝕を上げさせなきゃいいわけですね」
若菜美奈人:「こいつでカバーしきれないほどにな」白い石を置く。
桑原そら:「連れて行かせるわけにはいきませんもんね…」
若菜美奈人:「こいつでは気休めだ……他に手があると?」
石神井寅彦:「ん」
石神井寅彦:夢見ちゃんを見る。「ここのお姉さんが」
若菜美奈人:「お姉さん」懐疑的な顔。
夢見:侵蝕の話題になってから、ずっと石神井さんをじっと見つめている。
夢見:「お姉さんだが」
石神井寅彦:「いいよ、夢見ちゃんから話して」笑う。「力になりたいんでしょ」
桑原そら:「夢見さんが、助けてくださるんですか?」そう顔を見ながら
夢見:「うむ。私がそこは、助けになれるかもしれない」
夢見:「私は、慰石から力を得てあやしになった。その石と似た力を持っている」
夢見:「違うのは、私には自分の心があり、力を操れるということだ」
夢見:「富久郎にかかる負担を、一度くらいならば私が被ることができる」
桑原そら:「滝道くん……!」
夢見:どうだろうか、という顔で皆を見る。
滝道 晶:「それなら…!」パァと笑顔になる。
若菜美奈人:「お前自身の負荷は」
夢見:「一度だけならば。私とて、鬼になりたくはないのでな」
石神井寅彦:「それに」
石神井寅彦:「みんなのこと好きだから大丈夫だって」
夢見:「!」
若菜美奈人:「あ?」
石神井寅彦:「あるじゃんそういうの。ねえ」
桑原そら:「ふふふ、それならきっと大丈夫ですね」
夢見:「どうして言おうとしたことがわかった!」目を丸くしている。
石神井寅彦:「商売柄かな~?」笑っている。
滝道 晶:「以心伝心っすね~」
若菜美奈人:「分かったが……分かったが」
若菜美奈人:「お姉さんは無いな」
夢見:「そうか……そうだろうか」
夢見:「そうなのかもしれない、な」
夢見:「…………」
桑原そら:「あ、もう!失礼ですよ若菜さん!」
夢見:「こうして、少し退くところはそれらしくないか?」
若菜美奈人:唐揚げを齧る。「変わってないだろうが」
若菜美奈人:「戻ろうが戻るまいが」
石神井寅彦:「ふっ」噴き出す。
石神井寅彦:「同じこと言ってる……」
若菜美奈人:「……」嫌そうな顔をする。
桑原そら:「若菜さんと石神井さんは仲良しですね、滝道くん」
滝道 晶:「パッと見、ぜんぜん違うタイプなのにな」
若菜美奈人:「黙って食え」
石神井寅彦:「仲良しですよお」
夢見:「まあ、私はいずれ立派なお姉さんになるのだ。負荷はきちんと操作する」胸を張って。
夢見:「安心して頼るといいぞ!」
桑原そら:「……良かったですね、戸神さんもきっと大丈夫です」そう滝道くんに
滝道 晶:「頼りにしてます、夢見ちゃん」
夢見:ぱっと顔を輝かせて滝道くんを見る。嬉しそうだ。
滝道 晶:「そらちゃんもありがとな、ひわちゃんの言葉を預かってくれて」
滝道 晶:「そらちゃんがいないと、きっとここまで上手く行ってないっす」
桑原そら:夢見さんの反応に、お姉さんらしくは…ないかもしれないな、という気持ちを心に隠して
桑原そら:「いえいえ、わたしだけじゃありません」
桑原そら:「ひわちゃんがいなかったら、きっとこんなにも上手くはいかなかったです」
桑原そら:「だから、必ず助けましょうね」
滝道 晶:「絶対、助けるっす!」
石神井寅彦:「…ピカピカ部隊に紗理羅ちゃんを追い払ってもらってる間に、そらちゃんと滝道くんがトガちゃんを説得」
石神井寅彦:「トガちゃんとおれらで、壁を壊す。トガちゃんの侵蝕は、夢見ちゃんに請け負ってもらう」
石神井寅彦:「エリートの経験則では、どう? 勝算は」
若菜美奈人:「無きゃやらねえ」
石神井寅彦:「あっはっは」
石神井寅彦:「じゃあ大丈夫だ」
【雨宿町町役場・食堂】
GM:しばらく後。他の皆がその場を辞した頃。
GM:食堂は、あなたと夢見の二人きりだ。
石神井寅彦:「…あのさ」片付いたテーブルに座ったまま。
夢見:「うん?」
夢見:お茶を静かに飲んでいる。
石神井寅彦:「お姉さん、ぜんぶ思い出したんだよね」
夢見:「そのつもりだ」
石神井寅彦:「…じゃあさ」
石神井寅彦:「紗理羅ちゃんへの印象って、なんか変わった?」
夢見:「……そうだな」
夢見:「以前は、とても大切で、同時に怖かった」
夢見:「今は……少し、遠い。温かな気持ちも、怖れも」
夢見:「少し、遠くから見ているような気持ちで」
夢見:「……ただ、あの子は、怖いのだろうな、と」
夢見:「前にも少し話したかな」
夢見:お茶を口にする。
石神井寅彦:「ん? どうかな。いまのあなたの言葉が聞きたいから、別にいいよ」
石神井寅彦:「あなたの世界は、二人きりじゃなくなったけど」
夢見:「……うん。あの子は何もかもが怖くて、だから友達が欲しい。どんな手を使ってでも」
石神井寅彦:「紗理羅ちゃんは、ずっと同じなのかもねえ」
夢見:「そう、かも。多分、私の時と同じなんだ」
夢見:「気持ちに入り込んで、変えてしまう」
夢見:「…………」
夢見:「私は」
石神井寅彦:「友達がいたら、怖くなくなるってか」
石神井寅彦:「ん」
夢見:「そんなことをしなくても、友達になれる、と、そう言いたかった」
夢見:「だって、一緒に居て、話をして、多少気は合わなくても、それは友達だろう」
夢見:「あの子は、聞かなかった。それに」
夢見:「私があの子みたいに怖がらないとわかると、行ってしまった」
石神井寅彦:「……そっか」
石神井寅彦:「自分と同じ気持ちになってほしいんだね、彼女」
石神井寅彦:「んなの無理なのにねー」
夢見:「そうなのだと思う」
夢見:「寅彦も、そう思う?」
石神井寅彦:「思うよ」笑う。「思いますとも」
石神井寅彦:「だから、自分を責めないでね」
夢見:「…………」
夢見:「寅彦は、どうしていつも、わかるのだろうな」
夢見:ふと、目を伏せる。睫毛が震える。
石神井寅彦:困ったようにその様子を見る。
石神井寅彦:「……なんでかな」
夢見:「何故だろう。お兄さんだからかな」
夢見:「私がもっと……どうにかして、あの子を引き留められていれば、などとも思うが」
夢見:「きっと、それは難しかった」
石神井寅彦:「うん。難しかったよ」
夢見:「難しかっただろうけど」
夢見:「本当は、そうできたら……」
夢見:すう、と深呼吸。
夢見:「責めない!」
石神井寅彦:「おお」
石神井寅彦:「………ははは」
夢見:「これも難しいぞ、寅彦!」
石神井寅彦:笑う。「そうなあ。悲しい気持ちは我慢してもしょうがないからね」
夢見:「寅彦も、我慢できなくなることはあるのか?」
石神井寅彦:「えー?」
石神井寅彦:「うーん」ちょっと答えに迷う。「…そりゃ、あるでしょ。人間だし」
夢見:「あやしもあるようだ」
石神井寅彦:「失礼しました」笑う。
夢見:「でも、寅彦はそういう……悲しいこと、辛いこと」
夢見:「全部聞いてくれるのだな」
夢見:「そうすると、少し楽になるようだ」
石神井寅彦:「うん」
石神井寅彦:「そういうの話してほしくて、やってますので」
夢見:「お仕事か。いいな」
石神井寅彦:「ハハハ。なんかね。お節介だよね」
夢見:「私は楽しいし、嬉しかった。どんどんお節介をするといい」
石神井寅彦:「かしこまりました」笑う。「夢見ちゃんもだよ?」
夢見:「お節介を?」
夢見:ふふ、と笑う。
夢見:「さっき話した。これからするところだ」
石神井寅彦:「そうだよね」穏やかに目を細める。「これからやりましょう」
夢見:「富久郎に、ちょっかいをかけに行って、そうして連れて戻す。そうだな」
夢見:「富久郎はいい人だ。隣の席で、私にぶつからないように小さくなって鍋を食べていた」
夢見:「元気で居て欲しいと思う。寅彦と同じくらいには」
石神井寅彦:「なんだそりゃ」困ったように首を傾げる。
夢見:「みんなみんな、元気で居て欲しい」
夢見:「だから、やっぱり、そうだ。私は人が好きだ!」
夢見:ぱっと花が咲くように笑う。
石神井寅彦:「…そっか。うん」それを見て、頷く。
石神井寅彦:「良い表情」
石神井寅彦:「…まったくなあ。怖くても、幸せでいてほしいから、立ち向かうって」
石神井寅彦:「人もあやしも、変わんないね」
GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
桑原そら:ロイスはなしで
滝道 晶:ロイスはいっぱい
石神井寅彦:ロイスなしです!
若菜美奈人:ロイスは保留で~
GM:いっぱい取ってる
桑原そら:クリスタルシールドを狙います
桑原そら:3dx+4>=25
DoubleCross : (3DX10+4>=25) → 10[3,9,10]+3[3]+4 → 17 → 失敗
若菜美奈人:すごい
GM:あっだいぶ
石神井寅彦:え~っおしい
滝道 晶:あとちょっと
GM:あーそっか
石神井寅彦:あっ財産点?
GM:バデムは自分には使えない
石神井寅彦:あっ足りないか
若菜美奈人:じゃあ我々が回すしか無いってことか
桑原そら:バデムが使えれば……
石神井寅彦:まかせな
GM:回してけ
滝道 晶:やってやる
石神井寅彦:5dx>=25 クリシーねらい!
DoubleCross : (5DX10>=25) → 8[1,8,8,8,8] → 8 → 失敗
石神井寅彦:ハイ
滝道 晶:紬の魔眼を使用~!
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1増加 (78 → 79)
滝道 晶:7dx>=25
DoubleCross : (7DX10>=25) → 8[2,2,2,4,4,6,8] → 8 → 失敗
滝道 晶:ぐわー
GM:また8
若菜美奈人:狙います
若菜美奈人:2dx+1>=25
DoubleCross : (2DX10+1>=25) → 7[2,7]+1 → 8 → 失敗
GM:??
若菜美奈人:なかよしか?
石神井寅彦:なかよしだわ
桑原そら:みんな8じゃん
滝道 晶:なかよしだった
桑原そら:仲良しですね
GM:なかよしなら仕方ないな
☆TIPS 泪川と傘崎橋 自動開示
町中を流れる小川。護岸工事はしっかりしており、近年は溢れることもない。
駅近くにある傘崎橋は比較的新しく作り直されており、鳥のレリーフが飾られている。
雨上がりに小学生が通ると、傘で欄干を叩いて鳴らしながらになるので、うるさい。
ミドル7 作戦決行
GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を1D10(→ 7)増加 (83 → 90)
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 3)増加 (85 → 88)
石神井寅彦:おお!
GM:ついに!
GM:そらちゃんは伸びた
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を1d10(→ 7)増加 (78 → 85)
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 5)増加 (79 → 84)
GM:大体並び傾向
GM:このシーンではイベントを行っていくのですが、まずはデータ処理を先に行いましょう。
GM:シーン内で行う行動に、何か宣言はありますか。
若菜美奈人:あります
GM:どうぞ!
若菜美奈人:イベントカード:UGN雨宿支部 『陽動作戦開始』
シーン冒頭で使用。シナリオ1回。
雨宿支部の人員により、紗理羅に対して陽動と追跡が行われる。
使用したシーン内には紗理羅は登場せず、妨害や制限は発生しない。
若菜美奈人:こちらを使用します~
GM:受理しました。
GM:このシーン内では紗理羅は登場せず、妨害は行われません。
GM:他には!
石神井寅彦:はあい
GM:どぞ!
石神井寅彦:イベントカード:夢見 『夢見の桜』
シーン冒頭で使用。夢見が以下の効果を発動する。シナリオ1回。
『忘れ花』
オート 対象:単体
対象がエフェクトを使う直前に使用。夢見がその侵蝕上昇を肩代わりする。シナリオ1回。
※夢見の侵蝕率はクライマックスフェイズまで100%で固定とする。
石神井寅彦:こちらを使用します~ エフェクト使用時に別途宣言します
GM:受理しました。一応対象は先に聞いておこうかな。
石神井寅彦:対象は戸神くん!
GM:了解! 戸神富久郎のエフェクト使用に関して、侵蝕上昇は発生しません。
GM:他もありましたらどうぞ。
桑原そら:はあい
桑原そら:イベントカード:新城ひわ 『消えない想い』
シーン冒頭で使用。シナリオ1回。
新城ひわからの感謝と『怖くない』という気持ちを伝える。
イベントカードひとつのロックを外すことができる。
桑原そら:このカードを使用します
GM:受理します。どのカードのロックを外しますか。
桑原そら:この後に宣言がある戸神さんのカードのロックを解除します
GM:了解です。ロックは解除され、イベントカードを使用することができます。
GM:ということは……
GM:他、ありましたらどうぞ。
滝道 晶:よっし!
滝道 晶:イベントカード:戸神富久郎『ひとかけらの勇気』を使用します!
滝道 晶:『鵺の爪痕』
エフェクトを使用し、紗理羅による隔壁を砕くことができる。シナリオ1回。
ただし、使用により戸神富久郎の侵蝕値が26上昇。
危険域へと上がり、クライマックス戦闘の進行次第ではエネミーとして登場する。
GM:受理しました。
GM:他のカードの効果により、使用可能、および侵蝕上昇は発生せず。
GM:戸神富久郎のエネミーとしての登場はなしとなります。
GM:また、カード使用後にPC側からの判定が発生、隔壁を完全に破壊する流れとなります。
石神井寅彦:おお こっちも判定するんだ
若菜美奈人:なるほどね
GM:外側からもだからね
滝道 晶:がんばろー
GM:がんばってー
GM:では、順番に演出と、その後発生する判定を行っていきましょう。
GM:まず最初に、マスターシーン的なイベントが入ります。
【雨宿町・路上】
時田 久則:『いいか、最新の目撃情報はお前の位置に一番近い』
時田 久則:『見つけたら、遠くから囲んで動きをコントロールしろ。寺から離せ』
時田 久則:『深入りはすんな。いざとなったら戦えるメンバーに任せて逃げる、いいな』
鈴掛 喜一:イヤホンから聞こえる声に、ピリピリとしたものを感じ、背筋を伸ばす。
鈴掛 喜一:「あいあいさー」
鈴掛 喜一:「……でも社長。こういう時、どうすりゃいいんですかね」
鈴掛 喜一:「一発でもぶん殴ってやりたいのに、おれ、そういうの苦手だし」
時田 久則:『アホ。調査部が何言ってんだ』
時田 久則:『お前が奴をぶん殴るのは、情報と立ち回りでだよ』
時田 久則:『舐めた真似して戸神をかっ攫った野郎を仕留める。直接じゃなくてもだ』
時田 久則:『戦闘はそっちの奴らを信じて、こっちは俺らの底力を見せてやんだよ』
時田 久則:『気合い入れてけ、來火ッ!』
鈴掛 喜一:「っす!」
鈴掛 喜一:口をぎゅっと閉じ、前を向く。人通りは少ない。異変があればすぐにわかる。
GM:……黒い少女の姿が、遠くにふわりと現れた。
鈴掛 喜一:「み」
鈴掛 喜一:「つけた……!」
鈴掛 喜一:「こちら川内寺から西に1ブロック。ターゲット発見。追跡します」
鈴掛 喜一:参加人員全体に通達を行う。
時田 久則:『ワーディングはむしろ絶やすな。消されたら他の奴が次々展開しとけ』
時田 久則:『一般人に被害だけは出すんじゃねえぞ!』
鈴掛 喜一:「了解」
鈴掛 喜一:「…………」
鈴掛 喜一:「さーて」
鈴掛 喜一:己を励ますように不敵に笑い、愛用の自転車にまたがった。
鈴掛 喜一:「返してもらわなきゃっすよね、うちの大事な後輩をさあ!」
GM:イヤホンの向こうで、おお、と口々に声が上がる。
GM:自転車が軽快な音を立てて走り出した瞬間、作戦は始まった。
GM:追加効果として、紗理羅の所持する《ワーディングキャンセラー》《レネゲイドディゾルバー》が使用不可能になります。
【雨宿町・川内寺境内 割れずの桜前】
GM:五分咲きの桜が立つ墓地の隅。
GM:木の陰からは、鵺の姿がうっそりと覗いている。
滝道 晶:「ただいま戻ったっすよ、富久郎さん!」再び、あの壁の前へ。
若菜美奈人:「……実働部了解。こちらもターゲット発見」イヤホンに告げている。
鵺:細い声があなたたちを迎える。
石神井寅彦:「…今日は、一番前じゃないね」そらちゃんに言う。
桑原そら:「前に立つべき時はそうしますよ?」
桑原そら:「今は、その時じゃないだけです」
石神井寅彦:「ハハ。そうじゃなくても大丈夫ってね」
桑原そら:「ええ、なんせ滝道くんですからね」
桑原そら:「きっと…大丈夫です」
鵺:恐怖のためか、やはり動きは鈍いが、敵意はない。豹のような尻尾を振っている。
石神井寅彦:「タキくん、何しに来たか伝えたげて」
滝道 晶:「そっすね、早いとこ始めないと」
石神井寅彦:「ミナちゃんが怒っちゃうからね」
滝道 晶:「それは勘弁っすね!」笑う。
滝道 晶:「えーっと、まず!紗理羅のほうはこっちには来ないっす!」
滝道 晶:「ピカピカのみんなが誘い出して離してくれてます!」
鵺:それを聞いて、獅子のような耳がぴくりと動く。
鵺:懐かしげな吠え声が上がる。喜んでいるようだ。
滝道 晶:「やっぱピカピカのみんな、心配してるんすよ!」
滝道 晶:「だからその隙に。この壁、ぶっ壊しちゃいましょう!」
鵺:ざりざり、と地面を引っ掻く。でも、と少し躊躇するような様子。
滝道 晶:「負担のほうは心配ないっす!」
滝道 晶:「ね、夢見ちゃん!」と、声をかける。
夢見:「うむ! 私がいる」
夢見:「助けに来たぞ、富久郎! 分担だ」
夢見:「あなたは気にしないで全力を出せば良い。吸ってくれる」
石神井寅彦:「あはは。あと、もうひとつの原因の排除でしょ」後ろで呟く。
桑原そら:「戸神さん、……素敵なプレゼントが1つあります」
鵺:あなたの方に、大きく首を巡らせる。
桑原そら:「ひわちゃんから、あなたへの」
桑原そら:「『どうもありがとう』『怖くなかったから、大丈夫』」
鵺:ゆるゆるとした動きが、止まった。
桑原そら:「たくさん伝えたいことがあって、全部噓っぽくなりそうだから、と」
鵺:何か言おうとしたのだろう。牙の生えた口を開けて、閉じ。
桑原そら:「これだけを、受け取ってきました」
鵺:金色の目であなたをじっと見てから、夕方の赤に染まった空を見上げる。
鵺:遠吠えが、こだました。何度も、何度も。
桑原そら:「……これだけで、伝わりますよね?」
鵺:尻尾を揺らし、片方だけの羽をばたつかせ。
桑原そら:「どれだけ怖くても……わたしたちは、きっと大丈夫です」
桑原そら:「これだけで、大丈夫」
鵺:大きく頷いて。
桑原そら:「少しの怖さは、好きで上書きできるそうです」
鵺:そうして、恐る恐る、一歩。前に踏み出した。
鵺:隔壁に阻まれるようにしながら、ゆっくりと。
若菜美奈人:「実働部、作戦第一段階終了」
若菜美奈人:「次は”処理部さん”の番だ」目の前の部員を見た。
鵺:それから、無理やりに後ろ脚で立ち上がる。
鵺:前脚が、ざわざわと蠢いて力を溜めるように大きくなる。
夢見:「私が手伝う。合図をしたら、振り下ろすといい」
石神井寅彦:「お節介するときだ」笑う。
夢見:「その通り!」
夢見:「……だが、寅彦。今一度、あなたのお節介もほしい」
石神井寅彦:「ん?」
夢見:「一緒に居てほしい!」
夢見:あなたの隣に来て、袖を掴む。
石神井寅彦:「……ハハ」
石神井寅彦:「うん。一緒にいますよ」
石神井寅彦:「今度こそ、連れ戻そう」
石神井寅彦:袖を掴まれて、ふたりの影が重なった。
石神井寅彦:『忘れ花』の使用を宣言します。
GM:了解します。対象は戸神富久郎ですね。
石神井寅彦:です!
