リプレイ・ドロップ
雨宿町怪事件~雷花、はじけた~


PC1:"影追い"石神井 寅彦(しゃくじい・とらひこ)キャラシート)PL:めかぶ
PC2:"橋掛り"御凪 涼(みなぎ・りょう)キャラシート)PL:自動
PC3:"ダルメシアン"戌淵 賢人(いぬぶち・けんと)キャラシート)PL:ぽぽ
PC4:"シャラシャ"四緒ツツリ(しお・つつり)キャラシート)PL:ナケミン
GM:さささ



メイン 見学


目次




プリプレイ


GM:では、セッションを開始します。
GM:まずはPC紹介から進めていきます。
GM:PC1の石神井さんから、お願いします。
キャラシート

石神井寅彦:はーい!


石神井寅彦:しゃくじい・とらひこです。コードネームは「影追い」。
石神井寅彦:25歳、男。雨宿町に着任したばかりのUGNエージェント。
石神井寅彦:小洒落た風貌の、見るからに都会から来ましたって感じの青年です。
GM:都会者だ
石神井寅彦:香りと影を通じて相手の心に入り込むことができ、特に非オーヴァードに強い効果を放ちます。
石神井寅彦:こいつに近付くと無条件に「なんだか懐かしい香りがするなあ」ってなって、なんとなく心を許しちゃう…みたいな。
GM:良すぎないですか
石神井寅彦:デヘヘ
石神井寅彦:この能力を活かし、占いというか人生相談みたいなものを趣味半分に行っており、占い師をカヴァーにしています。
石神井寅彦:シンドロームはウロボロス/ソラリスのRC攻撃型。100%を越えると範囲攻撃ができるようになります。
石神井寅彦:あと《止まらずの舌》で何でも質問に答えさせることができたり、
GM:ひえ
石神井寅彦:イージーで他人の感情を読み取ったり、友達のふりをすることができたり、
石神井寅彦:『Dロイス:記憶探索者』で誰かのタイタスをロイスに変更することができたりします。
GM:人間関係の強者だ……
石神井寅彦:コミュ力を強くやっていきたいな…… みんなとも仲良くなれたら嬉しいです。
石神井寅彦:以上です!よろしくお願いしま~す
GM:はーい!
GM:まずはハンドアウト……とですね。
GM:今回、ちょっと実験的に一個短い情報項目を開示しようかなと思いました。
石神井寅彦:おおっ
GM:事前知識まとめと、情報共有くらいの感じです。
GM:まずはハンドアウト

PC1
石神井 寅彦
シナリオロイス:波止村凜花(誠意/隔意)
あなたはUGN雨宿町に所属するオーヴァードだ。
歴史ある羽心神社にはレネゲイドにまつわる古い資料も多く、現在家の者はUGNに協力している。
今回、巫女である波止村凜花(非オーヴァード)は社に伝わるあるEXレネゲイドの破損を報告してきた。
また、その点検のために外に出した日から、町に雷雨が妙に多い、とも。


GM:なんだか破損したアイテムがあるようです
GM:見てあげてほしい
GM:そして情報項目はこちら。
石神井寅彦:可愛い子の頼みは断れないにゃあ

★羽心神社について 自動開示
町の元になった集落の誕生と、ほぼ同じ程度の歴史を持つ古い神社。
かつては怪異についての相談を受け入れてきた場でもあり、資料や封印されたアイテムも数多い。
現在の関係者は非オーヴァードのみだが、UGNについては正確に把握しており、協力関係にある。
神主はやや心労に弱く、娘である巫女の凜花が客に応対することもしばしば。


GM:ちょっとハンドアウトとかぶってるなって今思いましたが
GM:こういう神社です。
石神井寅彦:なるほどなるほど
GM:巫女さんは高校生くらいのしっかり者女子


波止村 凜花:仲良くしてくださいね
石神井寅彦:は~かわいい こちらこそよろしくお願いします
GM:ありがとうございました! 止まらずの舌が地味に気になる

GM:ではPC2の御凪さん。今回は名字で呼べる!
キャラシート
御凪 涼:は~い

御凪 涼:御凪涼(みなぎ・りょう)。コードは《橋掛り》。舞踊家。
御凪 涼:初登場ログは前回の『雨宿町夏宴』。
御凪 涼:長い黒髪に痩身、和服姿の男。温和でのんびり屋、浮世離れしてる感じ。
GM:ふわー
御凪 涼:お家の稼業でジャーム殺しの暗殺剣を学んだはずが、舞踊そのものにめちゃくちゃハマり
御凪 涼:寝食放置レベルで舞ばっかりやっている仙人みたいな人。
GM:生活をだいじにして
御凪 涼:支えられ
御凪 涼:舞もお家の流派とかけ離れたものに仕上がっており、本来は剣の要素もあるはずなんですが
御凪 涼:自他の認識の境界を溶かす、いわゆるトランス状態を強制的に発生させるような舞をやります。
御凪 涼:シンドロームはハヌマーン/ソラリスの純支援型。
御凪 涼:特徴は、80%越えからは限界突破により、夢の雫をラウンド2回撃てること。
GM:こわい
御凪 涼:また調達も得意なので、お買い物でも力になれればいいなーと思ってます。
GM:その財産点14はなんですか
GM:こわい
御凪 涼:なぜか他のPCでさらに金持ちがいるという噂
御凪 涼:やはり名家なんだよなーっ
GM:ブルジョワめ
御凪 涼:そんな感じです!
GM:はーい! 支援よろしくお願いします!
GM:ではハンドアウトはこちら。

PC2
御凪 涼
シナリオロイス:"ジェイトーカー"鈴掛 喜一(親近感/不信感)
あなたは雨宿町のUGN支部に関わっているオーヴァードだ。
調査部の支部員である鈴掛は、いつものヘラヘラした態度であなたに久々の長期休暇を告げた。
だがその日の深夜、あなたは偶然、鈴掛が常ならぬ真面目な顔で夜道を徘徊するのを見かける。
彼の来た方角からは、救急車のサイレンが聞こえてくる。人が、倒れていたらしい。


GM:これはですね、継続NPCとして出してた人なんですけど
GM:なんか妙なことになっていますね
御凪 涼:はい
御凪 涼:うん
GM:情報はこんな感じ

★鈴掛喜一について 自動開示
UGN雨宿支部・調査部に所属する支部員。表の顔は便利屋の営業担当。26歳男性。
愛想は良いがおしゃべりで、ヘラヘラした印象を与える青年。
調査部員としては非常に優秀で、特にデータ収集と解析が得意。ブラックドッグ/ノイマン。
眼帯を常に身につけており、下に機械式の義眼を隠しているが、それを知る者は少数。


GM:こういう人です
御凪 涼:はい…
GM:最後の義眼は、多分支部の上の方の人と涼さんくらいしか知らないと思う
御凪 涼:えっ
御凪 涼:マジか
GM:あんまり人に見せたがらないんで……
御凪 涼:はい


鈴掛 喜一:そういうわけで、どうもー
御凪 涼:アッ ドモ…
GM:大丈夫かな
GM:気にしてあげてください
御凪 涼:はい。
御凪 涼:力になりたいです
御凪 涼:はい、えー、よろしくお願いします…
GM:よろしくお願いします!

GM:ではPC3の戌淵さんお願いします
キャラシート
戌淵賢人:はーい


戌淵賢人:戌淵賢人、32歳。
戌淵賢人:雨宿署の刑事です。
GM:警察の方!
戌淵賢人:もとは捜査一課でしたがオーヴァードに覚醒してからはR対策課所属です。
GM:かっこいい
GM:ちなみに覚醒、何年前くらいってありますか?
戌淵賢人:そうですね、妹の死のあとくらいでしょうか
GM:了解です!ありがとうございます
戌淵賢人:どうにも普通の事件ではないという感じでオカルトにまで踏み込むうちに覚醒しました
戌淵賢人:妹を殺した犯人を追っています
GM:なるほど……
戌淵賢人:能力は独自解釈の狗神使いです
戌淵賢人:正統ではないので消耗が激しいぶん攻撃性は高い
GM:かっこいい
戌淵賢人:これを妹の形見の犬笛で操ります
GM:重要情報だ
戌淵賢人:シンドロームはブラムス/エグザイル
戌淵賢人:性能としては赫き猟銃&破壊の血でつくった猟犬をオールレンジで放つだけ
GM:シンプルなつよさ!
戌淵賢人:HPを増強しているので多少の耐久と復讐者のDロイスで
戌淵賢人:火力を上乗せする感じです
GM:復讐者……復讐相手は出るのかな……
GM:お楽しみにしていただきたい
戌淵賢人:くっ 人違いか
戌淵賢人:ミドルはそこまで高くないですが警察手帳の微妙な性能を信じています
GM:地味に好きな性能
戌淵賢人:買い物にも警察手帳だぞw
GM:ほんとだ
GM:社会判定達成値だw
GM:頑張って捜査をお願いします!
GM:では、ハンドアウトはこちらです。

PC3
戌淵 賢人
シナリオロイス:殺人犯(執着/憎悪)
あなたは警視庁雨宿署R対策課に所属する刑事だ。
あなたは3年前、未解決事件により妹を亡くし、犯人を追い続けている。
わかっているのは強力な電気ショックによる感電が死因であったこと、それだけだ。
ある日、あなたの元に類似の襲撃事件の知らせが舞い込む。今度こそ、真相を確かめねばならない。


GM:そういうわけで、何か追っている事件に似たことが起きました。
戌淵賢人:気分はうしとらのヒョウさんだ
GM:あ、情報なんですが、妹さんのお名前って決まってます?
GM:こちらで仮設定はしてるんですが
戌淵賢人:まだ決めていないので
戌淵賢人:仮設定の名前を伺ってもいいですか?
GM:戌淵絵里子さんですね。変更は全然可能です
戌淵賢人:あ、いいですね
GM:良さそうなら本決定いたします
戌淵賢人:それで行きましょう
GM:よし!
GM:では情報はこちら

★三年前の事件について 自動開示
三年前、雨宿町の夜の路上で、死亡し倒れていた女性(戌淵絵里子・当時26歳)が発見された。
死因は感電。雷雨の夜だが、落雷にしては妙な点が多い。警察およびUGNが調査を行ったが、有力な証拠は見つからず、迷宮入り。
警察と救急に通報を行った人物がいるはずだが、すぐに立ち去ったようで詳細は不明。


GM:こういう事件だったよというイメージです
GM:あんまり普通の殺人事件ではないなーという印象
戌淵賢人:あの夜から俺は…
戌淵賢人:みたいな感じでいきます
GM:はーい、あとシナリオロイスは殺人犯なんですが、
GM:導入NPCとして後輩の巡査さんがいます


佐崎 るり:ど、どうも……
GM:この子が即殺人犯とかではないので、そこは大丈夫です
戌淵賢人:了解です
GM:それくらいかな、よろしくお願いします!
戌淵賢人:はい、よろしくお願いします

GM:では最後、PC4の四緒さんどうぞー
キャラシート
四緒ツツリ:はいさい!


四緒ツツリ:”シャラシャ”、四緒ツツリ(しお・ー)、19さいです!
四緒ツツリ:歴史ある呉服屋の当主の一人娘で、次期当主を約束された御曹司です。
GM:いいおうちの子だ!
四緒ツツリ:実家は地域とのコネクションもあり、そして太い。
四緒ツツリ:有り余る余暇を楽しむため、実家の太さとコネを活かして情報屋をたしなんでいます。
GM:太い!
四緒ツツリ:情報通というものに憧れていて、「裏で糸を引く」「神秘のヴェール」みたいな表現が大好きです。
四緒ツツリ:しかしあやしに触れたのはつい最近……
四緒ツツリ:自分が知らない事件がいろいろ起こっていたことを知り、危機感を感じています。情報通なのに!
GM:たいへんだ
GM:まあ、意外とわかんないものなので……
四緒ツツリ:UGNの案件などに首をつっこみ、いろいろ調べようとしているらしいですよ。
四緒ツツリ:呉服の勉強はちょっとおろそかにしがちだけど、優しく見逃してやってください!
GM:つっこまれちゃう
四緒ツツリ:能力は肉体の線維化。体を解き、編み上げる事ができます。糸を使っていろいろ上手く扱うよ。
四緒ツツリ:性能はシンプルな射撃型。頑張って実家からヘヴィマシンガンを持ち出してきます。
GM:おもい
四緒ツツリ:器物使いと砂の加護の力で、ミドルの判定も上手いことやっていこうと思います。遠距離カバーもできる!
GM:いろいろできるんですよね……!
四緒ツツリ:あとは……実家が太いです。金ならあるぞ!
GM:なんで知ってるかというと、以前も出ていただいたからです。年貢納よろしくね
GM:なんだその財産点20は
GM:20??
四緒ツツリ:実家がね……
GM:名家ども!
四緒ツツリ:そう、『雨宿町年貢納』にも参加させていただきました。鈴掛さんとはぎゃいぎゃいした仲です
GM:ぎゃいぎゃいしてました
四緒ツツリ:そんな感じで、知らない情報を知ってふふんってするため、今回も頑張るぞ!!
GM:がんばれー!
四緒ツツリ:よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします!
GM:ハンドアウトはこちら

PC4
四緒 ツツリ
シナリオロイス:"リーチパーチ"八千代路夜(信頼/不安)
あなたは雨宿町のUGN支部に関わっているオーヴァードだ。
あなたはある日、UGN雨宿支部の支部長・八千代に呼び出される。
『近頃、例年よりも雷雨が多い。雷獣と見られるRBも多く見られる』との言葉。
町に何か異変がないか探ってほしい、という依頼をあなたに受けてほしいようだ。


GM:ちょっとふわっと依頼ですが、何か起こる前に気をつけて見てあげてねってことらしいです
四緒ツツリ:雷獣! 電気鼠かな
GM:ここの支部長はそういうとこある
四緒ツツリ:未然に防ぐとは難しい……しかし、この情報通に任せたまえ!
GM:で、情報なんですが、これ四緒さんは大体知ってる内容で
GM:全体共有みたいな感じで受け取っていただけると助かります

★雨宿町のあやし=RBについて 自動開示
この町には古くからレネゲイドビーイングが発生し、時には怪異、時には隣人として共存をしてきた。
一般的なRBとやや異なる点としては『オリジンの形質に近い存在』になりがちなところ。
レネゲイドそのものとしての自覚が無ではないがやや薄く、憑依した先に同調しやすい。
そういったまとまりや行き先のない彼らを屋敷で後見しているのが、山の主を自称するアテナシという古代種RBである。


GM:普通のレネビより妖怪っぽいよ、というお話
四緒ツツリ:その情報なら……知っていますよ。ふふん


八千代 路夜:さすがは情報通
八千代 路夜:頼もしいな。よろしくね!
GM:支部長です
四緒ツツリ:支部長美人さん~ よろしくお願いいたします!
GM:はーい!

GM:最後に、これも自動開示情報! 多いけどごめんね!

★雨宿町の土地と共振について 自動開示
この土地には、強力なレネゲイドの気配(ワーディングなど)に反応し、精神感応が起こることがある。
具体的には記憶や思念がその場の任意の人間に伝わりやすくなる。これを共振と言う。
※演出的には、主にオリジナルエフェクト使用後、シーン途中に半マスターシーンが挿入されることが多いです。


GM:こういう現象があるよということをぼんやり知ってて大丈夫です。
御凪 涼:はーい!
石神井寅彦:はーい
四緒ツツリ:はーい!
GM:こんな感じかな……ではマスターシーン入れたりトレーラー入れたりで始めていきます


マスターシーン1 はじまり


GM:某県雫原市・雨宿町。
GM:昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
GM:この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
GM:山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
GM:町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。

GM:今回の物語は、殺人事件のその先。過去と今とが交差する。
GM:沈黙から蘇った犯人は雷鳴の中、果たして何を語るのだろうか。


GM:雷が、鳴った。
GM:稲光からすぐの音だったが、青年は気に留めることもなく、地面を見下ろしている。
GM:濡れて倒れているのは、まだ若い女性。ぐにゃりとした身体には、既に命の気配はない。
GM:目立つのは、手足に走る火傷の跡。
????:「すいません」
????:「こんなつもりじゃなかったんだ」
????:「……ああ、そうだ。逃げないと」
????:どこか淡々とした、奇妙な独り言。
????:歩き出そうとして、再び響く、ばりばりと天を裂くような音に上空を見上げた。
????:「……遠いな」
????:それだけ言って、一度だけ振り向く。
GM:空に花弁のような光が走り、一瞬遅れて轟音。
????:片目はぐっしょりと濡れた白い眼帯に隠され、表情は読めない。
GM:やがて足音は闇に消え、ゆっくりと遠ざかっていった。

静かな町にかつて起こった殺人事件。
犯人、不明。動機、不明。何もかもが未解決。
警察はわかってるのかな。この町の事件だ。迷宮入りなんて当たり前。
戸締まり確認、深夜の徘徊は御用心……。

本当に、それで大丈夫だと思う?

『そいつ』は雷雨と共に帰ってきた。今度こそやる気だ。
うかうかしてると……警察だろうがUGNだろうが、オーヴァードだろうがなんだろうが……。
ビリビリのバチバチすよ。気をつけた方がいい。これ、警告。
……伝承の品? 大昔の因縁? さあ、どうっすかねえ……。


ダブルクロス The 3rd Edition 『リプレイ・ドロップ 雨宿町怪事件~雷花、はじけた~』

そう、今度はおれの番。待ってましたの晴れ舞台。
……裏切ってみせますよ。華麗に、確実に、ね。



GM:さて
GM:今回のOPでは、情報収集判定を行うことができます。
GM:失敗した場合は侵蝕1d5を振り直して再度判定が行えます。
GM:また、その都度目標値は1ずつ下がっていきます。
GM:情報項目にある内容は基本的に事実であると考えてください。


オープニング1 石神井寅彦


GM:登場侵蝕をお願いします。
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を1D10(→ 2)増加 (31 → 33)

【雨宿町・羽心神社社屋・昼】

GM:ある、秋に差し掛かった日のこと。
GM:UGNエージェントであるあなたと、もうひとりの支部員が派遣されたのは、町中にある広めの神社だった。
GM:夏には祭りが執り行われ、なかなかの賑わいだったが、今は静かなものだ。
波止村 凜花:「すみません、父は少し調子を崩してしまったみたいで」
波止村 凜花:「せっかくUGNさんに来てもらったのに、もう。気が弱いんだから」


【波止村凜花・羽心神社の巫女】

GM:長い黒髪、緋袴を穿いた巫女装束の少女が、あなたたちを出迎えてくれた。
早川 彦山:「なに、気にすることはないさ」


【早川彦山・古道具屋『長玄堂』店主】あるいは【"玄斬坊"・UGN雨宿支部研究部員】

GM:こちらも和装姿の、人相の悪い男性。あなたと共に派遣された支部員だ。
早川 彦山:「石神井くんは初めてだったっけな。この神社」
石神井寅彦:「そうですね、初めてでっす」後ろできょろきょろと周りを見ていたが、話を振られてぱっとそっちを見る。
石神井寅彦:ピアスと柄ネクタイが目立つ、軽薄そうな青年。
石神井寅彦:「はじめましてー、石神井寅彦です。しゃっくんでもトラちゃんでもいいよ! 好きに呼んでね」
波止村 凜花:「はじめまして。波止村凜花です」丁寧に礼。
波止村 凜花:「はじめましてですし、石神井さんかなあ」
石神井寅彦:「マジメだねえ。おれは凜花ちゃんって呼ぶね」
波止村 凜花:「あ、それは嬉しいです」
波止村 凜花:「下の名前、結構好きなので!」
波止村 凜花:黒髪を揺らして笑う。
早川 彦山:「しっかりしてるんだよ、この子」
早川 彦山:「ここはオーヴァードは居ないが、代々女性が強くてね」
早川 彦山:「だいぶ前に亡くなられた大刀自が特に怖かったな。いい方だったが」
石神井寅彦:「可愛いもんね、いい名前」こっちも笑って応える。
波止村 凜花:「ひいおばあちゃんですね。UGNさんには、昔からお世話になってます」
波止村 凜花:「石神井さんも、どうぞよろしく」
波止村 凜花:「ふふ、そのひいおばあちゃんがつけてくれた名前なので」
石神井寅彦:「ふうん…、いや本当に、お父さん顔負けっすねえ」
石神井寅彦:「もうだいたい凜花ちゃんがUGNとの連絡役務めてるって聞いてますよ?」
波止村 凜花:「お父さん、何かあるとすぐ調子崩すんですもん」腰に手を当てる。
波止村 凜花:「今日もなんか雨が降りそうとか腰が痛いとか……降ってないのに……」
波止村 凜花:「……あれ?」
波止村 凜花:少し不思議そうな顔をして、窓の方を見る。
波止村 凜花:「……雨の匂いがした気がしたんだけど、やっぱり降ってないや」
波止村 凜花:首を傾げている。
石神井寅彦:(微笑ましいなあ)とそれを見つつ。
石神井寅彦:「雨好きなの?」
波止村 凜花:「好きというか……ずっとこの町ですから」
波止村 凜花:「ここ、雨が多いから、なんとなく染みついているというか……」
石神井寅彦:「あー、なるほど」なんとなく窓に視線を移しつつ。「雨と一緒に思い出を作ってきたんだね」
波止村 凜花:「わあ」
石神井寅彦:「ん?」
波止村 凜花:「素敵な言い方をされますね、石神井さん」
波止村 凜花:「あ、でもそう! 雨ですよ」
石神井寅彦:「あら、ありがと! 惚れちゃったかな~」
波止村 凜花:「惚れてはないです」
波止村 凜花:くすくす笑う。
波止村 凜花:「お呼び立てした理由。最近の雨のことなんです」
石神井寅彦:「さっぱりしてるなー」へらへら笑う。
波止村 凜花:「さっぱりきっぱり、が波止村の女ですから」
石神井寅彦:(まあでも、ずっと雨と一緒だったから、そこに大切な思い出があるんだろうな)
波止村 凜花:「最近、雷が多いと思いませんか?」
石神井寅彦:《虹の香り》。自分のレネゲイドが勝手に彼女に同化して、面影の香りを漂わせているんだろう。
石神井寅彦:「あー、多いよね! こないだも夕立に出会っちゃってさー、もーびしょ濡れ」
GM:ここしばらく、この町近辺では、妙に雷雨が多い。
GM:これはUGNでも把握している、というよりは暮らしている人間ならなんとなく皆感じていることだろう。
石神井寅彦:「ちょっとコンビニ行っただけなのにさー、災難だったねえあれは」
石神井寅彦:オーヴァードというより地元住民としての意見。
波止村 凜花:「大変! うちの近所だったら着替えくらいはお貸ししますからね」
波止村 凜花:「で、それ、あの……もしかしたら」
石神井寅彦:「あらー、お父さんにも了解とっとかなくちゃなあそれは」
波止村 凜花:「報告した、EX……レネゲイド?のせいかもしれない、って思って」
波止村 凜花:「時期がすごく近いんです。壊れてるのを見かけたのと、雷が増えたの」
石神井寅彦:「へええ?」首を傾げる。「それ本当だったら結構スケールでっかい話だね」
早川 彦山:「ああ、報告はもらっているな」
波止村 凜花:「そうなんですか? ちょっとその辺わからなくて」
石神井寅彦:「分かるように話してあげてよ!」
早川 彦山:「その辺、内規とかがいろいろとこう……」
早川 彦山:「面倒なんだよ……」

GM:さて、ここで情報収集判定を行うことができます
GM:項目はひとつ。
石神井寅彦:おおっ

★破損したEXレネゲイドについて〈情報:UGN〉〈知識:機械工学〉5


石神井寅彦:コネ使用し〈情報:UGN〉で調べます!
GM:どうぞ!
石神井寅彦:5dx>=5
DoubleCross : (5DX10>=5) → 10[5,8,9,10,10]+8[7,8] → 18 → 成功

GM:たっか
石神井寅彦:すげ~~わかった
GM:めちゃくちゃわかります
GM:開示!

★破損したEXレネゲイドについて〈情報:UGN〉〈知識:機械工学〉5
破損を報告されたのはかなり古い型のラジオ受信装置『電封並四(でんふうなみよん)』。少なくとも戦前のものだ。
雷獣と呼ばれるRB、固有名は『破多々(はたた)』の封印が伝えられており、管理は神社に任されていた。
封印が施されたのは、ラジオが生産された時代近辺であるらしい。
支部によれば、現在雷獣について調査をしている人員がいるらしく、コンタクトできるという。
→★羽心神社の宝物について〈情報:UGN〉7 が調査可能になりました。


GM:次の情報は次のシーン以降で調べられます

波止村 凜花:「えっと、壊れてしまったのはこれなんですが」
波止村 凜花:そっと取り出した、意外と大きな箱。
波止村 凜花:中身は、写真では見たことがあるかもしれない。
波止村 凜花:古い、戦前の型のラジオ。
波止村 凜花:あまり神社とは結びつかないものではある。
石神井寅彦:「わっ、博物館の展示品みたい。あるよね、こういうの」
石神井寅彦:しげしげと覗き込む。
波止村 凜花:「そう、私も最初に見た時はびっくりして……」
波止村 凜花:「で、ここ、ひびが入ってしまってるんですよね」
GM:つまみのあたりから、大きく本体が割れている。
早川 彦山:「ああ、こりゃいかんな……」
石神井寅彦:「あららら」
早川 彦山:「これは確か、昔RBを封印した、というやつだろう」
早川 彦山:「まずいかもしれん……」考え込む。
波止村 凜花:「まずいですよね……! 監督しきれてなくてすみません!」
石神井寅彦:「まあまあ、凜花ちゃんが壊したわけじゃないんでしょ?」
波止村 凜花:「でも、もっと早く気付いていれば……」肩を落とす。
波止村 凜花:「あ、これうちの、このラジオに関する資料です」
波止村 凜花:石神井さんに古い紙の束を手渡す。
石神井寅彦:「おっ、しっかり準備してくれてるじゃん! チェックしとくね」
石神井寅彦:「こういう緊急事態に対処するためのおれ達なんだからさ、まあそんな落ち込まないで!」
波止村 凜花:「石神井さん……」
石神井寅彦:「惚れちゃった?」
波止村 凜花:「惚れてはないですが」
波止村 凜花:「……助かります」
石神井寅彦:「あはは! ありがとう。頑張って仕事するね」
波止村 凜花:責任を感じた顔ながらも、微笑む。
石神井寅彦:へらへらと微笑む。
波止村 凜花:「はい。私も何かできることがあれば……!」
波止村 凜花:「……オーヴァードじゃなきゃ、あんまり意味がないかも、ですが」
波止村 凜花:「でも、頑張りますからね」
石神井寅彦:「夕立に濡れた時に服を貸してくれるとかね。外での調査も多いから」
波止村 凜花:「それならもう、全然」
波止村 凜花:「父の服ですけど!」
石神井寅彦:「あっはっは! やっぱお父さんに許可取らなくちゃじゃん!」
波止村 凜花:「取りますよ、それは」
波止村 凜花:「うちの父、周りの男の方にだいぶ厳しいですからね」
石神井寅彦:「そりゃそうだって…。凜花ちゃんが可愛いんだよ。当然、当然」
石神井寅彦:「おれ多分無理じゃないですか? 絶対怒られそう」早川さんに言う。
早川 彦山:「自覚があるなら変えればいいんじゃないか……?」
早川 彦山:面白そうに、あなたたちの会話を眺めている。
石神井寅彦:「今のおれのまま愛されていきたい的な?」軽口で返しつつ。
波止村 凜花:「ふふ、怒られちゃうかも」
波止村 凜花:「でも、庇ってあげましょうか」
石神井寅彦:「おっ」
石神井寅彦:「だーめだめだめ! 悪い大人に引っかかっちゃダメだよー」
波止村 凜花:「あら」
波止村 凜花:「自覚があるなら変えればいいのに」
波止村 凜花:「石神井さん、悪い方だとは思わないし」
波止村 凜花:「調べてくださるならまずは信頼をしないと!」
石神井寅彦:「あはは。じゃあ、信頼に応えないと」
石神井寅彦:「一生懸命仕事してきまーす。何かあったら報告するね!」
波止村 凜花:「はあい! よろしくお願いします!」
石神井寅彦:へらりと手を振る。
石神井寅彦:神社の外に出ても、雨の匂いは分からない。自分に振りまいた、香水の匂いだけが鼻腔をくすぐっている。

GM:ロイス取得のみできます。
石神井寅彦:シナリオロイスの波止村凜花ちゃんに、誠意:〇/隔意 で取得します。
石神井寅彦:推奨感情通り!
GM:わおわおー了解です


オープニング2 御凪涼


GM:登場侵蝕をお願いします。
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を1d10(→ 1)増加 (33 → 34)
GM:ちいさい
御凪 涼:おちつき

【『(株)ピカピカ』社内】あるいは【UGN雨宿支部・調査部および処理部】

GM:ある秋の日のこと。
GM:あなたはふらりとここ、UGN雨宿支部の機能を一部担っている小さな社屋を訪れていた。
GM:時折イリーガルが立ち寄り、世間話をしていくことはよくあるようで、歓迎をされる。
GM:この町に滞在を始めてからの顔見知りの支部員もちらほらいる。特に……。
鈴掛 喜一:「ああ、御凪の涼さんじゃないすか。今日はひとりっすか」

【鈴掛喜一・『(株)ピカピカ』営業担当】あるいは【"ジェイトーカー"・UGN雨宿支部調査部員】

鈴掛 喜一:白い眼帯を右目につけた、なんとなく軽そうな雰囲気の男性支部員。あなたの知人だ。
御凪 涼:「ん、御凪の涼です。ひとりです」
御凪 涼:痩身に黒髪を垂らした、細面の男。紬の衣の裾がやや硬質に揺れる。
時田 久則:「おいコラ鈴掛」
時田 久則:「鈴掛よ。話の途中で気ィ散らすんじゃねえわ」
御凪 涼:「おや」

【時田久則・『(株)ピカピカ』代表取締役社長】あるいは【"UGN雨宿支部・調査部および処理部主任】

時田 久則:サングラスをかけた金髪の、柄の悪い男性。社内にいるのはやや珍しい。
鈴掛 喜一:「えっ、もう終わったもんだと……」
鈴掛 喜一:「お客さんすよ。いいじゃないですか」
鈴掛 喜一:「ねえ涼さん」
御凪 涼:「なにがいいのか悪いのか、知らないけど…」
御凪 涼:「上司の方かな?」
時田 久則:「社長の時田ですよ。よろしく。イリーガルさん?」
御凪 涼:「はい、よろしく」扇を開いて閉じる。紫檀の香り。
御凪 涼:不機嫌そうだなあと見ている。
鈴掛 喜一:「社長、ほんとは把握してんのにわざわざ聞くのはアレっすよ……」
御凪 涼:あるいはそういう振る舞いを好んでする人か。それ以上は自分の知るべきことではない。
時田 久則:「うるせ」
時田 久則:「大体鈴掛よ、てめえの手続きをやってるんじゃねえのかよ」
時田 久則:何か書類をばさりと投げ出す。
御凪 涼:「いや、別にどちらでも。把握してくれているなら、嬉しいかな」
鈴掛 喜一:「涼さんだなあ……」
鈴掛 喜一:「あ、すんません。忘れてたわ」書類を受け取る。
御凪 涼:「人が知ってくれているのは悪い気分じゃないからね」言いつつ文字を目で追う。
御凪 涼:「ん」
鈴掛 喜一:「あ、これ?」
鈴掛 喜一:「有給休暇、ちょっと多めに取ったんで、その書類」
御凪 涼:軽く首を傾げる。「へえ」
時田 久則:「三年ぶりとかだろ、お前。休めっつってんのに」
御凪 涼:「そういえばきみが休んでいるのを、あまり見たことがないかも」
鈴掛 喜一:「そうそう、おれ働きもんで」
鈴掛 喜一:ニヤニヤ笑っている。
御凪 涼:「どうして?」
鈴掛 喜一:「え、どうしてって……」
鈴掛 喜一:「勤勉だから?」
鈴掛 喜一:「働きもんと勤勉は同じか」
御凪 涼:「きみがそういうときは、むしろそう思われたくないとき、のような気がする」
御凪 涼:責める風でなく、不思議そうに言う。
鈴掛 喜一:「うわ、なんか突いてくるー」
鈴掛 喜一:「正直、あれ。ここ、他にすることないから、働くしかねえっつうか」
鈴掛 喜一:「でもちょっと溜まりすぎたんで、消化しよっかなって思ったんですよ」
御凪 涼:「へえ」
御凪 涼:「どうも、私には働くとか、休むとか、あんまり分かってないからな…」
鈴掛 喜一:「涼さんはなんか……常に涼さんっすよね……」
鈴掛 喜一:「オンオフとか、裏の顔とかなさげ」
御凪 涼:《真偽感知》、を使わず。どうもされたくなさそうだ、と直感する。
御凪 涼:されたい人間はあまり、いないだろうが。
御凪 涼:「うん…そう言われるとそうなのかもしれない」
御凪 涼:「でも、そういうのが片方だけを使い続けるのがよくないのは、わかるから」
鈴掛 喜一:「まあ、そうなのかも?」
御凪 涼:「きみが休暇をとるのがいいことなのもわかる」
御凪 涼:「均整がとれなくなるだろう」
鈴掛 喜一:「いいこと……かはわかんないですけど……」
鈴掛 喜一:「結局家でごろごろして終わるかもだし」
鈴掛 喜一:「そういうもんか」
御凪 涼:「あ」
御凪 涼:「舞なら見せられるよ」
鈴掛 喜一:「出た、舞」
御凪 涼:「それしか出すもの無いからね」
鈴掛 喜一:「涼さん大体の話を舞に持ってくでしょ」
御凪 涼:「…そう、なの、かな?」
御凪 涼:「そうかもしれない…?」我が身を振り返ることがない。
鈴掛 喜一:「涼さんこそ、舞をオフにしたりはしないんです?」
鈴掛 喜一:「しないか」面白げに笑っている。
御凪 涼:「舞をしないでどうやって、なにかを伝えればいいかわからないな」
御凪 涼:「……あ、言葉か」
鈴掛 喜一:「俺なんか、喋りすぎってよく怒られますけどね」
鈴掛 喜一:「はー、ほんとなんか……初めて会ったタイプなんで、面白いな」
御凪 涼:「そう?」
御凪 涼:「なんだか、喜一くんは話しているのに、何も伝えたくないみたいで」
御凪 涼:「私もそれは面白くて好きだな」
鈴掛 喜一:「…………」
鈴掛 喜一:「そういうとこー」
御凪 涼:「む」
鈴掛 喜一:「そういうとこっすよ涼さん、面白いっつうか」
鈴掛 喜一:「ズキっとするっていうかさ」
御凪 涼:「不快?」
鈴掛 喜一:「や、別にそういうわけじゃない……かな」
鈴掛 喜一:少し考えて。
鈴掛 喜一:「ないみたいっす」
御凪 涼:扇をぱちんと広げる。「なら、良かった」
御凪 涼:薄く微笑む。
鈴掛 喜一:「まあ、おれもしばらく休みなんで、あんまりこうしておしゃべりもできないかもしれないし」
鈴掛 喜一:「ちょっとした刺激になりましたわ。どーも」
鈴掛 喜一:「……また、休みが明けたら。町中でぶらっと会うかもだけど」
御凪 涼:声色の揺れ、果たしてそこに滲む情を、読み取ることはしない。
御凪 涼:面白い、というのなら。それを判断することも、面白いと言えるかもしれない。
御凪 涼:そこまでぼんやりと、言葉に昇るまでもない思考が霧散した。

GM:それから、少しだけ後のこと。

【雨宿町・路上・夜】

GM:雷雨の夜だった。近頃は珍しくもない。
GM:あなたは道を歩いている。
御凪 涼:傘を持つ習慣がないので、打たれっぱなし。遠雷の音が臓まで響くような感触を転がしている。
GM:明かりはそこそこ少ない辺りの街角。住宅街だった。
GM:あなたがそうしてさまよっていると、足音がひとつ。
GM:ぱちぱちと、一瞬、火花のようなものが見えた、ようでもあった。
鈴掛 喜一:「…………」


鈴掛 喜一:一般人ではあり得ない、機械の義眼をした青年が足早に少し先を行き過ぎた。
御凪 涼:光を一瞬眺めて、それから。
御凪 涼:「きい、」
鈴掛 喜一:急いで眼帯で義眼を隠す。
鈴掛 喜一:あなたの声が聞こえたのかどうかは、わからない。
鈴掛 喜一:ただ、鈴掛喜一は普段とはまるで違う、真面目な顔で道を急いでいる。
御凪 涼:それをなぜだか、やっと紗が払われたような感覚が過ぎる。
GM:遠くで、サイレンの音が聞こえる。
GM:だんだん、近付いてくる。
GM:彼が現れた道の先では、人の声も聞こえているようだ。
御凪 涼:(…あれ)
御凪 涼:そちらの方を遠目に認める。
GM:何か少し騒ぎになっていることはわかるだろう。
GM:「大丈夫ですか」というような声も。
御凪 涼:悪いことが起きていることが分かる。近づいていく。
鈴掛 喜一:そのまま鈴掛喜一は、明かりのない裏道へと姿を消してしまう。
GM:どうやらその先では、人が倒れ、もうすぐ救急車や警察が来る、という状況のようだった。
御凪 涼:鈴掛さんに声を再度かけようとして、そこには暗がりだけが残っている。
御凪 涼:休暇という言葉が思い出される。うまく噛み合わない。
御凪 涼:体中が冷たい中に、予感がより冷たく脳に降りてくる。
御凪 涼:紫檀の香りが湿度を帯びて、重く深く纏わりつくようだった。

GM:ここで情報収集判定が可能です。
GM:項目はひとつ。

★鈴掛喜一について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉5


御凪 涼:素振りで、UGNにしてみようかな
御凪 涼:4DX+0+0@10>=5
DoubleCross : (4DX10>=5) → 10[2,5,6,10]+5[5] → 15 → 成功

GM:みんな高いね
御凪 涼:全知全能
GM:成功! 開示します

★鈴掛喜一について〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉5
鈴掛喜一は支部及びカヴァーの職場で溜まっていた有休消化を報告している。
ただし、突然借りていた物品を同僚に返すなどの清算行為をしており、少し不審がられていたようだ。
また、あなたが彼を見かけた深夜の現場は事件性ありと見られ、現在警察が管理をしている。
捜査をしている、R対策課の刑事に話を聞けるだろう。
→★鈴掛喜一について2〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉7 が調査可能になりました。


GM:これも次シーン以降の調査が可能です
御凪 涼:身辺整理…?

GM:ロイス取得のみできます。
御凪 涼:鈴掛さんに 〇関心/嘘の匂い
御凪 涼:で取得して以上!
GM:嘘の匂い……


オープニング3 戌淵賢人


GM:登場侵蝕をお願いします。
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 6)増加 (35 → 41)

【雨宿町・雨宿署・三年前】

GM:それは、あなたがまだオーヴァードではなく、捜査一課の刑事で。
GM:今とは何もかもがまるで違っていた頃のこと。
GM:雷雨の夜だった。
GM:あなたの携帯端末に、妹の絵里子から電話があった。
戌淵 絵里子:「もしもし、兄さん?」


戌淵賢人:署内のデスクで資料整理中だったが、妹からの電話には必ず出る事にしている。
戌淵賢人:「絵里子か、どうした?」
GM:26歳になるあなたの妹は、町内に住み、町外で仕事をしている。
戌淵 絵里子:「うん、さっきちょうどお母さんから電話があって」
戌淵 絵里子:「なんだか兄さんに会いたがってたよ? 帰ってあげなよ、ってだけ」
戌淵 絵里子:「遅番だったかな。ごめんごめん」
戌淵賢人:「いや、構わないさ」
戌淵賢人:「そうか、そう言えばしばらく帰っていなかった」
戌淵 絵里子:電話先からは、外の音が聞こえる。外出中らしい。
戌淵賢人:「忙しくてな」
戌淵 絵里子:「知ってるー」
戌淵 絵里子:「身体壊す前に休んでね?」
戌淵賢人:「ん、気を付ける」
戌淵 絵里子:「そりゃ、兄さんたちのおかげでこうして私も夜道を帰れるんだけどさ」
戌淵 絵里子:声は少しだけ心細そうだ。
戌淵賢人:「今、帰り道か」
戌淵 絵里子:もしかすると、夜道を警戒してこの電話をしているのかもしれない。
戌淵 絵里子:「そう。なんか雨が降りそうだし……」
戌淵賢人:「…本当に遅くなったりするときは」
戌淵賢人:「言ってくれれば車くらい出す」
戌淵 絵里子:「ふふ、VIP待遇だね」
戌淵 絵里子:「まあ、そこまでは大丈夫大丈夫。この辺明かりあるし」
戌淵 絵里子:「……あ、降ってきた」
戌淵賢人:「雨か」と言って窓の外を見る
GM:少しずつ、雨音が大きくなってきている。
戌淵賢人:「傘は持っているのか?無理せずタクシーとか使っても良いんだぞ」
戌淵 絵里子:「傘、買わないと……」
戌淵 絵里子:「ひゃっ」
戌淵 絵里子:雷鳴が響いた。
戌淵賢人:「どうした?」
戌淵 絵里子:「雷! 怖いし雨だし」
戌淵 絵里子:「ちょうどコンビニあるから、寄ってくね」
戌淵賢人:「しばらく雨宿りしておけ」
戌淵 絵里子:「そうするー。兄さんも気をつけて帰ってよ」
戌淵賢人:「そうだな、あと30分くらいであがる」
戌淵 絵里子:「じゃあ、一旦切るから!」
戌淵 絵里子:「あ、お母さんに会いに行ってあげてね!」
戌淵賢人:「わかった」
戌淵賢人:(30分後にまだ降っていたら、電話して迎えにいってやるか)
戌淵 絵里子:せわしない様子で、電話は切られる。
GM:雨は本降りになっており、焦っていたのだろう。
GM:30分後、雨はまだ降り続けていた。
戌淵賢人:「フゥー…」
GM:雷も、ずっと轟いている。
戌淵賢人:「この分じゃ、まだ雨宿り中か」
戌淵賢人:コーヒーを飲みほし
戌淵賢人:スマホ画面をタップして妹の電話番号を選択する
GM:…………
GM:反応はない。
戌淵賢人:(…無理して帰ったのならずぶ濡れだろう。シャワーでも浴びている可能性もある)
戌淵賢人:デスクのを片づけ退勤の処理をしつつ
戌淵賢人:何度か電話をかける
GM:…………
GM:反応はない。
戌淵賢人:「…」
GM:何度かけても。そうして。
GM:入れ替わりのように、廊下に足音が響く。
刑事:「戌淵さん」
戌淵賢人:慌ただしい足音は嫌いだ。
刑事:ドアを開け、同僚が入ってくる。
戌淵賢人:ロクな報告が来たためしがない。
刑事:「通報がありました。女性がひとり、死亡していると……」
戌淵賢人:「どうした、俺はもうあがるが」
刑事:「人が足りないんで、すぐに現場に向かって欲しい、と」
戌淵賢人:妹の事が一瞬、頭によぎる。
戌淵賢人:「仕方ねーな」
戌淵賢人:また妹に怒られるだろう。
戌淵賢人:だが街の平和を守るのが。
戌淵賢人:「俺の仕事だからなぁ」
戌淵賢人:「現場は何処だ?」
刑事:「はい、新市街の二丁目三番」
刑事:「コンビニのすぐ近くですね」
戌淵賢人:「…」
刑事:「死亡している、ってのも変な通報ですが……見に行かないと」
戌淵賢人:絵里子の帰宅ルートに近い
戌淵賢人:「発見者は家族か?」
刑事:「いえ、それが……」
刑事:「不明ですね。通報の声から男性ではあったようなんですが」
刑事:「他の目撃者が来た時にはもう、誰もいなかった、と」
戌淵賢人:「不明?その辺は住宅地だろう、部屋で死んでるなら…他の目撃者?」
戌淵賢人:「現場は…屋外なのか?」
刑事:「はい、路上で倒れていた、と」
刑事:「現場には本人の鞄とビニール傘」
刑事:「それと……ああ、待ってください。今連絡が……氏名が」
刑事:「…………」
刑事:「戌淵、絵里子さん?」
戌淵賢人:不安が
戌淵賢人:頭をおかしくする。
戌淵賢人:「何を…言った」
戌淵賢人:「悪い、聞こえなかった」
刑事:「いや、その……」
刑事:「戌淵絵里子さんが、鞄の中の身分証明書からわかった、被害者の氏名、のようです」
戌淵賢人:返事を待たず走り出していた。
戌淵賢人:聞き間違いか悪い冗談だ。
戌淵賢人:「迎えに…行かないと」
戌淵賢人:「雨が…降っている」

GM:結論から言うと、あなたの妹が帰ることはなかった。
GM:事件は十分な証拠も見つからずに
GM:いわゆる迷宮入り。
GM:……三年前の話だ。


【雨宿町・路上・現在】

GM:……そうしてあなたは今、オーヴァードとしてR対策課にいる。
GM:あなたが所属している雨宿署は、いかんせん小さな町の小さな署だ。
GM:R対策課の人員も非常に少数、何らかの事件の対策本部が開かれても、半数以上は別部署からの助っ人という形になる。
GM:こちらの気弱そうな巡査もそのひとりだ。職業柄、レネゲイドについては把握済み。
佐崎 るり:「傷害事件かあ……」
佐崎 るり:「最近、『こっち』系の事件が多くて大変ですよね」
佐崎 るり:「私まで駆り出されるのは、こう、大丈夫かな……って感じがしますが……」


【佐崎るり・雨宿署生活安全課巡査】

GM:あなたたちの行く手には、封鎖された事件現場がある。
GM:雨に濡れた地面に人型の印がチョークで描かれ、幾らかのマーキングが施されているようだ。いつもの現場だ。
GM:人為的な襲撃事件。犯人は逃走したと見られ不明。被害者は重態の状態で病院に搬送され。現在も意識不明。
戌淵賢人:「人手が足りねぇんだ、文句は言えん。それに」
戌淵賢人:「警察の仕事を他に任せる理由はない」
佐崎 るり:「それはそうですけどー、だから私があちこちお使いに行く羽目にー」
佐崎 るり:「その辺、やっぱり縄張り意識みたいなのですかね……」
佐崎 るり:「戌だから?」
戌淵賢人:「佐崎ィ」
戌淵賢人:ギロリと睨む。
佐崎 るり:「はいぃっ」
佐崎 るり:「ごめんなさいー! 調子に乗りましたー!」
ライラプス1号:「ワフ」
佐崎 るり:「ぴゃっ」
戌淵賢人:「俺達は警察だ」
佐崎 るり:「……はいっ」
戌淵賢人:「そういう事件だろうとなかろうと」
戌淵賢人:「仕事をするんだ」
佐崎 るり:「……き、肝に銘じます!」
佐崎 るり:怯えているようだが、真面目な顔をしている。
戌淵賢人:小型犬がそんな彼女を見ている
佐崎 るり:「あ、仕事。ええと、これ、被害者の容体なんですけど」バインダーに挟んだ書類をめくる。
佐崎 るり:「戌淵さんたちが出ることになった理由が、多分これですよね」
佐崎 るり:「電撃……電気ショック。感電」
佐崎 るり:「熱傷と心臓への強い負荷」
GM:あなたはその症状に聞き覚えがあるだろう。
GM:ありすぎるほど。
戌淵賢人:「…貸してくれ」
GM:三年前の殺人事件と全く同じ症状だ。
戌淵賢人:バインダーを受け取り食い入るように読み込む。
佐崎 るり:「はい、どうぞっ」
戌淵賢人:「なるほど」
佐崎 るり:「なるほどです!」
戌淵賢人:(これは…当たりか?)
佐崎 るり:「当たり?」
戌淵賢人:「気にするな」
佐崎 るり:「はあ……」
戌淵賢人:(まだ確定じゃねえ、だが)
戌淵賢人:「この情報は、ピカピカの連中には伝わってんのか?」
佐崎 るり:「ええと、こっちにはその話は入ってないですね」
佐崎 るり:「でも、なんかしらで知ってるんじゃないかなあ、あの人たち」
佐崎 るり:「……オーヴァード、すごいなあって思いますね」
戌淵賢人:「連中が嫌いってワケじゃねえが」
戌淵賢人:「被害者がいて加害者が居る以上、これは警察の案件だ」
佐崎 るり:こくこくと頷く。
戌淵賢人:「好き勝手されるわけにはいかねえ、知らぬ間に終わって警察に事後報告だけが届くのはダメだ」
佐崎 るり:「わかります! 私もしっかりお仕事しますから!」

GM:ではここで、情報収集判定を行うことができます。
GM:項目はひとつ。

★襲撃事件の現場について〈情報:警察〉〈情報:裏社会〉5


戌淵賢人:裏社会&警察手帳のパワーで判定します
GM:どうぞ!
戌淵賢人:コネ:情報屋の力も使い
戌淵賢人:3dx+2
DoubleCross : (3DX10+2) → 8[1,3,8]+2 → 10

GM:あっさり
GM:成功です。開示します。

★襲撃事件の現場について〈情報:警察〉〈情報:裏社会〉5
争っていた形跡はなく、被害者は電気ショックの一撃で昏倒したようだ。
雷雨によりかなり痕跡が流れてしまっているが、現場にはレネゲイドの気配がある。
眼帯をしたという男性が目撃をされているが、すぐにその場から立ち去り、行方不明のままだ。
現場付近を訪れていたという、別のオーヴァードに話を聞けるかもしれない。
→御凪涼と合流が可能になりました。
→★雨宿町の殺人事件について〈情報:警察〉〈情報:裏社会〉6 が調査可能になりました。


GM:現場を調べ、他の刑事に話を聞くと、上記のことがわかりました。
戌淵賢人:「どうせ、嗅ぎ付けられるだろう。ピカピカ以外にも耳聡い連中もいる」
佐崎 るり:「それはそうですね……」
佐崎 るり:「あ、でもなんだか目撃者がいるみたいで」
佐崎 るり:「そちらに話を聞けば、上手いこと……こう……なのでは?」
佐崎 るり:一生懸命に話している。
戌淵賢人:「そうだな、それでいいだろう」
戌淵賢人:「あとな、佐崎」
佐崎 るり:「はいっ」
戌淵賢人:「もう少し自信を持て」
佐崎 るり:「ひえっ」
佐崎 るり:「も、持ちたいですけどー」
戌淵賢人:「警察が不安そうな顔すると市民が不安になる」
佐崎 るり:「電撃とか使う人?相手に……」
佐崎 るり:「…………」
ライラプス1号:「ワフ!」
佐崎 るり:「ひゃい」
佐崎 るり:「が、頑張ります! 自信、持ちます!」
佐崎 るり:「佐崎るり巡査、これでも警察組織の一員ですからっ!」
戌淵賢人:「よし」
戌淵賢人:ライラプスの頭を撫でる
ライラプス1号:「くぅーん」
戌淵賢人:「目撃者だったな、話を聞きに行こうか」
佐崎 るり:「はいっ!」

GM:ロイス取得のみできます。
戌淵賢人:シナリオロイスが固定ロイスなので
GM:そうなのだ
戌淵賢人:佐崎さんに取っておこうかな
GM:わーい
戌淵賢人:佐崎 るり/信用○/不安/ロイス
戌淵賢人:以上で
GM:ありがとうございます


オープニング4 四緒 ツツリ


GM:登場侵蝕をお願いします。
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を1D10(→ 10)増加 (34 → 44)
GM:どかん
四緒ツツリ:ぎゃす!