夢見:『忘れ花』
夢見:《オリジン:プラント》《Dロイス:調和者》《テイクオーバー》
夢見:戸神富久郎の侵蝕上昇を肩代わりします。
夢見:「んんん……」
夢見:ぎゅっと目をつぶる。
夢見:そうして、しばらくじっとしている。
GM:やがて。
石神井寅彦:《虹の香り》。
GM:ひとつ。
石神井寅彦:土の匂いがする。
GM:またひとつ。
石神井寅彦:あるいは、季節外れに咲く花の匂いがした。
GM:五分咲きのひび割れた桜の木に、花が開いていく。
GM:薄紅の花びらが、ふわり、ふわり、と綻んでいく。
石神井寅彦:「あら」
桑原そら:「桜が……」
滝道 晶:「開いて…」
夢見:「……えいっ!」
夢見:やがて、思い切ったように、ぱっと片手を広げる。
GM:そこには。


GM:幾つも幾つもの花が早回しのように開いて、咲き誇る。
GM:冬の重たい空の下、そこだけが季節を違えたように。
GM:裂けても割れず、静かに立つ満開の桜の木がそこにあった。
夢見:「……あなたにかかる力を、私が引き受けた」
夢見:少女は、肩で息をしながら凜と立っている。
夢見:「さあ、砕け!」
滝道 晶:「さーて!富久郎さん、準備はイイっすか!」
鵺:応える声。
鵺:言葉はなくとも、確かにあなたには伝わるはずだ。
鵺:『今ならやれる』と。
滝道 晶:「よーっし!」
滝道 晶:「後はこっちだ!みんな、力貸してください!」3人に振り向いて。
桑原そら:「ふふ、勿論です」
石神井寅彦:「がんばりまーす」
若菜美奈人:「引き受けた」
滝道 晶:そして真っすぐ富久郎さんに向き直って。
滝道 晶:『ひとかけらの勇気』の使用を宣言します!
GM:受理します。戸神富久郎により隔壁への攻撃が行われます。
鵺:『鵺の爪痕』
鵺:《恐れる獣の咆哮》自分とPC全員のダイス数を+5個
鵺:《破壊の爪》で素手を変更。
鵺:《一閃》《コンセントレイト:ハヌマーン》《マシラのごとく》《獣の王》《怪獣撃》
鵺:13dx7+2
DoubleCross : (13DX7+2) → 10[1,1,2,4,4,6,6,6,6,8,10,10,10]+10[5,6,7,8]+10[4,10]+10[9]+10[10]+10[7]+10[10]+10[9]+4[4]+2 → 86
石神井寅彦:ヤ ヤッバ
滝道 晶:すごっ!
鵺:9d10+3d10+61 ダメージ
DoubleCross : (9D10+3D10+61) → 55[9,3,10,9,6,1,4,8,5]+7[1,5,1]+61 → 123
桑原そら:すごいすごい!
石神井寅彦:123!?
若菜美奈人:単体で3桁越えとる
滝道 晶:凄まじい
鵺:鵺の絶叫が迸る。
鵺:奇妙に膨れ上がった、大きな猿のごとき腕が力強く振り下ろされる。
鵺:それはただ虚空を裂いただけにも見えた。
鵺:だが、透明の爪痕が確かに何かに大きなひびを入れたのが、あなたたちにはわかる。
鵺:さらなる衝撃を与えるのならば、今であるとも。
GM:さて、あなたたちも同様に隔壁に攻撃を行う必要があります。
GM:ダイスは先ほどの戸神の支援で+5個されています。
GM:全員〈白兵〉〈射撃〉〈RC〉〈交渉〉で判定をして、累計達成値が40になれば隔壁を破り、紗理羅の力を削ぐことができます。
GM:また、エフェクトの使用や支援は自由です。侵蝕1d5振り足しで再判定も可能。
GM:ただし、判定成功時に中から範囲(選択)でPC全員に対して2d10ダメージ装甲有効の攻撃が行われ、回避判定をします。
GM:こちらに対してもエフェクトの使用やカバーリング、軽減などは有効です。
GM:以上、質問はありますでしょうか
桑原そら:大丈夫です
若菜美奈人:大丈夫!
石神井寅彦:大丈夫です!
滝道 晶:大丈夫です!
GM:了解です。では、希望者から順番に判定を行ってください。
滝道 晶:では一番手!いきます!
GM:どうぞ!
滝道 晶:使用技能は〈射撃〉、紬の魔眼を使用!ダイス+3!
GM:+5個もね
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1増加 (84 → 85)
滝道 晶:14dx+2
DoubleCross : (14DX10+2) → 10[1,2,2,3,4,6,7,7,7,7,8,8,9,10]+1[1]+2 → 13
GM:おっいった
桑原そら:お見事!
滝道 晶:回った!
石神井寅彦:回ってる!いいですね!
GM:累計13、残り27!
桑原そら:では次はわたしが!
GM:どうぞ!
桑原そら:〈白兵〉で素振りします
桑原そら:10dx+2
DoubleCross : (10DX10+2) → 10[2,2,5,5,5,8,8,9,9,10]+3[3]+2 → 15
GM:つよい……
石神井寅彦:おお~
桑原そら:や、やったー!
GM:累計28、残り12かな
若菜美奈人:すごい
滝道 晶:すごーい
若菜美奈人:こちらも白兵で素振りします~
GM:どぞ!
若菜美奈人:11DX+2
DoubleCross : (11DX10+2) → 10[1,2,2,4,6,7,7,8,9,10,10]+6[5,6]+2 → 18
石神井寅彦:おお~!!
GM:たっか
石神井寅彦:さすがエリートはちがうな
桑原そら:つよい
滝道 晶:すごーい!
若菜美奈人:やったぜ
GM:累計46、目標クリア!
GM:でも石神井さんも
石神井寅彦:おお
GM:振ってほしい
石神井寅彦:ありがとうございますw
石神井寅彦:じゃあお言葉に甘えて RCで素振りしますね
GM:どぞー
石神井寅彦:(4+2+5)dx+4
DoubleCross : (11DX10+4) → 8[1,1,2,3,3,3,4,5,5,7,8]+4 → 12
若菜美奈人:みんな安定してる
GM:みんな回すな……
滝道 晶:安定!
桑原そら:安定している
石神井寅彦:10は出なかったね
GM:あ、ほんとだ
GM:では累計58、目標値40を楽々クリアしました。
GM:隔壁は破壊することができます。ただし、反動が来ます。
GM:範囲(選択)でPC全員に対して2d10ダメージを受けてもらいます。
GM:回避で判定。目標値は7。
GM:もしくは何かエフェクトの使用があればそちらでも結構です。
桑原そら:コンボ「避雷針」 《孤独の魔眼》 で対象をわたし一人に
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を4増加 (90 → 94)
GM:了解です。
GM:なお、このエフェクトなんか回避にも……ダイスつくんだよね……
桑原そら:あら
桑原そら:では回避判定を
GM:どうぞ!
桑原そら:10dx+1>=7
DoubleCross : (10DX10+1>=7) → 10[1,4,5,8,9,9,9,10,10,10]+10[2,4,10]+9[9]+1 → 30 → 成功
GM:!?
桑原そら:????
石神井寅彦:ヤバすぎる
若菜美奈人:恐ろしい
GM:か、回避成功です
滝道 晶:す、すごい
GM:まず、事務的なことを。
GM:イベントカード全ての効果が発動し、判定も成功しましたので、条件が満たされました。
GM:戸神富久郎の暴走状態と、《完全獣化》が解除。
GM:クライマックス戦闘の勝利を経ることで、戸神富久郎と夢見は無事にエンディングを迎えることができます。
GM:これ以降このシナリオ内でNPCがジャーム化・エネミー化することはありません。
GM:さらにNPCカードをふたつ入手できます。
NPCカード
"ヒルカクロフ"戸神富久郎
『鵺の咽ぶ声』
イニシアチブ 対象:範囲(選択)
ラウンド間対象の全ての判定ダイスに+5個。シナリオ2回
※戸神富久郎の侵蝕はクライマックスフェイズまで120%で固定とする。
NPCカード
"割れずの桜"夢見
『帰り花』
メジャー 対象:単体
行動値5のタイミングで、PLが選択したPC1名の侵蝕を-5する。ラウンド1回。
GM:以上がイベントとなります。
石神井寅彦:「…そらちゃん、その時がきたかも」
石神井寅彦:「前出たげて。タキくんだいぶ気張ってるから」
石神井寅彦:「安心させたげて」
桑原そら:「…はい、行ってきますね!」
石神井寅彦:「あっ、タキくんにタキくんって声かけてあげてね!」背中に呼びかける。
桑原そら:「わかりました!」そういって前に駆けていく
滝道 晶:「…やっぱ富久郎さんってすげえ!」目の前で全力を目の当たりにして。
滝道 晶:「俺も負けてらんないっすね…!」
滝道 晶:一瞬手元が光った後、両の手に刀…直刀が一振りずつ握られている。
滝道 晶:《錬金術師》。それは物質生成に特化した力。
滝道 晶:滝道が作り出す武器は名工のそれを凌駕する。
滝道 晶:「今の俺らを、こんな壁で遮れる訳…ない!」
桑原そら:「タキくん!わたしがサポートします!思いきりいってください!」
滝道 晶:「…ありがと!そらちゃん!」
滝道 晶:やっぱり隣に仲間がいるってのは、何よりも心強い。
滝道 晶:「行くっすよー!」
滝道 晶:思い切り右の直刀を振りかぶる。そして背後に魔眼を生成。
滝道 晶:―――渾身の投擲。続けて左。
桑原そら:それと同時に自信も電磁場を生成し、直刀を磁力でさらに加速させる
滝道 晶:コンマ数秒の時間差で、見えない壁の一点に。
滝道 晶:弾丸の如き速さの刃が、光の筋を残して突き刺さる。
GM:見えない壁の、見えないひびがさらに広がる。
若菜美奈人:桜の舞う中、土に杭のような楔が叩き埋められる。
若菜美奈人:そして、もう一本を引っ掴んでいる。
若菜美奈人:それを投げつける。生じた空間内の、見えない罅にねじ込むように。
若菜美奈人:「投入(アクティベート)」強烈な露光。
若菜美奈人:春雷。
若菜美奈人:それは中空に貼られたことを示す架空の、存在しないことを示す架空の線を辿る。
若菜美奈人:杭同士を結ぶ雷閃が、壁の耐久性に多大なダメージを与え、
若菜美奈人:稲光はさらなる次への道を作る。
石神井寅彦:雷の後に訪れるもの。
石神井寅彦:さざ波のように、影法師が存在しないはずの道を走り抜ける。
石神井寅彦:それは奇妙な獣の姿をしていた。闇のなかで浮かびあがる姿は、壁の中にいる彼に似ていて、
石神井寅彦:ただ、その瞳の輝きだけは再現できない。
石神井寅彦:吠えるように大きく頭を上げて、ひびわれた壁に、鮮烈な爪の一撃を放つ。
GM:内と、外と。強烈な攻撃に挟まれて。
GM:見えない隔壁はついにぼろぼろと崩れ出す。それも目に見えることはない。
GM:ただし。
GM:これまで中に満ちていた、恐怖を煽るレネゲイドの強烈な気配が、あなたたちを蝕もうとする!
夢見:「!」
夢見:「あ、あれはさすがに……吸えない……!」
桑原そら:「そのまま動かずに!」
桑原そら:ぎゅる り
桑原そら:と全員を飲み込もうとした気配が集束し、ただ一人でそれを見やる
桑原そら:「うん……、わたしたちは、大丈夫です」
桑原そら:怖くて、怖くて、怖くて、……それでも、みんなのことが好きだから
桑原そら:怖さは、上書きできると
桑原そら:「そう簡単に、攻撃なんてさせません」
GM:あなたのその言葉に、反対に怯んだかのように。
石神井寅彦:「ハハ。うん。ほんとに」目を細める。「大きく見える」
GM:ひたひたと迫り来る気配は、空中に散じ始める。
GM:微かに目の前に届くとも思われたが……。
GM:溶けて、消えた。
若菜美奈人:「……フン」鼻を鳴らす。
滝道 晶:「さすがそらちゃん…」これを思ったのが何度目かわからない。
鵺:大きく一声、鳴いて。
戸神 富久郎:「……ああああああっ」
戸神 富久郎:その声が、ゆっくりと人の嗄れた叫びへと変じていく。
戸神 富久郎:破れた作業着姿の青年が、地面に膝をついていた。
戸神 富久郎:「も、戻った……」
滝道 晶:「やった…!」と富久郎さんの元へ駆け出す。
戸神 富久郎:「た、きみちくん」ゴホゴホと咳をして。
滝道 晶:「大丈夫っすか…!?」
滝道 晶:傍にしゃがみこんで、顔を覗き込む。
戸神 富久郎:「……大丈夫。多分。おかしくなってないよな、俺……」
戸神 富久郎:自分をじろじろ見て、そうして。
戸神 富久郎:「……やったよ、俺」
戸神 富久郎:「滝道くんたちを、信じられたよ」
滝道 晶:「見てました」
滝道 晶:「聞こえてました」
戸神 富久郎:「……うん」照れたように笑って。
滝道 晶:「……カッコよかったっすよ」ニコッと笑って。
戸神 富久郎:「……はは、すげえレアなやつ、見せちまった」
戸神 富久郎:「俺も、見てたよ」
戸神 富久郎:「ありがとう」
滝道 晶:「こっちこそ、ありがとうっすよ」
滝道 晶:「帰って来てくれて!」と立ち上がって。
滝道 晶:手を差し出す。
戸神 富久郎:その手を取る。かなり大きな手だ。
戸神 富久郎:共振の夢の中のものよりも。これも、覚醒の影響だという。
戸神 富久郎:あなたを見る、金色の目も。
滝道 晶:「……思ってたんすけど」
戸神 富久郎:「ん?」
滝道 晶:「今の富久郎さんの目、綺麗なんですよね」ジーっと覗き込んで。
滝道 晶:「隠すの、勿体ないっすよ」
戸神 富久郎:「えっ、なっ、いきなり何……」
戸神 富久郎:「それは、でも、め、目立つし……」
滝道 晶:「いや~、なんとなく?」
戸神 富久郎:「んんんんん」ぼさぼさした前髪を摘まむ。
戸神 富久郎:「……なんか。考えとく、けど……」
滝道 晶:「目立ってもいいじゃないっすか」今の富久郎さんの良さなんですから、と添えて。
桑原そら:「タキくん、お疲れのところにグイグイいくものじゃないですよ」
桑原そら:「お帰りなさい、戸神さん」
戸神 富久郎:「う、あ、え、うん」
戸神 富久郎:「……さっきは、あの、伝言。ありがとう」
戸神 富久郎:「……ただいま」
桑原そら:「……もう、大丈夫ですかね?」
桑原そら:「どういたしまして、ひわちゃんもきっと喜びます」
石神井寅彦:「ミナちゃん、本部に連絡…」後ろで、隣に立つ彼を見る。
若菜美奈人:「実働部から全人員へ。任務完了」インカムに告げている。
石神井寅彦:「…してますよねー」
若菜美奈人:「繰り替えす。救出に成功。任務完了」
夢見:「ぷひゅー……」少し気が抜けたように息を吐く。こちらも無事。
石神井寅彦:「…ハハ」笑う。「良い響き」
滝道 晶:「夢見ちゃんもおつかれさまっす」
桑原そら:「ピカピカのみなさんもこれで安心できますよね、…よかったです」
石神井寅彦:「それじゃあ、あとは」
石神井寅彦:「あの子を、また眠りにつかせてあげようか」
桑原そら:「ええ、そうですね」
若菜美奈人:「上等だ」
滝道 晶:「そうっすね、残りの大一番だ」
石神井寅彦:「ふふ」笑う。
GM:……年の終わりに降る雨を、鬼洗い、と言う。
GM:雨の代わりに桜吹雪に乗せて、今。その時が来たる。
GM:ロイス取得のみできます。
石神井寅彦:満杯だし以上です!
滝道 晶:満杯!
桑原そら:満杯です
若菜美奈人:大丈夫!
GM:そうなんだよなあ
☆TIPS 割れずの桜 自動開示
川内寺境内、墓地の隅に生える、古く大きな桜の木。
落雷で裂けた影響で見た目はあまり良くなく、近頃は花も咲かせていなかった。
損傷した当時は『割れずに花を咲かせる』と縁結びの縁起物として扱われていたらしい。
現状は名だけが残り、狂い咲きの花が咲くまでは伐採の話も持ち上がっていた。
マスターシーン3 ある夜
【雨宿町・旧市街 路上】
戸神 富久郎:(……うー、さむ)
戸神 富久郎:(まだ誰か残ってるかな……。先輩がいたら、ラーメンでも……)
GM:処理部の仕事帰りだった。闇の中に、大きなシルエットがのそのそと歩いている。
戸神 富久郎:(……あれ?)
GM:視線の先に、暗闇に溶けるように、黒いドレスの少女が居た。
GM:楽しそうに、くるくると回って。
GM:慌てて、かじかむ手で携帯端末を取り出す。姿を写真に収めた、その音に気付かれた。
GM:くきり。
GM:少女は彼に顔を向ける。ヴェールに隠され、目元はよく見えない。
紗理羅:「だあれ?」
紗理羅:「ああ、あのうるさい人たちかなあ。面倒なんだよね……今特に用事もないし」
GM:するり、とそのまま去ろうとする。
GM:深追いはするな、と言われていた。言われていたのだが。
戸神 富久郎:「ま」
戸神 富久郎:「待てっ!」
GM:四足の方が速い、と瞬間的に思った。好きでもない能力だったが、活かし方は少しは学んだ。
GM:次の瞬間には、獣に変じて走り出していた。
GM:同時に、ワーディングを発生。一般の被害を防ぐため、そして事態を知らせるため。
紗理羅:「……あはは!」
紗理羅:「いいよ、追いかけっこしよう!」
紗理羅:「でもー」
紗理羅:「これは、いらない!」
GM:ざあ、と心を揺さぶる力が奔って、いつの間にかワーディングは消去されている。
GM:焦りながら、不格好な脚をひたすらに動かし、駆けようとした。
紗理羅:「……だから、捕まってなんかあげないってば」
紗理羅:「しつっこいなあ……あれっ」
GM:そうして、道の先には……。
新城 ひわ:「……えっ?」
GM:塾帰りらしい少女が、竦んだ様子で立っている。町内の高校の制服。
紗理羅:「あはは、ほら。見られちゃった。僕の勝ち」
GM:しまった、と思った。
GM:その子が、こちらを見ていた。
GM:怯えた目をしていた。
GM:見られてしまった。怖がらせてしまった。そうして今、危機にある。
GM:それでも、ひとかけらの勇気を、奮い立たせた。
GM:大きく飛んで、小柄な少女の前に立ちはだかる。
戸神 富久郎:(……怖いよな。ごめんな)
戸神 富久郎:(俺も辛いけど、君が傷つくよりはずっといい)
戸神 富久郎:(すぐに忘れる。大丈夫だから)
GM:高く夜に声を上げる。奇妙に恐ろしげな響きの咆哮を。
GM:少女が伸ばそうとした手を止める。面白そうな顔をして。
紗理羅:「……君、脚が震えてる」
紗理羅:「怖いんだ? ふふ」
紗理羅:「……人が来ちゃうな。また会お? 探して、見つけて、遊びに来るから」
紗理羅:「じゃあね。鵺くん!」
GM:彼が飛びかかるのと、彼女が消えるのとは、同時。
GM:後ろの少女はへたり込んで、それを見ていた。
GM:……やがて、すぐに救援が来て、新城ひわという少女は保護の上記憶処理。
GM:戸神富久郎は失敗の思い出を抱えたまま、また夜を迎える。
新城 ひわ:(…………)
新城 ひわ:(……暗くて、よく、見えなかったな)
新城 ひわ:(幽霊みたいな女の子が、私に何か怖いことをしようとした)
新城 ひわ:(それで、何か大きな影が守ってくれた。犬みたいなシルエットの……)
新城 ひわ:(金色の、目)
新城 ひわ:(それだけは覚えてる)
GM:車に乗せられ、ぼんやりと町の明かりを眺めながら、思う。
GM:『守ってくれた』ことについては確信をしていた。
新城 ひわ:(だって、ノエルと……一緒だったもん。あの背中)
新城 ひわ:(言い忘れちゃったな、お礼)
新城 ひわ:(今度会ったら、言おう)
新城 ひわ:(会えるものなのかな。また……)
新城 ひわ:(……ノエル……)
GM:暖かい車の中、緊張が解けたのか。それとも、何か別の力が働いていたのか。
GM:ゆっくりと、眠りに落ちていく。
GM:その消えない想いと言葉が確かに伝えられるのは、まだ、少し先のことだ。
クライマックス 対・紗理羅
GM:全員登場。登場侵蝕をお願いします。
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 8)増加 (85 → 93)
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を1D10(→ 5)増加 (88 → 93)
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を1D10(→ 9)増加 (94 → 103)
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を1d10(→ 5)増加 (85 → 90)
GM:高めだなあ ファイト!
【雨宿町・川内寺境内 割れずの桜前】
GM:あなたたちがひとつの作戦を終えた後。
GM:やがて、支部員から連絡があり、紗理羅がそちらに向かったという。
GM:それから程なくして、少女の姿は現れた。
紗理羅:「……あーあ」
紗理羅:「全部ぶっ壊されちゃうとは思わなかったなあ」
若菜美奈人:その姿が見えると同時に、《ワーディング》が展開される。
紗理羅:黒いドレスの裾を揺らして、ゆらゆらと立っている。
若菜美奈人:ぱちぱちと乾燥した空気が、弾けるような空間。
紗理羅:「……消すのもできやしない。ほんとやな感じ」
紗理羅:「夢見もさあ。邪魔までしなくたっていいじゃない?」
夢見:「……だって。何度も言った」
夢見:「人を怖がらせて、傷つけて、苦しめるのは、私は嫌いだ」
夢見:「……もう、私は、あなたが怖くはない。ただ、懐かしいだけ」
紗理羅:「なあに、それ。ずいぶんしっかりしちゃって」
紗理羅:興味がなさそうに笑う。
紗理羅:「さて、僕の友達を逃がして、全部わやくちゃにしたってことは」
紗理羅:「覚悟はできてる、ってこと?」
紗理羅:あなたたちに向き直る。
滝道 晶:「富久郎さんは俺の友達なんでね、譲らないっすよ」
桑原そら:「覚悟がない人はここにはいないと思います」
桑原そら:「あなたと向き合う覚悟なら……もうずっと前から持っています」
石神井寅彦:「…こういう時になんか言うの苦手」ぼやく。
若菜美奈人:「ならその分手を動かせ」
若菜美奈人:「あれに覚悟を問わせろ」長杭を手に構えて。
石神井寅彦:「…そりゃ、おれにしかできない仕事っぽいな」
石神井寅彦:「そらちゃん」短く呼びかける。
桑原そら:「はい、なんでしょう」
石神井寅彦:「あなたが結んできた絆、ちょっと借りるね」
桑原そら:「……喜んで」
石神井寅彦:「ふふ」
石神井寅彦:「夢見ちゃんも」
石神井寅彦:「一緒にいてね」
夢見:「いるとも」きりりとした顔をする。
夢見:「私は……私も、私の心に、けりをつけねばならない。共に!」
戸神 富久郎:「……俺も、このままでも援護はできますから」
戸神 富久郎:「友達って、本当はあんなんじゃないって、見せてやりたい」
紗理羅:「なあに、なあに、なあに!」
紗理羅:「なんでみんなそうやって、僕の邪魔ばかり……もういいよ!」
紗理羅:「特等席へようこそ」
紗理羅:つい、とスカートの裾を摘まんでお辞儀をする。
紗理羅:白い骨の脚が覗く。
若菜美奈人:通信機に向けて、告げる。
若菜美奈人:「――こちらはUGN雨宿支部」
若菜美奈人:「紗理羅を発見。対処する。人員は……」
若菜美奈人:「“導雷身”、“光芒双閃”、“影追い”、“リープサンドッグ”、」
若菜美奈人:「“ヒルカクロフ”、」
若菜美奈人:「夢見」
紗理羅:その声をせせら笑うように、告げる。
紗理羅:「招待リストだね」くすくすと。
紗理羅:「世界で一番、これでもかってくらい」
紗理羅:「身も凍るような恐怖を」
紗理羅:「あなたたちに」
GM:冬の空気に紛れ、それ以上に冷たい何かが、あなたたちに忍び寄る。
GM:それはあなたたちの感情とレネゲイドを掻き乱し、衝動を解放しようと囁きかける!
GM:衝動判定です。意志で目標値9。
桑原そら:6dx>=9
DoubleCross : (6DX10>=9) → 10[1,4,5,5,8,10]+7[7] → 17 → 成功
GM:たっか
石神井寅彦:6dx+1>=9
DoubleCross : (6DX10+1>=9) → 8[1,2,7,8,8,8]+1 → 9 → 成功
若菜美奈人:4DX+3>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 10[5,6,6,10]+2[2]+3 → 15 → 成功
滝道 晶:紬の魔眼を使用、ダイス+3して判定
滝道 晶:7dx>=9
DoubleCross : (7DX10>=9) → 9[1,2,5,6,8,8,9] → 9 → 成功
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1増加 (93 → 94)
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を2d10(→ 18)増加 (90 → 108)
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を2d10(→ 10)増加 (93 → 103)
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を2d10(→ 18)増加 (103 → 121)
桑原そら:わはは
若菜美奈人:侵蝕食べすぎたかも
石神井寅彦:ふたりともッ
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 8)増加 (94 → 102)
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を1D10(→ 2)増加 (102 → 104)
滝道 晶:まちがえて1d10が2回になっちゃった
GM:了解です。
石神井寅彦:2d10してるからいいのよ
GM:かつて、慰石に吸い込まれたレネゲイド。その一部が、暴風のように周囲に吹き荒れる。
GM:それは、土地の力と混ざり、あなたたちにまたひとつの風景を見せる。
GM:……生まれた時から、ずっと怖かった。
GM:生まれた時から、死んでいたからだろうか。
GM:誰の骨、という意識はなかった。ごちゃごちゃに入り交じった、誰かの骨の、その集合体。
GM:それが紗理羅というあやしだった。
GM:つまり、周りに幾ら無縁仏が埋められていようとも、ひとりだったのだ。
GM:ただ、すぐそこに木の根があった。
GM:ある日話しかけると、小さな意識があるようだった。
GM:嬉しい、嬉しい。初めて、怖くなくなるかもしれない、と思った。
GM:友達になりたいな。なれるかな。なろう。
GM:見えない手を伸ばす。ねえ、一緒に話そう。遊ぼう。
GM:同じことを考えて、同じことを感じて、そうすれば寂しくない。
紗理羅:(僕の、友情と怖れを君に)
GM:骨は知らなかった。
GM:捻じ曲がった力以外で、その望みを叶える術を。
GM:生まれたての心を切り裂いて、気持ちを書き換えた。
GM:恐怖を与えた。
GM:それが、何よりの友情の証と信じて。
GM:だから、その桜の木が抱えるものがどうやら自分とは違う、と気付いた時。
紗理羅:(なんだ)
紗理羅:(じゃあ、もういいや)
GM:裏切られた、と感じた。
GM:その頃はもう、人の姿を取ることも、動くことも自在だった。
GM:古巣を捨てて、友人を捨てて、去って楽しく遊びに行くのも、自由だった。
GM:ぽっかりと開いた心の空洞に何も気付かないまま。
GM:骨は人里に恐怖を振り撒くことを、決めた。
GM:しんとした地下の気配、音、匂い。
GM:あなたたちは感じるだろう。そこでひとりだった記憶も、ふたりだった記憶も。
GM:……自らそれを捨ててしまった記憶も。
GM:初めから間違えていた選択と、それを選んでしまった歪な心。
GM:もはや取り返しはつかないのだと、そう感じるだろう。
GM:……やがて、現実が戻ってくる。
桑原そら:怖くて、寂しくて、悲しくて……もう救うには眠らせてあげるしかなくて
桑原そら:それでも、自分だけではそれは不可能なことだから
桑原そら:「みなさんのことはわたしが守ります」
桑原そら:「だから……、攻撃はよろしくお願いします!」
石神井寅彦:「かわいい女の子にそう言われちゃなあ」
石神井寅彦:「がんばらないと、男がすたるもんね」
滝道 晶:「俄然気合が入るっすね!」
若菜美奈人:「言われるまでもない」
紗理羅:「……君、ほんと厄介」
紗理羅:「ぜーんぶまとめて、潰しちゃうからね!」
GM:戦闘を開始します。
GM:エンゲージは以下の通り。
[紗理羅(8)]
|
10m
|
[滝道(10)桑原(6)石神井(6)若菜(6)]
GM:エネミーは1体。距離は10mです。
GM:NPCはNPCカードとして参戦します。
GM:勝利条件は紗理羅の戦闘不能。
■セットアップ■
GM:宣言があればどうぞ。
GM:エネミーはひとつ。
紗理羅:《カームダウン》シーン全体のダイス数を-5個。
石神井寅彦:《扇動の香り》。紗理羅ちゃんを攻撃するPC全員の判定ダイスが+5個されます。
桑原そら:あります
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を5増加 (103 → 108)
桑原そら:《オーバーアクセル》 行動値を+4して暴走
桑原そら:暴走により《拒絶領域》の効果が発動し常にHPダメージを‐20し、飢餓の変異暴走であらゆる判定ダイスが‐5されます
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を4増加 (121 → 125)
若菜美奈人:なし
滝道 晶:こちらはパス!
GM:OK!
■イニシアチブ■
GM:何か宣言があればどうぞ。
滝道 晶:なし!
桑原そら:ありません!
若菜美奈人:ないぜ
石神井寅彦:NPCカードを使用しよ~!
GM:きた
滝道 晶:あっこれイニチアチブか
石神井寅彦:戸神くんのNPCカード『鵺の咽ぶ声』を使わせてもらいます!対象はPC全員!
戸神 富久郎:了解!
GM:承りました。
GM:一応整理すると
GM:現在紗理羅がダイス-5個、PCの攻撃ダイスが+5個、他ダイスはプラマイゼロ
GM:かな
石神井寅彦:やったぜ
桑原そら:ふんふん
滝道 晶:すごい
若菜美奈人:ヤバ
紗理羅:「……じゃあ、行くよ」
紗理羅:「君たちにも、僕の友情と、恐怖を!」
紗理羅:あなたたちの耳元で、くすくすと笑う声が響く。
紗理羅:それはただの幻聴で、しかし恐怖を掻き立て、力を奪っていく。
紗理羅:己すら巻き込む、心を蝕む音の結界。
GM:だが。
戸神 富久郎:「っうおおおおおお!!」
戸神 富久郎:叫びすぎて嗄れた声で、吠えるような声がする。
紗理羅:「鵺くん!?」
戸神 富久郎:「まだ、お前のことは怖い……怖いけどな!」
戸神 富久郎:「そんなもの、上書きできるんだって、教えてもらった。そうだろ!」
戸神 富久郎:「俺が」
戸神 富久郎:「俺が全部、消してやるから!」
戸神 富久郎:「……あとは、頼みましたっ!」
紗理羅:「…………」
紗理羅:「……君なら、僕と同じところに、堕ちてくれると思ったのに……」
桑原そら:「戸神さん、ありがとうございます…!」
石神井寅彦:足元の影がぐにゃりと蠢き、蜘蛛の巣が広がるように一気に広がる。
桑原そら:自身に意識的にかけているロックを解除し、自身の周囲に電磁場を
石神井寅彦:桜吹雪が舞うなかで、全員の影が奇妙に繋がって、ドレス姿の少女の影を追う。
石神井寅彦:戸神くんの影に触れた瞬間、香りがした。
石神井寅彦:狭い社内の、かさついた香り。
石神井寅彦:「アクティ…なんだっけ」
石神井寅彦:「ハハハ」
若菜美奈人:「……」舌打ちをして。「ここまでお膳立てされて外すか」
GM:では、行動値順では10組ですが、割り込みです。
紗理羅:《加速する刻》
紗理羅:メインプロセスを行うよ。
紗理羅:マイナー、《骨の剣》《死招きの爪》《オリジン:ヒューマン》武器を作成し達成値上昇。
紗理羅:判定前にオート、《呪われし者の印》ダイス減少効果を受けない。
紗理羅:メジャー、《異形の祭典》《オールレンジ》《コンセントレイト:エグザイル》《伸縮腕》
紗理羅:対象は四体でPC全員。
紗理羅:11dx7+10
DoubleCross : (11DX7+10) → 10[1,2,3,3,3,3,3,5,7,8,9]+10[2,7,7]+10[4,8]+10[10]+3[3]+10 → 53
紗理羅:うわたか
石神井寅彦:なんなの
滝道 晶:やる気だ
若菜美奈人:がんばってる
桑原そら:わあ
紗理羅:リアクションをどうぞ
石神井寅彦:ドッジします
石神井寅彦:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 8[2,4,6,8] → 8
石神井寅彦:無理だよ~
滝道 晶:同じくドッジ!