【雨宿町町役場・地域親交課】あるいは【UGN雨宿支部・司令室】


GM:とある秋の日。
GM:イリーガルであるあなたが呼び出されたのは、いつも通り町役場の一室だった。
GM:どこにでもある白っぽい事務室だが、所属人数は町の規模のわりに多い、そういう部署だ。
GM:裏では、UGNの支部として使用されている。
八千代 路夜:「いつもありがとうございます、四緒さん」

【八千代路夜・地域親交課課長】あるいは【"リーチパーチ"・UGN雨宿支部支部長】


八千代 路夜:髪を一つ結びにした、落ち着いた様子の女性。この町のUGN支部長だ。
四緒ツツリ:「どういたしまして。あ、つまらないものですが」
八千代 路夜:「あら、これはどうも」
四緒ツツリ:金髪に、男物の和装の少女だ。打掛を羽織っている。
四緒ツツリ:芋羊羹の袋を、テーブルに置く。
八千代 路夜:「後でみんなでいただきましょうか」
八千代 路夜:穏やかに笑う。あまり動揺したところを見せない人、という印象。
八千代 路夜:「四緒さん、若いのにちゃんとして、とか言われない?」
四緒ツツリ:「ふふ、私のことは知っているでしょう」
四緒ツツリ:「あちこちふらふらしている道楽者扱いされていますよ。なにせ、この町にも興味のあることばかりだ」
八千代 路夜:「興味を持っていただけるのは、とてもありがたいな」
八千代 路夜:「こちらも、そういう人にお願いをできる方が……そう、モチベーションとかの問題ね」
四緒ツツリ:「本当にまた来たいと思っていたのですよ。お呼び立ていただけて、こちらこそ感謝したいくらいです」
八千代 路夜:「それは何より」
四緒ツツリ:「地域振興課……UGN雨宿支部というべきかな」
八千代 路夜:「ええ。支部として、今日は四緒さんに依頼があります」
八千代 路夜:それから、ふと目を窓の方にやる。
八千代 路夜:雨が降っている。一瞬、稲光。
四緒ツツリ:「はい、どういったお話でしょう」姿勢よく座っている。しかし目は期待に輝いているようだ。
八千代 路夜:「もう降ってきた」
四緒ツツリ:「今のは、近かったですね」
八千代 路夜:「……あの天気の話も、依頼のひとつ」
八千代 路夜:「最近、多いでしょう。雷が鳴ったり落ちたり」
八千代 路夜:「大きな落雷はまだ起きてないみたいだけど」
四緒ツツリ:「それはまあ、そうですが」
四緒ツツリ:「稲穂の妻と書いて稲妻です。秋口には多い物でしょう」
八千代 路夜:「それが統計的にはね、去年の倍くらいは雷雨が続いてる」
八千代 路夜:「もしかすると、まだ続くかもっていう話なの」
四緒ツツリ:「ほう」
八千代 路夜:「他所ならまあ、それも異常気象でいいんだけど」
八千代 路夜:「うちはね、変わったことが多い地域だから……」
四緒ツツリ:「”あやし”の町ですからねぇ。見過ごせないと」
八千代 路夜:「そう。四緒さんは雷獣って知ってる?」
GM:ここで、情報収集判定を行うことができます
四緒ツツリ:はいな!
GM:項目はひとつ。

★雷獣について〈情報:噂話〉〈知識:レネゲイド〉5


四緒ツツリ:器物使いの効果で能力訓練:社会と一体化して振ってもよいでしょーかっ
GM:よかろう!
四緒ツツリ:やった~ 噂話で
四緒ツツリ:5dx>=5
DoubleCross : (5DX10>=5) → 8[1,3,4,4,8] → 8 → 成功

GM:ばっちりだ
四緒ツツリ:あ、あぶない
GM:では、開示します。

★雷獣について〈情報:噂話〉〈交渉〉5
雨宿町に現れるあやしの一種。雷または電気に宿るレネゲイドビーイング。
そのままでは外のRBと変わらない、純粋なレネゲイド存在だが、機械類に取り憑くことがある。
過去には雷獣たちを束ね操る強力な長のような個体が存在し、周囲に害を為し、封印された。
名は『破多々』。現在は町の羽心神社に安置されており、UGNが調査をしているという。
→石神井寅彦と合流が可能になりました。
→★破多々について〈情報:UGN〉〈情報:学問〉〈知識:歴史〉7 が調査可能になりました。


GM:これは、後半は支部長から聞いた方がいいかな
四緒ツツリ:は~い
GM:前半はご存知で大丈夫

四緒ツツリ:「……一般には、雷とともに落ちてくるなどとされる、四足獣の妖怪のことですが」
四緒ツツリ:「八千代さんが仰るということは、”あやし”の雷獣のことですね」
八千代 路夜:「そういうこと」
四緒ツツリ:「勿論知っていますとも」どことなく自信げ。
八千代 路夜:「さすがは四緒さん」
四緒ツツリ:「雷や電気を起源にし、時には機械と一体化する……まあ、よく話を聞くRBではありますね」
四緒ツツリ:「ふふん」
八千代 路夜:「そう。さほど害を為すようなものではないし、普段は数もそれほどではない」
八千代 路夜:「でも、この雷雨のせいか、最近目撃情報が多いの」
八千代 路夜:「あと、これね。資料室から出してもらったものなんだけど」
八千代 路夜:どさりと、古めの文献が出てくる。
四緒ツツリ:「起源が多ければ発生も増えるか……おお、これは?」
八千代 路夜:「昔は厄介な個体が出てきたっていう話もあったとか」
四緒ツツリ:古い文献を見ると無性に興奮しがちだ。誰も知らない情報が載っているかもしれないから。
八千代 路夜:「取り越し苦労かもしれないけど、またそういうことがあっても困るでしょう?」
八千代 路夜:文献はご自由に見て、と示す。
四緒ツツリ:「厄介、というと。痺れる程度では済まないのでしょうね」
八千代 路夜:「そうね。封印をされたとあるくらいだから」
四緒ツツリ:さらさらと古い紙に触れる、その手にはいつの間にか白い手袋がはめられている。
八千代 路夜:「相当暴れ回ったみたい」
四緒ツツリ:「それは興味深い……して、八千代さんは」
四緒ツツリ:「この雷獣の親玉が、また現れる……現れたとお考えなのですか?」
八千代 路夜:「可能性はいつでも否定できない」
八千代 路夜:「気が付いてしまったら、調べなきゃ」
八千代 路夜:「『見てしまったら終わり』よ。いつもの通り」
四緒ツツリ:「ええと……”破多々”、でいいのかな」そのものを指す名称を見つける。
八千代 路夜:「そうね。『はたた』は雷の意味らしいから」
四緒ツツリ:「ふふ、蚊帳の外よりは、ずっとこちらの方が好きです」
八千代 路夜:「よかった。調査をお願いしても?」
四緒ツツリ:「もちろん。この四緒ツツリに、どんとお任せください」
八千代 路夜:「頼もしい」微笑む。
四緒ツツリ:「これらはまだ見ていても?」資料の層を指して。
八千代 路夜:「ええ、もちろん」
八千代 路夜:「ああ、そうだ。その資料にも載っていると思うんだけど」
八千代 路夜:「その破多々の封印を管理している神社があって」
八千代 路夜:「今、そちらの依頼でうちのエージェントをひとり派遣したの」
八千代 路夜:「石神井くんっていうんだけど」
八千代 路夜:「もしかすると、近い案件かもしれない。話してみたらわかることもあるかもね」
四緒ツツリ:「石神井さん、了解です」
八千代 路夜:「……関係、ないといいとは思うんだけどね」
八千代 路夜:ふう、とため息。
四緒ツツリ:「いずれにせよ神社には向かうでしょうし……それも確かめてきますよ」
八千代 路夜:「全部取り越し苦労ならいいのよねえ、うちの仕事も」
四緒ツツリ:「気を回すのはわかりますが、どうもご心配な様子ですね」
八千代 路夜:「お願いします。頼りにしてるから」
八千代 路夜:「それはそうよ、最近何かと忙しくって」
八千代 路夜:「夏祭りもバタバタしたし……」
八千代 路夜:「続くでしょう? こういうことって。気を引き締めないと」
四緒ツツリ:「私のところにも妙な話が多く入ってくるようになりましたよ。たいていは四方山話ですが」
八千代 路夜:「情報屋さんね」
四緒ツツリ:「引き締め続けてもつらいでしょう。兜の緒を締めるのは大勝した時くらいにしておかないと、頭が痛くなってしまいますよ」
八千代 路夜:「もう頭を痛めてるんだけどね……」苦笑
八千代 路夜:「そう、情報といえば、調査部にも依頼をできますから……」
四緒ツツリ:「気楽なほうが、情報も回りやすくなる、というものです」
八千代 路夜:「ただ、今エースがお休み中なのよね」
八千代 路夜:「知ってたよね。鈴掛くん」
四緒ツツリ:「調査部のエース……?」
四緒ツツリ:「いや、はい。鈴掛さんは存じております」エースなのか……という表情。
八千代 路夜:「そうよ。あれで昔から有能調査員」
四緒ツツリ:「それは困りました。今回は支部長から直々の依頼ということで」
八千代 路夜:「エースはまあ冗談だけど、少し人員が不足してるってくらいかな」
四緒ツツリ:「どうにかしてUGNの情報収集ツールの技術を盗ませてもらおうと思っていたのですが……」
八千代 路夜:「盗まれるのは困るなあ」
八千代 路夜:くすくす笑っている。
四緒ツツリ:「にしたって鈴掛さんはけちがすぎるのです」思い返して頬を膨らませている。
八千代 路夜:「ふふ、復帰したら言ってあげて」
四緒ツツリ:「わかりました。驚かせてあげますよ」
四緒ツツリ:「情報通の腕前を見せつけて……教えざるを得ないように」
八千代 路夜:「その意気!」
四緒ツツリ:「ふふん。……しかし、この後もずっと雨降りが続くようでしたら」
四緒ツツリ:「先に神社に行った方が良いですかねえ。石神井さんも、雨の下で話し続けることはないでしょうし」
四緒ツツリ:「雨に降られても気にもしない御仁というなら別ですが……」
八千代 路夜:「それがいいかもね」
八千代 路夜:「多分気にはすると思うな。服装とか気を使ってると思うし」
四緒ツツリ:「了解しました。それでは、一度お暇いたします」資料の層を丁寧につむ。
八千代 路夜:「はい。では、"シャラシャ"。雷雨現象および雷獣についての調査をお願いしますね」
四緒ツツリ:「承りました。遠からず、紐解いて御覧に入れましょう」
四緒ツツリ:立ち上がり、打掛を脱ぐ。
四緒ツツリ:くるりと裏返すと、茶色のレインコートに変わっている。再び袖を通す。
四緒ツツリ:「刺激的な秘密が、あればよいのですが……」
四緒ツツリ:支部を後にする。その足取りは、はしゃいでいるように雨を散らした。

GM:ロイス取得のみできます。
四緒ツツリ:八千代路夜/〇上品/不安 で取得します~ 綺麗な女性
四緒ツツリ:いじょ!
八千代 路夜:ふふ


ミドル1 警察


GM:登場PCは涼さんと戌淵さん。登場侵蝕をお願いします。
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を1d10(→ 2)増加 (34 → 36)
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 5)増加 (41 → 46)

GM:合流兼情報収集シーンです。
GM:2人ずつ合流して情報共有などをしていこうねという感じの流れですね。
GM:なお、判定失敗時は侵蝕1d5の振り直しで再度判定が可能です。
GM:また、その都度目標値は1ずつ下がっていきます。
GM:現在判定できる項目は以下の通り。

★鈴掛喜一について2〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉7
★雨宿町の殺人事件について〈情報:警察〉〈情報:裏社会〉7


GM:まず判定をどうぞ
戌淵賢人:では殺人の方を
御凪 涼:喜一さんのほうをやります
GM:どぞ!
戌淵賢人:コネ:情報屋と警察手帳の効果を使います
御凪 涼:〈情報:噂話〉にしとこうかな
戌淵賢人:3dx+2>=7
DoubleCross : (3DX10+2>=7) → 8[3,5,8]+2 → 10 → 成功

御凪 涼:んー。まあ【情報収集チーム】使います。達成値+2
御凪 涼:4DX+2+0@10 情報
DoubleCross : (4DX10+2) → 5[2,4,5,5]+2 → 7

GM:ナイス判断
御凪 涼:つかっててよかった
GM:では二個とも成功で開示!

★鈴掛喜一について2〈情報:噂話〉〈情報:UGN〉7
現在、鈴掛喜一とは連絡が取れなくなっている。
しかし、旧市街の人気のない地域で、彼らしき人物が雷獣らしき光体と共に居るところが目撃されている。
眼帯は外しており、『片目が同じように光っていた』と報告がある。
彼の義眼と雷獣には、何か繋がりがあるようだ。
→全員合流後のシーンで同地域に向かい、鈴掛喜一とのミドル戦闘が発生します。



★雨宿町の殺人事件について〈情報:警察〉〈情報:裏社会〉6
特殊な地域であり、近代に入ってからも未解決事件はそれなりに存在する。
今回の事件に関わりがありそうなものは昭和初期に記録されている『十三人殺し』。
被害者の死因、周辺の様子、雷雨の記録、犯人不明など、三年前や今回と状況が酷似している。
同様のレネゲイド犯罪の可能性がある。UGNと協力を行えば、情報が得られるだろう。
→石神井寅彦、四緒ツツリと合流が可能になりました。



【雨宿町・純喫茶『ラマンチャ』】

GM:あなたは調査部の時田久則から、鈴掛喜一に関する情報をいくらか入手した。
GM:時田はいつもの苦々しげな顔のまま、鈴掛に関する何やら怪しい話を聞かせてくれた。
GM:「何かやらかしているなら、殴ってでも連れ返してきてくれ」
GM:そういう伝言も一緒に。
GM:そんな折り、あなたに警察からのコンタクトが。
GM:あなたは、町の喫茶店で彼らと同席をすることになった。

佐崎 るり:「えっと、前にお会いしましたよね……御凪さん」
御凪 涼:「ああ、あの時は兄がお世話になりました」
佐崎 るり:「はあ、もうなんかすごい話しかけられました……じゃなくて」
御凪 涼:「そちらは」
御凪 涼:こういう場では何かを注文しなくてはならない。迷って紅茶を注文することにした。
御凪 涼:「刑事さん…警部さん?かな」
戌淵賢人:「…顔見知りか?」
御凪 涼:「前に私の兄が、容疑者候補になったことがあって」
御凪 涼:「そのときに来てもらったので。ね」
佐崎 るり:「UGNの支部にお使いに行った時ですね」
佐崎 るり:「なので、身元はしっかりした方です」
戌淵賢人:「しっかり、か」
戌淵賢人:「無辜の一般市民ではないと言う意味だな?」
御凪 涼:(しっかり、はじめて言われたかもしれない)
御凪 涼:身元の話だが。「ああ、はい」
御凪 涼:《空の楽器》で二人にだけ聞こえる羽ばたきの音を鳴らす。
戌淵賢人:「まぁいい。それなら話は早いし」
戌淵賢人:「気を使う必要もねぇ」
御凪 涼:「うん。大丈夫です」
佐崎 るり:「?」聞こえていない。
ライラプス1号:「ワフッ!」音を聞いてキョロキョロしている
御凪 涼:「あ、犬だ」
ライラプス1号:音が何処から出ているかわからないので
御凪 涼:安心させるために細い指で耳の辺りを触っている。「ここだよ」
ライラプス1号:「?」
ライラプス1号:良く解らんという顔で戌渕の足元に座り込んだ。
御凪 涼:「ふふ」
御凪 涼:「…あなたの犬か。失礼」
御凪 涼:「話を聞こうと思っていたんだけど、夢中になってしまった」
戌淵賢人:「…お前が目撃者という事で間違いないんだな」
佐崎 るり:「い、戌淵さん、聞き方……」
御凪 涼:「はい」気にせず笑う。
戌淵賢人:「普通の市民になら普通の対応だってするさ」
戌淵賢人:「何を見た」
御凪 涼:「人を。その人は知己で、オーヴァードだ」
御凪 涼:「今は連絡も取れないし、どこにいるかも分からない」
御凪 涼:調査部と、UGNにもともとあった個人資料を二人に渡す。
佐崎 るり:「……あ、この方も前にいらした……そっか……」
御凪 涼:彼らしき人物と光体。義眼の奇妙な光。
佐崎 るり:やはり支部で顔を合わせたことがある。
GM:では、それらの資料から戌淵さんはひとつ気付くことができるでしょう。
GM:その人物の勤怠記録。唯一休暇を取った日時は三年前。
GM:例の事件のちょうど次の日だと。
戌淵賢人:「こいつは、どういった人間だ」
戌淵賢人:「経歴などはいい、書いてあるからな」
戌淵賢人:「佐崎、それに御凪」
戌淵賢人:「お前達から見て、どういう人物だ?」
御凪 涼:「ふむ」
御凪 涼:紅茶は冷めているが、気にせず口をつける。香りのする水。
御凪 涼:離す。「佐崎さんから聞いていいかな」
佐崎 るり:「え、ええと。確か最初に会った時は、ドアが重かったのを開けてもらったんですよね」
佐崎 るり:「普通に優しくて、ちょっとなれなれしいなって思いました……けど、助かりました」
佐崎 るり:「眼帯は確かに目立ってましたけど、それくらい……かな」
御凪 涼:「たぶん、義眼であることはほとんど周りに言ってなかったんじゃないかな」
佐崎 るり:「逆に言うと、それくらいしか知らないです」
佐崎 るり:「そう。それはもう、全然何も……目が悪いのかなって思ってました」
御凪 涼:「秘密を作りたがる、というか」
御凪 涼:「踏み込まれたくないんだろうな、と私は思ってた」
戌淵賢人:(三年前…この日に…だがそれだけでは)
御凪 涼:「すごく話すけど、なにも言っていないような」
御凪 涼:「だから余計に話して辻褄を合わせてるみたいな感じ」
佐崎 るり:「ははー……」
御凪 涼:「だから、私もそこまで知っているわけじゃないよ」
戌淵賢人:「秘密を持つこと自体は誰にでもあるだろう、隠しごとの無い人間はそうそう居ない」
御凪 涼:「でも、隠すに上手い下手はあるだろう」
戌淵賢人:「ましてや自分の体の事だ、コンプレックスや偏見の目を考えれば不自然とまでは言えない…な」
戌淵賢人:「隠し方は上手いと思ったか?」
御凪 涼:「うん。上手いし、そういう振る舞いが染みついている気がする」
戌淵賢人:「…そうか」
御凪 涼:「…こういうと、なんだか私が犯人にしたがっているみたいだな」
戌淵賢人:「3年前、同じような事件が起きている」
戌淵賢人:「その時は殺人だ」
御凪 涼:「……」
戌淵賢人:「そして、この男が休みを取ったのは事件のあった夜の翌日だ」
戌淵賢人:「犯人かどうかと言えば疑わしい…疑わしいが」
戌淵賢人:自分の独自の事件ファイルから古い新聞記事の切り抜きを机の上に置く。
戌淵賢人:「似ているというのであれば、これもだ」
御凪 涼:「だいぶ前だな」
佐崎 るり:「本当に古い記事、ですね」
戌淵賢人:『十三人殺し』昭和の新聞記事、またその状況をおどろおどろしく書いた三文雑誌。
戌淵賢人:「そいつはそんな時代から生きているような男ではないだろう」
御凪 涼:「ふふ。だったら驚くな」
御凪 涼:「…彼の目撃情報に、光体と共に居るものがあったらしい」
御凪 涼:「この町だと、あやしと言うのだったかな」
御凪 涼:「もしかすると、それは昭和や…あるいはもっと昔から、あったりするのかもしれない」
戌淵賢人:「町に溶け込んで問題を起こさずに暮らしている連中はな」
御凪 涼:「じゃあ、これは、あなたならなんと呼ぶ」
戌淵賢人:「だが街に潜んで害をなすなら、そんな優しい呼び方をしてやる必要はない」
戌淵賢人:「人喰いでも化け物でもなんでもいい。あやし…というなら怪とかでもいい」
御凪 涼:「怪。いいね」目を細める。
戌淵賢人:「鬼というのも呼び名の一つだな」
戌淵賢人:「鬼、鬼門、邪鬼。良くない事は須らく鬼や怪の仕業で片づけられる」
戌淵賢人:「そういうのは嫌いだがな」
御凪 涼:「刑事っぽくはないな。事実、起こりえてしまうんだけど」
戌淵賢人:「実態が無いという事で片づけたくはねぇって事だよ」
御凪 涼:「じゃあ、私はその実態を探す手伝いをしようかな」
戌淵賢人:「事実があるなら、何かが居るんだ。なら裁かれるべきだ」
戌淵賢人:「お前が?」
戌淵賢人:値踏みする様に見る。
御凪 涼:「これでも手伝うのは得意なんだ」
御凪 涼:「そこそこの値はつけてもらえると思うな」
戌淵賢人:「そう言う言い草は主体性の無さと思われる」
御凪 涼:「ふふ」
戌淵賢人:「公費から出せる協力費はたかが知れている」
戌淵賢人:「ウチは零細部署なんでな」
戌淵賢人:「お前がこの事件を追う理由を言え」
御凪 涼:「ふたつある。ひとつは、私はこの町のあやしにまつわる…共鳴現象を知りたい」
御凪 涼:「これは、あらゆる事件への。それと」
御凪 涼:「今、ここだけの理由は。彼のことが気にかかるのさ」
御凪 涼:「このままだと、心残りになるかもしれない」
御凪 涼:「そういうのは、嫌だろう?」
戌淵賢人:「フッ…」
戌淵賢人:「好奇心は猫を殺すというぞ?」
御凪 涼:「そうなれば、犬が守ってくれたりしないかな」
戌淵賢人:「悪いが、俺は番犬じゃねえ」
戌淵賢人:「猟犬だ」
戌淵賢人:「自分の身は自分で守れ」
御凪 涼:「了解しました」困ったように微笑む。
戌淵賢人:「佐崎、協力費の申請を頼む」
佐崎 るり:「は、はい。了解ですっ」
戌淵賢人:「名乗ってなかったな、戌渕だ。あだ名はダルメシアン」
御凪 涼:「下の名前は?」
戌淵賢人:「細けぇ野郎だな」
御凪 涼:「あまり姓で人を呼ばないから」
戌淵賢人:「戌淵賢人だ」
御凪 涼:「そう。よろしく。私は御凪涼」
御凪 涼:「あっちだと…橋掛り、だったかな」
御凪 涼:「猟犬をうまく橋へ通してあげられるといいんだけど」
戌淵賢人:「ハッ、お前は踊り屋で十分だよ。御凪」
御凪 涼:「誉め言葉だ」嬉しそうに答えた。
戌淵賢人:「さて、気に喰わんが事情を聴く相手が増えたな」
戌淵賢人:「従業員の事は雇い主に聞くのが基本だ」
戌淵賢人:「ピカピカの社長に会いに行くしかない」

GM:では、ロイス取得と購入判定が可能です。
御凪 涼:戌淵さんにとっとこ 〇信頼/警察の人に慣れない
御凪 涼:購入は 戌淵さんなんかほしいものあります?
戌淵賢人:協力者/御凪 涼/協力的○/胡散臭い/ロイス
御凪 涼:あったらそれにしようかな
御凪 涼:胡散臭いw
戌淵賢人:HPがそれなりにあるので
御凪 涼:更に胡散臭い男がまだまだ出るドン
戌淵賢人:防具があればいいかな
御凪 涼:ボディマねらうか
御凪 涼:4DX+3+0@10 調達
DoubleCross : (4DX10+3) → 10[1,4,9,10]+1[1]+3 → 14

戌淵賢人:盾も買っておこう
御凪 涼:買えた
戌淵賢人:リアクティブシールドー
戌淵賢人:1dx+2
DoubleCross : (1DX10+2) → 9[9]+2 → 11

戌淵賢人:ダメ
御凪 涼:いちおう雫で10はかさませますが
戌淵賢人:勿体なくない?
御凪 涼:まだ最初だしな
御凪 涼:ですね
戌淵賢人:では失敗で
御凪 涼:じゃあボディマ 訊いたけど自分で着とこ まず
御凪 涼:以上で
GM:はあい


ミドル2 UGN


GM:登場PCは石神井さんと四緒さん。登場侵蝕をお願いします。
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を1D10(→ 8)増加 (44 → 52)
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を1D10(→ 1)増加 (33 → 34)
四緒ツツリ:高いって~
石神井寅彦:あっがんない
GM:対照的

GM:では、こちらも情報収集と合流を行っていきます。
GM:現在判定できる項目は以下の通り。

★羽心神社の宝物について〈情報:UGN〉7
★破多々について〈情報:UGN〉〈情報:学問〉〈知識:歴史〉8


GM:判定をどうぞ。
石神井寅彦:OPの続きになるし神社の宝物を調べようかな
四緒ツツリ:破多々について、情報:UGNで! コネ:UGN幹部と能力訓練を使用じゃぞい
GM:どうぞー
石神井寅彦:コネ使います 情報:UGN
石神井寅彦:5dx>=7
DoubleCross : (5DX10>=7) → 10[1,4,6,8,10]+8[8] → 18 → 成功

GM:くわしい!
石神井寅彦:すごい…
四緒ツツリ:7dx+1>=8
DoubleCross : (7DX10+1>=8) → 10[3,4,5,6,9,10,10]+5[1,5]+1 → 16 → 成功

石神井寅彦:やばい…
GM:なんだこの人たち
GM:エース……
四緒ツツリ:yatta……
GM:では開示していきます。

★羽心神社の宝物について〈情報:UGN〉7
来歴や力の強弱も様々だが、近い時期に使用されたと見られるEXレネゲイドは以下の三点。
・電封並四:破多々を封印していたラジオ。現在は破損しており封印の力が半減している。
・二十六年式拳銃・改:発射機構に対抗種レネゲイドの力が利用されている改造銃。現在も使用可能。
 オーヴァードには害を与え扱えないこと、特に要望があったことで神社での預かりとなっていた。
・雫玉:首飾り。非オーヴァードに、一時的にワーディングへの耐性を与える効果がある。玉の数は残り少ない。



★破多々について〈情報:UGN〉〈情報:学問〉〈知識:歴史〉8
雷獣と呼ばれるRBの一個体。少なくとも百年近く前にはこの町に存在していた。
その頃から恐らくはジャーム化しており、衝動のままに人を襲っては傷つけ、最悪殺害せしめていた。
山の主であるアテナシに対抗意識を持っていたようで、犯行は彼への当てつけも含めていたらしい。
封印されたが、破損により現在は半ば解放された状態。近頃起きた襲撃事件も、破多々の手によるものだろう。
襲撃事件については、警察が捜査を行っている。協力ができそうだ。
※雷雨は破多々の《天候操作》によるもの。また、以前は《ドミネーション》でジャーム"影灯籠"に協力をしたと見られる。
→御凪涼、戌淵賢人と合流が可能になりました。


GM:以上のことがわかりました。
GM:合流は次のシーンで行っていきます。


【古道具屋『長玄堂』】あるいは【UGN雨宿支部・レネゲイドアイテム研究室】

GM:外は、急に降り出した雷雨。
GM:取り急ぎ、同行者の店で雨宿りを、とあなたはここに駆け込んだ。
早川 彦山:「いやしかし、今年は本当に多いな……」
GM:周囲の棚には古びた道具が並んでいる。
石神井寅彦:「多いねー。洗濯モノ干してなくて良かったよ!」
GM:店の奥には研究室があるのだが、とりあえずはカヴァーの店の方にあなたたちは居る。
早川 彦山:「全くだ。そのせいでこの町はコインランドリーが多いんだよ」
早川 彦山:「……雷はさすがに、こうも光るのはなかなかない」
早川 彦山:タオルを手渡してやる。
石神井寅彦:「あっ、ありがと!」へらへら笑いながら受け取る。
早川 彦山:「……凜花ちゃんが心配するのもわかるよ、確かに」
早川 彦山:窓の外で一瞬光った空を見ながら。
石神井寅彦:湿った髪からシャツを順々に拭いて行く。今日は濡れてもいい靴で良かったなーと思っている。
石神井寅彦:「封印された『破多々』が悪いことしてるんじゃないかって? ああ、そう」
早川 彦山:「うん。雷ってのはまあ、恐ろしいからな……」
石神井寅彦:「そのこと絡みで、また別の子がこっちに来ることになったから、若い子」
早川 彦山:「おお、知ってる顔かな」
四緒ツツリ:店の外から、ぱちゃぱちゃと水溜りを踏む足音が近づいてくる。
石神井寅彦:「どうなのかな? 名前は…」言いかけたところで、音に気付いてそちらを見る。
四緒ツツリ:「ひぃ、早川のおじ様! ひどい雨だよ!」
早川 彦山:「お、ツツリくんか」
四緒ツツリ:レインコートの上にさらに羽織を傘にした少女が、店内に入ってくるなり、声を上げる。
早川 彦山:「……ああ、もしかして彼女かな。来るっていうのは」
石神井寅彦:「あ、そうそ! きっとこの子だね! 四緒ツツリちゃん」
四緒ツツリ:「多いとはおもったが、なんでまた私が出た後に雨脚が強くなるんだ! もーっ」ぷりぷりしながら布を下ろす。
早川 彦山:「はは、そりゃ運が悪かったな」
四緒ツツリ:「おじ様、笑ってないでタオル……んん」眼鏡のレンズについた水滴をぬぐい、店内を見る。
早川 彦山:「こっちは本降りになる直前に帰れて助かったよ」タオルをまた手渡す。
石神井寅彦:「どうもー」手をぷらぷら振る。
四緒ツツリ:「あ、どうも」タオルを受け取る。
早川 彦山:「こちらはエージェントの石神井くんだ。一緒に調べ物だってな」
四緒ツツリ:「えー、おほん。それはそれは」
早川 彦山:「で、四緒ツツリくん。古い店の子だから、うちとは馴染みでね」
四緒ツツリ:「”シャラシャ”、四緒ツツリだ。まあ、頼りにしてくれていい」ふぁさりとタオルをまとい、格好をつけています。
石神井寅彦:「おーっ、かっこいい」ニコニコしている。
石神井寅彦:「おれは”影追い”、石神井寅彦です。しゃっくんでもトラちゃんでも、お好きに呼んでね」
石神井寅彦:「早川さんと知り合いの古い店っていうと…、あれかな? 着物とか?」
四緒ツツリ:「ああ、よろしく……石神井さん」おじ様とのじゃれ合いを見られたので少し頬が赤い。
四緒ツツリ:「む……その通り。親が呉服屋をやっているよ」
石神井寅彦:「おっ、ビンゴだ。おれ詳しくないけど、それ絶対良い服だろうなーって思ったもん」
石神井寅彦:四緒さんの和装を見ながら言う。
四緒ツツリ:「しかし、私個人を指すなら……情報屋、と言うべきだろうけどね」額に張り付いた前髪をのけて、得意げに微笑む。
石神井寅彦:「えー、それは分かんなかった! 情報屋なの?」
四緒ツツリ:「真の情報通は町の裏に潜んでいるものだよ……まあ、今回は八千代さんに依頼されて、調べものだ」
石神井寅彦:「おー、キマッてる…頼りになりそう」感心するように頷いてから。
石神井寅彦:「あ、そうだった。ごめん、世間話しちゃって! "あやし"のことだよね、確か」
四緒ツツリ:「きまってる? そうかな……ふふん」
四緒ツツリ:「ああ、どちらかというとこの雷雨自体のことなのだけれど。”あやし”の、雷獣の関与について知りたくてね」
四緒ツツリ:「なんでも”破多々”なる親玉が、神社に封印されていたそうじゃないか」
石神井寅彦:「あー…」早川さんと顔を見合わせる。
早川 彦山:「うん、だいぶタイムリーな話題だな」
四緒ツツリ:「おっと、何かあったのかい? 三人寄ればなんとやら、情報交換をしようじゃないか」
石神井寅彦:「ふふふ。うん、じゃあちょうどおれ達が掴んできた情報を伝えさせていただきます!」
早川 彦山:「頼むよ」
石神井寅彦:「あれはつい数時間前のこと…曇り空の下、神社に向かったエージェント二人…」ふざけている。
早川 彦山:「そこははしょっていこうな」
四緒ツツリ:「なんだい、ずいぶん調子のいい人だなあ」
四緒ツツリ:「雨宿支部の男の人はみんなこんな感じなの?」早川さんに。
早川 彦山:「それは濡れ衣ってもんだ」
石神井寅彦:「あっはっは! 気楽にやりたいじゃない?」調子よく笑いながら、改めて羽心神社でのいきさつを伝えます。
石神井寅彦:「…んで、状況的には、封印が解かれて破多々が逃げ出したとしか思えない感じなわけね」
早川 彦山:「それなんだよな……」
四緒ツツリ:「そいつは……八千代さんの不安が的中したのかな」
石神井寅彦:「おっ、気になる気になる」
石神井寅彦:身を乗り出す。「ツツリちゃんは一体何を知っているというんですか!」
四緒ツツリ:「えへん、まさにその破多々のことさ。百年は前から存在していたとされる大あやしだ」
石神井寅彦:「ヤバそう!」
四緒ツツリ:「荒神というやつなのかな、積極的に人を攻撃し、殺傷せしめていたというのだから、封印されていたのも頷ける」
四緒ツツリ:「が、封印が破損していたのだろ……? その恨みつらみもあるだろうね。既に大なり小なり事件を起こしていてもおかしくない」
石神井寅彦:「うーん、ホントだね……。んん、事件か」首を傾げる。
四緒ツツリ:「手がかりがあるのかい」
石神井寅彦:「ツツリちゃんも知ってるかもだけどさ、こないだ、あったんだよね。夜道で女の人が襲われた事件」
四緒ツツリ:「うん」
早川 彦山:「ああ、先日の……やっぱり雨の日だったな」
石神井寅彦:「確かそれ、ブッチさんが動いてたんじゃなかったっけな…。知ってる? 警察の戌淵さん。オーヴァードの人」
四緒ツツリ:「戌淵さん? もちろん、お得意様の一人だよ……なるほど、警察の捜査情報を当てにするわけだ」
石神井寅彦:「そ! あの人が動いてるなら、多分こっち関係のことだと思うんだよね。もしかしたら、破多々が引き起こしたりしてるかも」
四緒ツツリ:「雷獣が犯人……犯獣?だったとすれば、確かに彼が動きそうだ」
石神井寅彦:「でしょでしょ! おれ冴えてない?」
早川 彦山:「なるほどな。上手く渡りをつけてみるといい」
四緒ツツリ:「さすがは八千代さんが遣わしただけのことはある」
石神井寅彦:「あっはっはー、褒め上手!」
四緒ツツリ:「しかし、警察とUGN、仲が悪いと聞いているけれどね」
早川 彦山:「……あまり良くはないな。なんというか、縄張りが被っているから」
四緒ツツリ:「素直に話してくれるものかな……勝算はあるのかい」
石神井寅彦:「うーん……。いやてか、ツツリちゃん、さっき『お得意様』って言ってなかった?」
石神井寅彦:「ツツリちゃんの口利きでどうにかなんない?」
四緒ツツリ:「情報屋としてだから……こちらから渡せる情報があれば、なんとかなるかな」
四緒ツツリ:「せっかくだから羽心神社の宝物について話せばいいか」
石神井寅彦:「おっ。良いね! いっぱい話してあげよ!」
四緒ツツリ:「じゃあ、聞く方は私がするから、話す方は石神井さんに任せたよ」
四緒ツツリ:「宝物は私は見てないんだから!」
石神井寅彦:「あっおれか! いいよいいよ、得意だから」
早川 彦山:「宝物ね。役に立つといいが……」
石神井寅彦:「こちらの二十六年式拳銃・改につきましては、発射機構に対抗種の因子を装着しておりまして…お値段はいまならお安く…」
石神井寅彦:ふざけはじめる。
早川 彦山:「おいおい、それ、一応あちらの大刀自が大事にしていたものらしいんだよ」
早川 彦山:「思い出でもあるのか、聞いたことはないが……多分、若い頃に手に入れたものなんだろうな」
四緒ツツリ:「戌淵さんは冗談が……通じそうにないなあ」げんなりしている。
石神井寅彦:「ひいおばあちゃん?」ぱちぱちと瞬き。「そっか! じゃあ、大切に扱わなくっちゃね。ごめんごめん!」
早川 彦山:「そうそう。愛子さんという……俺もそうそう会ったことはないが。長生きされた方だよ」
四緒ツツリ:「ふうん」髪をタオルでわしわししている。
早川 彦山:「まあ、これはうちに残したいとあれこれ仕切ったから、こうして神社にまで行かなきゃならんのだが……」
早川 彦山:「まあ、昔話だ」
石神井寅彦:「あはは、せっかくだし、あとで見せてもらえたら嬉しいね」
四緒ツツリ:「残したい、か。拳銃を祀りたてるというのも、興味をそそられる」
早川 彦山:「対抗種だからな……うっかり触りでもしないよう気をつけろよ」
石神井寅彦:「ヤバそう。気をつけるよ! 何より、先に仕事しなくっちゃだしね」
四緒ツツリ:「うん、事件が昨日今日で起こっている話なら、急いだほうがいいかもしれない」
石神井寅彦:「雨は待ってくれないね」どしゃ降りの外を見ながら笑う。「行こっか」
四緒ツツリ:「ああ……体を拭いても意味は無いかな……」
石神井寅彦:「相合傘する?」
四緒ツツリ:「い……遠慮しておく」
石神井寅彦:「あっはっは! じゃあまた今度ね」そう言って、店の外に出て行きます。
四緒ツツリ:「おじ様、傘の二つくらいあるでしょう! 貸して……」
早川 彦山:「そこに立ててるのを持って行きなさい」
四緒ツツリ:「あっちょっと! なんで差さないで出ていくんだ! もう!」
四緒ツツリ:「ありがとう!」傘を持って、慌てて追いかける。

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
四緒ツツリ:ヘヴィマシンガン買います! ブラックカードと、砂の加護も使っちゃおう
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を3(→ 3)増加 (52 → 55)
四緒ツツリ:10dx+3>=24
DoubleCross : (10DX10+3>=24) → 10[1,1,2,2,2,4,6,9,9,10]+9[9]+3 → 22 → 失敗

石神井寅彦:四緒ツツリちゃんに 庇護:〇/不安 でロイスを取ります
四緒ツツリ:2点払って購入! ブラックカード残り2/3
石神井寅彦:応急手当買っておこう
石神井寅彦:3dx>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 7[3,3,7] → 7 → 失敗

石神井寅彦:だめだった~ 以上です
四緒ツツリ:ウェポンケースに入れてと
四緒ツツリ:石神井寅彦/〇優秀/恥じらい で取得します
石神井寅彦:かっ かわいい
GM:以上かなー
石神井寅彦:以上だよ~
四緒ツツリ:顔が赤いのは走ってきたからだから……!
四緒ツツリ:以上です!


ミドル3 合流3


GM:全員登場推奨です。登場侵蝕をお願いします。
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を1D10(→ 6)増加 (55 → 61)
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を1D10(→ 7)増加 (34 → 41)
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 7)増加 (46 → 53)
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を1d10(→ 6)増加 (36 → 42)
GM:なんか安定してますね

【(株)ピカピカ・応接室】


GM:それぞれのルートで調査を行っていたあなたたちは、それぞれに連絡をつけることに成功。
GM:合流場所として、双方に縁の深い支部の一部署を選んだ。
時田 久則:「…………はー…………」
時田 久則:深いため息をついているのは、渦中の人物の上司。
御凪 涼:「久則さん、先ほどはいろいろありがとう」
時田 久則:「いーや。うちのが妙なことになってるってのは確かだからな」
時田 久則:「まあ、この部屋は上手く使ってくれ」
時田 久則:「……ったく、鈴掛の奴何やってやがんだ!?」
時田 久則:ぶつぶつと言っている。
石神井寅彦:「お茶でーす」給湯室を勝手に使っていた人間がお盆を持ってやって来る。
時田 久則:「勝手知ったる感じで動くな、お前」気にしてはいない。
石神井寅彦:「初対面なのに10年来の友達みたいって言われること多いんだよね!」
時田 久則:「調査部に欲しい人材だよ、今人手不足でしゃあない」
時田 久則:「その愛嬌でさっさと警察さんと仲良くやってくれ。話があんだろ?」
御凪 涼:「ふむ」それを眺めています。「たしかに初対面だ」
四緒ツツリ:「相変わらず散らかっていましたものね。要件がすめばすぐに退散いたしますよ」
戌淵賢人:「…占い師か、まあ居てもおかしくはねぇな」
時田 久則:「別に出てけたあ言ってねえよ」
御凪 涼:「占い師」まばたき。
石神井寅彦:「ツンデレなんだよねー」湯呑をそれぞれに配ってから、腰かける。
四緒ツツリ:「翻訳してくれる鈴掛さんがいないと大変ですね」
石神井寅彦:「そ、石神井寅彦です。エージェントで、普段は占い師やってまーす。ヨロシクね!」
戌淵賢人:「だが、呉服屋。また妙な事に首を突っ込んだんじゃねぇだろうな」
御凪 涼:「あ、呉服屋さんは蓮から話だけ聞いたかな…?」
四緒ツツリ:「戌笛さん、呉服屋じゃなく情報通と呼んでくれてもいいとなんどか申し上げたはずですが」
四緒ツツリ:「もちろん、妙な事を知りたいのが性分なものですから。だからこそこうして、情報交換の場にいられる」
戌淵賢人:「情報通ってのは能力の話で所属じゃねえからな」
四緒ツツリ:「初めまして。御凪さんの、下のお兄さんですね」涼さんに一礼。
石神井寅彦:「はじめましてー」一緒に一礼。
御凪 涼:「ああ、やっぱり聞いていたか。こんにちは、御凪涼だ」
四緒ツツリ:「四緒ツツリです。ある意味この町の情報そのものに所属している、黒幕と言ってもよいでしょう」そんなことはない。
戌淵賢人:「抜け目ないとか胡散臭いとか軽薄と一緒だ」
戌淵賢人:「そう言うモノ言いをしてて情報通が一番前にはでねえよ」
御凪 涼:「たしかに…」
戌淵賢人:「だから呉服屋で十分だよ、四緒」
四緒ツツリ:「む……自分の足で集める情報にも価値が……」もにょもにょとしている。
石神井寅彦:「今日もブッチさんは厳しいねー。ツツリちゃん、がんばろ!」
四緒ツツリ:「言われずとも!」
戌淵賢人:「だがまぁ、良いネタを掴んでくるのは確かだ。俺に必要かどうかは別としてな」
御凪 涼:「おふたりは何を知ってここに来たんだっけ」
四緒ツツリ:「ふふん、もちろんお二人の捜査に役立つであろう情報です。交換ですよ」
四緒ツツリ:破多々の存在や封印が破損したことなどを伝えます。
御凪 涼:「ほう、すごい」
石神井寅彦:「ツツリちゃん、お上手!」へらへら笑っている。
御凪 涼:その話を聞いて少し思案して、戌淵さんを見ます。
石神井寅彦:「そうそう。それで、おれ達も情報を交換したくてね」
御凪 涼:「これは、あなたが必要で欲しい情報だね、賢人さん」
戌淵賢人:「雷獣か…なるほど」
戌淵賢人:「良いだろう、交換だ」
四緒ツツリ:「そうこなくては」知識欲に目を光らせる。
戌淵賢人:「隠す事も無いからな」
戌淵賢人:「目撃証言だ。目撃者はこの踊り屋」
御凪 涼:「はい、踊り屋です」
戌淵賢人:「目撃されたのは、そっちの従業員だな」
時田 久則:「……おう」
四緒ツツリ:「えっ、ピカピカの?」
戌淵賢人:「それに、三年前の同じような事件に関しても犯行の夜の翌日に休んでいる」
時田 久則:「……ああ、そうだよ! 別に隠す気はねえや」
戌淵賢人:「つまり犯行時間からその翌日にかけての所在の確認を取りたい」
御凪 涼:扇をふわりと開く。紫檀の香り。
石神井寅彦:扇に目をやる。
時田 久則:「あのな。こっちは休暇を取ってる奴を見張るような真似はしてねんだよ」
時田 久則:「……つまり、不明、だ」
御凪 涼:「喜一くんは」
御凪 涼:「その間から今まで休暇を取ってないんだっけ。この間言っていた通りなら」
時田 久則:「その通り。なんやかんやで皆勤だった」
時田 久則:「まあ、大怪我をするような任務にはつかねえからな、うちは」
時田 久則:「……あいつ、戦闘についちゃからっきしだったし」
石神井寅彦:「これはどうも、鈴掛くんが事件の日に目撃されてるみたいだね」ツツリちゃんに言う。
戌淵賢人:「そうなのか?」>戦闘について
四緒ツツリ:「また……妙な」眉間に皺を寄せている。
時田 久則:「そうだよ。そりゃあ、オーヴァードだ。一般人よりは丈夫で強いが」
時田 久則:「あいつは元々調査部にってんで異動してきた、ほんとにそっちの能力を買われた奴だったんだよ」
御凪 涼:「あれ。だったらあの眼は?」
時田 久則:「ありゃあ、うちに来る前のやつだ」
石神井寅彦:「あー、いつも眼帯してるよね」
時田 久則:「前の支部で巻き込まれて、片目なくして……」
時田 久則:「ちょうどいい対処がまあ、ちっとばかりごつい義眼しかなかったと」
四緒ツツリ:「ええっ、そうだったのか……」驚いている。
時田 久則:「それくらいかね。それはUGNの記録にもあるぜ」
石神井寅彦:「義眼だったんだ!おれも知らなかったな」
時田 久則:「こっちに来てからは見せたがってなかったからなあ」
石神井寅彦:「それ、何か気になるの?」涼さんに聞きます。
四緒ツツリ:「聞いてないぞ……鈴掛さんめ……」不満げ。
御凪 涼:「ああ」ひらりと扇を。
御凪 涼:彼の義眼と雷獣に見られる共通項について、時田さんからもらった資料をそのまま取り出します。
御凪 涼:「……たまたま、彼の眼を以前も見たことがあったから」
時田 久則:「珍しいこともあるもんだな」
石神井寅彦:「仲良しなんだ!」
御凪 涼:「そうなのかな?」
四緒ツツリ:「そういうものか?」
石神井寅彦:「なかなか人に見せたがらないものを、見たんでしょ? そうじゃないの?」
御凪 涼:「見せてもらったわけではなくて、偶発的だったから、よくわからないけど」
御凪 涼:「そうだったら嬉しいかもしれないね」
時田 久則:「……支部でちゃんと知ってたのは、俺と、支部長と……あと他にいるのか、ってくらいだろうな」
時田 久則:「何にせよ、気にはしてたろうよ、あんたのことは」
時田 久則:「……で、雷獣、か」
石神井寅彦:「ふうむ」首を傾げ、資料に目を落としながら。
四緒ツツリ:「……鈴掛さんと雷獣との関与は、間違いないとして」
四緒ツツリ:「雷獣が犯人かもしれないと言ったのはこちらか……」悩んでいる。
石神井寅彦:「ブッチさん的には、どうなの?」
石神井寅彦:「鈴掛くん大本命って感じなの?」
御凪 涼:いや、と言おうとして、賢人さんのほうに耳を傾けます。
戌淵賢人:「怪しいっていや怪しいな。だが、理由がわからんし」
戌淵賢人:といって昭和の事件の資料を出す
御凪 涼:見た資料なので二人の後ろに引く。
戌淵賢人:「こっちに絡むとなると鈴掛だけが怪しいという事はできねぇ」
石神井寅彦:ツツリちゃんと一緒に覗き込む。
四緒ツツリ:「……大昔だ。確かにこれなら」
戌淵賢人:「理由なく人を襲うクズはいるだろう。だが人となりを聞いた感じでは」
戌淵賢人:「そういうタイプでは無さそうにも思える」
御凪 涼:目を細める。「ん」
戌淵賢人:「その何とかという雷獣の封印が解けたのはいつだ?昭和なのか?」
戌淵賢人:「事件を模倣したりしているのか?」
戌淵賢人:「そういった疑問がある以上は怪しいの域をでねぇ」
四緒ツツリ:「封印が解けたのは、夏の終わりごろですよ。推測ですが」
戌淵賢人:「そいつをやって本命に逃げられたじゃ話にならねえんだ」
戌淵賢人:と最後は少し語気に怒りが滲む
石神井寅彦:戌淵さんのその様子を見る。「…ブッチさん」
御凪 涼:(あ)とその語調を聞く。
石神井寅彦:「熱心だね?」
御凪 涼:(ということは、普段はこうじゃないんだな、彼は)寅彦さんの聞き方から考える。
戌淵賢人:「…」
戌淵賢人:ワシワシと足元の犬の頭を撫でる
ライラプス1号:「ワフッ」
御凪 涼:「あ、また犬だ」
戌淵賢人:「仕事だからな」
石神井寅彦:(逃げたな…)
戌淵賢人:口調は元に戻っている。
四緒ツツリ:(……そうです、戌淵さんは苛立ちや不満を出しても、怒りを見せたことはなかった)
戌淵賢人:(チッ…軽薄そうにみえて人を見透かしてきやがる)
四緒ツツリ:(鈴掛さんが容疑者と聞いて、慌てていたでしょうか。不甲斐ない)
御凪 涼:「私もその犬、触りたいんだけど」
御凪 涼:「さっき逃げられたんだよな…」
御凪 涼:「どうすれば心を開いてくれるのか、コツを知りたい」戌淵さんが触っていたモフモフに手を伸ばしている。
御凪 涼:もう話を忘れたような感じで。
石神井寅彦:「先にこっちから、心を開いてあげればいいんじゃない?」
戌淵賢人:「そいつは人見知りだ。2号でてこい、相手してやれ」
ライラプス2号:「ぷにゃ」
石神井寅彦:「大歓迎!みたいな」両手を広げる。
ライラプス2号:何処からともなく現れて御凪の膝に乗る
御凪 涼:「……」驚いている。
四緒ツツリ:「ドーベルマンとか、連れていそうなイメージなんですが」
御凪 涼:触っている。
四緒ツツリ:「どうして子犬……?」
石神井寅彦:「大丈夫だったみたい。よかったねー」
御凪 涼:「大歓迎、されている…」
御凪 涼:「寅彦くんとツツリくんにもこの感動を伝えたい」
戌淵賢人:「厳ついのは俺一人で十分だからな」
御凪 涼:ふたりに触らせたいので渡す。
四緒ツツリ:(自覚はあったんですね……)
戌淵賢人:「子供やら学生から話を聞く時に役に立っている」
石神井寅彦:「えっいいの?可愛いなあ」勝手にレネゲイドが同化していく。《虹の香り》。
四緒ツツリ:「捜査に役立っているのなら、私から言う事は無いですが……」
ライラプス2号:「ぷひー」
石神井寅彦:「良い子だなあ」首のあたりをくすぐっている。
四緒ツツリ:「……やわらかいね」石神井さんが抱えるライラプス2号の背中を撫でている。
ライラプス2号:何かの匂いをかぎ取って鼻をぷひぷひしている。
石神井寅彦:「はー、ブッチさん、わんちゃんのおかげで仲も深まったことだし、協力できるところはしていこうよ」
石神井寅彦:「鈴掛くん探すでしょ? おれ達も探すし。一緒にやった方が効率いいって」
御凪 涼:「うん。どのみち、荒事になれば力を借りることになるだろうし」
戌淵賢人:「居所の目星はそっちのほうが付けやすいだろうからな」
戌淵賢人:「…そうだな。協力を頼む」
四緒ツツリ:「調査依頼だったんだけれど、大事になってきた」
戌淵賢人:「人手が必要だし、荒事に対応できるなら申し分ない」
石神井寅彦:「おれは荒事いけるクチだけど。ツツリちゃんは?」
四緒ツツリ:「私は情報屋だよ? 自衛の力くらいはあるさ」
御凪 涼:「私はてんでだめだから、賢人さんの判断は正しいと思う」
四緒ツツリ:「だからこそ、協力はこちらからも、お願いします。自分しか守れないのでは、間に合わなさそうだ」
石神井寅彦:「じゃあ、決まりだね。皆で頑張ろうね!」
御凪 涼:「ああ、よろしく」
時田 久則:「…………」
時田 久則:しばらく、考え込むように頭を抱えていたが、顔を上げる。
時田 久則:「おう、奴を探すんなら……そうだな」
時田 久則:「まあ、殴ってでも連れ戻せっつうのはそうなんだが。俺は立場的に楽観視もできねえ」
時田 久則:「ただ、何があったのか。何をしてるのか。それを知りたい……っつうのは、調査部のサガだな」
時田 久則:「……奴も、そうなはずだ。何かをきっと調べてる。そうせずにはいられねえ奴だ」
時田 久則:「……確かめてきてくれ」
時田 久則:「頼んだ」
時田 久則:ぶっきらぼうに、頭を下げた。
石神井寅彦:「社長に頭を下げられちゃ、断れないよ!」
御凪 涼:「私も彼の理由が気になる、すごく」
御凪 涼:「あなたがとても心配していたことも、言ってあげなくてはいけないしね」
四緒ツツリ:「その気持ちは、誰よりも分かっているつもりです」頷く。
戌淵賢人:「どちらにしても重要参考人に事情聴取は必要だ」
戌淵賢人:(犯人でないなら、だが)

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
御凪 涼:んーー保留しとこう
四緒ツツリ:悩む! 保留!
戌淵賢人:こちらも保留で
石神井寅彦:ロイスは保留で!
GM:保留カルテット
四緒ツツリ:購入は欲しいものあれば、買っていきたい所存ですので
御凪 涼:私も同じく
御凪 涼:あ、覚悟のさらしはいつでもほしいです
御凪 涼:重圧こわいんで 30です
四緒ツツリ:買えるかもしれないし、挑戦してみましょう
四緒ツツリ:なぜか合流シーンですでにDBついてるからな……
石神井寅彦:防具欲しいです!ボディーアーマーを…
御凪 涼:じゃあボデマねらいびとしよう
戌淵賢人:ボディアーマーを頑張って行こう
御凪 涼:4DX+3+0@10 調達
DoubleCross : (4DX10+3) → 3[2,3,3,3]+3 → 6

戌淵賢人:警察手帳の効果も込みで
石神井寅彦:自分では応急手当を買います
石神井寅彦:3dx>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 9[1,2,9] → 9 → 成功

四緒ツツリ:さらし行きます。ブラックカードと一体化して、それっ
石神井寅彦:買えた 所持
御凪 涼:二点払って買うか
四緒ツツリ:8dx+3>=30
DoubleCross : (8DX10+3>=30) → 8[1,2,3,3,5,6,6,8]+3 → 11 → 失敗

戌淵賢人:1dx+2>=12
DoubleCross : (1DX10+2>=12) → 1[1]+2 → 0 (ファンブル) → 失敗

御凪 涼:ああっ
石神井寅彦:おお…
GM:あれ、ボデマは12かな
四緒ツツリ:流石に19点は届かないや ブラックカードのこり1/3
御凪 涼:あ、ミスった
御凪 涼:装甲じゃんそれは
ライラプス2号:「ぷひーん」
GM:ですね
石神井寅彦:かわいい
四緒ツツリ:かわいい
御凪 涼:じゃあ買わないでおきましょう
四緒ツツリ:ピカピカ何も置いてない!
石神井寅彦:ww 救急箱だけもらった
時田 久則:うちは雑貨屋じゃねえんだよ!
GM:全員終わってますかね
御凪 涼:はいっ
石神井寅彦:終わりです!
四緒ツツリ:はい!