滝道 晶:4dx+1>=53
DoubleCross : (4DX10+1>=53) → 5[1,3,3,5]+1 → 6 → 失敗
若菜美奈人:ガード。
桑原そら:コンボ「雷避け」 《マグネットフォース》で滝道くんをカバーします
若菜美奈人:《マグネットフォース》。石神井寅彦をカバー。
石神井寅彦:きゃ~
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を2(→ 2)増加 (108 → 110)
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を2増加 (125 → 127)
GM:了解! ダメージ出します
紗理羅:6d10+22
DoubleCross : (6D10+22) → 33[1,4,8,5,7,8]+22 → 55
若菜美奈人:11点止めて44。倍の88。
若菜美奈人:カバー無しならってところか……死にます
若菜美奈人:敵/紗理羅/有為/脅威:○/ロイス で取得して昇華、復活。
若菜美奈人:若菜 美奈人のHPを14(→ 14)に変更 (48 → 14)
桑原そら:55から12引いて43の倍86
桑原そら:そこから30引いてギリギリ足りないな
桑原そら:滝道くんのロイスを昇華してHP13で復活します
紗理羅:「……君がかったいのはよく知ってるし」
紗理羅:じゃきん。剣のような骨が何本も飛び出る。
紗理羅:「君が」
紗理羅:「誰かを庇うのがだあい好きだってことも、知ってる!」
紗理羅:骨が伸びる。
紗理羅:あなたたち全員に向けて、鋭い刺突が迫る!
石神井寅彦:「今回は避けていいよね?」
若菜美奈人:「出来るならな」
石神井寅彦:「できませーん」
滝道 晶:「この数は…無理っすね…!」
桑原そら:「タキくんはそのまま動かずに!」
若菜美奈人:両手が帯電、迫りくる骨剣を迎撃する。
若菜美奈人:自分に向けてのものではない。より後方。石神井・夢見への攻撃線を絶つ。
桑原そら:そう言って前に、重力操作と電磁力の併用で抑え、後ろには攻撃を通さない
石神井寅彦:「お」せめて夢見ちゃんの前に出て、やはり動かず受けようとして。
石神井寅彦:「やっさしー」
若菜美奈人:そのまま自分は貫かれ、その貫いた骨を握って潰した。
若菜美奈人:「やれることをやってる」
桑原そら:機械化されていても弱い関節部分などにダメージを食らうが、足はしっかりと地面を踏みしめて
滝道 晶:「そらちゃん、ありがと…!」言われた通り、動いてない。信頼の形として。
桑原そら:「タキくん、お願いします!」
石神井寅彦:「ふふ」こっちは礼は言わない。
滝道 晶:「任されたっす!」
GM:では行動値10のお二人
GM:お好きな方からどうぞ!
桑原そら:待機します
GM:了解です。では滝道くんどうぞ!
滝道 晶:はーい!
滝道 晶:マイナーで《インフィニティウェポン》《ダブルクリエイト》。
滝道 晶:《錬金術師》《ナチュラルクリエイション》《リーサルシャイン》の効果で攻撃力22の白兵武器を2本生成。
滝道 晶:メジャー:《コンセントレイト:バロール》《魔弾の射手》で攻撃。
滝道 晶:対象は紗理羅。
GM:命中判定をどうぞ。
滝道 晶:OK、オート:紬の魔眼を使用。判定のダイス+4個。
滝道 晶:16dx7+2
DoubleCross : (16DX7+2) → 10[1,1,4,4,4,4,4,5,5,6,6,7,8,9,9,9]+10[4,5,5,7,10]+2[1,2]+2 → 24
滝道 晶:うーん低い!
紗理羅:骨の剣でガード。《スプリングシールド》使用。
GM:ダメージどうぞ。
桑原そら:コンボ「膜放電」 《暴食の魔王》 ダメージダイス+4してください
滝道 晶:有難い!
GM:ぐえー
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を5増加 (127 → 132)
滝道 晶:3d10+44+4d10
DoubleCross : (3D10+44+4D10) → 10[3,2,5]+44+26[6,8,9,3] → 80
石神井寅彦:すごっっっ
GM:うわあ
滝道 晶:良し!
GM:装甲ガードで16弾いてダメージは64。
紗理羅:ま、まだ立ってるよ
GM:侵蝕上昇して演出をどうぞ。
滝道 晶:滝道 晶の侵蝕を14増加 (104 → 118)
滝道 晶:「アンタとの鬼ごっこもこれで終わりっす」
滝道 晶:紗理羅。無縁仏を起源とする、骨で形作られたレネゲイドビーイング。
滝道 晶:刃を武器とする俺とはいささか相性が悪い。けれど。
滝道 晶:俺の能力唯一の長所は、作る武器の形状が自由自在であること。
滝道 晶:ならば、相性が良い形に変えるまで。
滝道 晶:「……わかるっすよ。ひとりぼっちが寂しいのは」
滝道 晶:「でも、アンタは友達を作る方法を間違えた。その友達を傷つけちゃいけなかった」
滝道 晶:「その責任からは…逃げちゃダメっす」
滝道 晶:手元が光ったと同時。刀ではなく、二振り金属製のカイリ…所謂ブーメランが握られている。
紗理羅:「……知らない! 知らないよ、そんなの!」
紗理羅:「他にやり方なんて、知らないもん!」
紗理羅:伸びた腕の骨が、薔薇のような盾を形作る。
滝道 晶:「知らなくても、分からなくても、辛くても」
滝道 晶:「他人を傷つけていい理由にはならないっ!」
滝道 晶:その咆哮と同時に、左右を時間差で投擲。
石神井寅彦:影を繋げたことで発生する微細な同化現象が、攻撃を誘導する。
桑原そら:自身の形成した電磁場の上を通り抜けていくそのブーメランに
桑原そら:バチリ、と雷を纏わせる
紗理羅:「……っ!」
滝道 晶:石神井寅彦の誘導で操作され、桑原そらの雷撃の光を纏った、金属故の重量のソレは。
滝道 晶:双筋の曲線軌道を描いて、紗理羅の盾の上から衝撃と雷撃を叩き込む!
紗理羅:びき、と嫌な音を立てて、白薔薇が砕けた。
紗理羅:盾と言えども身体の一部。衝撃は砕けるほどに大きく。
紗理羅:さらには雷撃により全身が灼かれる。
紗理羅:「……嫌だ」
紗理羅:「僕だけがこんなに怖いのなんて、嫌だ、嫌だ、嫌だ!」
紗理羅:あなたたちを、ヴェールの奥からひたと睨みつける!
桑原そら:「みんな、怖いと思ってるんですよ」
桑原そら:「あなた一人だけじゃ、ない!」
紗理羅:「……嘘だ!」
GM:では紗理羅の本来の手番です。
紗理羅:マイナーはなし。
紗理羅:判定前にオート、《呪われし者の印》ダイス減少効果を受けない。
紗理羅:メジャー、《オールレンジ》《コンセントレイト:エグザイル》《伸縮腕》
紗理羅:対象は今回は単体なので……石神井さんかな。
石神井寅彦:あらやだ
紗理羅:うふふ 命中判定するよ
紗理羅:11dx7+10
DoubleCross : (11DX7+10) → 10[1,1,1,2,3,6,6,7,8,10,10]+10[2,2,3,10]+10[8]+1[1]+10 → 41
GM:お前高いな
GM:リアクションどうぞ
石神井寅彦:女王なのか ドッジします!
石神井寅彦:4dx>=41
DoubleCross : (4DX10>=41) → 10[1,4,8,10]+3[3] → 13 → 失敗
石神井寅彦:回っただけ偉い!失敗!
GM:他に何かあればどうぞ
桑原そら:行動放棄カバーで石神井さんを守ります
GM:きた……
石神井寅彦:そら様~!
GM:了解です。ダメージ出します。
紗理羅:5d10+22
DoubleCross : (5D10+22) → 27[1,9,6,9,2]+22 → 49
GM:あ、装甲有効ですね
桑原そら:49から42引いて7ダメージでHP6です
GM:うわ生きた
桑原そら:生存!
石神井寅彦:すごっ
GM:おめでとうございます……
桑原そら:ありがとうございます~
GM:では演出します。
若菜美奈人:固すぎ
石神井寅彦:(にしても)
石神井寅彦:(なにがそんなに怖いんだか)
紗理羅:片方の腕が伸びる。骨の盾を作った影響か、ただ一本のみ。
紗理羅:「ほーら」
紗理羅:「考えごとしてると」
紗理羅:「持ってかれちゃうぞ!」
紗理羅:白い閃光のように、骨が鋭く奔る!
石神井寅彦:「…そりゃ怖い」迫りくるそれを見る。
石神井寅彦:「でも」「心配はしてないんだ」
桑原そら:「石神井さん!」
桑原そら:前に駆け込み、自身の腕と脇に骨の剣を挟んで
桑原そら:その切っ先が届く前に何とか止める
紗理羅:「……また!」
紗理羅:「君がいると、みんなが安心する!」
石神井寅彦:「はは。そうなの」
紗理羅:「なんだよ、その顔!」
桑原そら:「わたしがそう在ろうと決めているんです」
桑原そら:「みんなが、安心できるように前に立つって」
紗理羅:「だから、だから邪魔なの!」
紗理羅:「そのみんなの中に、僕は入ってない!」
紗理羅:地団駄を踏むようにステップを踏んで、腕を引き戻す。
石神井寅彦:「そらちゃん、ありがと」
桑原そら:「いいえ、これがわたしのお仕事ですので」
桑原そら:「石神井さん……、お願いします」
桑原そら:「あの子を、助けてあげてください」
石神井寅彦:「……あら。そんなこと言われるとは思ってなかった」
桑原そら:「頼りにしてます、って言ったじゃないですか」
石神井寅彦:「はは。はい」
桑原そら:「出来る、と信じていますから」
石神井寅彦:「うん…、そりゃありがと。まあ」
石神井寅彦:「おれがやること残ってたらの話だけど…」
GM:では行動値6組のどちらか!
若菜美奈人:行きましょう
GM:どうぞ!
若菜美奈人:マイナーで紗理羅にエンゲージ
紗理羅:きた……
若菜美奈人:メジャー『綾綾(はやぶさ)』:《コンセントレイト:ブラックドッグ》《原初の赤:アームズリンク》《ライトニングリンク》《雷鳴の申し子》。
若菜美奈人:紗理羅を攻撃。
GM:命中判定をどうぞ
石神井寅彦:ダイス+5個だよ~
若菜美奈人:5増えて5減って5増えてる!
若菜美奈人:19dx7
DoubleCross : (19DX7) → 10[1,1,2,2,2,2,2,7,7,7,7,7,8,8,9,9,9,9,10]+10[2,2,2,2,2,4,7,7,8,8,9,10]+10[1,3,4,7,9,10]+10[1,5,8]+10[10]+10[10]+2[2] → 62
GM:ひえ
石神井寅彦:ヤバ
滝道 晶:めちゃまわす~
紗理羅:骨の剣でガード。《スプリングシールド》使用。
GM:ダメージどうぞ
若菜美奈人:7d10+36+50-14 諸々有効
DoubleCross : (7D10+36+50-14) → 32[8,3,6,2,1,4,8]+36+50-14 → 104
GM:?
紗理羅:これは…………
紗理羅:《虚無への回帰》。そのダメージを0にします。
若菜美奈人:こいつ……!
石神井寅彦:なにーっ
紗理羅:よってまだ生きています……!
若菜美奈人:そのまま自分のHPは0になります。
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を14(→ 14)増加 (110 → 124)
石神井寅彦:戦闘不能時にオート『うつつに純情』:《奇跡の雫》を使用します。
石神井寅彦:HP10で回復できるぜ
紗理羅:おのれー
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を6増加 (108 → 114)
若菜美奈人:助かる
GM:では演出をどうぞ
若菜美奈人:《ワーディング》に反応するように、大気のパチパチと弾ける音が大きくなっている。
若菜美奈人:「下らないものに怯えやがって」
若菜美奈人:長く細い杭を、腰元から刀を抜くように取り出す。
若菜美奈人:それを無造作に引っ掴み、投擲。
紗理羅:砕けた薔薇をするすると蘇らせ、それをかきりと弾く。
若菜美奈人:弾かれた柱状の杭は、その勢いのまま後方へ流れ、地面に突き刺さる。
紗理羅:「なあんだ、それくらい。全然怖く……」
若菜美奈人:架空の架空線が、繋がる。宙に架空された、若菜美奈人自身にしか見えぬ架空の線。
若菜美奈人:その杭は、出口だ。強烈な電界に、指向性を持たせるための。
若菜美奈人:雷撃の大気への放散量を制限し、遍く大地へと逃げ出すように誘導するもの。
若菜美奈人:そして、その出口と入口を結ぶ、架空の架空線は、紗理羅を貫くように引かれている。
若菜美奈人:手をかざす。「俺に怯えろ」
紗理羅:「……なに?」
若菜美奈人:入口は若菜美奈人自身。身を焼くほどの雷光がその身には蓄えられ。
若菜美奈人:「投入(アクティベート)」光が奔った。
紗理羅:「!」
若菜美奈人:樹形を描く典型的な雷鳴の軌道ではない。一筋の直線に収束して、真っ直ぐに引かれる。
若菜美奈人:強大な火力が、入力と出力の導線を遮る、“抵抗”に叩き込まれる。
紗理羅:まず、何を言っているのか、と訝しんだ。
紗理羅:不明は、恐怖を呼ぶ。
紗理羅:恐怖は、彼女の衝動であり核だ。
紗理羅:それは、レネゲイドを掻き立て、己を守るべく見えぬ霧状に立ち上る!
紗理羅:火力は、霧の中で散り散りとなる。
若菜美奈人:バンッ!
若菜美奈人:銃声のような音が、雷光に遅れて響いた。
若菜美奈人:「俺は明瞭にしてやる。不明の恐怖じゃない」
紗理羅:「…………」
紗理羅:はらり、と。
紗理羅:一枚のヴェールが剥がれて、落ちた。
若菜美奈人:「……フン」それを見て鼻を鳴らす。「二度目はない」
紗理羅:少女の片目は骨の空洞で、そこに狂い咲きの桜の花。
紗理羅:物理の直撃は防いだ。だが、代わりに体内に宿るレネゲイドを多量に消費している。
紗理羅:彼女のような生命には、身を抉られるようなものだ。
紗理羅:「……こっちこそ」
紗理羅:「もう、全部! おしまいにしてやるっ!」
石神井寅彦:「いや弾かれてんじゃん…」
若菜美奈人:身を焼くほどの大雷は、こちらの身体も焼き焦がしている。
若菜美奈人:「あんなものが二度も撃てるか」
石神井寅彦:「あっそ」
若菜美奈人:酸味のようなイオン臭が漂う。
石神井寅彦:足元が、影のなかに僅かに沈む。強いて言うなら、それだけだ。派手なことは起こらない。
石神井寅彦:あなたが傷ついた瞬間の記憶と感情が、まるで夢うつつのように『なかったこと』になっていく。
石神井寅彦:傷ついた瞬間の記憶と感情を手繰り寄せて吸い込んで、『なかったこと』を肉体にまで作用させる。
石神井寅彦:イオン臭が薄まり、焦げた身体が再生されていく。
石神井寅彦:「もう1回くらいいけんじゃない」
若菜美奈人:「……チッ」不明瞭になる記憶に、悪態が漏れる。
若菜美奈人:「……言われずともやる」
石神井寅彦:「はいはい」
若菜美奈人:「だが、その前だ」
若菜美奈人:「お前がやれるに越したことはないだろうが」
若菜美奈人:「見せろ」
石神井寅彦:「……」若菜くんを一瞥する。
石神井寅彦:「ミナちゃんってさ」
若菜美奈人:「あ?」
石神井寅彦:「友達っていんの?」
若菜美奈人:「必要か?今、ここに」
石神井寅彦:「うん。おれ的にはね」
若菜美奈人:「こっちにはほとんど居ない」
若菜美奈人:「だいたい死んだ。満足か」
石神井寅彦:「うん」頷く。「ありがとう」
石神井寅彦:「聞けてよかった」
石神井寅彦:それだけ言って、少女に向き直る。
GM:では、石神井さんの手番
石神井寅彦:はい!
石神井寅彦:マイナーなし。
石神井寅彦:メジャー『後ろ髪にめくばせ』:《コンセントレイト:ウロボロス》《飢えし影》《増加の触媒》《原初の白:イエーガーマイスター》。紗理羅ちゃんにRC攻撃。
GM:命中判定どうぞ
石神井寅彦:(4+3+5)dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[1,2,2,2,5,5,6,7,7,8,9,9]+10[4,8,8,8,9]+6[1,1,3,6]+4 → 30
紗理羅:骨の剣でガード。《スプリングシールド》使用。
石神井寅彦:こ…こんなものよ さっきがおかしかったのよ
GM:ダメージをどうぞ
石神井寅彦:ハイッ
石神井寅彦:4d10+32 装甲有効
DoubleCross : (4D10+32) → 15[2,4,8,1]+32 → 47
石神井寅彦:こ…こんなものよ さっきがおかしかったのよ
GM:まず、すみません。ひとつ宣言を遡ってさせていただきたい
紗理羅:オート、《自動触手》で18点のダメージを返します。
紗理羅:そしてダメージの方ですが
紗理羅:31点通り……落ちますね、これ。
石神井寅彦:エ~ッ!?
桑原そら:おお!
若菜美奈人:おお
滝道 晶:やった!
石神井寅彦:自動触手の効果によりHP8点になります
紗理羅:で、《蘇生復活》
紗理羅:HP1で復活します。
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を13増加 (114 → 127)
GM:以上、演出をどうぞ。
石神井寅彦:「紗理羅ちゃん」
紗理羅:ぴくり、と反応。
紗理羅:「なあに? お話が好きな方?」
石神井寅彦:「そうだよ、その通り」
紗理羅:「僕も嫌いじゃないけど、今、そういうタイミングじゃなくない?」
石神井寅彦:「あはは。ほんとにね」笑う。「おれ、戦闘とか苦手なんだよ」
紗理羅:「あらら、お仕事で怖いところに来ちゃった?」
石神井寅彦:「いやあ…話す方が良いなってだけ。聞きたいことがあるなと思って」
紗理羅:「…………」
石神井寅彦:「なんでそんなに怖がってんの?」
紗理羅:「知らない!」
紗理羅:「ずっとそうだったから、そういうものでしょ。全部怖い」
石神井寅彦:「友達いれば、怖さってなくなんの?」
紗理羅:「知らない!」
石神井寅彦:「友達って何?」
紗理羅:「……な、何?」
石神井寅彦:「うん」
紗理羅:「ずっとずっとずっと、一緒に居てくれる子」
紗理羅:「おんなじことを考えて、おんなじことを思うの」
紗理羅:「僕が怖い時は、その子も怖がってくれる」
紗理羅:「だって、友達だもん」
石神井寅彦:「そっか。あなたにとって、友達って、そういうものなのね」
紗理羅:「そうだよ! これでいい?」
石神井寅彦:「うん。わかった。…じゃあ」
紗理羅:しゃきん、と腕の骨を鳴らす。
石神井寅彦:「あなたの恐怖ってやつ、おれも一緒に見てみるからさ」
石神井寅彦:「あなたがしてきたこと、あなたも自分で体験してみようよ」
紗理羅:「……え?」
石神井寅彦:瞬間。
石神井寅彦:みんなの繋がっていた影が一気に収束し。
石神井寅彦:足元の影が奇妙に波打つ。ふたりの少女の影法師が、ゆらりと大地より立ち昇る。
石神井寅彦:ゆらゆらと変化を続ける輪郭は、制服姿の少女ふたりと、和装とドレス姿の少女ふたりを交互に描き、ゆれ動く。
石神井寅彦:(一方的に他人の感情に入り込んで、塗り替える……、それは)
石神井寅彦:得意分野だ。
石神井寅彦:派手なことは起こらない。
石神井寅彦:ふたりの少女の影が、楽しそうに歩いて、紗理羅に近寄って。
石神井寅彦:遊びに誘うように、手を伸ばして触れるだけ。
石神井寅彦:一方的に入り込んで、有無を言わさず塗り替える。
石神井寅彦:その感情に、明確な名前はない。
石神井寅彦:『大好き』と、それが、彼女にとっての友情の形。
石神井寅彦:きっと、紗理羅には理解できないだろう。
石神井寅彦:だからこそ、その感情が刃になる。
紗理羅:砕かれ、抉られた身には、その温かさこそが効いた。
紗理羅:「な、に」
紗理羅:「なに、なにこれ、何をした!?」
紗理羅:カタカタと硬質な音を立てながら震える。
紗理羅:「わかんない! こんなの知らない!」
紗理羅:「やだ、やだ、怖い!」
石神井寅彦:「うん」
紗理羅:「……怖い」
紗理羅:「お前も怖い、もう、やだ……!」
紗理羅:「嫌だ……!」
紗理羅:するり、とひびの入った腕が伸びる。
紗理羅:真っ黒な影の上、真っ白な線が紗理羅とあなたを繋ぐ。
紗理羅:……突き刺す。
石神井寅彦:特に抵抗もせず、それを受ける。
石神井寅彦:「……だからさ」
石神井寅彦:「一方的によく分かんないもの与えられたら、誰だってこわいよ…って」
石神井寅彦:「言ってもわかんねえだろうけど…」顔をしかめる。「いてえ」
紗理羅:「……黙れ」腕を振り、血を払う
紗理羅:「……僕は、お喋りは嫌いじゃないけど」
紗理羅:「お説教は、大っ嫌い!」
紗理羅:温かな感情に、身をこじ開けられるような感覚の中、叫ぶ。
石神井寅彦:「そりゃすみません」苦笑する。
石神井寅彦:「大人じゃ道徳の時間になっちゃうなあ。だめだこりゃ」
GM:行動値5のタイミングで、夢見のNPCカード効果が発動。
GM:PC1名の侵蝕を5低下できます。
桑原そら:夢見さんに助けてもらいます
GM:了解!
夢見:うむ、受け取るといい
夢見:『帰り花』
夢見:《スティルネス》対象の侵蝕を-5する。
桑原そら:桑原 そらの侵蝕を5減少 (132 → 127)
夢見:ずっと、戦う皆を見ていた。
夢見:……ずっと、恐れてばかりの、かつての友達も見ていた。
夢見:紗理羅が怯んだその瞬間を突いて。
夢見:「……そら!」
桑原そら:「夢見さん……?」
夢見:一番誰かを守って、一番傷ついていた少女に駆け寄る。
夢見:「手を貸す。少しは楽になる」
桑原そら:「……ありがとうございます」
夢見:「……今はもう、これくらいしかできないが」
桑原そら:「いいえ、とても助かります」
夢見:「私は、夢見。慰石の力を継ぐ者」
夢見:「あなたを、助けたい」
夢見:あなたの身体から、侵蝕の影響が微少なりとも消えていく。
桑原そら:「……ありがとうございます!ここは危ないですから下がっていてくださいね」
夢見:「わかった! 大丈夫。迷惑はかけない」
夢見:「お姉さんだからな!」
桑原そら:「大好きなみんながいるのできっと大丈夫ですから」
桑原そら:「頑張ります」
夢見:「頑張って!」
夢見:気丈に笑って、また物陰へ。
GM:クリンナップ省略。行動値だけ元に戻してください。
GM:2ラウンド目。
■セットアップ■
GM:宣言があればどうぞ。
桑原そら:ありません
石神井寅彦:《扇動の香り》!このラウンドも、紗理羅ちゃんを攻撃するPCは、判定ダイスが+5個されます。
若菜美奈人:なし
紗理羅:《カームダウン》シーン全体のダイス数を-5個。
石神井寅彦:石神井 寅彦の侵蝕を5増加 (127 → 132)
滝道 晶:《赤方偏移世界》を使用、対象は桑原そら。行動値+4、戦闘移動距離+10m
桑原そら:ありがとうございます!
■イニシアチブ■
GM:まず、宣言があればどうぞ。
石神井寅彦:戸神くんのNPCカード『鵺の咽ぶ声』の使用を宣言します!
戸神 富久郎:頑張ります……!
戸神 富久郎:『鵺の咽ぶ声』
戸神 富久郎:ラウンド間対象の全ての判定ダイスに+5個。シナリオ2回。これで最後。
GM:再び、紗理羅-5、PCは攻撃のみ+5、あとはプラマイゼロかな
GM:では、行動値順で10組
滝道 晶:そらちゃん、お先にどうぞ!
桑原そら:はあい
GM:どうぞ!
桑原そら:ではマイナーで紗理羅さんにエンゲージ
紗理羅:来た……
桑原そら:エフェクトなんてないので素手で〈白兵〉攻撃です
GM:命中判定どうぞ
桑原そら:6dx+2
DoubleCross : (6DX10+2) → 10[1,2,3,5,7,10]+8[8]+2 → 20
石神井寅彦:えーすご!!
滝道 晶:いい出目!
桑原そら:回った!
紗理羅:うーーん
紗理羅:ドッジ……
若菜美奈人:おお……
紗理羅:あっ
紗理羅:《呪われし者の印》が……もうない……
石神井寅彦:おお!
滝道 晶:おっとお!
若菜美奈人:つまり……カームダウンを受ける!
紗理羅:ええい、ドッジワンチャンだよ!
紗理羅:2dx>=20
DoubleCross : (2DX10>=20) → 10[8,10]+8[8] → 18 → 失敗
紗理羅:ぎゃー!!
石神井寅彦:こわ!!!
桑原そら:あ、あぶない
滝道 晶:あぶない!
紗理羅:当たります。ダメージを……どうぞ
若菜美奈人:やば
桑原そら:3d10-5
DoubleCross : (3D10-5) → 18[5,6,7]-5 → 13
紗理羅:……が、ガードしてたら生きてた……
紗理羅:HP1。装甲自体はゼロ。
紗理羅:復活エフェクトなし。
紗理羅:落ちます。戦闘不能。
GM:戦闘終了。
桑原そら:やったー
GM:あなたたちの勝利です!
滝道 晶:やった!
石神井寅彦:やったね~
若菜美奈人:ひゅう!
GM:演出をどうぞ!
滝道 晶:「そらちゃん!」と声をかける。
滝道 晶:「あの子に言いたいこと…あるんだろ!」
桑原そら:「……はい!」
滝道 晶:「行って来なよ!大丈夫、背中は押してあげるからさ!」
滝道 晶:小さな魔眼がそらの周囲をくるりと一回りし、ふわりと体が軽くなる。
桑原そら:「……ありがとう!」振り向いて、晴れやかな笑顔を1つ
石神井寅彦:「そらちゃん」腹をさすりながら、こっちも声をかける。
桑原そら:「はい!」
石神井寅彦:「力不足でした。ごめんね」
石神井寅彦:「かわいい女の子から声かけてあげてください」
桑原そら:「ふふ、わかりました!頑張ります!」
桑原そら:守ることは出来ても、今からやろうとしてることは違うから
桑原そら:本当は……怖くて
桑原そら:それでも、わたしにはみんながいてくれるから大丈夫
桑原そら:しっかりとした足取りで、静かに紗理羅に近付いていく
紗理羅:「……え?」目を瞬かせる。
紗理羅:「なんで、君が来るの? お守りさん」
桑原そら:「……あなたと、お友達になりたいからですよ」
紗理羅:「……え」
桑原そら:「ねえ紗理羅さん、わたしもすごく……怖がりなんです」
桑原そら:「内緒の話、なんですよ」
紗理羅:「…………」
紗理羅:「おんなじ?」
紗理羅:「僕とおんなじなの? おんなじ時に、おんなじことで怖がってくれる?」
桑原そら:「どうでしょうか?わたしの怖いあなたの怖いが同じなのかはわかりません」
桑原そら:「それでも、怖いと思うのはきっと同じです」
紗理羅:「…………!」
紗理羅:ずるり、と白い骨の手が伸びる。もうひび割れだらけだ。
紗理羅:砕かれ、抉られ、こじ開けられて、今、そこに居る相手から逃げられない。
紗理羅:「ずうっと、一緒に居てくれる?」
桑原そら:「ずっと、がどれくらいなのかがわかりません」
桑原そら:「わたしにも、あなたにも」
桑原そら:「当たり前が続かないことは知ってるんじゃないですか?」
紗理羅:「……そ、んな」
紗理羅:「だから、頑張ってきたのに」
紗理羅:「邪魔をしたのは、君たちだろ……!」
桑原そら:「だから…、いろんな話をしましょう?きっと寂しくなくなります」
紗理羅:「……っ」
桑原そら:「なんでそうしようとしたのか」
桑原そら:「どうしてそこがいいと思ったのか」
桑原そら:「理由はきっとあるんですよね?」
桑原そら:「1つ1つ、ちゃんと聞きます」
桑原そら:「だから…、お友達になりませんか」
紗理羅:「……君は、僕とは違う」
桑原そら:「いいえ、違いません」
桑原そら:「誰でもきっと同じです」
紗理羅:「……わかんない、けど」
紗理羅:ひび割れた骨は、少しずつ、崩れかけている。
紗理羅:「わかんないけど、僕は」
紗理羅:「ずっとずっと、誰かが怖くて」
紗理羅:「けど、一緒に居たくて」
桑原そら:「うん」
紗理羅:「だからおんなじならって思って……」
桑原そら:「わたしたち、みんなバラバラだと思いませんか?」
紗理羅:からん、と音を立てて、左の手指が落ちた。
桑原そら:「それでも一緒にいられるんです」
桑原そら:「だから…、あなたもきっと違っても同じです」
桑原そら:「ね?」そう笑いながら手を差し出す
紗理羅:身体が少し傾いて、少しおかしな姿勢になった。
紗理羅:それでも、割れかけた手を差し出す。
紗理羅:未知は恐怖を呼ぶ。
紗理羅:知りたい、という飢餓のような気持ちは、時に……恐怖を超えることもある。
紗理羅:あなたの手を取った。
桑原そら:するりとした骨の手を握る
紗理羅:「……あの」
桑原そら:「はい、なんでしょうか」
紗理羅:かたん、かたん、と音を立てて、身体が崩れていく。
紗理羅:「……何度も、斬ったり、刺したり」
桑原そら:「はい」
紗理羅:黒いドレスの中には、もうほとんど骨が残ってはいない。
紗理羅:「……ごめんね」
紗理羅:「君、強かったよ」
桑原そら:「ふふ、わたしは特別頑丈なんです」
桑原そら:「だから気にしていません、大丈夫です」
桑原そら:「なんたって、わたしは大きなそらですのでね!」
紗理羅:ぴき、と音を立てて、繋いだ手のその手首にひびが入る。
紗理羅:「……そう」
紗理羅:「僕の居たところは、空が、見えなくて……」
紗理羅:「夢見に、時々、話を、聞いて」
紗理羅:「歩けるように、なったら、見よう、って」
紗理羅:砕かれ、抉られ、こじ開けられ、そこに、招き入れた。
紗理羅:からから、と骨が砕け、ただの舎利へと変わっていく。
紗理羅:「……忘れてた」
紗理羅:「見えた!」
紗理羅:からん。
紗理羅:あなたの手元の、白い手を残して。
紗理羅:恐怖を抱えたままのジャームは崩れていった。
石神井寅彦:桜吹雪が舞う中で、ドレス姿のジャームが、それでも穏やかに眠りについたのを見送る。
石神井寅彦:「いや…おれたち何にもしてねえなあ、今回」
石神井寅彦:「ミナちゃんなんか結局もう1回打てなかったし」隣に立つ彼を見る。
若菜美奈人:「……フン」かすかに笑う。
若菜美奈人:「出番がないに越したことはないだろうが」
石神井寅彦:「…なるほど」瞬きする。
石神井寅彦:「そりゃそうだ」それでこっちも笑う。
バックトラック
GM:バックトラックのお時間です。まずはEロイス。
GM:今回のEロイスは
《Eロイス:孤独の叫び》
《Eロイス:孤独の叫び》
《Eロイス:囚人の鳥籠》
《Eロイス:怯えのまなざし》
《Eロイス:怯えのまなざし》
《Eロイス:不滅の妄執》
GM:6個と慰石の欠片が1個!
GM:振る人は振ろう
桑原そら:たくさん!
滝道 晶:いっぱいだ
石神井寅彦:ありがたすぎる~
若菜美奈人:やった~
石神井寅彦:ふります
桑原そら:ふります
石神井寅彦:132-7d10
DoubleCross : (132-7D10) → 132-39[2,7,9,7,2,3,9] → 93
滝道 晶:一応振るか
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を7d10(→ 48)減少 (124 → 76)
桑原そら:127-7d10
DoubleCross : (127-7D10) → 127-40[1,8,3,9,4,5,10] → 87
滝道 晶:120-6d10
DoubleCross : (120-6D10) → 120-38[4,10,6,5,6,7] → 82
若菜美奈人:エグい下がり方した
GM:さがるさがる
若菜美奈人:1倍振りします
滝道 晶:だいぶ下がった
桑原そら:等倍で
石神井寅彦:1倍振りでいきます~
若菜美奈人:若菜 美奈人の侵蝕を5d10(→ 26)減少 (76 → 50)
石神井寅彦:93-6d10
DoubleCross : (93-6D10) → 93-25[8,6,1,3,1,6] → 68
桑原そら:87-5d10
DoubleCross : (87-5D10) → 87-24[10,3,1,4,6] → 63
滝道 晶:等倍!
滝道 晶:82-6d10
DoubleCross : (82-6D10) → 82-25[2,6,1,8,6,2] → 57
石神井寅彦:みんな4点だ
GM:全員帰還かな。おめでとうございます!
GM:今回の経験点ざっくり配布!
若菜美奈人:私3!
石神井寅彦:おお
GM:いつもの5点、シナリオ5点、Eロイス6点
GM:計16点に侵蝕分を足してください
GM:あと、それはそれとしてほめる時間は取りたいです
桑原そら:20点!
石神井寅彦:20点~!
滝道 晶:20点!
若菜美奈人:19です
GM:はーい、どうぞ!
石神井寅彦:ひとり未成年いる
GM:そしてGM分が27点かな いっぱいだ
GM:お疲れ様でした! おかえりなさい!
若菜美奈人:ただいま~
桑原そら:ありがとうございます!ただいまー!
石神井寅彦:ただいま~!
滝道 晶:ただいま~!
マスターシーン4 またね
【????】
GM:どことも知れぬ、夢の中。目の前には黒く大きな影が立っている。
新城 ひわ:「……ノエル?」
新城 ひわ:「……ノエルだ。なあに、ずいぶん大きくなって……」
新城 ひわ:「……あれ?」
GM:すぐ横を見る。小さなウェルシュ・コーギーが、元気そうにそこに立っている。
新城 ひわ:「違うの? じゃあ、これは……そっか。別の子だったんだ」
新城 ひわ:「別の子だけど、助けてくれたんだね」
新城 ひわ:「……そっか。ノエルは、もう、いないもんね」
GM:しゃがんで、愛犬を撫でる。思い出の中通りの感触。嬉しそうに跳ねる動き。
新城 ひわ:「あなたは、ノエルじゃないけど、でも、私の中でノエルと同じだったんだ」
新城 ひわ:「あなたのおかげで、ずっと……嬉しかった」
GM:影は、あの夜に聞いた奇妙な声を上げた。怖くは、なかった。
GM:ノエルが、それに合わせるように小さく吠えた。
新城 ひわ:「……もう、行っちゃうんだ」
GM:なんとなく、それがわかる。そろそろ、夢も終わりなのだと。
新城 ひわ:「ありがとう。ごめんね。さよなら」
新城 ひわ:「……また」
新城 ひわ:「またね。私、多分、また会える」
新城 ひわ:「また、いつか、私を守ってくれる誰かの中に、あなたたちを」
新城 ひわ:「きっと見つけるから」
GM:たとえば、それは、傍にいる大好きな友達。
GM:それとも、まだ見ぬ誰か、これから出会う人。
GM:遠く、二つの影が遠ざかる。
GM:さあ、目覚める時間だ。
【雨宿町役場・保健センター】
新城 ひわ:「……あれっ?」
GM:気が付くと、白い清潔なベッドの上に居る。学校の保健室のような。
支部員:「大丈夫ですか。急に倒れて、ここで救護していたんですよ」
GM:壁を見ると、『保健センター』の文字が目に入る。
支部員:「貧血のようですが、念のため病院でも見てもらって。鉄分は摂ってください」
新城 ひわ:「……は、はい!」
GM:慌てて起き上がる。不調はない。
GM:それから、急に恥ずかしくなった。
新城 ひわ:「あの、私何か寝言とか言ってませんでしたか……?」
新城 ひわ:何かむにゃむにゃと言っていた記憶だけが残っている。頭はスッキリとしていた。
支部員:「寝言ですか。……ああ」
支部員:「ノエル、とかなんとか」
新城 ひわ:「うっわ」
GM:顔が熱くなる。
新城 ひわ:「うちの犬です……」
GM:もういないんですけど、とは言わずにおいた。そう。もう、いないのだ。
新城 ひわ:(なんだろ。こないだ、迷い犬を見かけたせいで思い出しちゃったのかな)
GM:その喪失が、ようやくしっくりと受け入れられたような、そんな気がしていた。
GM:やがて、少女は軽い足取りで部屋を出て行く。
GM:支部員は……この騒動の裏でもうひとり、静かに心を痛めることになっていた、記憶処理の担当は。
支部員:「お疲れ様でした。僕のミスでもありましたから」
支部員:「良い目覚めで、よかった」
支部員:「……どうか。優しい忘却を」
GM:閉じた扉に向かって独り言を呟き、ほっと息を吐く。
GM:それから、また忙しない日常の業務へと戻っていった。
エンディング1 若菜美奈人
【雨宿町町役場・地域親交課】あるいは【UGN雨宿支部・司令室】
GM:事態は一旦落ち着き、あなたは日常の業務へと戻ってきた。
GM:あなたの前には、表裏双方の仕事に関して、書類が山積みだ。
GM:戦闘などの後処理を処理部に回すための書類。
GM:墓場にある桜の保護に関する書類。
GM:単純に、任務中に溜まってしまった書類の数々。
若菜美奈人:「チッ」舌打ちをしながら業務を進めている。
若菜美奈人:支部長の溜まった仕事を手伝うどころではない。自分ので山積みだ。
GM:では判定をお願いします。
GM:〈芸術:タイピング〉で目標値が47
若菜美奈人:なんですかその数字……?