マスターシーン


【雨宿町・????】

GM:人から隠れるようにして、ひそひそとした会話の声がする。
????:「……だから言ったじゃないすか。我慢してくださいよって」
????:目に白い眼帯をした青年が焦るような声で言う。
????:「今は大昔とは違うんですから。事件起こしたらすぐ警察だの、うち……UGNだのが」
GM:ぱち、と空中に雷が散った。
????:ひ、と怯えるように後ずさる。
????:「すいません……差し出た口を、利きました」
????:「でも、全て写せと言ったのは、あなたでしょ」
????:「おかげでずっと、おれは隠しおおせて来れたんだ」
GM:再び、ばち、と音を立てて、脅すように雷が地面を抉った。
????:「……わかってます」
????:「全部ぶっ壊して、ついでにアテナシに一泡吹かせること。ちゃんと覚えてます」
????:「で、その前に斥候ですね。行ってきますよ」
????:「……全部見ているんでしょう。それもわかってます」
????:「あなたは……おれたちの長ですから。ご命令には従います」
????:「……破多々さん」
????:それだけ言って、姿を消した。


ミドル4 帰れない空に


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
GM:シーンプレイヤーは……涼さんかな。
石神井寅彦:出ます~
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を1D10(→ 2)増加 (41 → 43)
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を1d10(→ 8)増加 (42 → 50)
御凪 涼:どうしたアガって
GM:石神井さん落ち着いてる
石神井寅彦:これはこれで逆にどうした…
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 1)増加 (53 → 54)
戌淵賢人:フフ 犬パワー
GM:わふわふ
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を1D10(→ 6)増加 (61 → 67)
四緒ツツリ:ひいひい
GM:安定して上がる……!
GM:ファイトです

【雨宿町町役場・廊下】

GM:あなたたちは市街に出発する前に、支部で準備などをしていた。
GM:そんな折り、廊下での出来事。

御凪 涼:長い黒髪、血色の薄い和服姿の男。白熱灯で影が落ちる。
石神井寅彦:とりあえずと渡された救急セットを持って、室内から出てくる。
御凪 涼:「おや、寅彦くんだ」
石神井寅彦:「わっ、ビックリした」見上げる。彼の方が背が高い。
石神井寅彦:「涼さんって、スッと現れるよね! 幽霊かと思った」
御凪 涼:「驚かせた?」笑い、扇を広げる。紫檀の香り。
石神井寅彦:「それも、あれかな。舞踊の癖?」
御凪 涼:「舞う時に余計な音が立つと遮るからかな。最小限がいいから」
御凪 涼:「そうそう」
石神井寅彦:「やっぱそうだ。熱中するタイプっぽいよね」
石神井寅彦:扇を見て、漂う香りに目を細める。
御凪 涼:「よくお分かりで。舞ばかりさ」
石神井寅彦:「あー、ごめんね。つい、癖でさ…」言葉を切る。
御凪 涼:「ああ、さっきも」
御凪 涼:「賢人さんに思いきりがいいんだな、と思ってた」
石神井寅彦:「え? あー」
御凪 涼:責める、あるいは揶揄する口調ではない。平坦。
石神井寅彦:彼に踏み込んだことか、と思い当たる。
御凪 涼:「たぶん、あのへんが…なんというのかな。傷口というのかな」
石神井寅彦:「秘密にしたいこと?」
御凪 涼:「そう。そういうところに、触れようとするのも、癖なのかなって」
御凪 涼:「そうやって治癒するため、とか、いろいろな理由で」
石神井寅彦:「癖っていうと、悪い人みたいじゃんか。いや、否定しないけど」ケラケラ笑う。
御凪 涼:広げた扇を寅彦くんの、片目を隠すように掲げてみる。
御凪 涼:「あ、すまないね。そういう意図ではなくて」
御凪 涼:「…んん。話すのは苦手だな。ほら、消毒液は沁みるだろ」
御凪 涼:「そういう感じ」
石神井寅彦:「そうね。おれは涼さんが優しい人なんだなと思ってるよ」
御凪 涼:「あれ。私の話?」笑う。
石神井寅彦:「ふふ」片目を隠されたまま、彼の顔を見上げて笑い返す。
石神井寅彦:「他人の話を聞くのが癖なんだよね。能力がそういう…気持ちを読み取るようなものだから」
御凪 涼:「へえ。……そりゃあ、なんというか」
御凪 涼:「たくさん考えなくちゃいけない仕事だ」
石神井寅彦:「うん。でも、涼さんもそうじゃないの?」
石神井寅彦:「あなたの前じゃ嘘をつけないって聞いたけど」
御凪 涼:「む」扇をひらりと。閉じる。「それこそ喜一くんかな、そんなこと言うの」
石神井寅彦:「貴重な同世代だから、着任した時にこっちから話しかけにいったんだよね」
御凪 涼:「ふふ、賑やかそうだ」
石神井寅彦:「羨ましい?」
御凪 涼:「ん…? なぜ?」
石神井寅彦:「ん、いやさ」
石神井寅彦:「おれは鈴掛くんと普通に呑みに行ったり…まあ、よくある感じの友達だと思ってるんだけど」
石神井寅彦:「彼が、涼さんみたいな人と友達なのは、意外だなあとも思っていて」
御凪 涼:「……なるほど」
御凪 涼:「友達」
石神井寅彦:「これも違う?」
御凪 涼:「いや、そうなのかな…?実を言うと」
御凪 涼:「そういう…人間関係に、名前を宛がうのが、どうもよくわからなくて」
御凪 涼:「だから、なるほどと思った」
御凪 涼:「友達。それもよさそうだな」
石神井寅彦:「そんなに難しく考えなくていいと思うけどねー」
石神井寅彦:「涼さんって、鈴掛くんのこと心配だからブッチさんに協力してたんじゃないの?」
御凪 涼:「ああ、そうだよ」
石神井寅彦:「じゃあ、きっとさ」
石神井寅彦:「涼さんが思ってる以上に、涼さんは鈴掛くんと友達になりたがってるよ」
石神井寅彦:確信したように言って笑う。「関係に名前つけとくのもいいものだよ。自覚が生まれるからね」
御凪 涼:瞠目。足元に伸びる影は表情を持たない。
御凪 涼:「ふふ」
御凪 涼:「……小さいころ、影が邪魔だなと思っていて」
石神井寅彦:「おっ、面白そうな話。聞く聞く」
御凪 涼:「動くとき、刹那遅れて纏わりついてくるのが、どうもね。舞にいらないのに、目に入るから、重たいなと思ってた」
石神井寅彦:「こいつら、なんでもかんでも、動きを真似してくるしね!」
石神井寅彦:目線を落として、自分の影を見て笑う。
御凪 涼:「そう。私は私だけいれば踊れるのに、ってね」
御凪 涼:「…でも、切り離せないのにそう思うよりは、それもすべて踊り尽くすものだろう、と」
御凪 涼:「だから…つまりね。私が今思ったのは」
御凪 涼:懐かしい香りがするという。そうだ、そういう人がいると聞いたのだ。
御凪 涼:おそらくは嘘がつけないと言った、同じ人からだ。
御凪 涼:それはどこにもない、なにも香らない、紫檀すらも香らない。
御凪 涼:「たぶんね、切り離せないんだな」
御凪 涼:「私が彼と会ったこと、いまきみと話していること」
御凪 涼:「そもそもこの町に来たこと、君が来たことも…なんでもいいんだけど」
石神井寅彦:愉快そうに、目の前の彼の顔を見ている。
石神井寅彦:二人の足元から影が伸びて、それは表情を持たないが、交差していた。
御凪 涼:「そう繋がれているものなんだろうね」
御凪 涼:「たぶん君は、そういうことをすごく知っている人なんだ」
御凪 涼:「そんな気がした」
石神井寅彦:「涼さんは、あれだね。思ってることを言葉にするのが、苦手な人だね」
石神井寅彦:ニヤニヤしながら言う。
御凪 涼:「当たりだよ、占い師さん」
石神井寅彦:「じゃあ、そんなあなたに、占い師からアドバイス」
石神井寅彦:「鈴掛くんは、たぶん一人っ子なんじゃないかと思ってるんだけど…」
御凪 涼:「ふは」笑う。
石神井寅彦:「そういう人はね、兄弟のいる人と違って、他人に助けを求めたり、他人の気持ちを感づくのが苦手なことが多いんだ」
石神井寅彦:「遠慮せず踏み込んで、『友達になろう』って言う方が、いいことありそう」
御凪 涼:「ほうほう」
石神井寅彦:「消毒液になってやろうぜ」
御凪 涼:「実行する機会は近そうだね、それは?」
御凪 涼:「……あ、ちなみについでに聞いていい?」
石神井寅彦:「なになに? 特別サービスしちゃう」
御凪 涼:「きみって一人っ子なの?」
石神井寅彦:「あは!」笑う。
石神井寅彦:「もちろん、ヒミツ」
御凪 涼:「だろうね。‥‥私はいつでも、踏み込まれるのも、読まれるのも好きだから」
御凪 涼:「秘密のままでも、好きに暴いて占ってね」
石神井寅彦:「あは……」笑うのをやめる。「……」
石神井寅彦:「いや…それでウンって言うのもおれがヤバいヤツみたいだけどね…?」


【雨宿町・旧市街 空き地】

GM:遠くで雷の音が聞こえる。空は重たく曇って、またいつ雨が降ってもおかしくない空気だ。
GM:旧市街。古い建物が建ち並ぶ、風情のある、人気の少ない地域だ。
GM:あなたたちが向かった区域、その一角の空き地には、眼帯をした青年がひとり……いや。
雷獣:その横に、ぱちぱちと光る、鼬のような形をした小さな獣がいる。
鈴掛 喜一:「ああ、そろそろ誰かこっちに来るかなーって思ってました」
鈴掛 喜一:「しっかし、こうも知り合いばっかりだとは思わなかったな……」
鈴掛 喜一:あなたたちの顔を見回す。
御凪 涼:「やあ、こんにちは」初めて会った時と同様、初めてでもない気安い調子で。
石神井寅彦:「会えて嬉しいって言ってよ。怖くないよー」両手を上げている。
四緒ツツリ:「小さな町だ。顔見知りが多いのも当然だよ」
戌淵賢人:「鈴掛喜一、お前には聞きたい事がある」
鈴掛 喜一:「あー、刑事さん来ちゃった」肩をすくめる。
鈴掛 喜一:「まあでも、全員優秀で助かったすよ。最適解。すぐここがわかったでしょ?」
戌淵賢人:「大人しく、従うなら良いが」
鈴掛 喜一:「こっちから探さなくて済んだ……」
鈴掛 喜一:「従わないなら?」
戌淵賢人:「その返答、従う気がねぇと思っても良いな」
戌淵賢人:「どちらにせよ、話してもらうぜ」
鈴掛 喜一:「気が短すぎませんか。そうですけど」
鈴掛 喜一:「おれ、今斥候なんで」
鈴掛 喜一:「戻んなきゃなんないわけですよ。役目が終わったら」
石神井寅彦:「役目って」
石神井寅彦:「おれ達を倒す的な?」
鈴掛 喜一:言いながら、眼帯を外す。下には、奇妙な電光を宿した、機械式の義眼。
鈴掛 喜一:「いや、そこまでは期待されてない」
鈴掛 喜一:「おれ、弱いしね」
戌淵賢人:「逃がすわけねぇだろ」
四緒ツツリ:「鈴掛さん、後方支援だったろうに。左遷されたというべきか」
鈴掛 喜一:「たださあ、謝んなきゃなんないことがあって……」
鈴掛 喜一:「嘘はできるだけ、つかないようにしてたんだ。でも」
鈴掛 喜一:「黙ってたことは、幾つかある」
鈴掛 喜一:「これもそのひとつで……涼さん」
鈴掛 喜一:「ごめんね。あなたの興味あったこと、おれ、もうちょっといろいろ知ってたんだ」
鈴掛 喜一:「"共振"」
御凪 涼:扇を広げる。「……」

オリジナルステージ限定エフェクト《産土の共振》。

タイミング:オート
対象:シーン(選択) 射程:視界
対象に目標値8の意志判定を行わせる。失敗した者は侵蝕率+1d10。


GM:また、判定の結果に関わらず、対象はそのシーンに登場済みの人物の精神に共振を受ける。
GM:今回の対象は、自分とPC全員。
GM:まずは意志判定をお願いします。その後演出に入ります。
石神井寅彦:4dx+1>=8
DoubleCross : (4DX10+1>=8) → 8[5,5,6,8]+1 → 9 → 成功

御凪 涼:3DX+2+0@10>=8 意思
DoubleCross : (3DX10+2>=8) → 10[7,9,10]+6[6]+2 → 18 → 成功

戌淵賢人:思い出の一品を使用
御凪 涼:たけえよ
四緒ツツリ:よし、梓の賽子(思い出の一品)と一体化して判定したいです!
GM:どうぞ!
戌淵賢人:1dx+1
DoubleCross : (1DX10+1) → 7[7]+1 → 8

四緒ツツリ:5dx+3>=8
DoubleCross : (5DX10+3>=8) → 8[3,6,7,7,8]+3 → 11 → 成功

戌淵賢人:妹の形見パワー
GM:全員成功! 侵蝕上昇はなし。
GM:では、演出を開始します。

GM:ワーディングの気配。
GM:周囲の景色が塗り変わる。
GM:共振が始まる。
GM:それは、雷雨の降りしきる、夜の街角。街灯の下。
GM:雨はあなたたちを濡らすことはない。これは、記憶の中の光景だ。
GM:ぱちぱちと、レネゲイドの気配と共に、辺りに弱い電気が走るのを感じる。
GM:……鈴掛喜一は現在土地の共振現象を利用し、あなたたちの精神・記憶から情報を引き出しやすい状況を作り出している。
GM:これは同時に、あなたたちにとっても彼が知る情報を得るチャンスだ。
GM:ただしこの行為には反動がある。共振の主が心を許していない以上、無傷で調査をすることは不可能だろう。

GM:ということでミドル戦闘開始ですが、少し特殊な形式になります。
GM:まず、エンゲージの概念はなしとします。射程や移動は気にしないで良いです。
GM:通常通りラウンド進行ですが、全キャラクターがメジャーアクションで情報収集を行うことが可能です。
GM:勝利条件は、『このシーンで提示された全ての情報項目の開示』です。
GM:ただし、これらの情報は基本的に《攻性防壁》でガードされており、判定を行ったPCは1回ごとに2d10のHPを失います。
GM:これは装甲無視でカバーリングも行えません。
GM:なお、特例として石神井さんの《止まらずの舌》を使用したRC攻撃の達成値も情報収集判定と同様の効果があるとします。
GM:ただしダメージを与えた場合、エネミーは全て逃亡し、次のシーンでまた同様の戦闘を行うことになりますのでご注意ください。
GM:財産点・アイテム使用可。イージーエフェクトや技能によるボーナスも、提案がありいいね!と思ったら受け付けます。
GM:エネミーは鈴掛喜一・雷獣が二匹。
GM:情報項目は現時点では以下の通りです。

★三年前の事件の真相〈意志〉任意の〈情報〉7 2d10のHPを失う


GM:ひとまずここで、何か質問はありますでしょうか。
戌淵賢人:大丈夫です
石神井寅彦:大丈夫です!
四緒ツツリ:大丈夫です!
御凪 涼:大丈夫です
GM:はあい!
GM:なお、演出的には情報開示後に短いこちらからの回想演出が挿入されます。
GM:その前や後の情報を引き出すロールはしてもしなくても、好きなように演出してください。
GM:余談ですが、この戦闘は破多々が《サードウォッチ》を使用して監視をしています。
GM:ということで、戦闘?を開始します。


■セットアップ■

石神井寅彦:なしです
御凪 涼:ないよ~
戌淵賢人:ナイヨー
四緒ツツリ:なし!
鈴掛 喜一:コンボ『帰れない空に手を伸ばす』《オーバーウォッチ》
鈴掛 喜一:自分のメジャーアクション判定ダイスを+3個。


■イニシアチブ■

GM:最速は行動値9の戌淵さんですが
GM:割り込みが発生します。
雷獣:《鼓舞の雷》
雷獣:対象は鈴掛喜一。メインプロセスを行う。
GM:ということで、鈴掛が動きます。
鈴掛 喜一:マイナー、コンボ『これがおれです』《オリジン:サイバー》
鈴掛 喜一:社会を利用した判定の達成値上昇。
鈴掛 喜一:メジャー、コンボ『地を駆け光を探す』《アンシーントーカー》
鈴掛 喜一:情報項目 ★目の前の相手について〈情報:UGN〉対決 〈情報:UGN〉で判定。
雷獣:《拡散する世界》
雷獣:このメジャーアクションの対象をシーン(選択)に変更。
鈴掛 喜一:対象をPC全員の情報に。
鈴掛 喜一:判定いきます。
鈴掛 喜一:14dx+18 コネ:UGN幹部・ジョーカー使用
DoubleCross : (14DX10+18) → 9[1,1,2,2,2,4,5,6,6,7,8,8,8,9]+18 → 27

戌淵賢人:つよ
御凪 涼:やるじゃん
鈴掛 喜一:では、全員意志で対決を。
戌淵賢人:ムリだけどやるしかねー
石神井寅彦:何ィ~~
四緒ツツリ:再び思い出の一品一体化! ちょあ!
御凪 涼:3DX+2+0@10>=27 意思
DoubleCross : (3DX10+2>=27) → 9[3,9,9]+2 → 11 → 失敗

石神井寅彦:4dx+1>=27
DoubleCross : (4DX10+1>=27) → 10[3,4,6,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗

戌淵賢人:妹の形見パワー
四緒ツツリ:5dx+3>=27
DoubleCross : (5DX10+3>=27) → 6[2,3,3,5,6]+3 → 9 → 失敗

石神井寅彦:回ったのにッ
鈴掛 喜一:高いな
御凪 涼:けっこう回すじゃねーか!
戌淵賢人:1dx+1>=27
DoubleCross : (1DX10+1>=27) → 2[2]+1 → 3 → 失敗

四緒ツツリ:意志強
GM:全員失敗、ということで開示します。

石神井寅彦について
キャラシート
御凪涼について
キャラシート
戌淵賢人について
キャラシート
四緒ツツリについて
キャラシート


GM:バチバチと、空間に火花が走る。
GM:それは直接の危害こそ与えないが、あなたたちの中のレネゲイドを揺さぶって
GM:表層の情報を読み取られた、とそれがわかる。
鈴掛 喜一:「……まあ、三人はそこそこ知ってたんですけど」
鈴掛 喜一:「刑事さんはね、ほぼ初対面でしょ」
鈴掛 喜一:「…………」
鈴掛 喜一:「え?」
鈴掛 喜一:ふと、顔色が変わった、ように見える。
鈴掛 喜一:「三年前、の……?」
戌淵賢人:「…何を…見た!」
石神井寅彦:「なんか様子おかしいけど…」ブッチさんを横目に見る。
戌淵賢人:「鈴掛喜一ィ!!」
鈴掛 喜一:「……はは」
石神井寅彦:「…地雷踏んじゃったか」
鈴掛 喜一:「こりゃ、ツケが回ってきちゃったやつかな……」
御凪 涼:賢人さんから見せられた資料、その中には。
御凪 涼:三年前の事件もあったのではなかったか。
戌淵賢人:「お前はッ!三年前に何を見たァッ!」
鈴掛 喜一:「…………」
鈴掛 喜一:「見てみます?」
鈴掛 喜一:「なんてね」
鈴掛 喜一:「はは」
鈴掛 喜一:「はははははははは!」
鈴掛 喜一:引きつった顔で、笑う。

GM:では、次は戌淵さんの手番。
GM:項目は先ほどのひとつ。

★三年前の事件の真相〈意志〉任意の〈情報〉7 2d10のHPを失う


戌淵賢人:情報:裏社会で
GM:どうぞ!
戌淵賢人:コネ:情報屋と警察手帳を使います
戌淵賢人:3dx+2>=7
DoubleCross : (3DX10+2>=7) → 10[5,8,10]+4[4]+2 → 16 → 成功

GM:つよ
御凪 涼:さすが
GM:では、開示します。

★三年前の事件の真相〈意志〉任意の〈情報〉7 2d10のHPを失う
真犯人は雷獣の長である破多々。
『電封並四』の破損は三年前から少しずつ、視認できないところで進んでおり、外界に一時的に出現をしていた。
被害者である戌淵絵里子は偶然の遭遇から殺害され、それにより破多々は力を使い果たし休眠。
現場にはひとりUGN支部員が居合わせ、同様に攻撃を受け倒れたが、警察・UGNの記録にはない。
"ジェイトーカー"鈴掛喜一がその支部員の名だ。
→★鈴掛喜一の正体について〈意志〉任意の〈情報〉7 2d10のHPを失う が調査可能になりました。


GM:あと、HPを失ってください
戌淵賢人:戌淵賢人のHPを2d10(→ 10)減少 (42 → 32)

戌淵賢人:(こいつが…居たのかッ!あの現場に!)
戌淵賢人:戌淵賢人は猟犬である、自分をそう定めた、あの日から。
戌淵賢人:ならば、その痕跡を嗅ぎ分けてやる、なんとしても、妹の死の真相を知る為に。
戌淵賢人:猟犬の遠吠えがこの世界に響き渡る
GM:その、吠え声に応えるように、世界が揺れる。
GM:共振によって、あなたたちの周囲にはこんな光景が浮かび上がった。
GM:……雨の地面に倒れ伏す女性、それを庇って飛び出す青年。
GM:二人の前に立ちはだかる、獣じみた、電気を帯びた大きなシルエット。
GM:雷の帯が、闇を裂くように宙を奔る。
GM:次の瞬間、二人は為す術もなく倒れ伏していた。
GM:それを、あなたたちは『上空から落下しながら』見つめている。
鈴掛 喜一:(……鈴掛喜一は)
鈴掛 喜一:(あの時、たまたま行き遭って、助けようとしたんです)
鈴掛 喜一:(戦って守るような力もないのに。それがUGNだろって)
GM:ぱちり、火花が弾けるように、現在の思考が紛れ込む。
鈴掛 喜一:(見てますね。こうなるかもしれないと思ってた)
鈴掛 喜一:(……いいすよ。教えてあげる。三年前の事件の真犯人は"破多々")
鈴掛 喜一:(こないだの事件も、『十三人殺し』ももちろんそう)
鈴掛 喜一:(人の社会から外れた、法で裁けるはずもないRB。さて、どうします?)
鈴掛 喜一:苦笑、というよりは、苦しくてたまらない、そういう笑み。
鈴掛 喜一:あなたたちの脳裏を、駆け抜けていく。
戌淵賢人:「クソッたれがァ…」
石神井寅彦:「ブッチさん!」大声で名前を呼ぶ。
石神井寅彦:「あの女の人、誰? 知り合い?!」
戌淵賢人:「チィ…」
戌淵賢人:「クソ、ベラベラと」
戌淵賢人:「あれは妹だ」
御凪 涼:兄と弟の顔が脳裏に過ぎった。あるいは同じ顔をしていた、心残りを語る。
戌淵賢人:「鈴掛喜一ッ!」
石神井寅彦:「……、そ!」
戌淵賢人:「どうするかだと?始末の悪い獣の末路は決まってんだよッ!」
戌淵賢人:「犬に噛み殺されて終いだッ!」
鈴掛 喜一:「……できる、なら」小さな声。
鈴掛 喜一:「それは……」微かに、唇が動くだけの。

GM:次は涼さんですが、もう一個割り込み。
御凪 涼:くっ!
雷獣:《鼓舞の雷》 対象は鈴掛喜一。メインプロセスを行う。
鈴掛 喜一:メジャー、コンボ『地を駆け光を探す』《アンシーントーカー》
鈴掛 喜一:情報項目 ★羽心神社の宝物について〈情報:UGN〉7 〈情報:UGN〉で判定。
鈴掛 喜一:14dx+13 コネ:UGN幹部使用。
DoubleCross : (14DX10+13) → 10[1,2,2,3,3,4,5,6,6,6,6,7,8,10]+6[6]+13 → 29

鈴掛 喜一:成功
GM:では開示します。

★羽心神社の宝物について〈情報:UGN〉7
来歴や力の強弱も様々だが、近い時期に使用されたと見られるEXレネゲイドは以下の三点。
・電封並四:破多々を封印していたラジオ。現在は破損しており封印の力が半減している。
・二十六年式拳銃・改:発射機構に対抗種レネゲイドの力が利用されている改造銃。現在も使用可能。
 オーヴァードには害を与え扱えないこと、特に要望があったことで神社での預かりとなっていた。
・雫玉:首飾り。非オーヴァードに、一時的にワーディングへの耐性を与える効果がある。玉の数は残り少ない。


GM:もう一度。今度はあなたたちの知る情報が抜き取られる。
鈴掛 喜一:「……ああ、これが知りたかった」
鈴掛 喜一:「そっか。これで……」
鈴掛 喜一:少しだけ考え込むようにする。
鈴掛 喜一:「まあいいや。まだやります?」
鈴掛 喜一:「もうちょっと付き合ってもいいすよ、こっちは」
鈴掛 喜一:「こっちは……」
鈴掛 喜一:「……が、あるので」
鈴掛 喜一:責任が、と、そういうように、口が動いたようだった。
石神井寅彦:「だめだよ、それ、羽心神社の人達の思い出が詰まった、大切なものらしいんだから」
御凪 涼:「じゃあ、もう少し付き合ってよ」
鈴掛 喜一:「……知ってるよ」
石神井寅彦:「そうそう。こっちの話がまだじゃん?」
鈴掛 喜一:「了解。続行しますよ」
鈴掛 喜一:「そういや、こっちが喋ってばっかりだな」
鈴掛 喜一:「……いつも通りじゃん。はは」

GM:では、改めまして涼さんどうぞ。
GM:情報項目はこちら。

★鈴掛喜一の正体について〈意志〉任意の〈情報〉7 2d10のHPを失う


御凪 涼:では意志で判定します。イージーで、そうだな
御凪 涼:《真偽感知》を使いたいんですが、いいでしょうか。
御凪 涼:たぶんいま隠していることを暴くので。
GM:うわっどうぞ
GM:そうですね、じゃあ
GM:ボーナスとして達成値+2しましょう
御凪 涼:わーい!
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を2増加 (50 → 52)
御凪 涼:3DX+2+2@10 意思
DoubleCross : (3DX10+4) → 9[2,5,9]+4 → 13

御凪 涼:成功!
GM:成功……!
GM:情報を開示します。

★鈴掛喜一の正体について〈意志〉任意の〈情報〉7 2d10のHPを失う
現在の鈴掛喜一は、《Dロイス:奇妙な隣人》による共生型RB。またの名を"來火(らいか)"。
三年前、発生したばかりの雷獣が義眼に取り憑き、破多々の命令下に置かれていた。
來火は憑依の際『鈴掛喜一』の記憶・人格等をコピーしており、外からは変化をほぼ認識されていなかった。
元々の人格は現在沈黙しており、現状の詳細は不明。
→★破多々の現状について〈意志〉任意の〈情報〉8 2d10のHPを失う が調査可能になりました。


御凪 涼:御凪涼のHPを2d10(→ 7)減少 (25 → 18)
御凪 涼:ウス
GM:ありがとうございます

御凪 涼:「共振現象は、やっぱり、……ああ、透明すぎて妬ましいな」
御凪 涼:「こんなに簡単に伝わることができるんじゃ」
御凪 涼:「どうにもね」喉を鳴らすように笑う。痩せた指先から這う、透明の。
御凪 涼:蝶、蝶、蝶。
御凪 涼:世界は揺らぐ。
御凪 涼:崩れる。
御凪 涼:「嘘でも沈黙でも」
御凪 涼:「暴くことは、簡単だ」
御凪 涼:それを選ぶのが難しいだけだ。揺らぐ世界の消えた音が、その言葉を掻き消す。
鈴掛 喜一:(……ああ、でもおれは、いずれ)
鈴掛 喜一:(暴いて欲しかったんです。本当は)
GM:次に伝わったのは、こんな光景だった。
GM:目の前に、ちりちりと小さな稲妻が走る。
GM:これは、倒れた青年の奇妙な義眼を通して見た光景だ。
GM:ほんの偶然だった。破多々の雷が二人を灼いた直後、小さな雷獣による落雷があった。
GM:獣は何か思いついたようにそれに名と命を与える。そのまま義眼に取り憑き、その男に成り代われ、と。
GM:"來火"と名付けられた幼い雷獣は、素直にその命に従った。長を恐れたからだ。
GM:やがて、中身を複製された青年は再び起き上がる。先ほどと寸分違わぬ様子で、そうして、ちらりと死んだ女性を見た。
鈴掛 喜一:(……あいつ。最後に何を考えてたと思います?)
鈴掛 喜一:(『助けられなかった』『助けたかった』自分が終わりかもしれないのに、そんなことばっかりですよ)
鈴掛 喜一:(全部受け取っちまって、それで今、このざまです)
鈴掛 喜一:喉を鳴らして、少しだけ笑う。
鈴掛 喜一:(さて、これがおれという存在です。びっくりしました? ヤバいすよね)
鈴掛 喜一:(鈴掛喜一って人間は、本当は今はいない。ずっと、眠ってるんです。ずっと)
來火:(そういうわけで。おれは"來火")
來火:(……ごめんなさい)
來火:(ごめんなさい)
來火:(ごめんなさい……)
御凪 涼:「どういう謝罪にしても、少なくとも私が聞くことじゃあないな…」義眼の前で蝶が折れ曲がる。
御凪 涼:なぜならそこに、本当は蝶などいないから。
御凪 涼:振動による視覚への干渉と希薄な薬物生成による幻覚。現代の理屈ではそれだけの。
御凪 涼:「私は君しか知らないんだから、少なくとも私には」
御凪 涼:「謝られる筋合いは」生まれていない蝶。
御凪 涼:「ない」どこにもいない蝶。
御凪 涼:消え失せる。「でしょう?」
來火:「…………」
來火:「涼さんは、ほんとにさあ……」
來火:弱々しく首を振る。

GM:では次、四緒さん。

★破多々の現状について〈意志〉任意の〈情報〉8 2d10のHPを失う


四緒ツツリ:よーし、情報:ウェブで! 要人への貸しと能力訓練一体化も使おう!
GM:どうぞ!
四緒ツツリ:8dx+2>=8
DoubleCross : (8DX10+2>=8) → 10[2,5,5,6,6,8,10,10]+9[2,9]+2 → 21 → 成功

四緒ツツリ:とりゃ!
GM:たっか
GM:めちゃくちゃわかったな
四緒ツツリ:27-2d10
DoubleCross : (27-2D10) → 27-12[7,5] → 15

四緒ツツリ:いてて
GM:ありがとうございます

★破多々の現状について〈意志〉任意の〈情報〉8 2d10のHPを失う
破多々は力を取り戻しつつあるが、襲撃事件を見る限りまだ完全復活を遂げたわけではない。
町内のどこかに潜伏し、時折監視をしながらアテナシへの反抗と人間の襲撃を目論んでいる。
羽心神社周辺に姿を見せることが多いが、神社そのものは恐れるように立ち入っていないようだ。
『電封並四』以外にも、安置してあるEXレネゲイド類に何か関連があるのかもしれない。
→★鈴掛喜一の本心について〈意志〉10・《攻性防壁》による影響なし が調査可能になりました。


四緒ツツリ:「……私は、情報通だぞ」
四緒ツツリ:「なんでもかんでも知ってるわけじゃない、あやしのことだって、最近知った」
四緒ツツリ:左手を解いていく。糸になったそれは、空間に溶ける。
四緒ツツリ:「けど、鈴掛喜一だろうと、”來火”だろうと、顔見知りのことだぞ」
四緒ツツリ:「ずっと知らないままなんて悔しいじゃないか」
四緒ツツリ:ぐ、と引く。空間そのものから、引網のように、求める何かを引きずり出す。
四緒ツツリ:「こんな形で暴くなんて、寂しいじゃないか!」
四緒ツツリ:”情報”が、編み上げられていく。
來火:(……そうなんだよなあ)
來火:(多分、四緒さんの方がちゃんと、情報通だよ)
來火:(おれのは、ズルだからさ)
GM:再び、景色が変わる。
GM:獣は恐ろしい空気を漂わせてはいるが、弱っているようでもあった。
GM:やがて、恐ろしい速度で稲妻のように去っていく。
GM:戻る先は神社。いずれ、アテナシに一泡吹かせる、とそう言い残して。
GM:封印は破られかけている。そのうち復活を遂げるはずだ。
GM:そのわりには何かを酷く警戒しているような様子だった。
來火:(……そう。もしかして)
來火:(もしかして、関係があるのかもしれない。あなたたちが知っている、神社の宝物と)
來火:(だから……)
來火:思考に沈黙が混じる。迷っている。悩んでいるのかもしれない。
來火:(……すいません。待ってください。今、考えてます)
來火:(おれが、どうすればいいのか)
來火:(どうしたいのか、考えているんです……)
四緒ツツリ:「悩んでるんだろ。それくらいわかるんだ」
來火:(お見通しか)
四緒ツツリ:「なんで……皆独り占めしようとするのかなぁ」
四緒ツツリ:「聞いてくれれば応えられるのに」
四緒ツツリ:「言ってくれれば……一緒に悩めるのに」
四緒ツツリ:「”共振”なんかに頼らなくたって、私は情報通なのにさ」
石神井寅彦:「あらら。言われてんじゃん」飄々と笑う。
御凪 涼:「…言葉にするのは」
御凪 涼:「すごく、すごく、難しいから」
四緒ツツリ:「そうかも、しれない」
御凪 涼:「だからこそ、…」
石神井寅彦:「おれみたいなのが要るんじゃない?」
御凪 涼:「そうさ、占い師さん」
石神井寅彦:「はは、またの名を、消毒液」
御凪 涼:「いい出番だろ」
四緒ツツリ:「……悩みを解くのは、私の仕事じゃない」頷く。
戌淵賢人:「…」
石神井寅彦:へらりと笑って、彼に近付く。

GM:では、次は行動値6組ですが、PC優先で石神井さん
GM:項目は以下の通り。

★鈴掛喜一の本心について〈意志〉10・《攻性防壁》による影響なし


GM:《止まらずの舌》を使用したRC判定でも可です
石神井寅彦:では、《止まらずの舌》を使用し〈RC〉で判定します。
GM:どうぞ!
石神井寅彦:コンボ『影法師にあいづち』《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》《止まらずの舌》。
GM:全力だ
石神井寅彦:4dx8+4>=10
DoubleCross : (4DX8+4>=10) → 6[1,3,5,6]+4 → 10 → 成功

石神井寅彦:あっぶね!!
GM:うわっジャスト
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を9増加 (43 → 52)
GM:今回はHPは減少しません。抵抗が薄れたので。
石神井寅彦:良かった
GM:では開示

★鈴掛喜一の本心について〈意志〉10・《攻性防壁》による影響なし
鈴掛喜一は思考を送り、あなたたちにコンタクトを取ろうとしてきた。
怯え、混乱が見られるが、破多々に反抗する意志が芽生えた様子だ。
彼は『山の主・アテナシを訪ねれば、神社や封印について、わかることがあるかもしれない』と告げる。
そうして、あなたたちに助けを求めている。
→トリガーシーンが開きました。次のシーンで山の主であるアテナシの元を訪ねることができます。


GM:また、情報項目開示により、《Eロイス:歪んだ囁き》による効果が解除されました。
來火:破多々への感情を再設定。○尽力/恐怖→憧憬/○脅威
GM:このシーンで提示される情報はこれで全てです。
GM:戦闘は終了。エネミーは一旦退場をします。
來火:《瞬間退場Ⅱ》雷獣と共にシーンから退場。

石神井寅彦:歩み寄る。彼から伸びる影の、ちょうど頭のところで立ち止まる。
石神井寅彦:香りが、きっと漂っている。
來火:(……空の)
來火:(雲の上の、あの、湿った空気の……)
來火:(……懐かしい)
石神井寅彦:「あなたは、きっと、雨と一緒に暮らしてたんだね」
石神井寅彦:「だったら、気持ちを人間に話すのが難しくっても当然かもね」
石神井寅彦:含むように言って笑う。
石神井寅彦:「いいよ、大丈夫。いまなら、誰もあなたの言葉を遮ったりしないしさ」
石神井寅彦:彼の影が、ごぼごぼと泡立つように膨らむ。
石神井寅彦:そして、そこから、影が形を作り出して、浮かび上がってくる。
石神井寅彦:鏡のように。目の前の……きっと、雷獣だった頃の、彼の形をとった、影絵のようなそれが。
石神井寅彦:同化現象の果てに、浮かび上がる。
石神井寅彦:「自分との話し合いだよ、來火くん」
石神井寅彦:影と一緒に、彼に問う。
石神井寅彦:『あなたは、破多々に従いたいの?』
來火:「…………」義眼でない方の目を見開いて。
來火:「おれは……」
GM:ぐるぐると、景色が回る。
GM:恐るべき長が去った後の、静かな風景。
GM:取り残された青年は雨に濡れたまま、じっと女性の遺体を見下ろしていた。
GM:やがて眼帯をかけ直すと、そのまま逃げるように去っていく。
來火:「すいません」
來火:「こんなつもりじゃなかったんだ」
GM:押し殺したような、そんな過去の声がした。
GM:冷静に澄んだ様子だった思考が、弾けた。
來火:(すいません)
來火:(こんな、つもりじゃ)
來火:(違う)
來火:(怖い)
來火:(怖くて、ずっと)
來火:(おれだって)
來火:(おれだって、皆のところに戻りたい)
來火:(でも、わかんないんです)
來火:(だって、もう遅い)
來火:(封印は……)
來火:(…………)
來火:「答えを、言うなら」
石神井寅彦:「うん」
來火:「『いいえ』って、いつでも言いたかった」
來火:いいえ、のところは、
來火:本当に微かな、風の通るような声で。
來火:長には聞こえないように。それでも、伝える。
石神井寅彦:「頑張ったじゃん」
石神井寅彦:笑って頷く。「届いたよ」
來火:(……今、きっと見られてる)
來火:(だから、これだけを)
來火:(山のアテナシさんなら、昔の話が何かわかるかも)
來火:(もしかしたら、巫女さんがいれば、神社のことも)
來火:(……おれは、戻らないと。でも)
來火:(どうか)
來火:(助けて)
石神井寅彦:「……約束!」
石神井寅彦:「全部終わったら、そっちの涼さんから、話あるから!」
石神井寅彦:「聞いてあげてね!」
來火:(……うん)
御凪 涼:「はは」吹き出す。「占いのアドバイス、全然守れてない」
來火:(……聞いてくれて、ありがとう)
來火:(今度はおれが、聞きますよ)
戌淵賢人:「おい」
來火:(……はい)
戌淵賢人:「鈴掛は寝てるような状態って言ったな、死んでねえんだな」
來火:(少なくとも、おれが感知してる限りじゃ、そう)
戌淵賢人:「じゃあ、聞こえてなくても構わん。叩き起こしに行くと伝えてくれ」
戌淵賢人:「妹を庇ってくれた礼を…言いたい」
來火:(……あいつに言いたいこと、おれもたくさんあって、もうだいぶ積もっちまってて)
來火:(でも、それは優先して届けますよ)
來火:(安心して)
戌淵賢人:「だからな、お前も死ぬなよ。お前に死なれると鈴掛も死ぬかもしれねえからな」
來火:(はは、気をつけます)
戌淵賢人:「お前の事はコイツらが何とかするだろうよ」
來火:(……死ぬな、なんて言われたの、初めてだなあ……)
戌淵賢人:「俺は、お前の親玉を喰い殺すだけだ」
戌淵賢人:「だから死ぬな」
戌淵賢人:「それだけだ」
來火:(……健闘を、とか言うのはアレかな)
來火:(ああ、でも、あんまりこれ以上大事なこと、おれには教えないでいいすよ)
來火:(怖くてバラしちゃうかもだから。なるたけ忘れるようにします)
御凪 涼:「じゃあ、また」
來火:「……また」
御凪 涼:遊んだ後の帰り道みたいに、言って扇を振った。
來火:「またね、涼さん」
GM:ぱちぱちと、電気の火花が走る。空間が裂けて、元に戻る。
GM:……やがてあなたたちは、元通りの空き地に立っている。
GM:來火と、雷獣の姿はない。

石神井寅彦:「……さて」振り返る。
石神井寅彦:「ブッチさん大丈夫? ひとりにした方がいいとかあるならするけど」
戌淵賢人:「構わない」
戌淵賢人:「感傷に浸るのはもう…随分前に飽きた」
戌淵賢人:「悪いな、気を遣わせちまって」
戌淵賢人:「話すつもりはなかったが」
石神井寅彦:「いえいえ、こちらこそ。つい知っちゃったものだから」
御凪 涼:「こう言ってはなんだけど、聞けて、良かった」
御凪 涼:「言ってくれれば一緒に悩める、か」扇を開く。
御凪 涼:「……悩みかはわからないけど、なんだか勝手に嬉しくなったよ。ツツリくん」
四緒ツツリ:「出過ぎた言葉、だったかな」
御凪 涼:「まさか」
御凪 涼:「そうなんだよ、だけどいつも…そういうのを畏れてしまうんだな、ひとりだと」
御凪 涼:「だから、ありがとう」
四緒ツツリ:「……よしてほしいな。來火に言った言葉で感謝されると、むず痒い」
御凪 涼:「ふふ。こういうのを勝手に言われてしまうってことさ」
石神井寅彦:「鈴掛くん…、いや、來火くん」
石神井寅彦:「犯人じゃなくてホッとしたなー、おれ」
御凪 涼:「うん」
四緒ツツリ:「だれもかれも、私より物知りのような態度だ」
戌淵賢人:「情報通じゃねーのかよ」
御凪 涼:「えっ、わ、私も…?」寅彦くんたちの方を見る。
四緒ツツリ:「來火のことだって、もう少し時間があれば知れたはずですー」
戌淵賢人:「そこはお前、自信もって言えよ」
御凪 涼:「うん…実際凄いと思ったんだけど…」
四緒ツツリ:「情報通ですよ。ただ……やはり、びっくりした」
戌淵賢人:「正直、あやしがどうだの、封印だの何だのはさっぱりだよ。俺はな」
石神井寅彦:「おれもアテナシ様に会ったことねーし」へらへら笑う。
御凪 涼:「私もないな」
石神井寅彦:「どうしよ。誰かツテあったりする?」
四緒ツツリ:「……」
御凪 涼:「鳥の姿しか…おや」
戌淵賢人:「おい、誰もないのか?」
四緒ツツリ:にまっとした表情。
石神井寅彦:「お?」
御凪 涼:「これはこれは」
石神井寅彦:「出番きちゃいます?」
四緒ツツリ:「ふふん! 来てるとも!」
四緒ツツリ:懐から小さな白い石の破片を取り出す。
御凪 涼:「それは?」
四緒ツツリ:「アテナシ様本人からいただいた、慰石というものの破片」
石神井寅彦:「ご…ご本人に?!」
石神井寅彦:「なんかすごそう!」
四緒ツツリ:「まあ、これだけでつながるわけではないけれど……所在も知っているから」
四緒ツツリ:「顔パスという……こともある! 私ほどの情報通ともなればね!」大変自慢げ。
御凪 涼:「救いの糸だ」
石神井寅彦:「さっすがツツリ様!よっ情報通!」太鼓持ち。
四緒ツツリ:「むふふ」
御凪 涼:「ではツツリくんに導かれるとしようかな」
御凪 涼:「お願いしますよ、黒幕さん」
ライラプス1号:「ワフ!」
四緒ツツリ:「……ああ。破多々とやらの鼻を明かす情報が、きっとあるだろう」子犬の頭を撫で、山稜に目を向ける。
四緒ツツリ:「行くとしよう、天弓山。あやしの総本山だ」

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
御凪 涼:鈴掛さん 〇関心/嘘の匂い → 來火さん 〇友意/不安
石神井寅彦:応急手当1個あるので誰か使ってください
御凪 涼:鈴掛さんにもとりてえ ロイス枠
御凪 涼:買ってからあれなら貰おうかな
石神井寅彦:じゃあ先着順であげちゃう
石神井寅彦:うーーん 涼さんに取るか
御凪 涼:寅彦さんに 〇信頼/狡い
御凪 涼:これもとりましょう
戌淵賢人:石神井寅彦/誠意○/軽薄/ロイス
石神井寅彦:御凪涼/不器用な人:〇/緊張/ロイス
戌淵賢人:気を掛けてくれたので
御凪 涼:あらあら
石神井寅彦:わいわい
御凪 涼:ツツリくんにもとる
御凪 涼:めちゃとるな まあいい ツツリくん 〇尊敬/心配 これで異常
御凪 涼:で、手当を買う
戌淵賢人:四緒ツツリ/信用○/不安
四緒ツツリ:御凪涼/〇正直者/心配 でとろう
石神井寅彦:いや… うん 戌淵さんに取ります
御凪 涼:4DX+3+0@10>=8 調達
DoubleCross : (4DX10+3>=8) → 10[1,4,5,10]+3[3]+3 → 16 → 成功

戌淵賢人:鈴掛さんの分を取るロイス枠が無くなってしまった
四緒ツツリ:石神井寅彦/〇優秀/恥じらい → 石神井寅彦/〇安心感/恥じらい に変更
御凪 涼:二個買えるよこれは
石神井寅彦:戌淵賢人/誠意:〇/心配/ロイス
石神井寅彦:エッドキ……
戌淵賢人:んーボディアーマーかな
戌淵賢人:1dx+1=<12
戌淵賢人:1dx+1
DoubleCross : (1DX10+1) → 2[2]+1 → 3

戌淵賢人:社会性の無い刑事ですいません
石神井寅彦:ww
四緒ツツリ:w
四緒ツツリ:やーだめだ、やっぱり戌淵さんにもとる!
石神井寅彦:社会性のある二人!やっちゃってくださいよ~!
石神井寅彦:自分のぶんのボディーアーマーを買います
御凪 涼:すまねえ手当かっちまったわ
石神井寅彦:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 5[1,3,5] → 5 → 失敗

石神井寅彦:ぼくもなかったです
四緒ツツリ:戌淵賢人/〇仁義/不安 これで!
御凪 涼:自前で買った手当つかうね~ 寅くん二人から選んでいいよ
四緒ツツリ:石神井さんメイド服とかいります?
石神井寅彦:ほしいです
御凪 涼:着な
四緒ツツリ:よっしゃあ購入だっ
四緒ツツリ:ブラックカードと一体化
四緒ツツリ:8dx+3>=20
DoubleCross : (8DX10+3>=20) → 10[2,3,6,6,7,8,8,10]+7[7]+3 → 20 → 成功

四緒ツツリ:着な!
石神井寅彦:うわ~~~~~すごすぎる
四緒ツツリ:ブラックカードは使い切りました
石神井寅彦:ありがとうございます!!執事服で一等賞狙っていきます
GM:ばっちりだ
四緒ツツリ:あと応急欲しいな 余ってたら!
石神井寅彦:なくなっちゃった
御凪 涼:あれ、寅彦くんのぶんがあるのでは
御凪 涼:私は自前ゲット分つかって
御凪 涼:18+2d10
DoubleCross : (18+2D10) → 18+8[3,5] → 26

四緒ツツリ:あ、涼さんは自分で買った分があると
石神井寅彦:あ、そうなんだ 涼さんにあげるねって言ったままだった
石神井寅彦:じゃあツツリちゃんどうぞ!
四緒ツツリ:ありがとうございます”
御凪 涼:いいってことよ
四緒ツツリ:2d10+15
DoubleCross : (2D10+15) → 11[1,10]+15 → 26

四緒ツツリ:ほぼ全開! 次は服買わないと
御凪 涼:言い方
御凪 涼:私は以上で
四緒ツツリ:私も以上です
石神井寅彦:こちらも以上です!


マスターシーン3 三年


GM:雷が、鳴った。
GM:稲光からすぐの音だったが、青年は気に留めることもなく、地面を見下ろしている。
GM:濡れて倒れているのは、まだ若い女性。ぐにゃりとした身体には、既に命の気配はない。
GM:目立つのは、手足に走る火傷の跡。
GM:……今し方、殺害されたばかりの。助けられなかった相手。
來火:「すいません」
來火:「こんなつもりじゃなかったんだ」
來火:生まれて初めての涙は、生身の左目からしか流れない。
來火:それもすぐに雨に溶けて消えてしまう。
來火:「……ああ、そうだ。逃げないと」
來火:誰かに確認をするように、独り言をつぶやく。そこには誰も居ないとわかっていても。
來火:歩き出そうとして、再び響く、ばりばりと天を裂くような音に上空を見上げた。
來火:「……遠いな」
來火:それだけ言って、一度だけ振り向く。
GM:空に花弁のような光が走り、一瞬遅れて轟音。
來火:もう帰れない空、あの懐かしい湿った空気はあまりに高く、手も届きそうにない。
來火:ならせめて、誰か彼女を助けてあげてほしい、と。
來火:祈りを込めて、人だけは呼んだ。それだけしかできなかった。
來火:やがて足音は闇に消え、ゆっくりと遠ざかっていった。

GM:三年。
GM:雷と共に落ちてきたレネゲイドは、三年の間ずっと、逃げ続けてきた。
GM:追及から、自分から、恐怖から逃げて。
GM:逃げて、逃げて、逃げて。
GM:いつしか逃げ込んだ先が、恋しくて仕方がなくなっていた。
GM:そんな資格もないはずなのに。
來火:(遅いんだよ。気が付くのが)
來火:(……本当に?)
來火:(『言ってくれれば』)
來火:(『届いたよ』)
來火:(『死ぬな』)
來火:(『じゃあ、また』か……)
GM:雷が、鳴った。


ミドル5 宛無御殿


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を1d10(→ 1)増加 (52 → 53)
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を1D10(→ 7)増加 (52 → 59)
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を1D10(→ 4)増加 (67 → 71)
GM:石神井さん上がってきた
石神井寅彦:良かった良かった
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 10)増加 (54 → 64)
GM:上がった

【天弓山・山道】

GM:あなたたちは、アテナシという名のあやしの主・または古代種RBを訪ねるため、山を歩いていた。
GM:隠された目印を頼りに、山道を登ったり降りたり。
GM:儀式のような複雑な手順を経る必要がある。
GM:過去にここを訪れたことのある四緒さんは、ある程度先導ができるはずだ。
GM:そして。
波止村 凜花:「ふー、結構歩きますね……」
波止村 凜花:「あっ、そこは右って書いてあります」
四緒ツツリ:「大丈夫かい、雨で滑るかもしれないからね」
波止村 凜花:家にはこの山道の地図も残されていたのだという。
御凪 涼:「行ったり来たりだ。面白いな。ときどき、道が見えなくなる」楽しそう。
石神井寅彦:「いや、革靴にゃ山道はつらいよ…」
波止村 凜花:「地図だと茂みとか、わからないですしね……」
ライラプス1号:「フンフン」匂いを嗅いだりしている
四緒ツツリ:「危ないから、私が先導するからね!」はりきり。
石神井寅彦:「ブッチさんは鍛えてるから平気って感じ?」
波止村 凜花:「お願いします! 地図は任せてください!」
波止村 凜花:しかし、どこか楽しそうにしている。
御凪 涼:「ツツリくん、よく服を汚さないね」
戌淵賢人:「あんまり山を登ったりはしないがな」
石神井寅彦:「まー、そうだよねえ」
戌淵賢人:「まあ問題はないな」
御凪 涼:「袴は歩きやすいのかな」
石神井寅彦:「さっすが……」ブッチさんに大股で行かれるとすぐに抜かされる。慌ててついていく。
四緒ツツリ:「これでも、歩き方くらいは教えられているから」
波止村 凜花:「ふんふん、えーと、ここを下がって……」
波止村 凜花:「ひゃ」
御凪 涼:ブッチさんと寅彦さんを見る。
四緒ツツリ:「えっ御凪さんなんでそんなに泥ついてるんだ! 転んだの!?」
御凪 涼:「む、洋服…」
波止村 凜花:時々転びかけている。
御凪 涼:「ああ、いや、さっき」
御凪 涼:「外れてみたらどうなるかなと思ったら、落ちて」
四緒ツツリ:「何をしてるんだ!? もうっ」
ライラプス2号:「ぷや」同じように泥がついている、転んだようだ。
石神井寅彦:「あー、凜花ちゃん、大丈夫?」
御凪 涼:「ふふ。賢人さんの犬もいたし帰ってきたよ」
四緒ツツリ:《ウォーキングクローゼット》で布地を編みかえて泥を落とします。
波止村 凜花:「大丈夫です……けど、今のはちょっと危なかったかも……」
石神井寅彦:「手つなぐ?」
波止村 凜花:「子供じゃないんですから」つんと横を向く。
御凪 涼:「おお…」きれいになる。生地は上等。
波止村 凜花:「……私、ちゃんと一人で歩けるのでっ」
四緒ツツリ:「ライラプスのほうが偉い」手拭いを取り出し、泥を落としている。
御凪 涼:たぶんライラプス二号くんもきれいに!
石神井寅彦:「あらら、立派だこと」へらへら笑う。「じゃあ後ろついてるね」
波止村 凜花:「ちゃんと皆さんをサポートするんですから……」
波止村 凜花:「さ、サポートされてる」
石神井寅彦:「ん~?」
御凪 涼:「賢人さん、すまないね。ちゃんとツツリくんがきれいにしてくれたからね」
波止村 凜花:「……せっかく」
波止村 凜花:「せっかく、皆さんのお手伝いができると思ったんですよ」
波止村 凜花:「だから、ちゃんと歩きます」
四緒ツツリ:「ちっちゃいからな……水溜まりにもつっこみやすいのだろう」手拭いをくるりと捻る。すると綺麗に。
戌淵賢人:「そいつは元々泥遊びが好きなだけだ」
御凪 涼:「おや。じゃあ私を構ってくれたのかな」
石神井寅彦:「ん、そっか」凜花ちゃんに。
波止村 凜花:ライラプス二号を見ながら。
御凪 涼:「私を構ってくれてもっと偉いね」撫でます。
波止村 凜花:「あの、でも」石神井さんに。
石神井寅彦:「うん」
波止村 凜花:「もし、本当に転びそうになったら……助けてくださいね」
石神井寅彦:「……」
石神井寅彦:「わっ」両手をガオッと出して驚かせる。ふざける。
波止村 凜花:「ひゃっ」
波止村 凜花:「何するんですか、もう……」
波止村 凜花:「山道の転倒って、すごく怖いんですよ」
波止村 凜花:「お父さんのお友達がそれで、ちょっと遭難しかけたんですから」
石神井寅彦:「あらら、ごめんごめん。都会育ちだから全然知らないのそういうの」
波止村 凜花:「…………」
波止村 凜花:「じゃあ」
波止村 凜花:「じゃあ、私が教えてあげます!
波止村 凜花:ぱっと嬉しそうになる。
石神井寅彦:「「おっ、良い笑顔。…うん、教えてくれたら助かっちゃう」それを微笑ましそうに見る。
波止村 凜花:「サポートですね?」
波止村 凜花:「私、家がああだからいろいろやってるわりに、普段何もできなくて」
波止村 凜花:「事件は大変だけど、今お手伝いができるのは嬉しいんです」
石神井寅彦:「おれ達に協力しようって思ってくれてるんだね。こっちこそ嬉しいなあ」
波止村 凜花:「それはそうですよ。だって、普段町を守ってくれてるんだもの」
石神井寅彦:「いやいや、おれってば、まだこの町に来たばっかりだからね」
石神井寅彦:「凜花ちゃんが色んな人から聞いてきた知識とか、ずっと町で暮らしてるから知ってることとか」
石神井寅彦:「たくさん教えてくれたら、ホントにすっごい助かっちゃう」
波止村 凜花:「やった!」
石神井寅彦:「惚れちゃうかも?」
波止村 凜花:「ふふ」
波止村 凜花:「惚れてはいませんけど?」
波止村 凜花:くすくすわらって、山道を行く。
石神井寅彦:「ばーか」
石神井寅彦:「おれが、凜花ちゃんにってことだよ」
石神井寅彦:一人ごとのように言って、それについて行く。
波止村 凜花:「ばーかってなんですか、ばーかって!」
石神井寅彦:「聞こえてるし」
波止村 凜花:「その後なんて言ったんですかー!」
波止村 凜花:「もう!」
GM:儀式のような登山を繰り返し、あなたたちは目的地にたどり着いた。
GM:山の中に忽然と現れた大きな御殿。
GM:山の主・アテナシの住まう屋敷だ。


【天弓山・宛無御殿】

GM:門番に通された中では、なにやらどたばたと騒がしい音が聞こえている。


白音:「主。来客のようだ。知った顔なので通したが」
白音:若い女の門番は、涼さんに頭を下げると下がっていく。
御凪 涼:ひらひら扇を振る。「元気そうでよかった」
アテナシ:「おお、火消しどもか。よく来たと言いたくもあるが」

【アテナシ・天弓山の主】

アテナシ:「今は少々取り込み中での。またの機会としてもらえぬか」
四緒ツツリ:「私は来たことあるのになんで御凪さんが顔で通れるんだ……」もにょもにょしている。
アテナシ:「おお、呉服屋もおるのか……ぬう」
御凪 涼:「さっきの人は事件にかかわったからね」
アテナシ:並外れた長身、奇妙な目隠し、白い色の山の主は、面倒そうにのそのそ動いている。手には虫採り網。
GM:あたりは、あやしたちがどたばたと走り回っている。
アテナシ:「そら、そちらに飛んだぞ。捕らえよ!」
ライラプス1号:「ワフ」
御凪 涼:「サヤくんも駆り出されてるか。久々に会いたかったんだけど」と呟き、扇を広げる。
アテナシ:「ゲーム機にPC類は隠せよ。取り憑かれては後々面倒ゆえ」
四緒ツツリ:「……はっ、お忙しいところ恐縮です。確かに、前とは様子が異なりますね」
アテナシ:「雷獣が出おっての」
雷獣:そこに居るのは、雷獣が数匹。敵意に満ちた様子で、電気をぱちぱちと飛ばしている。
GM:周囲のあやしたちは追いかけてはいるが、素早い動きに翻弄されている。
石神井寅彦:「え、大丈夫?なんか手伝った方がいい?」
アテナシ:「……ふむ」
アテナシ:その声に、あなたたちをじろじろと見る。
アテナシ:「そうよのう。ちょうどいい」
アテナシ:「ひと狩り、といくわけにはいかぬか?」
アテナシ:「報酬はいつもの通り、ちょっとした世間話程度になろうが」
アテナシ:「どうせそれが目当てであろ。わかっておるぞ。いい加減に」
石神井寅彦:「あはは! ゲームのノリだ。アテナシ様、面白いなー」
四緒ツツリ:「嫌な予感が……踊らされるより、マシかな……?」小声。
御凪 涼:「私はちょっと、あなたにきちんと会ってもみたかったけどね」
戌淵賢人:「話はどうせ聞く必要がある」
御凪 涼:「お話にも駄賃がいるなら、少し頑張らないとかな?」
戌淵賢人:「前払いだと思えばいいだろう」
アテナシ:「我とてそなたの舞は一度ゆっくり見てみたい」涼さんに。
石神井寅彦:「クエストだね、クエスト! やるやる」
アテナシ:「とはいえ、こう騒がしくてはどうもの」
アテナシ:「話がわかるではないか。良し!」
アテナシ:「では、彼奴らをどうにか捕まえてみせよ!」

GM:ということで、判定を行います。
GM:目的は御殿に入り込んだ雷獣数匹を捕らえること。
GM:〈白兵〉〈射撃〉〈RC〉〈交渉〉で判定を行い、累計で達成値が40となったところで全て捕獲成功となります。
GM:判定順は自由。エフェクト使用可、メジャーおよびオートでの支援も可能。
GM:届かない場合は侵蝕1d5を振り直すことで再判定が可能です。
GM:ということで、順番を決めて判定を行っていただけると。
GM:あっそうだ
GM:イージーや技能については提案があればボーナスが入ったりもします
石神井寅彦:何ィ!
御凪 涼:おっしゃ
四緒ツツリ:おお
戌淵賢人:なるほど
戌淵賢人:犬をならべておいて壁を作っておく事で逃げ道を制限するとかどうでしょう
御凪 涼:世界でいちばんやさしい壁
GM:わんわん
石神井寅彦:《虹の香り》《竹馬の友》を併用して使用し、幻覚物質をばらまいて雷獣の仲間のふりをして誘き寄せるとかはどうでしょう
GM:わんわんは正直、ここですごく効くなって思っていました……
御凪 涼:《虹の香り》《空の楽器》で不快な音でも鳴らして誘導しようかなあ
GM:では、戌淵さんにダイス+1個と達成値+1
GM:石神井さんにはダイス+1個
御凪 涼:それで寅彦くんのほうに行ってもらう感じでどうでしょ
GM:涼さんにもダイス+1個かな
四緒ツツリ:《ウォーキングクローゼット》《物質変化》で絶縁体を……? あまりスマートじゃないので素通しで
GM:いいのかい!
御凪 涼:物質変化でそれこそ障壁つくったらどうでしょ?
四緒ツツリ:あっそうか 避雷針とか作っちゃお
御凪 涼:クローゼットで布とかでこう、闘牛みたいにもできそうだし
GM:あー避雷針
四緒ツツリ:雷獣の逃げる方向を誘導します!
御凪 涼:良いな―
石神井寅彦:強そう
GM:なるほど、では四緒さんに達成値+2
四緒ツツリ:やった!
GM:ボーナスは以上となります
GM:じゃあ順番決めてやりたい人から判定をどうぞ
戌淵賢人:では判定します
戌淵賢人:射撃
戌淵賢人:ボーナス込み
GM:どうぞ!
戌淵賢人:6dx+6
DoubleCross : (6DX10+6) → 6[1,2,3,5,5,6]+6 → 12

GM:累計12! あと28ですね
GM:演出はまとめてやりましょうか
戌淵賢人:はーい
GM:では次の方!
石神井寅彦:じゃあ次いきます 心配なのでエフェクト噛ませよう
石神井寅彦:《コンセントレイト:ウロボロス》《シャドースクラッチ》使用。
石神井寅彦:5dx8+4
DoubleCross : (5DX8+4) → 7[1,3,4,5,7]+4 → 11

石神井寅彦:w意味なかった
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を4増加 (59 → 63)
GM:累計23! 残り17
四緒ツツリ:行きましょ~ 射出式スタンガンと一体化
GM:どぞ!
四緒ツツリ:7dx+3
DoubleCross : (7DX10+3) → 10[2,6,6,6,8,9,10]+7[7]+3 → 20

四緒ツツリ:でりゃ
GM:おっ回った
御凪 涼:おわ
GM:ということは
石神井寅彦:すごい!
御凪 涼:すご
GM:累計43!
四緒ツツリ:いえい!
GM:達成ですが、追加で振ってもいいですよ
御凪 涼:じゃあ踊るだけおどろ
GM:おどっちゃえ
御凪 涼:舞の判定ないけど勝手に踊るぜ!
御凪 涼:1DX+5+0@10 芸術:舞踊
DoubleCross : (1DX10+5) → 1[1]+5 → 0 (ファンブル)