GM:あなたがたたき出したものですが
若菜美奈人:なんで……
GM:さあ……
若菜美奈人:がんばります
GM:フレー
若菜美奈人:2DX+2>=47
DoubleCross : (2DX10+2>=47) → 9[7,9]+2 → 11 → 失敗
若菜美奈人:普通に高いんだよな
GM:それでもだいぶ高いな……
GM:では、あなたの事務仕事は、普段であればかなり頑張っている方ですが
GM:山積みの書類の前では太刀打ちできないくらいです。
若菜美奈人:「チッ」再び舌打ちをして入力し直す。
若菜美奈人:タイピングだけは異常に早い。中身は伴わない。
若菜美奈人:明らかに苛立っている。
若菜美奈人:「こんな下らねえのに構ってる場合じゃねえが……」
GM:では、そんなあなたの席にふと影が差す。
八千代 路夜:「お疲れ様。はかどってる?」
八千代 路夜:「良かったら、おやつでもどうぞ」
八千代 路夜:チョコの包みが差し出される。
若菜美奈人:「お疲れ様です」立ち上がって礼。
八千代 路夜:「立たなくていいのに」笑っている。
若菜美奈人:「そういうわけには……」
八千代 路夜:「まあね、今回は何かとやることが多かったから。後始末も大変」
八千代 路夜:机の上を見ながら。
若菜美奈人:「面目ありません」
八千代 路夜:「こっちももう、ハンコ押しすぎて疲れちゃった」
若菜美奈人:「そちらの直掩に回ると豪語しながら……」
八千代 路夜:「それはそれ。ハンコを押すのは簡単だけど」
八千代 路夜:「だからって、他人に頼むわけにはいかないものね」
八千代 路夜:「あなたはあなたの仕事を。ね」
八千代 路夜:「というわけで、糖分補給も大事よ」チョコを机の上に置く。
若菜美奈人:「は。……一つよろしいですか」受け取ったチョコをそのまま一口で食べて。
若菜美奈人:1枚の書類を渡す。
八千代 路夜:「なあに?」
八千代 路夜:それを受け取る。
若菜美奈人:「交通担当としての……仕事をと」企画案。これまでに提案したことはない。
八千代 路夜:「ふむ」
八千代 路夜:じっと目を通す。
若菜美奈人:路線バスの経路変更提案。川内寺前への新規バス停創設。
八千代 路夜:「なるほどなるほど」
八千代 路夜:「……何か、思うところでもあった?」
若菜美奈人:「必要でしょう」
若菜美奈人:「あれを取り除くわけには行きませんから。何でもやるだけです」
八千代 路夜:「……あなたなりの力で、ね」
八千代 路夜:「……そうね。このルートだと……」
八千代 路夜:「少し間隔が空くかな。もう少し位置をずらしてもらって」
若菜美奈人:「……成程」
八千代 路夜:「この辺りだと、ちょうど……」
八千代 路夜:「春なら、お花見ができる、ってところかな」
若菜美奈人:「……ああ」
若菜美奈人:「春になればそうなりますか」
八千代 路夜:「そう。きちんと咲いてくれればね」
八千代 路夜:「精査しますけど、提案としては納得できます」
八千代 路夜:「正直ね、嬉しいな。あなたがこういうものを提出してくれて」
若菜美奈人:「ありがとうございます」再び一礼する。
若菜美奈人:「……はあ」
八千代 路夜:「表と裏っていうけど、結局一体でしょう」
八千代 路夜:「どちらも大事にしなければ、守れない」
若菜美奈人:「そちらが足りない自覚はあります」
八千代 路夜:「そう? これ、いい案よ」
八千代 路夜:書類を軽く振る。
八千代 路夜:「町のことを知って、考えてくれた」
八千代 路夜:「交通担当として、エージェントとしてね。そうでしょ?」
若菜美奈人:「そうは思っていません。成立してこそでしょう」
若菜美奈人:「どれだけのものでも、成し通せねば意味がありませんから」
若菜美奈人:「成就まで持っていきます」
八千代 路夜:「ますますよろしい」
八千代 路夜:「こちらでも動きますから。あなたは……」
八千代 路夜:「ひとりじゃないのよ」
若菜美奈人:「……は。心得ています」
若菜美奈人:「今回も……」
若菜美奈人:「……」言いよどみ。
若菜美奈人:「……一助になりました」苦々しい顔で。
八千代 路夜:「照らせた? 一緒に」
若菜美奈人:「……はい」
八千代 路夜:「それは何より」
八千代 路夜:「……この町は、雨が多いから」
八千代 路夜:窓の方を見る。しとしとと、冷たい雨。
八千代 路夜:「あなたみたいな光が必要なの」
若菜美奈人:追随するように窓を見て。
若菜美奈人:「必要とされるのであれば、全力を尽くします」
八千代 路夜:「……ありがとう」
八千代 路夜:「でも、そうね」
八千代 路夜:「あなた自身があなたを必要とできるような、そんな機会」
八千代 路夜:「そういう風にもなればいいと思ってる」
若菜美奈人:「? はあ……」
八千代 路夜:「難しい? そのうち、わかるかもね」
八千代 路夜:「その光はきっと、たくさんのものを照らせるはずだから」
八千代 路夜:「明かりをつけて、いつか見つけなさい」
八千代 路夜:「なんだかお説教みたいになっちゃったかしら……」少し首を傾げて。
若菜美奈人:「はっ」再び深々と礼をした。「必ず」
若菜美奈人:「いえ……」
八千代 路夜:「いいのいいの、よく言われるから」
八千代 路夜:「必ず、ね。聞きましたからね」
八千代 路夜:「まずは、おかえりなさい。"リープサンドッグ"」
八千代 路夜:「そして、日常をよろしくね。若菜くん」
若菜美奈人:「改めて報告を、“リーチパーチ”」
八千代 路夜:「はい」
若菜美奈人:「短期、中期、長期。いずれの任務をも完遂」
若菜美奈人:「参加人員は全員帰投しました」
八千代 路夜:「優秀ね」頷く。
若菜美奈人:「通常業務へ移行します」
八千代 路夜:「任務完遂を確認しました」
八千代 路夜:「通常業務への移行も了解」
八千代 路夜:「そして、もうひとつ」
若菜美奈人:「はい」
八千代 路夜:「これはね、超長期の任務」
八千代 路夜:「この町の日常と平和を、守っていくこと」
若菜美奈人:「何でしょう」
若菜美奈人:「……」
若菜美奈人:「大任です」
八千代 路夜:「本当にね」苦笑する。
八千代 路夜:「これはね、『あなたでなければできない』仕事ではないかもしれない」
若菜美奈人:「ですが」遮るように。
若菜美奈人:「それが出来るエージェントこそ、自分の目指すものです」
八千代 路夜:「そう」
八千代 路夜:「そういうあなただから」
八千代 路夜:「『みんなと一緒に』やってみて」
若菜美奈人:「……は」
GM:雨宿町町役場・地域親交課、あるいはUGN雨宿支部・司令室。
GM:今、ひとつの任務が終わる。
GM:そうして、またひとつ、ひとつ、と。幾つもの任務、幾つもの仕事が、連なり、続いていく。
GM:それが、あなたたちの守る、この町の日常だ。
エンディング2 滝道晶
【便利屋『(株)ピカピカ』】あるいは【UGN雨宿支部・調査部および処理部】
GM:事態は片付き、戸神富久郎も少々の静養を経て業務に復帰できるようになった。
GM:調査部・処理部の損耗も軽微、重傷を負った者はいない。
GM:こちらはこちらで、静かに日常へと戻ろうとしている。そんな折だ。
滝道 晶:コンコンッ!といつもより一段と元気なノックで扉が叩かれる。
鈴掛 喜一:「はーい」
GM:ガチャリと扉が開いて、眼帯の青年が出てくる。
鈴掛 喜一:「おっ、滝道くんじゃん」
滝道 晶:「ちわーっす!」と元気よく挨拶。
鈴掛 喜一:いつもよりもなんとなく、ニヤニヤしているように見える。
鈴掛 喜一:「ちょうど良かったー。今回はどうもね。活躍したみたいで」
滝道 晶:「あれ、軽傷って聞いたけど元気そうっすね。お見舞いも兼ねてたんすけど」
鈴掛 喜一:「あ、いや。あれは……おれじゃなくて自転車」
滝道 晶:「いやー、富久郎さんやみんなが頑張ったおかげっす」
滝道 晶:「あ、自転車…って愛用の」
鈴掛 喜一:「パンクしただけだから。他にも擦り傷とか。すぐ治っちゃったよ」
鈴掛 喜一:「いやいやいや、それよりさあ!」
滝道 晶:「それなら良かったっす…はい?」いつもの鈴掛さんより明らかにテンションが高い。
鈴掛 喜一:「見て見て見て見て、おれちょっと外行くから、ゆっくりしてって」
鈴掛 喜一:扉の前から、あなたと入れ違いに外に出て行く。
鈴掛 喜一:「あと笑っちゃってー。かわいーって!」外から声。
滝道 晶:「はい…はい?」何が何だか。
戸神 富久郎:「……先輩!」
戸神 富久郎:「あーもう、朝からああなんすから……」

戸神 富久郎:長い前髪を上げて、金色の目が覗いている。
戸神 富久郎:一際長身の青年。
滝道 晶:「あっ…富久郎さん、こん…富久郎さん!?」
戸神 富久郎:「あ、あ、あー……」
戸神 富久郎:「どうも……」
滝道 晶:「……」数秒固まって。
滝道 晶:「…めっちゃイイっすね!」と目を輝かせて詰め寄る。
戸神 富久郎:「お、おう」
戸神 富久郎:「いや、なんか……言われたから……」
戸神 富久郎:「社内でならいいすかって聞いたら、別にいいって、その」
滝道 晶:「絶対、絶対!そっちのほうが良いっすよ」
戸神 富久郎:「そ、外では下ろすよ」
戸神 富久郎:「……そっか。いいか」下りてきた髪をいじる。
滝道 晶:「あー、まあそれは仕方ないっすよね」珍しいことは否定できない。
戸神 富久郎:「……あの、んでも、えー……」何か言おうとしている。
滝道 晶:「まあでも、その目をうちで独占してるって思えば…!」悪くない、と自分で納得して頷いてる。
戸神 富久郎:「すごいこと言うな……」
戸神 富久郎:「あの、今回、初めてで」
戸神 富久郎:「俺の力が役に立ったのも、見た目ほめられたのも」
戸神 富久郎:「……こんな目に遭ったのも初めてだったけどさ」
戸神 富久郎:「でも、終わったらなんか、嬉しいの方が勝っちまって」
戸神 富久郎:「……それは、えーと、君らのおかげと、思って、ます」
戸神 富久郎:たどたどしく、礼が言いたいようだ。
滝道 晶:「……俺も」
滝道 晶:「ホテルの頃から探してた、紗理羅がいて」
滝道 晶:「富久郎さんが見つけてくれて」
滝道 晶:「そらちゃんの友達のひわちゃんを守ってくれて」
滝道 晶:「色々大変なこともあったけど」
滝道 晶:「富久郎さんが無事に戻って、ここにいて」
滝道 晶:「富久郎さんの頑張りのおかげだと思ってるっす」
戸神 富久郎:「いや、その、俺だけじゃ全然だし……」
戸神 富久郎:「助けに来てくれた、し」
戸神 富久郎:大きな手をもぞもぞさせて、猫背になっている。
滝道 晶:「へへ…じゃあこうしましょう」
滝道 晶:「お互いに、お礼を言って、終わり」
戸神 富久郎:「……ん」
滝道 晶:「どっすか?」これなら一方通行にならないと。
戸神 富久郎:「そうしよっか」
戸神 富久郎:ふう、と息を吐いて。
戸神 富久郎:「……ありがとな。滝道くん」
戸神 富久郎:笑うと、鋭い牙が覗く。これも、普段は隠している。
滝道 晶:「どういたしまして!」と、続けて。
滝道 晶:「ありがとうございました、富久郎さん!」
戸神 富久郎:「どういたしまして……と」
戸神 富久郎:「お互い様!」
戸神 富久郎:「よし、終わり!」
滝道 晶:「後腐れなし!」と、明るく笑う。
戸神 富久郎:「……あー」
戸神 富久郎:「やっと、終わった気がする」
滝道 晶:「この事件がっすか?」
戸神 富久郎:パイプ椅子にもたれる。
戸神 富久郎:「うん。怖いのも、一旦終わり」
戸神 富久郎:「またなんかあったら、きっと怖くなるけど」
戸神 富久郎:「今は、やっと解放された気分だよ」
戸神 富久郎:大きく腕を上げて伸びをする。
滝道 晶:「怖いって感情は、きっと無くならないですからね」
戸神 富久郎:「無限湧きだよなあ」
滝道 晶:「無限湧きは真面目に相手するだけ無駄っす」
滝道 晶:「てきとーに折り合い付けて躱したり」
滝道 晶:「好きって感情で上書きするしかないっすね」
滝道 晶:「……まあこれは受け売りなんすけど」笑って。
戸神 富久郎:「上書きかあ……」
戸神 富久郎:「俺さ。能力があんな感じだから、あちこち回されて」
戸神 富久郎:「そんでここに来て……まあ、正直田舎の支部だろ。いいことだけど、わりと平和で」
戸神 富久郎:「結構、ふてくされてたんだよな」
滝道 晶:「まあ…田舎なのは否定できないっすね」地元っ子だがそれはわかる。
戸神 富久郎:「あ、いけね。ごめん。さっきのはあの」
戸神 富久郎:「一旦置いといて」横に置くジェスチャー。
滝道 晶:「ぜーんぜん!怒ってないっすよ」キャスター付きの椅子で笑いながらくるくる回ってる。
戸神 富久郎:「……まあ、それで、訓練とかもそんなにしてなくて……で、ああ」
戸神 富久郎:「でもさ。閉じ込められてた時、帰りたかったのは、ここなんだよ」
戸神 富久郎:当たり前の、小さなオフィスの会議室を見回す。
戸神 富久郎:ホワイトボードや、机椅子や、積まれたダンボールや、諸々。
戸神 富久郎:「俺、ここ好きなんだな」
滝道 晶:「ほんと、良い人ばっかですもんね」
滝道 晶:「あんな心配してくれる人達がいて、羨ましいぐらいっす」
戸神 富久郎:「……ほんと、ありがたいし。滝道くんもだし」
戸神 富久郎:「えっと、心配は気にしなくていいんだっけ……難しいな」
滝道 晶:「ありがとーって心の中で思ってれば十分っす」
戸神 富久郎:「思ってるよ。ずっと」
戸神 富久郎:「……共振でも、言わなきゃ伝わんないから。さっき言ったけど」
戸神 富久郎:「うん」
戸神 富久郎:「こいつで、上書きをしてやればいいんだな。きっと」
戸神 富久郎:「……もうちょっとさ」
戸神 富久郎:「レネゲイドコントロールの訓練とか、そっちも。上手くできないかやってみる」
滝道 晶:「おっ、いいっすね…!」
戸神 富久郎:「もうちょっと……いざという時に少しはやれるように」
滝道 晶:「いつでも手伝いますよ、我ながら細かいコントロールは得意っす」
戸神 富久郎:「助かる。じゃあ、ギターの代わりにな」
滝道 晶:「富久郎さんは俺にギターを教えて」
滝道 晶:「俺は富久郎さんにレネゲイドの調整を教える」
滝道 晶:「…なんかいいっすね、こういうの」
戸神 富久郎:「……うん」
戸神 富久郎:「友達って感じ、かな……」照れ笑いをして。
戸神 富久郎:「変かな。変かもだけど」
滝道 晶:「……友達って感じっすね」今更ながら言葉にすると。
滝道 晶:「変でも俺は嬉しいから…いいんじゃないっすかね!」照れながらも。
戸神 富久郎:「あ、あー……」
戸神 富久郎:「俺も、嬉しい、ですが」
戸神 富久郎:「んんん」
戸神 富久郎:「めちゃくちゃ照れるな……」
滝道 晶:「…っすね」
滝道 晶:「…やっぱ言葉って難しい」
戸神 富久郎:「難しいな……」
戸神 富久郎:「けど」
戸神 富久郎:「なんも言えないで、なんも伝えられないで、吠えてるだけよりはマシだから」
戸神 富久郎:「俺、ちゃんと言うよ」
戸神 富久郎:「滝道くんが来てくれて、本当に良かったって」
滝道 晶:「……やば。めっちゃ恥ずかしいけど…めっちゃ嬉しいな」
戸神 富久郎:「っはは」
滝道 晶:「っへへへ」
戸神 富久郎:牙を見せて、大きく笑う。
滝道 晶:「俺も、富久郎さんに会えて良かったすよ」
滝道 晶:照れながらも、ハッキリと、自分の言葉にして。
戸神 富久郎:「ん」猫背の姿勢のまま頷く。
戸神 富久郎:「あ、そうだ。使ってないエフェクターの話」
戸神 富久郎:「今度持ってくるから。やるよ」
滝道 晶:「押し入れにしまってあるやつ!」
戸神 富久郎:「そうそう」
滝道 晶:「貰えるのはめっちゃ嬉しいっすけど…」
滝道 晶:「まだ、俺一人じゃ持て余しそうなんで」
滝道 晶:「一人前になるまで一緒に練習して貰って…いいっすか?」
戸神 富久郎:「……もちろん」
戸神 富久郎:「俺の方も。よろしく」
滝道 晶:「よっしゃ!こちらこそ、よろしくっす!」
戸神 富久郎:大きな手を差し出す。ハイタッチの構え。