御凪 涼:ww
石神井寅彦:www
GM:まじで
四緒ツツリ:www
御凪 涼:なにかが起きたんだろうな
戌淵賢人:うそでしょw
GM:まあ、達成後なので問題はない
石神井寅彦:雷獣と衝突事故起こしてない?
四緒ツツリ:感電した?
戌淵賢人:侵蝕ボーナスもないのかな
GM:ああ、60いってないんだ
四緒ツツリ:涼さんまだボーナスないです
御凪 涼:まだないんですよねこいつ
御凪 涼:…あ、これにシズクしていいですか?
GM:ww
GM:わかりました。許可します。
御凪 涼:一回転んで舞ったことにでもするんでw
御凪 涼:《夢の雫》。達成値+10
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を3増加 (53 → 56)
御凪 涼:これが人間だよ
GM:ていうかこれ、舞の判定で、累計には関係ないやつですね?w
GM:あ、でもそうだな
GM:達成値10になったので、その分累計に+1しましょう
GM:44で無事達成!
御凪 涼:ウス ありがたい
GM:(ファンブルなので自動失敗ですが、今回はそういう裁定とします)
GM:で、判定成功したので、以下の情報が開示されます。

★破多々の封印について
過去の封印は、現在羽心神社に納められている宝物『二十六年式拳銃・霊の改』『電封並四』を使用したもの。
まず拳銃で非オーヴァードであった当時の巫女により狙撃、《Eロイス:不滅の妄執》を一時的に解除。
総力で戦闘不能に持ち込み、ラジオへの封印に追い込んだ。
だが、現在ラジオの封印の力はかなり弱まっている。新しい機械を使用して、封印をし直す必要がありそうだ。


雷獣:「ギーッ!」
アテナシ:「……いかんな。そちらの座敷に入ったぞ!」
雷獣:ぱちぱちと光りながら逃げ回る。
戌淵賢人:「さて、どうしたもんか」
戌淵賢人:座敷の出口を確認する
戌淵賢人:「とりあえず、ここを塞ぐか」
石神井寅彦:「どうすんの?」
戌淵賢人:「そうだな」
戌淵賢人:犬笛を咥える
御凪 涼:「おお」見守る。
戌淵賢人:ヒュイッとかすかな音
戌淵賢人:「整列と点呼だ」
ライラプス1号:「ワフ!」
ライラプス2号:「ぷぃーッ」
ライラプス3号:「ワオン」
石神井寅彦:「子犬ばっか! でも雷獣には有効そう!」
四緒ツツリ:「ふわっ……うん、助かるな」
戌淵賢人:「お前達はそこでじっとしてろ、避けなことはしなくていい入り口を塞げ」
ライラプス1号:「ワウ!」
御凪 涼:ぽてぽてと走っていく姿をわくわくと眺めている。
戌淵賢人:「出てきそうな場所は随時犬を詰め込んで塞いておく」
戌淵賢人:「座敷の中だけなら捕まえようもあるだろう」
雷獣:「ギッ……」犬を恐れてうろうろとしている。
戌淵賢人:「俺は他の出れそうな場所を探す、あとは任せるぞ」
石神井寅彦:「テキパキしてるなあ…」
御凪 涼:「はあい」
石神井寅彦:「つっても、ここって広くて迷いそうじゃない? ツツリちゃん詳しい?」
四緒ツツリ:「屋敷の中は初めてだ」
四緒ツツリ:「まあ、やり方はあるさ」
石神井寅彦:「おっ」愉快そうに。「何か策がありそうな顔だね!」
四緒ツツリ:糸を広げ、撚り合わせていく。細長い棘をいくつか並べていく。
四緒ツツリ:「ふふん、下がっていたまえ」
御凪 涼:犬を眺めていたが、その棘に興味を惹かれる。
四緒ツツリ:「向こうからつっこんでくるからね!」
御凪 涼:「わ」下がります。
石神井寅彦:「おお」下がります。
雷獣:「ギッ」
四緒ツツリ:懐から銃を取り出す。強化された、射出式のスタンガン。
四緒ツツリ:ぱん、と気の抜けた音の直後、電流が棘を通じて奔る。
四緒ツツリ:(雷獣は、雷の化身だ。その性質もまた雷に近い)
四緒ツツリ:(電気を与えられれば、その性質は強くなる……)
四緒ツツリ:「自然、避雷針に”落ちてくる”。捕らえるのは任せていいかな!」
雷獣:「ギギッ」何かに引かれるような動き。
石神井寅彦:「危なっそう! 涼さん気をつけてね!」
御凪 涼:「…」その電流を凝視するのに夢中。
雷獣:「ギーッ!」四緒さんの言葉通り、避雷針目がけて飛びかかる!
石神井寅彦:「あれっ聞いてないな!?」
戌淵賢人:「大丈夫か?」
四緒ツツリ:「下がれというのに!!」転がるように避雷針の後ろに逃げる。
波止村 凜花:「すごい……!」
雷獣:ほとんどはそのまま避雷針の方へ。
石神井寅彦:「ブッチさんこの人どうにかして!」ブッチさんの方に涼さんを追いやる。
戌淵賢人:犬を隙間に詰め込みつつ
雷獣:一匹だけどうにか体勢を翻す。
波止村 凜花:「……え」
戌淵賢人:「お前も詰め込むぞ!踊り屋!」
雷獣:そのまま暴れながら、避難していた者達の方へ……。
御凪 涼:「おっと」詰め込まれた犬とともにひょいっと。
石神井寅彦:「おあっ」それに気付く。
雷獣:波止村凜花目がけて、跳び上がり、落ちていく!
波止村 凜花:「ええっ!?」
石神井寅彦:「凜花ちゃん!」
波止村 凜花:「あっ、まさか……これ」
波止村 凜花:「ピンがいけないの!?」
波止村 凜花:手で庇うが、雷獣はそのまま落ちていく。
石神井寅彦:「……そのまま!」彼女のもとに駆け寄りつつ、雷獣を見上げる。
石神井寅彦:「じっとしてて!」
波止村 凜花:「……! はい!」
石神井寅彦:自分の影がぐんと伸びて、凜花ちゃんの影に絡まる。
石神井寅彦:途端、雨の匂いが一気に香った。
波止村 凜花:(……あ)
波止村 凜花:(この町の、匂い……)
石神井寅彦:強烈な同化。瞬時に雷獣の影絵が影から飛び出して、落ちてくる、同じシルエットをしたそいつを出迎える。
雷獣:「……!」
石神井寅彦:そのまま影絵は巨大化し、飲み込むようにして捕らえた。
雷獣:「ギャー!」
雷獣:ばたばたと暴れるが、もはや逃れられない!
石神井寅彦:凜花ちゃんの傍にくる。
石神井寅彦:「大丈夫?」
波止村 凜花:「びっ……くりしました……」
波止村 凜花:目を丸くしている。
波止村 凜花:「今の、石神井さんが……?」
石神井寅彦:「あ」こちらも瞬き。「そ…うです! うわ、普段オーヴァードじゃない人に見られることなんて、ないからな」
石神井寅彦:「えーと、そのヘアピン、雷獣が好きみたい」
石神井寅彦:「危ないかもだから、預かっててもいい?」
波止村 凜花:「そうですね……金属だから」
波止村 凜花:長い黒髪から、羽の形をしたヘアピンをするりと外す。
波止村 凜花:「お気に入りなんですけど……」
波止村 凜花:少し手で撫でて。
石神井寅彦:「ごめんね」困ったように笑う。
波止村 凜花:「石神井さんなら、いいかな」
石神井寅彦:「いや、そんなこと簡単に言っちゃダメだって」
波止村 凜花:「そうなんですか? 結構考えたんですけど」
波止村 凜花:「誰にでも貸すよりいいとは思いません?」
石神井寅彦:「こら」へらへら笑いつつ、ヘアピンを受け取ります。
波止村 凜花:「ありがとうございました」
波止村 凜花:「…………」
波止村 凜花:「あれ、言わないんですか?」
波止村 凜花:「いつもの」
石神井寅彦:「………」
石神井寅彦:「待ってたの?」
波止村 凜花:「どっちでしょう」
石神井寅彦:「うわ…」
波止村 凜花:くすくす笑っている。
石神井寅彦:「やめておきます。悪い大人なので」
波止村 凜花:「ふうん」
波止村 凜花:面白そうにあなたの方を見ている。
石神井寅彦:「その顔、こわいな~」
石神井寅彦:「…さて、とか言ってる間に残りは捕まえてくれたかな」
石神井寅彦:目を逸らし、避雷針の方を見る。
四緒ツツリ:「なあ、無事なら手伝ってくれないか!」絶縁体で作った網で雷獣を抑え込んでいる。
御凪 涼:犬を庇って変に転んでいる。「おっと…ええと、すまない」
四緒ツツリ:「涼さんは犬と一緒に詰められてるし……わーっ!」
御凪 涼:「わ」
戌淵賢人:「チッ、どうするんだ,
戌淵賢人:「おわっ?」
四緒ツツリ:雷獣が暴れ出している。動物の力が危ない!
石神井寅彦:「ドミノじゃないんだから!」
雷獣:「ギギギギ」
四緒ツツリ:「手を貸してって! なんで私一人なんだ、そっち抑えてよ!」
石神井寅彦:「わかったわかった」捕獲に協力するためにそっちに行く。
石神井寅彦:網の上から、影でもって雷獣を抑え込む。
戌淵賢人:「クソが」
戌淵賢人:何とか抑え込む
雷獣:「ギイイイ……」さすがに大人しくなる。
石神井寅彦:「口悪いんだからー」ブッチさんに言いつつ。
アテナシ:「……ふむ。良し。他にはおらぬな?」
アテナシ:「天晴! いや助かった!」
アテナシ:「我が動いては、屋敷ごと吹き飛ばしてしまうからのう」どこまで冗談かわからない。
御凪 涼:「いや、ありがとう賢人さん…皆」よたよた立ち上がります。
御凪 涼:そっと犬を下ろす。
四緒ツツリ:「ふう……どうすれば良いんです? 檻でもあるのかな」
アテナシ:「そうよな、あれを持て」
アテナシ:「我のもう使わなくなった……メモリーカードとかあるであろ」
アテナシ:「5MBとかの。USBメモリでも良いが」
アテナシ:「そこにでも詰めておけばしばらくは大人しくしておろう……さて」
アテナシ:「こほん」
アテナシ:「そなたらのおかげで、屋敷の静寂は戻った、ということよな」
アテナシ:「では、話でもしよう。何が望みか?」
御凪 涼:正座だけはきちんと整った姿勢で聞く。「何から…破多々?」
アテナシ:そこにどさりとあぐらをかく。
アテナシ:「……破多々?」
アテナシ:「また懐かしいというか、面倒な名を言うな……」
御凪 涼:三人に確認を取るように。「だよね?」
アテナシ:「……ははあ、雷獣……」
四緒ツツリ:「はい。雷獣の破多々。それが暴れています」
アテナシ:「なるほど、なるほどな」
アテナシ:「今合点がいったわ。彼奴らもその影響か」
アテナシ:捕まって、一旦閉じ込められている雷獣たちを見て。
石神井寅彦:「話が早くて助かるなあ。羽心神社に納められていたラジオが、破損していたんだよね」
アテナシ:「ほほう、それもまた懐かしい」
アテナシ:「それじゃあ、さぞ人死にも出たろうに」
御凪 涼:戌淵さんのほうをそっと見る。
戌淵賢人:「…ああ」
戌淵賢人:「これ以上被害を出すわけにはいかねぇんだ」
アテナシ:「…………」じっと戌淵さんを見て。
戌淵賢人:「昭和に暴れてたのもヤツか?」
アテナシ:「昔も今も変わらんの、人の言うことは」
アテナシ:「嫌いではない……そうよ」
アテナシ:「『十三人殺し』の破多々」
アテナシ:「……どこから話すか、そう……」
アテナシ:「あの時も、そなたらのように我を訪ねてきた者がおった」
アテナシ:「鷺森惣太郎、という、あやしと妙に親しい人間がいての。町の困り事となると、走り回っておった」
アテナシ:「要はそなたらの仲間よ。オーヴァード、と。あまり気の利いた名とも思わぬが」
アテナシ:「その頃、我も力をつけた破多々に、やたらと喧嘩を仕掛けられて困っておった」
アテナシ:「鷺森は生意気にも、我に手を貸せと要求をしてきたのだな」
アテナシ:「当てはあった。奴はどこから手に入れたか、我らの力を嫌う石火矢を持ち込みおった」
アテナシ:「我は雷獣が絡繰りを好くことを教え、その封印の手助けをし、手勢を差し向けた」
アテナシ:「ただ、石火矢についてはな。触れると灼けるように痛む」
アテナシ:「そこで、矢を撃ったのは……」
石神井寅彦:「ああ」
御凪 涼:「そこで出てくるのか」
アテナシ:目隠しの裏で、瞠目をする。

【雨宿町・過去】

GM:今で言う旧市街。今よりもずっと古めかしい町並みが、まだ新しかった頃。
波止村 愛子:「……あの獣を撃てば、よろしいのですね?」
波止村 愛子:巫女装束、首飾りをした少女の震える手には、一丁の拳銃。
波止村 愛子:とはいえ、この時代でも時代遅れの型式だ。
波止村 愛子:「わかりました。羽心の巫女として、『十三人殺し』、ここでしっかりと食い止めます」
波止村 愛子:「わたくしにはあなたたちの如き力はありませんけれど、でも」
波止村 愛子:「町の危急存亡を救うのは、我々が力を合わせてこそ。そう思いますから」
波止村 愛子:「ただ、お力だけは添えていただけませんか。わたくし……」
波止村 愛子:「射撃の嗜みなどは持ち合わせておりませんから」
波止村 愛子:緊張した面持ちの巫女が、覚束ない手つきで構える。
GM:伸ばした腕を、背後に立つ者の力ある手が軽く支えた。
波止村 愛子:「お願い致します。鷺森様」
波止村 愛子:「ふふ」
波止村 愛子:「お嫁入り前の最後のお転婆。いい思い出に致しますね」
波止村 愛子:「主様! 封印の方は頼みます」
アテナシ:「……斯様な重たきもの、持ち運ぶような身ではないのだがの」
アテナシ:数羽の白い鳥が、一台の機械を……『電封並四』と号された改造ラジオを持ち上げて運んでいる。
GM:攻め手として周囲を囲むのは幾多ものあやしたち。
アテナシ:「だがまあ、良し。征け」
GM:獣が、ぐるりと首を巡らせ、彼らの方に目を光らせた。
波止村 愛子:「三、二、一……」
波止村 愛子:「零!」

GM:結果、この発砲は無事成功であった。
GM:波止村愛子と鷺森惣太郎とは生き残り、紆余曲折を経て今も町に各々の血と縁を残している。
GM:弱った破多々は、ラジオの機械部に吸われるように取り憑いた。
GM:それを羽心神社は今に至るまで保管してきたのだ。
GM:……三年前、内からの抵抗と破壊で、封印が解けかけるその時まで。

アテナシ:「さて、このような物語よ。今は昔」
アテナシ:「雫石とやらを祀っておった神社の巫女が、撃った」
波止村 凜花:「…………!」
石神井寅彦:「…ひいおばあちゃん」
石神井寅彦:「だね」凜花ちゃんに。
波止村 凜花:「はい」
四緒ツツリ:「波止村、愛子さんか」
波止村 凜花:「……そっか」
波止村 凜花:「だから、ずっと宝物を大事に……」
波止村 凜花:「ひいおばあちゃん、結局旦那さんと死に別れてしまって、それで神社に戻ってきて」
波止村 凜花:「その後はずっと、社を守っていたんです」
波止村 凜花:「…………」
波止村 凜花:ほう、と息を吐く。
波止村 凜花:「あの、その銃……もしかして、まだ必要なんですか?」
波止村 凜花:「今回も、使ったり……?」
アテナシ:「他に手がなければ、まあ必要であろうの」
波止村 凜花:「オーヴァードの方は、使えない銃なんですよね」
波止村 凜花:石神井さんの方を見る。
石神井寅彦:「使えるっちゃ使えるんだろうけどなあ」
石神井寅彦:「だいぶ痛い思いする必要がありそうだね」
波止村 凜花:「あの」
波止村 凜花:「あのですね」
石神井寅彦:「どうぞ?」
波止村 凜花:「私、私はオーヴァードではないんですけど」
波止村 凜花:「あと! 銃の所属はうちの社なんですけど」
波止村 凜花:「私、その銃を使えませんか?」
石神井寅彦:「おれは反対」
波止村 凜花:「絶対そう言うと思いました」
石神井寅彦:はっきり言う。「危ないって。いや別に、ちょっとガマンすりゃいい訳だし」
波止村 凜花:「その我慢」
石神井寅彦:「こっちでなんとかするって。ねー?」
波止村 凜花:「私は、ずっと見てきました」
波止村 凜花:「私たちを守るために、何回も何回も戦って」
波止村 凜花:「……命も危なくて」
波止村 凜花:「ずっと、頼るしかなかったの」
波止村 凜花:「我慢しないで生きるのは、無理でしょ」
波止村 凜花:「なら、私だって少しはしなきゃ」
石神井寅彦:「……んー」
石神井寅彦:困りきった顔をしている。
波止村 凜花:「あの、今決めなくてもいいです」
波止村 凜花:「上の人とかに言ってくれてもいいの」
波止村 凜花:「私が、わがまま言ってるって伝えて」
石神井寅彦:「そうね…。ちょっと、こっちで預かるね」
波止村 凜花:「……うん」
波止村 凜花:「私たちがいて」
波止村 凜花:「あなたたちに力を貸したいと思ってる」
波止村 凜花:「それだけでも、伝えてほしい」
波止村 凜花:「お願いします!」頭を下げる。
石神井寅彦:「うわ、そんな、いいっていいって。大丈夫、凜花ちゃんの気持ちはさ、伝えるよ」
石神井寅彦:肩をやさしく叩く。「…サポートしたいんだね。ありがとうね」
波止村 凜花:「ほんと!」顔を輝かせる。
波止村 凜花:「あっ、ちょっと強めに伝えてほしいです」
波止村 凜花:「できればやっぱり……参加したいから」
波止村 凜花:「強めで。私がいいですって」
石神井寅彦:「なんか、今日でずいぶんたくましくなってきたなー」苦笑します。
波止村 凜花:「私、元々こうですよ?」
波止村 凜花:「波止村の女は強いってよく言われます」
石神井寅彦:「そういやそうだ」
波止村 凜花:「ふふふ」
石神井寅彦:「ははは。おれとしたことがね」
石神井寅彦:皆に向き直る。「えーと、で、話進めるね。ごめんごめん」
御凪 涼:「大事な話なんだろ」
アテナシ:「まあ、銃も必要ではあるが……肝心の封印か」
御凪 涼:凜花さんのほうを軽く見て。「む」
石神井寅彦:「あ、そう。ラジオは壊れちゃったじゃん」
御凪 涼:「新しい、何か機械がいるのかな?」
アテナシ:「そうよな。手助けくらいはしてやるが」
アテナシ:「……ああ」
石神井寅彦:「何がいいの? でっけえパソコンとか?」
アテナシ:「あれが良かろ。ほれ、そなたらも持ち歩いておるだろう……」
アテナシ:「スマートフォン」
戌淵賢人:「…」
石神井寅彦:「え? スマホ?」

GM:ということで。
GM:常備化している携帯電話、あるいはここで購入判定を行い、入手した携帯電話があれば、それを使用して封印に使うことができます。
GM:購入判定を行った人は、このシーン最後の購入判定は不可能となります。
GM:また、使用した携帯電話は封印成功後失われます。データがある場合はバックアップを取っておいてください。

アテナシ:「なんやら通信の設備があった方が良いとかなんとか」
御凪 涼:「…持っていたかな。あ、落としてない」軽く袖を振って確かめる。
四緒ツツリ:「荒神を封じる要が、携帯電話でいいのですか……」
アテナシ:「今は便利よの。ラジオは重たくてかなわぬわ」
石神井寅彦:「はあ…。まあ、あるから。おれのでいいならいいけど」
アテナシ:「おお、データは移しておくのだぞ」
石神井寅彦:「ういす」
戌淵賢人:「それは丈夫なヤツか?」
石神井寅彦:「え? あー」自分のそれに目を落とす。
石神井寅彦:「フッツー」
戌淵賢人:「水で濡れて壊れるとか落としたら画面が割れるとか、そんなので逃げ出されても困るだろう」
石神井寅彦:「…米軍基準クリアとか謳ってるやつ、探しますか」
御凪 涼:「すごい」
御凪 涼:「そんなのもあるのかい」
石神井寅彦:「あるよね? 町中行けばどうにかなるよね?」
戌淵賢人:「某セラミックメーカーの作っているスマホは1mから画面に鉄球を落とす耐久試験を行っている」
石神井寅彦:「なんでそんな詳しいの?! 回し者!?」
アテナシ:「ほう! それはいいのう」
御凪 涼:「おお」
戌淵賢人:「耐寒耐熱耐水だけでなく対防塵対海水対薬品試験もクリアだ」
御凪 涼:「すごいねツツリくん。これなら転んでも大丈夫だ」
四緒ツツリ:「戌淵さん、ケータイ好きなんですか? まあ、質がいいにこしたことはない」
四緒ツツリ:「涼さんは首にかけておいた方がいいかもしれないね」
御凪 涼:「たしかに…」
御凪 涼:「そんなスマートホンが、まさかでも今ここには」
四緒ツツリ:「日常生活ではオーバースペックだろうね」
石神井寅彦:「情報屋さん、そういうスマホが手に入る店、ご存知?」
四緒ツツリ:「雨宿町には無いよ、多分……市内の方行かないと」
戌淵賢人:「街まで行かなくてもいい」
戌淵賢人:「アウトドアが好きな同僚がやたらと勧めて来たので先月機種変更した」
戌淵賢人:といって無駄にゴツイスマホを差し出す。
御凪 涼:「わ、これが」
石神井寅彦:「…そういうオチ!?」
四緒ツツリ:「わっ、おっきい…」
石神井寅彦:「もっと早く言ってよ!」
御凪 涼:「でも、いいのかい」
戌淵賢人:「SIMを抜いておけばいいだろう。下手にネットワークに繋がっているのも不安だ」

GM:購入判定をする方がいればどうぞ。
GM:なお、流れが琴線に触れたので、戌淵さんが判定する場合はダイスが+1個されます。
戌淵賢人:では購入判定します
戌淵賢人:警察手帳で割引だ
GM:どぞ!
戌淵賢人:3dx+1>=3
DoubleCross : (3DX10+1>=3) → 10[3,10,10]+4[1,4]+1 → 15 → 成功

GM:!?
石神井寅彦:ヤッベエ
戌淵賢人:これは良いスマホ
GM:めちゃくちゃ容量多い
四緒ツツリ:同僚、やりますね
御凪 涼:高耐久だしな
GM:封印には十分でしょう。
GM:では、そのスマホにアテナシ配下のあやしが封印の力を施しました。

シナリオ限定アイテム『電封端末』
破多々を封じるために力の込められた携帯端末。
戦闘不能状態になった対象と同エンゲージでメジャーアクションを使用することで、再び封印を行うことができる。


GM:これはアイテムですが、所有者を決めなくても大丈夫です。
GM:NPCカードと同じような扱いとお考えください。

GM:また、以下のアイテムを入手しました。

ステージ限定アイテム『慰石の欠片』
種別:アイテム(使い捨て)
バックトラック時に使用。PC全員のダイスを+1d10する。


GM:Eロイス1個分換算です。お役立てください。
御凪 涼:オヤジ!ありがたい

戌淵賢人:「ちなみに耐久試験項目は28種にも及ぶ」
戌淵賢人:「落下、タンブル、鋼球落下、衝撃、振動、耐荷重、耐海水、泡ハンドソープ洗浄、温水シャワー、塩水噴霧、耐薬品、防塵、風雨、浸漬、雨滴、凍結-融解、氷・低温雨、湿度、低温動作、低温保管、高温動作(連続)、高温動作(温度変化)、高温保管(連続)、高温保管(温度変化)、温度衝撃、太陽光照射、低圧動作、低圧保管。だ」
石神井寅彦:「なになになになに」
御凪 涼:「…?」
四緒ツツリ:「どうしたんですか戌淵さん」おろおろ
石神井寅彦:「わかったから!すごいのはわかったから!」
御凪 涼:「つまり、とてもすごい…?」
御凪 涼:「すごいなら…すごいんだろうな…」
戌淵賢人:「丈夫だ」
アテナシ:「まあ、それだけの力を持つスマホなら十分よ」
御凪 涼:「伝わった」こくこく。
アテナシ:配下が何らかの処理を行い、戌淵さんへと戻す。
御凪 涼:それを眺めてから、アテナシの見えない顔の当たりをじっと見つめる。
アテナシ:「む、どうした」
御凪 涼:少し言葉を選ぶようにして。
御凪 涼:「今、あやしの中にも、破多々に従わされているものがいる」
アテナシ:「ああ、以前もそうであった」
御凪 涼:「自分を奪われて、言われるがまま」
アテナシ:「力弱き雷獣は、どうも力あるものに弱いようでの……」
アテナシ:「ふむ」
御凪 涼:「……ええと、だから、もし。なにか、全部が終わっても、それで困っているようなら」
御凪 涼:「あなたにまたお願いに来てもいいかな」
御凪 涼:「その人のことを」
アテナシ:「何、そんな話か」
アテナシ:「我を何と思っておる。この山の主ぞ」
アテナシ:「ひとりふたり受け入れるだけの器がなくてなんとする」
御凪 涼:「……なるほど」かつて接したあやしを思い出す。その寛容さは、少し。
御凪 涼:「ありがとう。次はきっと舞をお見せするから」
御凪 涼:「よろしく」
アテナシ:「……まあ、我のそういうところがあの破多々には胡乱がられたようだがの」
アテナシ:「うむ! 待っておるぞ」
御凪 涼:くすくす笑い、頷きます。「はい、ぜひまた」
石神井寅彦:「こっちもひとつ確認していい?」
アテナシ:「ふむ? 火消しか」UGNのことだ。
石神井寅彦:「はは」変な言い方するな~と思う。
アテナシ:「よいよい。聞くが良いわ。ついでよ」
石神井寅彦:「うん、ついでね。破多々さ、封印するっつーだけだよね」
石神井寅彦:「殺せるってわけじゃない」
アテナシ:「……ふむ」
アテナシ:「殺したいか?」
アテナシ:「残念ながら、我はその手を知らぬ」
石神井寅彦:「アテナシ様でも分かんないなら、分かんないかー」
アテナシ:「そなた、さらりと人を褒めるの」
石神井寅彦:「え? なに急に」へらりと笑う。
御凪 涼:それを聞いてすこし視線をどこかへ向けて、そのまま聞いています。
石神井寅彦:「こっちもお仕事柄、一応できるかどうか確認しなきゃってだけだよ。ありがとうね」
アテナシ:「いや。そうよな、息の根を止めたいのはわからぬでもない」
アテナシ:「……だが、あれは災害のようなものでの。なかなかに難しい」
アテナシ:「まあ、災害を殺すのはお主ら人が目指すところであろう」
アテナシ:「気長に調べよ。古いやり方以外にもな」
戌淵賢人:「方法が見つかれば」
石神井寅彦:「爆弾でも仕掛けてみるか」へらへら笑いつつ。
戌淵賢人:「それを実行するのをあんたは止めないのか?」
アテナシ:「元来、我は人にやたらと手を出すものではない」
アテナシ:「……奴に何か思うところがある者が、試した。殺した」
アテナシ:「そこには、我の介在する余地はなかろうよ」
アテナシ:「言っておくが、我は別に守り神などではないぞ」
御凪 涼:(影灯籠も、そうだったしな。消えゆく鬼は…)
御凪 涼:扇を閉じて聞きます。
アテナシ:「ただの主。守るべき者を守り、治めるべき者を治めるのみよ」
戌淵賢人:「わかった。ありがとう」
石神井寅彦:ブッチさんを見る。影を踏むかどうか考えて、とりあえず止めた。
石神井寅彦:…山を下り、再び雨宿町町役場。
石神井寅彦:自販機が設けられた簡易休憩スペースの前で、ブッチさんを振り返る。
石神井寅彦:「なんか飲みます?」
戌淵賢人:「ん、そうだな」
戌淵賢人:自販機に並ぶ商品を眺める。
石神井寅彦:「おれ期間限定のにしよっと」甘い缶コーヒーを購入している。
戌淵賢人:基本的に仕事中はカフェインを摂取する目的で飲み物を選んでいる。
戌淵賢人:が。
戌淵賢人:メロンクリームソーダを選ぶ。
石神井寅彦:「ブッチさん何にするの? ブラックコーヒーしか飲まなそうな顔してるけど…」
石神井寅彦:「……」
戌淵賢人:メロンの味がするわけでもないし、アイスがのっているわけでもない。
戌淵賢人:ただ、妹が子供の頃好きだった。
戌淵賢人:それだけだ。
石神井寅彦:「あのさ」
石神井寅彦:ベンチに腰掛ける。
戌淵賢人:ペットボトルを取り出しつつ石神井の方を見る。
戌淵賢人:「なんだ?」
戌淵賢人:蓋を開けると炭酸の気が抜けるプシュっという音がした。
石神井寅彦:「あなたは、変に回りくどく言うより単刀直入に聞いた方が良さそうだから、そのまま言うけど」
石神井寅彦:「破多々を殺せないって、悔しかったりしないの?」
戌淵賢人:「そうだな、確かに」
戌淵賢人:一口緑色の液体を口に含んで呟く。
戌淵賢人:「そうだ」
石神井寅彦:「んん」
石神井寅彦:でろりと甘いコーヒーを飲みながら、ブッチさんを見る。
戌淵賢人:「だが、今までは手掛かりすら無かったからな」
戌淵賢人:「誰かもわからん、居るのかも不明で」
戌淵賢人:「そもそも、犯行自体が俺の妄想に過ぎないかもしれないという点から考えれば」
戌淵賢人:「随分とマシな話さ」
石神井寅彦:「……そこからのスタートだったんなら、そりゃ確かに、随分な進展だったね」
戌淵賢人:「それにだ、殺せないってのも」
戌淵賢人:「俺はまだ信じちゃいない」
石神井寅彦:「へえ?」
石神井寅彦:「なにかアテがあるってこと?」
戌淵賢人:「ない。だが封印とやらをするには」
戌淵賢人:「ある程度は叩きのめす必要があるだろう。そこでヤツが死なないとは限らない」
戌淵賢人:「やれるだけはやる。それでムリならとりあえずは封印だ」
戌淵賢人:「殺し方とやらはそれから探ってもいい」
石神井寅彦:「…來火くんがさあ、言ってたじゃん」
石神井寅彦:「『法で裁けない相手だぞ、どうするんだ』って、ブッチさんに…」
石神井寅彦:「…法で裁くつもり、ないね」
戌淵賢人:「法の枠内の存在なら俺だって法で裁く気はある」
戌淵賢人:「相手が法で裁けないなら、俺が報いを与えてやる」
石神井寅彦:「ひとりで?」
石神井寅彦:「だったら、それはおれ、聞き逃せないなあ」ニヤニヤしている。「当事者になっちゃってるからさ」
戌淵賢人:「面倒臭ぇ野郎だな」
戌淵賢人:「お前が当事者?」
石神井寅彦:「ひでえ」笑う。
石神井寅彦:「違う?」
戌淵賢人:「じゃあどの辺がだよ」
石神井寅彦:「アテナシ様から直々に、破多々退治を依頼されたよ」
石神井寅彦:「…いや、ありゃ依頼されてはないか?」
石神井寅彦:「まあ話は聞いたね」
石神井寅彦:「あと、來火くんに『助けて』って言われた」
石神井寅彦:「おれだけじゃない。涼さんと、ツツリちゃんも」
戌淵賢人:「そうか、そうだな」
戌淵賢人:「助けを求められたって言うなら」
戌淵賢人:「当事者か、そう言っても文句は言えないな」
戌淵賢人:「で?当事者としてのお前は」
戌淵賢人:「俺の何を見逃せないんだ?」
石神井寅彦:「ん? 『ひとりで』復讐しようって思ってるところ」
戌淵賢人:「復讐なんて言う非生産的自己満足に関わると碌な事はねぇぞ」
石神井寅彦:「自分で言うなよ」
戌淵賢人:「警察の俺が言うんだから間違いないんだよ」
石神井寅彦:「じゃあ、余計だ。こっから、本気で聞いてね」
石神井寅彦:顔を覗き込む。「正直、おれはいいよ。あなたがどれほど深く妹さんを思って、敵を憎んでるかとか…」
石神井寅彦:「そういうのに立ち入る気はない。けど。もう、当事者は、おれとブッチさんだけじゃない」
石神井寅彦:「感情を独り占めしないで欲しいって思ってる子がいる」
戌淵賢人:「欲張りな話だな」
石神井寅彦:「ばーか。心配してんだよ」
石神井寅彦:「別に、怒りとかだけじゃないでしょ。悲しいとかもあるんでしょ」
石神井寅彦:「…妹さんの昔話して、ちょっとでも共感してくれる人がいたら、あなただって嬉しいんじゃないの」
戌淵賢人:「そういうのが余計な世話っていうんだよ」
戌淵賢人:と言いつつも表情はそれほど硬くはない。
石神井寅彦:「うるさいな~…。來火くんに続いて、あんたも相当な意地っ張りなんだから…。あの二人は心配するでしょ…」
石神井寅彦:こちらも、わりと緩い表情で頭をかく。
戌淵賢人:「これは俺の復讐で、俺が想う妹の死へのケジメだ。俺は俺のやりたいようにやる」
石神井寅彦:「四人の時、妹さんの思い出話ふるからね。してね」
戌淵賢人:「見学したいなら勝手にすりゃいい」
石神井寅彦:「見学で済むと思うなよ」
石神井寅彦:飲み干した缶をゴミ箱に投げ捨てる。
戌淵賢人:「チッ…まあいい」
戌淵賢人:「思い出話くらいはしてやるさ:
戌淵賢人:メロンソーダを飲み干す。
戌淵賢人:「甘い」
石神井寅彦:「はは、無理するから」
戌淵賢人:「お前らの人助けの方は俺もかかわりがある」
戌淵賢人:「助ける方だけ当事者面はできなさそうだ」
石神井寅彦:「來火くん? 殴ったりしないでよ」
戌淵賢人:「鈴掛の方だよ」
石神井寅彦:「ああ…」
石神井寅彦:「そっちなら、殴るわけないか。もとの人格ね。……」
戌淵賢人:「これ以上犠牲者は増やせない。鈴掛も來火もだ」
戌淵賢人:「面倒臭い話だがな」
石神井寅彦:「はは。ブッチさんの言い方のがめんどくさいよ」
戌淵賢人:「お前も十分に面倒くせぇよ」
石神井寅彦:「知ってるよ」言って笑った。



【雨宿町・商店街】

GM:あなたたちは、一軒の傘屋の中に居る。
GM:色とりどりの和傘が、畳んで立てられたり、開いて上から吊されていたり。
GM:古い店だが、雨の多い町では、なかなか繁盛しているようだ。
御凪 涼:「……軽ければなんでもいいんだけれど…」色とりどりの傘を、あまり興味なさげに見ている。
四緒ツツリ:「こうして見てみると、実に多様だね」
四緒ツツリ:店主に挨拶を済ませ、店の奥から出てくる。
御凪 涼:「そんなに真面目に選んでくれなくても…」ばつが悪そうにしている。
四緒ツツリ:「軽さは大事だが……風の影響もある。よくできたものを見繕ってもらったよ」
御凪 涼:「大事にしないとだ」
四緒ツツリ:「少しは重みを感じてくれるくらいじゃないと。涼さんすぐにほっぽりだしそうじゃないか」
御凪 涼:「……ものを持つのがね」
四緒ツツリ:「やっぱり翠が似合うかな……うん?」
御凪 涼:「というか、両手がしっかりふさがっているのが、慣れなくて」
御凪 涼:「でも、選んでもらえるなら」
御凪 涼:「うん、嬉しい。電話も、弟に渡されて、それで」
御凪 涼:「放り出せないから。それも大事にできると思う」翠の傘を見やる。
四緒ツツリ:「……ふふ」
御凪 涼:雨を避ける必要を感じない。体が冷えて、調子が悪くなっても、それはそれだけのことだ。
御凪 涼:と、思うので、少し驚く。
御凪 涼:「どうしたの」
四緒ツツリ:「涼さん、着付けに来させられた子供にちょっと似てたから」
御凪 涼:「なにか楽しいこと、言ったかな」首を傾げ、背を屈めるようにツツリさんのほうへ視線を向ける。
御凪 涼:「……」
四緒ツツリ:「七五三とかで、ウチにね。着たくもないなって不満げな表情も多いんだけど」
四緒ツツリ:「親御さんが喜んでくれると、なんていうか」
四緒ツツリ:「今の涼さんみたいな顔になる。納得?というのかな」
四緒ツツリ:「想われて贈られるものは、やっぱりちょっとは、嬉しいらしい」
御凪 涼:「……む。きみよりだいぶ年上なんだけど」といいつつ、あまり機嫌を悪くしたふうではない。「まあね」
四緒ツツリ:「ごめんなさい。あんまり素直に感想を言ってくれるものだから」顔は笑っている。
御凪 涼:「人から大切にされるというのは、抗いがたい快楽だ」足元の影を見る。邪魔な色彩。
御凪 涼:「私は、弟も兄も、両親も…愛して与えてくれたから」
御凪 涼:「たぶん、きみもそうなんだろう」
御凪 涼:「そういう風に見える。慈しまれて育った人の、物言いがある」
四緒ツツリ:「……格好をつけるなら、これが人心掌握術、といったところだけど」肩をすくめて見せる
四緒ツツリ:「涼さんには、通じなさそうだ」
御凪 涼:「格好つけるのが好きな人が多いからね」くすくすと笑う。「それに、いいことだろうに」
四緒ツツリ:「裏で糸を引くのが情報通だよ。井戸端話で耳ざといのはただのご意見番だ」
御凪 涼:「そういうもの?」
四緒ツツリ:「そういうものさ」
四緒ツツリ:「私は両親からも、店の人にも、常連にも、可愛がられたけど」
四緒ツツリ:事実可愛いからね、とつなげる。
御凪 涼:「ふふ、そうだね」
四緒ツツリ:「涼さんも相当だろう? とてもじゃないが、涼さんが一人で生きていけるイメージが無い」
御凪 涼:「うん、たぶん無理だ」
御凪 涼:ぱたりと扇を広げる。その影が光を遮る。「…たぶんじゃないかも」付け加える。
御凪 涼:「助けられているよ、いつもね」
四緒ツツリ:「ふふ。……蓮さん、いつも苦労してるって言ってた」彼の弟の名前を出す。
御凪 涼:「だろうね。でも…苦労するのが好きで、楽なところもある。おそらく」
御凪 涼:「たぶん、この町はそういう人が多いね?」
四緒ツツリ:「お墨付きだよ。この四緒ツツリが言うくらいには、間違いない」
御凪 涼:「……だからね。少し前から思っていたんだけど、きみはすごく」
四緒ツツリ:「なんせ、名前が『雨宿り』だ。どこかのお人よしたちが、誰かに軒先を貸してやらなきゃこうはなるまい」
御凪 涼:目を細め、傘に触れる。求めてはいない軒先ばかり。嫌ではない。
御凪 涼:「きみは、そうなのに、そうじゃないね」
御凪 涼:「む。これは変な言い方だな」首を傾げる。
四緒ツツリ:「うむ」
御凪 涼:「そうだ、君のくれる傘は、自分の傘じゃないんだ」
御凪 涼:「自分の分を、人に手渡すわけじゃない。きみが差し出す軒先は、きみ自身の痛みを伴わない」
御凪 涼:「それが、とても嬉しいんだ」
御凪 涼:なぜ、皆独り占めしようとするのだと、怒るような声を思い出して、そう言う。
四緒ツツリ:「……なんだか、自分は苦労していないとも言われたようで、複雑だけど」
四緒ツツリ:「そうだね。私が情報屋をやっているのは、それが理由かもしれないな」
御凪 涼:「あ、違う、違う!えっと」慌てて。
四緒ツツリ:「わかってるとも」苦笑。
御凪 涼:「そもそも私が苦労していないんだから、そんなことを言う口はないよ」
御凪 涼:「で、きみの理由はなんだい?」
四緒ツツリ:「私が思うに、一人は一人で、それ以上じゃない」
御凪 涼:「ん」近づく雨の香りを感じる、その色も。それは自分にしか分からないだろう。頷く。
四緒ツツリ:「当たり前だよね。でも、小さな端切れも縫い合わせれば、着流しくらいにはなるものさ」
御凪 涼:「果てしないね」
四緒ツツリ:「ところどころ色も違って、不格好だが、それでも一枚の布だ」
四緒ツツリ:「一枚であればこそ、何かを巻いて、守ることができる……と思う」
四緒ツツリ:「私はそれが見たいのかな、と思ったんだ。一人一人の気持ちが紡がれて、何か大きなものが、守られるのを」
四緒ツツリ:「だから、情報屋をやっている。少しでもつなげやすい方が、効率がいいだろう?」
御凪 涼:「……一人一人が紡がれて、か…」
御凪 涼:「そういえば、私の家の舞も、受け継がれるものだったな」
御凪 涼:「昔のだれかも、きみみたいなことを考えていたのかもしれないね」
御凪 涼:「だったらいいなと思った」
四緒ツツリ:「そうかもね。年下、だけれど」くすくすと笑う。
御凪 涼:室内で、翠の傘をふわりと開く。重たい。けれど、雨から守ってくれる。
御凪 涼:「年齢は成熟と関係ないさ」
四緒ツツリ:「うん……大きなものの一部になりたい、というのは、誰しもがそうなんじゃないのかな」
御凪 涼:「町へ還りたいとか、天に還りたいとか?」
四緒ツツリ:「天に? ……ああ、そっか」
四緒ツツリ:店のガラス窓から、曇り空を見上げる。
四緒ツツリ:雨は降っていないが、重く湿った灰色は、今にも轟きそうだ。
四緒ツツリ:「うん。彼も、そうなのかもね」
御凪 涼:「きちんと聞かなくちゃだ」傘を片手にくるりと回る。髪と衣にまとわりつく湿度。
御凪 涼:邪魔だ。それでも、抗いがたい重さだ。彼女はそういうことを言っている。おそらくは。
御凪 涼:「彼もだし」
御凪 涼:「賢人さんや寅彦くんもどうかと思うな、私」
四緒ツツリ:「あんまり聞かせてくれない?」
四緒ツツリ:「確かに両者とも、一人で抱えてそうだ」
御凪 涼:笑う。「この町らしくは、あるけどね」
御凪 涼:「ツツリくんに糸を引いてもらうかなあ」
四緒ツツリ:「ふふん。手のひらの上で踊るのは、涼さんの役目だ」
御凪 涼:「それはもう、いくらでもさ」
御凪 涼:「その役目なら、きっとだれにも心配させないよ」
四緒ツツリ:「期待しているよ。……おっと」
四緒ツツリ:店の奥から店主が出てくる。丁寧に包装された、和傘が数本。
四緒ツツリ:「これでおつかいも完了だ。雨だというのに傘を差さない人ばかりだから」包みを受け取る。
御凪 涼:「おや」
御凪 涼:「さすがに、きみに渡されたら受け取るだろう」
御凪 涼:「いや、違うか。受け取らせるんだね」
四緒ツツリ:「勿論。十年使い倒してもらうとも」
四緒ツツリ:「きっと、似合う」店の扉を開け、雨の匂いの中に、歩き出していく。


マスターシーン4 波止村の女


【雨宿町・羽心神社・?年前】

波止村 凜花:「あれ、ひいおばあちゃん」
波止村 凜花:「起きてて大丈夫? 疲れない?」
波止村 凜花:気丈な曾祖母だったが、近頃はめっきり弱っていて、それが悲しかった。
波止村 凜花:だが、今日はしっかりと着物を着込んでいる。
波止村 愛子:「ああ、凜花。大丈夫よ。すぐ休むからね」
波止村 愛子:「ちゃんとご挨拶したかった方が訪ねて来て下さってね」
波止村 愛子:「張り切って、おめかしまでしてしまった」
波止村 凜花:「ふうん……?」
波止村 凜花:玄関にはお客さんの靴はもうなかったから、きっとすぐに帰ったのだろう。
波止村 凜花:「あ、それってもしかして……男の人?」
波止村 愛子:「ませたことを言わないの」
波止村 凜花:早くに夫を亡くし、実家に戻って子供を育て上げた曾祖母だ。
波止村 凜花:恋人のひとりもいたとは聞いたことがないが、一度くらいは何かあったのかもしれない。
波止村 凜花:そう、思ったのだ。
波止村 愛子:「そういう方じゃないのよ。あちらにもご家族がいて」
波止村 愛子:「……憧れたことがなくはなかったけど」
波止村 愛子:「そう……いつか凜花にもわかるかもしれない」
波止村 愛子:「そういう想いとはまた別に、一生大事になる方というのはいるもの」
波止村 愛子:「なんて言えばいいのか、感謝をしている相手、ね」
波止村 愛子:「今、この時というところで、自分でないとできない仕事をさせてくれた」
波止村 愛子:「そんな方だったのよ、鷺森様は」
波止村 凜花:「……自分でないと、できない……」
波止村 愛子:「凜花もね、その時を見誤らないように」
波止村 愛子:「わたくしのあげた名前のように」
波止村 愛子:「凜と、咲きなさい。華やかに」
波止村 凜花:皺だらけの手が、そっと頭を撫で、お気に入りのヘアピンに触れた。
波止村 凜花:……その時期を境に、曾祖母は静かに寝付くようになり、やがてその生涯を閉じる。

波止村 凜花:「『……よって、以下は特に頼み残して貰った』」
波止村 凜花:「『なかなかに強欲な老婆と思われたかもしれないが』」
波止村 凜花:「『……思い出というものは、何物にも代え難い……』」
波止村 凜花:(ひいおばあちゃんたら。あんなにいろんな思い出を残して)
波止村 凜花:周囲の宝物の数々を思い出す。きっと今回とは無関係なものも、あれこれたくさん。
波止村 凜花:(知らなかったな。私。ずっと)
波止村 凜花:ぱたん、と古い日記帳を閉じた時の音も。
波止村 凜花:(知れて、良かったな……)


ミドル6 雨宿支部


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を1D10(→ 9)増加 (63 → 72)
石神井寅彦:ギャッ
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を1d10(→ 8)増加 (56 → 64)
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を1D10(→ 8)増加 (71 → 79)
四緒ツツリ:しおしお……
GM:高まってきた
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 10)増加 (64 → 74)
GM:何?
戌淵賢人:もぎゃっ?
GM:がんばってね

【雨宿町町役場・会議室】

GM:あなたたちは一旦支部に戻り、落ち着ける場所で話し合いをすることになった。
GM:ごく当たり前の会議室。人の気配はない。
四緒ツツリ:「と、いうわけで、人数分の傘を調達してきた」
石神井寅彦:「…えっこれ、すごい良いヤツじゃない?」
四緒ツツリ:「『なめくじ』の傘は上等だよ。なにせこの雨宿町で代々受け継がれてきたのだから」
四緒ツツリ:奇妙な店名とともに傘を配る
御凪 涼:「そんな名前だったんだ」自分のをちゃんと持っています。
戌淵賢人:「傘買いにコンビニに行ったんじゃねぇのか」
石神井寅彦:「罪悪感すら沸いてくるんだけど…」
四緒ツツリ:「私がビニール傘なんて差すわけがないじゃないですか」口をとがらせる。
四緒ツツリ:「貸しにしてあげてもいいよ。最初から全員分は買うつもりだったんだ」
御凪 涼:「あれ、お代はいいんだ」財布…?らしき袋をそのままツツリさんに渡そうとする。
四緒ツツリ:「私は情報屋、だからね。お金じゃ買えない情報なら、受け取るよ」
四緒ツツリ:やんわりと涼さんの腕を押し返す。
石神井寅彦:「おっ」
石神井寅彦:「あるじゃんね、ブッチさん! ちょうど!」
石神井寅彦:ばちんと指を鳴らす。
御凪 涼:「む」
戌淵賢人:「コイツ…」
御凪 涼:「よくわからないけど、私にはいいことしか起こらなさそうだね」
四緒ツツリ:「おやおや」
石神井寅彦:「いやさー、二人を待っている間ね、この人ったら、むずかしー顔しながら、自販機で何を買ったと思う?」
御凪 涼:「…水?」
四緒ツツリ:「いつもコーヒーとか飲んでたと思う」
石神井寅彦:「そう! 二人とも、そう! そういうイメージでしょ?」
石神井寅彦:「でもさ、今日に限って、メロンソーダとか買ってるの!」
御凪 涼:「へえ」
石神井寅彦:「これはもう、妹の思い出に浸りたくて仕方がないんだよ」
石神井寅彦:「二人からも、いろいろ聞いてあげてよ! 話したい顔してるから」
御凪 涼:「おお」
四緒ツツリ:「妹さんについて?」
御凪 涼:「寅彦くん、またやってるねえ」扇を広げて微笑む。
石神井寅彦:「そうそ。聞いたら話すってさ…」
御凪 涼:ツツリくんの肩を掴んで押し出します。「出番だ」
四緒ツツリ:「なんでさ!」
戌淵賢人:「お前のそういう所、マジでどうにかならんのか」
御凪 涼:「私よりうまいかなって…」
御凪 涼:「あ、仲良くなっている」
石神井寅彦:「いいじゃん、独り占めされて寂しいんだよ、こっちは」
御凪 涼:少し拗ねたような顔をする。「なになに」
石神井寅彦:「妹さんのこと、どういう人なのかも知らないしさ。それこそ、情報屋さんだって知らないでしょ?」
四緒ツツリ:「まあ、そうだけど」
戌淵賢人:「まあいい。どうせ放っておいても気にするんだろう」
石神井寅彦:「涼さんはなんで拗ねてるの?」
四緒ツツリ:「……戌淵さん、嫌ではないですか」
御凪 涼:「…む、なんか、格好いい感じで仲良くなっているから。二人が」
石神井寅彦:「格好いいか~?」
戌淵賢人:「進んで話すつもりは無かっただけで、別に話したからどうという事でもないし秘密って事でもない」
御凪 涼:「格好つけているということさ」
四緒ツツリ:「そういうことなら、傘の分だけ……」
戌淵賢人:「呉服屋あたりが調べれば、俺が話すまでもなくそれなりの事情は解る程度の事だ」
御凪 涼:「そういうのだよ」
戌淵賢人:会議室の折りたたみ椅子に座る。
御凪 涼:「話すまでもないのを決めるのは賢人さんではないし、私たちでもないし」
四緒ツツリ:「それでも、戌淵さんの口から伝えてほしいですね」
御凪 涼:「…あれ、私たちでもない?」首を傾げる。「あ、そうさ。そう言いたかった」
戌淵賢人:「俺には妹が居た、名前は絵里子だ。年は三つ下だからそれほど離れていたわけでもない」
御凪 涼:「もっと下なのかと思った」
御凪 涼:「…いや、兄にとってはそういうものか。弟妹なんて」
四緒ツツリ:「仲は、良かったんですか?」
戌淵賢人:「いたって普通の生活をしていたな。学校を卒業して働いていた」
戌淵賢人:「良かったんだろうな、お互いベタベタする方ではなかったが」
戌淵賢人:「普通に喧嘩をしてもそれほど長引かない程度には仲が良かったんだと思う」
四緒ツツリ:「そうですか。戌淵さんがそう言うなら」
四緒ツツリ:「本当に仲が良かったんですね」
石神井寅彦:「妹さんも警察だったりしたの?」
戌淵賢人:「いや、普通の会社員だよ、自分には向いてないと言っていたな」
御凪 涼:「犬の仕事の人かと思ってた」
戌淵賢人:「そうだな」
戌淵賢人:「俺達を飼っていた、子供の頃にな」
戌淵賢人:「それで俺も絵里子も犬が好きだった」
御凪 涼:「すごく慈しまれて育っているのがわかった」薄く笑う。
戌淵賢人:「これは後で知ったが」
戌淵賢人:「犬の訓練士の資格を取ろうとしていたようだ」
戌淵賢人:「俺も最初は警察犬の訓練士を目指していたからな」
戌淵賢人:「そっちの方なら警察でも働けると思っていたのかもしれない」
戌淵賢人:「部屋を片付けている時にそれを知ったよ」
戌淵賢人:「真相は最早わからないが」
御凪 涼:「…じゃあ、あなたはそのために刑事になったのか」
御凪 涼:「つまり、妹への心残り、…あるいは復讐か、そのために。」
戌淵賢人:「いや、そうじゃない。成りたい事と得意な事は違うというだけさ」
戌淵賢人:「警察に入ってそれなりの訓練をして適正が刑事だったという話だ」
戌淵賢人:「以前は捜査一課にいた」
戌淵賢人:「こちら側の人間になっても結局刑事のままだ」
戌淵賢人:「向いてるんだろう、それにそれ以外の生き方も今更だ」
戌淵賢人:「担当部署だけがR対策課になって、小さなR対策の揉め事の仕事も増えたな」
戌淵賢人:「能力を持っても窃盗やらの軽犯罪関連は意外と多いな」
戌淵賢人:「人間力を盛った所で、そうそう大それたことは出来ないって事だな」
御凪 涼:「たしかにね」くすくすと笑う。
戌淵賢人:首にかけたチェーンの先に付いた小さな笛を手に持つ。
戌淵賢人:「これは、俺が警察犬の訓練士を目指していた時に、誕生日プレゼントで妹がくれたもんだ」
戌淵賢人:「妹の事件を追ううちにオカルトじみた事まで調べて、いつの間にか力まで得た」
戌淵賢人:「妹がそれを望んでいたかは知らん、恐らくは望んでいないんだろう」
戌淵賢人:「月に何度か喫茶店で絵里子がクリームソーダを注文するんだ」
戌淵賢人:「緑色の液体に白いアイスが浮かんでいる、それが綺麗だから好きだと言っていた」
戌淵賢人:「そこで、特になんでもない話を聞くのが俺の日常だった」
戌淵賢人:「それは、もう無くなった。だから俺は俺の為に復讐をする」
石神井寅彦:「……」ブッチさんの足元に伸びる影を眺めている。
戌淵賢人:「誰も望まないが、ヤツには報いを与える。そんな馬鹿な男の話だ」
四緒ツツリ:「……」戌淵さんの表情をじっと見ている。
御凪 涼:「……幸福や人の望みよりも、辿り着きたいところがあるのなら」
御凪 涼:「私はそれを否定できないな」
戌淵賢人:「そうかい」
御凪 涼:「止めるような気持ちになるかと思っていたけど、ならないものだね」笑う。
戌淵賢人:「まあ、無理に付き合わんでも良いさ」
戌淵賢人:「あと少しだけ言い訳をするなら、これ以上の被害を出さないためだ。刑事としてな」
御凪 涼:「おや、そうは言っていないけど…」と言いながら。
戌淵賢人:「他に何か聞きたい事はあるか?」
四緒ツツリ:「……刑事として、被害は出したくない、ですか」
四緒ツツリ:「復讐をしたい……個人としての戌淵さんは」
四緒ツツリ:「防ぐべき被害の中にちゃんと、数えられていますか? それが、不安です」唾をのみ込む。
石神井寅彦:「…心配されてる」へらへら笑いながら呟く。
戌淵賢人:複雑そうな表情を浮かべる。
戌淵賢人:-
戌淵賢人:戌淵 絵里子:「身体壊す前に休んでね?」
戌淵賢人:-
戌淵賢人:という言葉を思い出した。
戌淵賢人:「…そうだな、あまり気にしていなかったというのが本当だ」
御凪 涼:「だろうね」責めるでもない声で言う。
四緒ツツリ:「……」体が少し、強張る。
戌淵賢人:「まあ、そうだな。そこの占い師に茶化されるようじゃダメすぎたな」
戌淵賢人:「俺が死ぬのは、絵里子は望まないだろう」
戌淵賢人:「それくらいは、解るさ」
戌淵賢人:「すまんな、心配をかけて」
御凪 涼:「もし、上手くいったら?」
戌淵賢人:「なんだ、復讐を成し遂げたら俺が死ぬとでも思ったのか?」
戌淵賢人:「そこまでやわじゃないないよ」
御凪 涼:「そうかも。これはあなたへの心配というよりは」
御凪 涼:「人が望みに辿り着いたときに、そのあとを私は思い描けないから」
御凪 涼:「あなたに聞いてみたかった」
御凪 涼:「……あなたはそうできる人なのがわかった」
御凪 涼:「よかった。信じることにしよう」妙に偉そうに言う。
四緒ツツリ:ゆっくり息を吐く。
四緒ツツリ:「……傘の、対価ですからね。嘘じゃないと、私も信じます」
御凪 涼:「お望みなら暴いてあげるけど」と聞こえるように言う。
四緒ツツリ:臙脂色の和傘を差し出し、戌淵さんの手に取らせる。
戌淵賢人:「警察には不似合いな傘だな」と笑う
戌淵賢人:「暴く、ね。まあやりたいなら好きにしろ」
戌淵賢人:「意外と自分の事は解らねぇもんだと思ったよ今日は」
御凪 涼:「ツツリくんはそういうのは好まないみたいだよ」ね、と視線をやる。
四緒ツツリ:「秘するべきことはあるさ。なんでも白日の下に晒していいわけじゃない」
四緒ツツリ:「そういうのは私だけが知ってればいいんだ」
石神井寅彦:「かっこいいなあ。この町の黒幕は伊達じゃないね」
四緒ツツリ:「……戌淵さんは、話をしてくれたけど」
四緒ツツリ:「石神井さんは、なにか身の上話の一つでもないのかい?」
石神井寅彦:「え? おれ?」目を丸くする。
御凪 涼:じっと寅彦さんを見る。
石神井寅彦:「えーと、平凡な人生を送ってきたもので…」
御凪 涼:「寅彦くんは」
四緒ツツリ:「嘘を言うなよ。UGNのエージェントなんてやってるくせにさ」
御凪 涼:《虹の香り》。香水の香りが消える。ツツリさんの言葉に、喉を鳴らす。
御凪 涼:「なんというのかな。慎重、丁寧、聡明、臆病……」
石神井寅彦:「情報屋やってる呉服屋の御曹司もどっこいじゃねえの~…?」
石神井寅彦:ふざけて言ってから、涼さんを見て困った顔をする。
戌淵賢人:「臆病か」
四緒ツツリ:「今は君の番だよ。傘を受け取ったんだから」
戌淵賢人:「度胸はあると思うが」
石神井寅彦:「今の、この空気は苦手っすね」
御凪 涼:「踏み込むことを厭わないのに、されるのは嫌みたいに見える」
戌淵賢人:「踏み込めるだけ大したもんだよ」
戌淵賢人:「あれだろう?わざわざ、アテナシに殺せるかどうかを聞いたのは」
戌淵賢人:「俺の代わりだったんだろ」
戌淵賢人:「すまないな、石神井」
戌淵賢人:「ありがとう」
石神井寅彦:「……」
石神井寅彦:「どういたしまして……」
石神井寅彦:「……」
御凪 涼:「ふふふ」
石神井寅彦:「いや、この空気無理なんですけど……」
御凪 涼:「ほら」
石神井寅彦:顔を覆っている。
戌淵賢人:「で?それがお前が俺にした事だよ」
四緒ツツリ:「……まあ、石神井さんのその顔が見れただけで」
戌淵賢人:といって二ヤリと笑います
四緒ツツリ:「溜飲は下がった、かな。ふふん」
四緒ツツリ:「いいよ、貸しにしておいてあげよう」
石神井寅彦:「ありがとうございます…」
御凪 涼:「私はまだ足りないけど……」と驚く。
石神井寅彦:「…涼さん」
石神井寅彦:「秘密のままでもいいって言わなかったっけ?」
御凪 涼:「そうは言ったけど……」
石神井寅彦:「うわっ、甘やかされて生きてた人っぽい発言…怖…」
御凪 涼:くすくすと扇を広げる。
御凪 涼:えい、とその足元の影を軽く踏んで、引く。
ライラプス2号:「ぷやー」涼のとなりでそれを見ながらぷるぷるしている
GM:ではその時。
GM:全員知覚で判定をお願いします。目標値・ペナルティはなし。
GM:一番高かった人が先に何かに気付くことができます。
四緒ツツリ:4dx+1
DoubleCross : (4DX10+1) → 9[1,8,8,9]+1 → 10