滝道 晶:「……!」その仕草に気付いて。
滝道 晶:こちらも、その手より一回り華奢な手を構え。
滝道 晶:「…イエーイ!」
戸神 富久郎:「……イエーイ、と」
GM:ぱん、と小気味の良い音が響く。
GM:帰るべき場所に戻った、その時の始まりとして。
GM:音は、シンバルの音色のように幸先良く鳴り響いた。
エンディング3 みんなで
【雨宿町・三砂商店街 『カフェ・ニオ』】
GM:町中では比較的今風と話題の内装の喫茶店。
GM:現代アートの額などが飾られたインテリアに囲まれた席。
石神井寅彦:「3時のおやつだって」テーブルに並んだ食事を眺める。
石神井寅彦:「食べるよねえ」
桑原そら:ニコニコしながら目の前にイチゴのパフェとレアチーズケーキ、カフェオレが入ったカップを
滝道 晶:「デザートは別腹って言うっすよ」昔懐かしの硬めのプリンをゆっくり食べている。
若菜美奈人:小さめではあるがホールのアップルパイ。
若菜美奈人:「逆に聞くがいつ食ってるんだ」
石神井寅彦:「へへん」
石神井寅彦:チョコパフェが届く。
石神井寅彦:「いま」
桑原そら:「ここのパンケーキも美味しいのでおすすめですよ!」パクリとパフェを食べながら
石神井寅彦:「よく来るの?」
若菜美奈人:乱雑にパイにフォークを突き刺して齧る。
桑原そら:「任務終わりとかにおやつを食べに来たりしますね」
桑原そら:「オペラよりも入りやすいので…」照れたように
若菜美奈人:「オペラ?」食いながら。
石神井寅彦:「別の喫茶店。あるの。ちょっと大人っぽい雰囲気のとこ」
桑原そら:「もう少しなんていうんでしょうか…純喫茶?みたいな感じのお店なんです」
石神井寅彦:「ねー」
滝道 晶:「あっちでコーヒー飲むのも憧れるんすけどね」大人っぽくてと付け加える。
桑原そら:「いいですよねえ」
若菜美奈人:「へえ……」興味なさそうな顔。
石神井寅彦:「一緒に行く?」若菜くんに。
若菜美奈人:「食い物の量はあるのか」
石神井寅彦:「そこかよ」
滝道 晶:「ブレないっすね」
桑原そら:「大事なところなんですよ」
石神井寅彦:「あなたもでしたか」
桑原そら:「美味しいのも、大事ですが……量も、必要なんです」
滝道 晶:「量は…どうなんすかねえ」行ったことがない。
若菜美奈人:「あるのか聞いてるんだが」
桑原そら:「行ったことないんですもん……」
石神井寅彦:「んー?連れてったげるよ」
桑原そら:「……へ?」
石神井寅彦:「行きたいんでしょ?」
桑原そら:「え、あ、はい」
滝道 晶:「えー、いいなー」
石神井寅彦:「アハハ。タキくんは一緒に行く子いないの」
若菜美奈人:「お前二人で行くつもりなのか」ジンジャーエールを飲みながら。
若菜美奈人:「略取扱いされても知らないぞ」
滝道 晶:「うーん…?」男友達はパッと浮かぶが、質問はそういう意図じゃないのだろう。
石神井寅彦:「ちょっと聞いてみただけだし。そのとおりですね。ちょっとキモかったね」
滝道 晶:「…いないかも」ちょっと自分に悲しみを覚える。
石神井寅彦:「みんなで行こうねー」タキくんに言う。
桑原そら:「よかったですねタキくん!」にっこりと
滝道 晶:「嬉しいはずなのに…複雑っす」しょぼんと。
若菜美奈人:「どこに複雑性が……?」
桑原そら:「若菜さん、パンケーキも食べませんか?」露骨に話をそらす
若菜美奈人:「食いたくなったら勝手に頼むが……」
滝道 晶:「じゃあ俺が頼も!」若干自棄である。
石神井寅彦:「うわ、ダメな返事」
若菜美奈人:「あ?」
石神井寅彦:「は?」
桑原そら:「量が結構多いんですよね、タキくん大丈夫です?」
若菜美奈人:「じゃあお前が正解の返事とやらをしろ」
若菜美奈人:アップルパイを食べながら。
滝道 晶:「……なんとかなるっす!」
石神井寅彦:「…おれも食べたいから、ひときれだけちょうだい」
桑原そら:「じゃあみんなで一緒に食べましょうか!」
石神井寅彦:「そうそう。ふたつ頼む?」
若菜美奈人:「正解性を感じられない」
石神井寅彦:「勉強してくださーい」
滝道 晶:「いい考えっすね!」
桑原そら:「まあまあ、若菜さんも一緒に食べましょう?本当に美味しいんですよ」
若菜美奈人:「あれば食うが……」アップルパイは平らげかけている。
滝道 晶:「…やっぱこれふたついるっすよ絶対」
石神井寅彦:「すみませーん」店員さんを呼んでいる。パンケーキをふたつ頼む。
桑原そら:パンケーキが来る前にレアチーズケーキとパフェをモグモグと消化して
石神井寅彦:パフェのクリームを口に運ぶ。食べるのが遅く、のんびり食べている。
滝道 晶:プリンの最後の一口で、カラメルを綺麗に掬って口に運ぶ。
GM:やがて運ばれてきたパンケーキは、かなり大きな白い皿に乗せられていて。
GM:どちらかといえば昔ながらのホットケーキ、といった趣の厚めのものが何段にも積み重ねられており。
GM:そこにホイップクリームが山盛り、バナナとチョコが添えられ。
GM:とろりとした白いクリームがたっぷりとかかっている。
GM:昔ながらの紅いチェリーもおまけについていた。
若菜美奈人:「バカの考えた食い物だろ」
滝道 晶:「…えっ。……えっ?」結構多い、というレベルじゃない。
石神井寅彦:「しかもふたつ」とりあえずスマホで写真を撮っている。
桑原そら:「んふふふ、美味しいんですよ?」1人だけ、ニコニコと笑って
若菜美奈人:「過剰だろ2は」
石神井寅彦:「ひときれの半分でいいかな……」
桑原そら:「あまります?わたしと若菜さんがいるんですよ?」
若菜美奈人:「いや普通に多いが……」言いながらも一角を切り崩し始めている。
滝道 晶:「そらちゃん…」
桑原そら:「食べたらきっと驚きますよ、ぺろりといけてしまうので」
石神井寅彦:「タキくん…」
滝道 晶:「寅彦さん…」
石神井寅彦:「…オペラ、全然量ないんだけど」
石神井寅彦:「ご満足いただけるかな……」
滝道 晶:「皿が…積みあがる様子が目に浮かぶっす…」
石神井寅彦:「ぜってえオゴリはやめよう」
滝道 晶:「割り勘…もヤバいっすね…」
石神井寅彦:「ヤバいっすね…」
石神井寅彦:そう話してる間にも、目の前の二人によって、山盛りのホットケーキが順調に崩されていく。
エンディング4 石神井寅彦
【雨宿町町役場・地域親交課】あるいは【UGN雨宿支部・司令室】
GM:『割れずの桜』はどうにか保護の方向で動いており、夢見の無事は保証されそうだ。
GM:川内寺の塚は掘り起こされ、調査をされたが、土壌自体のレネゲイド汚染は少なく、
GM:あくまで桜と骨とが感染をしていたらしい、というところまでがわかっている。
GM:そして紗理羅の一件を終え、あなたは支部長の前へと呼び出されていた。
八千代 路夜:「さて、意外なところが繋がったものだけど」
八千代 路夜:「あなたも、お疲れ様でした
石神井寅彦:「はは。わざわざすいません」
石神井寅彦:なんとなく居心地悪そうに立っている。
八千代 路夜:「一区切りですからね。別にわざわざってこともないでしょう」
八千代 路夜:「夢見さんの処遇について、お話をしようと思って」
石神井寅彦:「はいはい」
八千代 路夜:「様子を見たところ、もうだいぶ安定しているようね。記憶も能力も」
八千代 路夜:「あなたに預けてよかったと思う」
石神井寅彦:「そうですかねえ」
八千代 路夜:「あら、何か気になることでもあった?」
石神井寅彦:「えー?いや別に。おれじゃなくても、みんなやさしく面倒見たでしょとは思いますけど」
八千代 路夜:「面倒はそうね。でも、あなたにしかない力もあるでしょう?」
八千代 路夜:「賞賛は受け取りなさい、"影追い"」くすりと笑う。
石神井寅彦:「ハハハ…」
石神井寅彦:こういう風に言われるのが分かってるので呼び出しが苦手。
石神井寅彦:「まあ適材適所ってことで」
八千代 路夜:その様子を少し面白そうに見て。
八千代 路夜:「それはそう。で、あの子も適所に送るべきなのだけど……」
八千代 路夜:「どうもね、お山ではなくて、町にいたいみたいなのよ」
石神井寅彦:「あら、アテナシ様はふられちゃいましたか」へらへらと笑う。
八千代 路夜:「それ、御本人の耳には入れないようにね。機嫌悪くなるから」小声で。
八千代 路夜:「まあ、自分のオリジンがある場所ですものね。だから、支部預かりにしたの」
八千代 路夜:「ほら、前の松虫さんと同じ形ね」
石神井寅彦:「ふ、好感度下がっちゃう…」ひとりでぼやいて笑う。
石神井寅彦:「…あー、松虫ちゃん」前にちょっと関わった事件。のあやし。
八千代 路夜:普段RBは天弓山の御殿へと送る習わしだが、今回は別、ということらしい。
石神井寅彦:「てことは、また別の誰かが面倒見るみたいな?」
八千代 路夜:「そう。あなたの担当は一度解いて、そちらの方へと引き継ぎます」
八千代 路夜:「お疲れ様でした。よくやってくれたわね」
石神井寅彦:「いえいえ、適材として適所しただけですので」
八千代 路夜:「適所に居てくれるのが、得難いのよ」
八千代 路夜:「もちろん、また会う必要があれば面会は自由ですし、あちらも会いたがることもあるでしょうね」
八千代 路夜:「その時は、よろしく」
石神井寅彦:「よろしくってねえ」困ったように笑う。
八千代 路夜:「あら、してくれないの?」
石神井寅彦:「あちら次第かなあ」
八千代 路夜:「まあ、さっそく会いたがってはいるみたいね。最後のお仕事として、行ってらっしゃいな」
石神井寅彦:「はーい。とか言って逃げちゃったりして」
八千代 路夜:「あら、こちらが追う側?」
八千代 路夜:「コードが泣いてるわよ」
八千代 路夜:慣れた様子で笑いながら。
石神井寅彦:「ハハハ。八千代さんは追いかけるのが好きですか」
八千代 路夜:「どちらかというと、見送る方だけど」
八千代 路夜:「でも、ここまではお仕事ですからね。見てるわよ」
石神井寅彦:「ふふ。支部の止まり木さん」首を傾げる。
八千代 路夜:「そう、雨宿りの止まり木」
八千代 路夜:「花が咲く方じゃないけど、どっしり構えていないと」
石神井寅彦:「どっしり構えたくないとき、どうしてんの?」
八千代 路夜:「そうねえ……」少し考えて。
八千代 路夜:「たまには根っこを抜いて、口の上手い部下を追っかけてもいいかしら」
石神井寅彦:「あら。情熱的」
石神井寅彦:「アバンチュールします?」
八千代 路夜:「そういう話じゃないでしょ、もう」困った顔。
八千代 路夜:「あなたがエスコートするのは、本当に歩き出しちゃった木の子」
八千代 路夜:「新しい出立を見てあげて」
石神井寅彦:「ハハハ」へらっと笑う。「そういう話になることもあるでしょ」
八千代 路夜:「ふふふ」
石神井寅彦:「はいはい。適所ですからね」
八千代 路夜:「そうそう、私よりあっちが適当よ」
石神井寅彦:「いつでも待ってますよ?」退室しながら言う。
八千代 路夜:「じゃあ、ダメね」
八千代 路夜:「私は見送る方で、待つ方だから」
八千代 路夜:「追っかけるのは、とってもレア」
八千代 路夜:じゃあね、と手を軽く振って。
石神井寅彦:「たまにはって言ったじゃん」
石神井寅彦:こっちも笑って、退室していく。
八千代 路夜:「適時、っていうのもあるんだから、まったく」
八千代 路夜:「……時を違えた桜は、どうしているかしらね……」
八千代 路夜:ぽつりと呟く。
【雨宿町・川内寺境内 割れずの桜前】
GM:一時は満開となっていた桜も、強い風に半ばを散らせている。
GM:かつて無縁仏の墓だった場所は、薄紅の花びらに埋まっていた。
夢見:その一帯を、じっと見つめている。
石神井寅彦:「…これ、余計だったかなあ」道中で買ってきた花束を、そこに置く。
夢見:「綺麗だから良いと思う。紗理羅は西洋の花も好きなようだったし」
石神井寅彦:「そ? …だいぶうるさくしちゃったし、寝てるとこ暴いちゃったからね」
石神井寅彦:「手、合わせとこっか」夢見ちゃんの隣にしゃがむ。
夢見:「うん」
夢見:しゃがんで、小さな手を合わせる。
石神井寅彦:穏やかに微笑んでそれを見てから、自分も手を合わせる。
夢見:「…………」何か、聞こえない声で呟く。
石神井寅彦:目を開く。
夢見:まだ、手を合わせている。
石神井寅彦:夢見ちゃんが済むまで待つ。
夢見:ややあって、ふと目を開ける。
夢見:「……終わった、のかな」
石神井寅彦:「どうかなあ」
夢見:「まだ、いろいろと言い足りない気もするが」
夢見:「何を言えば良いのか、わからないことも多い」
夢見:「記憶が戻っても、そうなのだな」
石神井寅彦:「ふふ。そうだよ」
夢見:「そういうものなのか……」
石神井寅彦:「気持ちって、そういうものかなあって思うよ」
夢見:「難しい。不便だ」
石神井寅彦:「物語みたいに、ここから始まってここで終わり、とかって」
石神井寅彦:「決まってなくて…」夢見ちゃんを一瞥。笑う。「ハハ。そう。不便」
夢見:こくり、と話に頷いてから。
夢見:「けれど、私の中の力は、その不便さを選んだのだな」
石神井寅彦:「…力が?」
夢見:「レネゲイド、と聞く」
石神井寅彦:「そうね。あなたを、ひとの形にした力」
夢見:「心なき石のままであれば、何もかもを吸い込んで、やがては歪んでしまっていたと思う」
夢見:「心があるから、今こうして、すべきこと、そうでないことを、少しずつ選べて」
夢見:「まだ、私のままでいられる」
夢見:「寅彦が取り戻してくれた、私のままで」
石神井寅彦:「その言い方はちょっと恥ずかしいかも…」
石神井寅彦:「おれ登場させなくていいよ?」
夢見:「ええっ」
石神井寅彦:「えーじゃないでしょ」
夢見:「何故! 寅彦がいなかったら今頃は大変だぞ」
石神井寅彦:「んなことねーってー」
夢見:「私はまだ幼子で、富久郎は獣になってしまっていたと思う」
石神井寅彦:「山月記かあ」
夢見:「?」知らないようで、首を傾げる。
石神井寅彦:「ハハハ」ひとりで笑う。
石神井寅彦:「夢見ちゃん、すげえなあって思ってるよ」
夢見:「そうなのか」
石神井寅彦:「自分のことをさ、もうすっかり、いろいろ自分で決めてるでしょ」
石神井寅彦:「記憶を取り戻そうってことも」
石神井寅彦:「自分を責めないってことも」
夢見:「……そうかもしれないが」
石神井寅彦:「それでも、紗理羅ちゃんを忘れないってこともさ」
夢見:「……それこそこそばゆいぞ、寅彦!」
夢見:「それは、そうだが。そうだが……」
石神井寅彦:「なによ」
石神井寅彦:「受け取ってくんないの?」
夢見:「むー!」
夢見:「私は受け取るから、寅彦も受け取れ」
石神井寅彦:「受け取ってほしい?」
夢見:「当然だ」
夢見:「私はお姉さんでえらい。寅彦もとてもえらいのだ」
石神井寅彦:「ふっ」笑う。「かわいいお姉さんだなあ」
夢見:「いずれ支部長くらい大人になってみせる」つん、と上を向く。
石神井寅彦:「友達、たくさんつくりなね」
石神井寅彦:「学校は行くの?」
夢見:「まずはいろいろ支部の人が教えてくれるらしい」
夢見:「慣れたら、それも考えていいと」
夢見:「……友達」
石神井寅彦:「ん」目を細める。
夢見:「友達は、作るのは、少し勇気がいる」
石神井寅彦:「そうよねえ」
夢見:「また、恐ろしいことにならないかとも思ってしまうけど」
夢見:「けど、やってみる」
石神井寅彦:「うん」頷く。
石神井寅彦:「…夢見ちゃんも、あのおまじない、覚えとけば?」
夢見:「む」
石神井寅彦:「恐い気持ちは、ちょっとの好きの気持ちで上書きできるんだって」
石神井寅彦:「人が好きなんでしょ」
夢見:「……うん」
夢見:「覚えておく!」
石神井寅彦:「うん。えらいえらい」
夢見:「受け取っておくぞ。私はえらいので」
夢見:ちろりとあなたを見る。
石神井寅彦:「ハハハ」さっき流した。
夢見:べ、と舌を小さく出す。
石神井寅彦:「あ、こら。そんな子に育てた覚えはありませんよ」
夢見:「育てられてはいない!」
石神井寅彦:「育ててねーわ」笑う。