石神井寅彦:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 5[2,5]+1 → 6

御凪 涼:2DX+1+0@10 知覚
DoubleCross : (2DX10+1) → 10[2,10]+8[8]+1 → 19

戌淵賢人:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 10[2,6,7,9,10]+3[3]+1 → 14

石神井寅彦:ヤバイ
GM:高いな
GM:では、涼さんが最初に気付きます。
f GM:いつの間にか、ぱち、ぱち、と照明が妙な具合に点滅している。
御凪 涼:す、と上を見る。
御凪 涼:「あれ」語調が少し強い。
GM:さっきまではかなり明るかった明かりです。急に切れるのはおかしい。
GM:そして、見上げたところで。
四緒ツツリ:「どうしたんだい、涼さん」つられて天井を見る。
????:《ファーコンタクト》
????:シーンに登場します。
GM:ぱち、と照明が一度大きく点滅した。そして。
????:ぽてん。
GM:何か小さなものが床に落ちる音。
????:「いて」
GM:あなたたちの目の前には、一匹の小さな雷獣が立っていた。
御凪 涼:「犬…ではない」
????:「……ども。あの」
????:「来れたんで……来ました」
四緒ツツリ:「雷獣だよ! ……え?」
????:「えと、すっげー今恥ずかしいんすけど」
來火:「來火です」

【雷獣・來火】

御凪 涼:「ずいぶんと小さくなって」しゃがみます。
來火:「支部長とか、いないすよね。さすがに気まずくて……」きょろきょろしている。
來火:どこか疲れて、よろよろとした足取り。
四緒ツツリ:「体の方は……いや、それより」
四緒ツツリ:「斥候、ってワケじゃなさそうだ……逃げてきたのか?」
來火:「はい、まあ」
來火:「今、普段の身体の方はちょっと、破多々さんにボコボコにされて寝てるんで、隙を見て……」
御凪 涼:「えっ」
石神井寅彦:「ボコボコに!?」
來火:「死んだりはしてないです。ちゃんと、約束しましたから」
來火:「そのおかげで、監視なしで来られたんで。早く治してどうにか動きます」
御凪 涼:「……たぶん、いろいろ言うべきことがあるはずなんだけど」
御凪 涼:「とりあえず」
御凪 涼:「また会えてよかったよ、來火くん」
來火:「いやー、意外と早かったすけど」長い尻尾を振っている。
來火:ちらちらと、戌淵さんのところの犬の様子も伺っている。
御凪 涼:「そうだねえ」尻尾の揺れを見ています。
石神井寅彦:「うーん…てことは、あんまゆっくりできない感じ?」
石神井寅彦:來火くんを覗き込む。
來火:「そうかも。また戻んなきゃだし」気まずそうに見上げる。
來火:「ちょっといろいろあったのと、わかったことがあったのと」
來火:「……あと、ちゃんと謝ってなかったような気がするんで、それも」
來火:「まず、全員にすいませんでした。こないだは」
ライラプス3号:フンフンと來火の尻尾の匂いを嗅いでいる
來火:ぺしんぺしんと尻尾を大きく揺らす。
ライラプス3号:「きゃう」
石神井寅彦:「かわいい謝罪風景だな~」へらへら笑っている。
來火:「あんまり近付くと、ビリビリすよ。危ないから」
御凪 涼:「ほう」触ろうとしてライラプス
ライラプス2号:それを聞いてプルプル震えている
御凪 涼:「こわがってる」
來火:「しょうがないじゃないですか、雷だし……」
來火:「あと、あの、特に、刑事さん」
戌淵賢人:「2号はいつもプルプルしているだけだ、特に何も気にしていないだろう」
來火:「三年前、おれが妹さんを置いて逃げたのは、やっぱりどうしてもほんとです」
來火:「……ごめんなさい」
來火:頭を下げる。
戌淵賢人:「そうか」
戌淵賢人:「気にしていないと言えば嘘になるし」
戌淵賢人:「置いていなければ助かったかも、という気持ちが無いわけではないんだ」
來火:「はい」
戌淵賢人:「だが、それでもお前のおかげで少なくとも真相にたどり着く事は出来た」
戌淵賢人:「妹の死を割り切れるものではないが、妹を庇おうとした人間が居たという事を知れたのは」
戌淵賢人:「お前のおかげだ」
來火:「……喜一のこと、わかってくれて」
來火:「それだけで十分です」
來火:「おれは何されても仕方がないけど、あいつは何もしてないから」
戌淵賢人:「ああ、だが」
戌淵賢人:「お前も犠牲者なのだろう」
戌淵賢人:「真に災いの根源である者の」
來火:「あんまし胸を張って言っていいのかはわかんないですが」
戌淵賢人:「お前に後悔と謝意の気持ちがあるだけで、俺は十分だよ」
來火:小さな目を閉じる。
來火:「話せて、良かったです」
戌淵賢人:「俺もだ」
石神井寅彦:その様子を眺めながら、ツツリちゃんにそっと聞く。
石神井寅彦:「…鈴掛くんの中身が來火くんだったって、なんか変な感じだね」
四緒ツツリ:「……まあ、はいそうですかとは、ならないね」息をついて、応える。
石神井寅彦:「なんか言わなくて大丈夫? おれより付き合い長いっしょ、彼と」
四緒ツツリ:「ん……そうだな」
四緒ツツリ:一歩前に出て來火くんに尋ねます。
四緒ツツリ:「……えーと、來火」
來火:「わー、四緒さん、下から見ても顔が良いや」くすぐったそうな顔をして。
來火:「はい」
四緒ツツリ:「口の軽さは変わらないな……いや、変わってはいないんだった」
四緒ツツリ:「鈴掛喜一って、そう思って呼んでたわけだけれど」
來火:「そうすね」
四緒ツツリ:「君が名乗ってたからだけど……もしかしたらそれに重圧を感じていたのか、と思った」
四緒ツツリ:「もしそうなら、ごめん」
來火:「んー……」少し考え。
來火:「おれね、もちろん言われたからこうやって中に入って、ずっと化けてたわけだけど」
來火:「でもさ、そうすればそのうち、喜一が戻ってきた時の居場所をキープできるかなーって」
來火:「そう思ってたんだ」
來火:「だから、別にそれは全然」
四緒ツツリ:「そうか、それならいい」
來火:「そうだよ」
來火:「もしいろいろ上手くいって、おれたちが元気で、喜一が戻ってきて」
來火:「そしたら、仲良くしてあげてよ」
四緒ツツリ:「うん……これは、確認したいんだが」
四緒ツツリ:「來火は、帰るつもりなんだよね」
來火:「…………」
來火:「どうなんのかなあ」
御凪 涼:尻尾から、その小さい目をじっと見ています。「帰りたいのかと思ってた」
來火:「空は、懐かしいよ。でも帰れるものなのかどうか、わかんないし」
來火:「喜一はほっとけないし」
來火:「……ここは……あったかいし」
四緒ツツリ:「そうか」
四緒ツツリ:「なら……もしいろいろ上手くいって、鈴掛喜一が戻ってきて」
四緒ツツリ:「君と、私たちが元気だったら。仲良くしてあげよう。約束だ」
來火:「よろしく」前足を持ち上げる。
來火:「……短い」
來火:「なんか悔しいな……!」ぽてぽて足踏みをしている。
四緒ツツリ:「大差ないさ」
四緒ツツリ:屈んで、前足を手で取る。
來火:ぱち、と静電気のような火花が少しだけ散る。
來火:「痛くないすか?」
四緒ツツリ:「……」
四緒ツツリ:「別に……」
來火:「あっ、痛いんだ」
四緒ツツリ:「痛くない!」
來火:「やせ我慢してー」
來火:手にこつん、と額を当ててやって、それからすぐ離れる。
四緒ツツリ:「それは君もだろうに」口を尖らせている。
御凪 涼:「あ、私も、私も」空いた前足にひょいっと触ります。
御凪 涼:「私も、仲良くして」
來火:ぱち、とまた静電気。
來火:「仲良くっつうか……いいですけども」
來火:「なんだこれ」
石神井寅彦:「あはは」様子を見て笑っている。
御凪 涼:「きみにきちんと言い損ねてたから」
御凪 涼:「友達になってくれってさ」
來火:ぽかん、と口を小さく開いて。
來火:「や、その」
來火:「はい……でいいんかな」
ライラプス2号:「ぷや!ぷや!」
來火:「なんか改めて言われると……はは」
來火:「犬……」少し小さくなる。
御凪 涼:ふふ、と毛玉たち(?)の間をくるりと回ります。「ああ、だめだ」
御凪 涼:「やっぱりこういうの、言葉では、耐えられない」扇を開く。
御凪 涼:しゃらん。《空の楽器》。鈴の音、それから笛の声。
來火:音に、上を振り仰ぐ。
御凪 涼:倒れこむように体が傾ぎ、そのまま曲線を描いて起き上がる。
御凪 涼:開かれた扇が腕で円を描き、紬の袖がそれを追う。
四緒ツツリ:「え、え」涼さんの突然の動きに慌てている。
來火:「…………」ちんまりと床に座ったまま、その動きを見ている。
ライラプス2号:「ぷぃー」転がって起き上がれないので転がる
御凪 涼:足を踏む、わずかな空気の移ろい。そこに体が乗る。
御凪 涼:それははじめの一動作以外、まったく主体的でないような。
御凪 涼:周囲の空気、風、力、それらに身を任せ、ひとつになるような舞。
御凪 涼:鑑賞者は主体へ引き寄せられる。
御凪 涼:指先を動かせば空気が震える。
御凪 涼:心臓が鳴るたび鈴が脈打つ。
御凪 涼:あなたが聞けばわたしが物語る。
御凪 涼:自他の境界に、もはや意味などない。そういう錯覚を起こし、引き延ばす。
御凪 涼:家のだれとも異なる、異形の舞を、軽やかに楽しげに、息をするよりも心地よさそうに舞う。
御凪 涼:そしてだれにも読めない折に、ふいにぷつんと音が途切れて。
御凪 涼:「……はぁ」満足げに息をして、おしまい。いつものように。
石神井寅彦:「………」しばらくしてから、終わったと気付く。
石神井寅彦:「おおー」なので少し遅れて拍手。
來火:「…………」自分の前足をちょっと見て、叩いても音が出ないので尻尾だけを揺らす。
御凪 涼:「なんだか嬉しくて、ふふ、はあ、楽しかった」伸びをする。「おお」反応があると思わず、瞬き。
來火:「雲みたいだったな」
四緒ツツリ:はっとして、石神井さんに追従するように手を打つ。
御凪 涼:誰もいなくても、誰がいても、勝手に舞ってしまう。気に出来ない。「……雲?」
四緒ツツリ:「うん、急に踊る人とは聞いていたけど……これは、すごい」
來火:「高いところの雲が、急にわっと大きくなって、空気が流れて」
來火:「おれがちょっとだけ見てた時の、雲が育つ感じに似てた」
ライラプス1号:「ワフ」
ライラプス2号:「ぷい」
ライラプス3号:「わおん」
戌淵賢人:「踊りのことは良く解らんが、大したもんだ」
戌淵賢人:「こいつらも喜んでいる」
石神井寅彦:「こいつらは素直でいいなあ」ライラプス達を撫でにかかる。
御凪 涼:ぽかんとして、笑いだす。「良かった」
來火:「普段の目線だったら、そうは思わなかったかもしんないし」
來火:「……よかったんじゃないすかね」
御凪 涼:「私は空に行ったことはないが、きみがそう思うのなら」
御凪 涼:「この舞はきっと空にも近づける」
來火:「芸術、わっかんないなあー」
來火:「……わかんない涼さんが」
來火:「あの時、喜一の義眼に気付いてくれて、よかった、と思ってます」
御凪 涼:「……」
御凪 涼:「そうか」
來火:「これは、ほんと」
御凪 涼:「よかった」一度目を閉じて、開ける。「なにかが出来たんじゃないかと」
御凪 涼:「あのとき、私でなければなにか、違ったのかもしれないと」
御凪 涼:「……思う前に。ここまでこれてよかった」
御凪 涼:「そう思うよ」
來火:「そんなこと考えさせて、ごめんなさいって」
御凪 涼:「…もっと嬉しいのにな。こういう言葉しか出てこない」
來火:「でも、ありがとう」
御凪 涼:「もう少し、話すのも上手くなるよ」苦笑いを零す。
石神井寅彦:「あとで一緒に踊れば?」軽口を叩く。
石神井寅彦:膝に3号をのせている。
來火:「おれどうやって踊るの? これ?」
來火:ぽてぽて。
來火:「石神井くんは脚が長いからってそうやって余裕すよねー」
ライラプス3号:「ウォフ」
石神井寅彦:「ははは、ずいぶん可愛くなっちゃって」
四緒ツツリ:「犬だって踊れるんだ、やりようはあるさ」
石神井寅彦:「……踊りの練習しに来たんだっけ?」
來火:「……んなわけないんだった。用事ですよ」
石神井寅彦:「そりゃそうだ。そうでした」
御凪 涼:にこにこと扇を閉じます。
來火:むいむいと2号を押してやるが、起こすのは諦める。
來火:「すいません、それはそれとしてだ。こっちからわかったこととかを伝えに来ました」
ライラプス2号:「ぷひー」寝てる
來火:「破多々のこととか、おれら雷獣のこととか」
GM:ということで、以下の情報が自動開示されます。

★破多々の力について 自動開示
破多々は《装甲強化》を所持しており、非常に守りは堅い。
また、雷獣を使役することで支援を行わせ、さらに攻撃を強力にしている。
ただし、周囲の雷獣を交渉で味方につければ、勝機は得られるかもしれない。
増えた雷獣は、このままでは命令通り町中の機械に取り憑き、勝手に動き出す。
大型の乗り物や工業機械が狙われる前に止めなければならない。
→クライマックス戦闘で雷獣に対する交渉判定を行うことが可能になりました。


來火:「強いです、あの人。当たり前すけど」
來火:「そんで、みんな怖がって味方してるけど……本心じゃないです」
來火:「大事になる前に、上手く止めて、味方につければ……って思って」
來火:「おれひとりじゃ無理なんで、力を貸してほしい」
御凪 涼:「うん。頼ってくれてありがとう」
石神井寅彦:「おれ達なら破多々をまた封印できるって説得すりゃいいのかな」
來火:「そういう感じ……あと」
來火:「頑張って立ち向かってくれてるところを見せてくれれば、きっと」
來火:「おれたち、弱いから。みんなのために戦える人がいれば、きっとついていきます」
來火:「……おれが、UGNが好きだったみたいに」
來火:「みんなが、おれのことを助けてくれた時みたいに」
戌淵賢人:「なるほどな」
戌淵賢人:「主犯が暴力で他を従わせるというのは」
戌淵賢人:「よくある事だ」
戌淵賢人:「そう言う場合逆らえない場合も多い」
御凪 涼:「おお、刑事らしい」
來火:「何もかも悪く言いたい訳じゃないんです。名前をくれた人なんで」
來火:「でも…………」
來火:「仲間をそんな風に使われるのは、やっぱり嫌だし、その」
來火:「おれだって、UGN……なんです。今、休暇中だけど」
來火:それだけ言って口を閉ざす。
御凪 涼:「ふふ、久則さんも心配していたよ」
御凪 涼:「きみの情報を賢人さんにってくれたのも久則さんだしね」
來火:「社長なあ……絶対顔合わせたら怒鳴られるんすよ」
來火:「中身がいい人でも、パワハラで包んでたらそれはパワハラなんすよ」
來火:むぐむぐと照れたようにしている。
石神井寅彦:「素直じゃねえのは同じだなあ」
四緒ツツリ:「それでもやっぱり、包みは中身を引き立てるものさ」
四緒ツツリ:「鈴掛喜一を纏っていた君自身だって、そうだもの」
來火:「……はは、ちょっとオーバーサイズのやつを着ちゃってましたけど」
來火:「ちょうどいいサイズの奴が帰ってきたら、そっちも見てやってね」
GM:その時、外からコンコン、とノックの音がする。
來火:「うあ」
石神井寅彦:「お?」ドアの方を見る。
來火:「ちょっと、一旦引っ込みむんで……!」
八千代 路夜:「八千代です。入りますね?」
來火:「ひゃ」
來火:そのまま、跳び上がって、来た時のように照明の中へ。
石神井寅彦:「おお…。あと10秒かけてドア開けてくださーい」
石神井寅彦:言いながら立ち上がる。
八千代 路夜:「? わかったけど……?」
八千代 路夜:しばらく間を空けて、ドアが開く。
御凪 涼:照明の中にはいっていく影をぼんやり見て、扉へ。「こんにちは」
來火:一瞬だけ、照明が点滅した。
八千代 路夜:「こんにちは。遅くなってごめんなさいね」
八千代 路夜:「もう、今本当にいろいろ……本当に大変で」眉間を押さえる。
八千代 路夜:「今は波止村凜花さんと少しお話をしていたところ」
八千代 路夜:石神井さんの方を見る。
石神井寅彦:「あー、そうだ。その件」
八千代 路夜:「その件ね……」
八千代 路夜:「石神井くんは、彼女を巻き込むことはあんまり賛成はしてなかったよね」
石神井寅彦:「そうですねえ。民間人だし」
八千代 路夜:「私もね、大きく言うと反対なの。これは前提としてね」
八千代 路夜:「前提として……」
八千代 路夜:「今、人手が本当……に足りていなくて」
石神井寅彦:「声色が切実すぎる」
四緒ツツリ:「慢性的じゃないのかな……」
八千代 路夜:「ほら、雷獣の件。あれがもうしっちゃかめっちゃかで」
八千代 路夜:四緒さんに。
四緒ツツリ:「まあ、確かに。状況がややこしくはありますね」照明をちらりと見る。
八千代 路夜:「あちこちで電化製品が壊れたとか動き出したとか……」
八千代 路夜:「今は小規模だけど、ボスが出てきたって聞いたからには今後どうなるかわからない」
四緒ツツリ:「早急な解決のためには、一般人であろうと有力な戦力は欲しい、と」
八千代 路夜:「そういうこと」
八千代 路夜:「というのをさっき手配してしまったところなので、手が空いてないのよ」
四緒ツツリ:「イリーガルの身としては、頷けるところありますが……」石神井さんを見やる。
御凪 涼:「私は客分だから、いいんじゃないかと思うばかりだな」
八千代 路夜:「それで、凜花ちゃんね。彼女はUGNのことはよく知っているし、覚悟も決まってる」
八千代 路夜:「何より、宝物は彼女の家のものでもある」
八千代 路夜:「……比較的、あくまで比較的、有効な人材である、とは判断できる……ただし」
八千代 路夜:「補助があれば、ね」
石神井寅彦:「補助……」
御凪 涼:「それはあの銃や石のこと?」
八千代 路夜:「いくらなんでも、高校生の女子ひとりに昔の銃でジャームを撃ちなさい、なんて酷いことはできません」
八千代 路夜:「それもそう、プラスして、人ね」
四緒ツツリ:「人」
八千代 路夜:「今遊撃部隊として空いているあなたたちに、護衛と支援をお願いできないかしら」
石神井寅彦:「やな予感がしてきたな」
石神井寅彦:「…やっぱりなあ…」
八千代 路夜:「エージェントなら、大体わかってるでしょう、こういう時は」
八千代 路夜:「私だって、彼女もあなたたちも危険に晒したくはない」
御凪 涼:「賢人さんなんかは、そもそも一般人を守る仕事だし」
八千代 路夜:「……そう。戌淵さん」
八千代 路夜:「今回は、こちらの調査にご協力いただき、ありがとうございます」
戌淵賢人:「R対策課はUGNとは協力関係にあります」
戌淵賢人:「こちらの案件にも協力いただけるなら、ですが」
戌淵賢人:「今回は、こちらも動く理由がある」
八千代 路夜:「……ええ」
八千代 路夜:「町と住人の皆さんを守りたい、その志はお互いに同じと思っています」
八千代 路夜:「今回のような事件に関しては、ぜひ、いい協力関係を築ければ、と」
戌淵賢人:「勿論です。警察としても市民を守るという点は優先事項ですので。」
八千代 路夜:「よかった」
石神井寅彦:「…おれ達の時と態度変わりすぎじゃない?」
八千代 路夜:「特に今回は標的がジャームと見られる存在ですから。連携と協調は何より大事です」
八千代 路夜:ふふ、と石神井さんの言葉に軽く微笑んで。
八千代 路夜:「……ということです。頼まれてもらえる?」全員に。
御凪 涼:「私は勿論」
戌淵賢人:「ただ、市民の安全を守るなら秘密主義はほどほどにしていただきたいものですがね」
八千代 路夜:「あら」
八千代 路夜:「申し訳ない。うちは秘密主義というつもりもないんですけど……」
八千代 路夜:「ただ、そうですね。ちょっとだけ、照れ屋なんです」にっこりと。
八千代 路夜:「いつかちゃんと仲良くなれるまで、どうか少し見守っていていただけると、嬉しいですね」
戌淵賢人:「まあ、そういう事にしておきましょう」
四緒ツツリ:「私も戌淵さんに同意します。箱入り娘じゃあるまいし」
御凪 涼:「警察との対立だ。そういうドラマを見たぞ」ほほうとする。
八千代 路夜:「ふふ、箱というよりは鳥籠かな」
八千代 路夜:「見ようと思えば意外と覗けるものですよ」
石神井寅彦:「誰の話だっつの…」嫌そうにしている。
八千代 路夜:ちらりとそちらを見て。
八千代 路夜:「……では、ジャーム"破多々"の引き続きの調査と、狙撃による弱体化」
八千代 路夜:「可能であれば撃破、封印。もしくはそれ以外の方法の捜索」
八千代 路夜:「こちらをあなたたちにお願いしたいと思っています」
八千代 路夜:「協力人員として、波止村凜花さんにも話を通してあります」
八千代 路夜:「……彼女は、どうあっても守り抜いてあげてね」
八千代 路夜:「と、ここまでが任務です」
八千代 路夜:「もうひとつだけ、私から」
御凪 涼:「おや」
八千代 路夜:「……鈴掛喜一くんについてね。まあ、個人的というか、上司の立場からというか」
八千代 路夜:「來火くん、でもいいかな。もし彼に会うことがあったら」
八千代 路夜:「『三年一緒にいたのはこちらも同じです』」
八千代 路夜:「『ありがとう、くらい言わせなさい』」
八千代 路夜:「『できれば、目の前で』」
八千代 路夜:「これくらいは、言っておいてあげて」
GM:ぱち、と。
GM:一瞬だけ、照明が点滅したようにも見えた。
石神井寅彦:「……ははは」笑う。
石神井寅彦:「10秒遅かったね」
八千代 路夜:「いいのよ。大物は遅れて来るの」
八千代 路夜:「言いたいこと、わかる?」
八千代 路夜:「連れてきてあげてね」
八千代 路夜:「彼が何を選ぼうとも、ともかく、今の身分は休暇中の支部員なんですから」
石神井寅彦:自分は答えず、傍らの3人を見る。
御凪 涼:「そう言われて、来ないってことはしないだろうね。真面目だから、彼」笑う。
八千代 路夜:「そうなのよね……あれで意外と」
ライラプス1号:「ワフワフ!」
八千代 路夜:「……変な遊びもしないし、町中自転車で走り回って」しゃがんで1号を撫でる。
八千代 路夜:「気付いてあげられなくて、ごめんね」
ライラプス1号:「ワフ!」
八千代 路夜:「ねー」


【雨宿町町役場・地域親交課】あるいは【UGN雨宿支部・司令室】

八千代 路夜:「ふー……」自分のデスク前に座って。
八千代 路夜:「お疲れ様……というか、これからが本番よね」
八千代 路夜:「いつものことだけど、どうも事件って膨らんでいくんだから……」
四緒ツツリ:「ええ。アテナシ様のお山を訪問するのも、一仕事でした」
八千代 路夜:「そう、その辺りがね」
八千代 路夜:「四緒さんにお願いしてよかったなあと思ったところ」
四緒ツツリ:「私が? どうしてでしょう」
八千代 路夜:「顔、広いでしょう。アテナシ様もお気に召してたみたいだし」
八千代 路夜:「……それから、偶然だけど、鈴掛くんもね」
八千代 路夜:「來火くん、って……呼ばなきゃではあるんだけど」少し考えている。
四緒ツツリ:「悩ましいですね。支部長としてはなおさらでしょうか」
八千代 路夜:「それはそう。いや、最初からっていうのならまだ……なんだけど」
八千代 路夜:「途中から入れ替わってて、私たちは何も気付かなかった」
八千代 路夜:「悔しいなあ」
四緒ツツリ:「……そうですね」
四緒ツツリ:「今に至るまで、來火にとって我々よりも、破多々のほうが大きい存在で」
四緒ツツリ:「彼の荒神への恐怖から、私たちの誰も防いでやることができなかった」
八千代 路夜:「そうかしら?」
八千代 路夜:「防いではあげられなかったかもしれない、でも」
八千代 路夜:「溶かしてはあげられたんじゃないのかな、と思ってる」
八千代 路夜:「あなたたちがね」
四緒ツツリ:「それは……どうなんでしょうね」
八千代 路夜:「……10秒、早く入っていたら」
八千代 路夜:「私は、何を見ていたのかな」
八千代 路夜:「多分、見られたくなかったんだと思う。だから遠慮したけど」
四緒ツツリ:「彼は、秘密主義でしたけど、誠実な人物でしたから」
四緒ツツリ:「だから、向き合って問われれば丁寧に答えた」
四緒ツツリ:「……私たちに暖かさが、あったとして。それを感じようと思ってくれたのは、やっぱり來火自身だ」
八千代 路夜:「なら、希望はあるってことかな」
八千代 路夜:「そうであってほしい」
四緒ツツリ:「希望も無しに、やっていられませんよ」
四緒ツツリ:「……誰もが、大きな一つに所属したいと思う」
四緒ツツリ:「それは、組織とか、家族とか、あるいは運命のようなものであるかもしれないけれど」
四緒ツツリ:「私は、人間とあやしの間には、そこまで大きな隔たりは無いと思っています」
八千代 路夜:じっと、あなたの話を聞いている。
八千代 路夜:「……そうかもね」
八千代 路夜:「ただ、ここのあやしは……時々少し優しすぎて」
八千代 路夜:「器を大事にしすぎて」
八千代 路夜:「それで、余計に人に近くなっているのかも」
四緒ツツリ:「人に近いことは……私からすれば確かに、喜ばしい」
四緒ツツリ:「それだけ、情報を通じてくれる可能性がある、ということですから」
四緒ツツリ:「……八千代さん、あなたはどうなんでしょう」
八千代 路夜:「四緒さんらしい」くすっと笑う。
八千代 路夜:「私?」
四緒ツツリ:「あやしに今日も悩まされているし……お山は苦手でしょう」
八千代 路夜:「そうね……でも」
四緒ツツリ:「八千代さんはあやしをどう思っているのか……どうなってほしいのか」
八千代 路夜:「でも、器を大事にして、そちらに引っ張られた自我を持って」
八千代 路夜:「それを一生懸命に伝えようとしている彼らを見ると」
八千代 路夜:「私は、対話をしないではいられないの。本当はね」
八千代 路夜:「だからあえて、支部に引きこもってるっていうところもある」少し苦笑。
四緒ツツリ:「引きずられてしまうから?」
八千代 路夜:「そうね。いつでも対話だけで済むとは限らない」
八千代 路夜:「私が揺らぎすぎてはいけない」
八千代 路夜:「ねえ、四緒さん。ここはね、雨宿りの町なの」
八千代 路夜:「私は止まり木(パーチ)」
八千代 路夜:「誰かがどこかに行く間、少しだけ立ち止まるところ、と思ってる」
八千代 路夜:「だから、そこが揺れちゃみんな怖がるでしょ?」
四緒ツツリ:「自分を律していらっしゃるわけだ」
八千代 路夜:「そこまでシビアじゃないけどね」
八千代 路夜:「あなたも、支部のみんなも、町のひとたちも、あやしも」
八千代 路夜:「いつどこでどう動いて、どうなるかはわからないから」
八千代 路夜:「せめて、ここに居る時は安らかに。これは、人もあやしも同じよ」
四緒ツツリ:「……」
四緒ツツリ:「八千代さんが、支部長を続けている理由は……わかった気がしますね」
四緒ツツリ:「止まり木以上の、大きい何かだ」
四緒ツツリ:「……來火を、雨から防いでいたのは、八千代さんですよ。きっとね」
八千代 路夜:「みんなの力だと思うけど……私も、できていたら嬉しいな」
八千代 路夜:「いい情報だった? 今のは」
四緒ツツリ:「ううん。いや……そうでもないです」
四緒ツツリ:「きっと、みんな知ってる。当たり前の情報なんて、誰も買ってはくれません」肩をすくめる。
八千代 路夜:「そうなの?」おかしそうに笑う。
四緒ツツリ:「そういうものです」
四緒ツツリ:「もっと私が興味あるのは、UGNのウェブ監視システムとかそういう……」司令室をきょろきょろと見まわす。
八千代 路夜:「ふふふ」
四緒ツツリ:「ああ、そういえば、あれも來火が作ったものになるのか」
八千代 路夜:「そこはほら、うちは秘密主義……じゃなくて」
八千代 路夜:「照れ屋さんなの」
八千代 路夜:「來火くんに聞いてみて。仲良くなってあげて、ね」
四緒ツツリ:「言われなくても、無理矢理剝ぐような無頼漢ではありませんよ」
八千代 路夜:「あの子、だいぶ化けの皮を被ってたみたいだから」
八千代 路夜:「ゆっくり、お日様みたいに剥がしてあげてね」
八千代 路夜:「雨が止んだら。あの子が、行き先を決めたら」
八千代 路夜:「……このままうちに居てくれると、本当に、嬉しいんだけどな……」これは、小さく呟く。
四緒ツツリ:「わかりました。……ああ、終わったら話したいことが、色々ありますね」
四緒ツツリ:窓から曇天の空を見る。ふう、と息を吐く。
四緒ツツリ:「先ずは、目の前の雷雨を、乗り切らなくては」
四緒ツツリ:「捕らぬ狸の……イタチの皮算用に、ならないようにね」口角を上げる。



【雨宿町・五位公園】

石神井寅彦:役場近くの小さな公園。昼時には、休憩中の人たちが訪れてお弁当とかを食べているような。
石神井寅彦:そこのベンチに腰かけている。とりあえず一人。
御凪 涼:周囲の赤らむ前の紅葉のあたりで舞っていた男が、ふらりとそこに。「疲れてるね」
石神井寅彦:スマホを弄び、ラインに返信したり、副業関連の連絡などしている。
石神井寅彦:「………」見上げる。
石神井寅彦:「そう見えます?」
御凪 涼:「見える」
石神井寅彦:「能力で分かるやつ?」
御凪 涼:ベンチの横に座る。「そこまでは分からないよ」
御凪 涼:「嘘を暴くとか、例えはあるけど」
御凪 涼:「舞と同じで、人と自分を少し溶かす感じで、ああ嘘だなってわかったりする」
石神井寅彦:横に座るのを視界の端で見る。
御凪 涼:「そんな感じ。いまのきみのは、勘」
石神井寅彦:「涼さんはさあ」
御凪 涼:「ん」
石神井寅彦:「自分を他人に溶かすのって怖くないの?」
御凪 涼:「他人を、でなくて、私をか」
御凪 涼:「それなら、別に怖くないな」
石神井寅彦:「そっか。すげえなあ」
御凪 涼:「……よくわからないんだよ」
石神井寅彦:「なにが?」足を投げ出して、笑って聞く。
御凪 涼:「さっきの、路夜さんたちの話もだし、いろいろなときに」
御凪 涼:「秘密にしたいと思うことが」
御凪 涼:「私は、なにかを秘密にしたいと思ったことが無いから」
石神井寅彦:「はは」苦笑する。「すごいよ本当」
御凪 涼:「すごいのかなあ」
石神井寅彦:「それに比べりゃ、おれは臆病な箱入り娘ってことじゃん…? はは…」
石神井寅彦:「みんなそこまで言わなくても…」へこんでいる。
御凪 涼:む、と口を開けて。
御凪 涼:閉じて、また開く。「それ、言いたかったんだけど」
御凪 涼:「……たぶん、言い方が。さっきは少しきみに甘えすぎた」
御凪 涼:思案する。言葉を探す。
御凪 涼:「きみが非常に気を使って、そういう振る舞いをしているのは。なんとなく、わかっていたはずなんだけどな…」
石神井寅彦:「あら。ありがとう」
御凪 涼:「自分を他人に溶かすのは怖くないんだけど」
御凪 涼:「こういうとき、他人を自分に溶かすのは、怖いなって思うよ」
御凪 涼:「そういう意味では、私もじゅうぶんに憶病だ」
石神井寅彦:「それ、ちがうんだ」へらりと笑う。
御凪 涼:「人に私のことを理解されるのは、べつにいいけど」
御凪 涼:「私が人を理解してしまうことは、決定的なことで」
御凪 涼:「……それを等しくは思えないのは」
御凪 涼:「私の、なんだ、臆病…ううん。そういう向きのことだと思っている」
石神井寅彦:「なんだよ、嘘を暴けるぜってあんなにしれっと言うくせにさ」
石神井寅彦:「ちゃんと怖いんだね」
石神井寅彦:目を細める。「いいじゃん。普通の人の感覚だよ、そんなの。恥ずかしいことでもない」
御凪 涼:「怖いよ。他人を大事に思ったり、考えるほど」足元を見る。影だ。
御凪 涼:「それは私の舞を、私の理想から遠ざける。なのに」
御凪 涼:「大事になってしまうんだから。怖いし、重たいし、大変で困る」
石神井寅彦:「どこにだってついてきちゃうしね」影を見てる様子を見て笑う。
御凪 涼:重大な言い方ではない。透明な声音。
御凪 涼:「ああ、わかった」
石神井寅彦:「ん? 何?」
御凪 涼:「さっききみに言いたかったこと」
石神井寅彦:「なになに、今度はちゃんと言ってくれんの」
御凪 涼:「私は、あのとき。きみのことが知りたくなったんだ」
石神井寅彦:「ん」
御凪 涼:「きみの心を知ってみたくなった。だから言った。きみと仲良くなりたいと思ったからだ」
石神井寅彦:「ははは」
御凪 涼:「だって、どうすればいいか」
御凪 涼:「まったくわからなかったからさ」
御凪 涼:《真偽感知》を使います。対象は自分に。これを真であることを、自分に証明する。
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を2増加 (64 → 66)
石神井寅彦:「え」レネゲイドの流れを感知する。
御凪 涼:「よかった」
石神井寅彦:「なんか、今やった? なに…」
御凪 涼:「今度はほんとうに、言葉にできたみたいだ」
石神井寅彦:「……えー…」
御凪 涼:「言葉にすると、いつも零れ落ちる気がするから」子供のように笑う。
御凪 涼:「私も臆病なんだよ」
御凪 涼:「これで、少しは許してもらえる?」
石神井寅彦:「いや、…うん…」瞬きしながら言う。「………」
石神井寅彦:「……おれより年上だよね?」
御凪 涼:「よく言われるな、それ」
石神井寅彦:「でしょうね」
石神井寅彦:笑う。「変な人だなあ」
御凪 涼:「それも、よく言われる」
石神井寅彦:「言われてどう思うの? ムカつく?」
御凪 涼:「べつに、どうとも。そう私の目の前で言ってくれる人は」
御凪 涼:「たいがい、なんだかんだで優しい人だから」
御凪 涼:「…真実がどうかは知らないけど、私はそう思ってる」
石神井寅彦:「大丈夫でしょ。涼さん、人を見る目、ちゃんとあるでしょ」
御凪 涼:「それはそうかも」目を細める。
御凪 涼:「だから、きみも凹む必要はないってことだ。そうじゃない?」
石神井寅彦:「その年まで生きてこれるんだから、そうだ」笑う。
石神井寅彦:「さて……」
石神井寅彦:「……凜花ちゃんも、あなたと同じなんかな」ぼやく。
御凪 涼:「どういう意味においてだろう」
石神井寅彦:「いや、こっちの話」
石神井寅彦:「……秘密とかじゃなくてね。マジでね。ただの独り言」
御凪 涼:「…きみと仲良くなりたいと思っているようには、見えたけどね」
石神井寅彦:「今のおれのままでも、愛してくれっかな?」ふざけた口調で言う。
御凪 涼:「さあ。どうだろう。私は彼女ではないから」真剣なんだかわからない声色で。
石神井寅彦:「そりゃそうだ」笑う。「あ、あと涼さん」
御凪 涼:「うん?」
石神井寅彦:「來火くんと友達になれて、良かったね」
御凪 涼:「ああ」笑う。「きみのおかげでもある」
石神井寅彦:「はは、おれのアドバイス、参考になったっしょ?」
御凪 涼:「……」また言葉を迷うような素振りをする。
石神井寅彦:「なんだよ、参考になんなかった?」相変わらず笑っている。
御凪 涼:「いや。それはなったよ。すごく。だから」
御凪 涼:「もし次はきみと友達になりたいから占ってくれと言ったら」
御凪 涼:「きみは困るんだろうな、と思った」
石神井寅彦:「……」
御凪 涼:「言ったから、台無しだね、迷ったの」
石神井寅彦:「…そもそもオーヴァードは占わない主義だから…」
御凪 涼:「はは」
石神井寅彦:呆れたような、困ったような表情。「…いや。てかね」
石神井寅彦:「來火くんの逆、できる?」
石神井寅彦:「おれ、昔の話とかしたくないんだよね」
御凪 涼:「それは、そうだね。それもやっとわかってきた」
石神井寅彦:「めんどくさくて悪いね」苦笑する。「あとは、簡単だよ」
御凪 涼:「私からすれば、たいていの人たちは難儀だよ。私もそうかもしれないが」
御凪 涼:兄と弟を思い出す。
石神井寅彦:「じゃあ、ひとつついでだ」
御凪 涼:「む」
石神井寅彦:「…連絡先の交換とかでいい?」
石神井寅彦:「友達になった証っぽい、分かりやすいやつ欲しいでしょ」
御凪 涼:「一言が余計、とよく言われる、ってやつだね」笑って。「あれ」袖を振る。
御凪 涼:「ない。支部に帰ったらあるかもしれない。それでもいいかな?」
御凪 涼:困ったように言う。
石神井寅彦:「…ほ」
石神井寅彦:「本当に良く生きてこられたねあなた……」

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
GM:なお、前シーンで忘れていたので2回判定できます!
四緒ツツリ:やったね~
石神井寅彦:やった~
石神井寅彦:ロイスはなし!2回購入どうしようかな
御凪 涼:得した気分
戌淵賢人:ロイスはもう一杯だ ライラプスがそれぞれロイスをとったことにしておこう
GM:えらいねー
四緒ツツリ:八千代路夜/〇上品/不安 → 八千代路夜/〇安心/繊細 にしようかな
御凪 涼:ロイスはそのままでいいかな。2号ちゃんにもどうぶつロイスとりたいが
御凪 涼:購入はサラシそろそろねらうか
戌淵賢人:ぼでま
御凪 涼:5DX+3+0@10>=30 調達
DoubleCross : (5DX10+3>=30) → 10[2,2,10,10,10]+8[1,6,8]+3 → 21 → 失敗

御凪 涼:おお、これなら
四緒ツツリ:戌淵賢人/〇仁義/不安 → 戌淵賢人/〇信頼/心配 こっちも変更しておこう
御凪 涼:普通に財産から9だして買えるわ 買って装着
GM:つよいな……
戌淵賢人:こんなところに警察手帳が
四緒ツツリ:つよい
戌淵賢人:なんとかなれーッ
戌淵賢人:2dx+2>=12
DoubleCross : (2DX10+2>=12) → 5[1,5]+2 → 7 → 失敗

御凪 涼:雫します?
御凪 涼:わりと侵蝕余裕あるけど
戌淵賢人:もう一回できるから
戌淵賢人:なんとかなれーッ
御凪 涼:そういえばそうだわ
戌淵賢人:2dx+2>=12
DoubleCross : (2DX10+2>=12) → 3[2,3]+2 → 5 → 失敗

石神井寅彦:あっ 私が代理で挑戦してみてもいいですか
御凪 涼:社会強者だ
石神井寅彦:なんとかなれーッ ぼでま
四緒ツツリ:着ぐるみ買おっと
石神井寅彦:4dx>=12
DoubleCross : (4DX10>=12) → 10[3,5,6,10]+4[4] → 14 → 成功

御凪 涼:てか私ももう一回あるな なんかほしいものある人いる?
石神井寅彦:なんとかなった!!!
御凪 涼:余裕や
GM:あっつよい
四緒ツツリ:能力訓練:社会と一体化
石神井寅彦:戌淵さんに ちいさくてかわいいぼでまを贈呈します
戌淵賢人:石神井さんはハチワレちゃんだったんだね
GM:きれる?
石神井寅彦:洞窟に住んでる
戌淵賢人:ワァ…
石神井寅彦:戌淵さんはちいかわだったのか
御凪 涼:いぬと同じサイズになってる
四緒ツツリ:6dx+4>=14
DoubleCross : (6DX10+4>=14) → 10[2,3,9,9,9,10]+10[10]+9[9]+4 → 33 → 成功

四緒ツツリ:回りすぎだ
御凪 涼:やば
石神井寅彦:出目やばくない?
戌淵賢人:強すぎる
GM:!?
御凪 涼:命中くらいある
戌淵賢人:ランカーナンバーさん
GM:なんの着ぐるみだったんだろう
四緒ツツリ:高級着ぐるみをきます わんちゃん
石神井寅彦:えーどうしようかな
四緒ツツリ:ライラプス四号に……俺はなる!
石神井寅彦:買うものがない たしなみとしてスポーツカーでも狙うか
石神井寅彦:4dx>=30
DoubleCross : (4DX10>=30) → 10[1,5,6,10]+4[4] → 14 → 失敗

御凪 涼:あ!いいね やるか
GM:ww
石神井寅彦:ちくしょうッッ いつも手が届かない
御凪 涼:5DX+3+0@10>=30 調達
DoubleCross : (5DX10+3>=30) → 10[2,5,6,9,10]+1[1]+3 → 14 → 失敗

四緒ツツリ:自分は盾でも買いますかね
石神井寅彦:出目が仲良し
GM:でもこれ四緒さんなら買える域では
四緒ツツリ:a,
四緒ツツリ:スポーツカーいります?
GM:ww
四緒ツツリ:スパダリしましょうか?
石神井寅彦:ください!!!!!!
GM:盾買わないでいいの!
GM:止めないがw
四緒ツツリ:まあ……何とかなるでしょう
石神井寅彦:雨宿町をスポーツカーで走り抜けましょう
四緒ツツリ:あ~、能力訓練こっちに残しておけばよかったな まあいいわ
四緒ツツリ:砂の加護……はいいや、うん
四緒ツツリ:3dx+3>=30
DoubleCross : (3DX10+3>=30) → 9[1,8,9]+3 → 12 → 失敗

石神井寅彦:本気すぎるw
石神井寅彦:ああーーーッッッ
御凪 涼:w
御凪 涼:雫しても無理!
四緒ツツリ:財産点18点丁度ありますね
石神井寅彦:エーーーー!?
御凪 涼:やめな!
四緒ツツリ:親に怒られそうw
御凪 涼:男に貢ぐな
GM:止めはしないがw
御凪 涼:親が泣くぞ
四緒ツツリ:雫を頂戴!
四緒ツツリ:二人乗りのスポーツカーをプレゼントしてやるからよ……!
石神井寅彦:かっこよすぎる
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を3増加 (66 → 69)
御凪 涼:ちょうどいいかもしれん
石神井寅彦:雫しちゃった!!
御凪 涼:《夢の雫》あげる
四緒ツツリ:達成値+9です?
御凪 涼:いや10のはず
四緒ツツリ:あっ了解です
四緒ツツリ:財産8点突っ込みます。
四緒ツツリ:スポーツカー、ゲットだぜ!
四緒ツツリ:石神井さんにあげる これで凛花ちゃん迎えに行ってね
石神井寅彦:ウッ ウワ~~~~~~
石神井寅彦:ワ~~~~~~!?
GM:本当にやるし
御凪 涼:ww
石神井寅彦:ありがとうございます 校門の前に薔薇の花束持って参上します
御凪 涼:がんばりな
四緒ツツリ:www
石神井寅彦:待ってろよ……凜花!
御凪 涼:じいちゃん応援しとるからよ
四緒ツツリ:以上です! 小市民だからドキドキしちゃった
御凪 涼:以上でw
GM:GMもドキドキしちゃった
石神井寅彦:こちらも以上!
四緒ツツリ:妹も応援してるますわお兄様
GM:目の前でスポーツカー買われたの初めてですよ


ミドル7 調査


GM:調査シーンですが、まずは石神井さんのみ登場。
GM:登場侵蝕をお願いします。
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を1D10(→ 9)増加 (72 → 81)
石神井寅彦:嘘だろ
GM:どかん
GM:緊張してる?
石神井寅彦:し… してねーし


【雨宿町・篠月高校・下校時間】

GM:近くの町村から生徒たちが集まるため、意外と生徒数はおおい高校。
GM:下校時刻も、下駄箱の辺りは学生たちで賑わっている。
友人:「おつかれ、凜花。またねー」
波止村 凜花:「うん、また……」
波止村 凜花:明日、と言いかけて、少しだけ怖くなって。
波止村 凜花:「また、明日!」
波止村 凜花:それでも笑顔で挨拶をする。
友人:「最近忙しそうだもんねー。じゃあね!」
波止村 凜花:手を振って、友人と別れる。もちろん、制服姿だ。
石神井寅彦:そこに、着信がある。
波止村 凜花:「……あれ」着信元に少し驚く。
波止村 凜花:「もしもし……?」
石神井寅彦:『もしもーし。凜花ちゃん?』
波止村 凜花:(何かあったのかな。作戦の変更、とか。他にも……?)
波止村 凜花:「はい、凜花です。どうしたんですか? 石神井さん」
石神井寅彦:気楽そうな表情の声の主。任務に参加してもらうことが決まって、連絡先を交換した。
石神井寅彦:『あ、えっとね。作戦どうこうとかじゃないから、安心して』
波止村 凜花:「そうなんですか? えっ、じゃあなんで?」
石神井寅彦:『いま、学校帰りだよね? 時間ある?』
石神井寅彦:『デートしない?』
波止村 凜花:「え?」
波止村 凜花:「えっ、えっ、ええっ?」
石神井寅彦:『道路の向かい側見てみ』
波止村 凜花:言われるがままに、そちらを。
石神井寅彦:道路を、車が通りすぎる。向かいの歩道に青年が立って、手を上げている。
波止村 凜花:「な」
波止村 凜花:「……なんで!?」
友人:「おー、凜花が取り乱してる。珍しいー。じゃあねー」通り過ぎる友人。
石神井寅彦:『あはは! ほんとに無理なら大丈夫だよ』
波止村 凜花:「うるさ……あっ、これは違うの、石神井さんにじゃなくて」
波止村 凜花:「待って! 今行きますから!」
波止村 凜花:そのまま、鞄を揺らして走り出す。
石神井寅彦:「うん」友人らしき子と喋ってるのを遠目に見て、目を細める。
石神井寅彦:「待ってんね」通話を切り、待つ。
波止村 凜花:そのまま、少ししたところで、息を切らして少女が到着する。
波止村 凜花:「……はあ」
波止村 凜花:「び、びっくりしましたよ!」
石神井寅彦:「あはは! 驚かせたかったの。大成功だね!」
波止村 凜花:「もう!」
波止村 凜花:「あ、じゃあ、デートっていうのもそれですか? ドッキリ!」
石神井寅彦:「ばーか、違うよ。マジだよ」
石神井寅彦:「だめ? それともあれか、スポーツカー乗って待ってたりした方が良かった?」
波止村 凜花:「石神井さんのマジは、どのクラスのマジなのかな……」少しぼやいて。
波止村 凜花:「そんなの目立つに決まってるじゃないですか」
石神井寅彦:「だよね」へらへら笑う。
波止村 凜花:「ただでさえ石神井さん、じーっと見られてるんですからね」
波止村 凜花:「女子とかに」
石神井寅彦:「ウッソだあ」
波止村 凜花:「ほんとですー」
石神井寅彦:意にも介さないような感じ。
波止村 凜花:「あと、先生にも見られたらあんまりよくないので……」
波止村 凜花:「どこに行くんですか」
波止村 凜花:「行きましょ?」
石神井寅彦:「うん」頷く。「ありがとね」
波止村 凜花:「ふふ」
石神井寅彦:「教えてくれるって言ってたじゃない。凜花ちゃん」
石神井寅彦:「この町のこと」
波止村 凜花:「ああ!」
石神井寅彦:「だから、お気に入りの場所教えてほしいなって思って。どう?」
波止村 凜花:「いいですよ! それくらい全然」
石神井寅彦:「嬉しいね。行きましょうか」
波止村 凜花:「はい!」
波止村 凜花:「私の趣味、ちょっと渋いって言われますけど。どこでも!」


【雨宿町・三砂商店街】

波止村 凜花:「とりあえず、ここかな?」
GM:アーケードのある商店街。
石神井寅彦:「地元商店街じゃん」アーケードを見上げる。
GM:昔懐かしい、といった雰囲気の店が多い。
波止村 凜花:「ふふふ」
石神井寅彦:「買い食いとかすんの?」
波止村 凜花:「それはそうなんですけど、いろいろここも町おこしやってて」
波止村 凜花:「ちっちゃいギャラリーみたいなのを展示してるお店も多いんですよ!」
波止村 凜花:「買い食いはします」
石神井寅彦:「あ、するんだ!」笑う。「しない流れかと思った。いいね」
波止村 凜花:「あ、食べるならあれですね。あっちの肉まんとか……」
波止村 凜花:「お肉屋さんのコロッケも美味しいの」
石神井寅彦:「迷うなー」
石神井寅彦:へらへら笑いながらついて行く。
波止村 凜花:「お腹空いたんですか?」
波止村 凜花:「それから、お腹は膨れないけど、あっちのお店」
石神井寅彦:「朝からずっと調査してたからねー」
石神井寅彦:「んー?」
波止村 凜花:「金平糖を作ってて、見てるだけでとっても綺麗なんですよ」
波止村 凜花:「大変。何か食べないと」
石神井寅彦:「金平糖好きなの?」
波止村 凜花:「好き。見るのも食べるのも」
波止村 凜花:「色は、ピンクと白がいいな」
石神井寅彦:「へー、可愛いな! 興味出てきた」
波止村 凜花:「石神井さんは、何色とかあります?」
石神井寅彦:「おれー? パッと出てこないなあ」
波止村 凜花:「そうなんだ。見ればわかるかな?」言いながら進んでいく。
石神井寅彦:「選んでくださいよ」彼女を追う。
波止村 凜花:「自分で選ばないんですか?」不思議そうに。
石神井寅彦:「選んでもらうの、デートっぽくない?」
波止村 凜花:「マジのデートなんですね?」
波止村 凜花:「しょうがないなあ、石神井さんっぽい色……」
石神井寅彦:「あら、信用なかった? マジだよ、マジ」
波止村 凜花:「なくはないですけどー」
石神井寅彦:笑いながら、彼女に任せる。
波止村 凜花:じっと石神井さんを見つけて、考えている。
波止村 凜花:「うーん、赤っていうほど熱そうじゃないし。青もクールすぎるし……?」
石神井寅彦:《虹の香り》。微かに、雨の匂いがする。
波止村 凜花:自然に上を見上げる。
波止村 凜花:アーケードの屋根は、特に濡れてはいない。
石神井寅彦:彼女の様子を見ながら、ちょっと黙った後、口を開く。
波止村 凜花:「白はなんとなく逃げっぽい気が……」
石神井寅彦:「あのね、誘ったのは」
波止村 凜花:「はい?」
石神井寅彦:「ちゃんと話してなかったから」
石神井寅彦:指鉄砲をつくる。「あなたが、作戦に入るって決まったこと」
波止村 凜花:「!」
石神井寅彦:「うちの八千代さんに、意志の強さで勝つだなんて」
石神井寅彦:「たいしたもんだね、凜花ちゃん」
波止村 凜花:「……わあ」
石神井寅彦:「嬉しい?」
波止村 凜花:「うれ……うれしいですけど」
波止村 凜花:「石神井さんっ、さっき違うって言ったじゃないですかー!」
波止村 凜花:「もうっ!」
波止村 凜花:「もう……」言いながらも。
波止村 凜花:「嬉しいです」姿勢を正す。
石神井寅彦:「あー、それは、これから本丸に行く訳じゃない的な意味で…」
石神井寅彦:「……」
波止村 凜花:「こういう時、どう言えばいいのかな」
波止村 凜花:「えっと、拝命します、とか……」
波止村 凜花:緊張した顔。それでも、どこか高揚しているような。
石神井寅彦:「あはは! そんなのいいよいいよ」笑う。
石神井寅彦:「あのさあ。聞いていいかな」
波止村 凜花:「なんでしょう?」
石神井寅彦:「凜花ちゃん、おれ達のこと昔から知ってたんでしょ。がんばってるところ…って」
石神井寅彦:「どういう時に、そういうの、思うの?」
石神井寅彦:「やっぱ、神社でお父さんの代わりやってる時?」
波止村 凜花:「それはそう、ですね」
波止村 凜花:「あと……」
波止村 凜花:「あの、町を普通に歩いているでしょう」
石神井寅彦:「うん」
波止村 凜花:「そうしたら、前にうちの社に来てくれた人が、普通にいるんです。やっぱり」
波止村 凜花:「歩いて、すれ違って、挨拶をくれる人もくれない人もいて」
波止村 凜花:「でも、私にだけはわかるの」
波止村 凜花:「多分、そうやって普通に歩きながら、みんなずっといろんなことを考えてるんだって」
波止村 凜花:「友達は知らない、私だけの秘密なんです」
石神井寅彦:「ああ…。そっか」
波止村 凜花:「そうやってても、調査をしてるのかもしれないし」
波止村 凜花:「何か見つけてるのかも。誰かを追ってるのかもしれない」
波止村 凜花:「その、普段の全部が、頑張ってる、なんです」
石神井寅彦:今だって、そうだ。
石神井寅彦:夕方の商店街。夕飯の買い出しに来ているような主婦とか、そういう地元の人の中に、
石神井寅彦:おれは仕事をさぼっているような顔をして溶け込んでいて、でもそうじゃないことを、彼女だけは知っている。
石神井寅彦:「そういうの、見てるだけじゃいられなくなっちゃったんだね」
波止村 凜花:「そうかも」
石神井寅彦:「当事者の気持ち、知りたくなっちゃったのかなって、思ったんだよね」
波止村 凜花:「ひいおばあちゃんも、そうだったのかもしれないですね」
波止村 凜花:「私にしかできないことがあるなら、って」
石神井寅彦:「凜花ちゃんにしかできないことねえ」
石神井寅彦:困った顔をする。「あのね」
波止村 凜花:少しだけ首を傾げる。黒髪が揺れる。
石神井寅彦:「おれ達…って言っていいのかな。まあ、おれ達かな。あなたが、頑張ってると思ってる人たち」
石神井寅彦:二人の足元に影が伸びている。交わらずに。
石神井寅彦:「いろんな人がいるんだよね。なんか…それこそ人の生き死にとか関わってるような、結構重い過去を持つ人とかも、平然といたりして」
波止村 凜花:「それは、そう、ですよね」うなずく。
石神井寅彦:「でっかい秘密を抱えたまま、頑張ってみんなの前に溶け込んでるような奴とかも、いるわけだ」
石神井寅彦:照明の中に隠れていった彼のことを思いながら言う。
波止村 凜花:「…………」次の言葉を待つ。
石神井寅彦:「…言いたくないことってさ、やっぱあるんだと思うんだよね」
石神井寅彦:「思ってること全部人に言えたら楽だし、周りからすれば、やっぱそりゃ、言えよって思うだろうけど…」
波止村 凜花:石神井さんは、と言いかけて止めた。
石神井寅彦:「…でもさ。何も聞かなくても、どんな奴だって受け入れてくれるような場所があったら」
石神井寅彦:「……。なんだろね。あったかくて、すごいじゃん! そういうの、欲しくなる時だって、あるかなーって…」
波止村 凜花:「それは、そうですよね……」考えながら。
石神井寅彦:「……上手く言えないや。ごめんね」苦笑している。
石神井寅彦:「凜花ちゃんなら、できるかなって思ったの」
波止村 凜花:「私、ですか?」
波止村 凜花:目を丸くする。
石神井寅彦:「うん」
石神井寅彦:「雨に濡れた人が神社に駆け込んできたら、とりあえず着替え貸してくれるんでしょ?」
波止村 凜花:「はい、お父さんのですけど」
石神井寅彦:「いいよ、それで」
石神井寅彦:笑う。「凜花ちゃんしかできないことだ」
波止村 凜花:「……あの」
石神井寅彦:「なに?」
波止村 凜花:「ええと」
波止村 凜花:「何も聞かなくて、いいんですね」
石神井寅彦:「聞かないであげて」
波止村 凜花:「……それで、いいんだ」
石神井寅彦:「そうしてくれるのが嬉しいの」
石神井寅彦:「敵の親玉に命じられてスパイやってます、なんて、口が裂けても言えないだろうしね」
波止村 凜花:「スパイ……?」
石神井寅彦:「あは!こっちの話!」笑う。
石神井寅彦:「……そういうの、できそう?」
波止村 凜花:「ひいおばあちゃんが言ってました」
波止村 凜花:「ちょっとでもできなさそうと思うなら、正直に、できないって言いなさい」
波止村 凜花:「でも、できると思ったなら」
波止村 凜花:「やる、って言いなさい」
波止村 凜花:「やります」
石神井寅彦:「……偉いよ」目を細める。「すごい格好いい」
波止村 凜花:「受け売りですよー」
波止村 凜花:「多分、こうやって撃ったんです。ひいおばあちゃん」
波止村 凜花:「だから、私も。やります」
波止村 凜花:「助けてね? 石神井さん」
石神井寅彦:「……おれ、あなたが撃つことには、いまだに反対なんだけどねえ」
石神井寅彦:「当事者の気持ち知らない方がいいんだよ。あなたみたいな止まり木は」
石神井寅彦:「だから、絶対助けるよ」
石神井寅彦:「…良い思い出にして、持ち帰ってね」
波止村 凜花:「はい!」
石神井寅彦:「よっしゃ!」
石神井寅彦:「マジメな話終わり! デート戻ります!」
波止村 凜花:「あはは、続行!」
波止村 凜花:ぱっと笑顔になる。
波止村 凜花:「決めましたよ。金平糖」
石神井寅彦:「実はいま仕事サボッてんだよね。内緒ね」ニヤっと笑う。
石神井寅彦:「何色?」
波止村 凜花:「夕焼けの赤。雲の白」
波止村 凜花:アーケードの屋根越しに、空をなぞって。
波止村 凜花:「聞かないで、勝手に決めてあげます!」
石神井寅彦:「……ふはっ」噴き出すようにして笑う。
石神井寅彦:「そりゃあ、どうもありがとう」

GM:では、このままシーン続行で、他の方も登場する人は登場侵蝕をお願いします。
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を1D10(→ 8)増加 (79 → 87)
GM:上がるなあ
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を1d10(→ 5)増加 (69 → 74)
四緒ツツリ:きえー
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 2)増加 (74 → 76)
GM:まあでもほどほどですね

GM:このシーンでは、破多々の居場所を突き止めるために調査の判定を行います。
GM:大体FS判定のようなものと思ってください。
GM:ラウンド制となっており、行動値順に判定していきますが、待機も可能。
GM:目標値は一律8となっています。コネ財産点使用可。
石神井寅彦:おー!
御凪 涼:はーい
GM:現時点の判定技能はこちら。
GM:・資料調査を行う 任意の〈知識〉
GM:成功したら進行度が10の位+1上がります。
GM:最大値は20。つまり成功で進行度が1~3上昇するということですね。
戌淵賢人:いいのかい?任意で
GM:任意だよ
GM:進行度が累計で10になった時点でクリアとなります。
御凪 涼:犬で調査する男
戌淵賢人:俺は犬の事には詳しいんだぞ
GM:また、進行度が特定の数値になったところで判定技能が変わったり、イベントが起きます。
GM:そうなんだよなあ
石神井寅彦:かっこいい
御凪 涼:スマホへの詳しさはなんだったんだよ
四緒ツツリ:いぬは万物に通ずる

GM:というところで、まずは任意の知識!
GM:行動値順だと戌淵さんですね
戌淵賢人:ヤッター、任せてほしい
GM:犬……
戌淵賢人:当然、知識:犬で判定します
GM:どうぞ!
石神井寅彦:かっこいい
御凪 涼:最高の知識
戌淵賢人:2dx+4>=8
DoubleCross : (2DX10+4>=8) → 9[9,9]+4 → 13 → 成功

GM:たかい
石神井寅彦:キューン キューン ということですね
石神井寅彦:犬の鳴き声
御凪 涼:さすがです
GM:何もなければ進行度2となります。
GM:あ、そうだ。
GM:進行度1でイベントがまず起きますね
石神井寅彦:なんだ~~!?
GM:警察の援護。次の判定の達成値に+1
四緒ツツリ:おお
御凪 涼:おお!
GM:パトロール強化とかしてくれたんだと思う
御凪 涼:刑事がいてよかったぜ
石神井寅彦:コネ力が光る
四緒ツツリ:とりあえず後乗せあるとしたら涼さんか財産くらいですけど
四緒ツツリ:涼さん汁は……?
御凪 涼:雫ね あります
石神井寅彦:犬汁
GM:ちなみに1巡したら1ラウンド換算ということで
四緒ツツリ:お任せ!
GM:ここはこれでいいかな?
御凪 涼:まあまだいいかな
御凪 涼:?
石神井寅彦:いいと思います!
戌淵賢人:ですね
四緒ツツリ:はい!
GM:オッケー、進行度2で進めます
GM:では次は涼さん
GM:判定技能は変わらず知識です
御凪 涼:はい、知識なら知識:舞踊!
GM:達成値は+1ボーナス!
御凪 涼:4DX+2+1@10 知識:舞踊
DoubleCross : (4DX10+3) → 10[2,6,9,10]+4[4]+3 → 17

GM:たっか
御凪 涼:こうかっ
御凪 涼:おお!
石神井寅彦:財産3つつぎ込みます?
石神井寅彦:20にすると最大値!
御凪 涼:あ、そうじゃん
GM:そうだぞ
戌淵賢人:最強だ
御凪 涼:じゃあ使お
GM:ぐわー
四緒ツツリ:おー
御凪 涼:ふふん
御凪 涼:舞の達人よ
GM:では進行度5まで一気にアップ
GM:で、順番にまずイベントから。4で発生。
GM:UGN調査部の援護。次の判定の達成値に+1
GM:そして、技能が変化します。
御凪 涼:久則さんか
GM:・目撃情報を調べる 任意の〈情報〉
GM:データは調べたから聞き込みだ!
GM:ということで次、四緒さんですね
四緒ツツリ:はーい
GM:達成値+1をお忘れなく
四緒ツツリ:よーし、コネ:UGN幹部を使うぞう
GM:こねこね
四緒ツツリ:6dx+1
DoubleCross : (6DX10+1) → 9[4,4,7,7,7,9]+1 → 10

四緒ツツリ:ムムッ
石神井寅彦:あっ
四緒ツツリ:雫チャンス?
石神井寅彦:ここに…10を足せる技術があれば…!?
御凪 涼:あ、雫だわ!
GM:とりま進行度2ですね
石神井寅彦:最大値なのでは…!?
GM:……なんだと
御凪 涼:てってれー
御凪 涼:《夢の雫》。達成値+10
四緒ツツリ:やったー! 涼さん汁~!
石神井寅彦:汁
四緒ツツリ:達成値20です!
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を3増加 (74 → 77)
GM:おのれーー目に汁がー
御凪 涼:汚いw
GM:では達成値20で進行度+3
GM:えっもう8?
GM:マジで?
石神井寅彦:すごいのだ
四緒ツツリ:さすがだなみんな……
GM:イベント一個すっとばしちゃったよ
GM:えーと、ではですね、ここまで来たら最後のイベントが起きます はやい
GM:ワーディングを感知。次の判定達成値に+2
御凪 涼:ナヌ!
GM:技能変更!
石神井寅彦:およよ!
GM:・現在地周辺を探す 〈知覚〉
GM:絞り込んだ結果、場所は合ってるっぽいし
GM:その上でワーディングも起こっているようです。
GM:今がチャンス!
四緒ツツリ:よっしゃー
GM:ということで石神井さんだ
石神井寅彦:おしゃー
石神井寅彦:技能+1、ボーナスで+2
石神井寅彦:なんとかなれーッ
石神井寅彦:3dx+1+2
DoubleCross : (3DX10+3) → 8[1,3,8]+3 → 11

石神井寅彦:なった
御凪 涼:なった!
GM:これは……進行度+2!
GM:合計10!
GM:おめでとうございます。判定成功です。
石神井寅彦:やった~~!!
GM:はやいな……
GM:ということで、調べてわかったこと!
GM:あなたたちの捜査により、破多々はどうやら旧市街裏手にある一軒の廃屋にいるらしい、ということがわかります。
GM:そこで現在、ワーディングが発生するような何かが起こっている、ということも。
GM:すぐに向かってほしい!
御凪 涼:むかわねば!
戌淵賢人:いこう
四緒ツツリ:てこてこ


【雨宿町・旧市街・空き地】

GM:雷雨がまた、近付いて来ている。
GM:あなたたちは調査の結果、地域を絞り込み、ここ旧市街へとたどり着いた。
石神井寅彦:ツツリちゃんに選んでもらった傘をさしている。濡羽色。
御凪 涼:翠の和傘を差している。くるくると踊るように回したりして、時々濡れる。
石神井寅彦:「涼さん、その傘似合うなあ」
御凪 涼:「おや、ありがとう。ツツリくんの功績といえる」
四緒ツツリ:「私が見繕ったのだから、当然だよ」自慢げに胸を張る。
御凪 涼:「そういうこと」くるくる。
四緒ツツリ:山吹色の和傘を差している。これは自前。
戌淵賢人:「良くこんなに揃えたな」
石神井寅彦:「だからそれ、こっち跳ねるんだってば」笑いながら雨粒を避けている。
戌淵賢人:市松模様の傘をさしている
ライラプス1号:「ワフ」雨合羽装備
ライラプス2号:「ぷひ」レインコート装備
ライラプス3号:「わおん」ポンチョ装備
御凪 涼:「わ、ちゃんと着込んでる」ライラプスたちを見る。
御凪 涼:「これは賢人さんが?」
戌淵賢人:「いや?勝手にそうなる」
四緒ツツリ:「勝手にこうなるんですか!? むう……」
石神井寅彦:「便利な能力だなあ」ライラプス達を見ている。
四緒ツツリ:「似合ってる……」対抗意識を燃やしている。
御凪 涼:「賢人さんが濡れてほしくないと思っているからそうなるのかなあ」
御凪 涼:フードをちょいちょい触っている。自分より濡れていない。
石神井寅彦:「ツツリちゃんも、服を変えられるんだよね!」
御凪 涼:「えー、みんな便利だ」
四緒ツツリ:「そうとも。この打掛も自分で編んでるんだぞ」
四緒ツツリ:「そういえばレインコートに変えておくの忘れてた……」
石神井寅彦:「そりゃすごいこと…。パッとできるの?」
四緒ツツリ:「くるっと返すうちにできるとも」
波止村 凜花:自分の赤い傘を差しながら、少し緊張して会話を聞いている。
四緒ツツリ:「自分以外の服もできる。やってあげようか、涼さん」
御凪 涼:「えっ、見てみたい」
御凪 涼:「いいの?」
四緒ツツリ:「得意なのは和装になるけど。見せてあげよう」
石神井寅彦:「防水加工してもらいなよ」笑いながら言う。
四緒ツツリ:「えい」石神井さんの背中に触れる。《ウォーキングクローゼット》
御凪 涼:「あれ」自分でなかったので、ぱちくり。
石神井寅彦:「えっ」完全に涼さんがされるものだと思っていた。ビックリする。
四緒ツツリ:紺色の、甚兵衛のようなラフな和装になります。
御凪 涼:「わ」寅彦くんを見て。「すごい」
石神井寅彦:「おわ」自分の格好を見る。「……パッとできちゃったよ!」
戌淵賢人:「ほう」
四緒ツツリ:「男物をイメージだけで変えると、こういう感じになるんだな」自分でもやったことが無いので、しきりに頷いている。
石神井寅彦:「おー、おー。首元が緩くて助かる……」
石神井寅彦:「ねっ、似合う? どう?」
波止村 凜花:「……わ」目をパチパチさせている。
波止村 凜花:「すごい、し、涼しそうだし、その」
波止村 凜花:「ええっ、なんだか、見たことがないからちょっとびっくりしました……!」
四緒ツツリ:「服の形が変わったら、携帯端末とかはあるべき位置に保たれるんだ。すごいだろう」
石神井寅彦:「あはは、そうだよね。おれだって、こんなの着たの高校の時ぶりとかだよ」凜花ちゃんに笑って言う。
石神井寅彦:「へー、はー、便利ねえ」ごそごそ服を漁っている。
石神井寅彦:「…………」途中で顔色が変わる。
波止村 凜花:「どうかしました?」
御凪 涼:「落とし物かな?」
石神井寅彦:「いや……」凜花ちゃんの前髪をまじまじと見る。懐からそれを取り出す。
石神井寅彦:ヘアピン。先日預かったやつ。
石神井寅彦:「………預かりっぱなしでしたね?」
波止村 凜花:「ああ」
波止村 凜花:手をぽんと叩く。
波止村 凜花:「そう、ずっと預かってて貰ってましたよね」
波止村 凜花:「ありがとうございます」
波止村 凜花:「雷獣、この辺にもいるんでしょう? だから、持っててくれたんですよね」
波止村 凜花:手を差し出す。
石神井寅彦:「………」全然違う。返す機会を逃して、それっきりになっていただけだ。
石神井寅彦:「ご、ごめんね…」
石神井寅彦:返しながら謝る。「お気に入りのやつなのに!」
波止村 凜花:「ああ、それはそうですけど……」
波止村 凜花:受け取って、軽く撫でて。
波止村 凜花:「でも、もっと宝物になりましたから」
波止村 凜花:「これ見たら、冒険を思い出せるし!」
石神井寅彦:「…それならいいけどさ」困った顔で笑う。「ありがとうね」
波止村 凜花:「こちらこそ、ですよ」
御凪 涼:「おお、寅彦くんが押されてる」興味深そうに傘をくるんと。
石神井寅彦:「いじらないでよー」笑って涼さんに言う。
石神井寅彦:「ねえツツリちゃん、ところでこれ戻せるんだよね?」
四緒ツツリ:「え、戻すのかい」
四緒ツツリ:「戻せなくはないけど……ゆっくりになるかもしれない、洋装は慣れてないから」
石神井寅彦:「そ、そうなの!?」
御凪 涼:「ゆっくり戻るとどうなるの?」
戌淵賢人:「交換ではなく変化なのか」
四緒ツツリ:「……とりあえず物陰でやったほうがいいか」
四緒ツツリ:「分解して、編みなおすんですよ」
御凪 涼:「とても難しいことをやっているね…」
石神井寅彦:「そ、その間、おれ捕まらない?!」
四緒ツツリ:「うん。難しいから……ちゃんと覚えた形でないと、すぐには編めないんだ」
御凪 涼:「賢人さんがいいならされないのでは…」
四緒ツツリ:「だから、ライラプスたちの服は凄いな」
四緒ツツリ:「戌淵さんは、犬用の雨具なんて調べたことはないんでしょう?」
戌淵賢人:「そうだな、詳しくは調べた事はないが」
戌淵賢人:「街を歩いていて見かけた犬の姿などを無意識に取り込んでいるのかもしれないな」
四緒ツツリ:「流石ですよ。みんな似合っている」
四緒ツツリ:「細かいところまで。刑事さんだから観察力があるのかな」子犬の服を裏返しながら、笑う。
戌淵賢人:「そうか」
戌淵賢人:「どちらかというと、妹がこういったものに興味があったからかもしれない」
戌淵賢人:「そう言った俺の感情を汲んで、犬たちは勝手にそうする」
四緒ツツリ:「……犬の訓練士、目指していたんですものね」
四緒ツツリ:「意識の外だとしても、ライラプスたちを編んでいるのは、戌淵さんでしょう」
四緒ツツリ:「月並みな言い方になりますが」
戌淵賢人:「どうだかな」
四緒ツツリ:「……戌淵さんの中に、妹さんの想いが紡がれているのかも、しれないですね」子犬を撫でる。
戌淵賢人:「ただ、俺が異能に目覚めたとき最初に得たのはコイツらを呼ぶ能力だった」
戌淵賢人:「おかげで随分と底まで落ちていたのがギリギリ生きていけるくらいには浮き上がれた」
戌淵賢人:「呉服屋の言う通り、妹がそうしてくれたのかもしれない」
四緒ツツリ:「そう考えた方が、素敵です」
戌淵賢人:「1号は子供の頃田舎の祖父母の家で飼っていた犬がモデルだろう、随分丸っこくなっているが」
戌淵賢人:「始めて飼った犬に似ているかもしれない」
戌淵賢人:「2号は」
戌淵賢人:「3号は警察犬の訓練でパートナーだった犬に似ている」
戌淵賢人:「そのものではないが、そういった無意識の集合体だろうさ」
石神井寅彦:「良いねえ、ブッチさん」ライラプス達の近くにしゃがむ。
石神井寅彦:「昔話に共感してくれる人がいてさ」へらへら笑っている。
四緒ツツリ:「うん……涼さんも言っていたけれど」
四緒ツツリ:「きっとそんな無意識が、冷たい雨から、守ったほうがいいと思ったんですよ」
戌淵賢人:「甘ったるい感傷だな」
御凪 涼:「ん。それに、この子たちが賢人さんの心とか、思い出が反映されたものだったら」
御凪 涼:「この二号くんとか、たぶんけっこう私と仲良しだと思うんだけど」
御凪 涼:「賢人さんのどこかが私と遊んでくれたみたいで、ちょっと嬉しかったりする」
戌淵賢人:「さてね、そんな事は俺にはわからん」
御凪 涼:ねえ、と二号と顔を見合わせます。
戌淵賢人:「そいつらは好き勝手にしているだけだ」
ライラプス2号:「ぷひぃ」
御凪 涼:「うん」二号に答える。
石神井寅彦:「照れてんだよなあ」
四緒ツツリ:「わからないなら、都合よく解釈したほうがいいじゃないですか」
御凪 涼:「寅彦くんも似たようなものでは…」
戌淵賢人:「甘ったるい感傷だが、まあ悪くはない時もある」
戌淵賢人:「お前のおせっかいも、そういうもんだよ占い師」
御凪 涼:「ふふ」
石神井寅彦:「そりゃどうも! おせっかいが好きなものでね」
御凪 涼:「あなたたちを見てると、本当に」
御凪 涼:「言葉にするのも、伝えるのも……果てしないものだとよくわかる」
石神井寅彦:「やる気出た?」涼さんに聞く。
御凪 涼:「頑張ってる。これでも」
御凪 涼:「どうかな、成果?」
石神井寅彦:「えー? 決めていいの?」ニヤッと笑う。
石神井寅彦:「それが分かるのって、これからじゃない?」
御凪 涼:「きみ、私にちょっと意地悪じゃない?」笑う。
石神井寅彦:「あはは! ごめんごめん。年上なんだから許してよ」
石神井寅彦:「それで、悪いけどツツリちゃん、ちょっと頑張ってもらって…」引っ張って物陰に行く。
四緒ツツリ:「うん、目を閉じてやるから。大丈夫」


GM:そうして、しばらく経った頃。
GM:あなたたちの感覚に、慣れたようで慣れない違和感が襲いかかる。
GM:ワーディングだ。近くまで来なければ、きっと感知できなかっただろう。
波止村 凜花:「……!」顔を青ざめさせ、首飾りを握る。
波止村 凜花:さすがに慣れてはいない。
波止村 凜花:普段であれば、即無力化をされていたはずの現象だ。
御凪 涼:「…本当に、影響を受けないんだね」
波止村 凜花:「はい。でも、玉の数は残り少ないので。気をつけないと」
四緒ツツリ:「その玉、どういう基準で減っていくのかな。時間?」
波止村 凜花:「強い影響を受けると、ひびが入っていくみたい」
波止村 凜花:「今はまだ平気そうです」
御凪 涼:「それも含めて、守ってあげてってことか」
御凪 涼:「きみ自身は大丈夫そう?」
波止村 凜花:「怖いけど、動けます」
波止村 凜花:「やります!」
石神井寅彦:「やれない時はやれないって言える子だって」後ろから言う。
波止村 凜花:「はい。皆さんがいてくれるから、大丈夫」
波止村 凜花:羽の形のヘアピンを髪に留める。
石神井寅彦:「行きますか。…行けますか?」皆を見る。
波止村 凜花:「行きます!」
波止村 凜花:ぎゅっ、と懐を押さえながら。
御凪 涼:「いつでも」紫檀の香りが湿度に重く煙る。
戌淵賢人:(ようやくだ、ついに届いたぞ絵里子)
戌淵賢人:「ああ、もう逃がさん。行こう」
四緒ツツリ:「勿論。大捕り物、だ」
石神井寅彦:「よっしゃ」頷いて笑う。
石神井寅彦:「おれ達にしかできないことを、やってやりますか」

GM:ロイス取得と購入判定が可能です。
GM:購入はここで最後!
石神井寅彦:スポーツカー買っちゃったよ……
石神井寅彦:次はなんだろう セーフハウスか?
GM:乗りな!
御凪 涼:ツツリちゃんの盾じゃない?
GM:宇宙船とかなかったですっけ
GM:そうだよ
GM:実用品も買うといいですよ
石神井寅彦:なんでさっきスポーツカー買っちゃったの?
四緒ツツリ:あったなそんなの
御凪 涼:デートに行くからでしょ
四緒ツツリ:凛花ちゃん迎えに行くんでしょ!乗んな!みたいな……
石神井寅彦:ww
御凪 涼:必要でしょうが
石神井寅彦:リアクティブアーマーでいいですか?
戌淵賢人:安くてガード値がある西洋剣でも買うかな
四緒ツツリ:あっ欲しいです!
石神井寅彦:挑戦します リアクティブアーマー
四緒ツツリ:しゃっくん……!
石神井寅彦:5dx>=24
DoubleCross : (5DX10>=24) → 6[2,2,3,4,6] → 6 → 失敗

石神井寅彦:ごめん………
御凪 涼:じゃあ私も試そう
御凪 涼:リアクティブアーマー
四緒ツツリ:しゃっくん……! アタシわかってるから……!
御凪 涼:5DX+3+0@10>=24 調達
DoubleCross : (5DX10+3>=24) → 5[1,3,4,5,5]+3 → 8 → 失敗

御凪 涼:私のこともわかって
四緒ツツリ:涼ちゃん……! アタシ信じてるから……!
御凪 涼:ありがと♡
戌淵賢人:西洋剣
戌淵賢人:2dx+2>=11
DoubleCross : (2DX10+2>=11) → 7[2,7]+2 → 9 → 失敗

GM:1たりないやつかな
石神井寅彦:雫…?
四緒ツツリ:戌淵先輩……! アタシわかってますから……!
GM:雫、そうかラウンド制限か
御凪 涼:そう
GM:使えるんだな……
御凪 涼:さっきの判定でつかってる
御凪 涼:あれ、ラウンドか
GM:確認します
御凪 涼:だわ
御凪 涼:シーンじゃないんだ!?便利
GM:ですね、この場合使えるとしよう!
御凪 涼:じゃあやっちゃお
御凪 涼:《夢の雫》。達成値+10
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を3増加 (77 → 80)
四緒ツツリ:能力訓練:社会と一体化。リアクティブアーマー挑戦します。
GM:どぞ
四緒ツツリ:ん~
戌淵賢人:リアクティブアーマーとかの方が良くない?雫
戌淵賢人:西洋剣 ホント気休めだよ
四緒ツツリ:雫あるならリアクティブコート挑戦するまでありますね
GM:巻き戻しは可!
御凪 涼:あ、ありがたい キラークイーン…
石神井寅彦:戌淵さんが大丈夫なら巻き戻させてもらいますか~
御凪 涼:バイツァダスト
四緒ツツリ:では、能力訓練:社会と一体化! リアクティブコートに挑戦 《砂の加護》も付けます
GM:では雫は一旦使ってなかったことに。
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を3(→ 3)増加 (87 → 90)
四緒ツツリ:11dx+4>=36
DoubleCross : (11DX10+4>=36) → 10[1,2,3,3,3,7,7,8,10,10,10]+10[1,7,10]+1[1]+4 → 25 → 失敗

石神井寅彦:おっ
四緒ツツリ:あ、自前の金で買えるわ
四緒ツツリ:財産8点入れて購入します。装備
GM:む
戌淵賢人:つよー
GM:36では?
御凪 涼:てか雫「した」ことにして
GM:あ、いいのか
四緒ツツリ:あれ、そうかなんで8点だ?
御凪 涼:いいのでは
GM:よくないな。財産点だと足りないか
四緒ツツリ:雫貰えれば財産1点で購入ですね
GM:そういうこと!
石神井寅彦:そういうことになった!
四緒ツツリ:算数ができなくなる……これも破多々ってやつの仕業なのか!!
GM:じゃあ使ったことにしてオッケー!
御凪 涼:さっきのバイツァダストで現実改変しました
GM:おのれ破多々……
御凪 涼:はーい。
四緒ツツリ:ありがとうございます涼さん!
GM:では全員おかいものしたかな
御凪 涼:これで今夜も安心して熟睡できますね
石神井寅彦:しました~
御凪 涼:はあい!
四緒ツツリ:はーい!


マスターシーン


GM:廃屋の庭で、影が動いた。
????:ぎろり、と鋭い目。
????:手にはまだバチバチと雷の気配が残っている。

破多々:鼬によく似た、獣めいた二足歩行の異形。
GM:地面には火傷を負い、うめき声を上げる一般人。
GM:そして。
佐崎 るり:「そっ……」
佐崎 るり:「そこまでです……!」
佐崎 るり:小柄な女性の巡査が踏み入る。手には警棒。そして、銃もいつでも抜けるように。
佐崎 るり:倒れた一般人に駆け寄り、容体を確認する。
佐崎 るり:「……警察です。手を挙げて、抵抗はやめてくださいっ」
破多々:「目明かし? 愚かな。死にに来たか」侮るような低い低い唸り声。
佐崎 るり:その声に涙目になってはいるが、震えてはいない。
佐崎 るり:「……仕事をするんです」
佐崎 るり:「町の平和を守ることが、警察の仕事です」
佐崎 るり:自分に言い聞かせるように。あるいは、誰かの言葉を思い出すように。
佐崎 るり:もう少し自信を持て、と。
佐崎 るり:「苦しんでる人が居る時に、自分が先に逃げるなんて、絶対にダメ!」
破多々:「……ハッ。いずれの時も、人の行いはさして変わらんな」
破多々:「何人殺したか。貴様の如き惰弱な正義漢を」
佐崎 るり:異形の姿も、この町だ。初めて見るわけではない。
佐崎 るり:目に恐怖を浮かべながらも、それでも立っている。
破多々:大きく、獣の腕が振りかぶられた。雷が、来る。
佐崎 るり:「……っ!」
????:「……なんで、そうなんだろうな」
????:呟きが聞こえた。とん、と踏み切る音。
????:「喜一もあんたも、あの人たちも、ほんと……」
來火:「……おれだってさあ!」
來火:眼帯の青年、"鈴掛喜一"の姿で渾身の力を込め、身体ごとぶつかる。腕に掴みかかる。
來火:衝撃音。嫌な臭いがして皮膚が焦げ、ゆっくりと再生を始める。
破多々:「來火ッ、小童が、またも邪魔立てをするか。死にたいか!」
來火:「……死にませんよ。約束、したから」
來火:「下がっててよ、巡査さん」
佐崎 るり:「……鈴掛、さん」
來火:(……なんでかな。あんたとおんなじことを思ったよ、喜一)
來火:(町の日常が脅かされるなら、守らなきゃ)
來火:(それがUGNだろって)
來火:(……間に合ってくれ、どうか)
來火:(助けて、だけじゃない。助けさせて)
來火:(……ああ、そうだ。合図を)
來火:(おれたちは、ここにいます)
來火:《ワーディング》


ミドル8 弾丸


GM:登場する人は登場侵蝕をお願いします。
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を1D10(→ 7)増加 (81 → 88)
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 2)増加 (76 → 78)
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を1D10(→ 9)増加 (90 → 99)
四緒ツツリ:ハーッ
GM:四緒さん!
石神井寅彦:ツツリちゃん!
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を1d10(→ 6)増加 (80 → 86)
御凪 涼:ツツ!
GM:高まって参りました
GM:がんばれー

GM:あなたたちが廃屋に近付いた時、目に入ったものは。
GM:《ワーディング》により無力化された佐崎るり巡査と一般人一名。
GM:廃屋内に立ちはだかる、鼬のような異形の、人型の獣。
GM:そこに掴みかかろうとし、逆に押さえつけられかけている、負傷した鈴掛喜一……來火。
GM:破多々、と來火が名を呼ぶ声がする。あれが雷獣・破多々に間違いない。
GM:今、このチャンスなら上手く狙撃を行い、破多々の弱体化および全員の救出を行うことができるだろう。

GM:まず説明を。
GM:このシーンでは、破多々を封印する足がかりを作るため、狙撃を行います。
GM:具体的には《Eロイス:不滅の妄執》の解除をするための判定支援です。
GM:狙撃を行う波止村凜花は、非オーヴァードのためかなり非力です。
GM:命中判定はこのままでは1dx+1、破多々の回避達成値は固定で16となります。
GM:ただし、あなたたちが協力し、支援することで達成値を上昇させることが可能です。
GM:取れる行動は以下の通り。選択と判定は波止村凜花の判定前に行ってもらいます。
GM:・直接狙撃を助ける ひとりにつき判定ダイス+2個
GM:・援護して破多々を攻撃する ひとりにつき判定達成値+3
GM:また、どちらも選ばずメジャーアクションでの支援を行うことや、上記にプラスしてオートでの支援を行うことも可能です。
GM:失敗した場合、破多々は波止村凜花を攻撃してきます。その際、皆さんはカバーリングを行うことが可能。
GM:波止村凜花が攻撃を受けなければ、判定はやり直しを行うことができます。
GM:以上、質問はありますでしょうか
四緒ツツリ:大丈夫いです
石神井寅彦:大丈夫です!
御凪 涼:だいじょうぶ!
GM:戌淵さん大丈夫でしょうか!
戌淵賢人:大丈夫です
GM:うす!
GM:ではまず、最初は1dx+1なので、それぞれどの支援を選ぶか宣言お願いします。
四緒ツツリ:これは破多々の攻撃に回りますわ
GM:ちなみにファンブルしたら自動失敗です
御凪 涼:ギャン
GM:気をつけてね
石神井寅彦:じゃあ直接狙撃を助けるかな
戌淵賢人:佐崎さんがピンチっぽい状況では攻撃をしかける感じになりそう
石神井寅彦:それは確かに
御凪 涼:かっこいい
石神井寅彦:2:2で分かれますか
御凪 涼:あ、なんかいいすねそれ
御凪 涼:なんか 賢い感じがする
石神井寅彦:チ~ムワ~~クッッ
四緒ツツリ:それを見越した提案だったのよ……
石神井寅彦:じゃあ ツツリブッチが攻撃 石神井涼が助けるかな
GM:2-2!
GM:それでよろしいでしょうか。その場合5dx+5になるかな
GM:うそうそ
GM:5dx+7ですね。まちがい
石神井寅彦:よいかと!
GM:よろしければ凜花ちゃんが判定します!
御凪 涼:へい
四緒ツツリ:オナシャス
GM:ではやっていきたいと思います
波止村 凜花:5dx+7>16
波止村 凜花:まちがい
波止村 凜花:5dx+7>=16
DoubleCross : (5DX10+7>=16) → 10[2,3,6,9,10]+7[7]+7 → 24 → 成功

波止村 凜花:!?
御凪 涼:すげえ
御凪 涼:これが心なんだよな
波止村 凜花:回しちゃった
石神井寅彦:えーーすごい
四緒ツツリ:うお~
戌淵賢人:イエイイエイ
GM:ここまでとは
GM:判定成功です。破多々の《Eロイス:不滅の妄執》が解除されました。
石神井寅彦:やったー!
GM:これにより、クライマックス戦闘で封印を行うことができます。
御凪 涼:やったねブッチさんのスマホ!
石神井寅彦:イエーイ!!
四緒ツツリ:フゥフゥ

破多々:「……全く、毎度毎度嫌な邪魔が入る」
來火:「……っ、破多々!」
來火:「もうやめろ、これ以上はやめろっ!」
佐崎 るり:ワーディングの影響下にあり、意識を失っている様子だ。
戌淵賢人:「佐崎ィッ!!」
戌淵賢人:予想しなかった人物がそこに倒れている。
戌淵賢人:いや、予想はすべきだったのだ。
戌淵賢人:彼女も捜査をしていたのだから。
戌淵賢人:妹の姿が頭をよぎった時には。
戌淵賢人:俺は走り出していた。
戌淵賢人:携帯していた銃を破多々に向かって乱射する。
戌淵賢人:当たるはずがない、当たるとも思わない。
戌淵賢人:少しでも自分に注意が向けばいいのだ。
破多々:「……何?」ぐり、と首を巡らす。
戌淵賢人:「二度とッ!やらせるかッ!」
破多々:無造作に手を振り、來火を振り払う。
來火:「……がっ」
戌淵賢人:「こっちだ!クソ野郎!」
來火:「……刑事さん。来て、くれて……」
戌淵賢人:來火と佐崎を死なせるわけにはいかないのだ。
破多々:遠吠えのような奇妙な声を上げ、戌淵さんを睨みつける。
破多々:獣の眼光。次はあなたに狙いを定めた。
戌淵賢人:「うるせえ!お前も下がれッ!死なれるわけにはいかねえんだよ!來火ッ!」
戌淵賢人:叫びながら走っていく。
來火:「……はは。だから……死にませんって」言いながら、よろよろと下がる。
來火:「約束だもんな。喜一」
四緒ツツリ:「……引き付け役ありがとうございます。おかげで、寄れた」
四緒ツツリ:横合いからの声。
破多々:走る猟犬を狙った獣は、その声に気づくのが遅れた。
四緒ツツリ:破多々から、ぴたり10m。それは射出式スタンガンの射程距離ぎりぎり。
四緒ツツリ:ぱしゅ、という音とともに、破多々の体表には電極が突き立っている。
破多々:「がぐっ」
四緒ツツリ:もちろん、雷の権能をもつ荒神が、スタンガンの電流など気に留めるはずもない。
破多々:「……貴様は、何だ」ぎり、と振り向く。
四緒ツツリ:「……だけど、”慣れている”ものになら、すぐに編み変えられる」
四緒ツツリ:重要なのは、ケーブルが破多々までつながっているということだ。
四緒ツツリ:ばさり、と風が舞うとともに、破多々の視界は、浅葱色の布に覆われている。
破多々:「猪口才な……!」
四緒ツツリ:「……残念だけど、情報を君に売るつもりはないな」
四緒ツツリ:「これでも信用商売なんでね。今のお得意様は、こっち!」
破多々:払おうと腕を振る。さほどの時間ではないが、確かに隙ができた。
御凪 涼:「…今かな」
御凪 涼:波止村さんへ。「少しだけ、きみたちの感覚を溶かすから」
御凪 涼:「撃ちやすくなると思う。うまく、説明できないけど、たぶん」
石神井寅彦:「大丈夫」笑う。
石神井寅彦:「分かるよ」
波止村 凜花:「……お任せします」
波止村 凜花:「私は、狙って、撃つ。そうですね」
石神井寅彦:「そう。…凜花ちゃん、銃を構えて!」
波止村 凜花:あまりに古い型の拳銃を握り締め、持ち上げ。
波止村 凜花:かつて、曾祖母がしたように、構える。
波止村 凜花:「はいっ!」
御凪 涼:くるりと身を翻す。長い黒髪、紬の袖がそれを追う。
御凪 涼:神を降ろすでも、魂を送るでもなく、人を繋ぐための舞。
御凪 涼:舞うたびに揺れる景色が、歪む音が、蝶のかたちと羽搏きに仮託される。
御凪 涼:透明な蝶のかたちで、認識できるように修正される。
御凪 涼:蝶が這い、飛び、群がる。それが波止村さんと石神井さんの身に溶けていく。
御凪 涼:どうすべきか、どう動きたいか、深い心の奥でわかるように。
石神井寅彦:蝶が舞う。紫檀の香りが雨の香りに溶けていく。
石神井寅彦:「…あんま力まなくて大丈夫。適当に力抜いて。相手を見て」
石神井寅彦:後ろから手を伸ばす。彼女の手を包むようにして支える。
波止村 凜花:「……はい」ふう、と小さく息を吐く。
波止村 凜花:温かい手。だから、きっと大丈夫。
石神井寅彦:「でっかいとこ狙おう。腹とか。そしたら絶対当たる」
波止村 凜花:「……今、動きが止まってますね。わかりました!」
石神井寅彦:「うん」笑う。
波止村 凜花:狙いを定める。引き金に指をかける。
波止村 凜花:吸い込んだ息が、薄くけぶる雨の匂いを捉えて。
石神井寅彦:心の声に応えるように、透明な蝶が見えた。導線を描くように。
石神井寅彦:きっと彼女にも見えている。タイミングは蝶が教えてくれる。
波止村 凜花:「不思議。雨の中でも、蝶は飛ぶんですね」小さく呟いて。
石神井寅彦:「はは」
石神井寅彦:触れ合う手の体温が溶けた。
波止村 凜花:「三」
波止村 凜花:「二」
波止村 凜花:カウントダウンとともに、その体温を少しだけ惜しみ。
波止村 凜花:でも。
波止村 凜花:「一」
波止村 凜花:「零」
波止村 凜花:ぱん。
GM:乾いた破裂音。二十六年式拳銃・改による発砲。
GM:対抗種の力を宿した弾丸は、真っ直ぐに破多々へと向かった。
破多々:「……ぐっ!?」
破多々:ようやく布を振り払ったところで、弾丸を受ける。
破多々:確かに覚えのある、おぞましい力を秘めた弾が、命の核を抉っていく。
破多々:「貴」
破多々:「様ら……!」
石神井寅彦:射撃の反動で手が離れ、そのまま凜花ちゃんが後ろによろけてくる。受け止める。
石神井寅彦:「よっしゃ!」
波止村 凜花:止めていた息が、弾んでいる。
波止村 凜花:「や、りました……!?」
石神井寅彦:「めちゃくちゃやった! ゴルゴ13もびっくり!」
波止村 凜花:「ふふ、報酬はスイス銀行にお願いします!」
波止村 凜花:汗を拭って、それから少し後ろへ。
波止村 凜花:「あとは、お願いします……!」
御凪 涼:舞を止める。蝶のすがたが崩れて消える。「……來火くんたちは?」
石神井寅彦:凜花ちゃんに笑って応えた後、涼さんを見て、更に破多々の方へと視線を向ける。
來火:「……神社の宝物……あれが……」
來火:負傷はしているが、徐々に治癒もしている。
石神井寅彦:「無事っぽい感じ? 涼さんもありがとね」
御凪 涼:「直接戦えないのは、私もだしね」笑う。
來火:「……っと、一般の人はこっちで……とりあえずなんとかします」
戌淵賢人:「仕組みは良く解らんが、効いたか」
御凪 涼:「…警察の彼女は大丈夫だった?」
佐崎 るり:変わらずに意識はないが、外傷もない。
戌淵賢人:息をしている事を確認する。
戌淵賢人:「こいつも頼む」
佐崎 るり:ワーディングの影響から外れれば、特に問題はないだろう。
來火:「了解っす」
來火:よろよろとしながらも、早足で確保へ。
戌淵賢人:「ここは今から狩場だ」
石神井寅彦:「頼むよ來火くん!」背中に声をかける。「休暇中だって支部員は支部員だからねっ」
四緒ツツリ:「働かせて済まないね」佐崎さんに着物を被せ、來火さんに任せる。
來火:「……そうですね」
來火:「そうですね!」
來火:「はは、折角の休暇なのに、結局働いてんの!」
來火:笑いながら、倒れた人々を背中で守るため、立っている。
石神井寅彦:「やーい、3年ぶりの有給がムダになっちゃって」笑う。
御凪 涼:「嬉しそうだなあ」
四緒ツツリ:「そもそも3年間有給取ってない方が、職場としてはあやしい……」
石神井寅彦:「それは八千代さんも頭を抱えているところで…」
四緒ツツリ:「まあ、それなら黙っておいてあげよう」
破多々:「ら、い、かぁッ!」
破多々:「貴様何を呼んできた! この弾丸は……!」
來火:「あー、えっと、おれが呼んだっつうよりは……」
來火:「来てくれたんですよ。正義の味方が」
破多々:「ッ!」
破多々:肉を抉る。弾丸は抜けたが、力は残る。
破多々:「火消しか……!」
破多々:あなたたちの方をギラギラした目で睨みつける。
破多々:バチバチと雷が走るが、これまでよりは力が弱まっているのがわかるだろう。
御凪 涼:「正義の味方……みんなはともかく、私には荷が重い気がする」苦笑い。
石神井寅彦:「いいじゃん、ここまで来て仲間はずれってことはないでしょ」
石神井寅彦:「涼さんも格好つけようぜ」
御凪 涼:「じゃあ、格好のつけかたでも習おうかな、格好いいきみたちに」
四緒ツツリ:「ふふん。高くつくぞ」
石神井寅彦:「おっ、いいねえ。見せて見せて!」
四緒ツツリ:「おほん。破多々──悪いが君は、寝すぎたようだ」
四緒ツツリ:手元にスタンガンの残骸を持ち出す。引き金を引くと、ぱちぱちと火花が散る。
破多々:があ、と吠える声でそれに応える。
四緒ツツリ:「つまり、もはや雷は人の手の中ってこと」
破多々:「はっ、馬鹿を言え。神鳴る力は常に我が物!」
破多々:「人の手になど負えるはずがあろうかよ!」
破多々:ばちばちと、空気に痺れるような匂い。
四緒ツツリ:「神が鳴るとは烏滸がましい。せいぜい負け犬の遠吠えが関の山だ」
破多々:「ほざけ、女ァ!」
四緒ツツリ:「ふふん」得意そうに笑い──
四緒ツツリ:「……うん、私は以上だ」ちょっと無理をしていたので、あとに譲る。
破多々:「その肌に焼け焦げた雷紋を刻んでくれようか……!」
石神井寅彦:「べらぼうに格好よかったよお!」
御凪 涼:「とても。いつもきみは格好いいが」
四緒ツツリ:「いいから! ほら格好つけたまえ!」
石神井寅彦:「あはは。……んでさあ、破多々くん!」
石神井寅彦:「あなたって、何が楽しくて暴れてんの?」
破多々:焦げた臭いの息を吐く。
破多々:「何が、楽しくて?」
石神井寅彦:「うん」いつものへらへらした笑いを浮かべている。
破多々:「力そのもの」
破多々:「力にて破壊を、蹂躙を行い、全てを打ち壊すこと」
破多々:「それを上回る悦楽など、俺は知らん」
石神井寅彦:「ははあ」
石神井寅彦:ここでイージーエフェクト《シャドウダイバー》を使用することは可能でしょうか?
GM:可能です
石神井寅彦:では使用します。対象は破多々。彼の感情を読みます。
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を2増加 (88 → 90)
GM:では、破多々の感情は以下の通り。
GM:上記の言葉は、全て彼にとって真実であり、先ほども強い高揚を覚えていたこと。
GM:今はそれを逃がし、非常に屈辱に震えていること。
GM:あなたたちに強い敵意を持っていること。
GM:それらのことがわかります。
石神井寅彦:破多々の言葉を聞きながら、自らの影を伸ばして、相手のそれに絡める。
石神井寅彦:同化が始まり、彼の感情を読み取る。強い戦意、敵意、感情を浴びる。
石神井寅彦:「…つっまんねえ答えだなあ」
破多々:「ほう」ぞわ、と毛が逆立つ。
石神井寅彦:敵意が強まるのを感じる。「あんた、アテナシ様に対抗心抱いてるんだって?」
破多々:「どこで聞いたか知らんが……ああ」
破多々:「貴様の答えもどこか、あやつに似ているな」
破多々:「腹立たしいことこの上なし。命も賭けぬ遊びがそれほど面白いか」
石神井寅彦:「うん、面白いよ。誰も死ななくて安心できるところが特に良い」
破多々:「惰弱」
石神井寅彦:「ばーか」
石神井寅彦:「うん、あんたの罪を自覚させてやりたくなってきたな。頑張るよ」
石神井寅彦:「じゃないとブッチさんが可哀想だ」
破多々:「罪など」
破多々:「荒ぶる神が被るものでは、ない!」
戌淵賢人:「何が神だ」
破多々:「ほう?」首をぐるりとそちらへ。
戌淵賢人:「電化製品の中で昼寝かましてた程度のヤツが」
破多々:「何?」がち、と牙を噛む。
戌淵賢人:「もぞもぞ起きてきて調子コイて暴れてイキって」
戌淵賢人:「荒ぶる神だ?その辺の不良かよテメェはよ」
破多々:「……先も問うたが」
破多々:「貴様は何だ」
戌淵賢人:「挙句の果てに弾丸喰らってもうおねむの時間だ!クソ獣がよ!」
戌淵賢人:「俺か?」
破多々:「俺にそのような口を利ける程度の猿か?」
戌淵賢人:「俺はお前みたいな害獣を狩る猟犬だ」
戌淵賢人:「街の片隅でコソコソ逃げ回ってたテメエを」
戌淵賢人:「妹の仇であるテメエを」
戌淵賢人:「ここでブチのめして寝床に叩きこむのが仕事だ」
破多々:「仇、仇!」
破多々:「ハハ、好きな言葉だぞ」
破多々:「勝手に俺の手の元にどんどん人が現れる。殺すごとに」
破多々:「貴様もそうか! ようこそ、だ!」
破多々:天を仰ぎ、愉快そうに笑う。
破多々:「かつては十三人殺し。今度は、さて、幾らになろうか!」
戌淵賢人:「ハッ!寝る前にウッカリ死んでも俺は全然かまわねえからよ!」
石神井寅彦:「…倒れるのはお前だー、みたいなの、言っておけば?」涼さんに言う。
御凪 涼:「わ、私か」慌てる。「……だめだな。結局のところ、來火くんや賢人さんをここまで見てきても」
御凪 涼:「そういう憤りには辿り着けない。でも、多分それでいいんだと思う」
石神井寅彦:「ん」頷く。
御凪 涼:「《遊び》に命を懸けることさえ…あいにく、私には否定できない。殺すことだけだ、それだけを、今の自分が否定できる」
御凪 涼:「でも、力になりたいよ。そういう人たちの」
御凪 涼:「きみたちの。……これが、私の言葉かなあ」
石神井寅彦:「はは! いいね。進歩してる」
御凪 涼:「なら、合格か」苦笑い。
破多々:「……貴様は、理解できんな。何だ?」
破多々:どこか、心底困惑した声で。
破多々:「雷獣どもと同じ弱者、としてはあまりに……」
破多々:「あまりに、静かだ」
御凪 涼:「私は舞踊家。《遊び》にすべてを賭けている、人間さ」
御凪 涼:「罪のない人よりは、いくらかあなたと遊べるだろう」
破多々:「結局のところは、動く骨と肉」
御凪 涼:「ええ、そうだ」
破多々:「燃やし尽くせば、それで終い」
破多々:「理解は不要。いざ」
GM:ばちばちばち、と周囲に雷撃が走る。それはただの前兆。
破多々:《天候操作》
破多々:空の雲が俄に、かき混ぜられたように濁る。
GM:光。
GM:それから、一瞬だけ遅れて、轟音。
GM:廃屋を灼き焦がす程の、大きな雷が、破多々を包み込んだ。

GM:ロイス取得のみできます。
石神井寅彦:全枠埋まってるのでなし!
四緒ツツリ:なし! 埋まってます
御凪 涼:埋まりのつつり
石神井寅彦:ミドル戦闘のときに全員埋まってたよね
GM:早いな……
戌淵賢人:ですね
GM:ではオッケー!


クライマックス 対・破多々


GM:全員登場推奨です。
GM:登場侵蝕をお願いします。
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を1D10(→ 9)増加 (90 → 99)
石神井寅彦:おいおいおいおい
GM:一気にいく
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を1D10(→ 5)増加 (99 → 104)
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 7)増加 (78 → 85)
四緒ツツリ:よっしゃあ最低値!!!
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を1d10(→ 6)増加 (86 → 92)
GM:格差……
御凪 涼:ブッチひく
GM:がんばってね

GM:まず、説明。
GM:もとい、衝動判定から。
GM:あなたたちの目の前の破多々から、破壊の意志に満ちた気配が迸る。
GM:意志で目標値9の判定をお願いします。
石神井寅彦:6dx+1>=9
DoubleCross : (6DX10+1>=9) → 9[1,4,6,6,7,9]+1 → 10 → 成功

戌淵賢人:思い出の一品
御凪 涼:5DX+2+0@10>=9 意思
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 10[3,4,4,8,10]+6[6]+2 → 18 → 成功

戌淵賢人:3dx+1>=9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 10[4,7,10]+4[4]+1 → 15 → 成功

四緒ツツリ:思い出の一品と一体化 梓力を貸してくれーっ
四緒ツツリ:7dx+3>=9
DoubleCross : (7DX10+3>=9) → 10[3,3,5,6,8,9,10]+9[9]+3 → 22 → 成功

GM:梓すごいな
石神井寅彦:ヤッバ
GM:全員高いんだよな
御凪 涼:梓よ…
四緒ツツリ:ありがとな梓
GM:侵蝕もお願いします
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を2d10(→ 7)増加 (104 → 111)
石神井寅彦:2d10+99
DoubleCross : (2D10+99) → 20[10,10]+99 → 119

GM:!?
石神井寅彦:おいおいおいおい
四緒ツツリ:梓のおかげで侵蝕も優しい!
GM:初めて見た
GM:が、がんばって
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を2d10(→ 6)増加 (85 → 91)
四緒ツツリ:石神井さん!?
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を2d10(→ 7)増加 (92 → 99)
御凪 涼:おいおい
GM:なんか……極端……
御凪 涼:自分に記憶探索しろといいたいレベル
石神井寅彦:ほんとよね
GM:それでは、これにより共振現象が起こります。

GM:……あなたたちがここで見たのは、來火の時のものとは様子が違っていた。
GM:そこには、まだ歪む前の思い出や、素直な感情はどこにもなかった。
GM:ただ、長い時を経て積み重ねた、重苦しい破壊への衝動だけが、破多々の心を塗り潰している。
GM:時折ノイズのように、高い空の上の風景や、落ちる瞬間の様子が浮かぶが、ただの残滓でしかない。
GM:一際強かったその雷は、落ちた時まず人を殺し、建物と地とを灼いた。
GM:その瞬間に湧き上がったのは、力を振る、壊し、弱い者を押さえつけることへの歓喜。
GM:塗り潰される前にも、きっと『何か』はあったのだろう。だが、もうどこにも見えない。
GM:荒神、という。祟り神、という。常の力では止められない、荒ぶる存在。
GM:衝動そのものの化身と化したエネルギーの塊。であるが故に、現状では殺す手段も見当たらない。
GM:それが雷獣・破多々。
GM:ぎろり、と鋭い目があなたたちを見据えている。
GM:俺を何かわかったとでも思ったのか、痴れ者。そのような目つきで。

御凪 涼:「……はは」その目と目が合う。「共鳴でさえ、溶けられないか、あなたに」
石神井寅彦:「空っぽの激情だねえ」目を細める。「囚われてるね。怖いなあ」
御凪 涼:(どうもそれに慰められた気分だと言えば、だれかを傷つけるかな)
御凪 涼:(心とは誰にも届かないものだと、そういうことに。慰められるのは)
御凪 涼:「怖くなさそうに聞こえる。…当たってる?」
石神井寅彦:「うーん。それが、外れ」笑う。
御凪 涼:「…難しいな」ふ、と、妙に安心したように笑う。
石神井寅彦:「へへ。難しいね」ニヤッと笑う。

GM:この戦闘では、特殊ルールがふたつあります。
GM:まず、勝利条件は『破多々を戦闘不能にした後、同エンゲージに移動、封印を宣言する』ことです。
GM:これは未行動であれば誰が行っても構いません。

GM:もうひとつは『メインプロセス時、マイナーアクション前に交渉判定を行う』ことができます。
GM:達成値累計30で雷獣たちの協力を得ることができ、戦場に出ている雷獣は敵対行動を取らなくなります。
GM:また、到達できなかった手番も、次の交渉判定に+1のボーナスが累積していきます。
GM:達成後にイベントが発生。協力の効果は成功後に開示します。
GM:なお、協力を得ずに普通に攻撃して倒すのはちょっと難しいよ、ということはお伝えしておきます。
GM:交渉判定にはメジャーアクションに対する支援は反映されませんが、オートで支援を行うことは可能です。

GM:ここまではまず大丈夫でしょうか!
御凪 涼:一回30になれば、もう大丈夫ってことかな?
GM:そういうこと!
石神井寅彦:とりあえず交渉判定すれば、+1のボーナスがついて
石神井寅彦:やればやるだけ加算されてくって感じなのかな
GM:そうです
戌淵賢人:OK
GM:一発で30出せばもちろん成功
石神井寅彦:ほうほう 理解です!
四緒ツツリ:ふーむ 了解です
GM:実際やった方が良いかもですね、この辺は
GM:で、あと一個だけ。
御凪 涼:わかんなくなったらききます!
御凪 涼:はいっ
GM:きいて!