夢見:「ふふんー」
夢見:「…………」
石神井寅彦:「……なに寂しくなってんの」
石神井寅彦:「大丈夫だよ、基本、いますからね。支部に」
夢見:「うん」
夢見:「うん。会いに行ってもいいと言われている」
夢見:「でも、もしかすると」
夢見:「私は、そのうち、たくさん楽しくなって、いろいろなことをまた忘れるのかもしれない、とも思えて」
夢見:「寅彦のことも、紗理羅のことも」
夢見:「それは、少し嫌だ」
石神井寅彦:「んー」
夢見:「だって、あんなにずっと考えていたあの子のこと、時々ふと忘れている」
石神井寅彦:「楽しいとね」
石神井寅彦:「忘れちゃうよね」
夢見:「……うん」
夢見:「目の前にあることで手一杯で」
夢見:「何もかもが眩しくて、綺麗で、皆は優しくて」
夢見:「だから、寅彦と離れるのも、怖い」
石神井寅彦:「大丈夫だよ」
石神井寅彦:「慣れてくから。眩しいのも、綺麗なのも、優しいのも」
石神井寅彦:「あなたにとって、当たり前になっていくから」
夢見:「…………」
石神井寅彦:「はは、甘えたい顔してる」
夢見:「ち、ちがう……」
夢見:「じゃあ」
夢見:「今当たり前に見えていることも、本当は、とても綺麗なものなのか?」
夢見:桜を見上げる。
夢見:それは自分自身で、花にさしたる感慨はない、という顔。
石神井寅彦:「そうだねえ」
石神井寅彦:「おれには綺麗なものに見えますよ」
夢見:「そうか……」
夢見:「では、寅彦」
石神井寅彦:「うん」
夢見:「あなたには当たり前に見えているだろう、あなたも」
夢見:「私には、とても眩しく思える」
石神井寅彦:「………」
夢見:「いつかそれが当たり前になってしまったとしても」
夢見:「今、私はそう言いたかったのだ」
石神井寅彦:「夢見ちゃん」瞬きする。
石神井寅彦:「すげえ口説くじゃん」
夢見:「口説く?」
夢見:目をぱちくりしている。
石神井寅彦:「口説く」
夢見:「口説くのは、恋人のことだろう?」
夢見:「まだお友達もそれほどいないのに、それはちょっと早すぎるぞ、寅彦」
石神井寅彦:「はあ…失礼しました」
夢見:「わかればよろしいのだ」
夢見:無邪気な子供のようにも、少しだけ背伸びした少女のようにも見える顔で。
石神井寅彦:「何がだよ。ハハ」
夢見:「……また、会おう」
夢見:「すぐではなくても、私がいろんなことに慣れてからでも」
夢見:「何もかも当たり前になってからでも」
夢見:「またきっと、寅彦と話したくなると思うから」
石神井寅彦:「うん。いいよ。いつでもおいで」
石神井寅彦:「あなたが、いろんなこと知っていくの、楽しみにしてるし」
夢見:「行く!」
石神井寅彦:「うん。…あなたが」
石神井寅彦:「大人に頼ったり、友達つくったり、みんなに守られて当然なんだって」
石神井寅彦:「そう思ってくれるようになるのが、楽しみかな」
夢見:「覚えておこう」
石神井寅彦:「おまじないもね」
夢見:「好きで上書き!」
夢見:「……いつか」
夢見:「いつか、紗理羅のことも、好きだったな、で上書きをできれば」
夢見:「そうできれば良いと思う」
石神井寅彦:「まだ怖い?」
夢見:まだ、今は傷が痛むような顔をする。
夢見:「少し」
石神井寅彦:「しょうがないね」優しく笑う。「少し、で良かった」
石神井寅彦:「それなら、大丈夫。いつか上書きできるよ」
夢見:「……そうする」
石神井寅彦:「…ふふ」「甘えたい顔してんなあ」
夢見:「しているのだろうか……」
石神井寅彦:「なんか楽しいことして帰ろうか」
夢見:頬をぺちぺち叩く。
夢見:「!」
夢見:「楽しいこと、なあに?」
石神井寅彦:「んー? ありすぎて、ひとことじゃ言えないね」
夢見:「おおー」
石神井寅彦:「ふふ」「………記憶だと、忘れちゃうけど」
石神井寅彦:「思い出にすれば、残るかも」
夢見:「思い出」
石神井寅彦:「今日を、思い出にしよう」
石神井寅彦:「ね」
夢見:「そうしたい」
夢見:「そうして、ずっと残るなら。私が」
夢見:桜の木を見る。不格好に大きく裂かれた、奇妙な枝振り。
夢見:「私が、残っていけたように」
夢見:「いつか、花を咲かせることもあるだろう、と思う」
石神井寅彦:「あるよ。…あなたが、あの子に応えたいと思う限り」
石神井寅彦:「きっとね」
夢見:「……うん」
石神井寅彦:その周辺に広がるのは、人との繋がりを失ったまま、眠るものの墓。
石神井寅彦:(…一方通行で感情を与えられるのは、怖くて)
石神井寅彦:(一方通行にしか感情を届けられないのは、寂しい)
石神井寅彦:ままならないなあ、と思う。
石神井寅彦:さて、自分に関しては、
石神井寅彦:「……」
石神井寅彦:「…追うだけでいいや」ぼやいて。
夢見:「どうかしたか? 寅彦」
夢見:顔をのぞき込む。
石神井寅彦:「わ」のけぞる。「…ハハハ…すいません。ぼーっとしてました」
石神井寅彦:「行こっか」
夢見:「まったく、仕方のない……」
夢見:「うむ! 行くぞ」
石神井寅彦:「うん」
GM:影がふたつ、やがてゆっくりとその場を去る。
GM:かつて骨と桜だったふたりが居た場所。
GM:その地面には祝祭のように花びらが敷き詰められ……もう、誰も居ない。
エンディング5 桑原そら
【雨宿町・市立篠月高校 教室】
GM:新城ひわはその後、再度記憶処理を受けた。
GM:最初よりは強めの効果だったのか、レネゲイドに関することは忘却の彼方。
GM:あなたと会話したこと、墓参りに行ったことなどは覚えているが、細部がぼやけているようだ。
新城 ひわ:「そらちゃん、これこれ」
新城 ひわ:携帯端末の画面を見せ、何度かフリックする。
新城 ひわ:そこには、幸せそうな顔のコーギーが映っている。
桑原そら:「はいはい、この子がノエルさんですか」
桑原そら:「可愛らしいですね!」
新城 ひわ:「うん、この辺は去年くらいの写真だから、もうだいぶおじいちゃん」
新城 ひわ:「でも、結構毛並みも綺麗で、元気だったんだあ」
桑原そら:「うふふ、幸せだって顔をしてますもんね」
新城 ひわ:「そう見えるー? ハッピー!って感じだよね」
新城 ひわ:「あとね、これ、昔のを引っ張ってきたんだけど」
新城 ひわ:まだ小学生くらいのひわと、ノエルが映っている写真。
新城 ひわ:やはり行儀良く正面を向いて映っている。
桑原そら:「おや、これはこれは」
桑原そら:「こっちはかっこいいですね」
新城 ひわ:「ね。この頃はなんか、お兄さんみたいな感じだったなあ」
新城 ひわ:「……この話、したっけ?」少し首を傾げて。
桑原そら:「なんだかしゃんとしててひわちゃんのお兄さんだぞ、って自覚がありそうに見えますね」
新城 ひわ:「まあいいや。この頃、一人で散歩に連れて行ってもいいよって許可が出たの」
新城 ひわ:「ふふ、わかるわかる」
桑原そら:「ふんふん、1人でお散歩に」
新城 ひわ:「それはいいんだけど、近所に結構やな子たちがいて。すっごいからかってくるのね」
桑原そら:「うわあ…困りますよね」
新城 ひわ:「そしたら、ノエルがめっちゃくちゃ吠えて、追い払ってくれたの」
新城 ひわ:「それこそ、お兄さんだから、妹は守らなきゃ!みたいな顔で」
GM:いつか、軽く聞いた話だ。
GM:おそらく、彼女はそのことをもう忘れている。
桑原そら:「それはそれは…とても素敵なお話ですね」
桑原そら:「かっこいいお兄さんだったんですね」
新城 ひわ:「そうなの。おじさんになって、おじいちゃんになっても、かっこよかったんだよ」
桑原そら:「ひわちゃんのことを今でも守ってくれてそうですよね」
新城 ひわ:「そうだったらいいなあ」
新城 ひわ:「……はは、こないだなんか、変なこと言ってたでしょ」
新城 ひわ:「なんか、ノエルが帰って来たとか……あれ、だいぶ参ってたんだよね」
桑原そら:「ふふ、迷い犬を見間違えていた話ですかね?」
新城 ひわ:「そうそう!」
新城 ひわ:「あの迷い犬、どうしたかなあ。張り紙とか見つからなくて」
新城 ひわ:「ちゃんとお家に帰れてたらいいんだけど」
桑原そら:「きっと大丈夫ですよ」
新城 ひわ:「ならいいなあ」
桑原そら:「この街には優しくて素敵な人がたくさんいますので」
新城 ひわ:「……うん」
新城 ひわ:「あのさ、そらちゃん」
桑原そら:「はい、なんでしょうか」
新城 ひわ:「その、ちょっと前。ノエルが……亡くなってすぐの時」
新城 ひわ:「私、そらちゃんに話を聞いてもらったよね」
GM:非常階段での話のことだろう。
桑原そら:「…ええ、覚えていますとも」
桑原そら:「それがどうかしましたか?」
新城 ひわ:「あれね、ほんとにすごく、助かったの」
新城 ひわ:「あの時誰も居なかったら、もう、参ってたどころじゃなかったかも」
桑原そら:「うふふ、あの時は本当にたまたま通りがかっただけですから」
桑原そら:「それこそ、ノエルさんが教えてくれたのかもしれませんね」
新城 ひわ:「あはは、いいなあ、それ」
新城 ひわ:少し寂しげに、しかし屈託なく笑う。
新城 ひわ:全て乗り越えたわけではない、だが、楽しく友人と笑うことはできる。それくらいの顔。
新城 ひわ:「じゃあ、ノエルにはちゃんとお礼を言うとして」
新城 ひわ:「やっぱり、そらちゃんもさ」
新城 ひわ:「私が一番きつい時に、一緒に居てくれて、ありがとね」
桑原そら:「ふふ、どういたしまして」
桑原そら:「わたしがいたことでひわちゃんが安心出来ていたならなによりです」
新城 ひわ:「その後のお墓参りもね! 付き合ってくれてありがとう!」
新城 ひわ:「あそこ、ちょっと怖いとこだから、それこそ安心して行けたもん」
GM:どうして怖かったのか、はやはり忘却しているようだ。
桑原そら:「夜は暗いですもんね」
桑原そら:「あんまり遅くにはいかない方がいいですよ」
新城 ひわ:「そう、夜桜は綺麗だったけど」
新城 ひわ:「もう、さすがに連日は行かない……と思う」
新城 ひわ:「ちょっと、寂しいけど。少しずつ、他のことも考えなきゃ」
桑原そら:「もしお化けを見たらこっそりでもいいので教えてくださいね?」
新城 ひわ:「あそこ、そんな噂あるの?」
新城 ひわ:きゃー、とわざと怖がる真似。
新城 ひわ:「こわーい。走って逃げなきゃ」
桑原そら:「あはは!追いかけてこないことを祈りましょう」
新城 ひわ:「でも、そらちゃんと一緒だったら」
新城 ひわ:「なんか、きっと守ってくれそう。お化けだって!」
桑原そら:「…ええ、わたしがひわちゃんに傷一つ負わせないことをお約束しますよ!」
新城 ひわ:「頼りになるー」
新城 ひわ:「男子より頼りになるかも。すごい」
桑原そら:「ふふふ、男の子にだって負けませんよ!」
桑原そら:「なんたってわたしは大きなそらですので!」
新城 ひわ:「かっこいいー」ぱちぱちと手を叩く。
桑原そら:えへん、と胸を張っていた状態から体勢を戻して
桑原そら:「ねえひわちゃん」
新城 ひわ:「なに?」
桑原そら:「……今度、春になったらお花見にいきませんか?」
桑原そら:「割れずの桜のところに」
新城 ひわ:「お花見」
新城 ひわ:「今咲いてるけど、春も咲くなら、いいねえ!」
桑原そら:「ええ、ノエルさんのお墓参りを兼ねて」
新城 ひわ:「うんうん、花びらとかひらひらしてるの、あの子きっと好きだから」
新城 ひわ:「……飛びだして来たりとかは、しないのはわかってるけど」
新城 ひわ:「でも、そういうこと思いながら桜を見るのは、きっといいね」
桑原そら:「……飛び出してこなくても、一緒にはいられますからね」
新城 ひわ:「……うん」
桑原そら:「思い出の中で、ですけれど」
桑原そら:「きっと、楽しい日になりますね」
新城 ひわ:「あとは、夢の中かな」軽くすん、と鼻を鳴らして。
新城 ひわ:「うん!」
新城 ひわ:「それは、多分ノエルのこともあるけど」
新城 ひわ:「きっと、そらちゃんが一緒だからだよ」
新城 ひわ:「一緒に、楽しい日にしようね」
新城 ひわ:「約束!」
桑原そら:「えへへ…そう言われると照れてしまいますが」
桑原そら:「ええ、必ず楽しい日にしますね!」
桑原そら:「約束です」
桑原そら:春になったら、進級してもしかしたらクラスが離れてしまうかもしれない
桑原そら:ずっと一緒、ではなくなってしまう可能性もあるけれど
桑原そら:それでも、わたしたちはきっと友達でいようねという約束を
桑原そら:ほんの少しの怖さも、寂しさも、上書きできると教えてもらっているから
桑原そら:「大好きですよ、ひわちゃん!」
マスターシーン5 前へ
【雨宿町・路上】
GM:年末の冷たい風の中、少女がひとり、歩いていく。
GM:塾にでも行くのだろう。制服姿で、鞄を抱えて。
GM:ふと立ち止まって、すぐ傍に咲く季節外れの桜の花を見上げ、また去っていく。
GM:向かいの道をたまたま行き会った、一際大きな人影が、代わりに足を止める。
GM:ぬるくなった缶コーヒーを一口飲んで、錆びたフェンスに寄り掛かって。
GM:少女の後ろ姿が消えていくのを、じっと目で追っている。
GM:そうして、ゆっくりとまた、反対方向に歩き出す。
GM:少女は、当然彼に気付かなかった。
GM:彼も、絶対に名乗りはしない。したって意味はない。
GM:何もかもが、とは言わないが、元通りに落ち着いた。
GM:そのことだけを確認して、それが嬉しいことにも気付いて。
戸神 富久郎:(ああ、俺はわりと、この仕事も、町も、嫌いじゃないんだな)
戸神 富久郎:(嫌いにならずにいられたんだ)
戸神 富久郎:(……帰って、こられたんだ)
戸神 富久郎:(みんなのおかげで!)
GM:大きな身体と長い二本の脚は、その分だけ前へ前へと進める。
GM:そのことが、たとえようもなく嬉しくて。
GM:冴えた空気の中、歩いていく。
GM:いつもの場所。帰るべきところ。
GM:非日常と紙一重の、少し賑やかな日常へと。

☆TIPS 八千代路夜 自動開示
UGN雨宿支部長。穏やかな人柄だが、怒る時は怒る、と目撃談がある。
職務は多忙を極めており、今回の忘年会の日付も忘れていた。
ただし、現状かなりの脅威であった紗理羅の鎮圧で、多少肩の荷が下りたようだ。
次の課題はバス会社との折衝を見守ること。やることは多いが、やりがいを感じるのは得意らしい。
☆TIPS 夢見 自動開示
『割れずの桜』をオリジンに持つあやし=RB。
現在は支部に引き取られ、本人の希望で人に近い立場の教育を受けることになった。
桜に戻ることもできるようだが、外を歩けるのが嬉しい、とのこと。
習性のようなものはあり、日向ぼっこをしながらじっとしているのも好き。
時々鳥が止まることもある。そんな時は、大抵かつての地下のことを思い出している。
☆TIPS 戸神富久郎 自動開示
UGN雨宿支部・処理部所属。身長189cm、体重78kg。これは覚醒後に変貌した結果。
昔は内気ながら友人とバンドをやっていたが、覚醒後はあくまでひとりきりの趣味だった。少し前までは。
レネゲイドコントロールはかなり不得手で、エージェントとして戦闘任務を受けたことはない。
それでもUGNから離れることはなく、現在は少しでも改善をと藻掻き直している。
☆TIPS 新城ひわ 自動開示
父親が市内の企業に勤める、ごく平穏な家庭で生まれ育つ。
一人っ子で、愛犬のノエルと兄妹のように育った。
年明け後、美術の課題で『お守り』と題しノエルの絵を描き、校内で評価されることになる。
その絵は家で愛犬との写真と一緒に飾られていくが、まだ少し先のことである。
某県雫原市・雨宿町。
昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。
鵺のうろつく夜は終わり、また新しい朝が来る。
暗がりに満ちた怖れも、どうやら少しばかりは拭われたようだ。
いずれまた闇は来たり、恐怖の咆哮は響く。
それでも、夢に見たひとかけらの勇気で、きっと。
暗がりにも陽光は動き、消えない想いを照らすだろう。
リプレイ・ドロップ 雨宿町鵺追物~鬼洗い来れり~ 了