GM:なお、來火はNPCカードとして参戦します。効果は以下の通り。

NPCカード:"來火=ジェイトーカー"鈴掛喜一
『ここにある今に手を伸ばす』
タイミング:常時
PCの雷獣に対する交渉判定達成値に全て+2

『○○○○、○○』
タイミング:オート
ダメージ適用前に使用、來火が単体をカバーリングする。
使用すると戦闘不能扱いとなり、他の効果は適用不可となる。


GM:忘れないように使ってみてください。

GM:エンゲージ表は以下。

[雷獣1(7)雷獣2(7)破多々(5)雷獣3(7)雷獣4(7)]
          |
          10m
          |
   [石神井(6)涼(8)戌淵(9)四緒(4)]



GM:では、1ラウンド目。


■セットアップ■

GM:宣言があればどうぞ
四緒ツツリ:なしです!
破多々:《装甲強化》ラウンド間装甲値を+30
御凪 涼:《限界突破》。対象は《夢の雫》、これをラウンド二回使用可にします。
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を3増加 (99 → 102)
雷獣:まとめてなし
戌淵賢人:ナイヨー
石神井寅彦:《扇動の香り》。対象は破多々。破多々を攻撃するPC全員の命中判定ダイス+5個。
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を5増加 (119 → 124)
GM:ダイスやばいんだよな


■イニシアチブ■

GM:最速は戌淵さんですが、割り込みをさせてください。
雷獣:《鼓舞の雷》破多々をイニシアチブに行動させます。
破多々:動きます
破多々:マイナー、コンボ『召雷』《雷の加護》ダイス増加
破多々:メジャー、コンボ『破雷』《雷神の槌》《プラズマカノン》《コンセントレイト:ブラックドッグ》
雷獣:《拡散する世界》対象をシーン(選択)に変更。HP20を失う。
破多々:対象はPC全員。
四緒ツツリ:きっきさまらーっ
石神井寅彦:雷獣ちゃん!
GM:交渉してあげてね
破多々:判定を行います。
破多々:12dx7+2
DoubleCross : (12DX7+2) → 10[1,1,2,3,3,4,4,4,7,10,10,10]+10[4,4,6,10]+6[6]+2 → 28

破多々:あんまりだな
破多々:リアクションをどうぞ
四緒ツツリ:ドッジ!
石神井寅彦:4dx>=28ドッジ
御凪 涼:ドッジ
石神井寅彦:4dx>=28
DoubleCross : (4DX10>=28) → 9[1,2,6,9] → 9 → 失敗

御凪 涼:4DX+0@10 回避
DoubleCross : (4DX10) → 8[1,1,2,8] → 8

四緒ツツリ:6dx>=28
DoubleCross : (6DX10>=28) → 9[1,4,6,7,8,9] → 9 → 失敗

戌淵賢人:ドッジ
戌淵賢人:5dx>=28
DoubleCross : (5DX10>=28) → 10[3,4,9,10,10]+4[1,4] → 14 → 失敗

石神井寅彦:ツツリちゃん…お願いしてもいいすか…
四緒ツツリ:ウス!《崩れずの群れ》! 石神井さんをカバーっす!
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を2(→ 2)増加 (111 → 113)
石神井寅彦:ありがとうございます……!
破多々:では三人にダメージ!
破多々:3d10+29 装甲有効
DoubleCross : (3D10+29) → 14[5,5,4]+29 → 43

四緒ツツリ:もちろん耐えられぬ……! 倒れます!
御凪 涼:ムリムリ
戌淵賢人:ゴミほどのガード値があれば耐えたな リザレクト
四緒ツツリ:ここは八千代さんのロイスを切って復活! HP13
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を1D10(→ 5)増加 (91 → 96)
御凪 涼:そうだこの人まだリザレクトだ
GM:まだリザ圏内の人だ
四緒ツツリ:いいなあ
御凪 涼:戌淵さんのロイスをタイタス、昇華、復活
御凪 涼:手伝える場にようやくこれたので。
GM:では演出。

破多々:墜ちた雷を全身に纏い、破多々が咆哮する。
破多々:その声に怯えたように、小さな雷獣たちがせめてもの力を放つ。
破多々:「そうよ、そうよ! 弱き者は我が下にて震えておるが良い!」
破多々:「何者も、俺には」
破多々:ばち。
破多々:「敵うことなど、なし!」
破多々:天から幾つもの神鳴る力が降り注ぐ!
御凪 涼:抵抗することなく、その雷撃に灼かれる。撃たれるがまま撃たれる。
御凪 涼:激しい痛みと熱が体を過ぎ、仮死、再生。
石神井寅彦:「いや、雨に降られるのとはわけが違うんだからっ…」
石神井寅彦:涼さんを視界の端に、避けようとするが間に合わない。
四緒ツツリ:「『四ツ重蘇芳貫銭』」
四緒ツツリ:呪文のような言葉とともに、打掛が空間に編み上げられる。
四緒ツツリ:それは雷に打ち据えられ、四散するが……石神井さんに向かう神威を確かに逸らせた。
石神井寅彦:「うおっ!」視界に艶やかな色が広がり、焦げ消える。
戌淵賢人:「が、あッ!」
四緒ツツリ:「か、はあ……っ!」自身は雷に焼かれ、膝をつく。
戌淵賢人:焼け焦げる、が倒れはしないそのまま直立する。
石神井寅彦:「ツツリちゃん、フォローありがと…、大丈夫?!」
四緒ツツリ:「……こいつに罪を認めさせるんだろう」
四緒ツツリ:「それは、UGNの仕事だ」
四緒ツツリ:「情報屋の前に犯人の自供を持ってきてくれよ」強がって笑う。
石神井寅彦:「…分かったよ、情報屋さん」強がりを見ないふりして、笑って応える。
石神井寅彦:「おれ達の仕事がどんなものか、見てもらわなくっちゃ」

GM:では次、行動値9の戌淵さんです。
GM:何かあればどうぞー
御凪 涼:あ、割り込みしたい!
GM:きたか
GM:どうぞ!
御凪 涼:《スピードフォース》。メインプロセスを行います。
石神井寅彦:割り込みの場合も交渉判定からかな?
GM:そうですね
GM:このタイミングで交渉判定!
御凪 涼:あ、そうだわさ!
GM:現在ボーナス+2!
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を4増加 (102 → 106)
御凪 涼:では交渉で判定から
御凪 涼:7DX+2+0@10
DoubleCross : (7DX10+2) → 9[3,4,5,6,7,8,9]+2 → 11

GM:おっなかなか。累計11となりました。
石神井寅彦:おおっ3分の1を確保!
御凪 涼:うむ、なかなか
四緒ツツリ:やる~
GM:また、次の人の判定はボーナス+3になります。
GM:ということで、通常通りメインプロセスをどうぞ。
御凪 涼:雫はするとしても次でいいかな。以上で。がんばれブッチさん
御凪 涼:はあい
御凪 涼:マイナーなし。
御凪 涼:メジャーでコンボ『逃げ水』《ポイズンフォッグ》《戦乙女の導き》《狂戦士》
御凪 涼:PC全員の次のメジャーアクションダイス+10、C値-1、攻撃力+5。
GM:こわい
GM:では演出どうぞ。
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を9増加 (106 → 115)

御凪 涼:破壊の喜び。それは鬼には珍しくもないものだ。
御凪 涼:舞だとか、そういう人間の道楽は、いつも鬼には届かない。その心を揺らせない。
御凪 涼:それでも、自分は舞うことを止められない。
御凪 涼:指先の動きひとつ、息の深さひとつを、言葉より雄弁に、鮮明に。届かないまま手を伸ばす、誰かのように。
御凪 涼:下手くそな言葉をそれでも探したときのように。
御凪 涼:透明な蝶の群れが、ぶわりと飛び立つ。
御凪 涼:その羽搏きで景色は歪み、音は途切れる。遮る雷鳴の音は消え去る。
石神井寅彦:蝶を追うように、紫檀が香る。
石神井寅彦:雨の匂い、雲の匂い、空の匂い。
石神井寅彦:そういうものを纏って。
石神井寅彦:届きたいと思うから、手を伸ばす。
御凪 涼:その香りごと送り届ける。
御凪 涼:雷火が苛んだ痛み、濁った視界を、だれからも、ほんの少し忘れさせるように。
石神井寅彦:「優しいねえ」にやけた笑みを浮かべながら呟く。
御凪 涼:あるいは誰かは、舞というものを、その遊びを、そんな一時の慰めと夢見たのかもしれない。
御凪 涼:「どっちが」扇を閉じる。音はなく、香りだけが残る。

GM:では次は戌淵さんの手番なんですが……すいません、割り込みがあります。
雷獣:雷獣2が《鼓舞の雷》破多々をイニシアチブに行動させます。
破多々:動きます。
破多々:マイナーなし。
破多々:《Eロイス:砕け散る絆》
石神井寅彦:何~!?
破多々:戌淵さんの《Dロイス:復讐者》を指定。威圧により復讐心を削ごうとしてきます。
御凪 涼:ウワーッ!!!
破多々:これにより、効果が解除されるまでこのDロイスの効果は使用不能となります。
破多々:解除の方法は、いずれかのロイスを昇華すること。
破多々:これは不利な効果を打ち消す扱いでも、他の効果と同時の使用で構いません。

破多々:音が遠い。
破多々:ぎろり、と先に刃向かった相手を睨みつける。
破多々:「……仇、か」
破多々:「愚か、愚か!」
戌淵賢人:「何だ、と」
破多々:途端に、雷が激しく明滅。
破多々:「思うに、俺の封印が最初に解けた時の、あれか!」
破多々:「あれしきの雷で息を引き取るような弱者、そこまで引きずってなんとする」
破多々:「そこで大人しく、引き裂かれておれ!」
破多々:光が、あなたの視界を奪う。
戌淵賢人:「う、あ」
石神井寅彦:「ちょ…ブッチさん!?」
御凪 涼:「何が…」
戌淵賢人:「俺に…構うな」
戌淵賢人:「クソが…その程度で俺を止められると思うなよ」
四緒ツツリ:「構うなって……」
戌淵賢人:視界を失いつつも口元は笑みに歪む
戌淵賢人:「猟犬の目を塞いでどうするってぇ話だ」
戌淵賢人:「猟犬の本領は、暗闇でも失われない嗅覚だ」
GM:続けて、戌淵さんの手番。
GM:まずは交渉判定からお願いします。
GM:ボーナス+3。
戌淵賢人:交渉判定→マイナー→メジャー ですね
GM:そうです!
戌淵賢人:警察手帳の効果を使用します
戌淵賢人:+1
GM:そうなんだよなあ
GM:使えます!
戌淵賢人:では+3とあわせて+4で判定します
GM:どうぞ!
戌淵賢人:3dx+4
DoubleCross : (3DX10+4) → 10[4,5,10]+4[4]+4 → 18

戌淵賢人:まわった
石神井寅彦:おお!?
GM:うわ
御凪 涼:うわ
四緒ツツリ:おー
GM:えーと、先ほど11で……29
四緒ツツリ:あっいちたりない!
戌淵賢人:1足りない
GM:あと1で達成ですね
御凪 涼:じゃあやるか
GM:くる……
御凪 涼:《夢の雫》。達成値+12します
GM:オーバーキル!
GM:累計41!
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を3増加 (115 → 118)
御凪 涼:これでこのラウンドはあと一回
GM:では、まず、メインプロセス前に。
GM:交渉判定が無事成功。これにより、雷獣たちはあなたたちに味方をしてくれます。
GM:具体的には、次のイニシアチブで雷獣たちがまとめてPC全員に支援を行います。
GM:戌淵さんの攻撃にはかからないので、申し訳ないですがよろしくお願いします。
戌淵賢人:了解です
戌淵賢人:演出は纏めてやるので そのまま続けます
戌淵賢人:マイナー
GM:どうぞ!
戌淵賢人:コンボ『呪符狗神血陣』 赫き猟銃&破壊の血 使用時に造血剤を使用します
戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を5増加 (96 → 101)
戌淵賢人:これで100%を超えたので 攻撃力は34
GM:高いなあ
戌淵賢人:造血剤の効果で攻撃時にHPが失われる事はありません
戌淵賢人:作成コストでHP2消費します
戌淵賢人:戌淵賢人のHPを2減少 (5 → 3)
戌淵賢人:メジャーでコンボ『101(ワン・オー・ワン)』オールレンジ+コンセントレイト
GM:判定をどうぞ
戌淵賢人:対象は破多々
破多々:来い
石神井寅彦:【支援】ダイス数+15 C値-1 攻撃力+5 だよ
戌淵賢人:更に固定ロイスの殺人犯のタイタスを昇華してダイスを+10し
GM:ぐっ
戌淵賢人:Eロイスも解除します
GM:了解です。Eロイスの解除も受理!
戌淵賢人:34dx6+5
DoubleCross : (34DX6+5) → 10[1,1,1,2,2,2,3,3,3,3,3,4,4,4,4,5,5,5,5,6,6,6,7,8,8,9,9,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,3,3,3,4,4,4,5,6,7,7,9,10,10,10]+10[1,2,3,5,5,6,6]+10[1,9]+5[5]+5 → 50

破多々:ドッジ
破多々:8dx>=50
DoubleCross : (8DX10>=50) → 8[1,1,1,1,4,4,7,8] → 8 → 失敗

破多々:ダメージを。
戌淵賢人:Dロイス:復讐者を使用します
GM:了解です
戌淵賢人:最大HPが42 現在値が3なので +39
戌淵賢人:6d10+34+39+5
DoubleCross : (6D10+34+39+5) → 18[2,5,1,5,4,1]+34+39+5 → 96

石神井寅彦:おーー!!
破多々:うぐ
御凪 涼:おおっ
四緒ツツリ:わー!
破多々:装甲有効かな
戌淵賢人:友好です
破多々:では66ダメージを受け、まだ立っています。
戌淵賢人:トモダチ
破多々:けど……痛い
御凪 涼:なかよし
戌淵賢人:固い
石神井寅彦:かた
GM:演出をどうぞ

戌淵賢人:大きく息を吸い込む
戌淵賢人:「取り巻きども!そいつはもう終わりだ!」
戌淵賢人:「もう逃げ場もねえ!後は狩られるだけの獲物だ!」
雷獣:びく、と震える。
戌淵賢人:「巻き添えを着たくなけりゃあ、どけ!」
御凪 涼:透明な蝶がその周囲を舞う。賢人さんの声と、そこに込められている様々な感情を伝播していく。
雷獣:キイ、と不安げに鳴いて後じさる。
來火:「……戦ってる人たちがいる。だから、邪魔をしちゃダメだ」
石神井寅彦:蝶が舞うたびに、鱗粉のように、雨の香りが強まっていく。
戌淵賢人:「罪を」
戌淵賢人:「罪を問うのは主犯だけだッ!」
雷獣:「キイ……!」
雷獣:思い切ったように、ぱっと散開。
破多々:「……貴様ら!?」
破多々:「弱者が、俺に逆らうか……!」
石神井寅彦:「すっげ。警察の威信ってやつ?」様子を見ながら呟く。
戌淵賢人:「フゥー…連中は、散ったな?」
ライラプス1号:「ワフ!」
戌淵賢人:警察手帳からページを一枚ちぎり取り。
戌淵賢人:ポケットから取り出したガラス玉を握りつぶす。
戌淵賢人:ガラス玉に込められていた血液がページに血文字を描く。
戌淵賢人:「これは…逮捕状だ」
戌淵賢人:「やるぞ、ライラプス。地を這い、泥を啜り、血反吐を吐いた」
戌淵賢人:閉じていた目が。
戌淵賢人:開く。
戌淵賢人:「ようやくだ!この時が来た!」
ライラプス1号:「ワフ!」
ライラプス2号:「ぷい!」
ライラプス3号:「ワオン!」
戌淵賢人:戌渕の足元から無数の犬たちが湧き出て。
戌淵賢人:一つになっていく。
猟犬ライラプス:「アオーン!」
戌淵賢人:(わかる、匂いが付いている)
戌淵賢人:(踊り屋の力だ)
戌淵賢人:「食いちぎれッ!ライラプスッ!」
戌淵賢人:妹の形見の犬笛を咥え、大きく息を吐く。
戌淵賢人:それを合図に獰猛な猟犬が荒ぶる神に襲い掛かった。
猟犬ライラプス:「ガアアアアアッ!」
破多々:音は、消された。光は、撥ね除けられた。
破多々:「ぐっ、がああっ!?」
破多々:「猟犬、だと。俺が、狩りの獲物だと!」
戌淵賢人:「昔っから、荒ぶる神とやらは犬に食われて敗れ去るんだよッ!」
破多々:「そのような筋書き……!」
破多々:「破り捨てるッ!」
戌淵賢人:「そういう逸話が日本各地にあるんだ!だから俺を弱者と侮ったテメエの運の無さは折り紙付きだッ!」
破多々:雷の障壁で、どうにか己を守ろうとする、が。
戌淵賢人:「一人じゃ無理だったが、こいつらが居りゃあ」
戌淵賢人:「負ける気もしねえなあ!」
破多々:鋭い攻撃の全てを打ち消すことはとても叶わない!
猟犬ライラプス:体の一部を食いちぎり、主の元へ戻る
猟犬ライラプス:「ワフ!」
石神井寅彦:「嬉しいことを言ってくれてるねえ。良かったね」傍らの二人に言う。

御凪 涼:「あっ。私たちのことか……ふふ」
GM:では、交渉判定成功により、ここでイベント発生。雷獣による支援が行われます。
雷獣:コンボ『小さな反逆』《鼓舞の雷》→《紫電の刃》《拡散する世界》
雷獣:全PCの次のメジャーアクションの攻撃に装甲無視を付与。

來火:「……さて」
來火:「逃げたはいいけど、さ」
來火:「逃げっぱなしは、ダメなんだよな」
來火:「そうだろ? おれ、よく知ってんの」
雷獣:「キ」
雷獣:「キイ……」
雷獣:その声に応えるように。
雷獣:ばちばちと雷光が走った。
雷獣:小さな雷獣たちが、じっとあなたたちを見て、そうして、か細く鳴き声を立てる。
雷獣:「キィ……」
雷獣:光が咲いた。
雷獣:空気を裂くようにジグザグと、暗い空を幾つもの輝きが飛んでいく。
雷獣:その軌跡は、花弁のように。
雷獣:雷花が、弾けた。
雷獣:稲光の軌跡はあなたたちに絡みつくが、害しはしない。
雷獣:長であった獣を守る、雷の壁を打ち砕く力が与えられたのだと、すぐにわかるだろう。
雷獣:ひとつひとつは小さな獣の形をした、ただの弱いレネゲイド。
雷獣:だが、弱い自分たちを助けてくれる誰かを、せめてもの力でさらに助けることはできる。きっと。
來火:「…………」
來火:咲いた光の花を、ただ懐かしそうに見上げている。
????:「……少しくらいなら別に、あっち行っててもいいんじゃん?」
來火:「いや。まだ、だってやること、が……」
來火:「え?」独り言を言って、目を瞬かせる。
御凪 涼:「光だ」目を細める。「たくさんの束ねられた光だね」
四緒ツツリ:「これは……」体を見まわす。
石神井寅彦:「何かしたくてたまんなくなっちゃうんだね、みんな」呆れたような、困ったような顔。
御凪 涼:「賢人さんが一人ではないと言ってくれたように、彼らもなのかな」
四緒ツツリ:「こんなに人とあやしが手を取り合うことも、珍しいのではないかな」
猟犬ライラプス:「ぷい」
御凪 涼:「そうだ、ってライラプスも言ってる」
戌淵賢人:「悪くない話だな、それも」
御凪 涼:「……と思ったんだけど、どう?」賢人さんに。
戌淵賢人:「悪くはないさ」
戌淵賢人:「そういう事にしておくのも、な」
御凪 涼:「いいって言ってくれてもいいのに」くすくすと。
石神井寅彦:「……來火くん」そちらを見る。「みんなを誘導してくれたのかな。ありがとう……」
來火:「や、皆さんの力すよ」
來火:「ほんとに。ありがとうございます。戦ってくれて」
石神井寅彦:「何言ってんの」
御凪 涼:「舞ってるだけだから、いつも通りだけどね、私」
石神井寅彦:「はは! こういう人もいるし」
石神井寅彦:「あなただって、そこで見てるだけじゃないんでしょ」
來火:「まあね。少しは……おれだって」
來火:「動かなきゃ、やってらんねえっすよね」頷いて、笑う。
石神井寅彦:「そうね。だって」
石神井寅彦:「そういう人だもんね、鈴掛喜一は」
來火:「よくご存知で」
石神井寅彦:へらりと笑った。

GM:では行動値5の破多々本来の手番。
GM:何もなければ動きます。
GM:ないかな
御凪 涼:ないはず
四緒ツツリ:ないぞい
石神井寅彦:ないです!
戌淵賢人:なし
破多々:では手番!
破多々:マイナー、コンボ『召雷』《雷の加護》ダイス増加
破多々:メジャー、コンボ『破雷』《雷神の槌》《プラズマカノン》《コンセントレイト:ブラックドッグ》
破多々:今回は雷獣がいないので……単体!
四緒ツツリ:来いよや~
破多々:対象は未行動の人がいいな……四緒さんで。
破多々:判定!
破多々:12dx7+2
DoubleCross : (12DX7+2) → 10[1,1,1,3,5,6,6,7,7,8,10,10]+10[4,6,7,7,7]+6[5,5,6]+2 → 28

石神井寅彦:ツツリっち!
破多々:大体これくらいだな……
破多々:リアクションをどうぞ
四緒ツツリ:ウム~ ドッジ……!
四緒ツツリ:6dx>=28
DoubleCross : (6DX10>=28) → 9[4,5,5,7,7,9] → 9 → 失敗

四緒ツツリ:無理無理! ダメージお願いします
戌淵賢人:ドッジ
GM:あ、単体です
四緒ツツリ:あっ単体ですよ!
戌淵賢人:ではなかった
GM:ちなみにそのまま受けてだいじょぶ?
四緒ツツリ:カバーは……どうしようかな
四緒ツツリ:大丈夫です!
四緒ツツリ:やっぱりNPCカード:"來火=ジェイトーカー"鈴掛喜一を使用します!
來火:了解。カバーしますよ!
四緒ツツリ:來火くんカバーしてくれーっ
來火:『○○○○、○○』四緒さんをカバーリング。
破多々:とりあえずダメージだけは出すね
破多々:3d10+29 装甲有効
DoubleCross : (3D10+29) → 12[3,6,3]+29 → 41

破多々:うむ
來火:まあ基本何が来ても戦闘不能になるんですけど……。
來火:ここでNPCカードの効果は全て終了となります。
御凪 涼:うわーん
四緒ツツリ:來火ーーっ
石神井寅彦:あー
GM:生きてるから大丈夫よ
GM:以上かな。では演出へ。

破多々:「……弱者が幾ら群れようとも」
破多々:「先に息の根を止めてしまえば……!」
破多々:破壊の力に満ちた稲妻が溢れる。
破多々:それは真っ直ぐに、四緒さんに向け迸っていく!
四緒ツツリ:「ち……!」布で防壁を作るのは、既に見せている。
四緒ツツリ:正面からでは、雷の速度には追い付けない。受ける姿勢を取る。
來火:では、その横合いから。
來火:身体ごと投げ出す。三年前の、あの日のように。
GM:バチ、と耳をつんざくような音。
來火:「っ……」
????:「あー……」
????:「マジで、こいつの二回目を受けるとはね。生きてるもんだな」
????:倒れ込みながら、『誰か』が呟く。
四緒ツツリ:「……あ」咄嗟に閉じていた目を開く。声が零れる。
鈴掛 喜一:「ども。……最悪で、最高の目覚めすね、これ」
鈴掛 喜一:「まあ、またすぐに寝ますけど……燃費悪いんで、俺」
四緒ツツリ:「鈴掛さん……」
鈴掛 喜一:それまでと変わらぬ口調に、変わらぬ声。だが、何かが違う。
鈴掛 喜一:「あ、バレてら」
戌淵賢人:「お、お前ッ!」
御凪 涼:「……喜一くんか」
四緒ツツリ:今までと同じで、どこか違う。その一つだけの眼差しをじっと見つめている。
鈴掛 喜一:「一応ぼんやり夢では見てたんですけど、今のバチバチでちょっと起きました」ヘラヘラ笑っている。
石神井寅彦:「…本来の、彼ね」
四緒ツツリ:「いやっ、雷……大丈夫なのか!?」
鈴掛 喜一:「大丈夫なはずないけど、まあ俺もオーヴァードなんで」
鈴掛 喜一:「ちょっと寝りゃ治ります」
戌淵賢人:「クソ、言いたい事はある!」
戌淵賢人:「だが、今は無理するな、死なれちゃ言いたい事を全部言えないからな」
鈴掛 喜一:「……了解。來火とおんなじ約束だ」
鈴掛 喜一:「守ります」
四緒ツツリ:「うん、ひとまずっ、ありがとう」
鈴掛 喜一:「……あとは、そう」へたり込みながら、義眼に軽く触れる。
鈴掛 喜一:「おはよう、來火」
鈴掛 喜一:一度、軽く目を閉じ。
來火:「…………」
來火:「おはよう、喜一」
來火:もう一度、目を開けた。
破多々:「……來火ッ……!」
破多々:苛立たしげに傍の壁を殴りつける。

GM:では四緒さんの手番です。
四緒ツツリ:「こっちもいろいろ聞きたいことはある! 秘密にしていたなんて、ずるいぞ!」
四緒ツツリ:「情報の独占は良くないって、言っただろうに……!」
四緒ツツリ:眼鏡の下を擦る。
四緒ツツリ:「聞くから、教えてもらう。民間人への協力を惜しまないでもらおうか!」
來火:「……そしたら、まずかっこよく勝ってくださいよ」
來火:「信じてるんで」
四緒ツツリ:ばさり、と打掛を広げる。それが解けていく。
四緒ツツリ:「……言わずもがな、だ!」
四緒ツツリ:マイナーはなし!
四緒ツツリ:オートでウェポンケースからヘヴィマシンガンを装備!
四緒ツツリ:メジャー。《コンセントレイト》+《カスタマイズ》/《砂の加護》+《砂塵霊》
GM:きませい
四緒ツツリ:諸々支援を入れて……
四緒ツツリ:31dx7-1
DoubleCross : (31DX7-1) → 10[1,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3,5,5,6,6,6,7,7,7,7,8,9,9,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,2,2,3,3,5,5,8,9,10,10,10,10,10]+10[1,2,2,4,7,9,10]+6[4,5,6]-1 → 35

御凪 涼:おお!
GM:ダイス数やべえな
GM:対象は破多々ですよね
四緒ツツリ:そうでした!
破多々:ではドッジ……
破多々:8dx
DoubleCross : (8DX10) → 8[3,3,3,4,4,8,8,8] → 8

破多々:とてもだめ。ダメージどうそ
四緒ツツリ:やった あたった!
御凪 涼:いっけー
四緒ツツリ:4d10+12+20+5 いけーっ
DoubleCross : (4D10+12+20+5) → 16[6,2,2,6]+12+20+5 → 53

四緒ツツリ:装甲無視らしい!
破多々:ぐえ
石神井寅彦:いいぞいいぞ
御凪 涼:やったぜ
破多々:あーー、ギリ! ギリ立っている
御凪 涼:ふおーん
四緒ツツリ:ちいっ 仕留め損ねたか
石神井寅彦:なんですって
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を4(→ 4)増加 (113 → 117)
四緒ツツリ:四緒ツツリの侵蝕を7(→ 7)増加 (117 → 124)
戌淵賢人:しぶとい
GM:演出をどうぞ

四緒ツツリ:解けていった打掛は、一つの形をとる。
四緒ツツリ:濡れた鉄色の銃筒がまとめられた兵器、どすんと音を立てて、地面に固定される。
四緒ツツリ:旧式の無痛銃。既に破多々に照準を合わせた形に、編まれている。
四緒ツツリ:「さあ……頼むぞ!」
四緒ツツリ:金属が擦れる音。火薬が炸裂する音。地面が揺れる。
破多々:「大筒……? しかし」
破多々:「これは……!」
四緒ツツリ:無数の銃弾は、しかしきっと対抗種の力を持つ拳銃の一発にも劣るのだろう。
四緒ツツリ:だが、ここには、その弱い力を何重にも撚り合わせ、強くする者たちがいる。
四緒ツツリ:鉄製の弾丸は空気中の雷花を掴み、巻き摂り、帯びる。
御凪 涼:透明な蝶が雷花の花弁から飛び立って、香りを連れていく。
雷獣:「キーッ」励ますような小さな声。
四緒ツツリ:それは、あたかも雷獣たちが力を合わせた反逆のように。
破多々:「……何だと」
四緒ツツリ:火薬と、紫檀、そして、雨の匂い。
四緒ツツリ:銃弾の雨が、逆に雷を穿ち抜いた。
破多々:「が、あ、あ、あ、あ!」
石神井寅彦:「やっる…!」
破多々:鉄と電気の雨が降る。
破多々:身体中を穿たれ、初めてよろめいた。
御凪 涼:「…まだ届かないか」
破多々:「人が……雷を思うがままに……!?」
破多々:「信じぬ、信じぬぞ!」
四緒ツツリ:「勘違いするなよ、人に撃たれたんじゃない」
四緒ツツリ:「人と、あやしと……! たくさんの想いが、つながったこの場所に!」
四緒ツツリ:「”雨宿町”に、お前は討たれる!!」

GM:では次、石神井さんの手番です。
石神井寅彦:「そうだぜ、破多々くん」ニヤニヤと軽薄な笑みを浮かべる。
石神井寅彦:「でもきっと、あなたにゃ、分からないんだろうな」
破多々:「わかるものかよ」
破多々:「何が町だ。雷は」
破多々:「墜ちる場所など選ばぬ!」
石神井寅彦:「だろうよ」
石神井寅彦:「そんな考え方だから、何だって壊すし、誰だって従わせる。目の前にいる相手なんて、どうだっていいんだもんね」
石神井寅彦:「へっへ。じゃあ、そんなあなたに教えてやりますか。想いってやつを」
石神井寅彦:というわけで手番!
石神井寅彦:マイナーで10m前進。破多々のエンゲージに入ります。
破多々:ぬっ
石神井寅彦:メジャー。コンボ『後ろ髪にめくばせ/うつつに純情』:《コンセントレイト:ウロボロス》《無形の影》《シャドースクラッチ》《猛り食らうもの》《止まらずの舌》。
石神井寅彦:破多々に対しRC攻撃と同時に、《止まらずの舌》を使用し、破多々の〈意志〉と対決。
石神井寅彦:勝利した場合は、こちらの質問に答えてもらいます。
GM:意志か……!
GM:判定をどうぞ
石神井寅彦:(4+3+15)dx6+4 とおりゃーーーッ
DoubleCross : (22DX6+4) → 10[1,1,1,2,2,2,2,3,4,5,5,6,6,8,8,9,9,9,9,9,10,10]+10[2,3,6,6,6,7,8,8,9,10,10]+10[1,1,1,2,3,4,4,5,9]+1[1]+4 → 35

GM:高いんだよー
破多々:では、意志で判定します。
石神井寅彦:C値値6としては普通…!
石神井寅彦:いや待って!
破多々:おっと
御凪 涼:あ、重ねといていい?
石神井寅彦:欲しい!
御凪 涼:《夢の雫》。達成値+12
石神井寅彦:47!
御凪 涼:御凪涼の侵蝕を3増加 (118 → 121)
GM:きた
御凪 涼:持ってきな!
石神井寅彦:サンキュー!
四緒ツツリ:きたーっ
破多々:では改めて意志で判定! 目標値47!
破多々:7dx+1>=47
DoubleCross : (7DX10+1>=47) → 8[1,2,4,6,7,7,8]+1 → 9 → 失敗

破多々:こいつほんと
破多々:攻撃を受けます
石神井寅彦:よっしゃっ
破多々:ダメージ諸々どうぞ
石神井寅彦:5d10+10+3D10+5 装甲有効
DoubleCross : (5D10+10+3D10+5) → 34[8,1,9,9,7]+10+12[3,5,4]+5 → 61

石神井寅彦:あっ装甲無視です!
破多々:ぎえ
石神井寅彦:装甲無視61ダメージ!
破多々:そのダメージは……一度倒れます。
破多々:《蘇生復活》
破多々:HP1で復活
石神井寅彦:石神井寅彦の侵蝕を14増加 (124 → 138)
GM:質問はどうしますか?
石神井寅彦:ここでは保留の上、演出でやっていいでしょうか
GM:了解です!

石神井寅彦:雨の匂いが強まるなか、破多々のもとまで歩いてゆく。
破多々:獣の巨体は、確かに傷ついている。
石神井寅彦:懐に滑り込むような自然さは、同化現象の始まりの証。自分が近付くことは何も不自然ではない。そう思わせる能力。
破多々:手負いであるのに、あなたをするりと受け入れる。
石神井寅彦:自分と破多々の影が繋がり、沸き立つ。目の前の獣自身の情動を源に、彼を刈るための影絵を生み出していく。
石神井寅彦:「…でも、これじゃ駄目なんだよな」
石神井寅彦:「分かる気もないやつにそのままぶつけたって、何も変わらない」
石神井寅彦:「だからさ」
石神井寅彦:影が、蜘蛛の巣が糸を張るように。四方八方に伸びる。
石神井寅彦:この場にいるものすべての影を、編み込む。
石神井寅彦:「注ぐよ」
石神井寅彦:同化、同化、同化、同化。
石神井寅彦:人もあやしも関係ない。荒神に関わったもの達の、感情を汲み上げていく。
破多々:「………………!」
石神井寅彦:「言葉にしたって伝わらないんだから」
石神井寅彦:食傷、脅威、恐怖、憤懣、恥辱、隔意、憎悪、厭気、敵愾心。
石神井寅彦:「あなたがやってきたこと、あなたが何を与えていたのか、全部」
石神井寅彦:そして、微かな勇気を。
石神井寅彦:……影絵が沸き上がった。それは巨大な狗の形に変化して、大きく飛び上がる。
破多々:脅威。
破多々:恐怖。
破多々:嫌悪。
破多々:不快感。
破多々:敵愾心。
破多々:心の中に初めて、そういった気持ちが湧き上がる。
石神井寅彦:「想いに」
石神井寅彦:「飲み込まれろ!」
破多々:叫びは、感情の渦に呑まれる。
破多々:嵐のようなそこには、雷は鳴らない。
石神井寅彦:影絵が大きく口を開いて、荒神の身体を削り取った。
石神井寅彦:「……破多々くん」
破多々:ぜいぜいと、荒い息を吐く。
破多々:それでも尚、まだ滅びてはいない。
石神井寅彦:影を繋げたまま、影絵の獣越しに問う。
石神井寅彦:「おれはあなたを殺すつもりでいるぜ」
石神井寅彦:『怖い?』
破多々:「……は」
破多々:「何の……ちっぽけな人風情が……」
破多々:「何故、何故このように」
破多々:「『恐ろしい』……?」
破多々:十三人とひとり、殺した。
破多々:傷つけた者は数知れぬ。
破多々:それというのに、目の前の人間が、ただただ恐ろしい。
石神井寅彦:「なんでだろうねえ」軽薄な笑みを浮かべて言う。
石神井寅彦:「全部、あなたが人に与えたものの、鏡映しだよ」
石神井寅彦:「それが想いの強さってことじゃない?」
石神井寅彦:「ようやく知れて、良かったね」
破多々:咆哮。
破多々:猜疑心。不信感。……疎外感。
破多々:感情の渦の中で、核にあった心が剥かれる。
破多々:そうして、また目をぎらりと光らせた。


■クリンナップ■

GM:ほぼないような気がします。
四緒ツツリ:無です
御凪 涼:ないはず
石神井寅彦:ないでございます
戌淵賢人:ナイヨー
GM:おけ!


GM:2ラウンド目

■セットアップ■

破多々:《装甲強化》ラウンド間装甲値を+30
戌淵賢人:ナイヨー
四緒ツツリ:無わよ!
石神井寅彦:ないでございます!
御凪 涼:んー いいか 無しで


■イニシアチブ■

GM:では今回は割り込みがもうありません。
GM:戌淵さんの手番です。
戌淵賢人:コンボ『101(ワン・オー・ワン)』 コンセントレイト&オールレンジ
戌淵賢人:対象は破多々
破多々:判定どうぞ
戌淵賢人:9dx7+5
DoubleCross : (9DX7+5) → 10[1,2,3,5,6,6,7,9,10]+10[1,7,8]+10[3,10]+3[3]+5 → 38

戌淵賢人:そこそこ良い出目
石神井寅彦:エ~~
石神井寅彦:さっきの私より高いじゃない!
破多々:ドッジ!
破多々:8dx
DoubleCross : (8DX10) → 10[3,3,5,7,7,9,9,10]+8[8] → 18

破多々:やっと回ったが……
破多々:ダメージをどうぞ
石神井寅彦:ブッチさん装甲無視つくよ~
戌淵賢人:ついてる
戌淵賢人:ヤッタネ
戌淵賢人:4d10+34
DoubleCross : (4D10+34) → 13[3,4,5,1]+34 → 47

戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を4増加 (105 → 109)
破多々:HP1。装甲は無視されました
破多々:戦闘不能。復活はありません。
GM:ただし、勝利条件はまだなので、戦闘自体は続行しますね。

戌淵賢人:破多々と石神井の会話を聞き、笑う。
戌淵賢人:「ハッ!ハハハハハッ!」
戌淵賢人:「そうか!ビビったのか!お前ッ!」
破多々:「…………っ」
破多々:「黙れッ、人如きが、弱者が」
戌淵賢人:「それは正しいぞ!狩られる側の感情だ!」
破多々:「俺は違う!」
戌淵賢人:「弱者の感情だ!」
破多々:「俺は違う、俺は」
戌淵賢人:「追い詰められたんだよ、お前は」
破多々:「俺は奴らとは違う、俺は」
破多々:「俺は、俺は、俺は」
破多々:「ただ独り、ひとりきり」
破多々:「絶対の荒ぶる神だ……!
破多々:疎外感。
戌淵賢人:「そうかい、なら神の座から堕ちて地面を這いずれば」
戌淵賢人:「その孤独も無くなるかもしれん」
戌淵賢人:「だが、その前に、孤独をたっぷりと味合わせてやる!」
破多々:喉を掻き毟るような、嗄れた咆哮。
戌淵賢人:「ライラプス!俺の血はいくら使ってもいい!」
破多々:狩られるものかと目を爛々とさせる。
戌淵賢人:「仕留めるぞッ!」
猟犬ライラプス:「ガウアアッ!!」
戌淵賢人:猟犬が無数に別れ群れとなって破多々に襲い掛かる。
破多々:腕を振る。雷を放つ。足りない。
破多々:ただひとりの神は、群れに敵うことはない。
破多々:飲み込まれる。
猟犬ライラプス:何匹も弾かれ倒されても質量で神を抑え込んでいく。
戌淵賢人:「今だッ!やれッ!」
破多々:「お、のれ……」
戌淵賢人:ポケットから取り出したスマホを。
戌淵賢人:空中に投げた。
石神井寅彦:スマートフォンが放物線を描く。誘うように、蝶が舞うのを見た。
破多々:肉体が剥がれ落ちる。
石神井寅彦:「…ありがとっ!」
破多々:徐々に、獣の姿がただのエネルギーの塊へと変わっていく。
石神井寅彦:スマートフォンをキャッチする。倒れた獣を見る。
破多々:……力ある機械であれば、封じることができる。そういった姿に。
破多々:ばちばちと、雷光が走る。

GM:では、勝利条件は『破多々を戦闘不能にした後、同エンゲージに移動、封印を宣言する』こと。
GM:この後そちらのアクションを行っていただければ戦闘終了となります。
GM:未行動なのは涼さん、四緒さん、石神井さん。
GM:どなたが封印を行いますか?
石神井寅彦:では既に同エンゲージに移動済みな自分が!
御凪 涼:まかせたよ
四緒ツツリ:ゆずりのつつり
戌淵賢人:やっちゃえ
GM:了解。では石神井さんは封印の演出をどうぞ。

石神井寅彦:「死んではないね」
石神井寅彦:倒れた獣を見ながら言う。
破多々:獣の形をした雷は、まだ確かに存在をしている。
石神井寅彦:「…一応言っておこうかな。あなたにはこれからまた、眠り続けてもらうんだけど」
石神井寅彦:「この町での扱いはさておいてさ、余所から来たばっかりのおれからしちゃ、あんたなんて、ただのジャームだよ」
石神井寅彦:「神なんて言わせるもんか。……だからさ」ジャーム化の治療は常にUGNで研究されている。
石神井寅彦:「眠り続けてたら、いつか、あんたもちゃんと、想いを汲めるようになる日がくるかもね」
石神井寅彦:「…以上。期待するかどうかはあなたの自由」
破多々:「…………」
破多々:「終わらせるが良い。俺はまた目覚める」
破多々:「その時貴様らが生きているかどうかは知らんが」
破多々:「再びまみえれば……」
破多々:「…………」
石神井寅彦:「なによ」
石神井寅彦:「遊んでくれんの?」
破多々:「……ああ、そうか」
破多々:「そうだな。俺は、命を賭けた遊びをした。はは」
破多々:「楽しかったぞ」
破多々:「どうだ」
破多々:「さぞかし癪に障るだろうよ……!」
石神井寅彦:「本当だよ! 人の気持ちを察せるようになったってか? 心底ムカつくなあ!」
石神井寅彦:笑いながら、『電封端末』を掲げる。
破多々:抵抗するように声を上げるが、もはや力はない。
破多々:ばちばちと、渦を巻くように、吸い込まれていく。
破多々:恐怖も、不信感も、疎外感も、憤懣も。
破多々:……ほんの少し。
破多々:自分を仕留めるほどの強者への、感服と親近感も。
破多々:全て、吸い込まれて、眠りに就く。
石神井寅彦:「勝手に満足しやがって」
石神井寅彦:呆れたような顔で、封印を遂げたスマホを見る。特に見た目は変わっていないが、何か重みが増した気がする。
石神井寅彦:「……ブッチさん! やったけど!」
石神井寅彦:スマホを見せる。「どう? スッキリした?!」
戌淵賢人:「するわけねぇだろ」
石神井寅彦:「そりゃそうね!」
戌淵賢人:「だがまあ、ようやく少し休めるよ」
戌淵賢人:「…ありがとよ」
石神井寅彦:「ははっ」笑う。
石神井寅彦:「涼さん、ツツリちゃん、聞いた? ブッチさんがお礼言ってくれたよ!」
四緒ツツリ:「聞こえなかった!」打掛を羽織りながら、小走りで歩み寄ってくる。
石神井寅彦:「あはは! じゃあもう一回言ってもらわなきゃ」
御凪 涼:蝶がばらばらと溶けていく。生死のどちらにも触れられない幻が。「……ああ」
四緒ツツリ:「私にも言ってくれていいと思いますね!」
御凪 涼:「私ももう一度聞きたいな」
戌淵賢人:「チッ…こいつら」
石神井寅彦:「そうだよねー。そうだよねー」
ライラプス1号:「ワフ!」四緒さんに
ライラプス1号:「ワフ!」
ライラプス2号:「ぷい!」御凪さんに
ライラプス3号:「ワオン!」石神井さんに
ライラプス3号:飛びかかります
四緒ツツリ:「……ライラプス1号。お礼を言ってくれてるのかい?」
御凪 涼:「あ、ライラプスに甘えてる。あなたから言ってほしかったのに」
御凪 涼:言いつつ、もふもふの背を撫でる。
四緒ツツリ:「忠犬だなあ! 戌淵さんは言ってくれないのにね」しゃがみ込み、頭を撫でる。
戌淵賢人:「フン…」
ライラプス1号:「ワフ!」
石神井寅彦:「うおっ。あはは!」抱きかかえてわしゃわしゃしている。
ライラプス3号:「ワオン」
御凪 涼:どこか哀愁の漂う困り顔みたいな顔を、じっと見ている。
ライラプス2号:「ぷい~」
石神井寅彦:「まあ、許してあげない? この子たちがブッチさんの気持ちを反映してるのは、おれ達わかってるもんね」
石神井寅彦:3号と顔を見合わせて「ねー」ってしています。
四緒ツツリ:「ふふ、公然の秘密だ」
石神井寅彦:「あ、良いね。好きな言い方」ツツリちゃんにも笑う。
石神井寅彦:「よっしゃ。それじゃ、後処理に移りましょうか」
御凪 涼:「來火くんも、無理ばっかりして…」
來火:「んえ」へたり込んでいたが、起き上がる。
來火:「まあ、大丈夫すよ。治ってきたし……」
四緒ツツリ:「あっ、起きてたのか!」立ち上がる。
御凪 涼:「勝手に満足した顔して倒れるんだから、狡いな」笑う。
來火:「『おれは』起きてます。喜一はまた寝ちゃった」
四緒ツツリ:「大丈夫なもんか! 一人で雷を受けて……」
來火:「涼さんに狡いとか言われたくないよな……」
御凪 涼:「む、なぜ…」不満げ。
來火:「ああ、あれ」
來火:上着の前を開ける。
來火:中に、雷獣が数匹詰まって、すやすやと寝ている。
來火:「こいつらがちょっと吸ってくれたんで、そこまでではなかったです」
來火:「……喜一が起きんのはちょっとびびったけど」
御凪 涼:「喜一くんは、また起きるのかな。近いうちに」
來火:「だと、いいなあ」
來火:「まあ、大体おれなんで、よくわかんないかもですが」
來火:「よろしくしてやってください」
御凪 涼:「みんなわかってたろ、さっき」ね、と皆に。
石神井寅彦:「ツツリちゃん一瞬で見抜いてたね」さらに目線を横に。
四緒ツツリ:「当たり前だろ。來火とは何度も情報交換したんだ」
來火:「そういうもんなんだ……」
四緒ツツリ:「『お得意様』を、見間違えるものか」ふふん、と得意げな表情。
戌淵賢人:「なるほど、職業柄ってわけか」
來火:「……うれしいな!」ぱっと、普段見せない笑顔になる。
石神井寅彦:「ははは、デレデレしたところで、また働いてもらうよ~?」
石神井寅彦:「八千代さんもお待ちしてるしさ! とりあえず支部に連絡と…」來火くんと一緒に、事態の収拾に動き始めます。
御凪 涼:その片手、納められた携帯電話を見る。
御凪 涼:不可視の蝶が、そこへ舞って触れる前に、消える。
御凪 涼:「勝手に満足した顔して、気持ちを伝えて、倒れるんだから」
御凪 涼:「やっぱり、狡いよ」
御凪 涼:言葉も蝶と一緒に消える。それで、おしまい。


バックトラック


GM:ではバクトラ!
GM:まずはEロイス!
GM:今回は実は
GM:《Eロイス:歪んだ囁き》《Eロイス:不滅の妄執》《Eロイス:砕け散る絆》《Eロイス:さらなる絶望》《Eロイス:さらなる絶望》《Eロイス:破壊心顕現》
GM:慰石の欠片:1個
御凪 涼:め めちゃあるやんけ
GM:使ってないやつをやたら積んでた
石神井寅彦:良かった……………………………………………
GM:計7個分!
御凪 涼:迫真
GM:諸々が遅かったら使われていたかも知れないものです
GM:振る人はどうぞ!
石神井寅彦:振ります 振らせてください
四緒ツツリ:あぶなーい
御凪 涼:121-7d10
DoubleCross : (121-7D10) → 121-49[6,5,4,8,9,10,7] → 72

石神井寅彦:138-7d10
DoubleCross : (138-7D10) → 138-46[6,8,9,6,5,10,2] → 92

戌淵賢人:破壊神とかあったのか
GM:実はあった
戌淵賢人:まあ使わずに一倍で振ります
四緒ツツリ:振らなくても大丈夫そうだけど振っちゃう~
石神井寅彦:一倍で振ります 残りロイス6個
御凪 涼:或るものを使いたい衝動
石神井寅彦:92-6d10
DoubleCross : (92-6D10) → 92-42[9,10,8,8,2,5] → 50

御凪 涼:一倍で
四緒ツツリ:124-7d10
DoubleCross : (124-7D10) → 124-40[5,4,6,6,9,1,9] → 84

四緒ツツリ:残ロイス5 等倍
御凪 涼:72-5d10
DoubleCross : (72-5D10) → 72-30[6,6,7,1,10] → 42

戌淵賢人:戌淵賢人の侵蝕を5d10(→ 39)減少 (109 → 70)
四緒ツツリ:84-5d10
DoubleCross : (84-5D10) → 84-17[1,3,8,2,3] → 67

GM:あっちょうど
GM:だいぶ下がったな
四緒ツツリ:4点で帰還でごわす
GM:帰還おめでとうございます!
四緒ツツリ:5D10で17????
GM:ほんとや
石神井寅彦:3点帰還です
御凪 涼:三点
GM:お疲れ様です! よかった!
戌淵賢人:ウワー 出目が良すぎて4点
GM:戌淵さんは低かったんだなあ
戌淵賢人:あと1点だったなー
GM:ということで、全員帰還!
GM:経験点配布をさっくりやります
GM:いつもの5点、シナリオ5点
GM:Eロイスが6点、Dロイスが來火の《Dロイス:奇妙な隣人》
GM:で1点
GM:計17点と侵蝕分ですかね
四緒ツツリ:21点です!
石神井寅彦:20点なり!
戌淵賢人:21点です
御凪 涼:20
御凪 涼:かな
GM:えーとではこちらは
GM:28点かな?
GM:あっあとですね
GM:スペシャルなやつがあります
御凪 涼: おっ!?
石神井寅彦:なになにっ
GM:戌淵さん!
四緒ツツリ:おっとなんだろ
御凪 涼:おお
石神井寅彦:戌淵さんに?!
御凪 涼:ペットシーツか?
GM:Dロイス:復讐者は復讐を遂げたところで消去してもよい、となってます
GM:お好みでこの辺変更しても可です
御凪 涼:おお
GM:今後の話ね
四緒ツツリ:おお
戌淵賢人:了解です 考えておこう
GM:もし再稼働の時があったらー
GM:もちろん、封印だと変えたくないなーとかもアリではあるので
GM:ということでみなさんどうぞ!
GM:私もいただきます!
四緒ツツリ:いただきます! ムシャムシャ
石神井寅彦:GMもどうぞどうぞ!いただきまーす
御凪 涼:ありがとうございます!
ライラプス1号:モグモグ
御凪 涼: みんなでたべるのよ
ライラプス2号:「ぷにゃぷにゃ」
ライラプス3号:「ガフガフ」
御凪 涼:かわいい
石神井寅彦:かわい…………
GM:かわいい…………
四緒ツツリ:かわ……


マスターシーン6 欠片の物語


GM:ぱちぱちと、空から一匹の雷獣が落ちていく。
GM:空の上では、ひとりきりだった。
GM:地上では、どうだろう?
GM:一際大きな雷獣は、それだけに力も強い。
GM:もしかしたら、神様にだってなれるかもしれない!
GM:ああ、楽しみだなあ。どんな奴らがいるんだろう。
GM:一緒に遊べるかな? どんな遊びがいいかな?
GM:さあ。
GM:もうじき、落ちていく。
GM:雨の匂い。雲の匂い。
GM:雷の匂いを、身に纏って。
GM:彼の名は、"破多々"。
GM:もう、遠い遠い、擦り切れた昔の物語、その残滓だ。


マスターシーン7 後の始末


【雨宿町町役場・地域親交課】あるいは【UGN雨宿支部・司令室】

八千代 路夜:「……お疲れ様。まだまだ、これからですけどね」
八千代 路夜:いつも通り、落ち着いた雰囲気で年上の部下を迎える。
時田 久則:「むしろこっちは事前事後が本番なんだよ、ったく……」
時田 久則:こちらも、いつも通りに不機嫌そうにガリガリと頭を掻いている。
時田 久則:「厄介ばっかり持ってきやがってよ、鈴掛の奴」
八千代 路夜:「そう言わないであげて」書類をめくる。
八千代 路夜:「……襲撃および傷害事件の被害者は意識を取り戻し、重傷も回復傾向。何より」
八千代 路夜:「記憶処理はこれからね。雷獣関係がちょっと面倒ですけど……」
時田 久則:「まあ、異常気象と放電現象、見た目は帰化動物の繁殖、その辺で」
時田 久則:「伝承の雷獣ってな、元々ハクビシンのことだって話もあるんだぜ。外来種の」
八千代 路夜:「そうなんです? さすが博識ね」
八千代 路夜:「戦闘時の落雷や閃光は……」
時田 久則:「まあ、落雷はしょうがねえよ。廃屋の中にまだ電気が通ってて、連鎖で爆発でも起こした、と」
八千代 路夜:「市街の破壊はそれほどでもないのは幸い。警察関係はこちらで上手く話をつけておきます」
時田 久則:「頼むわ。俺ぁあっちとは折り合いが悪いからよ」
八千代 路夜:「宝物は早川さんが確認した後、問題なければまた神社へ」
八千代 路夜:「凜花さんのメンタルケアは最優先。本当によくやってくれたと思う」
八千代 路夜:「強い子だから、記憶処理が必要でも、緩和程度で済むはず」
八千代 路夜:「こちらが責任を持って、ちゃんと日常に帰してあげなきゃね」
八千代 路夜:「封印の管理は……しばらくは支部で見ていくつもり」
八千代 路夜:「あとは……」
時田 久則:「鈴掛か。具合はどんなだ」
八千代 路夜:「來火くんは……つまり、『ここ三年の鈴掛くん』は無事に元気」
八千代 路夜:「『元々の鈴掛くん』は來火くんの感覚でしか探ることはできないし。でも生きてはいる」
時田 久則:「……今後は?」
八千代 路夜:「本人は、調査部への復帰を希望してる。申し訳なさそうですけどね」
時田 久則:「……意外だな。慣例通り、お山に送るかと思ってたが」
八千代 路夜:「鈴掛くんの身体の問題があるし、それにRBでも前例がないわけでもないもの。時田さんは反対?」
時田 久則:「あっちなら、妙な嘘をつかねえでも、雷獣のままで生きていける」
時田 久則:「それがあいつも楽なんじゃねえかと思ってたがね。パワハラ上司もいねえしな」
時田 久則:「……どうせこっちはどいつもこいつも、入れ替わってんのに気付いてやれねえでいた節穴だ」
八千代 路夜:「じゃあ、棄却します?」
時田 久則:「ハッ」
時田 久則:「うちの社是は『いつも元気にピカピカ労働』だぜ」
時田 久則:「RBお断りなんてのは決めてねえよ。働いてくれればよ」
時田 久則:「……ああ」
時田 久則:「ただ、有給は、たまに無理にでも取らせてやろうかね」
八千代 路夜:「ふふ」穏やかに、少しだけ悔やむように笑う。
時田 久則:「……どっちにせよ、いつも通り、汚え誤魔化しはこっちがやるさ。あんたは表向きを整えてやってくれ」
八千代 路夜:「聞こえが悪いなあ。ありがとうございます」苦笑。
八千代 路夜:「三年」
八千代 路夜:「三年、鈴掛くんの代わりにここに居て」
八千代 路夜:「少しは、居心地が良かった、って思ってもらえたのかな」
八千代 路夜:「いつか鈴掛くんがちゃんと戻ってきた時も、そうやって迎えてあげられるといい」
八千代 路夜:ぱらぱらと書類を再度確認する。横にはさらに山積みの課題があれこれ。
八千代 路夜:「ここは雨宿りの町。私は止まり木」
八千代 路夜:「短い間でも、そんな風にできたら……」
時田 久則:「あんたが思ってるよりは……三年ってのは長いさ」
時田 久則:「ここにゃあ、雨も多い。雨宿りの機会だって、何度もあるだろ」
時田 久則:「ああ」窓の外を見る。
時田 久則:「でもまあ、雷は、止んだな」
GM:窓の外は薄曇りで、それでも雲間から光が差し込んでいる。
GM:それは激しい稲光ではなく、柔らかな秋の陽光だった。


エンディング1 四緒ツツリ


GM:事件が片付き、雷獣たちを見かけることも減った。
GM:あなたは再び支部へと呼び出され、八千代支部長と対面する。

【雨宿町町役場・地域親交課】あるいは【UGN雨宿支部・司令室】

GM:支部長の机には相変わらず書類が積まれている。
八千代 路夜:「こんにちは、四緒さん。今回はありがとうございました」
八千代 路夜:「今回も、かな」
四緒ツツリ:「お役に立てたようで、何よりです」
四緒ツツリ:「今後とも、ですよ」
八千代 路夜:「そうしてもらえると嬉しいな」
八千代 路夜:「いつものことだけど、まあ、また今回も大きな事件に繋がっちゃって」
八千代 路夜:「四緒さんを確保できて本当に良かったと思う」
四緒ツツリ:「面白そうな糸があれば、何処にでもですよ……」
八千代 路夜:「糸ね、たくさん垂れてるから。またきっとお呼びすると思うな」くすりと笑う。
四緒ツツリ:「楽しみです」こちらも笑う。
八千代 路夜:「雷獣の件ね。結局、暴れていたのは破多々の影響が大きいから」
八千代 路夜:「何もなければ、そうそう人前には出てこないのよね」
八千代 路夜:「だから、今は大人しくしているみたい」
八千代 路夜:「あとは、山の方に行った子も多いのかな」
四緒ツツリ:「お山に? やはり、大きいものの下にいるのは安心するのかな」
八千代 路夜:「そういうことかな。UGNだってそうだものね」
八千代 路夜:「ひとりひとりが強い弱い、とかは別に。まとまっているからできることはある」
八千代 路夜:「……そう。ネットワークだからね。糸を編んで網にするわけ」
四緒ツツリ:「まさしく」頷いている。
四緒ツツリ:「つながりというのは、守るためには欠かせないものです」
四緒ツツリ:「……恥ずかしながら、私も今回の件で自覚するに至りましたよ」
八千代 路夜:「本当にそう」
八千代 路夜:「あなたも、大事な一本の糸よ」
八千代 路夜:「あまり窮屈に感じることはないけど。とっても綺麗で鮮やかな糸」
八千代 路夜:「皆を繋げてくれて、ありがとうね」
四緒ツツリ:「……」帽子をかぶりなおす。
四緒ツツリ:「既に編まれているのなら、綺麗に整えるのが、情報屋の仕事というものです」
四緒ツツリ:「為すべきことを、為したまでですよ……ふふん!」
八千代 路夜:にこにこと微笑んでいる。
四緒ツツリ:少し頬を染め、自慢げに胸を張っている。
八千代 路夜:「そう、それじゃあ、情報屋としても得るものがあったわけだ」
八千代 路夜:「それは良かった」
四緒ツツリ:「ええ……八千代さん」
八千代 路夜:「……私は、あえて引きこもってるって話はしたよね」
八千代 路夜:「私が揺らいではいけないから、って」
四緒ツツリ:「はい」
八千代 路夜:「その分、あなたたちがたくさん動いて、周囲を動かして」
八千代 路夜:「そうして、糸を紡いで、綺麗な網や布を編んでくれる」
八千代 路夜:「それが見られた時、私はとても嬉しい。今も」
八千代 路夜:「きっとこれは、私の特等席ね」
四緒ツツリ:「……それは、素敵ですね」
四緒ツツリ:「確かに八千代さんしか見られない光景だ。羨ましいです」
四緒ツツリ:「……」逡巡する。
四緒ツツリ:「けど、八千代さん。やはり私は……」
四緒ツツリ:「あなたも糸だと、思うのですよ。しなやかで、しっかりと張られた糸」
八千代 路夜:目を少し瞬かせる。
四緒ツツリ:「あなたは織り機などではない。美しい布が編まれたら、それきり別れてしまうような関係じゃない」
四緒ツツリ:「繋がっているんです……繋がっていてくれたら、私は嬉しい」
八千代 路夜:「……そう。そうね」
八千代 路夜:頷く。
八千代 路夜:「私も糸でないと。一緒に、編んでいかないと」
八千代 路夜:「それを忘れては……皆から離れてしまう」
八千代 路夜:「大事なことだ。ちゃんと教えてくれて、助かっちゃった」
八千代 路夜:ふわりと笑みを浮かべる。
四緒ツツリ:「ふふん、言ったでしょう?」
四緒ツツリ:「綺麗に編まれたものを、さらに美しく整えるのが、情報屋の……呉服屋の仕事なのです」
四緒ツツリ:「教えついでに、もう一つ。これは大サービスです」指を立てる。
八千代 路夜:「なあに?」
四緒ツツリ:「來火さんと、一緒に宴席でも設けるといいでしょう」
四緒ツツリ:「喧嘩して、一緒に戦って……わかりました」
四緒ツツリ:「彼も……見られたかったわけじゃないけれど」
四緒ツツリ:「秘密にし続けたかったわけではないんです」
八千代 路夜:少し睫毛を伏せる。
四緒ツツリ:「だから、一緒に楽しく食べて、会話をして……そう言う機会を」
八千代 路夜:「そうね。こちらも話はしたけど、そう」
四緒ツツリ:「しっかり、溶かしてやれる場を設けた方が、きっと良いです」
八千代 路夜:「あの子、確かに狡そうに見えるし、ずっと黙ってはいたけど」
八千代 路夜:「でも、本当はそれだけじゃないってことはわかってます」
八千代 路夜:「だから、確かに。楽しくパーティーしてわだかまりをなくしてあげたいな」
八千代 路夜:「その提案、受理します」冗談を言うように。
八千代 路夜:「四緒さんもどう?」
四緒ツツリ:「光栄です。是非その際は、ご相伴に預かりましょう」
四緒ツツリ:「八千代さんも、ですよ」
八千代 路夜:「当然!」
八千代 路夜:「私も糸なんでしょう? 離れそうだったすぐ傍の糸が、戻ってきたんだから」
八千代 路夜:「お祝いしないでどうするの」
四緒ツツリ:「それならよかった。ひきこもると言われたら、どうしようかと」
四緒ツツリ:「みんな、照れ屋さんなんですから」口角を上げる。
八千代 路夜:「ふふふ、一本取られちゃった?」
四緒ツツリ:「いえいえ……それでは、しっかり緩めてくださいね」
四緒ツツリ:「私はもう少し。雷の話を聞いてきますよ」
四緒ツツリ:首周りをくるりと撫でる。鼠色のマフラーが巻かれている。
四緒ツツリ:「急に、寒さも出てきました。八千代さんもお体に気を付けて」
八千代 路夜:「お互いに、ね」
八千代 路夜:「雷雨の季節は、終わったみたいだから」
四緒ツツリ:「ええ」微笑んで、支部を後にする。
四緒ツツリ:外に出る。晴れた空は空気が澄んで、高い。
四緒ツツリ:爽快な気持ちと、裏返しの寂しさを肌に感じつつ、また歩き出す。
四緒ツツリ:人のつながりは、季節が巡っても変わらない。
四緒ツツリ:四緒ツツリの在り方も、また。


エンディング2 戌淵賢人


【雨宿町・旧市街・墓地】

GM:雷雨続きの空は、うって変わって綺麗に晴れている。
GM:旧市街の古い寺にある墓地。
GM:あなたの妹は、代々の先祖と共に、今はここに眠っている。
GM:定期的に手入れをされており、周囲はかなり綺麗に片付いている。
GM:今も、小さな花束がひとつ。
ライラプス1号:「ワフ!ワフ!」
ライラプス1号:墓場に続く石段を子犬が駆け上がってくる。
ライラプス1号:石段を登り終えると後ろを振り向き尻尾を振りながら吠えている。
戌淵賢人:「慌てるな、急いでも逃げやしない」
戌淵賢人:大きなクーラーボックスを肩からさげて男が階段を昇ってくる。
戌淵賢人:男の足元には子犬がまとわりつく様にはしゃいでいる。
ライラプス2号:「ぷいぷい」
ライラプス3号:「ワオン」
戌淵賢人:子犬たちも背中に風呂敷に包まれた荷物を背負っている。
戌淵賢人:戌淵家と書かれた墓石の前でそれぞれの荷物をほどく。
戌淵賢人:桶、ひしゃく、ゴミ袋、タオル。
戌淵賢人:「水を汲んできてくれ」
ライラプス3号:「ワオン」
ライラプス2号:「ぷい~」
戌淵賢人:バケツを咥えて子犬たちが水道のある場所へと走っていく。
戌淵賢人:「さて、大して汚れてるわけじゃないが」
戌淵賢人:「ここ最近は雨ばかりだったからな」
戌淵賢人:「本格的な日差しが来る前に磨いておくか」
ライラプス1号:「ワフワフ」子犬が雑草を引き抜いている。
戌淵賢人:犬が汲んできた水でタオルを濡らし綺麗に墓石を拭き上げていく。
戌淵賢人:「毎月、来ているが」
戌淵賢人:「何故か、随分久しぶりな気がするよ」
戌淵賢人:抜いた雑草や拾ったゴミをゴミ袋に入れ掃除道具を片づける。
戌淵賢人:一枚の和柄の布を供え物の台の上に広げる。
戌淵賢人:「こういう柄は、たしか持ってたよな」
戌淵賢人:「知り合いの呉服屋に選んで貰ったから、間違いはないと思う。気に入ればいいんだが」
戌淵賢人:線香に火をともし吹き消す。
戌淵賢人:「変わった香りの線香だ、これは踊りをやってるやつに選んで貰った」
戌淵賢人:「花束は、占い師がこれが良いといって持って来た。」
戌淵賢人:「…変な知り合いが増えたと思うか?」
戌淵賢人:「俺もそう思うよ」
戌淵賢人:「呉服屋に舞踊家に占い師だ。何の繋がりだって思うよな」
戌淵賢人:「でも、まあ。気の良い連中なんだ」
戌淵賢人:「多少…いや、かなり押しつけがましいがね。フフ」
戌淵賢人:荷物の中から綺麗なグラスを一つ取り出す。
戌淵賢人:太陽の光を浴びてきらきらと輝く。
戌淵賢人:クーラーボックスからとりだしたボトルから緑色の液体を注ぎ。
戌淵賢人:ディッシャーををつかって丸くバニラアイスを盛りつける。
戌淵賢人:「中々上手く盛りつけられなくてな、練習したんだ」
戌淵賢人:きらきらしたトッピングのチョコとウエハース。
戌淵賢人:そしてストロー。
戌淵賢人:「喫茶店のレベルには及ばないが、悪くないだろ?」
戌淵賢人:「ようやくな、一区切りがついたんだ」
戌淵賢人:クーラーボックスの上に腰を下ろし墓を眺めながら話す。
戌淵賢人:墓場の端の木陰で子犬たちが寝息を立てている。
戌淵賢人:「正直、何も終わっちゃいないかもしれないし。俺は納得できてもいない」
戌淵賢人:「でも、お前は。多分そうは思わないんだろうな」
戌淵賢人:「お前なら、どうするのか。赦すのか赦さないのか。それすらも俺はもうわからん」
戌淵賢人:「いつか、あいつを始末できるなら。俺はきっとそうするんだろうな」
戌淵賢人:「だが、もう居場所も解っている。逃げられることも恐らくない」
戌淵賢人:「だから、一区切りだ」
戌淵賢人:「俺は、お前に誇れるような警察官にとりあえず戻るよ」
戌淵賢人:「世話になった連中に礼も言わなきゃな」
戌淵賢人:「言うと調子に乗りそうな連中だが」
戌淵賢人:「まずはお前を庇ってくれたやつに礼を言わないとな」
戌淵賢人:アイスクリームが太陽の熱で溶けていく。
戌淵賢人:空を見上げる。
戌淵賢人:「暑くなりそうだな」
戌淵賢人:ヒュっと犬笛を吹く。
戌淵賢人:寝ていた子犬たちの耳がぴくぴく動いて。
戌淵賢人:すぐに駆け寄ってくる。
戌淵賢人:「また来るよ。絵里子」
戌淵賢人:荷物を抱えて男は墓場を後にする。
戌淵賢人:太陽の光を緑色の液体が反射して、ゆらゆらと揺れた。


エンディング3 御凪涼・石神井寅彦


【雨宿町町役場隣接・雨宿わくわくホール・和風レクリエーションルーム】

御凪 涼:支部の歓談などに用意された和室の端。
御凪 涼:誰もいない、沈黙に呼吸のわずかな音すらも耳障りなほど。
御凪 涼:どのくらい舞っていたか覚えていない。覚える気もない。
御凪 涼:ぐらり、と傾けた体が、起き上がれないな、と思ったので止めるだけだ。
御凪 涼:そのまま倒れて、埃っぽい匂いの畳に受け止められる。
御凪 涼:「……」
石神井寅彦:開きっぱなしだった扉から、呆れたような顔が覗く。「……な」
石神井寅彦:「なにしてんの…」
御凪 涼:「あ……」なんとか体をそちらの方に向ける。「寅彦くんだ」
石神井寅彦:靴を脱いで、大股でそちらに寄ってくる。
御凪 涼:「舞っていただけ」
石神井寅彦:「何時間やってたと思ってるの」
御凪 涼:「さあ」
御凪 涼:「知ってる?」
石神井寅彦:「頼まれたからね。様子見て来いって」
石神井寅彦:呆れた顔で、身体を引き起こす。
御凪 涼:「……だれだ。心当たりが複数ある。…嬉しいことに」力なく笑う。引き起こされる。
石神井寅彦:そのままずりずりと壁に引きずってもたれかけさせる。
石神井寅彦:「水飲む?」
御凪 涼:無抵抗。「……あ。必要かも」
石神井寅彦:ミネラルウォーターのペットボトル。ちょっと考えたあと、キャップを外してから渡す。
石神井寅彦:「で?」
御凪 涼:貰う。二口ほど飲む。ゆっくり飲んで、息を吐く。「ん?」
石神井寅彦:涼さんの隣に座る。
石神井寅彦:「言葉にできなくなっちゃったことでもあった?」
御凪 涼:「……」ぼんやりとしている。「あるいは、舞にしたいことがある」
御凪 涼:「どっちかは、わからないけども……」
石神井寅彦:「じゃあ、言葉にしてみてよ」へらへら笑っている。
御凪 涼:目を閉じる。雷光が目を灼く。落ちろ、と思う。もう無い感触。
石神井寅彦:「舞にしようとして、時間かけてもできなかったんでしょ。言葉にした方がいいことだよ、きっと」
御凪 涼:「破多々のこと」
御凪 涼:「それを考えていた」
石神井寅彦:「うん」
石神井寅彦:「涼さん、あの時なにか言いたげだったもんね」
御凪 涼:「……たぶん。言葉にもしきれない。それでいいんだ。舞にもしきれない。それもわかっている」
御凪 涼:「わかっているから、しようと思っている」
石神井寅彦:「じゃあ、頑張ってみましょうか」
御凪 涼:「ふふ。うん……少し付き合ってもらうね」
石神井寅彦:「どうぞどうぞ」笑って促す。
御凪 涼:「……共鳴したとき、彼のことが、もはや理解できないことがわかった。私はそれが、少し嬉しくて」
御凪 涼:「それはたぶん、どこまでも心が分かちあえないからこそ、舞や言葉があるのだから」
御凪 涼:「舞にすることも、言葉にすることも、理解したい、踏み込みたいと望むことも」
御凪 涼:「それ自体でしかできないことがあるのだと…確かめられたような気がしたから、ではないかと思う」
石神井寅彦:「そうね」
石神井寅彦:頷く。「普通はさ。相手の気持ちなんて分からないから、何かの手段で、伝えようとするんだもんね」
御凪 涼:「ああ。……そうだ。分からないことばっかりだ」
石神井寅彦:「どうしたの。それで、そのことが確認できたから良かったって感じの顔じゃないよ」
御凪 涼:「だって、破多々は分かったんだ」
御凪 涼:「最後に、分かっていただろう。自分が踏み躙ったものの恐怖と孤独を。同じでないにしても」
御凪 涼:「あるいは、そうなる前の、もっと原始的な喜びさえも…」
石神井寅彦:「そうねえ」
石神井寅彦:目を細める。そのきっかけを作ったのは他でもない自分だが。
御凪 涼:「寅彦くん。きみもそうだろうけど、私はこの町の人間じゃない」
御凪 涼:「……いや。今はそうかもしれないけど」
石神井寅彦:「ひひ、いいよいいよ。お客さんなのね」
御凪 涼:「この町に積み重ねられた、無数の心残りを私は、知らない。それを私が持つことはない…そうすべきでもない」
御凪 涼:「客なのかもわからないよ、」
御凪 涼:「……べつに私は、どこでだって舞えて……生まれ育った町にも、ツツリくんや賢人さんみたいには思えない」
石神井寅彦:「涼さん」
御凪 涼:「……どうしたの」
石神井寅彦:顔を覗き込む。「分かった。言っていい?」
御凪 涼:「…?」見返す。瞬きの少ない、どこか無機的な目。「うん」
石神井寅彦:「誰からの理解も必要としないはずだった破多々がさ、この町の人とあやしの感情に向き合っちゃってさ」
石神井寅彦:「置いて行かれた気持ちになっちゃったんでしょ」
石神井寅彦:「自分と同じかもって思ったヤツがさ、勝手に…なんていうのかな」
石神井寅彦:「大きなものに加わっていっちゃった感じ?」
御凪 涼:「しかも、満足した顔でね」薄く笑う。
石神井寅彦:「勝手にね」笑う。
御凪 涼:「……暴力だけが伝えるもので、それが喜びで」
御凪 涼:「きっとそのように決定的に違えた。もう戻ることのない地点で」
石神井寅彦:「涼さん的にはさあ」
石神井寅彦:「そういう状態のが良いなーって感じなの?」
御凪 涼:「良い、悪いというものではないと思う」
石神井寅彦:「ふん」頷く。
御凪 涼:「私にとってはね。もっと決定的で、致命的なんだ」
御凪 涼:「私の舞はね」
御凪 涼:「ほんとうは、辿り着かないんだ」
石神井寅彦:「辿り着かない?」
御凪 涼:賢人さんに、これからを聞いたことを思いだした。
御凪 涼:よかった、と思った。その答えを聞いて。なのになぜ自分はこう思うのか、わからない。
御凪 涼:「すべてが溶けて、境界がなくなって、なにもかもに手が届く」
御凪 涼:「そんな舞がある。私はそう確信していて、ほとんどすぐそばにある」
御凪 涼:「だけどそこに辿り着いたら、たぶん、私はもう終わるんだ。斬られるべき鬼と等しくなる」
石神井寅彦:「ああ」瞬きする。
石神井寅彦:「そりゃ、決定的で、致命的だ」
御凪 涼:他人の絆にすら触れ、捻じ曲げるほどの力を知っている。鬼の、あるいは荒神の。
御凪 涼:「…だから、そうだな」
石神井寅彦:「なになに」
御凪 涼:「きっと、少し妬ましかったんだ」秘密を打ち明けるように、小さな声で。
御凪 涼:「あんな」
御凪 涼:「あんなふうに、成り果てて、理解できて」
御凪 涼:「……だから私は舞いたかったんだ」
御凪 涼:はあ、と息を吐く。踊り疲れた虚脱が嬉しかった。
石神井寅彦:「だから…になるんだ。そこで」
石神井寅彦:「舞踊で、ストレス発散してるみたいに聞こえる」軽口を叩く。
御凪 涼:「……それは的確じゃないな」
御凪 涼:「違う。それは、私が舞うのが楽しくなくて、苦しいみたいだ」
石神井寅彦:「違うの?」
御凪 涼:苦しそうに言葉にする。
御凪 涼:「違う。私が舞いたいのは」
石神井寅彦:「うん。頑張れ」
御凪 涼:「そうでない自分に行きたいからだ。もっと、もっと違うかたちで」
御凪 涼:「辿り着かないところへ、もっと」
御凪 涼:「鬼にならないまま、私は…」
御凪 涼:「きっと、私のまま、伝えられるはずだからだ」
石神井寅彦:「うん」
御凪 涼:「……でも、それが言葉だけでないといいとも思う」
御凪 涼:「きみは影に潜った」
石神井寅彦:「おう。そうよ」
石神井寅彦:「そんで、だからあなたは舞っている」
石神井寅彦:「いやあ」へらりと笑う。
御凪 涼:「…そうだ」やっと息ができた、とばかりに吸い込む。軽く咳き込む。
御凪 涼:震える喉が静まっていく。寅彦さんの笑いを見る。
石神井寅彦:「確かに、あなたが羨ましくなってもしょうがないよ。理性をなくした鬼になったっつーのに、他人の心を理解しちゃうなんてさ」
石神井寅彦:「別に変なことは言ってないと思うし。あなたが、ひとりぼっちみたいな気持ちになったのも分かった」
石神井寅彦:「伝わりました」笑って言う。
御凪 涼:「伝えきれたかは分からないけど、それでいい。少し、近づいた」
石神井寅彦:「ちなみにさ、おれが影に潜るのは、あれはもう、ズルだよ」
御凪 涼:「……そう?」
石神井寅彦:「うん。力ずくで相手の気持ち読み取ってんだよ?」
御凪 涼:「じゃあ、同意すればいいのか」言って、億劫そうに袖を引く。
石神井寅彦:「いいよ、別に。否定したけりゃ否定して」
御凪 涼:薄い影ができる。「……読み取ってくれ、と言えば」
石神井寅彦:「…ん?」
御凪 涼:「ズルだときみは思わない?」
御凪 涼:「そういうことだろう」
石神井寅彦:「…そうだけど」
石神井寅彦:「読み取ってほしいの?」
御凪 涼:「やってみて」
石神井寅彦:「やだ」
御凪 涼:「なんで? 力ずくにはならないはずだ」
石神井寅彦:ぱしっと返す。「せめて、何で読み取ってほしくなったか言って」
御凪 涼:「きみが自分がズルしていると思っているのが、嫌だから」
御凪 涼:「そうじゃない例を作ればいいと思った」
石神井寅彦:「えぇ~?」
石神井寅彦:怪訝な顔。
石神井寅彦:「………」
石神井寅彦:「涼さんさあ」
御凪 涼:「だって、私が人の嘘を溶かすのだって、ズルではないし…」
御凪 涼:「む」
石神井寅彦:「おれに優しくしてくれようとしてくれてるの?」
石神井寅彦:「…いや、それとも自分の能力を悪く思いたくないだけか?」けらけらと笑う。
御凪 涼:「そりゃあ、優しくいたいよ」
御凪 涼:「言っただろう。私はきみとも友人になりたいんだ、いや、そうでなくても」
御凪 涼:「そうでなくても。なんというか…したいんだ」困ったように。
石神井寅彦:「うん」頷く。
石神井寅彦:「良い事、したいよね」
石神井寅彦:「あなた、ずっとそうだもんね」
御凪 涼:「……そうなのかな?」
石神井寅彦:「鈴掛くんのことが心配で、ひょこひょこ事件に関わってきて」
石神井寅彦:「いまいち憎み切れない破多々の前でも、おれ達に協力したいって言ってたぜ」
御凪 涼:「……それは、だってそうだろう」いまいち納得していないように。
石神井寅彦:にやにや笑う。「おれさあ、あなたが鬼になっちゃうような舞は分かんないけど」
石神井寅彦:「でもさ、あなたが目指してる、『それとは違う自分のかたち』ってのは、なんか分かった気がする」
石神井寅彦:「なんなら、あなたの周りの人だって、知ってるんじゃない? はは」
御凪 涼:ゆるく大きな瞬き。
石神井寅彦:「あなたが言葉にも舞にもしてないのにね」
御凪 涼:「……」
御凪 涼:「きみも、たいがい」
御凪 涼:「私に優しくしようとしてくれるな……」
石神井寅彦:「そうね。優しくするの好きだもん、おれ」
石神井寅彦:「どう? 慰められた気になった?」
御凪 涼:「どうだろうね」「私、きみに慰められたかったわけじゃないよ」
御凪 涼:「でも、嬉しい」
石神井寅彦:「そう」首を傾げて顔を覗き込む。笑う。「おれも嬉しいわ」
石神井寅彦:「んでね、ていうかね、あなた、おれなんかと話してる場合じゃないのよ」
御凪 涼:「はい……?」
石神井寅彦:「あのね。あなたが、人の気持ち分かんないーって思って色々悩んでる間もさ、それでも人とは関わる訳でしょ」
石神井寅彦:「あなたが他の人に起こしてる影響だって、あるのよ」
御凪 涼:「ん……なんのこと」
石神井寅彦:「わっかんねえだろ。自覚してもらうから」
石神井寅彦:悪戯っぽく笑いながら、携帯を弄る。
石神井寅彦:涼さんの携帯が鳴る。
石神井寅彦:ラインに、着信。記されているのは、病院の住所と、部屋番号。
御凪 涼:「あれ」どこかに放っていたことを思いだした。手が届くところにあった。
御凪 涼:「……これは」
石神井寅彦:「そこね、來火くんの入院してるとこ」
石神井寅彦:「今日、退院なの。だから迎えに行けって、おれが支部長に頼まれてたんだけど」
石神井寅彦:「涼さん、おれのかわりにひとりで行ってきて」
御凪 涼:「きみは、いいのかい」
石神井寅彦:「大丈夫! おれとは、もうちょっと元気になってから会う方がいいんだよ」
石神井寅彦:「それにね」
石神井寅彦:「來火くんのことに初めて気づいたの、あなたなんでしょ」
石神井寅彦:「じゃあ、初めて迎えに行くのだって、あなたがいいよ」
御凪 涼:「……ありがとう」
石神井寅彦:「いいっていいって」朗らかに笑う。
石神井寅彦:「あ。じゃあさあ。お礼代わりじゃないんだけど」
御凪 涼:ぼんやりと、その画面を見ている。文字を見ているだけなのに、感情が想起される。
御凪 涼:「うん」
石神井寅彦:「いま、あなたがどういう気持ちなのか、読んでいい?」
石神井寅彦:「これはね、ただのおれの野次馬根性」
御凪 涼:「ふふ。分かってるだろうに。いいよ、どうぞ」
御凪 涼:力なく扇を取り出す。
御凪 涼:開く。小さく頼りない影ができる。
石神井寅彦:イージーエフェクト《シャドウダイバー》を使用します。
石神井寅彦:侵蝕率はバックトラック時から2上昇して52になります。
石神井寅彦:その影に触れる。感情を読む。
御凪 涼:まず、さまざまな反応。触れるもの、風、気温への、過敏なまでの快不快。
御凪 涼:そして少し深く潜れば。
御凪 涼:喜びの色が、混沌とした感情のもっとも大きな渦になって、横たわっているのが分かる。
石神井寅彦:紫檀の匂いがした。
御凪 涼:寄せては返す、言葉にしきれぬ感情の、もっとも大きく深い。
御凪 涼:「……」
石神井寅彦:「あっはっは!」
石神井寅彦:笑う。
御凪 涼:「見るまでもあるのかなあ」
石神井寅彦:「良い事分かったよ?」
御凪 涼:「ほんと? 私も知らないことかな」
石神井寅彦:「残念なことかも。ほらほら、立って立って」
御凪 涼:よろよろと立ち上がる。
石神井寅彦:「來火くん迎えに行くんだから。バス停まではついてってやるよ」
御凪 涼:「あ、助かるよ。バスもだいぶ久しぶりだ」
石神井寅彦:「よく生きてこられたねえ」
御凪 涼:「優しい人に会うのはね、上手なんだ」
御凪 涼:「そうでしょう?」
石神井寅彦:「ひひ」
石神井寅彦:(だからかなあ)
石神井寅彦:(そんなに人が好きなの隠しきれないようじゃ、)
石神井寅彦:(しばらく鬼にはなれそうにないぜ、あなた)


エンディング4 御凪涼


【雨宿町・啄木総合病院・入院病棟】

GM:UGNとの提携を行っている病院の、ある病室。
GM:部屋はすっかり片付け、荷物もまとめて、眼帯の青年がベッドに腰かけている。
御凪 涼:気配。ドアを開けてから、「あ」と言う。「そうだ…ノックだった」
來火:「うわ」
來火:「涼さん、またそういうことをする……!」
來火:あなたを見て、少し納得したように笑う。
御凪 涼:ばつのわるそうな顔。
御凪 涼:「……忘れてた…」
御凪 涼:入ってくると、消毒された部屋に紫檀の香りが混じる。
來火:「今日はちゃんとしてますよ、これ」右目を示す。
來火:「ま、見られてももう今さらなんですけどね……」
御凪 涼:「む。してほしい、って言ったっけ、私」
來火:「おれの準備が良かったでしょって言ってるだけ」
御凪 涼:「ふ。そうだね」首を傾げる。
來火:「…………」
御凪 涼:「外してほしいっていったら、じゃあしてくれる?」
來火:「……おれから」
來火:「外します?って言おうとしてた」
御凪 涼:「わ」瞬き。「それは」
御凪 涼:「惜しかったかも」
御凪 涼:「じゃあお願いしよう」嬉しそうに客人用の椅子に座る。
來火:「はいはい」眼帯を外す。無骨な義眼。
來火:その中に、小さく稲妻の閃きが見える……かもしれない。
御凪 涼:「……やっぱり、私が」
御凪 涼:「最初にあったきみが、こうであってよかった気がする」
來火:「……まあ、今となっちゃ、そうかも」
來火:「つうか、涼さんが迎えなんですか? 石神井くんあたりが来るかと思ってた」
御凪 涼:「あ、そうなんだよ。寅彦くんが予定だったみたいなんだけど」
御凪 涼:「私に行けって言うんだ。お節介でしょう」
御凪 涼:くすくすと笑う。
來火:「なんだそれ……」頭を掻く。
御凪 涼:「久しぶりにバスに乗ったよ」
御凪 涼:「紫のランプが沢山あって、それが赤っぽく光って、良かった」
來火:「プリミティブな感想だ」
來火:「…………や」
來火:「おれも、なんかそんなようなこと、思ってた気もするな……」
御凪 涼:目を丸くする。「そうか」
御凪 涼:「きみも、数年前くらいになるんだね」
來火:「まあ、そん時もだいぶ喜一のコピーだったんで、ぼんやりですが」
來火:「動くの、面白いなって思ってた」
御凪 涼:「不思議だよね。この町に来るときも、電車に乗って…それも、面白かった」
來火:「喜一は電車でここに来る時、結構緊張してたみたいすよ」
來火:「おれは……落ちてくるばっかで、何にもわかんなかったな」
御凪 涼:興味深そうに聞いている。
御凪 涼:「いいなあ。喜一君の話もね、聞いてみたかったし」
御凪 涼:「落ちたこともないから。気になるよ」
來火:「落ちない方がいいすよ、人間は」
來火:「いくらオーヴァードだからって……」
來火:「……で」
來火:「落ちたら即破多々……さんに会いました」
來火:少し迷って、さんをつける。
御凪 涼:「そうなのか」扇を開く。言葉にした感情が脳裏をよぎる。
御凪 涼:「名前は、彼がつけたって言ってたね」
來火:「そう。ちょうど良い火が来たって」
來火:「怖くて、しんどかったし、こうなったのはしょうがないけど」
來火:「その時のことだけは、覚えてる」
御凪 涼:「火。光とか、雷ではなくて」
來火:「火、ですね。意図はわかんないけど」
御凪 涼:じっと聞いている。
來火:「強いひとでした」
來火:「すごくおっかなくて、もう会いたくはないけど」
來火:「でも、やっぱりおれの名付け親ではあるんですよ」
御凪 涼:「うん。……いい名前だと思う」
來火:「ども」
來火:「涼さんの名前とは真逆だな」
御凪 涼:「ん」
來火:「涼しい、でしょ?」
來火:にっこりと、無邪気に笑う。
御凪 涼:「ああ、そうだった」同じく、無邪気に驚く。
御凪 涼:「……そういえば、由来は聞いたことがなかったな」
御凪 涼:「ふふ」
來火:「いっつも涼しい顔してっから……と思ったけど、名前の方が先かあ」
御凪 涼:「そう? そんなことないと思うけど」
御凪 涼:「とくに今回は、すごく精一杯だったくらい」
來火:「……そ、すか」
來火:「……涼さんは、えー、あの」
御凪 涼:「あ、自分のせいみたいに思った」むむ、という顔をしてから。「うん?」
來火:「あのね? 今回までは、その、そんなに親しいわけじゃなかったですよね」
來火:「会ったのも最近だし」
御凪 涼:「そうだね」
來火:「その、だからびっくりしたっつうか。こっちに首を突っ込んできて」
來火:「……あと、友達になるとか、そういうこと言ってきて」
來火:「しかも、喜一ならともかく、あのちっこい方のおれにっすよ?」
御凪 涼:「そうだな……」考える。その答えは、すでに言葉にしてきた後だから。たぶんそこまで迷わない。
御凪 涼:「喜一くんのことも、知りたいけど。でも私が会って、話しているのはきみで……」
御凪 涼:「それで」
御凪 涼:「きみがずっと、何も言いたくないような感じなのまでは、わかってた」
來火:「…………」
御凪 涼:「でも、それはそれでいいと思っていたら、いなくなってしまって」
御凪 涼:「なんで聞けなかったんだろうな、と思った」
御凪 涼:「それを知りたかったし、知れば、なにかできたのかもしれないとも」
御凪 涼:「……これでも、私は人になにかをしたいんだよ。なかなか、うまくいかないけど」
來火:「……おれがちゃんと周りに話してれば、ってのはそりゃそうです」
御凪 涼:「でも、秘密だったんだろ」
來火:「それも、そう」
御凪 涼:「……人には、そういうのがあって、踏み込まれたくないことも…」知っている、知った、で迷って、そのまま選べずにいる。
來火:「これは、悪口ではなくて」
來火:「悪口ではなくてですよ」二回言う。
御凪 涼:「うん」
來火:「おれ、涼さんのこと、よくわかんないの」
來火:「言葉はわかるし、すげー一生懸命なのも知ってる」
來火:「おれのこと考えてくれて、ありがとう」
來火:「でも考えてるとわかんなくなるんすよ」
御凪 涼:「うん」真剣に頷く。
來火:「悪口じゃないっていうのは……」
來火:「わかんないから、気になる。ちゃんと知っときたい」
來火:「喜一もおれも、調査部すから。『知りたい』が衝動」
來火:「そこはお揃いなんだよな……」
御凪 涼:「ふふ。兄弟みたい」
來火:「おれ弟確定じゃないすか……」
御凪 涼:「弟も楽しいよ。兄も楽しいし」
御凪 涼:「ね、來火くん」
來火:「……はい」
御凪 涼:「私もきみのことが気にかかって、きみのことが知りたいよ。私も、なにひとつわからないけど」
御凪 涼:「わからないのは、…私にとって、あたりまえのことで」
御凪 涼:「知っておきたいと言ってくれるのは、あたりまえじゃない」
御凪 涼:「えっと。だから。嬉しいんだ」
來火:「…………」
來火:「今のは、まあ、わかりました」
御凪 涼:「嬉しいということを、きみに知っておいてほしいから、言った」
御凪 涼:「うん」
來火:「おれは舞とかはできないから、こうして話したり、たまにズルしたり」
來火:「そんくらいですけど。その」
來火:「多分、あなたは"來火"の初めての友達なんで」
來火:「話してくれて、どうも」
來火:「おれに会ってくれて、どうも」
來火:「ありがとうございました」
來火:ゆっくり、頭を下げる。
御凪 涼:「あ、もう。さっき寅彦くんも言ってたんだよな、自分はズルしてるって…」きみにも潜ってもらうか、と言いかけて。
御凪 涼:驚いて、それを見ている。
御凪 涼:「……」
來火:それから、またゆっくり頭を上げて。
鈴掛 喜一:「な?」
鈴掛 喜一:「こいつ、そんなに俺に似てないんですよ。真面目でさ」
鈴掛 喜一:「よろしくしてあげて」
御凪 涼:「…わ」笑う。
御凪 涼:「ふふ」
御凪 涼:「本当に、兄弟みたいなことを言う」
來火:瞬きをして、またふと元に戻る。
御凪 涼:それをじっと見て、微笑んでいる。
來火:「……なんか喜一に遊ばれてるような気がしてきたけど」
來火:「よろしく、涼さん」
御凪 涼:「……似てないあなたのことも、きみのことも…」
御凪 涼:「うん。よろしく。それから」
御凪 涼:「私に」
御凪 涼:ふと、今回のことが無数に脳裏を駆け巡る。
御凪 涼:たくさんの出会いと、感情と、言葉と、それらにならなかった無数。
御凪 涼:一瞬の雷鳴のように、閃いて、それは形に残ることはなく。
御凪 涼:それが惜しくて、どうにか形にしたくて堪らないような、そんなことばかりで。
御凪 涼:今もぜんぜん、形にできやしない。できやしない、そんな私に。
御凪 涼:「力にならせてくれて、ありがとう」
御凪 涼:「本当に、それが、とても」
御凪 涼:「とても、…嬉しかったんだ」
來火:「……そう、なんだ」
來火:「おれは弱いから、ずっと助けてって思ってて、それが……」
來火:「それが、そっか……」
來火:「はは、やっぱり考えるとごちゃってわかんない」
來火:「面白いな」
御凪 涼:「ね」
御凪 涼:「いろんなことがたくさん、駆け巡って」
御凪 涼:「大変で、ふふ」
御凪 涼:「こんなの、一人では抱えきれないよ」
來火:「……うん」
來火:「だから、おれは、みんなのところに戻るんですよ」
來火:「喜一のためでもあるけど、おれのためにも」
御凪 涼:「うん。……うん。それがいい」
來火:「涼さんもそこにいて、また話しましょうよ」
來火:「……友達なんで」
御凪 涼:思考と感情とそれ以前のものが、渦巻いた。
御凪 涼:それで、やっぱり、形にはできやしなかった。ただ。
御凪 涼:「うん」頷いて。
御凪 涼:うん、ともう一度、頷いて、困り果てて、笑った。
御凪 涼:空も見えず、雨も届かない、ちっぽけな屋根の下で。
御凪 涼:それだけのぶんの距離すら、持て余して。


エンディング5 石神井寅彦


【天弓山・宛無御殿】

GM:騒ぎの起きていない御殿は、人の数のわりに静かなところだ。
GM:綺麗に整えられ、磨かれた廊下を通った先の大きな座敷。
GM:あなたは、山の主であるアテナシと向かい合っていた。
石神井寅彦:「…ってことで」今回の顛末について、報告を済ませたところ。
アテナシ:「うむ。ご苦労だったの。火消しよ」
石神井寅彦:「いいえーいいえー。封印にあたっては、ご協力ありがとうございました」
石神井寅彦:「あれっしょ。雷獣もいくらかこっちに来てるんでしょ?」
アテナシ:「こちらにも降りかかりかねん火の粉であったからのう」
アテナシ:「おお、そうよ」座敷の隅の方を見る。
石神井寅彦:一緒に隅の方を見る。
雷獣:何匹かの雷獣が、ころころと戯れている。
雷獣:ゲーム機の辺りだ。
アテナシ:「やはり居場所が欲しいようでの。壊さぬと約した上で引き取った」
石神井寅彦:「平和そうで何よりねえ」目を細める。
アテナシ:「心持ち、ロード時間が短くなったような気もするのでな。良し」
石神井寅彦:「はは、現代的な理由だなあ」
石神井寅彦:笑ってから。「あのさあ、アテナシ様」
アテナシ:「ふむ?」
石神井寅彦:「個人的に突っ込んだこと聞いていい?」
アテナシ:「必ずや答えよう、とは言えぬが。まあ、申してみよ」
石神井寅彦:「うん。ほら、さ、破多々の方は、ずいぶんあなたに執念燃やしてたみたいだけどさ」
石神井寅彦:「あなた的にはどうだったの? あんま興味ない感じ?」
アテナシ:「ないとは言わぬよ。だがのう、言ったであろう。我は神ではなく主」
アテナシ:「この手の中に集まる者どもを守る方が先でな」
アテナシ:「喧嘩を売ってくる相手をそれより強く思うことは、なかなかに難しいものよ」
石神井寅彦:「ふうん…」ゆっくりと瞬き。「そんなものですか」
アテナシ:「ことに我は、踏みにじられる者の庇護者であるからして、な」
アテナシ:これは少し冗談めかして言う。
石神井寅彦:「なにそれ。突っ込んで聞かない方がいいとこ?」
アテナシ:「火消しの方ではどう教育をしているのかは知らんが」
アテナシ:「いわゆるオリジンというやつよの」ククク、と笑う。
アテナシ:「まあ、そういうわけよ。そなたの期待する答えではなかったかの?」
石神井寅彦:「ああ、いや、そんなことないよ。たださ」
石神井寅彦:「あなたにもとりわけ大事な人っているのかなって、なんとなく気になっただけ」
アテナシ:「おったこともある。今は、皆がそれぞれに愛おしい」
アテナシ:「目の前の小童もなかなかに楽しげなことを尋ねてくるしの」
アテナシ:少し、はぐらかすような答え方。
石神井寅彦:「はっは。おもしれー男でしょ。仲良くしてね」はぐらかされたのを感じて、それを流す。
アテナシ:「親密度を10上げてやろうの。精進せよ」
石神井寅彦:「えー、ポイント大きいんだか少ないんだか分かんないな!」笑う。
石神井寅彦:「まあ、皆が大事ならいいや。また何かあったらよろしくお願いしますね」
アテナシ:「ふん。ゲームと違って人生は区切らず続く」
アテナシ:「ちまちまと貯めていくが良いぞ」
石神井寅彦:「また会えるってことだ。楽しみ」
アテナシ:「その間に我は我で、庇護者をやっておくからのう」
アテナシ:「選択肢を間違えるなよ? 小童」
石神井寅彦:「ひひ」
石神井寅彦:「大丈夫。あいにく、得意分野だから」
石神井寅彦:勝負事に乗るような顔つきで、楽しそうに笑う。
アテナシ:「ふん、今回は無事そなたらの勝ちよ」
アテナシ:「天晴、と伝えておこうの。そなたにも、共に居た者どもにも、そなたらの長にも」
石神井寅彦:「ふふ」笑う。「無事、危ない雷の火は消したからね。それはどうも」
アテナシ:「封印には備えよ。いつまた何が起こるとも限らん」
アテナシ:「ただ、それまでは。ゆっくりと眠らせておいてやれ」
アテナシ:「これが、奴に向き合えなかった我からの、せめてもの餞」
石神井寅彦:「…それ、どういう感情? 優しさ?」
アテナシ:「どうであろうのう」
アテナシ:「……長と主とだけの、秘密よ」
石神井寅彦:「そう」目を細める。
石神井寅彦:「次に会う時は、遊んでやってね」
石神井寅彦:「それできっと、あいつも本当に浮かばれるさ」
アテナシ:「町が壊れるぞ? 良いなら良いが……」
石神井寅彦:「ちょっとー、人が死なないやつにしてよお」けらけら笑う。
アテナシ:「心がけよう。奴ほどは、我は荒ぶってはおらぬからな!」呵々と笑う。


【雨宿町・羽心神社】

GM:晴れた神社の境内で、巫女装束の少女がひとり。
GM:箒で軽く掃除をしている。
波止村 凜花:「ふー、こんな感じかなあ……」
石神井寅彦:後ろからてくてくと近付いて行く。
石神井寅彦:「わっ」両手をガオッと出して驚かせる。
波止村 凜花:「ひゃっ!?」
波止村 凜花:「な、何何!?」
波止村 凜花:箒を構える。
波止村 凜花:それからあなたに気が付いて、ほっと顔を緩める。
石神井寅彦:「うわっ、殺さないで」出した両手をそのまま掲げる。
波止村 凜花:「はー……、石神井さん。びっくりした……」
波止村 凜花:「物騒なこと言わないでください。お社ですよ」
石神井寅彦:「あっ、それは本当にごめんなさい」正直に謝る。
波止村 凜花:「わかってくださればよろしいのです」くすっと笑って。
波止村 凜花:「今日は、お仕事ですか?」
石神井寅彦:「うん。お仕事で、凜花ちゃんに会いに来ました。ちょっと時間もらえる?」
波止村 凜花:「あ、はい。この間の事後処理、とかでしょうか」
波止村 凜花:箒をさっと片付けて、またあなたのところに戻ってくる。
石神井寅彦:「そんな感じですね。ほら、戦闘任務に参加してもらったワケじゃない。結構ショッキングなところもあっただろうからさ」
石神井寅彦:「様子を見に来たの。大丈夫だったかなーって」
波止村 凜花:「……はい」少しだけ顔を硬くする。
石神井寅彦:「なんかこう、変にソワソワしちゃったりしてない? 変な夢見ちゃったりとか」
波止村 凜花:「夢……はないですけど」
波止村 凜花:「あ、逆かも」
石神井寅彦:「逆?」
波止村 凜花:「なんだか無我夢中で、あの時のことが夢だったんじゃないかって思うこともあって」
波止村 凜花:「でも、銃を握った時の感触はちゃんと覚えてるんです」
波止村 凜花:「……なんかトラウマみたいだけど、そうでもなくて」
石神井寅彦:「うん」
波止村 凜花:「たまに、私、ちゃんと撃ったんだなあって思い出したり」
波止村 凜花:「撃った後の、相手が苦しそうだったことも思い出したり」
波止村 凜花:「両方です」
石神井寅彦:「そっか」
波止村 凜花:「どちらかになると思ってたんです」
波止村 凜花:「全部解決してスッキリするのか、辛いものをずっと負っていくのか」
波止村 凜花:「両方、ちょっとずつだったし、それもなんだか夢みたいなの」
波止村 凜花:「不思議ですね」
波止村 凜花:あなたに、境内の椅子を案内しながら。
石神井寅彦:中に通そうかとも提案されたけど、それは断って、外の椅子に座る。
石神井寅彦:「そうだねえ」
石神井寅彦:「おれ達もそんな感じだよ」
波止村 凜花:「そうなんですね」自分も腰かける。
石神井寅彦:「表面上はさ、怖い敵がいなくなって、もう事件も起きない…って、なったのかもしれないけど」
石神井寅彦:「封印しただけ。存在そのものを消したわけじゃない」
波止村 凜花:「……はい」
石神井寅彦:「破多々の罪も消えないし、贖罪の意思を見せてくれたわけじゃないし…」
波止村 凜花:「そういうもの、なのかと思ってました。悪い化け物、みたいな」
波止村 凜花:「そうなっちゃったのかと……」
石神井寅彦:「そういうものでも、ないみたいなんだよなあ」
波止村 凜花:「難しい、ですね。撃ったこと自体は後悔してないんですけど」
石神井寅彦:「うん」
石神井寅彦:「一言で、簡単に済ませられるようなものだったら楽なのにね」
石神井寅彦:そうだったら、あんなに悩むこともなかっただろうな。と、和室でのやりとりを思う。
波止村 凜花:「ほんとに、そう」
石神井寅彦:「ふふ」
石神井寅彦:「これが当事者の気持ちってやつなんじゃないでしょうか」
石神井寅彦:穏やかに笑う。
波止村 凜花:「……なるほど」自分の胸に手を当てて、少し考える。
石神井寅彦:「知れてみて、いかがですか」
波止村 凜花:「知れてみても、私は私、かなって」
波止村 凜花:「思ったより世界、大きくは変わらなかった」
波止村 凜花:「ただ、ちょっと」
石神井寅彦:「ん」
波止村 凜花:「細かく、色が青くなりました。見え方が」
波止村 凜花:「町を歩いてるUGNの皆さんが、頑張ってるってこと」
波止村 凜花:「それが、ちょっとだけ見え方が変わって」
波止村 凜花:「それで、私もその端っこにいるような気もして」
波止村 凜花:「悲しくて、嬉しいです」
石神井寅彦:「うん」
石神井寅彦:「それ以上、入ってきちゃだめだからね」
波止村 凜花:「そうなんですよね……」
石神井寅彦:二人の足元に、影が伸びる。やっぱり、交わらない。
波止村 凜花:「私もそう思うの。それが悲しい」
石神井寅彦:「悲しいかあ」
石神井寅彦:「おれは安心したけどね」
波止村 凜花:「石神井さんは、そうかもしれないけどー」
石神井寅彦:「はは。だってさあ」
石神井寅彦:「凜花ちゃんが、ちゃんと、自分の戻る場所がどこなのか分かってるってことでしょ?」
石神井寅彦:「それって、一番大事なんだよ。おれ達が、いつも考えてることなんだよ」
波止村 凜花:「…………」
石神井寅彦:「自分の戻る場所がどこか。自分の日常がなんなのか」
波止村 凜花:「私、世界が全部変わるかもって思ってたんです。幸せにしても、不幸にしても」
波止村 凜花:「でも、そうか」
波止村 凜花:「戻るんですね、ちゃんと」
波止村 凜花:「少しだけ変わって、元のところに」
石神井寅彦:「そうそ」
石神井寅彦:「大きくて、あったかいところにね」
波止村 凜花:「石神井さんたちが、ちゃんと戻してくれたんですね、私を」
石神井寅彦:「そうだけど、そうじゃないよ」
石神井寅彦:「凜花ちゃんが、自分で決めて、戻ったんだよ」
石神井寅彦:「……だからね」
石神井寅彦:「そのままでいてね」
波止村 凜花:目を閉じる。あの時、添えてもらった手のこと。
波止村 凜花:自分の意志で引いた引き金のこと。
石神井寅彦:「端っこから、おれ達のこと、見守っててね」
石神井寅彦:「できそう?」
波止村 凜花:「……そうします」
波止村 凜花:「でも、お礼だけは言わせてね」
石神井寅彦:「真面目だなあ」
波止村 凜花:「私のわがままを聞いてくれて、ありがとう」
石神井寅彦:「………」
波止村 凜花:「ずっと見てたあなたたちを、助けさせてくれて、ありがとう」
波止村 凜花:「こうして、ちゃんとお話をしてくれて、ありがとう!」
石神井寅彦:彼女と目が合う。真剣な眼差しを見る。
波止村 凜花:「あとは、全部しまっておくの。ひいおばあちゃんとおんなじ」
石神井寅彦:二人の足元から、影が伸びる。交わらないが、交わらなくたって、隣同士に伸びている。
波止村 凜花:「……ふふ、ひいおばあちゃんの宝物……今回の物だけでもなかったみたいだけど」
波止村 凜花:「きっと他にも思い出があるんだと思うんです。日記、探さなきゃ」
波止村 凜花:「わくわくしながら読んで、それで……時々、皆さんが来るのを待ってます」
波止村 凜花:「また来てくださいね!」
石神井寅彦:「はは、そりゃいいな」笑う。
石神井寅彦:「うん、来るよ。雨が降った時なんかには、まっさきに来ますとも」
波止村 凜花:「着替えくらいならお出しできますからね」こちらも笑う。
波止村 凜花:「お父さんのだけど!」
石神井寅彦:「そう。絶対に怒られる。まあ、怒られるのもいいか」へらへらと笑う。
波止村 凜花:「ふふ。雷が落ちちゃいますね」
波止村 凜花:「まあ、うちのお父さんの雷なんて、ちょっと静電気くらいだとは思うけど……」
石神井寅彦:「ふふふ……」
石神井寅彦:「じゃあ、最後に、UGNエージェントとしてのおれから確認」
波止村 凜花:「はい」
石神井寅彦:「あなたの精神状態に問題があったり、あなた自身からの希望があれば、今回のことについて記憶処理を施すことも可能です」
石神井寅彦:「何もなかったことにして、日常に戻っていける。………」
石神井寅彦:「……しないってことで、凜花ちゃんなら、大丈夫だよね」
波止村 凜花:「石神井さん」
石神井寅彦:「うん」
波止村 凜花:「何もなかったことにはしなくても、日常に戻っていける」
波止村 凜花:「そういうところを、お見せしたいと思います!」
波止村 凜花:にこっと黒髪を揺らして微笑む。
石神井寅彦:「…………おおーーーーっ」
石神井寅彦:思わず拍手する。
石神井寅彦:「めっちゃくちゃ格好いい…。めっちゃ格好良いよ! 凜花ちゃん!」
波止村 凜花:「そ、そうでした?」
石神井寅彦:「うん。そう思えるのって、本当にすごいんだよ!」
波止村 凜花:「じゃあ、拍手、受け取っておきますね」少し照れた顔。
石神井寅彦:「うん。じゃあ、そのように処理を進めさせていただきます」笑う。
波止村 凜花:「お願いします。お疲れ様でした」
石神井寅彦:「お疲れ様でした。……っつーわけで」
石神井寅彦:「こっからはおれ個人からの話ね」
波止村 凜花:「…………」目をぱちぱちさせて。
波止村 凜花:「はい。お聞きします」座り直す。
石神井寅彦:「なんだよ、変なこと言わないよ。すぐ済むし」苦笑する。
石神井寅彦:「あのね、そうは言ってもさ、吐き出したくなることはあるでしょ」
石神井寅彦:「こっちの仕事関係の人には渡さないようにしてるんだけど、凜花ちゃんオーヴァードじゃないし、渡しちゃう」
石神井寅彦:名刺を取り出す。渡す。
波止村 凜花:名刺を受け取り、しげしげと眺める。
石神井寅彦:占い師としての名刺。小奇麗なデザインに、セラピスト:石神井寅彦と、あと住所と連絡先が記されている。
波止村 凜花:「わあ、すごい……」
石神井寅彦:「なんか、学校サボりたくなったとか、それくらいでもいいし。話聞くくらいならできるから」
波止村 凜花:「お話……今回たくさん聞いてもらいましたけど」
波止村 凜花:「よかったのかなあ……」
石神井寅彦:「良いよ良いよ、大人からお金とってるから。サービスしちゃう」
波止村 凜花:「これは、日常ですか?」
石神井寅彦:「ふふ」
石神井寅彦:「そうです」
波止村 凜花:「私、まだ石神井さんとお話したくなったら、行ってもいいんですね」
波止村 凜花:「冒険とか、危ないことじゃなくても」
波止村 凜花:「繋がってるんですね」
石神井寅彦:「あいにくね」
波止村 凜花:「なんだろう、それが嬉しいです」名刺を、空にかざす。
波止村 凜花:「戻れるってことは、道があるってことですもんね」
石神井寅彦:「そうだなあ」
石神井寅彦:「一度出会っちゃったら、切り離すのは難しいから」
石神井寅彦:「嬉しくて、良い事になった方がいいよね」
波止村 凜花:「はい!」
石神井寅彦:笑顔を見て、目を細める。
波止村 凜花:「多分、ちょくちょく行ったりはしないと思うんです」
波止村 凜花:名刺を表裏、くるくると回して。
波止村 凜花:「でも、繋がってること自体がいいなって、そういう気分」
石神井寅彦:「来ないならそれはそれで安心だしね」へらりと笑う。
波止村 凜花:「それもそうか。元気でやってますよってことですもんね」
石神井寅彦:「そういうこと。……よし、じゃあ、そろそろ行くね」立ち上がる。
波止村 凜花:「はい」立ち上がって見送る姿勢に。
石神井寅彦:《虹の香り》。動くと香りが揺れる。
波止村 凜花:雨が降る時に立つ香り。この町の香り。
波止村 凜花:空は晴れていても、香りが漂う。そんなことが何度もあった。
波止村 凜花:この人が一緒に居る時だ。
石神井寅彦:「……雨の匂いってさあ」
石神井寅彦:独り言のように言う。
波止村 凜花:「はい」
石神井寅彦:「雨が上がった時の方が、あー雨の匂いするなって、思わない?」
波止村 凜花:「……そうかも」
石神井寅彦:「しばらく晴れるかな。雷は見飽きたし」へらりと笑って。
石神井寅彦:「それじゃね」
波止村 凜花:(ああ、私は、この人の匂いをきっと、知らないんだろうなあ)
波止村 凜花:(でも、それくらいがいい。きっと)
石神井寅彦:またねとは言わずに、そのまま境内を去って行く。
波止村 凜花:(私にとってのこの人の香りは、この町の雨の匂い)
波止村 凜花:(懐かしい、大好きな)
波止村 凜花:その背中を見送る。じっと。
石神井寅彦:石造りの階段を降りて行く。
石神井寅彦:「……あ」
石神井寅彦:携帯に連絡がきていた。
石神井寅彦:次の仕事だ。
石神井寅彦:そうやって、また、日常が続いて行く。
石神井寅彦:それだけの、そういう話。


某県雫原市・雨宿町。
昔ながらの町並みと、新興の住宅地とが入り交じる町。
この町には古くから、『あやし』と呼ばれるレネゲイドビーイングが多く住まっていた。
山際に聳える『化生岩』の活性によるあやしたちの増加。
町役場や業者を隠れ蓑とするUGN雨宿支部は、今日も何かと忙しい。

今回の物語は、殺人事件のその先。過去と今とが交差する。
あるいは、空から落ちてきた、小さな獣たちの物語。
雷鳴は止み、雲間からは新しい光。
……何もかもが弾けて消えたわけではない。
それでも、時は進む。前へ、前へ。
町は、人は、営みを続けていく。
事件の先の、その先へと。
空はどこまでも高く、続いている。



リプレイ・ドロップ 雨宿町怪事件~雷花、はじけた~ 了